JP4732478B2 - ディジタル信号再生装置、及びその制御プログラム - Google Patents

ディジタル信号再生装置、及びその制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、ミニディスクなどの記録媒体に楽音や音声等のディジタル信号を記録するにあたって、前記楽音や音声等に適応して各周波数帯域のスペクトルに対するビット割当てを行い、データ量を圧縮するディジタル信号記録再生装置、及びその制御プログラムに関するものである。
楽音や音声等のディジタル信号を高能率で圧縮符号化する方法として、ミニディスクで用いられているATRAC[Adaptive TRansform Acoustic Coding]が挙げられる。該ATRACでは、ディジタル信号を高能率で圧縮するために、入力ディジタル信号は複数の周波数帯域(以下、適宜サブバンドフレームと呼ぶ)に分割され、可変長の単位時間でブロック化される。ブロック化されたディジタル信号はMDCT[Modified Discrete Cosine Transform]処理によってスペクトル信号に変換され、さらに聴覚心理特性を利用して割り当てられたビット数で各スペクトル信号がそれぞれ符号化される。
上記の圧縮符号化に適用することができる聴覚心理特性には、等ラウドネス特性やマスキング効果が挙げられる。等ラウドネス特性とは、同じ音圧レベルの音であっても、人間が感じ取る音の大きさが周波数によって変化することを表すものである。従って、人間が感じ取ることのできる音の大きさを示す最小可聴限がその音の周波数によって変化することを表している。
一方、マスキング効果には同時マスキング効果と経時マスキング効果がある。同時マスキング効果とは、複数の周波数成分の音が同時に発生しているときに、ある音が別の音を聴き取り難くさせる現象を言う。また、経時マスキング効果とは、大きな音の時間軸方向の前後では、別の音が聞き取り難くなる現象を言う。
このような聴覚心理特性を利用したビット割り当て法、例えば反復法と呼ばれる割り当て法では、入力されたディジタル信号に適応した実際のビット割り当てを、次のようにして行っている。
まず、各周波数帯域のパワーSを求め、そのパワーSによる他の周波数帯域に対するマスキング閾値Mを求める。次に、このマスキング閾値Mと、各周波数帯域をnビットで量子化したときの量子化雑音パワーN(n)とから、マスキング閾値対雑音比MNR(n)=M/N(n)を求める。続いて、そのマスキング閾値対雑音比MNR(n)が最小となる周波数帯域にビットの割当てを行った後、該マスキング閾値対雑音比MNR(n)を更新し、再び最小の周波数帯域にビットの割り当てが行われる。
このように、聴覚心理特性を利用したビット割り当てにより、各周波数帯域の量子化語長が算出される。また、周波数帯域毎のスペクトルの最大振幅レベルに関連する正規化情報(スケールファクタ)が算出され、量子化語長及びスケールファクタによってスペクトルが量子化された後、圧縮データに符号化される。
一方、上記処理で符号化された圧縮データの逆量子化時には、量子化語長とスケールファクタ、及び量子化時に求められた量子化係数から、各周波数帯域毎にスペクトル展開される。展開されたスペクトルは、可変長の時間単位でブロック化された後、IMDCT[Inverse MDCT]処理を施されて時間領域の信号に変換される。さらに、変換された時間領域の信号は、複数の周波数帯域(サブバンドフレーム)を合成することで、楽音や音声等のディジタル信号に復元される。
ところで、前記圧縮データを復号化した再生レベルの調整方法としては、従来より、スペクトルの最大振幅レベルに関連するスケールファクタを変更する方法が知られている。特に、ユーザの利便を図る従来技術として、入力ディジタル信号に基づいて生成される第1の符号化データと、該第1の符号化データに正規化情報変更手段(スケールファクタ変更手段)による処理が施されて成る1種類または複数種類の第2の符号化データと、を記録媒体に別個に記録するディジタル信号記録装置が開示・提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2001−69089号公報
確かに、上記文献に記載のディジタル信号記録装置であれば、例えば符号化されたディジタル音声データについて、スケールファクタの変更等に係る編集処理によって生成される1種類または複数種類の符号化データと、編集処理を施される前の符号化データと、を各々記録することができるので、再生装置側では複数種類の再生出力を得ることが可能となる。
しかしながら、上記文献に記載のディジタル信号記録装置では、複数の異なるマスター音源から、音圧レベルや周波数分布が大きく異なる楽音や音声等のディジタル信号を同一記録媒体に複数格納した場合、その再生に際して、各々の再生レベルに聴感上の差違を生じることがある、という課題について何ら言及されておらず、またその是正も図られていなかった。
そのため、ユーザは、上記聴感上の差違を是正するために、各ディジタル信号を何度もリハーサル再生し、自身の聴感だけを頼りに手動でスケールファクタを変更しなければならず、その作業は非常に煩わしいものとなっていた。なお、ユーザが不適切なスケールファクタ変更(ある特定の周波数のみを強調するような変更など)を行った場合には、聴覚心理特性を用いた圧縮データの再生音質が低下してしまうこともあった。また、上記文献に記載のディジタル信号記録装置を用いて、復号化後の最大再生レベルがほぼ一定になるようにスケールファクタを変更したとしても、各ディジタル信号に含まれる楽音や音声等の周波数特性の違いにより、聴感上の再生レベルはほぼ一定とならないことが多かった。
本発明は、上記問題点に鑑み、楽音や音声等のディジタル信号が複数ある場合に、その聴感上の再生(音圧)レベルをほぼ一定とすることが可能なディジタル信号記録再生装置、及びその制御プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るディジタル信号記録再生装置は、楽音や音声等のディジタル信号について周波数帯域毎のスペクトルに対するビット割当てを行いデータ量を圧縮する信号圧縮部と、圧縮ディジタル信号を伸長する信号伸長部と、を有して成り、記録媒体との間で前記圧縮ディジタル信号の記録再生を行うディジタル信号記録再生装置において、複数の前記圧縮ディジタル信号から各々のビット割当てに関する正規化情報を抽出し、各圧縮ディジタル信号について、所定の聴覚心理特性に基づく最大音圧レベル或いは平均音圧レベルが略一定となるように、各々の正規化情報を調整する正規化情報調整部を有する構成としている。このような構成とすることにより、音圧レベルや周波数分布が大きく異なる複数のディジタル信号が記録媒体に格納されていた場合であっても、その再生に先立って上記の正規化情報調整を行うことで、各々の聴感上の再生レベルをほぼ一定とすることが可能となる。従って、ユーザは、上記聴感上の差違を是正するために煩わしい手動操作を行う必要がなくなる。
なお、上記構成から成るディジタル信号記録再生装置は、前記聴覚心理特性として等ラウドネス特性を用いる構成にするとよい。このような構成とすることにより、同じ音圧レベルの音であっても人間が感じ取る音の大きさが周波数によって変化することを考慮に入れた正規化情報調整が行われるので、各ディジタル信号に含まれる楽音や音声等の周波数特性の違いに関わらず、聴感上の再生レベルをほぼ一定とすることが可能となる。
また、本発明に係るディジタル信号記録再生装置の制御プログラムは、楽音や音声等のディジタル信号について周波数帯域毎のスペクトルに対するビット割当てを行いデータ量を圧縮する信号圧縮処理と、圧縮ディジタル信号を伸長する信号伸長処理と、を行うディジタル信号処理装置を搭載し、記録媒体との間で前記圧縮ディジタル信号の記録再生を行うディジタル信号記録再生装置の制御プログラムであって、複数の前記圧縮ディジタル信号から各々のビット割当てに関する正規化情報を抽出し、各圧縮ディジタル信号について、所定の聴覚心理特性に基づく最大音圧レベル或いは平均音圧レベルが略一定となるように、各々の正規化情報を調整する正規化情報調整部として、前記ディジタル信号処理装置を機能させる構成としている。このように、正規化情報調整部をソフトウェアで実現することにより、該ソフトウェアを書き換えるだけでその設定変更やバージョンアップ等を行うことができ、非常に使い勝手がよい。
上記したように、本発明に係るディジタル信号記録再生装置であれば、楽音や音声等のディジタル信号が複数ある場合に、その聴感上の再生(音圧)レベルをほぼ一定とすることが可能となる。
本発明に係るディジタル記録再生装置として、ここでは、ミニディスク録音再生装置を例に挙げて説明を行う。図1は本発明に係るミニディスク録音再生装置の一構成例を示すブロック図である。
本図に示すミニディスク録音再生装置1に設けられた入力端子2には、コンパクトディスク再生装置や衛星放送受信装置などのディジタル音声信号源から出力されたディジタル音声データが、例えば光信号としてシリアル入力される。入力端子2に入力された光信号は、光電素子3によって電気信号に変換された後、ディジタルPLL[Phase−Locked−Loop]回路4に入力される。
ディジタルPLL回路4は、入力されたディジタル音声データからクロックの抽出を行うとともに、サンプリング周波数および量子化ビット数に対応したマルチビットデータを再現する。このマルチビットデータは信号源毎に異なるサンプリングレート(コンパクトディスク;44.1[kHz]、ディジタルオーディオテープレコーダ;48[kHz]、衛星放送(Aモード);32[kHz]など)で標本化されたディジタル信号である。そこで、ディジタルPLL回路4から出力されたマルチビットデータは、周波数変換回路5によってそのサンプリングレートをミニディスクの規格に対応した44.1[kHz]に変換される。
ATRAC−DSP[Digital Signal Processor]6の音声圧縮部6aは、ATRAC方式によって入力されたディジタル音声データの圧縮符号化を行い、符号化されたディジタル音声データをショックプルーフメモリコントローラ7を介して信号処理回路8に送出する。なお、音声圧縮部6aにおけるディジタル信号の符号化方法については、後ほど詳細に説明を行う。
ショックプルーフメモリコントローラ7で制御されるショックプルーフメモリ9は、音声圧縮部6aから出力されるディジタル音声データの転送速度と、信号処理回路8に入力されるディジタル音声データの転送速度との差を吸収するとともに、再生時における振動等の外乱による再生信号の中断を補間し、ディジタル音声データを保護するためのものである。
信号処理回路8は、エンコーダおよびデコーダとしての機能を備えており、入力されたディジタル音声データをシリアルの磁界変調信号にエンコードしてヘッド駆動回路10に与える。ヘッド駆動回路10は、記録ヘッド11をミニディスク12上の所定記録位置に移動させるとともに、前記磁界変調信号に対応した磁界を発生させる。このとき、ミニディスク12上の所定記録位置には、光ピックアップ13からレーザ光が照射されており、これによって前記磁界に対応した磁化パターンがミニディスク12上に形成される。
一方、光ピックアップ13は、ミニディスク12から前記磁化パターンに対応したシリアル信号を再生する。再生されたシリアル信号は高周波アンプ14(以下、RFアンプ14と呼ぶ)で増幅された後、信号処理回路8によってディジタル音声データにデコードされる。デコードされたディジタル音声データは、ショックプルーフメモリコントローラ7及びショックプルーフメモリ9で外乱による影響を除去された後、ATRAC−DSP6の音声伸長部6bに送出される。
音声伸長部6bは、ATRAC方式による圧縮符号化の逆変換処理を行い、フルビットのディジタル音声データを復調する。復調されたディジタル音声データは、ディジタル/アナログ変換回路15(以下、D/A変換回路15と呼ぶ)によってアナログ音声データに変換され、出力端子16から外部へ出力される。
なお、RFアンプ14で増幅されたシリアル信号は、サーボ回路17にも入力されている。サーボ回路17は、再生されたシリアル信号に応じてドライバ回路18に制御信号を送出し、該ドライバ回路18を介してスピンドルモータ19の回転速度をフィードバック制御する。このようなフィードバック制御により、ミニディスク12を線速度一定で回転させることができる。
また、サーボ回路17は、ドライバ回路18を介して送りモータ20の回転速度もフィードバック制御している。このようなフィードバック制御により、ミニディスク12の半径方向に対する光ピックアップ13の変移制御、すなわちトラッキング制御を行うことができる。さらに、サーボ回路17は、ドライバ回路18を介して光ピックアップ13のフォーカシング制御も行っている。
上記した信号処理回路8、光ピックアップ13、RFアンプ14、サーボ回路17、及びドライバ回路18等には、図示しない電源回路から電力供給が行われるが、このような電力供給動作や後述する信号処理動作は、全てシステムコントロールマイコン21によって集中管理されている。なお、システムコントロールマイコン21には、曲名入力や選曲操作、或いは音質調整動作等を行うための入力装置22が接続されている。
次に、図2を参照しながら、ATRAC方式によるディジタル音声データの符号化処理・復号化処理を行うATRAC−DSP6について説明する。図2はATRAC−DSP6の一実施形態を示すブロック図である。本図に示すように、本実施形態のATRAC−DSP6は、音声圧縮部6aと、音声伸長部6bと、スケールファクタ調整部6cと、を有して成る。
まず、音声圧縮部6aにおけるディジタル信号の圧縮符号化処理について詳細に説明する。音声圧縮部6aは、周波数帯域分割部a1と、時間周波数変換部a2と、帯域毎のパワー算出部a3と、マスキング算出部a4と、量子化ビット数算出部a5と、スケールファクタ算出部a6と、量子化部a7と、パッキング部a8と、を有して成り、音声圧縮部6aの入力端には、周波数変換回路5で得られたディジタル音声データ(44.1[kHz])が入力される。
音声圧縮部6aの最前段に設けられた周波数帯域分割部a1は、帯域分割フィルタであるQMF[Quadrature Mirror Filter]によって、入力ディジタル音声データを複数の周波数帯域(例えば、3帯域のサブバンドフレームSB1〜SB3)に分割する。
時間周波数変換部a2は、周波数帯域分割部a1で得られたサブバンドフレーム単位毎にMDCT処理を施すことで、ディジタル音声データをMDCT係数に変換する。このときのMDCT処理によって得られる変換データXm(k)は、次の(1)式で示される。
Figure 0004732478
なお、上記(1)式中の変数mはフレーム番号を表しており、関数xm(i)は入力信号を表している。また、関数h(i)は順変換用窓関数を表している。
帯域毎のパワー算出部a3は、時間周波数変換部a2で得られたMDCT係数をさらにi個の周波数帯域に分割し、各周波数帯域に属するMDCT係数の2乗和から、各周波数帯域のスペクトルパワーSi(i=1,2,…,I、例えばI=25)を算出する。なお、スペクトルパワーSiとしては、臨界帯域(周波数選択性・マスキング閾値等の特定の音響心理学的規則性が有効な広帯域オーディオスペクトルの特性的部分;単位[Bark])等が用いられる。
マスキング算出部a4は、パワー算出部a3で得られたスペクトルパワーSiに対して聴覚心理特性を利用したマスキングカーブを作成する。
量子化ビット数算出部a5は、パワー算出部a3で得られたスペクトルパワーSiと、マスキング算出部a4で得られたマスキングカーブと、に基づいて、ビット割当処理を行い、量子化ビット数を算出する。
一方、時間周波数変換部a2で得られたMDCT係数は、帯域毎のパワー算出部a3だけでなく、スケールファクタ算出部a6にも入力される。該スケールファクタ算出部a6は、各周波数帯域に属するMDCT係数の絶対最大値から、約2[dB]毎にスケールファクタ(正規化情報)を算出する。
量子化部a7は、量子化ビット数算出部a5で得られた各周波数帯域の量子化語長と、スケールファクタ算出部a6で得られたスケールファクタと、に基づいて、MDCT係数を量子化する。このときの量子化処理によって得られる量子化係数MK(m)は、次の(2)式で示される。
Figure 0004732478
なお、上記の(2)式中において、変数mはMDCT係数のインデックスを表しており、関数K(m)はMDCT係数を表している。また、変数iは量子化周波数帯域のインデックスを表しており、関数WL(i)及び関数SF(i)は、それぞれ量子化語長及びスケールファクタを表している。
パッキング部a8は、量子化係数、量子化語長、スケールファクタをフレーム情報と共にパッキングして圧縮符号化する。圧縮符号化されたディジタル音声データは、信号処理回路8などを介してミニディスク12に記録される。
続いて、音声伸長部6bにおけるディジタル信号の伸長復号化処理について詳細に説明する。音声伸長回路6bは、アンパッキング部b1と、逆量子化部b2と、周波数時間変換部b3と、周波数帯域合成部b4と、を有して成り、音声伸長部6bの入力端には、圧縮符号化されたディジタル音声データが入力される。
音声伸長部6bの最前段に設けられたアンパッキング部b1は、圧縮符号化されたディジタル音声データのフレーム情報から、量子化係数、量子化語長、スケールファクタをアンパッキングする。
逆量子化部b2は、アンパッキング部b1で得られた量子化係数と、量子化語長と、スケールファクタと、に基づいて逆量子化を行う。このときの逆量子化処理によって得られるIMDCT入力信号I(m)は、次の(3)式で示される。
Figure 0004732478
なお、上記した(3)式中において、変数mはIMDCT入力信号のインデックスを表しており、関数MK(m)は量子化係数を表している。また、変数iは逆量子化周波数帯域のインデックスを表しており、関数WL(i)及び関数SF(i)は、それぞれ量子化語長及びスケールファクタを表している。
周波数時間変換部b3は、復元されたIMDCT入力信号に対して、サブバンドフレーム単位毎にIMDCT処理を施す。このときのIMDCT処理によって得られる逆変換データym(i)は、次の(4)式で示される。
Figure 0004732478
なお、上記の(4)式中において、変数mはフレーム番号を表しており、関数Xm(k)は変換データを表している。また、関数f(i)は逆変換用窓関数を表している。
周波数帯域合成部b4は、周波数時間変換部b3によって得られた逆変換データ(周波数サブバンドフレーム)をIQMF[Inverse QMF]によって帯域合成し、出力ディジタル音声データに復号する。
次に、図3を参照しながら、スケールファクタ調整部6cにおけるスケールファクタの調整処理について説明する。図3はスケールファクタ調整部6cの一実施形態を示すブロック図である。本図に示すように、本実施形態のスケールファクタ調整部6cは、スケールファクタ保存部c1と、音圧レベル算出部c2と、等ラウドネス曲線テーブル部c3と、音圧レベル調整部c4と、を有して成る。
複数の異なるマスター音源から、音圧レベルや周波数分布が大きく異なる楽音や音声等のディジタル信号が複数格納されたミニディスク12について、スケールファクタの調整処理を行う場合、スケールファクタ保存部c1は、音声伸長部6bのアンパッキング部b1を流用して、符号化されたディジタル音声データを1フレーム毎にアンパッキングし、抽出されたスケールファクタを保存する。
音圧レベル算出部c2は、等ラウドネス曲線テーブル部c3に格納された等ラウドネス曲線を用いて、所定の基準周波数(本実施形態では1[kHz])を基準にした各周波数帯域毎の音圧レベルを求める。図4は本実施形態で使用する聴覚心理の一例を示す等ラウドネス曲線であり、本図ではロビンソン−ダットソン曲線を示している。
上記した音圧レベルの算出処理について詳細に説明する。音圧レベル算出部c2は、所定の基準周波数(1[kHz])を含む周波数帯域のスケールファクタSF(k)には加減算を施さず、他の周波数帯域のスケールファクタにはラウドネス曲線に対応したオフセットを加減算する。
例えば、4[kHz]を含む周波数帯域のスケールファクタSF(m)が80[dB]である場合、該スケールファクタSF(m)には、ラウドネス曲線に対応したオフセット(約10[dB])を加算する。その結果、補正済みスケールファクタSF’(m)はSF’(m)=SF(m)+10[dB]となる。このようなオフセット処理を各周波数帯域毎に順次繰り返し、全ての周波数帯域について上記オフセット処理を終えた後、j番目のフレームの補正済みスケールファクタSF’(i)の平均値を求める。このとき得られる平均値SFAVF(j)は、次の(5)式で示される。
Figure 0004732478
次に、1曲(1トラック)に含まれるフレーム数をNとすると、N個の平均値SFAVF(j)の中から最大値SFMAXT(k)を求め、kトラック目の聴感上の最大音圧レベルとする。また、聴感上の平均音圧レベルSFAVT(k)は、次の(6)式によって求められる。
Figure 0004732478
そして、ミニディスク12に含まれるLトラックの中から最大値SFMAXT(k)と平均音圧レベルSFAVT(k)を順次求め(k=1,…,L)、両者の中から基準となる音圧レベルを1つ選択する。選択された基準音圧レベルをg番目のトラックとし、各トラックとの差分値SFMAXT(k)−SFMAXT(g)、またはSFAVT(k)−SFAVT(g)を各々k番目のトラックのスケールファクタ調整値とする。
音圧レベル調整部c4は、ミニディスク12に含まれる各トラックについて、前記スケールファクタ調整値を加減算し、オリジナルのスケールファクタを調整する。そして、音声圧縮部6aのパッキング部a8を流用して、オリジナルのスケールファクタを調整済みのスケールファクタに書き換え、それらをフレーム毎にパッキングした後、符号化データとして出力する。
このように、本実施形態のミニディスク録音再生装置1は、複数の圧縮データから各々のビット割当てに関するスケールファクタを抽出し、各圧縮データについて、所定の聴覚心理特性に基づく最大音圧レベル或いは平均音圧レベルが略一定となるように、各々のスケールファクタを調整する構成としている。このような構成とすることにより、音圧レベルや周波数分布が大きく異なる複数のディジタル音声データがミニディスク12に格納されていた場合であっても、その再生に先立って上記のスケールファクタ調整を行うことで、各々の聴感上の再生レベルをほぼ一定とすることが可能となる。従って、ユーザは、上記聴感上の差違を是正するために煩わしい手動操作を行う必要がなくなる。
なお、上記の実施形態では、本発明をミニディスク録音再生装置に適用した例を挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、記録媒体に楽音や音声等のディジタル信号を記録するにあたって、前記楽音や音声等に適応して各周波数帯域のスペクトルに対するビット割当てを行い、データ量を圧縮するディジタル信号記録再生装置に広く適用することが可能である。
また、上記の実施形態では、ATRAC−DSP6の音声圧縮部6a、音声伸長部6b、及びスケールファクタ調整部6cをブロック化して図示し、あたかもハードウェアで実現しているかのように表現したが、これらはハードウェア・ソフトウェアのいずれで実現しても構わない。特に、ソフトウェアで実現した場合には、該ソフトウェアを書き換えるだけでその設定変更やバージョンアップ等を行うことができ、非常に使い勝手がよい。
また、上記の実施形態では、スケールファクタの調整処理に際して、音声圧縮部6aのパッキング部a8及び音声伸長部6bのアンパッキング部b1を流用する構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、スケールファクタ調整部6cに独自のパッキング部及びアンパッキング部を持たせた構成としても構わない。
本発明に係るミニディスク録音再生装置の一構成例を示すブロック図である。 ATRAC−DSP6の一実施形態を示すブロック図である。 スケールファクタ調整部6cの一実施形態を示すブロック図である。 本実施形態で用いる聴覚心理の一例を示す等ラウドネス曲線である。
符号の説明
1 ミニディスク録音再生装置
2 入力端子
3 光電素子
4 ディジタルPLL回路
5 周波数変換回路
6 ATRAC−DSP
6a 音声圧縮部
6b 音声伸長部
6c スケールファクタ調整部
7 ショックプルーフメモリコントローラ
8 信号処理回路
9 ショックプルーフメモリ
10 記録ヘッド駆動回路
11 記録ヘッド
12 ミニディスク
13 光ピックアップ
14 高周波アンプ(RFアンプ)
15 ディジタル/アナログ変換回路(D/A変換回路)
16 出力端子
17 サーボ回路
18 ドライバ回路
19 スピンドルモータ
20 送りモータ
21 システムコントロールマイコン
22 入力装置
a1 周波数帯域分割部
a2 時間周波数変換部
a3 帯域毎のパワー算出部
a4 マスキング算出部
a5 量子化ビット数算出部
a6 スケールファクタ算出部
a7 量子化部
a8 パッキング部
b1 アンパッキング部
b2 逆量子化部
b3 周波数時間変換部
b4 周波数帯域合成部
c1 スケールファクタ保存部
c2 音圧レベル算出部
c3 等ラウドネス曲線テーブル部
c4 音圧レベル調整部

Claims (2)

  1. 複数の楽音や音声等のディジタル信号の記録再生を行うディジタル信号記録再生装置において、
    複数の前記ディジタル信号からスペクトルを抽出し、前記抽出したスペクトルから所定時間を意味する少なくとも1つ分のフレームの最大音圧レベル或いは平均音圧レベルを算出し、少なくとも1つ以上のフレームから成る各ディジタル信号について、等ラウドネス特性に基づく1つ以上のフレームの最大音圧レベル或いは平均音圧レベルが基準のディジタル信号の最大音圧レベル或いは平均音圧レベルと略一定なるように、各々のスペクトルを調整して前記ディジタル信号の記録再生を行うことを特徴とするディジタル信号再生装置。
  2. 複数の楽音や音声等のディジタル信号の記録再生を行うディジタル信号記録再生装置の制御プログラムであって、
    複数の前記ディジタル信号からスペクトルを抽出し、前記抽出したスペクトルから所定時間を意味する少なくとも1つ分のフレームの最大音圧レベル或いは平均音圧レベルを算出し、少なくとも1つ以上のフレームから成る各ディジタル信号について、等ラウドネス特性に基づく1つ以上のフレームの最大音圧レベル或いは平均音圧レベルが基準のディジタル信号の最大音圧レベル或いは平均音圧レベルと略一定なるように、各々のスペクトルを調整して前記ディジタル信号の記録再生を行うことを特徴とするディジタル信号再生装置の制御プログラム。
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Citations (3)

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