JP4732385B2 - 弱い相互作用を有する物質の定性定量分析方法 - Google Patents
弱い相互作用を有する物質の定性定量分析方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4732385B2 JP4732385B2 JP2007061662A JP2007061662A JP4732385B2 JP 4732385 B2 JP4732385 B2 JP 4732385B2 JP 2007061662 A JP2007061662 A JP 2007061662A JP 2007061662 A JP2007061662 A JP 2007061662A JP 4732385 B2 JP4732385 B2 JP 4732385B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- standard
- absorption spectrum
- spectrum
- target substance
- absorption
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
Description
また、分析試料中の標的物質が、水素結合、ファンデールワールス結合、π電子間相互作用、静電相互作用などの弱い相互作用を有する物質である場合は、赤外吸収スペクトルを利用する方法が用いられてきた(非特許文献2参照)。
また、弱い相互作用を直接的に観測する方法でも、定性定量分析が行われてきた(非特許文献3参照)。
実験化学講座 7巻4章「吸収および反射スペクトル」第4版 丸善 1992年 実験化学講座 6巻3章「赤外分光」第4版 丸善 1992年 Analytical Chemistry Vol.78、p5427(2006)
また、吸収ピークの面積強度をモル吸収係数と比較することによって定量的に分析する方法では、複数成分の標的物質を分析する場合、ピークだけでなくベースラインにも吸収強度を有することや、複数の標的物質のピーク同士の重なりが大きくなることがあり、誤差が著しく大きくなってしまうという問題がある。
さらに、赤外吸収スペクトルを利用する方法で弱い相互作用を有する標的物質を分析する場合、間接的に弱い相互作用を観測しているので、熱によるノイズの影響が大きくなり、そのため、温度に応じた吸収特性の変化および吸収特性変化率の情報を広い温度範囲にわたって利用することが難しいため、それらの情報から定量性の精度向上を図ることが難しい。
該標的物質の弱い相互作用のエネルギーに共鳴する周波数の電磁波を分析試料に照射し、透過した電磁波を測定することにより得られる吸収スペクトルのピーク位置を予め得られている該標的物質の標準吸収スペクトルのピーク位置と比較し、
ピーク位置が一致する標準吸収スペクトルを抽出し、抽出された標準吸収スペクトルと係数の積から得られる理論吸収特性スペクトルと分析試料から得られる吸収スペクトルとの誤差が最小となる前記係数を算出し、分析試料中の標的物質の濃度を得ることを特徴とする。
前記標的物質の吸収特性スペクトルを弱い相互作用のエネルギーに共鳴する周波数領域で測定し、
得られたスペクトルを標準試料の厚さについて正規化し、その後、標準試料中の標的物質の濃度について正規化し、
さらに、不適当な周波数範囲を除去することが好ましい。
抽出された前記標準吸収スペクトルと係数の積から得られる理論吸収特性スペクトルと、吸収スペクトルの誤差が最小となる前記係数を各温度で算出し、
各温度で得られた係数から平均値と標準偏差を算出することで、
分析試料中の標的物質の濃度とその誤差範囲を得ることが好ましい。
該光源は標的物質の弱い相互作用のエネルギーに共鳴する周波数の電磁波を励起させる励起光を発生し、
該分光器は、前記励起光から標的物質の弱い相互作用のエネルギーに共鳴する周波数の電磁波を発生させ試料に照射する光発生器、試料を透過した前記の電磁波を測定する光検出器、試料の測定温度を変化させることが可能な温度可変チャンバ、試料の厚さを測定する厚さ測定装置を有し、
該計算器・制御装置は温度可変チャンバの温度調整を行い、厚さ測定装置からの測定情報を記憶し、光検出器から吸収スペクトル、吸収特性スペクトルの情報を記憶し、標準吸収スペクトルや濃度とその誤差範囲の算出を行うことを特徴とする。
さらに、標準吸収スペクトルの算出と分析試料の吸収スペクトルの測定を複数の温度で行い、各温度で、吸収スペクトルのピーク位置とピーク位置が一致する標準吸収スペクトルを抽出し、抽出された前記標準吸収スペクトルと係数の積から得られる理論吸収特性スペクトルと、吸収スペクトルの誤差が最小となる前記係数を各温度で算出し、各温度で得られた係数から平均値と標準偏差を算出することで、温度に応じた吸収特性の変化および吸収特性変化率の情報を利用することができ、より高い精度で分析試料中の標的物質の濃度とその誤差範囲を得ることができる。
以下、弱い相互作用を有する標的物質がアミノ酸である実施形態例を中心に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態例にのみに限定されるものではない。
標的物質として複数の候補が考えられる場合、それらすべての標準吸収スペクトルを測定、算出する必要があり、例えば、標的物質としてアミノ酸が考えられる場合、20種類のアミノ酸すべてについての吸収特性スペクトルを測定し、それを基に標準吸収スペクトルを算出する必要がある。
本発明の標準吸収スペクトルは標的物質の吸収特性スペクトルから算出される。本発明の吸収特性スペクトルとは標的物質を含んだ標準試料から得られる吸収スペクトルのことである。標準試料は標的物質とポリエチレンとの混合物であることが好ましく、混合させる割合は1〜50質量%濃度であることが好ましい。また、濃度が異なる標準試料を、複数用意し、それぞれについて測定することが好ましい。濃度が異なる標準試料は2〜10種類用意することが好ましい。混合する物質としては、弱い相互作用のエネルギーに共鳴する周波数の電磁波が透過する物質であればよく、ポリエチレンの他に、例えば酸化マグネシウムやフッ素樹脂(四フッ化エチレン樹脂など)でも良い。
これら複数の濃度の異なる標準試料を、それぞれについてプレスし、ペレットを作成し、吸収特性スペクトルを測定する。同時に、参照試料として標的物質を含まないポリエチレンのみの上記と同じ重さのペレットを準備し、吸収特性スペクトルを測定する。
ペレットの大きさは10mm前後でよく、厚さは1.3〜1.7mmの範囲でよい。
弱い相互作用は水素結合、ファンデールワールス結合、π電子間相互作用、静電相互作用のいずれかであることが好ましく、標的物質としては結晶質あるいは非結晶質どちらであっても良い。
さらに、前記標的物質は、アミノ酸(メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、グリシン、セリン、トレオニン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファン、システイン)、アミノ酸誘導体、アミノ酸誘導体の金属塩、塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、アンモニウム塩、水和物、重水素化物のいずれかであることが好ましい。
また、このとき、吸収特性スペクトルデータの測定と共に、標準試料、参照試料それぞれの厚さの測定も行えば良い。
標的物質それぞれについて、それぞれの濃度の標的物質の吸収特性スペクトルを得た後、標準試料の単位厚さあたりについて正規化を行う。
ここで、単位厚さあたりの正規化は、厚さと吸収強度の比例関係を利用し、標準試料の厚さのデータと、各々の吸収特性スペクトルデータから比例関係を算出することで行う。
さらに、標的物質を含まないポリエステルのみの吸収スペクトルの吸収強度を標的物質の各吸収特性スペクトルから差し引いた後、標準試料中の標的物質の単位濃度あたりについて正規化することが好ましい。
ここで、単位濃度あたりの正規化も、単位厚さあたりの正規化と同じく、濃度と吸収強度の比例関係を利用し、標準試料の濃度と、各々の吸収特性スペクトルデータから比例関係を算出することで行う。
これらの、過程を経て、0.5〜3.0テラヘルツの範囲で、複数種類の異なる濃度の標準試料について、10%程度の誤差範囲で収まる標的物質の標準吸収スペクトルを各測定温度で算出することが好ましい。
標的物質を含んだ分析試料の吸収スペクトルは、標的物質の弱い相互作用のエネルギーに共鳴する周波数の電磁波を分析試料に照射し、透過した電磁波を測定することにより得られるが、図1の分析装置を用いて、例えば、0.1〜10.0テラヘルツの周波数領域において、吸収スペクトルの測定を行えば良い。測定温度については4〜300Kの条件でよく、標的物質の特定の精度を上げるためには、複数の温度条件で測定を行うことが好ましい。
測定の際、分析試料のペレットは標準試料と同じように作成すれば良い。
また、分析試料の形態はペレットでなくても良い。本発明で用いられる周波数の電磁波は、プラスチック、紙、布などの物質は容易に透過する。したがって、これらの物質で梱包された弱い相互作用を有する標的物質を含む分析試料も分析が可能である。例えば、プラスチックケースに入った錠剤であっても、未開封のまま、錠剤のみを選択的に分析することが可能である。
例えば、図2(X)において、実線で示されるスペクトルは分析試料から得られた吸収スペクトルであり、図2の(a)〜(e)に実線で示されるスペクトルは標的物質であるグルタミン、バリン、セリン、アスパラギン、アスパラギン酸を含んだ標準試料から得られたそれぞれの標準吸収スペクトルである。図2(X)における分析試料の吸収スペクトルのピーク位置は、図2の(a)〜(e)の標準吸収スペクトルのピーク位置と一致しているので、分析試料にはグルタミン、バリン、セリン、アスパラギン、アスパラギン酸が含まれていることがわかる。
各標準吸収スペクトルは単位濃度あたりで正規化されているので、得られた係数が分析試料中の標的物質の濃度となる。
すなわち、標準吸収スペクトルの算出と分析試料の吸収スペクトルの測定を複数の温度で行い、吸収スペクトルと抽出された標準吸収スペクトルと係数の積から得られる理論吸収特性スペクトルと、吸収スペクトルの誤差が最小となる前記係数を各温度で算出し、定量分析を行うことが好ましい。その後、各温度で得られた係数から平均値と標準偏差を算出する。
各標準吸収スペクトルは標準試料の単位濃度あたりで正規化されているので、得られた係数の平均値を分析試料中の標的物質の濃度とし、標準偏差を濃度の誤差範囲とすると良い。
このように、温度に応じた吸収特性の変化および吸収特性変化率の情報を利用するために、複数の温度において測定を行い、各温度において係数を算出し、それらの平均値と標準偏差を算出することで、定量分析の精度を向上させることができる。さらに精度を向上させるためには、測定温度条件は多いほど良いが、実験の煩雑さと得られる定量分析データの精度のバランスを考慮すると、2〜10種類であることが望ましい。
このような場合、ベースラインの補正を行うことが好ましい。ベースラインの補正は理論吸収特性スペクトルと、分析試料から得られる吸収スペクトルの誤差が大きい周波数領域のみを抽出して、誤差が小さくなる方向に行う。具体的には、分析試料から得られる吸収スペクトルに定数を加算または減算すること、もしくは、周波数に対して一定の関係を有する値を加算または減算することで行う。周波数に対して一定の関係とは、一次関数による直線的な関係でもよく、二次関数以上の曲線的な関係でもよく、特に制限はない。
このようなベースライン補正を行った後に、再度、誤差が最小となる係数を算出することで、実験装置の安定性に関わらず、図5、6に示すように、より正確に理論吸収特性スペクトルに算出することができ、分析試料中の標的物質のより正確な濃度を得ることができる。
光検出器33にも光伝導スイッチが利用されるが、電気光学効果を利用した検出法などでも良い。
また、試料32は温度を変化させることが可能な温度可変チャンバ34により温度を管理され、試料32の厚さを測定する厚さ測定装置35により試料32の厚さを測定できる。
さらに、ピーク位置が一致する標準吸収スペクトルを抽出し、抽出された標準吸収スペクトルと係数の積から得られる理論吸収特性スペクトルと、分析試料から得られる吸収スペクトルの誤差が最小となる前記係数を算出することで、分析試料中の標的物質の濃度を高い精度で算出することができ、標的物質の定性定量分析を高い精度で行うことができる。
さらに、標準吸収スペクトルの算出と分析試料の吸収スペクトルの測定を複数の温度で行い、各温度で、吸収スペクトルのピーク位置とピーク位置が一致する標準吸収スペクトルを抽出し、抽出された前記標準吸収スペクトルと係数の積から得られる理論吸収特性スペクトルと、吸収スペクトルの誤差が最小となる前記係数を各温度で算出し、各温度で得られた係数から平均値と標準偏差を算出することで、温度に応じた吸収特性の変化および吸収特性変化率の情報を利用することができ、より高い精度で分析試料中の標的物質の濃度とその誤差範囲を得ることができる。
標的物質として、表1に記載の20種類のアミノ酸を使用した。これらのアミノ酸をそれぞれポリエチレン粉末に混合しプレスし標準試料とし、直径10mm、厚さ1.5mm±0.2mmのペレットを作成した。混合したアミノ酸の質量は5mgから40mgまで5mg刻みで変化させ、ポリエチレン粉末と合わせて全体を100mgとした。これによりそれぞれのアミノ酸において、8種類の異なる濃度の標準試料のペレットが得られた。同時に、参照試料として標的物質を含まないポリエチレンのみの上記と同じ重さのペレットを準備した。
各温度で得られたこれらのスペクトルの吸収強度を、各標準試料の単位厚さあたりについて正規化し、アミノ酸を含まないポリエチレン粉末100mgからなる参照試料の吸収スペクトル強度を差し引いた後、単位濃度あたりについて正規化した。また、誤差の大きい0.1〜0.5テラヘルツの範囲と、ノイズレベルの大きい3.0〜10.0テラヘルツの部分のスペクトルデータについては、解析に不適当なデータと判定し、それらのデータを無効とする周波数範囲の除去を行った。このようにして、8種類の濃度について、0.5〜3.0テラヘルツの周波数領域の各温度の標準吸収スペクトルを得られた。
標的物質として、表1に記載の20種類のアミノ酸を使用し、標準スペクトルの測定1と同じく、8種類の異なる濃度の標準試料とアミノ酸を含まない参照試料の吸収特性スペクトルの測定を図1の分析装置1を用いて0.1〜10.0テラヘルツの周波数領域において行った。ここで、標準スペクトルの測定1と同じく、測定温度は室温(297K)、250K、200K、150K、100K、77Kの6点で測定を実施した。その結果20種類の各アミノ酸に固有の吸収特性スペクトルが8種類の濃度で得られた。このとき、吸収特性スペクトルデータの測定と共に、標準試料、参照試料のそれぞれの厚さの測定も行った。
各温度で得られたこれらのスペクトルの吸収強度を、各標準試料の単位厚さあたりについて正規化し、アミノ酸を含まないポリエチレン粉末100mgからなる参照試料の吸収強度を差し引いた後、単位濃度あたりについて正規化を行ったが、その後、標準スペクトルの測定1とは異なり不適当な周波数範囲の除去を行わなかった。このように、不適当な周波数範囲の除去を行わなかった以外、標準スペクトルの測定1と同じ方法で、8種類の濃度について、0.1〜10.0テラヘルツの周波数領域の各温度の標準吸収スペクトルを得られた。
上記で得られた標準スペクトルの測定1と標準スペクトルの測定2のそれぞれ各温度において、8種類の濃度の異なるデータから得られた標準吸収スペクトルデータの誤差範囲を求めた。その結果、各温度において、標準スペクトルの測定2で得られた8種類の標準スペクトルデータは誤差範囲が約30%であったにも関わらず、標準スペクトルの測定1で得られた8種類の標準スペクトルデータは誤差範囲が約10%であった。したがって、不適当な周波数範囲を除去することで、標準吸収スペクトルのデータの精度が向上し、その結果、分析試料の分析精度を向上させることが可能であることがわかった。
本実施例においては標的物質として数種類のアミノ酸を含んだ分析試料を使用した。分析試料をポリエチレン粉末に混合してプレスし、直径10mm厚さ1.5mm±0.2mmのペレットを作成し、これを分析した。これらの吸収スペクトルの測定を図1の分析装置1を用いて0.1〜10.0テラヘルツの周波数領域において行った。ここで、測定温度は室温(297K)での測定のみを実施した。
次に、あらかじめ標準スペクトルの測定1で測定した20種類のアミノ酸の室温(297K)の標準吸収スペクトルのピーク位置と比較した。その結果、図2に示すように、いくつかのアミノ酸の標準吸収スペクトルのピーク位置と一致するピークが観測された。これらの一致したピークから、分析試料に含有するアミノ酸が特定できることがわかった。
さらに、図2の(a)〜(e)に示すように、ピーク位置が一致するアミノ酸の標準吸収スペクトルを抽出し、抽出された標準吸収スペクトルと係数の積から得られる297Kの理論吸収特性スペクトル(図2(X)点線)と、分析試料から得られる297Kの吸収スペクトル(図2(X)実線)の誤差が最小となる前記係数を算出した。その係数をアミノ酸含有濃度としたところ、実際のアミノ酸濃度と約15%の誤差で一致することがわかった。
分析試料として実施例1と同じアミノ酸を含んだポリエチレン粉末を混合してプレスし、実施例1と同様に、これらの吸収スペクトルの測定を図1の分析装置1を用いて0.1〜10.0テラヘルツの周波数領域において行った。ここで、測定温度は室温(297K)、250K、200K、150K、100K、77Kの6点で測定を実施した。
次に、あらかじめ標準スペクトルの測定1で測定した20種類のアミノ酸の各温度の標準吸収スペクトルのピーク位置と比較した。その結果、図2に示すように、いくつかのアミノ酸の標準吸収スペクトルのピーク位置と一致するピークが観測された。これらの一致したピークから、各温度においてそれぞれ、分析試料に含有するアミノ酸が特定できることがわかった。
さらに、図2の(a)〜(e)に示すように、各温度においてそれぞれ、ピーク位置が一致するアミノ酸の標準吸収スペクトルを抽出し、抽出された標準吸収スペクトルと係数の積から得られる理論吸収特性スペクトル(図2(X)点線)と、分析試料から得られる吸収スペクトル(図2(X)実線)の誤差が最小となる前記係数を各温度で算出した。それらの各温度で得られた係数から平均値および標準偏差を求め、それをそれぞれ、分析試料中のアミノ酸含有濃度と濃度誤差範囲としたところ、実際のアミノ酸濃度と約10%の誤差で一致することがわかった。
ここで、一点の測定温度で定量分析を行った実施例1と比較し、複数の測定温度で定量分析を行った実施例2のアミノ酸含有濃度の方が、実際の濃度との誤差が小さいことがわかった。
したがって、標準物質の理論吸収特性スペクトルと分析試料から得られる吸収スペクトルの測定を複数の温度で行い、定量分析を行うことで、温度に応じた吸収特性の変化および吸収特性変化率の情報を利用して、定量精度の向上が図られることがわかった。
分析試料として20種類のアミノ酸の中から数種類を含有する健康食品Aを分析した。Aを良くすりつぶして、それぞれポリエチレン粉末を混合してプレスし、直径10mm厚さ1.5mm±0.2mmのペレットを作成し、これを分析した。これらの吸収スペクトルの測定を図1の分析装置1を用いて0.1〜10.0テラヘルツの周波数領域において行った。ここで、測定温度は室温(297K)、250K、200K、150K、100K、77Kの6点で測定を実施した。
次に、あらかじめ標準スペクトルの測定1で測定した20種類のアミノ酸の各温度の標準吸収スペクトルのピーク位置と比較した。その結果、いくつかのアミノ酸の標準吸収スペクトルのピーク位置と一致するピークが観測された。これらの一致したピークから、各温度においてそれぞれ、健康食品Aに含有するアミノ酸が特定できることがわかった。
さらに、各温度においてそれぞれ、ピーク位置が一致するアミノ酸の標準吸収スペクトルを抽出し、抽出された標準吸収スペクトルと係数の積から得られる理論吸収特性スペクトルと、健康食品Aから得られる吸収スペクトルの誤差が最小となる前記係数を各温度で算出した。それらの各温度で得られた係数から平均値および標準偏差を求め、それをそれぞれ、健康食品A中のアミノ酸含有濃度と濃度誤差範囲とした。
したがって、本発明によれば、弱い相互作用を有する標的物質として含む健康食品を分析試料としても、定性定量分析を行うことができることがわかった。
赤外吸収スペクトルを用いて健康食品Aの分析を行った。
まず、赤外吸収スペクトルについても、20種類の各アミノ酸に固有の赤外吸収特性スペクトルを測定し、20種類のアミノ酸について標準赤外吸収スペクトルを算出した。標準赤外吸収スペクトルの測定と算出は、吸収特性スペクトルの測定を赤外吸収分光装置を用いて赤外線領域において行ったこと以外は、標準スペクトルの測定1と同様に行い、20種類のアミノ酸について、8種類の濃度で、6種類の測定温度それぞれの標準赤外吸収スペクトルを得られた。
次に、実施例3と同様に、健康食品Aを分析したところ、図7に示すように、いくつかのピークを持つ赤外吸収スペクトル(図7(X))を得られた。しかしながら、アミノ酸由来のピークの他に、様々な他の含有物質に由来すると思われる多数のピークが観測されたため、赤外吸収スペクトルのピーク位置はいくつかの種類のアミノ酸について標準赤外吸収スペクトルのピーク位置と完全に一致せず、正確に標的物質の特定を行うことができず、また定量分析も正確に行うことができなかった。
ラマンスペクトルを用いて健康食品Aの分析を行った。
まず、ラマンスペクトルについても、測定をラマン分光器で行ったこと以外は、比較例1と同様に、20種類の各アミノ酸に固有のラマン特性スペクトルを測定し、20種類のアミノ酸について標準ラマンスペクトルを算出することで、健康食品Aの分析を試みた。 しかしながら、図8に示すように、健康食品Aの吸収スペクトルにおいて、蛍光による大きなバックグランドが観測されたため、正確に標的物質であるアミノ酸を特定することができず、定量分析を実施することはできなかった。
標的物質として、表1に記載の20種類のアミノ酸を使用し、実施例1と同様に、測定温度が室温(297K)、287K、277Kの標準吸収スペクトルを測定、算出した。
次に、分析試料として20種類のアミノ酸の中から数種類を含有する薬剤Bを分析した。薬剤Bは、プラスチックケースに梱包されている錠剤を開封せずにそのまま、実施例1と同様に分析した。ここで、測定温度は室温(297K)、287K、277Kの3点で測定を実施した。
次に、あらかじめ標準スペクトルの測定1と同様に測定した20種類のアミノ酸の各温度の標準吸収スペクトルのピーク位置と比較した。その結果、いくつかのアミノ酸の標準吸収スペクトルのピーク位置と一致するピークが観測された。これらの一致したピークから、各温度においてそれぞれ、薬剤B中に含有するアミノ酸が特定できることがわかった。
さらに、各温度においてそれぞれ、ピーク位置が一致するアミノ酸の標準吸収スペクトルを抽出し、抽出された標準吸収スペクトルと係数の積から得られる理論吸収特性スペクトルと、薬剤Bから得られる吸収スペクトルの誤差が最小となる前記係数を各温度で算出した。それらの各温度で得られた係数から平均値および標準偏差を求め、それをそれぞれ、薬剤Bのアミノ酸含有濃度と濃度誤差範囲とした。
したがって、本発明によれば、プラスチック、紙、布などに梱包された物質であっても、ペレットの分析と同様に、物質中に含有するアミノ酸が特定でき、定量分析できることがわかった。
比較例として、プラスチックを透過する紫外・可視吸収分光法を利用した。分析試料として薬剤Bを、プラスチックケースに梱包されている錠剤を開封せずにそのまま、実施例6と同様に使用した。
しかしながら、紫外・可視吸収分光法では、標的物質であるアミノ酸からの信号が殆ど観測されないため、定性定量分析が可能な薬剤Bの吸収スペクトルが得ることはできなかった。
さらに、プラスチックを透過しない赤外吸収分光法を利用した。分析試料として薬剤Bを、開封してすり潰しペレットとして測定した。
しかしながら、開封してすり潰したことにより、空気中の酸素や湿度などによる経時変化が観測されたため、定性定量分析を正確に行うことはできなかった。
本実施例においては標的物質としてアミノ酸の一種であるグルタミン酸を含んだ分析試料を使用した。分析試料をポリエチレン粉末に混合してプレスし、直径10mm厚さ1.5mm±0.2mmのペレットを作成し、これを分析した。これらの吸収スペクトルの測定を図1の分析装置1を用いて0.1〜10.0テラヘルツの周波数領域において行った。ここで、測定温度は室温(297K)での測定のみを実施した。
次に、あらかじめ標準スペクトルの測定1で測定した20種類のアミノ酸の室温(297K)の標準吸収スペクトルのピーク位置と比較した。その結果、グルタミン酸の標準吸収スペクトルのピーク位置と一致するピークが観測された。図3に示すように、これらの一致したピークから、分析試料に含有するグルタミン酸を特定できることがわかった。
さらに、ピーク位置が一致するアミノ酸の標準吸収スペクトルを抽出し、抽出された標準吸収スペクトルと係数の積から得られる297Kの理論吸収特性スペクトル(図3、4点線)と、分析試料から得られる297Kの吸収スペクトル(図3、4実線)の誤差が最小となる係数を算出した。しかしながら、低周波数領域においてベースラインの誤差が生じた。
そこで、低周波領域において、吸収スペクトル(図5、6実線)から定数を減算し、吸収スペクトルを減少させるベースライン補正を行った。その後、再度、誤差が最小となる係数を算出した。その結果、図5、6に示すように、ベースラインが一致した定量分析に適した理論吸収特性スペクトル得られることがわかった。
2…光源
3…分光器
4…計算器・制御装置
31…光発生器
32…試料
33…光検出器
34…温度可変チャンバ
35…厚さ測定装置計
Claims (6)
- 弱い相互作用を有する標的物質を分析試料中から選択的に分析する方法であって、
該標的物質の弱い相互作用のエネルギーに共鳴する周波数の電磁波を分析試料に照射し、透過した電磁波を測定することにより得られる吸収スペクトルのピーク位置を予め得られている該標的物質の標準吸収スペクトルのピーク位置と比較し、
ピーク位置が一致する標準吸収スペクトルを抽出し、抽出された標準吸収スペクトルと係数の積から得られる理論吸収特性スペクトルと分析試料から得られる吸収スペクトルとの誤差が最小となる前記係数を算出し、分析試料中の標的物質の濃度を得ることを特徴とする定性定量分析方法。 - 前記弱い相互作用が水素結合、ファンデールワールス結合、π電子間相互作用、静電相互作用のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の定性定量分析方法。
- 前記標的物質が、アミノ酸(メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、グリシン、セリン、トレオニン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファン、システイン)、アミノ酸誘導体、アミノ酸誘導体の金属塩、塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、アンモニウム塩、水和物、重水素化物のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の定性定量分析方法。
- 前記標的物質の前記標準吸収スペクトルを予め算出するには、
前記標的物質の吸収特性スペクトルを弱い相互作用のエネルギーに共鳴する周波数領域で測定し、
得られた吸収特性スペクトルを標準試料の厚さについて正規化し、その後、標準試料中の標的物質の濃度について正規化し、
さらに、不適当な周波数範囲を除去することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の定性定量分析方法。 - 標準吸収スペクトルの算出と分析試料の吸収スペクトルの測定を複数の温度で行い、
抽出された前記標準吸収スペクトルと係数の積から得られる理論吸収特性スペクトルと、吸収スペクトルの誤差が最小となる前記係数を各温度で算出し、
各温度で得られた係数から平均値と標準偏差を算出することで、
分析試料中の標的物質の濃度とその誤差範囲を得ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の定性定量分析方法。 - 分析試料の吸収スペクトルのベースラインを、特定の周波数領域の範囲で、定数、もしくは、周波数に対して一定の関係を有する値を加算または減算することで補正し、得られたベースラインを補正した分析試料の吸収スペクトルと理論吸収特性スペクトルとの誤差が最小となる前記係数を算出し、分析試料中の標的物質の濃度を得ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の定性定量分析方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007061662A JP4732385B2 (ja) | 2006-11-21 | 2007-03-12 | 弱い相互作用を有する物質の定性定量分析方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006314370 | 2006-11-21 | ||
JP2006314370 | 2006-11-21 | ||
JP2007061662A JP4732385B2 (ja) | 2006-11-21 | 2007-03-12 | 弱い相互作用を有する物質の定性定量分析方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008151760A JP2008151760A (ja) | 2008-07-03 |
JP4732385B2 true JP4732385B2 (ja) | 2011-07-27 |
Family
ID=39654060
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007061662A Expired - Fee Related JP4732385B2 (ja) | 2006-11-21 | 2007-03-12 | 弱い相互作用を有する物質の定性定量分析方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4732385B2 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5363148B2 (ja) * | 2009-03-12 | 2013-12-11 | トヨタ自動車株式会社 | 炭化水素濃度測定装置および炭化水素濃度測定方法 |
JP2010236868A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 生体由来試料固定用シート及びその製造方法 |
JP2011257179A (ja) * | 2010-06-07 | 2011-12-22 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 結晶形モニタリング方法及び結晶形モニタリング装置 |
CN101900679B (zh) * | 2010-07-05 | 2012-06-27 | 浙江大学 | 一种油菜叶片脯氨酸含量快速检测方法 |
JP2014098555A (ja) * | 2011-03-09 | 2014-05-29 | Panasonic Corp | リサイクル樹脂判定装置、及び、リサイクル樹脂材料の製造装置 |
CN105092484A (zh) * | 2015-07-31 | 2015-11-25 | 付庆波 | 一种液体识别装置 |
JP6357661B2 (ja) * | 2016-05-19 | 2018-07-18 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | テラヘルツ波分光測定システム |
CN106198439A (zh) * | 2016-06-28 | 2016-12-07 | 北京市农林科学院 | 一种辐照食品的快速无损检测方法 |
WO2020080576A1 (ko) * | 2018-10-18 | 2020-04-23 | 연세대학교 산학협력단 | 분자 간 상호작용에 의한 흡광도 변화 예측 방법 |
CN112881568B (zh) * | 2021-01-15 | 2023-11-17 | 大连工业大学 | 一种食品热加工中多种伴生有害物同时测定的方法 |
CN113607680B (zh) * | 2021-08-11 | 2023-05-26 | 江门市华讯方舟科技有限公司 | 一种用于蛋氨酸含量检测的方法 |
CN114235735A (zh) * | 2021-11-26 | 2022-03-25 | 北方华锦化学工业股份有限公司 | 一种红外光谱定量分析工业透明聚丙烯中透明剂含量的方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003227793A (ja) * | 2001-11-28 | 2003-08-15 | Matsushita Ecotechnology Center:Kk | プラスチックの識別方法 |
-
2007
- 2007-03-12 JP JP2007061662A patent/JP4732385B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003227793A (ja) * | 2001-11-28 | 2003-08-15 | Matsushita Ecotechnology Center:Kk | プラスチックの識別方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008151760A (ja) | 2008-07-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4732385B2 (ja) | 弱い相互作用を有する物質の定性定量分析方法 | |
Heinz et al. | Quantifying ternary mixtures of different solid-state forms of indomethacin by Raman and near-infrared spectroscopy | |
Kim et al. | New reliable Raman collection system using the wide area illumination (WAI) scheme combined with the synchronous intensity correction standard for the analysis of pharmaceutical tablets | |
KR20130139222A (ko) | 시간 감쇠 신호들을 분석하기 위한, 광 신호 처리 방법 및 장치 | |
JP6682101B2 (ja) | レーザ分光式安定同位体比分析法、装置、および多地点安定同位体比分析システム | |
Dong et al. | Rapid and real-time analysis of volatile compounds released from food using infrared and laser spectroscopy | |
WO2019010979A1 (zh) | 人参鉴别方法及系统 | |
Subaihi et al. | Quantitative detection of codeine in human plasma using surface-enhanced Raman scattering via adaptation of the isotopic labelling principle | |
Zheng et al. | First principles investigation of L-alanine in terahertz region | |
Schuster et al. | Deconvolution of Raman spectra for the quantification of ternary high‐pressure phase equilibria composed of carbon dioxide, water and organic solvent | |
Ozaki et al. | Near-infrared spectroscopy in biological molecules and tissues | |
Dai et al. | On-line UV-NIR spectroscopy as a process analytical technology (PAT) tool for on-line and real-time monitoring of the extraction process of Coptis Rhizome | |
JP5222835B2 (ja) | 定性定量分析方法、および定性定量分析システム | |
RU2395073C2 (ru) | Способ и оборудование для количественного анализа растворов и дисперсий с помощью ближней инфракрасной спектроскопии | |
Clarke | Circular dichroism and its use in protein-folding studies | |
JP5172467B2 (ja) | 血液中成分の定量分光分析法 | |
Lu et al. | Chiral recognition and determination of enantiomeric excess of chiral compounds by UV-visible-shortwave near infrared diffuse reflectance spectroscopy with chemometrics | |
Gianella et al. | Improved algorithm for quantitative analyses of infrared spectra of multicomponent gas mixtures with unknown compositions | |
US20230102813A1 (en) | Open-loop/closed-loop process control on the basis of a spectroscopic determination of undetermined substance concentrations | |
Blanco et al. | Near infrared transflectance spectroscopy: Determination of dexketoprofen in a hydrogel | |
Lendl et al. | Mid-IR quantum cascade lasers as an enabling technology for a new generation of chemical analyzers for liquids | |
Konopel’ko et al. | Metrological problems of gas analyzers based on wavelength-scanned cavity ring-down spectroscopy | |
Stepanov et al. | Near-IR laser-based spectrophotometer for comparative analysis of isotope content of CO2 in exhale air samples | |
WO2019174427A1 (zh) | 萘普生胶囊剂的鉴别方法及系统 | |
Zonderman et al. | Native measurement of a biotherapeutic without interference from excipients using microfluidic modulation spectroscopy |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090123 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110106 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110104 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110303 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110412 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110420 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |