JP5222835B2 - 定性定量分析方法、および定性定量分析システム - Google Patents

定性定量分析方法、および定性定量分析システム Download PDF

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Description

本発明は、標的試料中に含まれるアミン類結晶の2次元不均一性を非破壊的に測定する定性定量分析方法、および定性定量分析システムに関する。
アミン類はアミノ酸が代表であるが、アミノ基をもつため水素結合など分子間結合を作りやすく、また多くの医薬品の成分として知られている。医薬品原薬化合物としてのアミン類の結晶は、結晶多形が存在することが知られている。結晶多形とは、結晶格子の分子配列や構造に違いのある2つ以上の結晶形が存在するものをいう。この結晶多形の分子配列や構造の違いによって溶解性、形態、吸湿性といった化学的、物理的な安定性が異なるため(非特許文献1、2参照)、水等への溶解挙動が大きく異なり、医薬品の薬効が結晶多形によって大きく変化することが知られている。そのため、結晶多形の問題は、医薬品開発を行う上で不可欠であり、また販売される医薬品の品質管理としても重要な因子である。
結晶多形は、通常、粉末X線、固体NMR(Solid-state Nuclear Magnetic Resonance)、示差走査熱計量、フーリエ変換型赤外分光法、近赤外分光法、ラマン分光法等で測定することができるが、解析は複雑でさらに、その二次元的な分布(結晶多形の成分や濃度の分布)を知ることは難しい。最近では、テラヘルツ波(0.1〜10THzの電磁波)を用いたテラヘルツ分光法により、結晶多形を把握できることが報告されている(非特許文献3参照)。
「結晶多形の最新技術と応用展開−多形現象の基礎からデータベース情報まで−」,シーエムシー出版,2005年 芦澤一英,「医薬品開発における物性評価の重要性」,日薬理誌,2006年,vol.127,p.213-216 「テラヘルツ技術総覧」,テラヘルツテクノロジーフォーラム編,9章「テラヘルツの利用」,2007年
テラヘルツ分光法は、特に、1〜3THzの周波数帯域には、水素結合などの分子間力、結晶のフォノンモードなどの振動があり、毒物や火薬等の同定、さらにタンパク質など巨大分子の分光分析への応用も期待されている。医薬品の分子、タンパク質分子、水分子などの分子間に働く弱い水素結合やファンデルワールス力などにより分子が結び付き、分子クラスターをつくる。この分子クラスターはさらに結び付き、大きな分子ネットワークを形成する場合もある。テラヘルツ分光法では、分子間の結合エネルギーに共鳴する周波数を用いることで、有機物質の同定のみならず分子ネットワークにおける結晶格子の分子配列や構造の違いを判別することができる。
しかし、従来のテラヘルツ分光法では、試料(サンプル)の厚さ、亀裂、異物混入など二次元的に不均一な形状情報で定量結果を補正する必要があり、これまで二次元の定性定量分析は実現されていない。このように、アミン類は医薬品として重要でありながら、結晶多形を含めた二次元定性定量分析を行うことは困難である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、標的試料中に含まれるアミン類結晶の二次元的不均一性を非破壊的に測定する定性定量分析方法および定性定量分析装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、標的試料中に含まれるアミン類結晶の二次元的不均一性を非破壊的に測定する定性定量分析方法であって、前記アミン類結晶の分子間結合のエネルギーに共鳴する周波数の電磁波を標的試料に二次元的に照射する照射ステップと、透通した電磁波を測定することにより得られる標的試料の吸収スペクトルのピーク位置を、記憶部に記憶された標準試料である複数のアミン類結晶の標準吸収スペクトルのピーク位置と比較する比較ステップと、ピーク位置が一致するアミン類結晶の標準吸収スペクトルを抽出する抽出ステップと、抽出された標準吸収スペクトルと不均一係数の積から得られる理論吸収特性スペクトルと、標的試料から得られる吸収スペクトルとの誤差が最小となる前記不均一係数を算出し、標的試料中のアミン類結晶の二次元的不均一性を分析する分析ステップと、を有する。
また、本発明は、光源と、分光イメージ装置と、制御装置と備えた定性定量分析システムであって、前記分光イメージ装置は、前記光源の励起光から標的アミン類結晶の分子間結合のエネルギーに共鳴する周波数の電磁波パルスを発生させ、局所に集束させて、標的試料に照射するパルス発生器と、標的試料を透過した前記電磁波を集光し、吸収スペクトルを測定する検出器と、二次元的に標的試料を駆動および固定する駆動型固定装置と、を有し、前記制御装置は、前記駆動型固定装置を制御する制御手段と、前記駆動型固定装置を2次元に制御することにより前記検出器が測定した標的試料の吸収スペクトルのピーク位置を、記憶手段に記憶された標準試料である複数のアミン類結晶の標準吸収スペクトルのピーク位置と比較して、ピーク位置が一致するアミン類結晶の標準吸収スペクトルを抽出し、抽出された標準吸収スペクトルと不均一係数の積から得られる理論吸収特性スペクトルと、標的試料から得られる吸収スペクトルとの誤差が最小となる前記不均一係数を算出し、標的試料中のアミン類結晶の二次元的不均一性を分析する分析手段と、を有する。
本発明によれば、標的試料中に含まれるアミン類結晶の二次元的不均一性を非破壊的に測定する定性定量分析方法および定性定量分析装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る定性定量分析システムの構成図である。 実施例1のファモチジンの測定例を示す。 実施例2のファモチジンの測定例を示す。
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、テラヘルツ波を標的試料の小さい部分に照射し、マッピングしながらテラヘルツ波の測定を行うことで、結晶多形の二次元分布の定性定量分析を行う。
図1は本実施形態に係る定性定量分析システムの構成を示す構成図である。図示する定性定量分析システムは、光源10と、分光イメージ装置20と、制御装置30とを有する。光源10は、分光イメージ装置20のパルス発生器21を励起する。分光イメージ装置20は、光源10の励起光からアミン類結晶の分子間結合のエネルギーに共鳴する周波数の電磁波パルスを発生させ、集束レンズ22により局所に集束させ、標的試料に照射するパルス発生器21と、標的試料を透過した電磁波を集光レンズ23により集光し、吸収スペクトルを測定する検出器24と、標的試料の形状を測定する形状測定装置26と、標的試料を駆動および固定させる駆動型固定装置27、28とを有する。
以下、本実施形態の動作について説明する。
光源10から発せられたパルスレーザー光などが、分光イメージ装置20内に導かれ、光伝導アンテナなどのパルス発生器21で、テラヘルツ波に変換される。光伝導アンテナは、光伝導スイッチともよばれ、テラヘルツ波の発生器あるいは検出器として用いられる。
パルス発生器21は、光源10から発せられたフェムト秒の超短パルスレーザーで、パルス発生器21内の光伝導膜を励起し、光伝導膜中の自由電子を励起する。自由電子を加速させるために、パルス発生器21内に電極を設け、電極間に電圧をかけることによって自由電子を加速させ、テラヘルツ電磁波パルスを発生させる。
テラヘルツ波を発生させる方法には、赤外または可視ポンプレーザーを用いた非線形光学結晶を用いる方法や、半導体光光源である量子カスケードレーザーなどがある。これらについては、前述の非特許文献3、および下記参考文献1に記載されている。
参考文献1:Mikhail A. Belkin, Federico Capasso, Alexey Belyanin, Deborah L. Sivco, Alfred Y. Cho, Douglas C. Oakley, Christopher J. Vineis, George W. Turner,Nature Photonics 1, 288 - 292 (2007)
光発生したテラヘルツ電磁波パルスは、集束レンズ22で集束される。なお、集束レンズ22のかわりに、軸外放物面鏡を用いてもよい。軸外放物面鏡とは、平行光を無収差で焦点に集光させる、あるいは焦点から出た点光源を無収差で平行光に変換させる非球面鏡のことである。
集束レンズ22で小さなスポット(部分)に集められたテラヘルツ電磁波パルスは、駆動固定ステージに固定された容器25内の固体試料51の一部に照射され、透過したテラヘルツ電磁波パルスは集光レンズ23を通して検出器24に集められる。
ここで、パルス発生器21と検出器24を結ぶ方向を、光軸方向とよぶ。集束レンズ22によりテラヘルツ電磁波パルスが集められるスポットの径は、開口数と波長に従って決まり、光軸と垂直の方向が開口数に反比例し、光軸方向は開口数の二乗に反比例する。波長には、どちらの方向も正比例する。
検出器24は、透過したテラヘルツ電磁波パルスの強度や位相などの波形を測定する。パルス発生器21に光伝導アンテナを用いた場合は、一般的に検出器24にも光伝導アンテナを用いるが、その場合は光学遅延ステージを動かすことにより検出光の時間遅れをずらし、検出器24に到達するテラヘルツ電磁波パルスの電場の時間変化である時間波形を検出する。この時間領域分光法については、下記の参考文献2に記載されている。そして、検出された時間波形をフーリエ変換することで、テラヘルツ吸収スペクトル(以下、「吸収スペクトル」)を測定することができる。検出器24により測定された吸収ペクトルは、制御装置30に出力される。
参考文献2:深澤亮一,「テラヘルツ時間領域分光法と分析化学」,ぶんせき 2005 6,P.290-296, (2005)
なお、その他の検出器、例えば電気光学(EO)結晶、ボロメータ、ショットキーバリアダイオードなどの場合は、分光器を付加して、吸収スペクトルを測定する。検出器24は、図示するような透過配置測定の場合は、固体試料51を挟んでパルス発生器21と反対側に位置しているが、反射配置測定の場合は、ある角度をもってパルス発生器21と同じ側に配置される。
上述の処理で固体試料51の任意の1点におけるテラヘルツ波の測定が終了するが、制御装置30の制御により駆動型固定装置27を光軸と垂直の方向に駆動し、固体試料51を移動させることより、マッピングしながら固体試料51の各点での吸収スペクトルを測定し、制御装置30に出力する。これにより、制御装置30は、固体試料51の二次元的なテラヘルツ波の透過情報(吸収スペクトル)を得ることができる。
また、形状測定装置26は、固体試料51の表面の形状を測定し、測定した表面の形状から固体試料51の厚さを算出し、制御装置30に出力する。また、制御装置30は、駆動型固定装置28を光軸方向に駆動することにより、三次元的なテラヘルツ波の透過情報(吸収スペクトル)を得ることができる。
透過率は、周波数によって異なる。吸光度Aは、透過率Tから次の式1に従って算出される。また、ランベルト・ベールの法則から、吸光度Aと吸光係数αとの関係は式1となる。
A=log(T/100)=αLC 式1
(α:吸光係数、L:物質の厚さ、C:試料濃度)
透過率Tは、検出器24が測定した吸収スペクトルから得られる実測値であり、この透過率Tから吸光度Aが求められる。試料濃度Cは、試料作製時に決まる値であり、物質(固体試料、標的試料)の厚さLは、形状測定装置26から出力される情報を用いる。吸光係数αは、単一の成分からなる標準試料に前述のテラヘルツ電磁波パルスを照射することにより得られるテラヘルツ波の透過情報(吸光度Aを単位とした標準吸収スペクトル)から求める。様々な成分について標準吸収スペクトルを測定して、吸光係数αを求める。吸光係数αは、データベース31に用いる標準吸収スペクトルの単位である。
なお、標準試料であるアミン類結晶の吸光係数αを単位とした標準吸収スペクトルを予め算出するには、アミン類結晶の結晶多形ごとの吸収特性スペクトルを、分子間結合のエネルギーに共鳴する周波数領域で測定し、当該測定された吸収特性スペクトルを標的試料の厚さについて正規化し、標的試料中のアミン類結晶の濃度について正規化し、有効範囲外のスペクトルを除去することにより算出する。このように予め算出された吸光係数αを単位としたアミン類結晶の標準吸収スペクトルは、データベース31に記憶される。
任意の固体試料(標的試料)には、図1に示す固体試料51にあるような異物53の混入や亀裂52がある場合がある。制御装置30は、異物53がある場合の固定試料については、透過したテラヘルツ波を測定することにより得られる吸収スペクトルのピーク位置を、データベース31に記憶されている複数のアミン類(標準試料)の標準吸収スペクトルのピーク位置と比較し、ピーク位置が一致するアミン類の標準吸収スペクトルを抽出する。そして、制御装置30は、抽出された吸光係数αを単位とした標準吸収スペクトルと不均一係数の積から算出される理論吸収特性スペクトルと、固定試料(標的試料)から得られる吸収スペクトルとの誤差が最小となる前記不均一係数を算出する。そして、制御装置30は、算出した不均一係数を用いて、標的試料中のアミン類結晶の結晶多形成分および各成分濃度の二次元的不均一性を解析する。すなわち、標的試料中には、ピーク位置が一致するアミン類結晶が、算出した不均一係数の濃度で含まれていると分析する。
また、亀裂52がある場合の固定試料については、透過したテラヘルツ波が多重散乱するため、測定される吸収スペクトルにおいて、成分固有のピークが小さくなることや、ベースラインが上昇する可能性がある。そのため、制御装置30は、測定される吸収スペクトルのベースライン補正を行う、あるいは、測定される吸収スペクトルをスペクトル判定法により決定された有効範囲外のスペクトルを除去し、全周波数の積分強度で規格化する。これにより、固定試料(標的試料)中に含まれるアミン類結晶の二次元的不均一性を非破壊的に測定することができる。
ベースライン補正は、固定試料(標的試料)の吸収スペクトルのベースラインを、特定の周波数領域の範囲で、所定の定数、もしくは周波数に対して一定の関係を有する値を、加算または減算することで補正する。そして、ベースラインを補正した固定試料の吸収スペクトルと標準吸収スペクトルとの誤差が最小となる不均一係数を算出し、標的試料中のアミン類結晶の濃度を取得する。
スペクトル判定法については、参考文献3(特開2009−128035号公報)に記載されている。すなわち、スペクトル判定法は、スペクトル演算処理を行う上で必要なスペクトルの有効範囲を判定する方法であって、周波数Xに対して、吸収強度Yがプロットされた吸収スペクトル(X,Y)において、吸収強度Y、吸収強度Yの1次微分値Y’、および吸収強度Yの2次微分値Y”のそれぞれに対して所定の規定値を用いて、吸収強度Yの値が有効である周波数Xの有効範囲を決定する。
[実施例1]
実施例1では、胃薬の成分であるファモチジン(標的試料)の分析を、図1に示す定性定量分析システムを用いて行うものである。
波長800ナノメートルでパルス幅10フェムト秒のパルスレーザーである光源10を用いて、低温成長のGaAsから成る光伝導アンテナを励起し、パルス発生器21からテラヘルツ電磁波パルスを発生させ、プラスチックの集束レンズ22を通してファモチジンの錠剤の試料に照射する。
ファモチジンの錠剤の試料を通過したテラヘルツ電磁波パルスは、パルス発生器21と同様の低温成長のGaAsから成る光伝導アンテナを用いた検出器24によって、テラヘルツ波(テラヘルツ電磁波パルスの電場の時間変化である時間波形)を検出し、その際得られた電流値変化をフーリエ変換することで、強度スペクトルおよび位相スペクトル(吸収スペクトル)に変換する。なお、強度スペクトルおよび位相スペクトルは、イメージ測定結果である。
図2に、ファモチジンの測定例を示す。ファモチジンは主に2つの結晶多形を有し、それぞれA型結晶、B型結晶と呼ぶ。図2に示すA型結晶のスペクトル(a)、亀裂付近のA型結晶のスペクトル(b)、およびB型結晶のスペクトル(c)は、ポリエチレン(PE)を基質とした2つの錠剤(直径7mm、厚さ1mm程度)のイメージ測定結果から抽出した、任意のポイントにおける吸収スペクトルである。
スペクトル(a) とスペクトル(b)との違いは、スペクトル(b)のポイントは亀裂が確認されている。スペクトル(a)、(c)については、制御装置30は、データベース31に記憶された標準吸収スペクトルを用いた定性定量分析を行い、その結果スペクトル(a)、(c)はそれぞれ濃度30%(不均一係数)のA型結晶、 濃度30%(不均一係数)のB型結晶であると解析された。
スペクトル(b)については、制御装置30は、ベースラインが所定の値より大きいことから亀裂と判定し、ベースライン補正を行った後、前述のスペクトル判定法により決定された有効範囲外のスペクトルを除去し、全周波数の積分強度で規格化する。そして、規格化したスペクトルに対して、データベース31に記憶された標準吸収スペクトルを用いた定性定量分析を行った結果、濃度30%のA型結晶と解析された。
[実施例2]
図3は、A型結晶とB型結晶が混合した場合のファモチジンの測定例を示す。図3は、B型結晶から作製した2個の錠剤と、リファンレスとしてのポリエチレン(PE)の1個の錠剤のそれぞれの2次元のテラヘルツ分光イメージの結果を示す。各錠剤の大きさは、直径7mm、厚さ1mm程度である。左側が1.2THzで、右側が1.6THzの周波数でのデータを抽出している。図示する各テラヘルツ分光イメージは、マッピングしながら固体試料51の各点での吸収スペクトルを測定することにより得られた2次元の吸収スペクトルから1.2THzおよび1.6THzの周波数でデータ抽出したものであり、制御装置30により生成される。
また、図3(i)は、吸収スペクトルにベースライン補正を行わない場合のテラヘルツ分光イメージ結果であり、図3(ii)は、吸収スペクトルにベースライン補正を行った場合のテラヘルツ分光イメージ結果であり、図3(iii)は、吸収スペクトルにベースライン補正、有効範囲外のスペクトル除去および積分強度での規格化を行った場合のテラヘルツ分光イメージ結果である。
B型結晶は、1.6THz付近に固有の吸収ピークがあるため(図2参照)、その周波数付近で強度が高い(図3では白色で示す)ことが図3(i)にから分かる。B型結晶から作製した2個の錠剤のテラヘルツ分光イメージ結果の内、1つからは亀裂のような線311、321が見られる。
図3(ii)のテラヘルツ分光イメージ結果では、ベースライン補正によって、ほぼ亀裂の影響が除去されたが、中央に位置する錠剤からは異物312、322が検出された。図3(ii)のテラヘルツ分光イメージ結果では、規格化によって異物313は1.2THz付近に吸収をもっている、すなわち強度が高い(図3では白色で示す)ことが分かる。このため、異物は、1.2THz付近に固有の吸収ピークがあるA型結晶の切片(濃度約20%)であることが確認された。
以上説明した本実施形態では、標的試料中に含まれるアミン類結晶の二次元的不均一性を非破壊的に測定することができる。また、定性分析の自動化に必要な標準吸収スペクトルを正規化してデータベースに格納しておくことにより、より高い精度の分析を行うことができる。また、亀裂、異物混入など二次元的に不均一な形状の試料であっても、二次元の定性定量分析を行うことができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
10 光源
20 分光イメージ装置
21 パルス発生器
22 集束レンズ
23 集光レンズ
24 検出器
25 容器
26 形状測定器
27,28 駆動型固定器
51 固体試料
52 亀裂
53 異物
25 容器

Claims (4)

  1. 標的試料中に含まれるアミン類結晶の二次元的不均一性を非破壊的に測定する定性定量分析方法であって、
    前記アミン類結晶の分子間結合のエネルギーに共鳴する周波数の電磁波を標的試料に二次元的に照射する照射ステップと、
    透通した電磁波を測定することにより得られる標的試料の吸収スペクトルのピーク位置を、記憶部に記憶された標準試料である複数のアミン類結晶の標準吸収スペクトルのピーク位置と比較する比較ステップと、
    ピーク位置が一致するアミン類結晶の標準吸収スペクトルを抽出する抽出ステップと、
    抽出された標準吸収スペクトルと不均一係数の積から得られる理論吸収特性スペクトルと、標的試料から得られる吸収スペクトルとの誤差が最小となる前記不均一係数を算出し、標的試料中のアミン類結晶の二次元的不均一性を分析する分析ステップと、を有すること
    を特徴とする定性定量分析方法。
  2. 前記標的試料の吸収スペクトルのベースラインを、特定の周波数領域の範囲で定数もしくは周波数に対して一定の関係を有する値を加算または減算することで補正する補正ステップを、さらに有すること
    を特徴とする請求項1に記載の定性定量分析方法。
  3. 前記記憶部に記憶されたアミン類結晶の標準吸収スペクトルは、
    前記アミン類結晶の結晶多形ごとの吸収スペクトルを、分子間結合のエネルギーに共鳴する周波数領域で測定し、当該測定された吸収スペクトルを標準試料の厚さについて正規化し、標準試料中のアミン類結晶の濃度について正規化し、有効範囲外のスペクトルを除去することにより算出されること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の定性定量分析方法。
  4. 光源と、分光イメージ装置と、制御装置と備えた定性定量分析システムであって、
    前記分光イメージ装置は、
    前記光源の励起光から標的アミン類結晶の分子間結合のエネルギーに共鳴する周波数の電磁波パルスを発生させ、局所に集束させて、標的試料に照射するパルス発生器と、
    標的試料を透過した前記電磁波を集光し、吸収スペクトルを測定する検出器と、
    二次元的に標的試料を駆動および固定する駆動型固定装置と、を有し、
    前記制御装置は、
    前記駆動型固定装置を制御する制御手段と、
    前記駆動型固定装置を2次元に制御することにより前記検出器が測定した標的試料の吸収スペクトルのピーク位置を、記憶手段に記憶された標準試料である複数のアミン類結晶の標準吸収スペクトルのピーク位置と比較して、ピーク位置が一致するアミン類結晶の標準吸収スペクトルを抽出し、抽出された標準吸収スペクトルと不均一係数の積から得られる理論吸収特性スペクトルと、標的試料から得られる吸収スペクトルとの誤差が最小となる前記不均一係数を算出し、標的試料中のアミン類結晶の二次元的不均一性を分析する分析手段と、を有すること
    を特徴とする定性定量分析システム。
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