JP4732177B2 - レーダ装置の校正装置及び方法 - Google Patents

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Description

この発明は、例えばFM−CWレーダ装置における広帯域受信機の周波数特性誤差を校正するレーダ装置の校正装置及び方法に関するものである。
従来、この種のレーダ装置の校正装置として、周波数をリニアに変化させるFM−CWレーダへの適用を前提として、受信機の周波数特性誤差を予め測定して記憶し、ダウンコンバート後の信号(ビート信号)を前記周波数特性誤差で除算することにより校正を行うものがある(例えば、非特許文献1参照)。
笠原他,"地中FM−CWレーダにおけるシステム校正について" 電子情報学会論文誌B-II., vol.J-80-B-II,no.7,pp.625-627, July 1997
しかしながら、従来のレーダ装置の校正装置では、目標距離に応じて信号が時間方向でずれるので、対応する受信信号の周波数特性は目標距離に応じてずれる。このため、レーダの目標距離に応じた前記ずれに起因して補正用の周波数特性誤差情報もずれることになり、周波数特性誤差を正確に補正できない課題があった。
この発明は前記のような課題を解決するためになされたもので、目標の距離が異なる場合でも正確に周波数特性誤差を補正できるレーダ装置の校正装置及び方法を得ることを目的とする。
この発明に係るレーダ装置の校正装置は、電波を送受信するアンテナと、所定帯域内で周波数可変のローカルオシレータと、前記アンテナにサーキュレータを介して接続され、前記ローカルオシレータの出力を送信する送信機と、前記アンテナに前記サーキュレータを介して接続される受信機と、前記受信機から出力される受信信号を補正手段の出力によりダウンコンバートするミキサと、前記ミキサの出力をフーリエ変換するフーリエ変換手段と、前記フーリエ変換手段の出力から周波数を検出する周波数検出手段と、前記受信機の周波数特性誤差を予め記憶するメモリと、前記メモリから周波数特性誤差を読み出し前記周波数検出手段の出力に応じて前記周波数特性誤差をシフトするシフト手段と、前記シフト手段の出力を前記ローカルオシレータの出力に乗算して前記受信機の出力の周波数特性誤差を補正する前記補正手段とを備えたものである。
この発明に係るレーダ装置の校正方法は、電波を送受信するアンテナと、所定帯域内で周波数可変のローカルオシレータと、前記アンテナにサーキュレータを介して接続され、前記ローカルオシレータの出力を送信する送信機と、前記アンテナに前記サーキュレータを介して接続される受信機と、前記受信機から出力される受信信号を補正処理ステップの結果によりダウンコンバートするミキサとを備えたレーダ装置において、前記ミキサの出力をフーリエ変換するフーリエ変換処理ステップと、前記フーリエ変換処理ステップの結果から周波数を検出する周波数検出処理ステップと、前記受信機の周波数特性誤差を予め記憶したメモリから周波数特性誤差を読み出し前記周波数検出処理ステップの結果に応じて前記周波数特性誤差をシフトするシフト処理ステップと、前記シフト処理ステップの結果を前記ローカルオシレータの出力に乗算して前記受信機の出力の周波数特性誤差を補正する前記補正処理ステップとを備えたものである。
この発明によれば、周波数特性誤差をメモリに記憶し、ダウンコンバート後の信号の周波数をフーリエ変換手段および周波数検出手段により推定し、この周波数に応じて周波数特性誤差をシフトするシフト手段を備え、シフト手段の出力に基づいて受信機の出力の周波数特性誤差を補正手段により補正するので、遠距離を測定するレーダで目標距離に応じて周波数がシフトする場合にも有効に受信機の出力の周波数特性誤差を補正することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の校正装置の構成を示すブロック図である。図1に示されるレーダ装置の校正装置は、電波を送受信するアンテナ1と、送信と受信を切り替えるためのサーキュレータ4を介して接続される送信機2と、アンテナ1にサーキュレータ4を介して接続される受信機3と、ダウンコンバートのためのミキサ5と、後述するシフト手段11の出力に基づいて受信機3の出力の周波数特性誤差を補正する補正手段であり、シフト手段11の出力を後述するローカルオシレータ8の出力に乗算して補正する補正用乗算器6と、ミキサ5の出力をフーリエ変換するフーリエ変換手段7と、所定帯域内で周波数可変のローカルオシレータ8と、フーリエ変換手段7の出力から周波数を検出する周波数検出手段9と、受信機3の周波数特性誤差を予め記憶したメモリ12から周波数特性誤差を読み出し周波数検出手段9の出力に応じて周波数特性誤差をシフトするシフト手段11とを備えており、ミキサ5は、補正用乗算器6の出力の逆数または複素共役数で受信機3の出力をダウンコンバートするようになされている。
なお,「ダウンコンバートする」とは,一般に一定の周波数のローカルオシレータの出力の逆数をミキシングすることにより入力信号の周波数を低い周波数へと変換することを意味するが、本明細書では、例えばローカルオシレータの周波数が変動する場合を含め、入力信号に対してある周波数信号(周波数が変動する場合を含む)をミキシングすることを総じて「ダウンコンバートする」と表現することとする。同様な処理は、レーダではデチャープ処理、パルス圧縮処理などと呼ばれることがある。また、ダウンコンバート後の信号は、ビート信号と呼ばれることがある。
図2は、図1に示される実施の形態1に係るレーダ装置の校正装置を適用する広帯域レーダ装置の概略構成を示すブロック図である。図2において、図1に示す構成と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。新たな符号として、13はA/D変換器、15は離散フーリエ変換(DFT)手段である。以下、この図2を用いて、広帯域レーダ装置の動作について説明する。なお、一般に用いられるFM−CWレーダも基本的な原理は同じである。
まず、広帯域レーダでは、周波数可変のローカルオシレータ8で、図2に示すように、時刻tごとに周波数fが直線状に変化するチャープ信号を生成する。ここで、初期周波数をf、周波数の変化率をμとすると、時刻tにおける周波数f(t)は、式(1)で与えられるものとする。このとき、ローカルオシレータ8の出力時間波形s(t)は、式(2)で与えられる。
Figure 0004732177
しかし、ここでは、簡単のため、周波数の変動が十分に小さいものとして、ある時刻における信号s(t)は瞬時的に次式(3)のような正弦波形で近似できる。
Figure 0004732177
この信号s(t)が送信機2よりサーキュレータ4およびアンテナ1を介して送信され、目標の反射波がやはりアンテナ1とサーキュレータ4を介して受信機3で受信される。この間の時間差をΔtとする。この時間差Δtは、目標までの距離Rに応じて変化し、次式(4)で与えられる。なお、cは光速度である。
Figure 0004732177
この時間差Δtにより、周波数は、式(1)により変動し、受信信号s(t)は、瞬時的には次式(5)に示す信号となる。
Figure 0004732177
ミキサ5では、この受信信号s(t)に送信信号s(t)の複素共役数を乗算することでダウンコンバート処理を行う。広帯域レーダでは、この処理をデチャープと呼ぶ。ダウンコンバート後の信号s(t)は、次式(6)のようになり、周波数-μΔtの狭帯域信号となることが分かる。
Figure 0004732177
これまで、簡単のため、瞬時的な正弦波形で説明したが、式(2)に示す信号で同様な処理を施すと、やはり周波数-μΔtの狭帯域信号がミキサ5の出力として得られることが次式(7)から確認できる。
Figure 0004732177
以上説明したように、ミキサ5の出力は狭帯域信号であり、この周波数から時間Δtを計測して式(4)から目標までの距離を推定することができる。
以上が、広帯域レーダまたはFM−CWレーダの測距の原理であるが、実際には受信機は周波数特性誤差をもち、特に広帯域レーダでは所定の帯域内でフラットな特性を実現することは難しく補正が必要となる。このような補正を行うために、比較的近距離を測定するFM−CWレーダに適用することを目的として、周波数特性誤差を測定して記憶しておき、ダウンコンバート後のミキサの出力信号にこの逆数を乗じて補正する方法が提案されているが、遠方を測定するレーダでは、距離に応じてこの周波数特性誤差が変化するので、この方法を用いても正確に補正できない課題がある。
そこで、この発明では、図1に示す構成により、受信機3の周波数特性誤差を補正する。まず、受信機3の周波数特性誤差e(f)を、例えば図3に示す構成で測定し、メモリ12に記憶する。このとき、信号生成器としては、所定の周波数帯域内で周波数を変えながら正弦波を生成できるものを用いる。このような目的で、例えば先に説明した周波数可変のローカルオシレータ8を用いることができるが、時間に対して直線状に周波数が変化するリニアFM(またはチャープ変調)である必要はなく、所定の帯域内で周波数可変の正弦波を生成できれば良い。例えば、離散的に周波数が変動させて正弦波を生成する信号生成器であっても実用上は問題ない。
図3では、式(8)に示すような周波数fの正弦波s(f)を生成し、一方は受信機3を通過させ、一方は逆数をとってミキサ5に入力する。受信機3を通過した信号s(f)は周波数特性誤差e(f)が重畳され、式(9)のようになる。ミキサ5では、受信機3を通過した信号s(f)に式(8)の逆数を乗じる。この結果、式(10)に示すように、周波数特性誤差e(f)を得ることができる。このようにして得られた周波数特性誤差e(f)は、メモリ12に格納する。
Figure 0004732177
レーダでは、式(1)で示したようなリニアFM信号を送受信した場合、先に説明したように目標の距離に応じて生じる時間差Δtに応じてμΔtだけ周波数がシフトする。これをΔfとする。今、送信信号としてs(f)を送信すると、受信信号s(f)は周波数がシフトし、また、受信機3の周波数特性誤差はこのシフトした周波数に応じて重畳されるので、式(11)のようになる。
Figure 0004732177
従来のレーダでは、このようにシフトした周波数特性誤差を補正することが出来ない課題があった。そこで、図1に示すこの発明の実施の形態1に係る校正装置では、まず、ミキサ5の出力をフーリエ変換手段7によりフーリエ変換し、周波数検出手段9ではフーリエ変換手段7の出力であるスペクトルのピークから周波数Δfを推定する。シフト手段11では、メモリ12から読み出した周波数特性誤差e(f)をΔfだけシフトしてe(f+Δf)を得る。この周波数特性誤差は、補正用乗算器6でローカルオシレータ8の出力s(f)に乗算する。この結果、補正用乗算器6の出力信号s’(f)は、式(12)のようになる。s’(f)の逆数で受信信号をダウンコンバートすると、式(13)のようになり、有効に周波数特性誤差が補正される。
Figure 0004732177
なお、周波数検出手段9で検出する周波数は1つに限られず、複数の周波数を検出してそれぞれに応じて周波数特性誤差をシフトして補正するようにしてもよい。また、フーリエ変換手段7の出力は各周波数成分の強度を示す関数であるから、フーリエ変換手段7の出力に基づき、各周波数成分に応じて周波数誤差の強度とシフト量を調整して補正するようにしてもよい。この処理は、周波数特性誤差に対するFIRフィルタ処理と等価である。
以上説明したように、実施の形態1に係るレーダ装置の校正装置は、周波数特性誤差をメモリ12に記憶し、ダウンコンバート後の信号の周波数をフーリエ変換手段7および周波数検出手段9により推定し、この周波数に応じて周波数特性誤差をシフトするシフト手段11を備え、ローカルオシレータ8の出力を補正用乗算器6により補正するので、遠距離を測定するレーダで目標距離に応じて周波数がシフトする場合にも有効に受信機3の出力の周波数特性誤差を補正することができる。
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2に係るレーダ装置の校正装置の構成を示すブロック図である。図1に示される実施の形態1に係るレーダ装置の校正装置では、シフト手段11の出力に基づいて受信機3の出力の周波数特性誤差を補正する補正手段として、補正用乗算器6によりローカルオシレータ8の出力を補正する構成であったが、この実施の形態2では、補正用乗算器6により受信機3の出力自体を直接補正する構成を採用しており、ミキサ5は、ローカルオシレータ8の逆数または複素共役数で補正用乗算器6の出力をダウンコンバートするようになされている。
すなわち、フーリエ変換手段7および周波数検出手段9によりミキサ5の出力の周波数を推定し、シフト手段11によりメモリ12から周波数特性誤差を読み出して前記周波数に基づいて周波数特性誤差をシフトしe(f+Δf)を得る。この周波数特性誤差の逆数を受信機3の出力に乗算し、式(14)に示すようにs(f)を得る。ミキサ5では、式(15)に示すようにs(f)をs(f)の逆数でダウンコンバートすることにより、有効に周波数特性誤差が補正された信号を得ることができる。
Figure 0004732177
以上説明したように、実施の形態2に係るレーダ装置の校正装置は、周波数特性誤差をメモリ12に記憶し、ダウンコンバート後の信号の周波数をフーリエ変換手段7および周波数検出手段9により推定し、この周波数に応じて周波数特性誤差をシフトするシフト手段11を備え、受信機3の出力を補正用乗算器6により補正するので、遠距離を測定するレーダで目標距離に応じて周波数がシフトする場合にも有効に受信機3の周波数特性誤差を補正することができる。
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3に係るレーダ装置の校正装置の構成を示すブロック図である。図1に示される実施の形態1に係るレーダ装置の校正装置では、受信機3の出力の周波数特性誤差を補正する補正手段として、ローカルオシレータ8の出力を補正用乗算器6にて補正する構成を示したが、この実施の形態3では、ミキサ5の出力であるダウンコンバート後の信号に対して補正を施す構成となっている。この補正手段としては、ミキサ5の出力をA/D変換するA/D変換器13の出力にシフト手段11の出力を乗算して補正する補正用乗算器14でなり、フーリエ変換手段としては、補正用乗算器14の出力を離散フーリエ変換する離散フーリエ変換(DFT)手段15で構成される。
すなわち、ミキサ5の出力であるダウンコンバート後の信号は狭帯域であるため、図4に示すように、A/D変換器13を用いてディジタル信号へ変換することが容易となり、フーリエ変換手段7も離散フーリエ変換手段15によって実現することが可能となる。これにより、実施の形態1や実施の形態2の構成に比べ実現しやすく補正も正確に行える利点がある。
次に、図5に示す構成を備える実施の形態3に係るレーダ装置の校正装置の動作を説明する。ミキサ5では、式(11)に示した受信信号s(f)をローカルオシレータ8の出力s(f)の逆数で乗算するので、その出力は次式(14)に示すものとなる。この出力をA/D変換器13によりディジタル信号に変換し、DFT手段15および周波数検出手段9により周波数Δfを推定する。シフト手段11では、この周波数Δfに応じてメモリ12から読み出した周波数特性誤差をシフトしe(f+Δf)を出力する。補正用乗算器14は、A/D変換器13の出力とシフト手段11の出力の逆数または複素共役数を乗算して補正する。この結果、式(14)の周波数特性誤差e(f+Δf)が消去される。
Figure 0004732177
なお、ここでは、実用上適した構成として、A/D変換器13およびDFT手段15を備えた構成を示したが、実施の形態1や実施の形態2のようにこれらを用いない構成としても良い。
以上説明したように、実施の形態3に係るレーダ装置の校正装置は、周波数特性誤差をメモリ12に記憶し、ダウンコンバート後の信号の周波数をフーリエ変換手段7および周波数検出手段9により推定し、この周波数に応じて周波数特性誤差をシフトするシフト手段11を備え、ミキサ5の出力を補正用乗算器14により補正するので、遠距離を測定するレーダで目標距離に応じて周波数がシフトする場合にも有効に受信機3の周波数特性誤差を補正することができる。また、ミキサ5の出力は狭帯域であるので、A/D変換が容易であり、実現がしやすく正確な補正ができる効果がある。
実施の形態4.
図6は、この発明の実施の形態4に係るレーダ装置の校正装置の構成を示すブロック図である。これまでの実施の形態1〜3では、周波数特性誤差を補正するための補正手段として、補正用乗算器6または14を用いていたが、本実施の形態4では、補正手段として、シフト手段11の出力の逆数または複素共役数から受信機3の出力の周波数特性誤差を補正する補正フィルタ16を用い、ミキサ5は、補正フィルタ16の出力をローカルオシレータ8の出力でダウンコンバートする。それ以外の構成及び動作は、図4で示した実施の形態2と同じである。
ここで、補正フィルタ16は、シフト手段11の出力から得られる周波数特性誤差の逆特性が実現されるようなフィルタであり、前記周波数特性誤差の逆特性のインパルス応答からフィルタ係数を設計しFIRフィルタとして実現する。補正フィルタの別の方法としては、フーリエ変換と周波数特性誤差の逆特性との乗算および逆フーリエ変換を組み合わせて実現してもよい。
このように、実施の形態4によれば、補正フィルタ16により、周波数特性誤差を補正することで、実施の形態2と同様に、遠距離を測定するレーダで目標距離に応じて周波数がシフトする場合にも有効に受信機3の周波数特性誤差を補正することができる。
実施の形態5.
図7は、この発明の実施の形態5に係るレーダ装置の校正装置の構成を示すブロック図である。この実施の形態5では、周波数特性誤差を補正するための補正手段として、実施の形態4と同様に、補正用乗算器6または14に代えて、シフト手段11の出力の逆数または複素共役数からローカルオシレータ8の出力の周波数特性誤差を補正する補正フィルタ17を用い、ミキサ5は、受信機3の出力を補正フィルタ17の出力でダウンコンバートする。それ以外の構成及び動作は、図1で示した実施の形態1と同じである。
ここで、補正フィルタ16は、シフト手段11の出力から得られる周波数特性誤差の特性が実現されるようなフィルタであり、前記周波数特性誤差の特性のインパルス応答からフィルタ係数を設計しFIRフィルタとして実現する。補正フィルタの別の方法としては、フーリエ変換と周波数特性誤差の特性との乗算および逆フーリエ変換を組み合わせて実現してもよい。
前記補正手段は、前記シフト手段の出力の逆数または複素共役数から前記受信機の出力の周波数特性誤差を補正する補正フィルタでなり、
前記ミキサは、前記補正フィルタの出力を前記ローカルオシレータの出力でダウンコンバートする
このように、実施の形態5によれば、補正フィルタ17により周波数特性誤差を補正することで、実施の形態1と同様に、遠距離を測定するレーダで目標距離に応じて周波数がシフトする場合にも有効に受信機3の周波数特性誤差を補正することができる。
なお、実施の形態1〜5は、レーダ装置の校正装置について述べたものであるが、これら実施の形態は、下記の示す処理ステップを備えるレーダ装置の校正方法にも適用することができる。
すなわち、レーダ装置の校正方法としては、ミキサの出力をフーリエ変換するフーリエ変換処理ステップと、フーリエ変換処理の結果から周波数を検出する周波数検出処理ステップと、受信機の周波数特性誤差を予め記憶したメモリから周波数特性誤差を読み出し前記周波数検出理ステップの結果に応じて前記周波数特性誤差をシフトするシフト処理ステップと、前記シフト処理ステップの結果から受信機の出力の周波数特性誤差を補正する補正処理ステップとを備えればよい。この校正方法によれば、実施の形態1〜5と同様な効果を奏することができる。
この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の校正装置の構成を示すブロック図である。 図1に示される実施の形態1に係るレーダ装置の校正装置を適用する広帯域レーダ装置の概略構成を示すブロック図である。 図1に示されるメモリ12に予め記憶される受信機3の周波数特性誤差e(f)の測定について説明するための図である。 この発明の実施の形態2に係るレーダ装置の校正装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3に係るレーダ装置の校正装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4に係るレーダ装置の校正装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態5に係るレーダ装置の校正装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 アンテナ、4 サーキュレータ、2 送信機、3 受信機、5 ミキサ、11 シフト手段、8 ローカルオシレータ、6 補正用乗算器、7 フーリエ変換手段、9 周波数検出手段、12 メモリ、13 A/D変換器、14 補正用乗算器、15 離散フーリエ変換手段、16、17 補正用フィルタ。

Claims (9)

  1. 電波を送受信するアンテナと、
    所定帯域内で周波数可変のローカルオシレータと、
    前記アンテナにサーキュレータを介して接続され、前記ローカルオシレータの出力を送信する送信機と、
    前記アンテナに前記サーキュレータを介して接続される受信機と、
    前記受信機から出力される受信信号を補正手段の出力によりダウンコンバートするミキサと、
    前記ミキサの出力をフーリエ変換するフーリエ変換手段と、
    前記フーリエ変換手段の出力から周波数を検出する周波数検出手段と、
    前記受信機の周波数特性誤差を予め記憶するメモリと、
    前記メモリから周波数特性誤差を読み出し前記周波数検出手段の出力に応じて前記周波数特性誤差をシフトするシフト手段と、
    前記シフト手段の出力を前記ローカルオシレータの出力に乗算して前記受信機の出力の周波数特性誤差を補正する前記補正手段と
    を備えたレーダ装置の校正装置。
  2. 請求項1に記載のレーダ装置の校正装置において、
    前記補正手段は、前記ローカルオシレータの出力に前記シフト手段の出力を乗算して補正する補正用乗算器でなり、
    前記ミキサは、前記補正用乗算器の出力の逆数または複素共役数で前記受信機の出力をダウンコンバートする
    ことを特徴とするレーダ装置の校正装置。
  3. 請求項1に記載のレーダ装置の校正装置において、
    前記補正手段は、前記シフト手段の出力の逆数または複素共役数を前記受信機の出力に乗算して補正する補正用乗算器でなり、
    前記ミキサは、前記ローカルオシレータの逆数または複素共役数で前記補正用乗算器の出力をダウンコンバートする
    ことを特徴とするレーダ装置の校正装置。
  4. 請求項1に記載のレーダ装置の校正装置において、
    前記ミキサは、前記ローカルオシレータの逆数または複素共役数で前記受信機の出力をダウンコンバートし、
    前記補正手段は、前記ミキサの出力に前記シフト手段の出力の逆数または複素共役数を乗算して補正する補正用乗算器とでなり、
    前記フーリエ変換手段は、前記補正用乗算器の出力をフーリエ変換する
    ことを特徴とするレーダ装置の校正装置。
  5. 請求項4に記載のレーダ装置の校正装置において、
    前記ミキサの出力をA/D変換するA/D変換器をさらに備え、
    前記補正用乗算器は、前記A/D変換器を介した前記ミキサの出力に前記シフト手段の出力の逆数または複素共役数を乗算して補正し、
    前記フーリエ変換手段は、前記補正用乗算器の出力を離散フーリエ変換する離散フーリエ変換手段でなる
    ことを特徴とするレーダ装置の校正装置。
  6. 請求項1に記載のレーダ装置の校正装置において、
    前記補正手段は、前記シフト手段の出力の逆数または複素共役数から前記受信機の出力の周波数特性誤差を補正する補正フィルタでなり、
    前記ミキサは、前記補正フィルタの出力を前記ローカルオシレータの出力でダウンコンバートする
    ことを特徴とするレーダ装置の校正装置。
  7. 請求項1に記載のレーダ装置の校正装置において、
    前記補正手段は、前記シフト手段の出力の逆数または複素共役数から前記受信機の出力の周波数特性誤差を補正する補正フィルタでなり、
    前記ミキサは、前記受信機の出力を前記補正フィルタの出力でダウンコンバートする
    ことを特徴とするレーダ装置の校正装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載のレーダ装置の校正装置において、
    前記メモリは、前記ローカルオシレータの出力を前記受信機に入力することで、前記受信機の出力を前記ローカルオシレータの出力の逆数または複素共役数でダウンコンバートする前記ミキサの出力を周波数特性誤差として格納する
    ことを特徴とするレーダ装置の校正装置。
  9. 電波を送受信するアンテナと、
    所定帯域内で周波数可変のローカルオシレータと、
    前記アンテナにサーキュレータを介して接続され、前記ローカルオシレータの出力を送信する送信機と、
    前記アンテナに前記サーキュレータを介して接続される受信機と、
    前記受信機から出力される受信信号を補正処理ステップの結果によりダウンコンバートするミキサと
    を備えたレーダ装置において、
    前記ミキサの出力をフーリエ変換するフーリエ変換処理ステップと、
    前記フーリエ変換処理ステップの結果から周波数を検出する周波数検出処理ステップと、
    前記受信機の周波数特性誤差を予め記憶したメモリから周波数特性誤差を読み出し前記周波数検出処理ステップの結果に応じて前記周波数特性誤差をシフトするシフト処理ステップと、
    前記シフト処理ステップの結果を前記ローカルオシレータの出力に乗算して前記受信機の出力の周波数特性誤差を補正する前記補正処理ステップと
    を備えたレーダ装置の校正方法。
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