JP4732120B2 - 光増幅用光ファイバの製造方法 - Google Patents

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本発明は、コアに少なくとも1種類の希土類元素が添加された光増幅用光ファイバの出力低下抑制方法と該方法により出力低下抑制処理された光増幅用光ファイバ、該ファイバを光増幅用(励起用)光ファイバとして有する光ファイバ増幅器及び光ファイバレーザに関する。
現在、レーザ光は、加工機や医療機器、測定器など様々な分野で利用されてきている。
加工機の分野においては、レーザ光が集光性に優れ、パワー密度の高い小さなビームスポットが得られるため精密加工が可能なこと、また、非接触加工であり、かつレーザ光の吸収可能な固い物質への加工も可能であることから、急速に用途が拡大している。
特に、希土類添加光ファイバをレーザ媒質とした光ファイバレーザは、従来の固体レーザに比べて高効率で装置がコンパクトにでき、レーザ発振媒質と伝播媒質とが同じにできると言った特徴を有しており、非常に高出力のkW級の光ファイバレーザも開発されている。
この種の光ファイバレーザの構成例としては、例えば、特許文献1に開示されており、図1にこの従来の光ファイバレーザの構成を示す。光結合器103は、マルチモード光ファイバからなる7つの励起ポート102とこれらを溶融延伸して一体化することにより形成された1つの出射ポート104を有している。各励起ポート102には、励起光源101が接続されており、励起光源101から出射された励起光は出射ポート104から出射される。例えば、各励起光源101の出力がそれぞれ3Wであれば、合計21Wの励起パワーが得られることになる。この光ファイバレーザにおいて、光増幅用光ファイバとしては、コアに希土類元素が添加され、そのコアを2層のクラッドで囲んでなる希土類添加ダブルクラッドファイバ105が用いられている。励起光は、この希土類添加ダブルクラッドファイバ105の第1クラッド(内側クラッド)に入射されるようになっている。
希土類添加ダブルクラッドファイバ105の第1クラッドに入射された励起光は、第1クラッド内を伝播しながらコアを横切ることになるが、その際にコアに添加された希土類イオンに吸収される。励起光を吸収した希土類イオンは、励起光とは異なる波長の自然放出光を放出し、この自然放出光のうちコアを伝播するものは、伝播しながら増幅されてASE(増幅された自然放出光)として希土類添加ダブルクラッドファイバ105から出射されることになる。
一方、希土類添加ダブルクラッドファイバ105の両端には、ファイバブラッググレーティング(FBG)が設けられている。レーザ出射側に設けられているFBGは出力カプラ107であり、これは希土類添加ダブルクラッドファイバ105から放出される自然放出光のうちの一部の波長の光を反射する特性を有するが、その反射率は100%ではなく、所望の出力が得られるように適当な反射率を有するものである。その他端に設けられているFBGは、高反射ミラー106であり、これは出力カプラと同じ反射波長特性を有するが、その反射率はほぼ100%であり、かつ励起光波長に対しては何の作用もしないものである。
これら高反射ミラー106と出力カプラ107で共振器が構成されており、希土類添加ダブルクラッドファイバ105から出射されたASEは、このミラーで反射されて共振器内を往復し、希土類添加ダブルクラッドファイバ105を通過するたびに増幅され、やがてはレーザ発振し、レーザ光の一部は出力カプラ107を通過し、アイソレータを介してレーザ光として出力される。
ただし、図1の構成では励起ポートの数に限りがあるため、得られるレーザ出力パワーには限界がある。そこで図2に示すように、光ファイバレーザ100から出力されたレーザ光をさらに希土類添加光ファイバ増幅器200に投入し、増幅することで高出力化を行う場合もある。このような方式は一般的にMOPA(Master Oscillator Power Amplifier)方式と呼ばれ、図2ではMO(Master Oscillator)として光ファイバレーザ100を使用し、PA(Power Amplifier)として光ファイバ増幅器200を使用している。この光ファイバ増幅器200は、励起光源201と、光結合器203と、希土類添加ダブルクラッドファイバ205と、アイソレータ208とから構成されており、励起光源201、希土類添加ダブルクラッドファイバ205、アイソレータ208は、光ファイバレーザ100で使用したものと同じものが使用できる。光結合器203は、光ファイバレーザ100で用いた光結合器103の励起ポート102の一つが信号ポート202に置き換わったもので、信号ポートにはシングルモード光ファイバが使用されている。光ファイバレーザ100から出射されたレーザ光は、信号ポート202から入射され、光結合器203を介して希土類添加ダブルクラッドファイバ205のコアへと入射される。一方で励起ポート102には励起光源201が接続されており、励起光が光結合器203を介して希土類添加ダブルクラッドファイバ205の第1クラッドへと入射される。希土類添加ダブルクラッドファイバ205の第1クラッドへと入射された励起光は、コアに添加された希土類イオンに吸収され、誘導放出が生じることでコア内を伝播するレーザ光が増幅されて出力される。
米国特許第5864644号明細書
希土類添加ダブルクラッドファイバとしてYb添加ダブルクラッドファイバを用い、励起光源として波長976nm半導体レーザを用い、実際に図2に示したMOPA方式の光ファイバレーザを作製し、長時間駆動させてその出力の変化を調べたところ、時間の経過とともにレーザ出力が低下するという問題があることが分かった。
そこで、出力が低下した希土類添加ダブルクラッドファイバの透過損失スペクトルを測定したところ、レーザとして使用する前後で図3に示すように可視光域あるいは紫外域にピークを有し、非常に広い波長域に渡って損失増加が生じていることが確認できた。この損失増加は、明らかに光ファイバレーザの励起波長として使用される900nm〜1000nmの波長域やレーザ発振波長として使用される1000nm〜1100nmの波長域においても生じていることから、レーザ出力が低下した原因はこの損失増加であることが判明した。従って、長時間にわたり出力低下を起こさない光ファイバレーザを構成するためには、この損失増加を抑制する必要がある。
さらには損失増加を生じた光ファイバをそのまま光ファイバレーザに使用すると、損失を受けた励起光やレーザ光が熱へと変換されるため、光ファイバ自体が高温になりレーザ発振の効率が低下したり、熱により光ファイバ被覆樹脂が劣化し、やがては焼損する可能性がある。また、光ファイバで発生した熱が光ファイバ周辺に設置されている光部品や励起レーザや制御用電気基板などにも影響を及ぼし、出力低下や動作が不安定になるなどの影響を及ぼす。
また前述した損失が増加する現象は、添加されている希土類元素がYbである場合に特有の問題ではなく、他の希土類元素を添加した際にも生じ、波長1000nm以下では特に損失増加の度合が大きくなる。したがって励起光波長あるいは信号光波長のいずれかが損失増加を生じる波長域にある場合には、光ファイバ増幅器あるいは光ファイバレーザにおいても前述したYb添加光ファイバを用いた光ファイバレーザと同様の問題が生じる。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、損失増加が少なく、出力低下を起こさない光増幅用光ファイバの出力低下抑制方法と該方法により出力低下抑制処理された光増幅用光ファイバ、該ファイバを光増幅用光ファイバとして有する光ファイバ増幅器及び光ファイバレーザの提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、コアに少なくとも1種類の希土類元素が添加された光増幅用光ファイバの製造方法であって、光増幅用光ファイバを水素雰囲気中に放置することによってコアに水素を添加する水素添加処理工程と、光増幅用光ファイバのコアに添加された希土類イオンが吸収し得る波長の光をコアに照射する光照射処理工程とのいずれか一方の工程を先に光増幅用光ファイバに施し、その後に他方の工程を施すか、又は双方の工程を同時に施すことを特徴とする光増幅用光ファイバの製造方法を提供する。
本発明の光増幅用光ファイバの製造方法において、水素添加処理工程でコアに添加される水素濃度が1×10−6mol%以上であることが好ましい。
本発明の光増幅用光ファイバの製造方法において、前記水素添加処理工程及び光照射処理工程を施した後に光増幅用光ファイバに加熱処理を施すことが好ましい。
本発明の光増幅用光ファイバの製造方法において、コアに添加されている希土類イオンが1000nmよりも短い波長の光を吸収し得るものであり、前記光照射処理工程で1000nmよりも短い波長の光をコアに照射することが好ましい。
本発明の光増幅用光ファイバの製造方法において、コアに添加されている希土類イオンがYbイオンであることが好ましい。
本発明の光増幅用光ファイバの製造方法において、コアのホストガラスが石英ガラスであることが好ましい。
本発明の光増幅用光ファイバの製造方法において、光増幅用光ファイバが、コアの周囲に屈折率の異なる少なくとも2層のクラッドが設けられたダブルクラッドファイバであることが好ましい。
本発明によれば、損失増加が少なく、出力低下を起こさない光増幅用光ファイバを提供することができる。
また本発明は、出力低下抑制処理を施した光増幅用光ファイバを用いることにより、長期にわたり出力低下を起こさず、高効率の光ファイバ増幅器及び光ファイバレーザを提供することができる。
Yb等の希土類元素をコアに添加した光増幅用光ファイバを用いた光ファイバ増幅器や光ファイバレーザにおける出力低下を抑制するためには、その原因となっている損失増加を抑制しなければならない。
本発明者らは、光増幅用光ファイバにおける損失増加のメカニズムを次のように考察した。光ファイバのコア中に添加された希土類イオンはクラスタリングを生じ、複数個のイオンが非常に近い距離にある状態となる。そこに励起光が照射されると、希土類イオンは励起光を吸収するが、複数個のイオンが近接して存在するので、複数の光子が吸収され、局所的に高いエネルギーが蓄えられた状態となる。この吸収されたエネルギーによってその付近にあるガラスを構成する原子間の結合が切断されて欠陥が生じ、損失増加を引き起こすと考えられる。
本発明者らは、このような損失増加を抑制する手法を鋭意検討した結果、一度損失増加した希土類添加光ファイバのコア部分に水素を添加する処理を施すことにより、増加した損失を低減できることを突き止めた。すなわち、結合が切断された部分に、光ファイバ中に拡散した水素分子が達すると、この部分に水素イオンとなって結合し、欠陥を終端する。終端された欠陥は、再度励起光が照射されても、何ら影響は受けなくなるので、損失増加が生じなくなることを知見し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の光増幅用光ファイバの出力低下抑制方法は、コアに少なくとも1種類の希土類元素が添加された光増幅用光ファイバを水素雰囲気中に放置することによってコアに水素を添加する水素添加処理工程と、光増幅用光ファイバのコアに添加された希土類イオンが吸収し得る波長の光をコアに照射する光照射処理工程とのいずれか一方の工程を先に光増幅用光ファイバに施し、その後に他方の工程を施すか、又は双方の工程を同時に施すことを特徴としている。
本発明の光増幅用光ファイバの出力低下抑制方法において、出力低下抑制処理する光増幅用光ファイバとしては、コアにYbなどの少なくとも1種の希土類元素が添加された従来公知の各種の光増幅用光ファイバを用いることができる。本発明の光増幅用光ファイバの出力低下抑制方法では、新規に製造した未使用の光増幅用光ファイバに対して出力低下抑制処理することもできるし、既に光ファイバ増幅器及び光ファイバレーザ等において使用されている光増幅用光ファイバに対して出力低下抑制処理することもできる。
本発明の光増幅用光ファイバの出力低下抑制方法において、コアに添加されている希土類イオンは、1000nmよりも短い波長の光を吸収し得るものが好ましく、特に、Ybイオンであることが好ましい。この光増幅用光ファイバを処理する場合、光照射処理工程では1000nmよりも短い波長の光をコアに照射する。また、コアのホストガラスが石英ガラスであることが好ましい。本発明の好ましい実施形態において、この光増幅用光ファイバは、コアの周囲に屈折率の異なる少なくとも2層のクラッドが設けられたダブルクラッドファイバ(WCF)であることが好ましく、特に、コアにYbが添加されたYb添加ダブルクラッドファイバ(Yb−WCF)であることが好ましい。
本発明の光増幅用光ファイバの出力低下抑制方法において、水素添加処理工程と光照射処理工程は、次の(1)〜(3)のいずれかの順番で実施することができる。
(1)水素添加処理工程を施した後に、光照射処理工程を施す方法。
(2)光照射処理工程を施した後に、水素添加処理工程を施す方法。
(3)光照射処理工程と水素添加処理工程とを同時に施す方法。
前記水素添加処理工程は、光増幅用光ファイバを水素雰囲気中に放置することによって行うことができ、その時の温度や圧力は適宜選択可能であるが、室温又はそれ以上の温度下、1気圧以上、好ましくは10気圧以上、より好ましくは100気圧以上の水素ガス雰囲気中に光増幅用光ファイバを1日以上放置してコアに水素を浸透させることが望ましい。本発明の光増幅用光ファイバの出力低下抑制方法において、水素添加処理工程でコアに添加される水素濃度は、1×10−6mol%以上であることが好ましい。水素濃度が1×10−6mol%未満であると、前述した水素によるコアの欠陥終端効果が不十分になる可能性がある。
前記光照射処理工程は、光増幅用光ファイバのコアに、添加した希土類イオンが吸収し得る波長の光を伝播させることにより行われる。この光は、1000nmよりも短い波長の励起光をコアに伝播させることが好ましい。
本発明の光増幅用光ファイバの出力低下抑制方法において、ファイバ内に拡散した水素分子を取り除くために、前記水素添加処理工程及び光照射処理工程を施した後に光増幅用光ファイバに加熱処理を施すことが好ましい。水素分子による吸収ピークは1.08μm−1.29μmにあり、この吸収は1000−1100nmでの増幅を行うYb添加光ファイバ増幅器としては好ましくない。加熱処理して水素分子を取り除くことで、水素分子による吸収を迅速に低減させることができる。なお、水素添加処理した光増幅用光ファイバは、常温で大気中に放置しておくだけでも徐々にファイバ中から水素が放出されることから、この加熱処理を行わなくてもよい。
この光増幅用光ファイバの出力低下抑制方法は、光増幅用光ファイバに水素添加処理工程と光照射処理工程とを施すことで、コアに生じた欠陥が終端され、再度励起光が照射されても影響を受けなくすることができるので、損失増加が少なく、出力低下を起こさない光増幅用光ファイバを提供することができる。
また、本発明による光ファイバ増幅器及び光ファイバレーザは、光増幅用光ファイバとして、前述した本発明の光増幅用光ファイバの出力低下抑制方法によって処理された光増幅用光ファイバを用いたことを特徴とし、その構成は特に限定されるものではなく、例えば、図1及び図2に示す光ファイバレーザや光ファイバ増幅器と同様に構成することができる。
本発明による光ファイバ増幅器及び光ファイバレーザは、本発明の出力低下抑制処理を施した光増幅用光ファイバを用いることにより、長期にわたり出力低下を起こさず、高効率を維持し得る優れたものとなる。
[実施例1]
光増幅用光ファイバとしてYb添加光ファイバを作製し、これを用いて図4に示すような光ファイバ増幅器300を構成した。
この光ファイバ増幅器300は、励起光源302、信号光源301、励起光源302と信号光源301をYb添加光ファイバに結合させる合波器303と、Yb添加光ファイバ304から構成されており、Yb添加光ファイバ304に励起光と信号光が同時に入射されると、信号光が増幅されて出力されるようになっている。本実施例において、信号光源301には波長が1064nmの半導体レーザを使用し、励起光源302には波長が976nmの半導体レーザを使用した。Yb添加光ファイバ304は、クラッド径125μm、コア径6.8μmでコアにはYbおよびAlが添加されており、添加濃度はそれぞれ1.0質量%、3.2質量%である。また、コアとクラッドの比屈折率差は0.37%である。本実施例ではコアにYbとAlが添加されているが、これに限定されるものではなく、Ge,F,B,Pあるいはその他の希土類元素などが添加されていてもよい。
まず、このYb添加光ファイバのコアにまで水素を浸透させるために、55℃、300気圧の水素雰囲気中に15日間放置することで水素ローディングを行った。このとき、温度、圧力および水素雰囲気中に放置する時間は、上記に限定されるものではない。温度は常温でもYb添加光ファイバ内に浸透するが、温度を高くすればより速くコアまで浸透し、水素濃度も変化させることができるので、処理するファイバに応じて適宜設定される。また、圧力は高いほどファイバ中の水素濃度が高くなる。したがってファイバ中の欠陥が多く存在する場合には圧力を高く設定し、欠陥が少ない場合には圧力を低く設定するなど適宜設定される。また、時間は温度や圧力に応じて水素がコアまで到達する時間であればよい。
次に、前記水素ローディングを行ったYb添加光ファイバに励起光源を接続して励起光を照射した。このとき励起波長は976nm励起光パワー400mWで、照射時間は100分間である。
次に、ファイバ内に拡散した水素分子を取り除くために大気中で120℃に加熱し、20時間放置し脱水素処理を行った。常温で大気中に放置しておくだけでも徐々にファイバ中から水素が放出されるため、必ずしも加熱処理は行わなくてもよいが、本実施例ではより速く脱水素するために加熱処理を行った。
このように水素添加処理したYb添加光ファイバと水素添加処理を行わなかったYb添加光ファイバでそれぞれ図4に示した光ファイバ増幅器300を構成し、信号光は入射せずに波長976nmの励起光400mWを100分間入射した際のYb添加光ファイバの損失増加量を図5に示す。例えば、800nmにおける損失増加量は水素添加処理を行わなかったYb添加光ファイバが7.6dB/mであったのに対し、水素による処理を行ったことで4.2dB/mまで改善されている。つまり、水素で処理を施したことで、Yb添加光ファイバの損失増加が半減している。
なお、図5(a)は、波長600〜850nmの帯域の損失を示し、図5(b)は、波長1000〜1200nmの帯域の損失を示している。これらの間の波長850〜1000nmの帯域は、ノイズにより測定が不能であって、水素処理の有無での差異が明瞭に現れないために省略している。
また、前記実験の前に波長1064nmの信号光を10mW、波長976nmの励起光を400mW同時に入射して増幅器出力を測定しておき、同様の測定を実験後にも行うことで増幅器出力の比較を行った。その結果、水素添加処理を施したYb添加光ファイバによって増幅されて出力される信号光パワーは、実験前は105.0mWであったのに対し、実験後は98.0mWであり、出力低下は0.3dBと低かった。
一方、水素添加処理を行わなかったYb添加光ファイバの場合、出力される信号光パワーが、実験前は107.5mWであったのに対し、実験後は85.1mWまで低下しており、1.0dBの出力低下であった。
また、水素添加処理を施し、励起光を照射せずに加熱処理して水素を除去した場合、出力される信号光パワーが、実験前は109.6mWであったのに対し、実験後は89.1mWまで低下しており、0.9dBの出力低下であった。
以上の結果より、水素による処理を行ったことでYb添加光ファイバの損失増加を抑制でき、その結果、Yb添加光ファイバ増幅器の出力低下も抑制できることが実証された。
光ファイバレーザの一例を示す構成図である。 MOPA方式の光ファイバレーザを示す構成図である。 従来の光増幅用光ファイバにおける損失の波長依存性を示すグラフである。 実施例に置いて作製したYb添加光ファイバ増幅器を示す構成図である。 実施例の結果を示し、未処理と水素処理のそれぞれのファイバにおける損失の波長依存性を示すグラフである。
符号の説明
100…光ファイバレーザ、101,201…励起光源、102…励起ポート、103,203,303…光結合器、104…出射ポート、105,205,304…希土類添加ダブルクラッドファイバ(光増幅用光ファイバ)、106…高反射ミラー、107…出力カプラ、200,300…光ファイバ増幅器、202…信号ポート、208…アイソレータ、301…信号光源、302…励起光源、304…Yb添加光ファイバ(光増幅用光ファイバ)。

Claims (7)

  1. コアに少なくとも1種類の希土類元素が添加された光増幅用光ファイバの製造方法であって、
    光増幅用光ファイバを水素雰囲気中に放置することによってコアに水素を添加する水素添加処理工程と、光増幅用光ファイバのコアに添加された希土類イオンが吸収し得る波長の光をコアに照射する光照射処理工程とのいずれか一方の工程を先に光増幅用光ファイバに施し、その後に他方の工程を施すか、又は双方の工程を同時に施すことを特徴とする光増幅用光ファイバの製造方法。
  2. 水素添加処理工程でコアに添加される水素濃度が1×10−6mol%以上であることを特徴とする請求項1に記載の光増幅用光ファイバの製造方法。
  3. 前記水素添加処理工程及び光照射処理工程を施した後に光増幅用光ファイバに加熱処理を施すことを特徴とする請求項1又は2に記載の光増幅用光ファイバの製造方法。
  4. コアに添加されている希土類イオンが1000nmよりも短い波長の光を吸収し得るものであり、前記光照射処理工程で1000nmよりも短い波長の光をコアに照射することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光増幅用光ファイバの製造方法。
  5. コアに添加されている希土類イオンがYbイオンであることを特徴とする請求項4に記載の光増幅用光ファイバの製造方法。
  6. コアのホストガラスが石英ガラスであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光増幅用光ファイバの製造方法。
  7. 光増幅用光ファイバが、コアの周囲に屈折率の異なる少なくとも2層のクラッドが設けられたダブルクラッドファイバであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光増幅用光ファイバの製造方法。
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