JP4731291B2 - 電子部品封止用基板およびそれを用いた電子装置、電子装置の製造方法 - Google Patents

電子部品封止用基板およびそれを用いた電子装置、電子装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体基板等の基板の主面に微小電子機械機構および電極が形成されて成る電子部品を封止するための電子部品封止用基板、およびそれを用いて微小電子機械機構を封止することにより形成される電子装置、ならびに電子装置の製造方法に関するものである。
近年、シリコンウェーハ等の半導体基板の主面に、半導体集積回路素子等の微細配線を形成する加工技術を応用して、極めて微小な電子機械機構、いわゆるMEMS(Micro Electromechanical System)を形成した電子部品が注目され、実用化に向けて開発が進められている。
このような微小電子機械機構としては、加速度計、圧力センサ、アクチュエータ等のセンサや、微細な鏡面体を可動式に形成したマイクロミラーデバイス、光デバイス、あるいはマイクロポンプ等を組み込んだマイクロ化学システム等、非常に広い分野にわたるものが試作、開発されている。
そのような微小電子機械機構を形成した電子部品を用いて電子装置を構成するための従来の電子部品封止用基板およびそれを用いて成る電子装置の一例を図4に断面図で示す。
図4に示す例では、微小電子機械機構22が形成された半導体基板21の主面には、微小電子機械機構22に電力を供給したり、微小電子機械機構22から外部電気回路に電気信号を送り出したりするための電極23が微小電子機械機構22と電気的に接続されて形成されており、これら半導体基板21,微小電子機械機構22および電極23により、1つの電子部品24が構成される。
このような電子部品24は微小電子機械機構22を広面積の半導体母基板の主面に多数個を縦横に配列形成し、これを個片に分割することによって作製されている。しかし、この方法では、微小電子機械機構24をダイシング加工等で分割する際、個々の電子部品24を、シリコン等の半導体母基板の切削粉が付着して、微小電子機械機構24が破壊されないよう保護し、切断加工を施す必要があること、個々の電子部品24をパッケージ31内に個別に気密封止する必要があること、などから、生産性が悪く実用化が難しかった。
このような問題に対して、本出願人は、以前、絶縁基板をセラミック材料で形成した電子部品封止用基板、およびその電子部品封止用基板を用いた電子装置の製造方法(微小電子機械機構の封止方法)を提案した。(特許文献1参照)
この技術によれば、例えば、表面実装が可能な形態で、電子装置を、生産性を良好として製作することができる。
一方、このような電子装置は、近年、より一層の小型化が求められるとともに、無線による通信の機能の付加等の高機能化が求められている。つまり、いわゆるユビキタスに、いつでも、どこでも、何とでも通信できることが必要になるため、より小型の電子装置であることが必須である。例えば、微小電子機械機構を周知の加速度センサ構造(振動部を有するもの)として、外界の加速度の変化を微小電子機械機構の機械的な動作でまず機械的な動きとして検知し、これを電気信号(加速度信号)に変換するようなセンシングを行なわせ、その加速度信号を、無線通信技術を用いて送信するものが提案されている。
このようにセンシングした信号を通信できるようにするためには、センシングした信号を高い周波数の信号に載せて、電波として伝送させる必要がある。センシングした信号を載せて空中を運ぶ役割をする高周波を一般的に搬送波というが、この搬送波を作るためには、発振回路が必要不可欠になる。
なお、発振回路は、一般的に、CR(コンデンサと抵抗器)を用いたウィーンブリッジ形や移送形の発振回路が用いられる。
そして、従来の微小電子機械機構を形成した電子部品を用いた電子装置では、発振回路を構成するコンデンサや抵抗器は別回路で形成し、例えば、チップコンデンサやチップ抵抗などのチップ部品で構成された発振回路を、電子装置が搭載される外部電気回路基板に実装していた。つまり、電子装置単独では目的とする機能を備えることができず、上記外部電気回路基板等を含めた、例えばセンシングの機能を備える電子装置と、発振の機能を備える外部電気回路基板とで構成される、複合装置を形成する必要がある。
特開2004−296724号公報
従来の電子部品封止用基板を用いた電子装置においては、上記のように単独では目的とする機能(例えば、ユビキタスセンシングネットワーク用途等の通信機能)を備えることが難しいことから、これらの電子装置が搭載される電子機器の小型化や、モジュールの小型化が困難であるという問題があった。
また、長期にわたって安定して上記機能を継続させる上で、低電圧,低消費電力化が重要であるが、電子装置単独では上記機能を備えることが難しく、外部電気回路基板等を含めた複合装置とする必要がある。そのため、電子装置と外部電気回路基板とを電気的に接続する経路が長く、また接続材等を介して接続する必要があり、低消費電力化が難しいという問題があった。
また、発振回路をチップコンデンサやチップ抵抗を別回路で形成した場合は、チップコンデンサやチップ抵抗部品の接続端子電極や、導電性接合材などの接続不連続部から発生する電磁ノイズが、微小電子機械機構や、発振回路、外部電気回路基板などの他の回路基板に、悪影響を及ぼすことから、電子装置の駆動応答性や応答精度が劣化したりする問題点もあった。
本発明は上記従来の技術における問題点を解決するために案出されたものであり、その目的は、基板の主面に搭載された微小電子機械機構を容易かつ確実に封止することができるとともに、微小電子機械機構を形成した電子部品と発振回路とを接続した場合においても、小型化および低消費電力化が可能で、かつ微小電子機械機構を形成した電子部品を高精度で駆動させることができるとともに応答精度を向上でき、電子装置の駆動時間を長寿命化させることが可能な電子部品封止用基板、およびそれらからなる電子装置、ならびに電子装置の製造方法を提供することにある。
本発明の電子部品封止用基板は、一方主面から他方主面または側面に導出された配線導体が形成された絶縁基板と、該絶縁基板の前記一方主面に形成されるとともに前記配線導体に電気的に接続された接続パッドと、前記絶縁基板の前記一方主面に接合された枠部材と、主面に微小電子機械機構の搭載部を有するとともに前記枠部材の内側に前記微小電子機械機構が気密封止されるように前記主面が前記枠部材に接合された基板と、該基板の前記主面に形成されるとともに前記微小電子機械機構および前記接続パッドに電気的に接続された電極とを具備する電子部品封止用基板において、前記絶縁基板中に、該絶縁基板の一部を介して互いに対向配置されるとともに前記接続パッドに電気的に接続された少なくとも一対の容量形成用電極と、該容量形成用電極に電気的に接続された抵抗体とを備えており、前記絶縁基板には、前記容量形成用電極と、前記封止される微小電子機械機構との間に介在するようにして、接地導体層が設けられていることを特徴とするものである。
また本発明の電子部品封止用基板は、好ましくは、前記絶縁基板は、前記少なくとも一対の容量形成用電極の間に介在する部位における比誘電率が、他の部位における比誘電率よりも高いことを特徴とするものである。
また本発明の電子部品封止用基板は、好ましくは、前記抵抗体は、前記接続パッドの直下の前記絶縁基板の内部に配置されており、かつ前記容量形成用電極と前記接続パッドとの距離は、前記抵抗体と前記接続パッドとの距離よりも長いことを特徴とするものである。
また本発明の電子部品封止用基板は、好ましくは、前記抵抗体は、前記接続パッドもしくは前記接続パッドに隣接する前記配線導体が、他の前記接続パッドもしくは前記配線導体に比べて高抵抗とされることにより形成されていることを特徴とするものである。
本発明の電子装置は、前記搭載部に微小電子機械機構を搭載して、前記基板と前記電極と前記微小電子機械機構とから成る電子部品を形成し、該電子部品を前記枠部材に接合して前記微小電子機械機構を前記枠体の内側で気密封止するとともに、前記微小電子機械機構を前記電極を介して前記容量形成用電極および前記抵抗体に電気的に接続したことを特徴とするものである。
また本発明の電子装置の製造方法は、母基板に前記微小電子機械機構および前記電極が形成されて成る電子部品領域を多数個縦横に配列形成した多数個取り電子部品を準備する工程と、母絶縁基板に前記配線導体、前記接続パッド、前記枠部材、前記容量形成用電極、前記抵抗体、および前記接地導体層が形成されて成る電子部品封止領域を多数個前記電子部品の前記電子部品領域に対応させて配列形成した電子部品封止用母基板を準備する工程と、前記多数個取り電子部品における前記電極を前記接続パッドに電気的に接続するとともに、それぞれの前記微小電子機械機構の周囲の前記母基板の前記主面を前記枠部材の主面に接合して前記微小電子機械機構を前記枠部材の内側に気密封止する工程と、互いに接合された前記多数個取り電子部品および前記電子部品封止用母基板を前記電子部品封止領域毎に分割して、前記電子部品封止領域に前記電子部品領域が接合されて成る個々の電子装置を得る工程とを具備することを特徴とするものである。
本発明の電子部品封止用基板によれば、絶縁基板中に、この絶縁基板の一部を介して互いに対向配置され、接続パッドと電気的に接続された少なくとも一対の容量形成用電極と、容量形成用電極と電気的に接続されて絶縁基板に形成された抵抗体とを備えることから、絶縁基板中に、容量素子と抵抗素子と成るCR発振回路を形成することができる。そのため、微小電子機械機構をこのCR発振回路に接続することができる。
その結果、発振回路をチップ部品で構成した場合における接続端子電極や導電性接合材などが不要となるので、伝送ロスを小さくすることができ、低消費電力化が可能になる。
また、微小電子機械機構と発振回路とを接続する距離が短くなるので、電子装置の小型化に有効な電子部品封止用基板を得ることができる。
また、外部電気回路基板に必要であったチップ部品を搭載するスペースが不要となるので、より小型のモジュールが形成できるため、機器の小型化、低消費電力化に寄与する。また、不要となったスペースに別の回路や部品等を搭載することができるので高機能化、高密度化することも可能になる。
また、発振回路を絶縁基板中に形成しているため、チップコンデンサやチップ抵抗部品の接続端子電極や、導電性接合材などの接続不連続部が存在しない。そのため、電磁ノイズの発生を抑制することができるので、微小電子機械機構や、他の回路基板への干渉を極力小さくすることができる。したがって、高精度な微小電子機械機構の駆動性や、応答精度の良い電子部品封止用基板を得ることができる。
また、本発明の電子部品封止用基板によれば、好ましくは、絶縁基板は、少なくとも一対の容量形成用電極の間に介在する部位における比誘電率が、他の部位における比誘電率よりも高いものとしたことから、その比誘電率の差に応じて、容量形成用電極間に生じる静電容量を大きくすることができる。一般的に、CR発振回路の発振周波数は、C値が大きくなると、発振周波数の帯域を広くすることができるため、大容量のコンデンサを有したCR発振回路を絶縁基板中に形成することにより、発振効率のよい発振回路を形成することができる。
よって、同じ面積でもより大容量のコンデンサを有したCR発振回路を絶縁基板中に内蔵することができるので、機器のより一層の小型化、低消費電力化に寄与する。
また、本発明の電子部品封止用基板によれば、好ましくは、抵抗体は接続パッドの直下の絶縁基板の内部に配置されていることから、CR発振回路と接続パッドとの配線長がより短くなり、また、抵抗体と接続パッドとの配線長がより短くなるため、伝送ロスをさらに小さくすることができるので、一層の高精度駆動や応答精度の向上、駆動時間の長期化を行なうことができる。
また同時に、容量形成用電極は、この接続パッドの直下に配置されている抵抗体に比べて、接続パッドとの間の距離が長いため、接続パッドと電極等を介して電気的に接続される微小電子機械機構との間の距離を離すことができる。そのため、容量形成用電極により形成されるコンデンサから発生する発振ノイズが、微小電子機械機構に与える干渉、特に、加速度センサの振動等の機械的な動作の阻害等の機械的な干渉を極力小さくすることができる。その結果、発振ノイズに起因して高精度駆動、応答精度の向上に支障が生じ、微小電子機械機構領域の破壊や変形などが起こるのを防止することができる。
すなわち、この構成により、特に、機械的な作動をともなう微小電子機械機構を備える電子部品について、センシング等の作動の信頼性を極めて高くして封止することができる。
また、本発明の電子部品封止用基板によれば、好ましくは、抵抗体は、接続パッドもしくは接続パッドに隣接する配線導体が、他の接続パッドもしくは配線導体に比べて高抵抗とされることにより形成されていることにより形成されていることから、発振機能を備える電子部品封止用基板を、より一層小型に形成することができる。すなわち、抵抗体を別途パターンで設けるよりも、接続パッドもしくは、配線導体に抵抗体を形成することにより、より短い距離でCR発振回路を形成することができるため、より小型で高効率な発振回路が形成できる。
また、本発明の電子部品封止用基板によれば、縁基板は、容量形成用電極と、封止される微小電子機械機構との間に介在するようにして、接地導体層が設けられていることから、CR発振回路の容量形成用電極部から発生する発振ノイズを、接地導体層でシールドすることができる。そのため、発振ノイズが微小電子機械機構に作用することはより効果的に防止される。その結果、発振ノイズに起因して微小電子機械機構の高精度駆動、応答精度の向上に支障が生じ、微小電子機械機構領域の破壊や変形などが起こるのをより確実に防止することができる。
本発明の電子装置は、搭載部に微小電子機械機構を搭載して、基板と電極と微小電子機械機構とから成る電子部品を形成し、電子部品を枠部材に接合して微小電子機械機構を枠体の内側で気密封止するとともに、微小電子機械機構を電極を介して容量形成用電極および抵抗体に電気的に接続したことから、絶縁基板中に、容量素子と抵抗素子とから成るCR発振回路を形成することができる。そのため、微小電子機械機構をこのCR発振回路に接続することができるので、発振回路をチップ部品で構成した場合における接続端子電極や導電性接合材などが不要となり、伝送ロスを小さくすることができ、低消費電力化が可能になる。
また、微小電子機械機構と発振回路とを接続する距離が短くなるので、小型の電子装置を得ることができる。
また、外部電気回路基板に必要であったチップ部品を搭載するスペースが不要となるので、より小型のモジュールが形成できるため、機器の小型化、低消費電力化に寄与する。また、不要となったスペースに別の回路や部品等を搭載することができるので高機能化、高密度化することも可能になる。
また、発振回路を絶縁基板中に形成しているため、チップコンデンサやチップ抵抗部品の接続端子電極や、導電性接合材などの接続不連続部が存在しないため、電磁ノイズの発生を抑制することができるので、微小電子機械機構や、他の回路基板への干渉を極力小さくすることができる。したがって、高精度な微小電子機械機構の駆動性や、応答精度の良い電子装置を得ることができる。
本発明の電子装置の製造方法によれば、上記各工程を具備することから、多数個の電子装置を一括して製造することができるので、電子装置の生産性が高い。
また、電子部品封止用母基板は、母絶縁基板中に、抵抗体および容量形成用電極が形成されているので、製造された個々の電子装置は、発振の機能を備えたものとなっている。
したがって、本発明の電子装置の製造方法によれば、小型化および低消費電力化が容易で、かつ駆動の精度や応答精度に優れ、駆動の長寿命化が可能な電子装置を、生産性を良好として製造することが可能な製造方法を提供することができる。
また、この分割の際、電子部品領域の微小電子機械機構は封止用基板により封止されているので、ダイシング加工等による分割で発生するシリコン等の半導体基板の切削粉が微小電子機械機構に付着することはなく、分割後の電子装置において微小電子機械機構を確実に作動させることができる。
また、分割して得られた電子装置は、絶縁基板の他方主面や側面に配線導体が導出されているので、この導出された端部に金属バンプ等の端子を取着するだけで、表面実装等により外部伝記回路基板に実装することができるものとなり、実装の工程を非常に短く、かつ容易なものとすることができる。
さらに、分割して得られた電子装置は、絶縁基板中に、この絶縁基板の一部を介して互いに対向配置され、接続パッドと電気的に接続された少なくとも一対の容量形成用電極と、容量形成用電極と電気的に接続されて絶縁基板に形成された抵抗体とから成るCR発振回路を形成したことから、微小電子機械機構を形成した電子部品をこのCR発振回路に接続することができ、高精度駆動や応答精度の向上、駆動時間の長時間化が可能な微小電子機械機構を形成した電子部品とすることができる。
本発明の電子部品封止用基板およびそれを用いた電子装置、ならびに電子装置の製造方法について以下に詳細に説明する。
図1は本発明の電子部品封止用基板の実施の形態の一例を示す断面図である。図1において、1は絶縁基板、2は配線導体、3は接続パッド、4は枠部材、5は接続端子、7は半導体基板等の基板、9は電極である。これら絶縁基板1、配線導体2、接続パッド3、枠部材4、接続端子5、基板7および電極9により電子部品封止用基板6が基本的に形成される。
この電子部品封止用基板6を用いて、微小電子機械機構8が基板7に搭載されて成る電子部品10を封止することにより、微小電子機械機構8が電子部品封止用基板6の絶縁基板1と枠部材4と基板7とで形成される領域内に気密封止された構造を備える電子装置16が形成される。
本発明における微小電子機械機構(以下、MEMSともいう)8は、例えば加速度センサ、圧力センサ、地磁気センサ、ガスセンサ、ハードディスク用磁気ヘッド、バイオセンサー、DNAチップなどの各種センサや、電気スイッチ、インダクタ、キャパシタ、共振器、アンテナ、マイクロリレー、光スイッチ、マイク、マイクロリアクタ、プリントヘッド、ディスプレイデバイスなどの機能を有する電子装置16であり、半導体微細加工技術を基本とした、いわゆるマイクロマシニングで作製される部品であり、1素子あたり10μm〜数100μm程度の寸法を有する。
微小電子機械機構8は、例えば、一端が支持された梁状の振動部を備える加速度センサ構造(振動部を有するもの)を有するものであれば、外界の加速度の変化を振動部の機械的な振動を電気信号に変換し検知する機能を有する。
絶縁基板1は、微小電子機械機構8を封止するための蓋体として機能するとともに、配線導体2、接続パッド3、枠部材4および接続端子5を形成するための基体として機能する。この絶縁基板1は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化珪素質焼結体、ガラスセラミックス焼結体等のセラミックス材料や、ポリイミド、ガラスエポキシ樹脂等の有機樹脂材料、セラミックスやガラス等の無機粉末をエポキシ樹脂等の有機樹脂で結合して成る複合材等により形成される。絶縁基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合、酸化アルミニウムとガラス粉末等の原料粉末をシート上に成形して成るグリーンシートを積層し、焼成することにより形成される。
なお、絶縁基板1は、酸化アルミニウム質焼結体から成るものに限らず、用途や気密封止する電子部品10の特性等に応じて適したものを選択することが好ましい。例えば、絶縁基板1は、後述するように枠部材4を介して基板7と機械的に接合されるので、基板7との接合の信頼性、つまり微小電子機械機構8の封止の気密性を高くするためには、ムライト質焼結体や、例えばガラス成分の種類や添加量を調整することにより熱膨張係数を基板7に近似させるようにした酸化アルミニウム−ホウ珪酸ガラス系等のガラスセラミックス焼結体等のような、基板7との熱膨張係数の差が小さい材料で形成することが好ましい。
また、絶縁基板1は、配線導体2により伝送される電気信号の遅延を防止するような場合には、ポリイミド、ガラスエポキシ樹脂等の有機樹脂材料、セラミックスやガラス等の無機粉末をエポキシ樹脂等の有機樹脂で結合して成る複合材、または、酸化アルミニウム−ホウ珪酸ガラス系や酸化リチウム系等のガラスセラミックス焼結体等のような比誘電率の小さい材料で形成することが好ましい。
また、絶縁基板1は、封止する微小電子機械機構8の発熱量が大きく、この熱の外部への放散性を良好とするような場合には、窒化アルミニウム質焼結体等のような熱伝導率の大きな材料で形成することが好ましい。
また、絶縁基板1の一方主面に、電子部品10の微小電子機械機構8を内側に収めるような凹部1aを形成しておいてもよい。凹部1a内に微小電子機械機構8の一部を収めるようにしておくと、微小電子機械機構8を取り囲むための枠部材4の高さを低く抑えることができ、電子装置16の低背化に有利なものとなる。
基板7は、微小電子機械機構8を、例えばその露出面(主面)に直接形成すること等により搭載する基体として機能し、絶縁基板1の一方主面に対向する主面(この例では下面)に微小電子機械機構8の搭載部を有している。
また、基板7は、主面に、微小電子機械機構8と電気的に接続された電極9を備えている。微小電子機械機構8が、基板7に搭載され、電極9と電気的に接続されて、電子部品10が形成されている。
基板7は、例えば、単結晶や多結晶のシリコン基板等の半導体基板であり、電極9や、微小電子機械機構8と電極9とを電気的に接続する導体等は、アルミニウムや金、銅等の金属材料より形成されている。
絶縁基板1の一方主面(微小電子機械機構8を封止する側)からは、他方主面または側面に配線導体2が導出されている。
また、この絶縁基板1の一方主面には、配線導体2と接続された接続パッド3が形成されている。
これらの配線導体2および接続パッド3は、接続パッド3上に形成される接続端子5を介して電子部品10の電極9と電気的に接続され、これを絶縁基板1の他方主面や側面に導出する機能を有する。
これらの配線導体2および接続パッド3は、銅、銀、金、パラジウム、タングステン、モリブデン、マンガン等の金属材料により形成される。この形成の手段としては、メタライズ層形成手段やめっき層形成手段、蒸着膜形成手段等の金属を薄膜層として被着させる手段を用いることができる。例えば、タングステンのメタライズ層から成る場合であれば、タングステンのペーストを絶縁基板1となるグリーンシートに印刷してこれをグリーンシートとともに焼成することにより形成される。
接続端子5は、錫−銀系、錫−銀−銅系等の半田、金−錫ろう等の低融点ろう材、銀−ゲルマニウム系等の高融点ろう材、導電性有機樹脂、あるいはシーム溶接、電子ビーム溶接等の溶接法による接合を可能とするような金属材料等により形成されている。
この接続端子5を電子部品10の電極9に接合することにより、電子部品10の電極9が、接続端子5、接続パッド3および配線導体2を介して、絶縁基板1の他方主面または側面に導出される。そして、この配線導体2の導出された端部を外部の電気回路に錫−鉛半田等を介して接合することにより、電子部品10の電極9が外部の電気回路と電気的に接続される。
また、絶縁基板1の一方主面には、前記搭載部を取り囲むようにして枠部材4が接合されている。
枠部材4は、電子部品10の微小電子機械機構8をその内側に気密封止するための側壁として機能する。
この枠部材4の主面(図1の例では上面)を電子部品10を構成する基板7の主面(図1の例では下面)に接合させることにより、枠部材4の内側に微小電子機械機構8が気密封止され、電子装置16が形成される。なお、この場合、基板7が底板となり、絶縁基板1が蓋体となる。
なお、この実施形態において、接続パッド3は封止材4の内側に位置し、微小電子機械機構8とともに気密封止されている。接続パッド3は、封止材4の内側に限らず、外側に位置していてもよい。
例えば、接続パッド3が、枠部材4の外側に配置されている場合、接続パッド3と微小電子機械機構8とは枠部材4によって隔たれた分の距離を離すことが可能となり、接続パッド3と微小電子機械機構8との間の電磁気的な結合は抑制される。そのため、例えば、微小電子機械機構8に駆動電圧を印加したとき、電極9と接続端子5において駆動電圧のオン・オフによって発生する電磁気的な結合の影響が微小電子機械機構8の動作に及ぶことを抑制することができる。
また、電極9と接続端子5に高周波信号を導通させる場合、微小電子機械機構8を駆動させるための磁界、電界のオン・オフがノイズとなって、電極9と接続端子5を導通する高周波信号の特性を劣化することも抑制することができる。
枠部材4は、鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等の鉄−ニッケル系合金、無酸素銅、アルミニウム、ステンレス鋼、銅−タングステン合金、銅−モリブデン合金、錫−銀系等の半田,金−錫ろう等の低融点材,銀−ゲルマニウム系等の高融点材等の金属材料や、酸化アルミニウム質焼結体、ガラスセラミックス焼結体等の無機系材料、あるいはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ガラスエポキシ樹脂等の有機樹脂系材料等により形成される。
また、枠部材4の主面を電子部品10の基板7の主面に接合する方法としては、錫−銀系等の半田,金−錫ろう等の低融点ろう材,銀−ゲルマニウム系等の高融点ろう材,導電性有機樹脂等の接合材を介して接合する方法、あるいはシーム溶接、電子ビーム溶接等の溶接法を用いることができる。また、直接枠部材4を溶融したりして、枠部材4自身を接合材としても機能させることにより接合してもよい。
そして、絶縁基板1中には、絶縁基板1の一部を介して互いに対向配置されるとともに、接続パッド3に電気的に接続された容量形成用電極12と、容量形成用電極12に電気的に接続された抵抗体15が内蔵されている。
対向配置された容量形成用電極12およびその間に介在する絶縁基板1の一部(絶縁層13)によるコンデンサ(キャパシタ成分)、および抵抗体15により発振回路(CR発振回路)が形成される。
この発振回路は、微小電子機械機構8で検知された電気信号を高い周波数の信号に載せて、電波として伝送させる機能を備える。すなわち、この発振回路により、例えばセンサである微小電子機械機構8がセンシングした信号に応じて、その信号を載せて空中を運ぶ役割をする高周波(搬送波)が作られ、アンテナ等の送信装置(図示せず)を介して外部に電波として伝送される。
本発明の電子部品封止用基板6によれば、この発振用の回路が絶縁基板1内に形成されているので、発振回路をチップ部品で構成した場合における接続端子電極や導電性接合材などが不要となる。そのため、伝送ロスを小さくすることができ、低消費電力化が可能になる。したがって、高精度な微小電子機械機構8の駆動性や、電子装置16の応答精度の向上、駆動時間の長時間化が可能な電子部品封止用基板6および電子装置16を得ることができる。
また、外部電気回路基板に必要であったチップ部品を搭載するスペースが不要となるので、より小型のモジュールが形成できるため、機器の小型化、低消費電力化に寄与する。また、不要となったスペースに別の回路や部品等を搭載することができるので高機能化、高密度化することも可能になる。
また、発振回路を絶縁基板1中に形成しているため、チップコンデンサやチップ抵抗部品の接続端子電極や、導電性接合材などの接続不連続部が存在しないため、電磁ノイズの発生を抑制することができるので、微小電子機械機構8や、他の回路基板への干渉を極力小さくすることができる。したがって、高精度な微小電子機械機構8の駆動性や、電子装置16の応答精度の良い電子部品封止用基板6および電子装置16を得ることができる。
なお、抵抗体15と容量形成用電極12との電気的な接続は、例えば、抵抗体15と容量形成用電極12との一部同士を直接接触させること等により行なわせることができる。
また、抵抗体15は、配線導体2の一部(ビア導体等)を介して接続パッド3と電気的に接続させることができ、配線導体2および抵抗体15を介して容量形成電極12と接続パッド3とを電気的に接続させることができる。
この容量形成用電極12は配線導体2および接続パッド3と同様の材料を用い、同様の手段により作製される。一対の容量形成用電極12としての導体パターンは、たとえば四角形状、円形状などの形状のものが上下に重なっているものとなっている。この場合、一対の容量形成用電極12は、いずれか一方のものについて、その外周縁が他方のものの外周縁よりも外側に位置するように設定しておいて、絶縁基板1となるグリーンシート等に積層位置のずれが生じた場合でも対向面積が一定に保たれるようにしてもよい。
また、容量形成用電極12および絶縁層13によって形成されるコンデンサのキャパシタンスは0.5pF〜50nF程度がよい。0.5pFよりも小さくなると、作製の際に公差の影響を受けやすくなる。50nFよりも大きくなると、小型化が困難になるとともに作製の際の難易度が上がるなどの観点から不利になる。
そして、絶縁層13は上下面が容量形成用電極12に挟まれて絶縁基板1の内部に配置されている。この絶縁層13は、絶縁基板1と同じ材料からなっていてもよい。
一対の容量形成用電極12の間に介在する絶縁層13は、絶縁基板1の一部であり、例えば、絶縁基板1の他の部位を形成する絶縁材料と同様の絶縁材料(誘電体材料)により形成されている。
また、抵抗体15は、容量形成用電極12と電気的に接続されている。抵抗体15は、酸化ルテニウムや銀パラジウムなどにより形成される。この形成の手段としては、メタライズ層形成手段やめっき層形成手段、蒸着膜形成手段等の金属を薄膜層として被着させる手段を用いることができる。例えば、メタライズ層から成る場合であれば、酸化ルテニウムのペーストを絶縁基板1となるグリーンシートに印刷して、積層した後、これをグリーンシートとともに焼成することにより形成される。
また、抵抗体15は、電気抵抗が、10Ω〜100kΩ程度がよい。10Ωより小さくなると、作製の際に公差の影響を受けやすくなる。100kΩよりも大きくなると、小型化が困難になるとともに作製の際の難易度が上がるなどの観点から不利になる。
上述のように、この電子部品封止用基板6(電子装置16)のうち配線導体2の導出部分を、半田ボール等の外部端子11を介して外部の電気回路に接続することにより、微小電子機械機構8が外部電気回路と電気的に接続される。つまり、微小電子機械機構8で検知され、電気信号に変換された機械的な振動等の外部の情報が、上記容量形成用電極12と抵抗体15とにより構成される発振回路で搬送波とされ、この搬送波が外部電気回路に供給される。外部電気回路には、例えば、アンプ、フィルタ、アンテナ等が配設されており、搬送波に応じた電波が伝送される。
なお、図1に示すように、枠部材4が接合される絶縁基板1の主面(枠部材4が接合される部位)に、接続パッド3と同様の材料により導体層3aを形成しておき、この導体層3aから絶縁基板1の他方主面にかけて配線導体2の一部を導出させるようにしてもよい。この導体層3aから導出された配線導体2の導出部分は、上述の外部端子11等を介して外部電気回路の接地用端子等に接続することができる。この場合、接続端子5と電極9との接合、および枠部材4の主面と基板7の主面との接合を一つの工程で確実かつ容易に行なうことを可能とするために、接続端子5の高さと枠部材4の高さとは同じ高さとしておいてもよい。
この電子部品封止用基板6および電子装置16において、一対の容量形成用電極12間に配置された絶縁層13の比誘電率が、他の部位における絶縁基板1の比誘電率よりも高いことが好ましい。
この場合の実施の形態について、図1を基に説明する。この場合の実施形態においては、絶縁層13の比誘電率が絶縁基板1の他の部位における比誘電率よりも高い点が異なり、他の部位については上述した実施形態の場合と同様である。
このように、絶縁基板1について、少なくとも一対の容量形成用電極12の間に介在する部位、つまり絶縁層13における比誘電率を、他の部位における比誘電率よりも高いものとすることにより、その比誘電率の差に応じて、容量形成用電極12間に生じる静電容量を大きくすることができる。
一般的に、CR発振回路の発振周波数は、C値(静電容量)が大きくなると、発振周波数の帯域を広くすることができるため、大容量のコンデンサを有したCR発振回路を絶縁基板1中に形成することにより、発振効率のよい発振回路を形成することができる。
よって、同じ面積でもより大容量のコンデンサを有したCR発振回路を絶縁基板1中に内蔵することができるので、機器のより一層の小型化、低消費電力化に寄与する。
例えば、絶縁基板1が酸化アルミニウム質で比誘電率を10、絶縁層13の比誘電率を10にした場合、発振周波数の帯域は約1kHzであるのに対し、絶縁層13の比誘電率を1000にした場合には、帯域は、約3kHzと約3倍になるので、発振効率のよい発振回路を形成することができる。
比誘電率の高い絶縁層13は、例えば、誘電体粉末と焼結助剤と有機樹脂バインダと有機溶剤とからなる誘電体層用ペーストを印刷形成して、絶縁基板1と同時焼成することにより作製される。誘電体粉末としては、例えば、BaTiOの他に、SrTiO,MgTiO,BaZrOのようなペロブスカイト構造を有するもの等が挙げられる。
焼結助剤としては、例えばSiO−B系,SiO−B−Al系,SiO−B−Al−MO系(但し、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す)SiO−B−M1O系(但し、M1はLi,NaまたはKを示す),SiO−B−Al−M2O系(但し、M2は上記と同じである),Pb系ガラス,Bi系ガラス等のガラス、またはCuO等の金属酸化物が挙げられる。
誘電体層用ペーストに用いられる有機樹脂バインダおよび有機溶剤としては、絶縁基板1となるセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)との同時焼成が可能であれば特に制限されるものではなく、例えばグリーンシートに配合される有機樹脂バインダ,有機溶剤と同様のものが使用可能である。
この場合、容量形成用電極12は、CuまたはAgの粉末を85〜99.5質量部、チタン酸バリウム結晶を析出する結晶化ガラスを0.5〜15質量部含むとともに、有機樹脂バインダおよび有機溶剤を含んで成る電極ペーストを印刷形成して、グリーンシートと同時焼成することにより作製される。
チタン酸バリウム結晶を析出する結晶化ガラスの組成比は、焼成時に誘電体層1と電極層2との界面はがれを生じない、CuまたはAgの粉末に対して最小の比率であることが好ましい。結晶化ガラスのガラス組成比がCuまたはAgの粉末に対して15質量部を超える場合、焼成時に容量形成用電極12のガラス成分が絶縁層13へ多く流入して、絶縁層13の特性を劣化させやすい傾向がある。他方、結晶化ガラスのガラス組成比が0.5質量部未満の場合、結晶化ガラスが少ないため、BaTiO3との濡れ性の良い部分が少なくなることにより、焼成時に絶縁層13と容量形成用電極12との界面はがれが生じやすい傾向がある。
CuまたはAgの粉末は、絶縁基板1用の電極9として用いる場合には、同時焼成時の絶縁基板1の成分と絶縁層13の成分との相互拡散を抑えるために、直径5μm以下の粒径の細かいものであることが好ましい。
結晶化ガラスは、その結晶化の際にBaOとTiOが結合してBaTiO結晶を析出するものである。主相としてBaTiO結晶を析出するため、結晶化ガラスが焼成時の拡散により絶縁層13の内部に流入しても絶縁層13の特性を劣化させることがない。
また、結晶化ガラスの容量形成用電極12への添加により絶縁層13と容量形成用電極12との濡れ性が向上し、焼成時の界面はがれの発生を防ぐことが可能となる。
その場合の結晶化ガラスは、そのガラス組成比が、BaOを55.1〜59.7質量%、TiOを24.0〜26.0質量%、SiOを7.7〜11.3質量%、Alを6.6〜9.7質量%、SrOを0.7質量%以下、NaOを0.5質量%以下、CaOを0.4質量%以下含むものであり、各成分の合計が100質量%となるように調整する。TiO,SiO,Al,SrO,NaO,CaOは、ガラス化のための網目形成酸化物、中間酸化物、網目修飾酸化物であるため、ガラス化するための最小の比率であることが好ましい。BaOが59.7質量%を超え、TiOが26.0質量%を超え、SiOが7.7質量%を超え、Alが6.6質量%未満の場合、この組成物をガラス化させることが困難となりやすい。また、BaOが55.1質量%未満、TiOを24.0質量%未満、SiOが11.3質量%未満、Alが9.7質量%を超え、SrOが0.7質量%を超え、NaOが0.5質量%を超え、CaOが0.4質量%を超える場合、BaO,TiO以外の成分の絶縁基板1内部への流入量が多くなり、絶縁基板1の特性を劣化させやすい傾向がある。
また、誘電率の高い結晶を析出させるガラスとして、BaTiOを析出するものの他に、NaNbを析出するものもあるが、電極ペースト中に含まれるガラスは、絶縁基板1の結晶相と同じ結晶相を析出するものが好ましい。すなわち、絶縁層13の主成分がBaTiOならばBaTiOを析出する結晶化ガラスを、絶縁層13の主成分がNaNbならばNaNbを析出する結晶化ガラスを電極ペースト用の添加物として使用することが好ましい。
そして、絶縁層13の比誘電率は50〜5000程度が好ましく、比誘電率50以下ではキャパシタ成分が大きくならず、比誘電率5000以上では絶縁基板1との同時焼成が困難なものとなる。
また、抵抗体15は、接続パッド3の直下の絶縁基板1の内部に配置されており、かつ容量形成用電極12と接続パッド3との距離は、抵抗体15と接続パッド3との距離よりも長いことが好ましい。なお、この容量形成用電極12と接続パッド3との距離、および抵抗体15と接続パッド3との距離とは、容量形成用電極12と接続パッド3とを最短で結ぶ直線距離、および抵抗体15と接続パッド3とを最短で結ぶ直線距離をいう。
抵抗体15を接続パッド3の直下の絶縁基板1の内部に配置することにより、CR発振回路と接続パッド3との配線長をより短くすることができる。そのため、抵抗体15と接続パッド3との間をより低抵抗で接続し、伝送ロスをさらに小さくすることができるので、一層の高精度駆動や応答精度の向上、低消費電力化による駆動時間の長期化を行なうことができる。
また同時に、容量形成用電極12は、この接続パッド3の直下に配置されている抵抗体15に比べて、接続パッド3との間の距離が長いため、接続パッド3と電極等を介して電気的に接続される微小電子機械機構8との間の距離を離すことができる。
そのため、容量形成用電極12により形成されるコンデンサから発生する発振ノイズが、微小電子機械機構8に与える干渉、特に、加速度センサの振動等の機械的な動作の阻害等の機械的な干渉を極力小さくすることができる。その結果、発振ノイズに起因して高精度駆動、応答精度の向上に支障が生じ、微小電子機械機構8の破壊や変形などが起こるのを防止することができる。
すなわち、この構成により、特に、機械的な作動をともなう微小電子機械機構8を備える電子部品10について、センシング等の作動の信頼性を極めて高くして封止することができる。
容量形成用電極12について、接続パッド3からの距離を、抵抗体15と接続パッド3との間の距離よりも長くする場合、接続パッド3の直下の絶縁基板1の内部に位置する抵抗体15から容量形成用電極12にかけて、接続用の導体(図示せず)を配線導体2と同様の手段で形成すること等により、抵抗体15と容量形成用電極12とを電気的に接続させることができる。
容量形成用電極12は、微小電子機械機構8の動作、特に振動等の機械的な動作に対する干渉を小さくする上では、微小電子機械機構8から離れるほど、つまり、他方主面側に近いほど、好ましい。一対の容量形成用電極12のうち一つが、絶縁基板1の他方主面に露出して形成されていてもよい。
また、電子装置16において、平面透視で微小電子機械機構8と重なる部位に、容量形成用電極12の非形成領域を設けるようにして、干渉をより効果的に抑制するようにしてもよい。
なお、酸化ルテニウムや銀パラジウムなどにより形成され、接続パッド3の直下の絶縁基板1の内部に配置される抵抗体15は、例えば、上述したのと同様の手段により形成することができる。すなわち、メタライズ層形成手段やめっき層形成手段、蒸着膜形成手段等の金属を薄膜層として被着させる手段を用いることができる。例えば、メタライズ層から成る場合であれば、酸化ルテニウムのペーストを絶縁基板1となるグリーンシートに印刷して、積層した後、これをグリーンシートとともに焼成することにより形成される。
このとき、酸化ルテニウムのペーストの印刷を、絶縁基板1となるグリーンシートのうち、接続パッド3の直下に位置する部位に行なうことにより、抵抗体15を、接続パッド3の直下に配置することができる。
また、抵抗体15は、接続パッド3もしくは接続パッド3に隣接する配線導体2が、他の接続パッド3もしくは配線導体2に比べて高抵抗とされることにより形成されていることが好ましい。
この場合、別途抵抗体15を形成する場合に比べて、発振機能を備える電子部品封止用基板6および電子装置16を、より一層小型に形成することができる。すなわち、抵抗体15を別途パターンで設けるよりも、接続パッド3もしくは、配線導体2を抵抗体15とすることにより、より短い距離でCR発振回路を形成することができるため、より小型で高効率な発振回路が形成できる。
この場合、抵抗体15は、接続パッド3もしくは接続パッド3に隣接する配線導体2を酸化ルテニウムや銀パラジウムなどで形成することにより形成される。
この形成の手段としては、メタライズ層形成手段やめっき層形成手段、蒸着膜形成手段等の金属を薄膜層として被着させる手段を用いることができる。例えば、メタライズ層から成る場合であれば、絶縁基板1となるグリーンシートに、酸化ルテニウムのペーストを、所定の接続パッド3や、接続パッド3に隣接する配線導体2のパターンで印刷することにより形成される。
また、配線導体2がビア導体を含む場合であれば、上記グリーンシートに機械的な打ち抜き加工法等により貫通穴加工を行なったのち、貫通穴に酸化ルテニウムのペーストを充填して、積層した後、これをグリーンシートとともに焼成することにより形成される。
これにより、抵抗体15を別途パターンで設けるよりも、酸化ルテニウム等のペーストの印刷回数を減らすことができるので、電子部品封止用基板6および電子装置16としての生産性を向上させることができる。
また、絶縁基板1は、容量形成用電極12と、封止される微小電子機械機構(MEMS)8との間に介在するようにして、接地導体層14が設けられている。
これにより、発振回路の容量形成用電極12から発生する発振ノイズを、接地導体層14でシールドすることができるため、発振ノイズに起因して高精度駆動、応答精度の向上に支障が生じ、微小電子機械機構領域の破壊や変形などが起こるのをより確実に防止することができる。
このような接地導体層14は、配線導体2および接続パッド3と同様の材料を用い、同様の手段により作製される。
そして、電子装置16は、基板7の主面に微小電子機械機構8およびこれに電気的に接続された電極9が形成されて成る電子部品10について、電極9を接続端子5に接合し、基板7の主面を枠部材4の主面に接合させることによって、枠部材4の内側に電子部品10の微小電子機械機構8が気密封止されていることが好ましく、これにより、小型で信頼性の高い電子装置16を得ることができる。
また、本発明の電子部品封止用基板6は、図2に実施の形態の他の例を断面図で示すように、接続パッド3および枠部材4を広面積の母基板の一方主面に縦横に配列形成した、いわゆる多数個取りの形態としておくことが好ましい。なお、図2において、図1と同じ部位には同じ符号を付してある。
このような多数個取りの形態としておくと、基板7の主面に微小電子機械機構8および、これに電気的に接続されたそれぞれの電極9の外部接続のための接続と微小電子機械機構8の封止とを同時に行なうことができるため、互いに接合された電子部品10および電子部品封止用基板6から成る電子装置16を、容易かつ確実に多数個製造することができ、生産性を優れたものとすることができる。
また、基板7の主面に、微小電子機械機構8およびこれに電気的に接続された電極9が多数個配列形成された、多数個取りの形態で製作される電子部品10を一括して封止しておくと、基板7(および電子部品封止用基板6)にダイシング加工等の切断加工を施して、個々の電子部品10(電子装置16)に分割する際に、切断に伴って発生する切削粉等が微小電子機械機構8に付着してその作動を妨害する、という不具合の発生を効果的に防止することができる。
次に、このような電子装置16の製造方法、特に、上記のように多数個取りの形態で製作する場合の製造方法について、図3(a)〜(e)に基づいて説明する。図3は本発明の電子装置16の製造方法の実施の形態の一例をそれぞれ工程順に示した断面図であり、図3において図1と同じ部位には同じ符号を付してある。
まず、図3(a)に示すように、母基板17の主面に、微小電子機械機構8およびこれに電気的に接続された電極9が形成されて成る電子部品領域10aを多数個、縦横に配列形成した多数個取り電子部品10bを準備する。
母基板17は、例えば単結晶や多結晶等のシリコン基板から成る。このシリコン基板の表面に酸化シリコン層を形成するとともに、フォトリソグラフィ等の微細配線加工技術を応用して、微小な振動体等の微小電子機械機構8および円形状パターン等の導体から成る電極9が形成された電子部品領域10aを多数個配列形成することにより多数個取り電子部品10bが形成される。なお、この例においては、微小電子機械機構8と電極9とは、それぞれ母基板17の主面に形成された微細配線(図示せず)を介して電気的に接続されている。
次に、図3(b)に示すように、一方主面から他方主面または側面に導出された配線導体2が形成された母絶縁基板18と、この母絶縁基板18の一方主面に形成されるとともに配線導体2と電気的に接続された接続パッド3と、絶縁基板1の一方主面に接合された枠部材4と、主面に微小電子機械機構8を有するとともに枠部材4および接続パッド3に電気的に接続された接続端子5とから成る電子部品封止領域6aを多数個、電子部品10の電子部品領域10aに対応させて配列形成した電子部品封止用母基板6bとを準備する。
一方主面から他方主面または側面に導出された配線導体2が形成された母絶縁基板18は、例えば、母絶縁基板18が酸化アルミニウム質焼結体から成り、配線導体2がタングステンのメタライズ層から成る場合であれば、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化カルシウム等の原料粉末を、有機樹脂、バインダとともに混練してスラリーを得て、このスラリーをドクターブレード法やリップコータ法等によりシート状に成形して複数のグリーンシートを形成し、このグリーンシートの表面に、および必要に応じてグリーンシートに予め形成しておいた貫通孔内に、タングステンのメタライズペーストを印刷塗布、充填し、その後、これらのグリーンシートを積層して焼成することにより形成することができる。
なお、これらのグリーンシートのうち、一部のものに打ち抜き加工を施して四角形状等の開口部を形成しておき、これを一方主面側の最表層に配置し、または最表層から内部に向かって数層積層するようにして、焼成後の絶縁基板1の一方主面に、電子部品領域10aの配列に対応する凹部1aが配列形成されるようにしておいてもよい。このように凹部1aを形成しておくと、この凹部1aの内側に微小電子機械機構8を収めることができるので、微小電子機械機構8を取り囲むための枠部材4の高さを低く抑えることができ、電子装置16の低背化に有利なものとなる。
また、接続パッド3は、通常、配線導体2と同様の材料から成り、例えば、タングステンのペーストを絶縁基板1となるグリーンシートのうち最表面に、配線導体2となる印刷されたタングステンペーストと接続されるようにして、かつ多数個が縦横に配列形成されるようにして、スクリーン印刷法等により印刷しておくことにより形成される。
また、枠部材4は、例えば、鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等の鉄−ニッケル系合金、無酸素銅、アルミニウム、ステンレス鋼、銅−タングステン合金、銅−モリブデン合金から成る場合であれば、鉄−ニッケル−コバルト合金の金属板に圧延加工や金型による打ち抜き加工またはエッチング加工を行ない、枠状に成形することにより製作される。また、錫−銀系等の半田,金−錫ろう等の低融点材,銀−ゲルマニウム系等の高融点材等の金属材料や、酸化アルミニウム質焼結体、ガラスセラミックス焼結体等の無機系材料、あるいはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ガラスエポキシ樹脂等の有機樹脂系材料等を塗布、印刷等により形成してもよい。
枠部材4と絶縁基板1との接合は、錫−銀系等の半田,金−錫ろう等の低融点ろう材や銀−ゲルマニウム系等の高融点ろう材,導電性有機樹脂等の接合材を介して接合する方法、あるいはシーム溶接、電子ビーム溶接等の溶接法により行なうことができる。
接続端子5は、例えば、錫−銀系等の半田から成る場合であれば、この半田のボールを接続パッド3上に位置決めして加熱、溶融、接合させることにより形成される。
接続端子5の高さを枠部材4の高さと同じとする方法としては、例えば、接続端子5となる錫−銀半田を溶融させて接続パッド3上に取着形成する際に、その上面を枠部材4と同じ高さとなるようにしてセラミックス製の治具等で押さえておく等の方法を用いることができる。
なお、容量形成用電極12と絶縁層13は、図1もしくは図2と同じように形成される。
次に、図3(c)に示すように、多数個取り電子部品10bを電子部品封止用基板6bに対し各電子部品領域10aと各電子部品封止領域6aとを対応させて重ね合わせ、電極9を接続端子5に接合するとともに、微小電子機械機構8の周囲の基板7の主面を枠部材4の主面に接合して、微小電子機械機構8を枠部材4の内側に気密封止する。
ここで、電極9と接続端子5との接合は、例えば、接続端子5が錫−銀系半田から成る場合であれば、電極9上に接続端子5を位置合わせして載せ、これらを約250℃〜300℃程度の温度のリフロー炉中で熱処理すること等により行なわれる。
また、微小電子機械機構8の周囲の基板7の主面と枠部材4の主面との接合は、例えば、この接合面に、接続端子5と同様の錫−銀系の半田を挟んでおき、上述の電極9と接続端子5との接合と同時にリフロー炉中で熱処理することにより行なうことができる。
この場合、接続端子5の高さを枠部材4の高さと同じとしていることから、電極9と接続端子5との接合と、枠部材4の主面と基板7の主面との接合を容易かつ確実に、同時に行なうことができる。
このように、本発明の電子装置16の製造方法によれば、電子部品領域10aの電極9の外部導出のための接合と、微小電子機械機構8の気密封止のための接合とを同時に行なうことができるため、数時間程度を要する半田(ろう)付け等の接合の工程を、従来の製造方法に比べて、確実に少なくとも1工程減らすことができるので、電子装置16の生産性を非常に高めることができる。
そして、図3(d)に示すように、互いに接合された多数個取り電子部品10bおよび電子部品封止用母基板6bを電子部品封止領域6a毎に分割して、電子部品封止領域6aが分割された電子部品封止用基板6に電子部品領域10aが分割された電子部品10が接合されて成る個々の電子装置16を得る。
互いに接合された、それぞれ多数個取りの形態の電子部品10bおよび電子部品封止用基板6bの接合体の切断は、この接合体に対して、ダイシング加工等の切断加工を施すことにより行なうことができる。
本発明の電子装置16の製造方法においては、このダイシング加工等の切断加工の際に、各微小電子機械機構8は枠部材4の内側でこの枠部材4と基板7と絶縁基板1とにより気密封止されているので、基板7や絶縁基板1等の切断に伴って発生するシリコンやセラミックス等の切削粉等が微小電子機械機構8に付着することはなく、完成した電子装置16において、微小電子機械機構8を確実に正常に作動させることができる。
このように、本発明の電子装置16の製造方法によれば、従来のように、基板7の主面に多数個を縦横に配列形成した電子部品領域10aを切断する際に、その微小電子機械機構8をガラス板等で覆って保護するような工程を別途追加する必要はなく、この、保護のためだけという工程を確実に削除することができるので、電子装置16の生産性を非常に高いものとすることができる。
また、このようにして製造された電子装置16は、すでに気密封止されているとともに、その電極9が配線導体2を介して外部に導出された状態であるので、これを別途パッケージ内に実装するような工程を追加する必要はなく、配線導体2の導出された部分を外部の電気回路に半田ボール等の外部端子11を介して接続するだけで、外部電気回路基板に実装して使用することができる。
また、この場合、配線導体2は、絶縁基体1の他方主面または側面に導出されているので、外部電気回路に表面実装の形態で接続することができ、高密度に実装することや、外部電気回路の基板を効果的に小型化することができ、実装の工程を非常に短く、かつ容易なものとすることができる。
さらに、分割して得られた電子装置16は、絶縁基板1中に、この絶縁基板1の一部を介して互いに対向配置され、接続パッド3と電気的に接続された少なくとも一対の容量形成用電極12と、容量形成用電極12と電気的に接続されて絶縁基板1に形成された抵抗体15とから成るCR発振回路を形成したことから、微小電子機械機構8を形成した電子部品10をこのCR発振回路に接続することができ、製造された個々の電子装置16は、発振の機能を備えたものとなっており、高精度駆動や応答精度の向上、駆動時間の長時間化が可能な微小電子機械機構8を形成した電子部品10とすることができる。
したがって、本発明の電子装置16の製造方法によれば、小型化および低消費電力化が容易で、かつ駆動の精度や応答精度に優れ、駆動の長寿命化が可能な電子装置16を、生産性を良好として製造することが可能な製造方法を提供することができる。
なお、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内であれば、種々の変形は可能である。
例えば、上述の実施の形態の例では一つの電子装置16内に一つの微小電子機械機構8を気密封止したが、一つの電子装置16内に複数の微小電子機械機構8を気密封止してもよい。
また、図1に示した例では、配線導体2は絶縁基板1の他方主面側に導出しているが、これを、側面に導出したり、側面および他方主面の両方に導出したりしてもよい。また、この導出された部分の外部電気回路への電気的な接続は、外部端子として半田ボールを介して行なうものに限らず、リード端子や導電性接着剤等を介して行なってもよい。
本発明の電子部品封止用基板の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の電子部品封止用基板の実施の形態の他の例を示す断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の電子装置の製造方法の実施の形態の一例をそれぞれ工程順に示した断面図である。 従来の電子部品封止用基板およびそれを用いて成る電子装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
1:絶縁基板
2:配線導体
3:接続パッド
4:枠部材
5:接続端子
6:電子部品封止用基板
6a:電子部品封止領域
6b:電子部品封止用母基板
7:基板
8:微小電子機械機構
9:電極
10:電子部品
10a:電子部品領域
10b:多数個取り電子部品
12:容量形成用電極
13:絶縁層
14:接地導体層
15:抵抗体
16:電子装置
17:母基板
18:母絶縁基板

Claims (6)

  1. 一方主面から他方主面または側面に導出された配線導体が形成された絶縁基板と、該絶縁基板の前記一方主面に形成されるとともに前記配線導体に電気的に接続された接続パッドと、前記絶縁基板の前記一方主面に接合された枠部材と、主面に微小電子機械機構の搭載部を有するとともに前記枠部材の内側に前記微小電子機械機構が気密封止されるように前記主面が前記枠部材に接合された基板と、該基板の前記主面に形成されるとともに前記微小電子機械機構および前記接続パッドに電気的に接続された電極とを具備する電子部品封止用基板において、前記絶縁基板中に、該絶縁基板の一部を介して互いに対向配置されるとともに前記接続パッドに電気的に接続された少なくとも一対の容量形成用電極と、該容量形成用電極に電気的に接続された抵抗体とを備えており、前記絶縁基板には、前記容量形成用電極と、前記封止される微小電子機械機構との間に介在するようにして、接地導体層が設けられていることを特徴とする電子部品封止用基板。
  2. 前記絶縁基板は、前記少なくとも一対の容量形成用電極の間に介在する部位における比誘電率が、他の部位における比誘電率よりも高いことを特徴とする請求項1記載の電子部品封止用基板。
  3. 前記抵抗体は、前記接続パッドの直下の前記絶縁基板の内部に配置されており、かつ前記容量形成用電極と前記接続パッドとの距離は、前記抵抗体と前記接続パッドとの距離よりも長いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子部品封止用基板。
  4. 前記抵抗体は、前記接続パッドもしくは前記接続パッドに隣接する前記配線導体が、他の前記接続パッドもしくは前記配線導体に比べて高抵抗とされることにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子部品封止用基板。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の電子部品封止用基板の前記搭載部に微小電子機械機構を搭載して、前記基板と前記電極と前記微小電子機械機構とから成る電子部品を形成し、該電子部品を前記枠部材に接合して前記微小電子機械機構を前記枠体の内側で気密封止するとともに、前記微小電子機械機構を前記電極を介して前記容量形成用電極および前記抵抗体に電気的に接続したことを特徴とする電子装置。
  6. 請求項記載の電子装置の製造方法であって、母基板に前記微小電子機械機構および前記電極が形成されて成る電子部品領域を多数個縦横に配列形成した多数個取り電子部品を準備する工程と、母絶縁基板に前記配線導体、前記接続パッド、前記枠部材、前記容量形
    成用電極、前記抵抗体、および前記接地導体層が形成されて成る電子部品封止領域を多数個前記電子部品の前記電子部品領域に対応させて配列形成した電子部品封止用母基板を準備する工程と、前記多数個取り電子部品における前記電極を前記接続パッドに電気的に接続するとともに、それぞれの前記微小電子機械機構の周囲の前記母基板の前記主面を前記枠部材の主面に接合して前記微小電子機械機構を前記枠部材の内側に気密封止する工程と、互いに接合された前記多数個取り電子部品および前記電子部品封止用母基板を前記電子部品封止領域毎に分割して、前記電子部品封止領域に前記電子部品領域が接合されて成る個々の電子装置を得る工程とを具備することを特徴とする電子装置の製造方法。
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