JP4731073B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、着用者の動作に追従して変形し且つ変形に対する復元性も有し、フィット性の高い吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
使い捨ておむつなどの吸収性物品は、漏れを防止する観点から、装着中において着用者の動作に追従して変形する必要がある。しかし、着用者の動作に追従して単に変形するだけでは、立体ガードなどの漏れ防止手段が本来有する機能が十分に発揮されにくくなり、逆に漏れが起こり易くなる場合がある。このことは、着用者の動作の影響を受け易い吸収性物品の股下部において特に顕著である。前記の漏れ防止手段が設計思想通りの機能を発揮するためには、着用者の動作に追従して吸収性物品が変形した後に、該漏れ防止手段が本来の機能を発現するような状態に復元しなければならない。
【0003】
しかし、吸収性物品の構成材料は、薄手の不織布やフィルム及びパルプ繊維の積繊体など変形に対する復元性を有さないか或いは復元性が低いものが殆どであるので、吸収性物品全体でみたときの復元性は高いものとは言えない。また、変形に対する復元性が低いと、吸収性物品の装着状態が、正規の装着状態から徐々に逸脱していき、漏れが一層助長される原因になる。
【0004】
従って、本発明は、着用者の動作に追従して変形し且つ変形に対する復元性を有するフィット性の高い吸収性物品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、股下部並びに該股下部からそれぞれ前後方向に延びる腹側部及び背側部を具備する吸収性物品において、
前記吸収性物品は、下部吸収体及び該下部吸収体上に配置されたシート状吸収材から構成されている吸収体を有し、
前記股下部を横方向へ圧縮していき50%圧縮した過程での最大圧縮荷重σMAXが39.2〜225.6cN(40〜230gf)で且つ50%圧縮した状態から25%圧縮した状態まで戻した時の復元荷重σ25Bが14.7〜98.1N(15〜100gf)であり、
前記最大圧縮荷重σMAX及び前記復元荷重σ25Bは、前記股下部から、長手方向に5cm、幅方向に8cm切り出した前記吸収性物品を試験片とし、当該試験片に対して測定されたものであり、
前記シート状吸収材には、その長手方向に延びる複数本のスリットが形成されており、
前記下部吸収体は、前記の方法で測定された最大圧縮荷重σMAX、復元荷重σ25B及び以下の方法で測定された荷重σ25Fに対する復元荷重σ25Bの比(σ25B/σ25F×100)が前記シート状吸収材よりも小さい吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
〔荷重σ25Fの測定方法〕
前記股下部から、長手方向に5cm、幅方向に8cm切り出した前記下部吸収体及び前記シート状吸収材を試験片とし、当該試験片に対して幅方向へ圧縮していき25%圧縮したときの荷重を測定する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には本発明の吸収性物品の一例としての使い捨ておむつを引き伸ばした状態でトップシート側からみた平面図が示されている。図2は、図1に示すおむつの弛緩状態(自然状態)でのII−II線断面図である。
【0007】
図1及び2に示す使い捨ておむつ1は縦長の形状をしており、液透過性のトップシート2、液不透過性のバックシート3及び両シート2,3間に介在された液保持性の吸収体4を有している。吸収体4は、その長手方向がおむつ1の長手方向と一致する長方形となっている。トップシート2及びバックシート3は同形で、長手方向の中央部が内方に湾曲してくびれた砂時計形状をしており、おむつ1の輪郭をなしている。そして、おむつ1における側縁がくびれた領域が、おむつ1の股下部Cを構成しており、該股下部Cからそれぞれ前後方向に延びる領域が腹側部A及び背側部Bを構成している。
【0008】
吸収体4はトップシート2及びバックシート3よりも小さな寸法となっている。トップシート2及びバックシート3は吸収体4の左右側縁から側方に延出しており、延出したトップシート2及びバックシート3が互いに接合されてサイドフラップ5,5を形成している。サイドフラップ5には、おむつ1の長手方向に延びる複数本の弾性糸7が伸張状態で配されている。弾性糸7はサイドフラップ5を構成するトップシート2とバックシート3との間に挟持固定されている。おむつ1の弛緩状態においては、弾性糸7が収縮してサイドフラップ5にレッグギャザー(図示せず)が形成される。またトップシート2及びバックシート3は吸収体4の前後端縁から前後方向に延出しておりウエストフラップ6,6を形成している。
【0009】
おむつ1のサイドフラップ5においては、該サイドフラップ5を構成するトップシート2上に細帯状の立体ガード形成用シート8が配されている。立体ガード形成用シート8は、その外側寄りの領域が長手方向に亘ってトップシート2に接合されている。一方、内側寄りの領域は、長手方向に亘って(但し、前後端部を除く)トップシート2から離間した自由状態となっている。そして、自由状態となっている立体ガード形成用シート8の内側縁はスリーブ状に折り返され、折り返された内部に、おむつ1の長手方向に延びる複数本の弾性糸9が伸張状態で接合固定されている。おむつ1の弛緩状態においては、弾性糸9が伸縮して、自由状態となっている立体ガード形成用シート8を上方に引き上げ、立体ギャザーが形成されると共に、図2に示すように立体ガード10が形成される。
【0010】
背側部Bにおける左右両側縁部には、それぞれテープファスナー等からなる一対の止着具11が取り付けられている。一方、腹側部Aにおけるバックシート3上には、矩形のランディングテープ等からなる被着具(図示せず)が貼付されている。そして、おむつ1が着用される際に、止着具11が被着具上に止着するようになされている。
【0011】
吸収体4は、下部吸収体4a及び該下部吸収体4a上に配置されたシート状吸収材4bから構成されている。下部吸収体4a及びシート状吸収材4bは何れもその長手方向がおむつ1の長手方向と一致する長方形となっている。シート状吸収材4bはその長さ及び幅の何れもが下部吸収体4aの長さ及び幅よりも小さくなっている。下部吸収体4aはおむつ1の腹側部Aから背側部Bに亘って配されている。一方、シート状吸収材4bはおむつ1の股下部Cから背側部Bに亘って配されている。
【0012】
おむつ1を構成するこれらの部材としては、当該技術分野において通常用いられれているものを適宜用いることができる。但し吸収体4を構成する下部吸収体4a及びシート状吸収材4bの詳細については後述する。
【0013】
おむつ1においては、股下部Cを横方向(おむつ1の幅方向)へ圧縮していき50%圧縮した過程での最大圧縮荷重σMAXが39.2〜225.6cN(40〜230gf)、好ましくは58.8〜196.1cN(60〜200gf)、更に好ましくは88.3〜176.5cN(90〜180gf)となっている。これに加えて、股下部Cを横方向に50%圧縮した状態から25%圧縮した状態まで戻した時の復元荷重σ25Bが14.7〜98.1N(15〜100gf)、好ましくは14.7〜68.6cN(15〜70gf)、更に好ましくは19.6〜58.8cN(20〜60gf)となっている。おむつ1の股下部Cにおける圧縮復元特性がこのようになっていることで、後述する実施例からも明らかなように、おむつ1は着用者の動作に追従して変形し、しかも変形後には変形前の状態に近い状態に復元することができる。その結果、立体ガード10やレッグギャザーなどの漏れ防止手段が有する本来の機能が損なわれず、所期の漏れ防止効果が発現する。その上、おむつ1が変形しても、変形前の状態に近い状態に復元することで、装着状態が、正規の装着状態から逸脱することが防止されるか、最悪でも正規の装着状態から大きく逸脱するまでの時間を極めて長くすることができ、これによっても漏れが防止される。
【0014】
詳細には、最大圧縮荷重σMAX39.2cN(40gf満では、おむつの構造安定性が悪く、装着しにくくなる。また、初期の装着状態において構造が定まらなく、装着初期から設計思想通りのおむつにならない。225.6cN(230gf超では、着用者の動作に追従して変形しにくく、おむつのフィット性を損なってしまう。また、無理に変形させようとすると着用者に負荷がかかり、ゴワゴワするなどの不快感が生じる。復元荷重σ25B14.7cN(15gf未満では、復元力不足となり復元応答が非常に遅くなり、着用者の多様な動きに追従しにくくなってしまう。98.1cN(100gf超では、復元力が強くなりすぎ、着用者の動きに関係なく初期の状態に復元してしまうためにおむつのフィット性を損なってしまう。
【0015】
最大圧縮荷重σMAXを圧縮率50%までの過程で評価する理由は、実着用時には、圧縮による変形が少なくとも50%以上可能であることが望ましいためである。変形が50%未満の場合、材料そのものの破壊(圧縮)による圧縮荷重の急激な増加が生じ、最大圧縮荷重が前述の値を超える。このような材料では変形が容易であるとは言い難い。また、多くの場合、最大圧縮荷重は初期の変形に対する抵抗力であり、材料の変形初期に観察されるため、圧縮率50%まで測定すれば十分である。まれに変形に対する抵抗力が弱く、材料の変形初期に観測されない場合などがあるが、その場合には50%圧縮時までの過程で生じる最大圧縮荷重を変形抵抗とみなすことができる。復元荷重σ25Bを圧縮率25%まで開放した時点で評価する理由は、圧縮率50%まで圧縮された時に、復元率〔(圧縮率50%まで圧縮された時点での股下部Cの幅−復元荷重が0cN(0gfになる時点での股下部Cの幅)/圧縮率50%まで圧縮された時点での股下部Cの幅×100〕が少なくとも50%以上であることが望ましいためである。理想的には復元率100%であるが、50%以上あれば、本発明の所望の効果を発揮できる。
【0016】
最大圧縮荷重σMAX及び復元荷重σ25Bは次の方法で測定される。測定には、引張試験機〔(株)オリエンテック社製のRTC−1150A〕を用いる。引張試験機の外観模式図を図3に示す。引張試験機20のロードセル21には棒状の継ぎ手22の一端を取り付ける。継ぎ手22は、測定中に該継ぎ手22とロードセル21との連結部が折れ曲がらないような状態でロードセル21に取り付ける。継ぎ手の他端にはチャック23を取り付ける。チャック23としては、幅が6cm、高さが2.5cm、初期チャック幅が0.85cmのエアチャックを使用する。チャックの圧力は588cN/cm 2 0.6kgf/cm2 とする。ロードセル21は5kgのものを使用する。荷重レンジは490.3cN(500gfに設定することが好ましい。チャック23に対向させて、もう一方のチャック24を引張試験機20のベース25に取り付ける。チャック24はチャック23と同寸である。両チャック間の距離は4cmとする。
【0017】
おむつ1の股下部Cから、長手方向に5cm、幅方向に8cmの試験片を切り出す(トップシートからバックシートまでを含む)。このとき、おむつが折畳まれて包装されている場合、折畳みにより生じた折れ目が試験片に入らないように留意する。次いで試験片からギャザー部分を取り除く。
【0018】
試験片をたるまないようにチャックに取り付ける。取付方向は、試験片の長手方向(8cmの辺の方向)が圧縮方向になるようにする。試験片の厚みがある程度大きい場合には、試験片を取り付けた時点で初期荷重が表示される場合があるので、出来るだけ初期荷重値が小さくなるように留意して試験片を取り付ける。好ましい取り付け方としては、初めにチャックに試験片を取り付け初期荷重値を確認し、その値とは逆の値を事前にロードセルに負荷しながら再度試験片をチャックに取り付ける。初期荷重表示値が±0.5cN(0.5gfの範囲内に収まるように試験片の取り付け、取り外しを何度か繰り返す。測定開始前に、ロードセル21の荷重値を0に補正する。
【0019】
試験片の取り付けが完了したら、速度3cm/minで上側のチャック23を降下させて試料を圧縮させる。降下距離は2cm、即ち圧縮率を50%とする。50%まで圧縮した時点でチャック23を降下速度と同速度で上昇させ圧縮を開放する。初期チャック間距離まで戻ったら、再びチャック23を降下させる。この操作を合計で5回連続して繰り返し、記録計を用いて荷重のヒステリシス曲線(図4参照)を得る。記録計のチャート紙の速度は任意でよいが、15cm/min程度が測定値を読むのには適している。また、記録計の針の0値をチャート紙の30%のラインにあわせておくと測定値が読みやすい。測定後、試験片をチャックから取り外す。試験片を取り外した後の残存荷重値が±4.9cN(5.0gf以内に入っていれることを確認する。残存荷重値がこの範囲を超えている場合、その測定結果は採用しない。
【0020】
このようにして測定された荷重のヒステリシス曲線の一例を図4に示す。図4に示すように、第1回目の測定においては、50%まで圧縮の過程で荷重に極大値が観察される。この極大値を最大圧縮荷重σMAXとする。極大値は第2回目以降の測定では観察されない。試験片を50%まで圧縮させたのち圧縮を開放する過程で測定される荷重は、試験片を圧縮する過程で測定される荷重よりも低くなる。そして、50%圧縮した状態から25%圧縮した状態まで戻した時の荷重を復元荷重σ25Bとする。第2回目以降の測定で得られるヒステリシス曲線はほぼ同様の形となる。復元荷重σ25Bは5回の繰り返し測定の平均値をとる。一方、最大圧縮荷重σMAXは前述の通り第1回目の測定においてのみ観察されるので、異なる測定片3個について測定し、その平均値をとる。
【0021】
おむつ1の股下部Cにおける圧縮復元特性が前述の通りであることに加えて、おむつ1は、前述の測定条件下において、その股下部Cを横方向へ圧縮していき25%圧縮したときの荷重σ25Fに対する復元荷重σ25Bの比(σ25B/σ25F×100、以下この比を応力回復率という)が、好ましくは25%以上、更に好ましくは26%以上、一層好ましくは27%以上である。これによって、おむつ1が変形前の状態に一層近い状態に復元し、所期の漏れ防止効果が一層効果的に発現する。また、装着状態が、正規の装着状態から逸脱することが一層効果的に防止される。応力回復率は100%であることが理想的であるが、60%程度の応力回復率であれば、おむつ1の復元性は十分に確保される。応力回復率を25%圧縮の状態で評価する理由は、圧縮率50%まで圧縮された時に、復元率〔(圧縮率50%まで圧縮された時点での股下部Cの幅−復元荷重が0cN(0gfになる時点での股下部Cの幅)/圧縮率50%まで圧縮された時点での股下部Cの幅×100〕が少なくとも50%以上あることが望ましいためである。理想的には復元率は100%であることが望ましいが、50%以上あれば、所望の効果を発揮できる。
【0022】
おむつ1の股下部Cにおける各種圧縮復元特性は横方向の圧縮に関しては前述の通りであるが、これに加えて縦方向(長手方向)の圧縮復元に関して、最大圧縮荷重σMAX、復元荷重σ25B及び応力回復率が以下の通りであることが、縦方向にも着用者の動作に追従して変形し、しかも変形後には変形前の状態に近い状態に復元でき、また、着用者の様々な動作の中で、横方向にかかる負荷を補助的に緩和できる点から好ましい。最大圧縮荷重σMAXは39.2〜225.6cN(40〜230gf)、特に58.8〜196.1cN(60〜200gf)、とりわけ88.3〜176.5cN(90〜180gf)であることが好ましい。復元荷重σ25Bは14.7〜98.1N(15〜100gf)gf、特に14.7〜68.6cN(15〜70gf)、とりわけ19.6〜58.8cN(20〜60gf)であることが好ましい。応力回復率は25〜100%、特に25〜70%、とりわけ27〜60%であることが好ましい。縦方向の圧縮復元特性を測定する場合には、おむつ1の股下部Cから、長手方向に8cm、幅方向に4cmの試験片を切り出し測定に供する。
【0023】
おむつ1が前述した圧縮復元特性を満足するためには、股下部Cを構成する部材として圧縮復元特性の良好なものを用いればよい。特に、おむつ1を構成する部材のうち、吸収体4は、体積及び重量共に構成部材の大部分を占めるものであるから、吸収体4の材料として圧縮復元特性の良好なものを用いことが効果的である。この目的のために、吸収体4が、少なくとも股下部Cに、合成繊維のエアレイド不織布からなる層を有するシート状吸収材4bを備えていることが好ましい。また、吸収体4が、股下部Cに、前記エアレイド不織布からなる層及びパルプ繊維からなる層を一体化してなるシート状吸収材4bを備えていることが更に好ましい。特に、吸収体4が、パルプ繊維を主体とする下部吸収体4aと、下部吸収体4a上に配されたシート状吸収材4bとを備え、シート状吸収体4bは、そのパルプ繊維からなる層が下部吸収体4aに対向するように該下部吸収体4a上に配されていることが好ましい。
【0024】
詳細には、シート状吸収材4bは図5に示すように3層構造となっており、各層は互いに接合されて一体化している。各層はそれぞれ上層としての液透過層12、中間層としての液拡散層13及び下層としての液保持層14からなる。各層は何れも繊維材料から構成されている。おむつ1に組み込まれる場合、シート状吸収材4bは、液透過層12が着用者に対向し、液保持層14が下部吸収体4aに対向するように配される。以下、各層の詳細について説明する。
【0025】
液透過層12はエアレイド不織布からなる。エアレイド不織布は、所定長さの繊維を解繊して空気の流れにのせて搬送し、金網又は細孔を有するスクリーンを通過させた後、ワイヤーメッシュ上に落下堆積させるエアレイ法によりウエブを形成し、該ウエブにおける前記繊維同士の交点を熱融着性繊維により熱融着させたものであるか、又はエマルジョンバインダーで繊維交点を結合させて形成されたものである。エアレイ法で製造された不織布は、不織布の流れ方向、幅方向及び厚み方向へ繊維をランダムに三次元配向させることが可能である。そのため、該不織布からなる液透過層12は、嵩高で、大きな繊維間距離が確保される。その結果、トップシート2を透過してきた液が素早く透過し且つ液戻りも起こりにくい。特に、エアレイド不織布の構成繊維として繊度3〜25dtex、特に5〜15dtex程度の太めのものを用いることで、シート状吸収材4bの圧縮復元特性を良好なものとすることができる。また繊維の結合方法としてエマルジョンバインダーを用いることで、シート状吸収材4bの圧縮復元特性を一層良好なものとすることができる。
【0026】
エアレイド不織布を構成する繊維としては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、プロピレンとαオレフィンとからなる結晶性プロピレン共重合体等のポリオレフィン類;ポリアミド類;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ジオールとテレフタル酸/イソフタル酸等とを共重合した低融点ポリエステル、ポリエステルエラストマー等のポリエステル類などの各種合成繊維が挙げられる。
【0027】
液透過層12はその坪量が10〜100g/m2、特に20〜60g/m2であることが、液を効率的に透過させ得る点及びシート状吸収材4bの圧縮復元特性を良好なものとし得る点から好ましい。
【0028】
液拡散層13は、セルロース系繊維をエアレイ法で堆積させ、熱融着性繊維により熱融着させるか、又はエマルジョンバインダーで繊維交点を結合させて形成されている。このような構成の液拡散層13は、液透過層12を透過してきた液を平面方向へ拡散させ、下層である液保持層14の全域へ効率よく行き渡せる作用を有している。また、繊維をエマルジョンバインダーで結合させることで、シート状吸収材4bの圧縮復元特性を良好なものとすることができる。
【0029】
また液拡散層13は、セルロース系繊維及び高吸収性ポリマーの粒子の混合物をエアレイ法で堆積させて形成されていてもよい。この場合、セルロース系繊維と高吸収性ポリマーとの重量比(前者/後者)は1/5〜10/1、特に1/2〜5/1であることが液を効率的に拡散し得る点から好ましい。
【0030】
セルロース系繊維としては、木材パルプや植物パルプなどのパルプ繊維、及びレーヨンなどを用いることができる。パルプ繊維を用いる場合、該パルプ繊維は架橋されていてもよい。高吸収性ポリマーとしては、当該技術分野において通常用いられれているものを適宜用いることができる。例えば、ポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアクリル酸カリウム、並びにポリアクリル酸セシウム等が挙げられる。
【0031】
液拡散層13はその坪量が10〜200g/m2、特に30〜150g/m2であることが、液を効率的に平面方向に拡散させ得る点及びシート状吸収材4bの圧縮復元特性を良好なものとし得る点から好ましい。
【0032】
液保持層14は、セルロース系繊維及び高吸収性ポリマーの粒子の混合物をエアレイ法で堆積させ、熱融着性繊維により熱融着させるか、又はエマルジョンバインダーで繊維交点を結合させて形成されている。このような構成の液保持層14は、液拡散層13によって平面方向に拡散された液を保持固定する作用を有している。また、液拡散層13と同様に、繊維をエマルジョンバインダーで結合させることで、シート状吸収材4bの圧縮復元特性を良好なものとすることができる。
【0033】
液保持層14はその坪量が50〜400g/m2、特に80〜250g/m2であることが、液を効率的に保持固定し得る点及びシート状吸収材4bの圧縮復元特性を良好なものとし得る点から好ましい。液保持層14におけるセルロース系繊維と高吸収性ポリマーとの重量比(前者/後者)は、1/10〜10/1、特に1/5〜5/1であることが好ましい。
【0034】
液保持層14におけるセルロース系繊維としては液拡散層13に用いられるセルロース系繊維と同様のものを用いることができる。高吸収性ポリマーとしては、液拡散層13に用いられる高吸収性ポリマーと同様のものを用いることができる。
【0035】
液透過層12,液拡散層13及び液保持層14に含有されるバインダー繊維としては、融点の異なる低融点樹脂と高融点樹脂とからなり且つ該低融点樹脂が繊維表面の少なくとも一部を形成している熱融着性複合繊維が好適に用いられる。低融点樹脂/高融点樹脂の組み合わせとしては、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン・エチレン・ブテン−1結晶性共重合体、高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、ナイロン−6/ナイロン−66、低融点ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート、低融点ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレート等が例示できる。熱融着性複合繊維の形態は、並列型、鞘芯型、偏心鞘芯型、三層以上の多層型、中空並列型、中空鞘芯型、異形鞘芯型、海島型等で且つ低融点樹脂が繊維表面の少なくとも一部を形成した構造であれば良い。熱融着性複合繊維のうち好ましいものは、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・ブテン−1結晶性共重合体から選ばれる何れかの1種の熱可塑性樹脂を低融点樹脂とし、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートを高融点樹脂とする並列型、鞘芯型、偏心鞘芯型の複合繊維である。
【0036】
エマルジョンバインダーとしては、水系エマルジョンバインダー及び有機溶剤系のエマルジョンバインダーの何れもを用いることができるが、取り扱い性や安全性等の点から水系エマルジョンバインダーを用いることが好ましい。バインダー成分としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレンブタジエン系樹脂などを用いることができる。
【0037】
シート状吸収材4bは、その全坪量が100〜450g/m2、特に150〜400g/m2であることが、液を効率的に透過・拡散・保持固定する吸収特性を良好とし得る点及び圧縮復元特性を良好とし得る点から好ましい。また、その厚みが0.5〜6mm、特に2〜4mmであることが、下部吸収体4aへ液を効率的に移行させ得る点及び装着時に装着者が不快に思わない程度の厚みとし得る点から好ましい。
【0038】
シート状吸収材4bは以下の方法で好適に製造される。先ず、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーの粒子の混合物をエアレイ法によって堆積させる。その上に、パルプ繊維をエアレイ法によって堆積させる。このようにして得られた2層構造の堆積物にエマルジョンバインダーをスプレー塗布し、更に所定温度の熱風で加熱して各層内のパルプ繊維をバインダーで結合させると共に層間のパルプ繊維をバインダーで結合させ、液拡散層と液保持層とが一体化したシートを得る。次いで、このシートにおける液拡散層上に、エアレイ法によって所定の合成繊維を堆積させる。然る後、エマルジョンバインダーをスプレー塗布し、更に所定温度の熱風で加熱して堆積層内の合成繊維をバインダーで結合させて液透過層を形成すると共に液透過層の構成繊維と液拡散層の構成繊維とをバインダーで結合させる。これによって、液透過層、液拡散層及び液保持層が一体化してなるシート状吸収材が得られる。
【0039】
別法としてエマルジョンバインダーに代えてバインダー繊維を用いた方法を用いることもできる。先ず、パルプ繊維、高吸収性ポリマーの粒子及びバインダー繊維の混合物をエアレイ法によって堆積させる。その上に、パルプ繊維及びバインダー繊維の混合物をエアレイ法によって堆積させる。このようにして得られた2層構造の堆積物を所定温度の熱風で加熱して各層内のパルプ繊維をバインダー繊維で結合させると共に層間のパルプ繊維をバインダー繊維で結合させ、液拡散層と液保持層とが一体化したシートを得る。次いで、このシートにおける液拡散層上に、エアレイ法によって所定の合成繊維及びバインダー繊維の混合物を堆積させる。然る後、所定温度の熱風で加熱して堆積層内の合成繊維をバインダー繊維で結合させて液透過層を形成すると共に液透過層の構成繊維と液拡散層の構成繊維とをバインダー繊維で結合させる。これによって、液透過層、液拡散層及び液保持層が一体化してなるシート状吸収材が得られる。
【0040】
本実施形態のおむつ1においては、図1に示すように、シート状吸収材4bに、その長手方向に延びる複数本のスリット15が形成されている。このスリット15の本数及び長さを適宜調整することで、シート状吸収材4bの圧縮復元特性をコントロールでき、ひいてはおむつ1における股下部Cの圧縮復元特性を前述した範囲内とすることが容易となる。スリット15の幅は適宜とすることができる。スリット15間の距離は3〜40mm、特に5〜20mmが好ましい。スリットの配置も図1に示す態様以外に幅方向へ平行或いは斜めに形成してもよい。更にはこれらが混在していてもよい。
【0041】
シート状吸収材4bは、おむつ1の具体的用途に応じその大きさを適宜調整することで、当該具体的用途に適した圧縮復元特性が発現する。例えば、ベビー用のおむつとして用いる場合には、シート状吸収材4bの幅を10〜100mm、特に20〜70mmとし、長さを50〜400mm、特に100〜300mmとすることが好ましい。成人用のおむつとして用いる場合には、幅を50〜200mm、特に100〜150mmとし、長さを100〜800mm、特に200〜700mmとすること好ましい。
【0042】
下部吸収体4aは、パルプ繊維と高吸収性ポリマーの粒子との混合物の積繊体から構成されている。パルプ繊維としては、前述したシート状吸収材4bにおける液拡散層及び液保持層に用いられるパルプ繊維と同様のものを用いることができる。高吸収性ポリマーとしては、液保持層に用いられる高吸収性ポリマーと同様のものを用いることができる。下部吸収体4aにおけるパルプ繊維と高吸収性ポリマーとの重量比は、パルプ繊維/高吸収性ポリマー=1/10〜10/1、特に1/5〜5/1であることが、液を効率的に透過・拡散・保持固定する吸収特性を良好とし得る点から好ましい。また下部吸収体4a全体の坪量は、100〜700g/m2、特に200〜450g/m2であることが、液を効率的に透過・拡散・保持固定する吸収特性を良好とし得る点及び圧縮復元特性を良好とし得る点から好ましい。
【0043】
本実施形態においては、シート状吸収材4bの幅よりも下部吸収体4aの幅の方が大きくなっているが、両者の幅の関係は任意である。尤も、シート状吸収材4bの幅よりも下部吸収体4aの幅の方が大きいことが、吸収体4の吸収性能の点から好ましい。具体的には、シート状吸収材4bの幅/下部吸収体4aの幅が、0.10〜0.95、特に0.15〜0.90、とりわけ0.20〜0.80であることが好ましい。
【0044】
圧縮復元特性に関し、下部吸収体4aはシート状吸収材4bよりも圧縮復元特性が良好である方が好ましい。そして、圧縮復元特性の良好なシート状吸収材4bを下部吸収体4aの上部に配することで、着用者の動きに応じておむつが変形する時の変形量を制御できる。例えば、着用者の動きに応じておむつが変形しようとする時、シート状吸収材4bの前後端部に屈曲部位が生じ、該屈曲部位においてシート状吸収材4bが着用者の体側に沿うように、すなわち着用者の排泄部に吸収体ができるだけ近づくように折れ曲がる。また、別時(例えば着用者のお尻の位置がずれた時やシート状吸収体4bの中が小さい時)には、下部吸収体4aが着用者の体側に沿うように折れ曲がる。従って、着用者の動きに応じておむつが変形する時も、吸収体が着用者の排泄部に近いところに位置することになるので、おむつの漏れ性能を向上させることができる。圧縮復元特性についてのシート状吸収材4bと下部吸収体4aとの関係は、これらの圧縮復元特性を、前述したおむつの圧縮復元特性の評価方法と同様に評価し〔最大圧縮荷重σMAX、復元荷重σ25B、及び(σ25B/σ25F×100)〕、下部吸収体4aの数値が全ての項目においてシート状吸収材4bの数値よりも小さいことが好ましい。特に、全ての項目において下部吸収体4aは数値は、シート状吸収材4bの数値の90%〜10%、特に80%〜20%であることが特に好ましい。
【0045】
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば股下部Cの圧縮復元特性は、シート状吸収材4bの形状を適宜調整することによってもコントロールできる。例えばシート状吸収材は、図1及び図2に示す配置形態及び形状の他に、図6(a)及び図6(b)に示す配置形態及び形状とすることができる。図6(a)に示す実施形態においては、おむつ1の股下部Cにのみ、長方形状のシート状吸収材4bが配置されている。図6(b)に示す実施形態においては、凸字状のシート状吸収材4bが、おむつ1における背側部Bから股下部Cにかけて配置されている。この場合、凸字状のシート状吸収材4bにおける幅広の部分が背側部Bに位置し、該幅広の部分よりも幅狭の部分が股下部Cに位置している。
【0046】
また前記実施形態においては、シート状吸収材4bにスリットを形成してその圧縮復元特性をコントロールしたが、これに代えてシート状吸収材4bにエンボス加工を施したり開孔を形成することで、その圧縮復元特性をコントロールしてもよい。エンボスのパターンや開孔の大きさは、本発明の効果が得られれば任意でよい。
【0047】
また、本発明の吸収性物品は、前述した使い捨ておむつに限られず、失禁パッド、生理用ナプキン、パンティライナー、おりものシート等の他の吸収性物品にも同様に適用できる。
【0048】
【実施例】
以下の例中、特に断らない限り「%」は「重量%」を意味する。
【0049】
〔実施例1〕
パルプ繊維50%、熱融着性繊維5%及び高吸収性ポリマーの粒子45%からなる混合物をエアレイ法によって、坪量が200g/m2となるようにスクリーンメッシュ上に堆積させた。その上に、パルプ繊維65%、熱融着性繊維10%及び高吸収性ポリマーの粒子25%をエアレイ法によって、坪量が140g/m2となるように堆積させた。さらに、エアレイ法によって、ポリエチレンテレフタレート繊維(繊維長7mm、繊度9dtex)を、坪量が45g/m2となるように堆積させた。このようにして得られた3層構造の堆積物にアクリル系エマルジョンバインダー(固形分10%)を、散布量が50g/m2となるようにスプレー塗布し、更に160℃の熱風で堆積物内のパルプ繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維を融着及びバインダーで結合させて、液透過層、液拡散層及び液保持層とが一体化してなる長方形状のシート状吸収材(全坪量390g/m2、厚み5mm、幅70mm)を得た。このシート状吸収体に、図1に示すパターンで長手方向に延びるスリットを複数本形成した。
【0050】
これとは別に、パルプ繊維50%及び高吸収性ポリマーの粒子50%からなる混合物を積繊機でスクリーンメッシュ上に堆積させ、次いで一対のエンボスロールで圧縮して、坪量360のg/m2、幅100mmの下部吸収体を得た。
【0051】
下部吸収体の一端縁とシート状吸収材の一端縁とがほぼ一致するように且つ下部吸収体の幅方向中央部とシート状吸収材の幅方向中央部とが一致するように、下部吸収体上にシート状吸収材を載せて吸収体となした。この吸収体をポリエチレンフィルムからなるバックシート及びエアスルー不織布からなるトップシートで挟持し、更にトップシート上に立体ガード形成用シートを配して、図1及び図2に示す構成の使い捨ておむつを得た。
【0052】
得られたおむつについて股下部の最大圧縮荷重σMAX、復元荷重σ25B及び応力回復率を前述の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0053】
〔実施例2〕
パルプ繊維55%、熱融着性繊維5%及び高吸収性ポリマーの粒子40%からなる混合物をエアレイ法によって、坪量が75g/m2となるようにスクリーンメッシュ上に載置されたパルプシート(坪量15g/m2)上に堆積させた(合計坪量90g/m2)。その上に、パルプ繊維73%、熱融着性繊維7%及び高吸収性ポリマーの粒子20%をエアレイ法によって、坪量が50g/m2となるように堆積させた。さらに、エアレイ法によって、ポリエチレンテレフタレート繊維(繊維長7mm、繊度9dtex)を、坪量が45g/m2となるように堆積させた。このようにして得られた3層構造の堆積物にアクリル系エマルジョンバインダー(固形分10%)を散布量が50g/m2となるようにスプレー塗布し、更に160℃の熱風で加熱して堆積層内のパルプ繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維を融着及びバインダーで結合させて、液透過層、液拡散層及び液保持層が一体化してなる長方形状のシート状吸収材(全坪量190g/m2、厚み2mm)を得た。このシート状吸収体に、図1に示すパターンで長手方向に延びるスリットを複数本形成した。
【0054】
これとは別に、パルプ繊維40%及び高吸収性ポリマーの粒子60%からなる混合物を積繊機でスクリーンメッシュ上に堆積させ、次いで一対のエンボスロールで圧縮して、坪量240のg/m2の下部吸収体を得た。その後は実施例1と同様にして使い捨ておむつを得た。得られたおむつについて股下部の最大圧縮荷重σMAX、復元荷重σ25B及び応力回復率を前述の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0055】
〔比較例1〜比較例5〕
表1に示す市販の使い捨ておむつA〜Eについて、股下部の最大圧縮荷重σMAX、復元荷重σ25B及び応力回復率を前述の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0056】
〔比較例6〕
パルプ繊維50%及び高吸収性ポリマーの粒子50%からなる混合物を積繊機でスクリーンメッシュ上に堆積させ、次いで一対のエンボスロールで圧縮して、坪量500のg/m2の吸収体を得た。その後は実施例1と同様にして使い捨ておむつを得た。得られたおむつについて股下部の最大圧縮荷重σMAX、復元荷重σ25B及び応力回復率を前述の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0057】
〔性能評価〕
実施例及び比較例のおむつについて以下の方法で、股間部の変形のしやすさ及び股間部の復元性を評価した。更に装着状態でのフィット性を総合評価した。結果を表1に示す。
【0058】
〔股間部の変形のしやすさ及び股間部の復元性の評価〕
可動幼児用モデルに実施例及び比較例のおむつを装着し10分間可動させて可動中のモデルの股間部の動きに対してのおむつの股間部の変形のしやすさ及び復元性を評価した。また装着状態でのおむつのフィット性を総合評価した。可動幼児用モデルとは、足部が前後方向、左右方向に可変できるモデルである。それぞれの項目の評価は以下の基準に従った。
股間部の変形のしやすさ:変形しやすい>◎:○:△:×>変形しにくい
股間部の復元性:復元性がある>◎:○:△:×>復元性がない
総合評価:良い>◎:○:△:×>悪い
【0059】
【表1】
Figure 0004731073
【0060】
表1に示す結果から明らかなように、従来のおむつよりも着用者の動作に追従して変形し且つ変形に対する復元性を有することで、股間部のフィット性が改善されることが判る。
【0061】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品は、着用者の動作に追従して変形し且つ変形に対する復元性を有し、フィット性の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の一例としての使い捨ておむつを引き伸ばした状態でトップシート側からみた平面図である。
【図2】図1に示すおむつの弛緩状態(自然状態)でのII−II線断面図である。
【図3】おむつ股下部の圧縮復元特性を測定するための引張試験機の外観模式図である。
【図4】おむつ股下部の圧縮復元特性を示すヒステリシス曲線である。
【図5】シート状吸収材の構造を示す断面の模式図である。
【図6】本発明の吸収性物品の他の実施形態を示す平面図(図1相当図である)。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ(吸収性物品)
2 トップシート
3 バックシート
4 吸収体
4a 下部吸収体
4b シート状吸収材
5 サイドフラップ
6 ウエストフラップ
7 弾性糸
8 立体ガード形成用シート
9 弾性糸
10 立体ガード

Claims (5)

  1. 股下部並びに該股下部からそれぞれ前後方向に延びる腹側部及び背側部を具備する吸収性物品において、
    前記吸収性物品は、下部吸収体及び該下部吸収体上に配置されたシート状吸収材から構成されている吸収体を有し、
    前記股下部を横方向へ圧縮していき50%圧縮した過程での最大圧縮荷重σMAXが39.2〜225.6cN(40〜230gf)で且つ50%圧縮した状態から25%圧縮した状態まで戻した時の復元荷重σ25Bが14.7〜98.1N(15〜100gf)であり、
    前記最大圧縮荷重σMAX及び前記復元荷重σ25Bは、前記股下部から、長手方向に5cm、幅方向に8cm切り出した前記吸収性物品を試験片とし、当該試験片に対して測定されたものであり、
    前記シート状吸収材には、その長手方向に延びる複数本のスリットが形成されており、
    前記下部吸収体は、前記の方法で測定された最大圧縮荷重σMAX、復元荷重σ25B及び以下の方法で測定された荷重σ25Fに対する復元荷重σ25Bの比(σ25B/σ25F×100)が前記シート状吸収材よりも小さい吸収性物品。
    〔荷重σ25Fの測定方法〕
    前記股下部から、長手方向に5cm、幅方向に8cm切り出した前記下部吸収体及び前記シート状吸収材を試験片とし、当該試験片に対して幅方向へ圧縮していき25%圧縮したときの荷重を測定する。
  2. 前記股下部を横方向へ圧縮していき25%圧縮したときの荷重σ25Fに対する前記復元荷重σ25Bの比(σ25B/σ25F×100)が25%以上である請求項1記載の吸収性物品。
    荷重σ25Fは、前記股下部から、長手方向に5cm、幅方向に8cm切り出した前記吸収性物品を試験片とし、当該試験片に対して測定されたものである。
  3. 液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート及び両シート間に介在された液保持性の前記吸収体を有し、該吸収体が少なくとも前記股下部に合成繊維のエアレイド不織布からなる前記シート状吸収材を備えている請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収体が、少なくとも前記股下部に、前記エアレイド不織布からなる層及びパルプ繊維からなる層を一体化してなる前記シート状吸収材を備えている請求項3記載の吸収性物品。
  5. 前記吸収体が、パルプ繊維を主体とする前記下部吸収体と、該下部吸収体上に配された前記シート状吸収材とを備え、該シート状吸収体は、そのパルプ繊維からなる層が前記下部吸収体に対向するように該下部吸収体上に配されている請求項4記載の吸収性物品。
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