JP4728703B2 - 自動車の窓部における内装用表皮材の端末の取付構造、これに用いられる表皮材取付枠および自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付方法。 - Google Patents

自動車の窓部における内装用表皮材の端末の取付構造、これに用いられる表皮材取付枠および自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付方法。 Download PDF

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本発明は、ガラスが窓枠に貼り付けられている窓部を有する自動車の内装に関するもので、自動車の窓部における内装用表皮材の端末の取付構造と、これに用いられる表皮材取付枠および自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付方法とに関するものである。
一般的に自動車の車内には、装飾や遮音、吸音等を目的とした樹脂製の内張り部材が取り付けられている。そして、高級感を出したり外観をより良くするため、内張り部材の表面に生地や、合成皮革等の表皮材を張り付けているものもある。このような表皮材は、その末端を内張り部材の周縁部で裏面側に折り返し、ほつれやすい末端を隠すことで見栄えが損なわれないようにしている(例えば、特許文献1参照)。
一方、商用車として用いる場合やコストを抑制するために内張り部材を省略している場合も多く、サイドウインドやリヤウインド周りはボディを露出させた仕様になっている車も多く存在する。このような窓部に装飾を施す場合、表皮材をボディのインナーパネルの表面に直接張り付け、末端をガラスと窓枠との間に挟み込んで処理している。
特開10−264653公報(第2〜3頁)
しかしながら、ガラスが貼付け式で窓枠に接着剤等で固着されている場合には、熟練者であってもガラスの取り外しが容易ではなく、表皮材の末端の処理に苦心している。
そこで本発明は上記問題点を解決するため、窓部における表皮材の末端処理を容易にすべく、自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付構造、これに用いられる表皮材取付枠および自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付方法を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するため請求項1記載の自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付構造は、ガラスが窓枠に貼り付けられている嵌めころしの窓部を有する自動車の前記窓部における内装用表皮材の末端の取付構造であって、室内の前記窓部周りのボディ表面に、前記窓枠と間隔をあけた状態で、前記窓枠とほぼ同一形状の開口を有する断面L字型の表皮材取付枠が窓用開口部に取り付けられ、この表皮材取付枠の内周部に、この内周部と嵌合可能な連続する溝部を全長に有する断面U字状の細長いトリム部材が内周全周に取り付けられ、同トリム部材と前記表皮材取付枠との間に、前記内装用表皮材の末端が挟み込まれた状態となっていることを特徴としている。
請求項1記載の自動車のサイドウインドにおける内装用表皮材の末端の取付構造によれば、貼り付けられている前記ガラスに手を加えることなく前記内装用表皮材の末端を隠す処理を行なえるため、熟練者でなくても内装を見栄え良く仕上げることができ、且つ、前記表皮材取付枠の開口を前記窓枠とほぼ同一形状とし前記窓枠を車内側から見えにくくすることによって、内装を綺麗に見せることができる。
なお、前記表皮材取付枠は金属材料や合成樹脂材料等を用いて形成することができ、ねじ止め、溶接、接着などにより前記ボディに取り付けることができる。
また、窓部とは主に、サイドウインドやリヤウインド等の自動車の後部に設けられている窓を指している。
請求項2記載の自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付構造は、前記表皮材取付枠の前記断面L字型の一辺部をボディにねじ止め、または、リベット止め、或いは、クリップ部材で固定することにより取り付けられていることを特徴としている。
請求項2記載の自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付構造によれば、溶接した場合のようにボディの塗装が溶接焼けすることがなく、接着した場合のように接着剤等の劣化による前記表皮材取付枠の脱落もない。
請求項3記載の表皮材取付枠は、請求項1または2記載の自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付構造に用いるものであることを特徴としている。この表皮材取付枠を用いることにより、上記のような自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付構造を形成することができる。
請求項4記載の自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付方法は、ガラスが窓枠に貼り付けられている嵌めころしの窓部を有する自動車の前記窓部における内装用表皮材の末端の取付方法であって、室内の前記窓部まわりのボディ表面に、前記窓枠と間隔をあけるようにして、前記窓枠とほぼ同一形状の開口を有する断面L字型の表皮材取付枠を窓用開口部に取り付け、この表皮材取付枠の内周部に、この内周部と嵌合可能な連続する溝部を全長に有する断面U字状の細長いトリム部材を内周全周に取り付けたのちに、前記内装用表皮材の末端を前記トリム部材と前記表皮材取付枠との間に挟み込むか、または、前記内装用表皮材の末端を前記表皮材取付枠に重ねた状態にしたのち、前記トリム部材を前記表皮材取付枠の内周全周に取り付け、前記内装用表皮材の末端を前記トリム部材と前記表皮材取付枠との間に挟み込むことを特徴としている。
請求項4記載の自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付方法によれば、前記ガラスに手を加えずに前記内装用表皮材の末端を見栄え良く処理することができるため、熟練者でなくても簡単に仕上がりの良い内装を施すことができ、且つ、前記表皮材取付枠の開口を前記窓枠とほぼ同一形状にすれば、前記窓枠を車内側から見えにくくし、内装を綺麗に仕上げることができる。しかも、前記内装用表皮材の末端を前記トリム部材と前記表皮材取付枠との間に挟み込むようにするだけで良いため取付作業も簡単である。
なお、前記表皮材取付枠の前記ボディへの取付方法は、ねじ止め、溶接、接着等の方法を用いて取り付けることができる。
請求項5記載の自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付方法は、表皮材取付枠の前記断面L字型の一辺部に枠の周方向に所定間隔で取付孔を穿設する一方、これらの各取付孔に対応するねじ孔をボディに形成し、前記表皮材取付枠の前記取付孔に通したねじを前記ボディのねじ孔に締め込むか、または、前記ねじ孔を貫通孔とし、この貫通孔と前記表皮材取付枠の前記取付孔とに、リベット、またはクリップ部材を挿入して固定することによって、前記表皮材取付枠を前記ボディに取り付けることを特徴としている。
請求項5記載の自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付方法によれば、前記表皮材取付枠をねじ止め、またはリベット、或はクリップ部材で取り付けることで、溶接の場合のように前記ボディの塗装焼けの後処理が不要になり、接着の場合のように接着剤の養生時間が必要なく、前記表皮材取付枠の取り付けを前記ボディを傷めず手早く行なえる。
上述のような手段をもってなされる自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付構造、これに用いられる表皮材取付枠および自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付方法によると、ガラスに手を加える必要がないため、内装用表皮材の末端処理を容易に、しかも、見栄え良く行うことができ、熟練者でなくても内装を綺麗に仕上げることができる。また、内装用表皮材の交換も手軽に行なえるようになる。
そして、表皮材取付枠のボディへの取り付けをねじ止めやリベット止め、または、クリップ部材によって行うことで、溶接した場合のボディ表面の後処理等の手間が省け、且つ、接着した場合の接着剤の劣化による脱落の心配もなくなる。
以下に、本発明にかかる自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付構造、これに用いられる表皮材取付枠および自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付方法の実施形態について図面1〜4を参照しつつ説明する。
図1に示す自動車1は1BOXタイプの4ドアのキャンピングカーを示しており、フロントドア2の他に、後部座席の左側にスライドドアが設けられ、後面に跳ね上げ式のテールゲートが設けられている(スライドドアとテールゲートとはいずれも図示は省略してる)。
この自動車1の後部座席のサイドウインド3は片側に三面ずつ設けられており、各サイドウインド3のガラス4は、ボディ5の窓枠6に車外側から接着剤を用いて貼り付けられ、いわゆる嵌めころしの窓になっている。三枚のガラス4は各サイドウインド間にあるピラー7を車内側に隠すようにして取り付けられており、ピラー7の位置で隣接するガラス4と突き合わせの状態で配置されている。なお、左側のサイドウインドは前側の一面がスライドドアパネルに設けられている。
こうしてガラス4が固定されているサイドウインド3まわりの内装は、ボディ5のインナーパネル5aの表面を内装用生地(内装用表皮材)8で覆うようにして施されており、内装用生地8の末端は、ボディ5の窓用開口部9に固定された表皮材取付枠10と、表皮材取付枠10の内周部に嵌め込まれたゴム製のトリム部材11との間に挟み込まれ取り付けられている。
この内装用生地8の末端の取付方法について詳しく説明する。
図2に示すように、車内側のサイドウインド3まわりは内張り部材が省略されており、ボディ5のインナーパネル5aが露出した構造になっている。そして、ボディ5の窓用開口部9の内周縁部には、ボディ5の厚みを薄く形成して窓枠6が設けられおり、この窓枠6の車外側の面にガラス4の周縁部が接着剤で固着されている。
このように、インナーパネル5aが露出した状態の窓用開口部9に、窓枠6と1ほぼ同一形状の開口を有する表皮材取付枠10を取り付ける。
この表皮材取付枠10は、細長いアルミ部材で形成したものでL型の断面形状を有し、その内側の面を内方に向けた状態で形成されている。その一辺部は内装用生地8の末端の取付部10aになっており、他辺部は窓用開口部9に取り付ける際の固定部10bになっている。そして、固定部10bを窓用開口部9に固定すると、取付部10aが窓枠6とほぼ平行な状態になるように形成されている。この表皮材取付枠10は作業性を良くするため上下二分割の構造になっている。
固定部10bには、ボディ5の窓用開口部9に表皮材取付枠10をねじ止めする際に用いる取付孔が所定の間隔ごとに形成されている。
一方、ボディ5の窓用開口部9には窓枠6に沿って、固定部10bの取付孔に対応する位置にネジ孔を形成する。
そして、表皮材取付枠10を固定部10bの取付孔を窓用開口部9のねじ孔に一致させた状態で配置し、ねじ孔にねじ12を取り付けて表皮材取付枠10をボディ5の窓用開口部9に固定する。表皮材取付枠10はアルミ部材を用いているため軽く作業がし易い。
こうして表皮材取付枠10を取り付けたあと、内装用生地8をサイドウインド3まわりのインナーパネル5aの表面を覆うようにして張り付け、サイドウインド3周りの末端を表皮材取付枠10の取付部10aに、車内側の面に重ねるようにして接着剤で留める。
そして、断面U字状に形成され全長に取付部10aの内周部に嵌合可能な溝部11aを有する細長いトリム部材11を、溝部11aを取付部10aに内周側から被せるようにして全周に嵌め込み、表皮材取付部10aとの間に内装用生地8の末端を挟み込んだ状態にする。こうして取り付けられた内装用生地8は、末端がトリム部材11で隠され見栄え良く仕上がっている。
このように、サイドウインド3のガラス4に手を加えることなく内装用生地8の末端の取り付けを行なうことができるため、熟練者でなくともサイドウインド3における内装用生地8の末端処理を容易に行なうことができる。しかも、表皮材取付枠10は窓枠6とほぼ同じ開口を有しているため窓枠6が車内側から見えにくく、内装の見栄えが悪くならなず綺麗に見せることができる。
なお、内装用生地8のサイドウインド3と反対側の末端は、例えば図4に示す場合のように内張り部材12の下にもぐり込ませるようにして処理を行なえば良い。
本実施形態では表皮材取付枠10の全周に固定部10bを設けた形状になっているが、ねじ止め用の取付孔のある部分に舌片状の固定部10bを設けたり、表皮材取付枠10を合成樹脂で形成することによって軽量化できるため、扱い易くなり作業がよりし易くなる。
さらに実施形態では表皮材取付枠10を二分割の構造にしているが、これに限るものではなくて成形し易く作業がし易ければさらに分割しても良いし、逆に一体ものとしても良い。
そして、ねじの代わりにリベットや差込軸の外周に径方向外側に向かって付勢されている係止部を備えたクリップ部材などを用いることもできる。表皮材取付枠10を溶接で取り付けることもできるし、大きな荷重がかかるわけではないので接着剤を用いて取り付けることも可能である。
(a)は1BOXのキャンピングカーを示す側面図で、(b)は(a)の自動車のサイドウインド部分の構造を示している断面図である。 図1の自動車のサイドウインドを車内斜め後方から見た部分拡大図である。 図2に示したサイドウインド用の開口部に、表皮材取付枠を取り付けた状態を示す車内斜め後方から見た部分拡大図である。 図3に示した表皮材取付枠に内装用生地の末端を取り付けた状態をしめす車内斜め後方から見た部分拡大図である。
符号の説明
1 自動車
2 フロントドア
3 サイドウインド
4 ガラス
5 ボディ
6 窓枠
7 ピラー
8 内装用生地(内装用表皮材)
9 窓用開口部
10 表皮材取付枠
10a 取付部
10b 固定部
11 トリム部材
12 内張り部材

Claims (5)

  1. ガラスが窓枠に貼り付けられている嵌めころしの窓部を有する自動車の前記窓部における内装用表皮材の末端の取付構造であって、
    室内の前記窓部周りのボディ表面に、前記窓枠と間隔をあけた状態で、前記窓枠とほぼ同一形状の開口を有する断面L字型の表皮材取付枠が窓用開口部に取り付けられ
    この表皮材取付枠の内周部に、この内周部と嵌合可能な連続する溝部を全長に有する断面U字状の細長いトリム部材が内周全周に取り付けられ、同トリム部材と前記表皮材取付枠との間に、前記内装用表皮材の末端が挟み込まれた状態となっていることを特徴とする自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付構造。
  2. 前記表皮材取付枠の前記断面L字型の一辺部をボディにねじ止め、または、リベット止め、或いは、クリップ部材で固定することにより取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付構造。
  3. 請求項1または2に記載の自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付構造に用いられる表皮材取付枠。
  4. ガラスが窓枠に貼り付けられている嵌めころしの窓部を有する自動車の前記窓部における内装用表皮材の末端の取付方法であって、
    室内の前記窓部まわりのボディ表面に、前記窓枠と間隔をあけるようにして、前記窓枠とほぼ同一形状の開口を有する断面L字型の表皮材取付枠を窓用開口部に取り付け
    この表皮材取付枠の内周部に、この内周部と嵌合可能な連続する溝部を全長に有する断面U字状の細長いトリム部材を内周全周に取り付けたのちに、前記内装用表皮材の末端を前記トリム部材と前記表皮材取付枠との間に挟み込むか、または、前記内装用表皮材の末端を前記表皮材取付枠に重ねた状態にしたのち、前記トリム部材を前記表皮材取付枠の内周全周に取り付け、
    前記内装用表皮材の末端を前記トリム部材と前記表皮材取付枠との間に挟み込むことを特徴とする自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付方法。
  5. 前記表皮材取付枠の前記断面L字型の一辺部に枠の周方向に所定間隔で取付孔を穿設する一方、これらの各取付孔に対応するねじ孔をボディに形成し、前記表皮材取付枠の前記取付孔に通したねじを前記ボディのねじ孔に締め込むか、または前記ねじ孔を貫通孔とし、この貫通孔と前記表皮材取付枠の前記取付孔とに、リベット、またはクリップ部材を挿入して固定することによって、前記表皮材取付枠を前記ボディに取り付けることを特徴とする請求項4記載の自動車の窓部における内装用表皮材の末端の取付方法。
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