JP4727810B2 - Vacuum holding device for workpiece - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理体の真空保持装置に関し、更に詳しくは自動搬送装置等の移動体に搭載される被処理体の真空保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体装置の検査工程では半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と称す。)の検査装置としてプローバが広く用いられている。プローバは、通常、ローダ室とプローバ室とを備え、ウエハ状態でデバイスの電気的特性検査を行う。ローダ室は、複数(例えば、25枚)のウエハが収納されたキャリアを載置するキャリア載置部と、キャリア載置部からウエハを一枚ずつ搬送するウエハ搬送機構(以下、「ピンセット」と称す。)と、ピンセットを介して搬送されるウエハのプリアライメントを行うプリアライメント機構(以下、「サブチャック」と称す。)とを備えている。また、プローバ室は、ウエハを載置してX、Y、Z及びθ方向に移動する載置台(以下、「メインチャック」と称す。)と、メインチャックと協働してウエハのアライメントを行うアライメント機構と、メインチャックの上方に配置されたプローブカードと、プローブカードとテスタ間に介在するテストヘッドとを備えている。
【0003】
従って、ウエハの検査を行う場合には、まずオペレータがロット単位で複数のウエハが収納されたキャリアをローダ室のキャリア載置部に載置する。次いで、プローバが駆動すると、ピンセットがキャリア内のウエハを一枚ずつ取り出し、サブチャックを介してプリアライメントを行った後、ピンセットを介してプローバ室内のメインチャックへウエハを引き渡す。プローバ室ではメインチャックとアライメント機構が協働してウエハのアライメントを行う。アライメント後のウエハをメインチャックを介してインデックス送りしながらプローブカードと電気的に接触させて所定の電気的特性検査を行う。ウエハの検査が終了すれば、メインチャック上のウエハをローダ室のピンセットで受け取ってキャリア内の元の場所に戻した後、次のウエハの検査を上述の要領で繰り返す。キャリア内の全てのウエハの検査が終了すれば、オペレータが次のキャリアと交換し、新たなウエハについて上述の検査を繰り返す。
【0004】
しかしながら、例えば300mmウエハのように大口径化すると、複数枚のウエハが収納されたキャリアは極めて重いため、オペレータがキャリアを持ち運ぶことが殆ど不可能に近くなって来ている。また、持ち運びできたとしても重量物であるため一人での持ち運びには危険を伴う。このようなことはプローバに限らず半導体製造装置一般に云えることでもある。
【0005】
そこで、特開平10−303270号公報では自動搬送車(以下、「AGV」と称す。)を使ってキャリアをロット単位で搬送する方法が提案されている。この搬送方法を用いればウエハの搬送は解決することができる。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ウエハの大口径化及びデバイスの超微細化により一枚のウエハに形成されるデバイスの数が飛躍的に増え、一枚のウエハの検査を終えるにも長時間を要する上に、ロット単位でウエハの検査を行うと全てのウエハの検査を終了するまで検査済みのウエハまでプローバ(キャリア)内に止め置くことになり、ロット単位のウエハを後工程に廻す時間がそれだけ遅延し、結果的にTAT(Turn-Around-Time)の短縮が難しい。
【0007】
そこで、ウエハを一枚ずつ複数のプローバに分散して複数のプローバでウエハを並行処理し、検査を終えたウエハを順次取り出してロット毎にキャリアに纏め、纏まったウエハをキャリア単位で次工程へ廻すことでTATを短縮することができる。この場合にはウエハを一枚ずつ受け渡すためにAGVにもピンセットを搭載する必要がある。しかしながら、ピンセットを用いてウエハを一枚ずつアーム上に保持するためには、真空吸着機構が必要になる。真空吸着機構としては例えばコンプレッサとエジェクタを用いた機構が簡便で好ましいが、AGVに搭載できるコンプレッサの駆動源であるバッテリの電源容量には限界があり、真空吸着に必要な排気流量を十分に確保することができないという課題があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、移動体に搭載する低容量の電源でも排気流量を十分に確保することができると共に被処理体を真空吸着するために所定の真空度を保持することができ、被処理体をアーム上に確実に真空吸着することができる被処理体の真空保持装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の被処理体の真空保持装置は、被処理体を吸着保持するアームと、このアーム内に形成され且つ上記アームの吸着面で開口する排気路と、この排気路に連通管を介して連結された真空吸着機構とを備え、移動体に搭載して使用する被処理体の真空保持装置であって、上記真空吸着機構は、搭載電源で駆動するコンプレッサと、このコンプレッサから上記連通管を介して圧送される気体を圧縮気体として貯留する容器と、この容器内から上記連通管を介して流出する圧縮気体の圧力を調整する気体圧調整手段と、この気体圧調整手段から上記連通管を介して供給される圧力気体を噴出させることにより上記排気路内を減圧する噴出手段と、上記気体圧調整手段と上記噴出手段の間で上記連通管を開閉する第1の開閉弁と、上記アームと上記噴出手段の間で上記連通管を開閉する第2の開閉弁と、上記アームと上記第2の開閉弁の間で上記排気路内の圧力を検出する圧力検出手段と、を有し、上記圧力検出手段は、上記アーム上における上記被処理体の有無を検出する第1の圧力手段と、上記排気路内の圧力漏れを検出する第2の圧力検出手段と、を有し、上記第2の開閉弁は、上記第2の圧力検出手段の検出結果に基づいて開閉することを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載の被処理体の真空保持装置は、請求項1に記載の発明において、上記移動体が自動搬送車であることを特徴とする被処理体のものである。
【0011】
また、本発明の請求項3に記載の被処理体の真空保持装置は、請求項1または請求項2に記載の発明において、上記アームを複数有することを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の請求項4に記載の被処理体の真空保持装置は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、上記気体圧調整手段と上記噴出手段の間に上記連通管内の圧力を検出する第3の圧力検出手段を設け、上記第3の圧力検出手段の検出結果に基づいて上記コンプレッサを駆動させることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図16に示す実施形態に基づいて本発明を説明する。
まず、本実施形態の被処理体の真空保持装置を適用した被処理体(以下、「ウエハ」と称す。)を搬送する搬送システムについて説明する、この搬送システムEは、図1の(a)、(b)に示すように、ウエハ(図示せず)の検査工程を含む工場全体を生産管理するホストコンピュータ1と、このホストコンピュータ1の管理下でウエハの電気的特性検査を行う複数の検査装置(例えば、プローバ)2と、これらのプローバ2に対してそれぞれの要求に応じてウエハを一枚ずつ自動搬送する複数の自動搬送装置3と、これらのAGV3を制御する搬送制御装置(以下、「AGVコントローラ」と称す。)4とを備えている。プローバ2とAGV3は、SEMI規格E23やE84に基づく光結合された並列I/O(以下、「PIO」と称す。)インターフェースを有し、両者間でPIO通信を行うことによりウエハWを一枚ずつ受け渡すようにしてある。このプローバ2はウエハWを一枚ずつ枚葉単位で受け取って検査を行うため、枚葉式プローバ2として構成されている。以下では枚葉式プローバ2を単にプローバとして説明する。また、AGVコントローラ4はホストコンピュータ1とSECS(Semiconductor Equipment Communication Standard)通信回線を介して接続され、ホストコンピュータ1の管理下でAGV3を無線通信を介して制御すると共にウエハWをロット単位で管理している。
【0018】
また、図1に示すように、複数のプローバ2はグループコントローラ5を介してホストコンピュータ1とSECS通信回線を介して接続され、ホストコンピュータ1はグループコントローラ5を介して複数のプローバ2を管理している。グループコントローラ5は、プローバ2のレシピデータやログデータ等の検査に関する情報を管理している。また、各プローバ2にはそれぞれテスタ6がSECS通信回線を介して接続され、各プローバ2はそれぞれのテスタ6からの指令に従って所定の検査を個別に実行する。これらのテスタはテスタホスト7を介してホストコンピュータ1とSECS通信回線を介して接続され、ホストコンピュータ1はテスタホストコンピュータ(以下、「テスタホスト」と称す。)7を介して複数のテスタ6を管理している。また、ホストコンピュータ1にはウエハの検査結果に基づいて所定のマーキングを行うマーキング装置8がマーキング指示装置9を介して接続されている。マーキング指示装置9はテスタホスト7のデータに基づいてマーキング装置8に対してマーキングを指示する。更に、ホストコンピュータ1には複数のキャリアCを保管するストッカ10がSECS通信回線を介して接続され、ストッカ10はホストコンピュータ1の管理下で検査の前後のウエハをキャリア単位で保管、分類すると共にキャリア単位でウエハの出し入れを行う。
【0019】
而して、プローバ2は、図2の(a)に示すように、ローダ室21と、プローバ室22とを備えている。ローダ室21はアダプタ23、ピンセット24及びサブチャック25を有し、アダプタ23を除き従来のプローバに準じて構成されている。アダプタ23はAGV3との間でウエハWを一枚ずつ受け渡す第1の受け渡し機構として構成されている。アダプタ23の詳細は後述する。ピンセット24は、上下二段のアーム241を有し、それぞれのアーム241でウエハWを真空吸着して保持し、真空吸着を解除することでアダプタ23との間でウエハの受け渡しを行い、受け取ったウエハWをプローバ室22へ搬送する。サブチャック25はピンセット24でウエハWを搬送する間にオリフラを基準にプリアライメントを行う。また、プローバ室22はウエハチャック26、アライメント機構27及びプローブカード28を有している。メインチャック26はX、Yテーブル261を介してX、Y方向へ移動すると共に図示しない昇降機構及びθ回転機構を介してZ及びθ方向へ移動する。アライメント機構27は、従来公知のようにアライメントブリッジ271、CCDカメラ272等を有し、メインチャック26と協働してウエハWとプローブカード28とのアライメントを行う。プローブカード28は複数のプローブ28Aを有し、プローブ28Aとメインチャック26上のウエハが電気的に接触し、テストヘッド(図示せず)を介してテスタ6と接続される。尚、ピンセット24は上下二段のアーム241を有しているため、以下では必要に応じて上段のアームをアーム241A、下段のアームを241Bとして説明する。
【0020】
アダプタ23は本実施形態に固有の機器である。このアダプタ23は、図2の(b)に示すように、偏平な筒状に形成され且つテーパ面を有するアダプタ本体231と、アダプタ本体231の底面中央で昇降するサブチャック232とを備え、AGV3との間あるいはピンセット24との間でウエハWを受け渡す際にサブチャック232が昇降すると共にウエハWを吸着保持できるようにしてある。このアダプタ23は、例えばキャリアテーブル(図示せず)に着脱可能に配設され、キャリアテーブルのインデクサ(図示せず)を介して昇降するようになっている。キャリアテーブルはキャリアも配置可能に構成され、キャリアあるいはアダプタ23を判別する判別センサ(図示せず)を有している。従って、ウエハWを受け渡す際に、アダプタ23がインデクサを介して上昇すると共に、図2の(b)に示すようにサブチャック232がウエハWの受け渡し位置まで上昇し、ウエハWを受け取った後、同図に二点鎖線で示す位置まで下降してアダプタ本体231を介してウエハWのセンタリングを行う。
【0021】
また、AGV3は、図1の(b)、図2の(a)、(b)に示すように、装置本体31と、装置本体31の一端部に配置され且つキャリアCを載置する昇降可能なキャリア載置部32と、キャリア内でのウエハの収納位置を検出するマッピングセンサ33と、キャリアC内のウエハを搬送するピンセット34と、ウエハWのプリアライメントを行うサブチャック35と、光学式のプリアライメントセンサ36(図11参照)と、ウエハWのIDコード(図示せず)を読み取る光学式文字読取装置(OCR)37と、駆動源となるバッテリ(図示せず)とを備え、AGVコントローラ4との無線通信を介してストッカ10とプローバ2間や複数のプローバ2間を自走してキャリアCを搬送し、ピンセット34を介してキャリアCのウエハ2Wを複数のプローバ2に対して一枚ずつ配るようにしてある。
【0022】
ピンセット34はAGV3に搭載されたウエハ搬送機構である。このピンセット34はウエハWの受け渡し時に回転及び昇降可能に構成されている。即ち、ピンセット34は、図2の(a)、(b)に示すように、ウエハWを真空吸着する上下二段のアーム341を有する真空保持装置38と、これらのアーム341を前後動可能に支持する正逆回転可能な基台342と、基台342内に収納された駆動機構(図示せず)とを備え、ウエハWを受け渡す際に後述のように上下のアーム341が駆動機構を介して基台342上で個別に前後へ移動し、ウエハWを受け渡す方向へ基台342が正逆回転する。尚、以下では、必要に応じて上段のアームをアーム341A、下段のアームを341Bとして説明する。
【0023】
しかし、AGV3に搭載可能なコンプレッサは搭載バッテリを電源にしているが、前述したようにバッテリとしては例えばせいぜい25V程度の低容量ものしか搭載することができないため、ピンセット34の真空吸着機構としては利用するには空気流量が不足する。即ち、AGV3の搭載バッテリを電源とする小型のコンプレッサ344で空気をそのままエジェクタ347Aから排気してもコンプレッサ344の空気流量が小さいため、アーム341の排気路341C内の空気を十分に吸引排気することができず、アーム341上にウエハWを真空吸着することができない。そこで、本実施形態の被処理体の真空保持装置38に以下のような特殊な工夫を施すことで流量不足を補っている。
【0024】
即ち、本実施形態の真空保持装置38は、図3、図4に示すように、ウエハWを吸着保持する上下二段のアーム341と、これらのアーム341内に形成された且つウエハWの吸着面で開口する排気路341Cと、この排気路341Cに配管344Aを介して連結された真空吸着機構343とを備え、AGVコントローラ4の制御下で駆動する。この真空吸着機構343は、搭載バッテリで駆動するコンプレッサ344と、このコンプレッサ344から圧送される空気を所定の圧力(例えば、0.45MPa)で圧縮空気として貯留する空気タンク345と、この空気タンク345から流出する圧縮空気の圧力を調整する気体圧調整機構346と、この気体圧調整機構346から供給される圧力空気を噴出させるエジェクタ347Aとを備えている。
【0025】
コンプレッサ344は空気を圧送して所定圧力で圧縮空気を空気タンク345内に一旦貯留する。AGV3の搭載バッテリを電源とする小型のコンプレッサ344の空気流量が小さくても所定量の圧縮空気で空気タンク345内に一旦貯留することによってウエハWの真空吸着に必要な空気流量を確保することができる。即ち、空気タンク345内に貯留された圧縮空気を利用することによりウエハWの真空吸着に必要な空気流量を確保することができる。気体圧調整機構346は、図4に示すように、エアフィルタ346A、減圧弁346B、及び圧力計346Cを有し、空気タンク345内の圧縮空気を貯留すると共にウエハWの真空吸着に必要な一定の流量で圧縮空気をエジェクタ347Aから外部へ排気する。尚、図3の配管344Aの斜線部分は減圧部分である。
【0026】
また、真空吸着機構343は、気体圧調整機構346とエジェクタ347Aの間に配設された配管344Aを開閉する切換弁347と、アーム341とエジェクタ347Aの間に配設された配管344Aを開閉するパイロット付き逆止弁348と、アーム341とパイロット付き逆止弁348の間に配設された排気路341C内の圧力を検出する圧力センサ349とを備え、アーム341でウエハWを保持し解放するように構成されている。
【0027】
切換弁347は図4に示すようにソレノイドバルブによって構成され、ソレノイドが付勢されると気体圧調整機構346とアーム341とを連通し、それ以外の時は気体圧調整機構346をアーム341から遮断する。従って、切換弁347が付勢される気体圧調整機構346から一定圧の空気が流れ、エジェクタ347Aから空気を排気すると共にアーム341の排気路341Cから空気を吸引して排気する。この時、アーム341でウエハWを保持していると、アーム341の排気路341Cの開口部をウエハWで閉じているため、排気路341C(図4では配管344Aの減圧部分も排気路341Cとして示してある)内は減圧状態になってウエハWをアーム341上に真空吸着することになる。この時の真空度を圧力センサ349が検出し、この検出値に基づいて切換弁347のON、OFFを制御する。また、空気タンク345内の空気が消費されることで圧力計346Cの検出値に基づいてコンプレッサ344のON、OFFを制御する。また、パイロット付き逆止弁348はソレノイドが付勢されるとアーム341の排気路341Cをエジェクタ347A側に連通して排気路341Cから空気を吸引し、ソレノイドが付勢状態でなくなるとパイロット付き逆止弁348が排気路341Cを閉じて所定の減圧度を保持する。アーム341での真空吸着を解除する時にはパイロット付き逆止弁348のソレノイドを付勢して排気路341Cとエジェクタ347Aを連通させて排気路341Cを大気に開放すれば良い。
【0028】
また、圧力センサ349は、図4に示すように、第1圧力スイッチ349A及び第2圧力スイッチ349Bを有し、それぞれ異なった圧力を検出する。第1圧力スイッチ349Aはアーム341上のウエハWの有無を検出するセンサで、排気路341C内の圧力が例えば大気圧より25kPa低い圧力を検出し、この検出値に基づいてウエハWの存在の有無を知らせる。また、第2圧力スイッチ349Bは排気路341C内の圧力漏れを検出するセンサで、排気路341C内の圧力が例えば大気圧より40kPa低い圧力を検出し、内圧がこの検出値より高くなった時点で圧力漏れのあることを知らせる。第2圧力スイッチ349Bが圧力漏れを検出すると、即ち排気路341C内の圧力が高くなると(真空度が低下すると)、第2圧力スイッチ349Bの検出結果に基づいてソレノイドバルブ347を付勢してパイロット付き逆止弁348が開いて圧縮空気をエジェクタ347Aから排気することにより排気路341C内の減圧を行い、第2圧力スイッチ349Bの圧力が大気圧より40kPa以上低い圧力に達したらソレノイドバルブ347をOFFすると共にパイロット付き逆止弁348が閉じて減圧状態を保持する。また、圧力計346Cの値が所定の値を下回った場合には、コンプレッサ344が駆動して空気タンク345内に圧縮空気を補充する。
【0029】
而して、AGV3がプローバ2のウエハWの受け渡し位置に到達すると、AGV3においてピンセット34が駆動してキャリアC内のウエハWを一枚ずつ取り出す。ところが、図5に示すようにキャリアCの内面には例えば上下方向に25段の溝C1が形成され、これらの溝C1にそれぞれウエハWを挿入して水平に収納している。そのため、ウエハWはキャリアC内の溝C1に左右にゆとりを持って挿入されウエハWの左右に隙間があるため、ピンセット34を用いてキャリアCからウエハWを取り出した後、例えば光学式のセンサを用いてセンタリングを行う必要がある。ところが、本実施形態ではキャリアCを利用してウエハWのセンタリングを行う。
【0030】
即ち、キャリアCは、図5に示すように、キャリアCの背面に向けて側面が徐々に狭くなる傾斜面C2が左右対称に形成されている。そこで、ウエハWのセンタリングを行う際にこの傾斜面C2を利用する。例えば、図5に示すようにピンセット34を駆動し、真空吸着機構343をOFFの状態にしてアーム341を所定のウエハWの下側からカセットC内へ挿入する。この間にピンセット34を僅かに持ち上げてアーム341上にウエハWを載せる。この状態でアーム341をキャリアC内の奥へ更に挿入すると、アーム341を介してウエハWが同図の破線で示す位置から奥に移動する間にキャリアCの左右の傾斜面C2と接触して止まる一方、アーム341は奥に進入する。この際、左右の傾斜面C2は左右対称になっているため、ピンセット341がウエハWをキャリアC内に押し込む間にアーム341上のウエハWを左右の傾斜面C2に接触させて自動的にセンタリングを行うことができる。センタリング後に真空吸着機構343が駆動してウエハWをアーム341で吸着保持する。この状態でアーム341がキャリアC内から後退し、ウエハWをキャリアCから取り出す。ピンセット34は上述のようにしてキャリアCから一枚のウエハWを取り出すと、90°回転してプローバ2のアダプタ23にウエハWを受け渡す。
【0031】
AGV3のピンセット34がプローバ2のアダプタ23との間でウエハWの受け渡しを行う際には、前述のようにプローバ2とAGV3間で光結合PIO通信を行う。そのため、AGV3とプローバ2はそれぞれPIO通信インターフェースを備え、互いにPIO通信利用して一枚のウエハWの受け渡しを正確に行うようにしてある。AGV3は従来にないピンセット34を備えているため、従来のSEMI規格で規定された通信回線に加えて、ピンセット34の真空吸着機構343を制御するための信号回線及びアーム341を制御するための信号回線を有している。
【0032】
また、プローバ2は前述のようにウエハWの受け渡しのためのロードポートとして一つのアダプタ(以下では、必要に応じて「ロードポート」とも称す。)23を備えている。ところが、ロードポート23が一つの場合にはプローバ2では検査済みのウエハWを取り出すまでは次のウエハWを投入することができず、スループット向上に限界があった。そこで、本実施形態では図6に示すようにソフトウエアによって実際のロードポート(以下、「実ロードポート」と称す。)23とは別に仮想ロードポート23Vを少なくとも一つプローバ2に設定し、あたかも複数のロードポートがあるかのごとく取り扱うようにしてある。即ち、AGV3は、ウエハWを受け渡す際に図6に示すようにプローバ2内に検査済みのウエハWが存在していても、光信号LによるPIO通信を行う時にソフトウエアを介してPIO通信インターフェースの信号回線のロードポート番号を切り換え、プローバ2内にウエハWが存在していても新たにウエハWを投入することができる。
【0033】
AGV3とプローバ2とのPIO通信を介してプローバ2に仮想ロードポート23Vを指定すると、実ロードポート23に検査済みのウエハWを戻すことなく、例えばアンロード用のアーム241やアンロードテーブル(図示せず)が仮想ロードポート23Vとして機能し、これらで検査済みのウエハWを保持し、アダプタ23を空けておき次のウエハWを待機することができる。このように仮想ロードポート23Vを設けることで、アンロード用のアーム241やアンロードテーブル(図示せず)をフルに活用することができ、スループットの向上を図ることができ、余分な実ロードポートを設ける必要がなく、フットプリントアップや装置のコストアップを防止することができる。
【0034】
ところで、本実施形態の搬送システムEは、図1、図7に示すように、AGV3のピンセット34とプローバ2のアダプタ23との間でウエハWを正確に受け渡すために独自のPIO通信インターフェース11A、11Bを備えている。これらのPIO通信インターフェース11A、11Bは、図7に示すように、それぞれ8つのポートを有する8ビットで構成され、第1ビットから第8ビットには同図に示す信号が割り振られている。
【0035】
そこで、図7に示すPIO通信インターフェース11A、11Bを用いたPIO通信を利用したAGV3とプローバ2間のウエハWの受け渡し方法について図8〜図16を参照しながら説明する。図8〜図12はAGV3からプローバ3へウエハWをロードする方法を示し、図13はプローバ2内のウエハWの流れを示し、図14から図16はプローバ2からAGV3へウエハWをアンロードする方法を示す。
【0036】
まず、AGV3からプローバ2へウエハWを受け渡すウエハのロード方法について説明する。ホストコンピュータ1がSECS通信を介してAGVコントローラ4へウエハWの搬送指令を送信すると、図8のフローチャートに示すように、AGV3はAGVコントローラ4の制御下でプローバ2の前(ウエハ受け渡し位置)へ移動する(ステップS1)。AGV3が図10の(a)に示すようにプローバ2に到達すると、図10の(b)に示すようにマッピングセンサ33がキャリアC側へ進出すると共にピンセット34が昇降し、ピンセット34が昇降する間にマッピングセンサ33を介してキャリアC内のウエハWの収納状況をマッピングした後、図10の(c)に示すようにピンセット34の上段アーム341Aが前進して所定のウエハWの僅か下方からキャリアC内に進入する。この間に図8のフローチャートに示すようにアーム341AとキャリアCを介してウエハWのセンタリングを行う(ステップS2)。即ち、図10の(c)に示すようにアーム341AがキャリアCの最奥部へ進入する間に、ピンセット34が僅かに上昇してアーム341A上にウエハWを載せ、そのままアーム341Aが最奥部に到達する。この間にアーム341AはウエハWをキャリアCの左右対称の傾斜面C2に接触させてウエハWのセンタリングを行う。次いで、ピンセット34の真空吸着機構343(図3、図4参照)が駆動してアーム341AでウエハWを真空吸着した後、アーム341AがキャリアCから後退してセンタリング後のウエハWをキャリアCから取り出す(ステップS2)。
【0037】
アーム341AでウエハWをキャリアCから取り出すと、図10の(d)に示すようにサブチャック35が上昇してアーム341からウエハWを受け取った後、サブチャック25が回転する間にプリアライメントセンサ36を介してウエハWのプリアライメントを行う。引き続き、図10の(e)に示すようにサブチャック35が回転を停止した後下降し、ウエハWをアーム341Aへ戻す間にピンセット34が上昇しOCR37でウエハWに附されたIDコードを読み取ってウエハWのロットを識別した後、図10の(f)に示すようにピンセット34が90°回転してプローバ2のアダプタ23にアーム341の向きを合わせ、図11の(a)に示す状態になる。OCR37で識別されたウエハWのIDコードは後述の光通信によってAGV3からプローバ2に通知する。
【0038】
次いで、図8、図9に示すようにAGV3とプローバ2間の光結合PIO通信を開始する。まず、図8、図9に示すようにAGV3はプローバ2に対してHigh状態のCS_0信号を送信した後、High状態のVALID信号を送信する。CS_0信号がHigh状態で有効であればVALID信号はHigh状態を維持し、プローバ2のアダプタ(ロードポート)23がウエハWの受け取り可能な状態を確認する(ステップS3)。プローバ2はVALID信号を受信すると図9に示すようにプローバ2のL_REQ信号がHigh状態になってAGV3へL_REQ信号を送信してウエハロードのための搬送を指示する。
【0039】
AGV3は図8に示すようにL_REQ信号を受信したか否かを判断し(ステップS4)、AGV3がL_REQ信号を受信していないと判断すると、プローバ2はAGV3へL_REQ信号を送信する(ステップS5)。AGV3がL_REQ信号を受信した旨判断すると、ウエハWの搬送を開始するためにAGV3のTR_REQ信号がHigh状態になってプローバ3へTR_REQ信号を送信し(ステップS6)、AGV3はプローバ2に対してウエハWの搬送を開始する旨通知する。プローバ2は図9に示すようにTR_REQ信号を受信するとREADY信号がHigh状態になってAGV3に対してREADY信号を送信し、ロードポート23がアクセス可能になっていることをAGV3に通知する。
【0040】
AGV3はプローバ2からREADY信号を受信したか否かを判断し(ステップS7)、AGV3がREADY信号を受信していないと判断すると、プローバ2はAGV3へREADY信号を送信する(ステップS8)。AGV3がREADY信号を受信した旨判断すると、図9に示すようにAGV3ではBUSY信号がHigh状態になってプローバ3へその信号を送信し(ステップS9)、プローバ2に対してウエハWの搬送を開始する旨通知する。
【0041】
次いで、AGV3は図8に示すようにAENB信号を受信したか否かを判断し(ステップS10)、AGV3がAENB信号を受信していないと判断すると、図9に示すようにプローバ2ではAENB信号をHigh状態にして送信を開始する(ステップS11)。このAENB信号はAGV3からのBUSY信号がHigh状態になった後、ロード時にはアダプタ23のサブチャック232が下降位置にあってウエハWを保持していない時、つまりウエハWをロードできる状態の時にHigh状態になり、アンロード時にはサブチャック232が上昇位置にあってウエハWを保持し、ウエハWをアンロードできることを確認してHigh状態になる。また、AENB信号はアダプタ23内のサブチャック232の真空吸着センサでロード時にウエハWを検出してロードできない時にはLow状態になり、アンロード時にウエハWを検出せず、アンロードできない時にLow状態になる。
【0042】
而して、ステップS10においてAGV3がHigh状態のAENB信号を受信した旨判断すると、AGV3からのウエハWの搬送(ロード)を開始し(ステップS11)、図11の(a)に示す状態からピンセット34の上段アーム341Aがプローバ2のアダプタ23に向けて進出し、同図の(b)に示すようにウエハWをロードポート23の真上まで搬送する。
【0043】
次いで、AGV3はプローバ2へPENB信号を送信した後(ステップS12)、プローバ2でウエハWを検出してAENB信号がLow状態で且つL_REQ信号がLow状態であるか否かを判断し(ステップS13)、プローバ2がいずれの信号もHigh状態でサブチャック232が下降位置でウエハWが無く、アクセス可能状態である判断すると、図11の(c)に示すようにサブチャック232が上昇すると共にピンセット34の真空吸着機構343が真空吸着を解除する。PENB信号はロード時には真空吸着機構343をOFFにした時にHigh状態になる。また、ロードポート23内のサブチャック232は図9に示すように真空吸着を行ってウエハWを受け取る(ステップS14)。引き続き、図9に示すようにプローバ2がAENB信号をLow状態にしてAGV3へその信号を送信し、サブチャック323でウエハWを保持している旨通知する(ステップS15)。また、これと同時にプローバ2はL_REQ信号をLow状態にしてその信号をAGV3へ送信し、Lowでいない旨通知する(ステップS16)。これによりAGV3はこのプローバ2では現在のところ次のウエハWをロードでいないことを認識する。
【0044】
その後、ステップS13へ戻り、再度プローバ2でウエハWを検出してAENB信号がLow状態で且つL_REQ信号がLow状態であるか否かを判断し、いずれの信号もLow状態であり、ロードを終了した旨判断すると、アーム341Aをロードポート23からAGV3へ戻す(ステップS17)。AGV3ではアーム341Aが戻るとTR_REQ信号、BUSY信号、PENB信号をいずれもLow状態にしてそれぞれの信号をプローバ2へ送信し、ウエハWのロードを終了した旨通知する(ステップS18)。
【0045】
次いで、AGV3は図9に示すようにCOMPT信号をHigh状態にしてプローバ2へ送信してウエハWの搬送作業を完了した旨通知した後(ステップS19)、AGV3がプローバ2からLow状態のREADY信号を受信したか否かを判断し(ステップS20)、AGV3がREADY信号を受信していないと判断すると、図9に示すようにプローバ2がREADY信号をLow状態してAGV3へ送信し、一連の搬送作業が完了したことを通知する(ステップS21)。AGV3がLow状態のREADY信号を受信した旨判断すると、図9に示すようにAGV3ではCS_0信号、VALID信号をLow状態にしてプローバ3へそれぞれの信号を送信し(ステップS22)、ウエハWの搬送作業を終了すると共に図11の(d)に示すようにピンセット34を逆方向に90°回転させ、ホストコンピュータ1の指示を待って次のウエハWの受け渡し態勢に入る。
【0046】
プローバ2では図11の(e)に示すようにアダプタ23内でウエハWを受け取ったサブチャック232が一旦下降してアダプタ23内でウエハWのセンタリングを行った後、同図の(f)に示すようにアダプタ23がピンセット24とのウエハWの受け渡し位置まで下降すると共にサブチャック232が上昇してアダプタ本体231の上方まで上昇する。この状態でピンセット24の上段アーム241Aが同図の(g)に示すようにアダプタ23側へ進出し、アダプタ23のサブチャック231が下降すると共にアーム241AでウエハWを真空吸着して受け取る。
【0047】
アーム241AでウエハWを受け取ると、アーム241は図12の(a)に示すように向きをプローバ室22内のメインチャック26の方向に向ける。後は従来のプローバと同様に、同図の(b)に示すようにピンセット24とサブチャック25が協働してウエハWのプリアライメントを行った後、同図の(c)に示すようにメインチャック26へウエハWを引き渡す。更に、同図の(d)に示すようにアライメント機構27を介してアライメントを行った後、同図の(e)に示すようにメインチャック26をインデックス送りを行いながらウエハWとプローブカード28のプローブ28Aと電気的に接触させてウエハWの電気的特性検査を行う。尚、図12の(b)、(c)において26AはウエハWの昇降ピンである。
【0048】
ウエハWを受け取ったプローバ2が検査を実施している間に、ウエハWの受け渡しを終了した上述のAGV3はホストコンピュータ1の制御下で同一ロットのウエハWを他の複数のプローバ2の要求に応じて、上述の要領で他の複数のプローバ2との間でウエハWの受け渡しを行った後、このプローバ2において同一の検査を並行して実施することができる。
【0049】
プローバ2でのウエハWの電気的特性検査を終了すると、図13の(a)に示すようにメインチャック26の昇降ピン26Aが上昇してウエハWをメインチャック26から持ち上げる。引き続き、同図の(b)に示すようにピンセット24の下段のアーム241Bがメインチャック26へ進出してウエハWを受け取り、同図の(c)に示すようにピンセット24を90°回転させ、先端をアダプタ23に向けた後、同図の(d)に示すようにピンセット24がアダプタ23へ進出すると、同図の(e)に示すようにアダプタ23内のサブチャック232が上昇してウエハWをアーム241Bから受け取る。その後、図13の(f)に示すようにAGVコントローラ4の制御下でAGV3がプローバ2の前に移動する。AGV3がプローバ2と対峙すると、アダプタ23が図13の(f)に示すように二点鎖線で示す位置からウエハWを受け渡す実線位置まで上昇する。
【0050】
次に、図14〜図16を参照しながらプローバ2からAGV3へウエハWを引き渡すウエハのアンロード方法について説明する。図14、図15に示すようにAGV3がAGVコントローラ4からの指示に基づいて所定のプローバ2の前に移動すると(ステップ31)、AGV3とプローバ2間のPIO通信を開始する。AGV3はプローバ2に対してCS_0信号を送信した後、VALID信号を送信する(ステップS32)。プローバ2はVALID信号を受信すると図15に示すようにプローバ2のU_REQ信号がHigh状態になってAGV3へU_REQ信号を送信してウエハWをアンロードするための搬送を指示する。
【0051】
AGV3は図14に示すようにU_REQ信号を受信したか否かを判断し(ステップS33)、AGV3がU_REQ信号を受信していないと判断すると、プローバ2はAGV3へU_REQ信号を送信する(ステップS34)。これによりステップS33においてAGV3がU_REQ信号を受信した旨判断すると、ウエハWの搬送を開始するためにAGV3はTR_REQ信号をHigh状態にしてプローバ3へその信号を送信し(ステップS35)、プローバ2に対してウエハWの搬送を開始する旨通知する。
【0052】
次いで、AGV3はプローバ2からREADY信号を受信したか否かを判断し(ステップS36)、AGV3がREADY信号を受信していないと判断すると、プローバ2はAGV3へREADY信号をHigh状態にして送信する(ステップS37)。AGV3がREADY信号を受信し、プローバ2へのアクセス可能と判断すると、図15に示すようにAGV3ではBUSY信号をHigh状態にしてプローバ3へその信号を送信し(ステップS38)、プローバ2に対してウエハWの搬送を開始する。
【0053】
次いで、AGV3は図14に示すようにプローバ2からAENB信号のHigh状態の受信したか否かを判断し(ステップS39)、AGV3がAENB信号を受信していないと判断すると、図15に示すようにプローバ2はAENB信号をHigh状態にして送信する。(ステップS40)。ステップS39においてAGV3がHigh状態のAENB信号を受信し、プローバ2におけるウエハWを検出しロードポート23内のサブチャック232が上昇状態でアンロード可能であると判断すると、AGV3からのウエハWの搬送を開始して図16の(a)に示すようにピンセット34の下段アーム341Bをプローバ2のアダプタ23の真上まで移動させる(ステップS41)。
【0054】
次いで、AGV3は真空吸着機構343をONしてプローバ2へHigh状態のPENB信号を送信した後(ステップS42)、プローバ2はウエハWが無いことを検出してプローバ2のAENB信号がLow状態で且つU_REQ信号がLow状態であるか否かを判断し(ステップS43)、プローバ2がいずれの信号もHigh状態でサブチャック232がアクセス可能状態である判断すると、図16の(a)に示すようにアダプタ23が上昇すると共にサブチャック232が下降した後、ピンセット34の下段アーム341BでウエハWを真空吸着してウエハWをアダプタ23からピンセット34へ引き渡す(ステップS44)。プローバ2はウエハWが取り除かれたことを検出すると図15に示すようにU_REQ信号をLow状態にしてその信号をAGV3へ送信し、ウエハWが取り除かれたことをAGV3に通知する(ステップS45)。引き続き、プローバ2はAENB信号をLow状態にしてAGV3へ送信し、アダプタ23にウエハWがない旨通知する(ステップS46)。
【0055】
その後、ステップS43へ戻り、プローバ2はアダプタ23にウエハWの無いことを検出してAENB信号がLow状態で且つU_REQ信号がLow状態であるか否かを判断し、いずれの信号もLow状態でアダプタ23でのウエハWのアンロードが終了したと判断すると、アーム341Bをロードポート23からAGV3へ戻す(ステップS47)。AGV3はアーム341Bが戻るとTR_REQ信号、BUSY信号、PENB信号をいずれもLow状態にしてそれぞれの信号をプローバ2へ送信し、アンロード作業が終了したことをプローバ2に通知した後(ステップS48)、AGV3は図15に示すようにCOMPT信号をHigh状態にしてプローバ2へ送信し、アンロード作業の完了を通知する(ステップS49)。
【0056】
次いで、AGV3がプローバ2からLow状態のREADY信号を受信したか否かを判断し(ステップS50)、AGV3がREADY信号を受信していないと判断すると、図14に示すようにプローバ2がREADY信号をLow状態して送信する(ステップS51)。AGV3がLow状態のREADY信号を受信した旨判断すると、図15に示すようにAGV3ではCS_0信号、VALID信号をLow状態にしてプローバ3へそれぞれの信号を送信し(ステップS52)、ウエハWの搬送を終了すると共に図16の(b)に示すようにピンセット34を逆方向に90°回転させた後、図16の(c)に示すようにサブチャック35が上昇してウエハWをアーム341Bから受け取り、プリアライメントセンサ36でオリフラを検出する。引き続き、同図の(d)に示すようにサブチャック35が下降してアーム341BへウエハWを戻し、ピンセット34が上昇してOCR37でウエハWのIDコードを読み取った後、同図の(e)に示すようにアーム341BをキャリアC内の元の場所へ収納する。
【0057】
以上説明したように本実施形態によれば、ウエハWを吸着保持するアーム341と、このアーム341内に形成された且つウエハWの吸着面で開口する排気路341Cと、この排気路341Cに配管344Aを介して連結された真空吸着機構343とを備え、真空吸着機構343は、搭載バッテリで駆動するコンプレッサ344と、このコンプレッサ344から圧送される気体を圧縮気体として貯留する空気タンク345と、この空気タンク345から流出する圧縮気体の圧力を調整する気体圧調整機構346と、この気体圧調整機構346から供給される圧力気体を噴出させるエジェクタ347Aとを有するため、AGV3に搭載されたバッテリによって駆動するコンプレッサ344から圧送される空気を空気タンク345内に圧縮空気として貯留した後、気体圧調整機構346を介して圧縮空気の圧力を調整しながらエジェクタ347Aから噴出させることでアーム341にウエハWを確実に真空吸着することができる。
【0058】
また、本実施形態によれば、上下二段のアーム341A、341Bを有するため、上段のアーム341Aをウエハロード専用に使用することができると共に下段のアーム341Bをウエハアンロード専用に使用することができ、ウエハWの搬送能力を高めることができる。また、気体圧調整機構346とエジェクタ347Aの間に配管344Aを開閉する切換弁347を設けたため、切換弁347を介して真空吸着機構343を確実にON、OFF制御することができる。アーム341とエジェクタ347Aの間に配管344Aを開閉するパイロット付き逆止弁348を設けたため、パイロット付き逆止弁348を介してウエハWの真空保持、真空保持解除を確実に制御することができる。アーム341とパイロット付き逆止弁348の間で排気路341C内の圧力を検出する圧力センサ349を設けたため、圧力センサ349を介して排気路341C内の真空度を検出してアーム341上のウエハWの保持状況を知ることができ、しかも検出値に基づいてコンプレッサ344をON、OFF制御することができる。
【0059】
尚、本発明は上記実施形態に何等制限されるものではなく、必要に応じて適宜設計変更することができる。例えば、真空吸着機構343の空気回路に用いられる弁類は必要に応じて変更することができる。本発明の要旨は、真空吸着する真空吸着機構343として用いられるコンプレッサ344の流量不足をコンプレッサ344で空気タンク345に圧縮空気を貯留して空気等の流量を確保する点に特徴がある。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、移動体に搭載する低容量の電源でも排気流量を十分に確保することができると共に被処理体を真空吸着するために所定の真空度を保持することができ、被処理体をアーム上に確実に真空吸着することができる被処理体の真空保持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の被処理体の真空保持装置の一実施形態を示す概念図、(b)はAGVの構成を概念図である。
【図2】(a)はプローバとAGV間のウエハを受け渡す状態を概念的に示す平面図、(b)は(a)の要部を示す断面図である。
【図3】AGVに用いられるピンセットの真空吸着機構を示す概念図である。
【図4】図3に示す真空吸着機構を示す回路図である。
【図5】キャリアを利用したウエハのセンタリング方法を説明するための説明図である。
【図6】プローバに仮想ロードポートを設定した場合のウエハの受け渡しを説明するための説明図である。
【図7】(a)、(b)はそれぞれ図1に示す搬送システムのPIO通信に用いられるインターフェースを示す構成図である。
【図8】図1に示す搬送システムを用いたウエハの搬送方法に適用されるウエハのロード方法を示すフローチャートである。
【図9】図8に示すロード方法に適用される光通信のタイミングチャートである。
【図10】(a)〜(f)は図8に示すフローチャートに対応するロード工程を示す工程図である。
【図11】(a)〜(g)は図8に示すフローチャートに対応するロード工程を示す工程図である。
【図12】(a)〜(e)はプローバ内におけるウエハのフローを示す工程図である。
【図13】(a)〜(f)は図8に示すフローチャートに対応するロード工程を示す工程図である。
【図14】図1に示す搬送システムを用いたウエハの搬送方法におけるウエハのアンロード方法を示すフローチャートである。
【図15】図14に示すアンロード方法に適用される光通信のタイミングチャートである。
【図16】(a)〜(e)は図14に示すフローチャートに対応するアンロード工程を示す工程図である。
【符号の説明】
38 被処理体の真空保持装置
341 アーム
343 真空吸着機構
344 コンプレッサ
344A 配管(連通管)
345 空気タンク(容器)
346 気体圧調整機構(気体圧調整手段)
346C 圧力計(第3の圧力検出手段)
347 切換弁(第1の開閉弁)
347A エジェクタ(噴出手段)
348 パイロット付き逆止弁(第2の開閉弁)
349 圧力センサ(圧力検出手段)
349A 第1圧力スイッチ(第1の圧力検出手段)
349B 第2圧力スイッチ(第2の圧力検出手段)
W ウエハ(被処理体)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a vacuum holding device for an object to be processed, and more particularly to a vacuum holding device for an object to be processed that is mounted on a moving body such as an automatic transfer device.
[0002]
[Prior art]
For example, in a semiconductor device inspection process, a prober is widely used as an inspection device for a semiconductor wafer (hereinafter simply referred to as “wafer”). The prober usually includes a loader chamber and a prober chamber, and performs an electrical characteristic inspection of the device in a wafer state. The loader chamber includes a carrier placement unit for placing a carrier containing a plurality of (for example, 25) wafers, and a wafer conveyance mechanism (hereinafter referred to as “tweezers”) that conveys the wafers one by one from the carrier placement unit. And a pre-alignment mechanism (hereinafter referred to as “sub-chuck”) that performs pre-alignment of the wafer conveyed via tweezers. The prober chamber aligns the wafer in cooperation with a mounting table (hereinafter referred to as “main chuck”) on which the wafer is mounted and moved in the X, Y, Z, and θ directions. An alignment mechanism, a probe card disposed above the main chuck, and a test head interposed between the probe card and the tester are provided.
[0003]
Therefore, when inspecting a wafer, an operator first places a carrier on which a plurality of wafers are stored in lot units on a carrier placement portion of a loader chamber. Next, when the prober is driven, the tweezers take out the wafers in the carrier one by one, perform pre-alignment through the sub chuck, and then deliver the wafer to the main chuck in the prober chamber through the tweezers. Prober In the chamber, the main chuck and alignment mechanism cooperate to perform wafer alignment. A predetermined electrical property inspection is performed by electrically contacting the wafer after alignment with the probe card while feeding the index through the main chuck. When the wafer inspection is completed, the wafer on the main chuck is received by the tweezers in the loader chamber and returned to the original location in the carrier, and then the next wafer inspection is repeated as described above. When all the wafers in the carrier have been inspected, the operator replaces the next carrier and repeats the above inspection for a new wafer.
[0004]
However, when the diameter is increased, for example, a 300 mm wafer, the carrier in which a plurality of wafers are stored is extremely heavy, and it is almost impossible for the operator to carry the carrier. Moreover, even if it can be carried, it is heavy, so it is dangerous to carry it alone. This is not limited to the prober, but can also be said to general semiconductor manufacturing apparatuses.
[0005]
In view of this, Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-303270 proposes a method of conveying a carrier in lot units using an automatic conveyance vehicle (hereinafter referred to as “AGV”). If this transfer method is used, the transfer of the wafer can be solved.
[Problems to be solved by the invention]
[0006]
However, the number of devices formed on a single wafer has increased dramatically due to the increase in wafer diameter and device miniaturization, and it takes a long time to complete the inspection of a single wafer. When the wafer inspection is performed in, all the wafers are inspected in the prober (carrier) until the inspection of all the wafers is completed, and the time for transferring the wafers in lot units to the subsequent process is delayed as a result. In addition, it is difficult to shorten TAT (Turn-Around-Time).
[0007]
Therefore, the wafers are distributed to a plurality of probers one by one, the wafers are processed in parallel by a plurality of probers, the wafers that have been inspected are sequentially taken out and collected in a carrier for each lot, and the collected wafers are transferred to the next process in units of carriers. TAT can be shortened by turning. In this case, it is necessary to mount tweezers on the AGV in order to transfer the wafers one by one. However, in order to hold the wafers one by one on the arm using tweezers, a vacuum suction mechanism is required. As a vacuum suction mechanism, for example, a mechanism using a compressor and an ejector is simple and preferable. However, there is a limit to the power supply capacity of the battery that is a drive source of the compressor that can be mounted on the AGV, and a sufficient exhaust flow rate necessary for vacuum suction is secured. There was a problem that could not be done.
[0008]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and can sufficiently ensure an exhaust flow rate even with a low-capacity power source mounted on a moving body. In addition, a predetermined degree of vacuum can be maintained for vacuum suction of the object to be processed. , To be processed On the arm It is an object of the present invention to provide a vacuum holding device for an object to be processed that can be surely vacuum-sucked.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
According to a first aspect of the present invention, there is provided a vacuum holding apparatus for an object to be processed, which includes an arm for sucking and holding the object to be processed, an exhaust passage formed in the arm and opened at the suction surface of the arm, and the exhaust passage A vacuum suction mechanism connected to the movable body via a communication pipe, and a vacuum holding device for a workpiece to be used by being mounted on a moving body, the vacuum suction mechanism including a compressor driven by a mounting power source, From the compressor Via the communication pipe A container for storing the compressed gas as compressed gas, and Via the communication pipe From the gas pressure adjusting means for adjusting the pressure of the compressed gas flowing out, and this gas pressure adjusting means Via the communication pipe The exhaust passage is depressurized by ejecting the supplied pressurized gas. Eruption Means and A first on-off valve for opening and closing the communication pipe between the gas pressure adjusting means and the ejection means, a second on-off valve for opening and closing the communication pipe between the arm and the ejection means, and the arm And pressure detecting means for detecting the pressure in the exhaust passage between the second on-off valve and Have The pressure detection means includes first pressure means for detecting presence / absence of the object to be processed on the arm, and second pressure detection means for detecting pressure leak in the exhaust passage, The second on-off valve opens and closes based on the detection result of the second pressure detecting means. It is characterized by doing.
[0010]
According to a second aspect of the present invention, there is provided a vacuum holding device for an object to be processed according to the first aspect, wherein the movable body is an automatic conveyance vehicle. .
[0011]
According to a third aspect of the present invention, there is provided a vacuum holding device for an object to be processed according to the first or second aspect, wherein the apparatus has a plurality of the arms.
[0016]
In addition, the
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described based on the embodiment shown in FIGS.
First, a transfer system for transferring an object to be processed (hereinafter referred to as “wafer”) to which the vacuum holding apparatus for an object to be processed of this embodiment is applied will be described. This transfer system E is shown in FIG. , (B), a
[0018]
As shown in FIG. 1, the plurality of
[0019]
Thus, the
[0020]
The
[0021]
Further, as shown in FIGS. 1B, 2A, and 2B, the
[0022]
The
[0023]
However, although the compressor that can be mounted on the AGV3 uses the mounted battery as a power source, as described above, only a low-capacity battery of, for example, about 25V can be mounted as a battery. Insufficient air flow. That is, even if air is exhausted from the
[0024]
That is, as shown in FIGS. 3 and 4, the
[0025]
The
[0026]
The
[0027]
Switching As shown in FIG. 4, the
[0028]
As shown in FIG. 4, the
[0029]
Thus, when the
[0030]
That is, carrier C is carrier C as shown in FIG. Back of Inclined surface C whose side surface gradually narrows toward the surface 2 Are formed symmetrically. Therefore, when the wafer W is centered, the inclined surface C 2 Is used. For example, as shown in FIG. 5, the
[0031]
When the
[0032]
In addition, the
[0033]
When the
[0034]
By the way, as shown in FIGS. 1 and 7, the transfer system E of the present embodiment has a unique PIO communication interface 11 </ b> A for accurately transferring the wafer W between the
[0035]
Therefore, a method for transferring the wafer W between the
[0036]
First, a wafer loading method for transferring the wafer W from the
[0037]
When the wafer W is taken out from the carrier C by the
[0038]
Next, as shown in FIGS. 8 and 9, optical coupling PIO communication between the
[0039]
As shown in FIG. 8, the
[0040]
The
[0041]
Next, the
[0042]
Thus, when it is determined in step S10 that the
[0043]
Next, the
[0044]
Thereafter, the process returns to step S13, and the
[0045]
Next, as shown in FIG. 9, the
[0046]
In the
[0047]
When the
[0048]
While the
[0049]
When the electrical property inspection of the wafer W by the
[0050]
Next, a wafer unloading method for delivering the wafer W from the
[0051]
As shown in FIG. 14, the
[0052]
Next, the
[0053]
Next, the
[0054]
Next, the
[0055]
Thereafter, the process returns to step S43, and the
[0056]
Next, it is determined whether or not the
[0057]
As described above, according to the present embodiment, the
[0058]
Further, according to the present embodiment, since the upper and
[0059]
In addition, this invention is not restrict | limited to the said embodiment at all, A design change can be suitably carried out as needed. For example, the valves used in the air circuit of the
[0060]
【The invention's effect】
Main departure Clearly Therefore, it is possible to secure a sufficient exhaust flow rate even with a low-capacity power supply mounted on a moving body. In addition, a predetermined degree of vacuum can be maintained for vacuum suction of the object to be processed. , To be processed On the arm It is possible to provide a vacuum holding device for an object to be processed that can surely be vacuum-sucked.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1A is a conceptual diagram showing an embodiment of a vacuum holding apparatus for a workpiece of the present invention, and FIG. 1B is a conceptual diagram showing a configuration of an AGV.
2A is a plan view conceptually showing a state of transferring a wafer between a prober and an AGV, and FIG. 2B is a cross-sectional view showing a main part of FIG.
FIG. 3 is a conceptual diagram showing a vacuum suction mechanism of tweezers used for AGV.
4 is a circuit diagram showing the vacuum suction mechanism shown in FIG. 3;
FIG. 5 is an explanatory diagram for explaining a wafer centering method using a carrier;
FIG. 6 is an explanatory diagram for explaining wafer transfer when a virtual load port is set in a prober;
7A and 7B are configuration diagrams showing interfaces used for PIO communication of the transport system shown in FIG.
FIG. 8 is a flowchart showing a wafer loading method applied to the wafer conveyance method using the conveyance system shown in FIG. 1;
9 is a timing chart of optical communication applied to the loading method shown in FIG.
FIGS. 10A to 10F are process diagrams showing a loading process corresponding to the flowchart shown in FIG.
11A to 11G are process diagrams showing a loading process corresponding to the flowchart shown in FIG.
FIGS. 12A to 12E are process diagrams showing the flow of a wafer in a prober.
FIGS. 13A to 13F are process diagrams showing a loading process corresponding to the flowchart shown in FIG.
FIG. 14 is a flowchart showing a wafer unloading method in the wafer transfer method using the transfer system shown in FIG. 1;
15 is a timing chart of optical communication applied to the unload method shown in FIG.
FIGS. 16A to 16E are process diagrams showing an unload process corresponding to the flowchart shown in FIG. 14;
[Explanation of symbols]
38 Vacuum holding device for workpiece
341 Arm
343 Vacuum adsorption mechanism
344 Compressor
344A piping (communication pipe)
345 Air tank (container)
346 Gas pressure adjusting mechanism (gas pressure adjusting means)
346C Pressure gauge (third pressure detection means)
347 selector valve (first on-off valve)
347A Ejector (jetting means)
348 Check valve with pilot (second on-off valve)
349 Pressure sensor (pressure detection means)
349A first pressure switch (first pressure detecting means)
349B second pressure switch (second pressure detecting means)
W wafer (object to be processed)
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