JP4727459B2 - プログラム及び列車ダイヤ作成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも出発駅と到着駅と到着希望時刻とが旅客人数分記憶された旅客要求データベースを備えるコンピュータに、列車ダイヤを作成させるためのプログラム等に関する。
鉄道における列車の運行に当たり、鉄道事業者は、列車ダイヤを作成する必要がある。この列車ダイヤの作成は、列車の数、複雑な運行条件等の問題から、人間の手によって手作業で行われているのが実状である。
しかし、列車ダイヤの作成をコンピュータ化する要請が強くなってきており、実用化に向けた開発・研究がなされており、如何にして適切な列車ダイヤを作成できるかが、問題となっている。適切な列車ダイヤを作成する技術の1つとして、特許文献1には、予め設定された旅客が不満と感じる条件を基に、旅客の不満を最小とするような列車ダイヤを作成する手法が開示されている。
特開2004−224113号公報
しかしながら、旅客が実際に不満と感じるか否かを、列車ダイヤのみに基づいて予め条件づけすることは難しい。例えば、図14の列車ダイヤ(横軸が時刻、縦軸が駅を示し、列車を傾斜線で示している。)において、A駅−B駅間の列車の旅客が約2万人であり、B駅−C駅間の列車の旅客が約1万人であるような場合に、A駅−B駅間の列車の運行本数と、B駅−C駅間の列車の運行本数とを等しく設定することは(同図(a))、旅客の要求を反映させたことにはならない。この場合は、A駅−B駅間の列車の運行本数を、B駅−C駅間の列車の運行本数よりも多く設定すべきである(同図(b))。
特許文献1を含む従来の手法の多くは、鉄道事業者側が、列車の運行のみに着目して、列車の乗り継ぎ時間等の条件を予め設定した上で列車ダイヤを作成するものであった。このため、現実の旅客の要求を反映させているとは言い切れなかった。
また、一方で、単に旅客の要求を反映させるとすると、人件費が増加する等、鉄道事業者側に不利益な場合がある。このため、鉄道事業者側のコストも当然考慮した上で、適切な列車ダイヤを作成できなければならない。
本発明はこのような課題に鑑みて為されたものであり、その第1の目的は、実際の旅客の要求を反映させた列車ダイヤの作成を可能にすることである。また、第2の目的は、第1の目的を達成するに当たり、鉄道事業者側のコストも反映することである。
以上の課題を解決するための第1の発明は、
少なくとも出発駅(例えば、図2の出発駅571)と到着駅(例えば、図2の到着駅573)と到着希望時刻(例えば、図2の到着希望時刻575)とが旅客人数分記憶された旅客要求データベース(以下「旅客要求DB」と呼ぶ。)(例えば、図2の旅客要求データ57)を備えるコンピュータを、
所与の列車ダイヤに対して、前記旅客要求DBに記憶された全ての旅客が利用した場合の各旅客の不効用値を旅客コストとして算出して総計する旅客コスト算出処理手段(例えば、図8のステップB9、図9のステップC11)、
所与の列車ダイヤに対して、当該ダイヤを運行した場合の事業者の運行コストを算出する運行コスト算出処理手段(例えば、図8のステップB9、図9のステップC11)、
候補解ダイヤを前記所与の列車ダイヤとして前記旅客コスト算出処理手段及び前記運行コスト算出処理手段に与えて、前記旅客コスト及び運行コストを算出させる処理を、候補解ダイヤを変更しつつ繰り返し行わせて、算出された旅客コスト及び運行コストの合計が最も低い候補解ダイヤを回答ダイヤとして決定する繰り返し演算制御手段(例えば、図9の図9のステップC1〜C23)、
として機能させるためのプログラム(例えば、図1の列車ダイヤ作成プログラム51)である。
また、他の発明として、
少なくとも出発駅と到着駅と到着希望時刻とが旅客人数分記憶された旅客要求データベース(以下「旅客要求DB」と呼ぶ。)と、
所与の列車ダイヤに対して、前記旅客要求DBに記憶された全ての旅客が利用した場合の各旅客の不効用値を旅客コストとして算出して総計する旅客コスト算出処理手段と、
所与の列車ダイヤに対して、当該ダイヤを運行した場合の事業者の運行コストを算出する運行コスト算出処理手段と、
候補解ダイヤを前記所与の列車ダイヤとして前記旅客コスト算出処理手段及び前記運行コスト算出処理手段に与えて、前記旅客コスト及び運行コストを算出させる処理を、候補解ダイヤを変更しつつ繰り返し行わせて、算出された旅客コスト及び運行コストの合計が最も低い候補解ダイヤを回答ダイヤとして決定する繰り返し演算制御手段と、
を備える列車ダイヤ作成装置(例えば、図1の列車ダイヤ作成装置1)を構成しても良い。
この第1の発明等によれば、候補ダイヤが変更されながら、旅客コスト算出処理手段により各旅客の不効用値を旅客コストとして算出する処理が繰り返し行われ、また、運行コスト算出処理手段により事業者の運行コストを算出する処理が繰り返し行われる。そして、算出された旅客コスト及び運行コストの合計が最も低い候補解ダイヤが回答ダイヤとして決定される。
旅客コストは、機会損失や不快適性といった旅客が被る損失を表した評価値であり、この旅客コストが低いほど、旅客が被る損失は小さいことになる。回答ダイヤとして決定される候補解ダイヤは、低い旅客コストを有している可能性が高いため、回答ダイヤは、旅客の要求が反映された列車ダイヤである可能性が高い。従って、実際の旅客の要求が反映された列車ダイヤが作成されるようになる。
また、運行コストは、人件費や動力費といった事業者が被る損失を表す評価値であり、この運行コストが低いほど、事業者が被る損失は小さいことになる。旅客コストばかりでなく、運行コストも回答ダイヤの決定に影響するため、事業者のコストもまた反映されることになる。
また、第2の発明として、第1の発明のプログラムであって、
前記繰り返し演算制御手段が、
列車本数を徐々に増やしていくように候補解ダイヤを変更して、前記旅客コスト算出処理手段及び前記運行コスト算出処理手段に旅客コスト及び運行コストを算出させ、算出された旅客コスト及び運行コストの合計が最も低かった列車本数の候補解ダイヤを初期解ダイヤとして決定する初期解演算制御手段(例えば、図8のステップB1〜B17)と、
前記初期解演算制御手段により決定された初期解ダイヤを当初の暫定解ダイヤとし、1)暫定解ダイヤの一部分を変更した改良解ダイヤを作成して、2)改良解ダイヤを前記所与の列車ダイヤとして前記旅客コスト算出処理手段及び前記運行コスト算出処理手段に与えて前記旅客コスト及び運行コストを算出させ、3)改良解ダイヤを新たな暫定解ダイヤとする1)〜3)の処理を繰り返し行って、2)で算出された旅客コスト及び運行コストの合計が最も低かった暫定解ダイヤを出力解ダイヤとして決定する出力解演算制御手段(例えば、図9のステップC1〜C23)と、
を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第2の発明によれば、列車本数を徐々に増やしていくように候補解ダイヤを変更しながら、旅客コスト及び運行コストが算出され、旅客コスト及び運行コストの合計が最も低かった列車本数の候補解ダイヤが初期解ダイヤとして決定される。また、初期解ダイヤを当初の暫定解ダイヤとし、1)暫定解ダイヤの一部分を変更した改良解ダイヤを作成して、2)改良解ダイヤを所与の列車ダイヤとして旅客コスト及び運行コストを算出し、3)改良解ダイヤを新たな暫定解ダイヤとする1)〜3)の処理が繰り返し行われ、2)で算出された旅客コスト及び運行コストの合計が最も低かった暫定解ダイヤが出力解ダイヤとして決定される。
列車本数を徐々に増やしながら、旅客コスト及び運行コストの合計が最も低い候補解ダイヤを求めるようにしたことで、最適な候補解ダイヤが取得されずに埋もれてしまうといった事態が効果的に回避されるようになる。また、暫定解ダイヤを逐次改良していくため、出力解ダイヤとして選ばれる暫定解ダイヤが適切なものである可能性が高くなる。
また、第3の発明として、第2の発明のプログラムであって、
前記出力解演算制御手段が、
列車ダイヤに対する旅客の不満条件として予め定められた不満条件(例えば、図3の抽出条件593)を満たすダイヤ部分を前記暫定解ダイヤの中から検出する検出手段(例えば、図9のステップC3)と、
前記検出手段により検出されたダイヤ部分の不満条件を解消させるように暫定解ダイヤを変更した改良解ダイヤを作成する改良解ダイヤ作成手段(例えば、図9のステップC7)と、
を、前記1)の処理手段として有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第3の発明によれば、列車ダイヤに対する旅客の不満条件として予め定められた不満条件を満たすダイヤ部分が暫定解ダイヤの中から検出され、検出されたダイヤ部分の不満条件を解消させるように暫定解ダイヤを変更した改良解ダイヤが作成される。従って、旅客に不利益をもたらすダイヤ部分が、適切に修正されるようになる。
また、第4の発明として、第3の発明のプログラムであって、
前記検出手段が、前記旅客要求DBに記憶された全ての旅客が前記暫定解ダイヤに沿って乗車した場合の旅客流動シミュレーション処理を行う旅客流動シミュレーション処理手段(例えば、図9のステップC9)を有し、この旅客流動シミュレーション処理手段による処理結果に基づいて、前記不満条件を満たすダイヤ部分を検出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第4の発明によれば、旅客要求DBに記憶された全ての旅客が暫定解ダイヤに沿って乗車した場合の旅客流動シミュレーション処理が行われ、この旅客流動シミュレーション処理の結果に基づいて、不満条件を満たすダイヤ部分が検出されることになる。
また、第5の発明として、第4の発明のプログラムであって、
前記検出手段が、各列車の乗車人数に基づいて前記不満条件を満たすダイヤ部分を検出する乗車人数基準検出手段(例えば、図9のステップC3、図3のダイヤ改良処理用テーブル59)を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第5の発明によれば、各列車の乗車人数に基づいて、不満条件を満たすダイヤ部分が検出される。列車の乗車人数が極端に多い場合には、旅客が不快感を感じるため、旅客側が不利益を被ることになるが、列車の乗車人数が極端に少ない場合には、鉄道事業者の利益が減少するため、事業者側が不利益を被ることになる。しかし、乗車人数に基づいて不満条件を満たすダイヤ部分を検出するようにしたことで、乗車人数が好ましくないダイヤ部分が適切に検出されるようになる。
また、第6の発明として、第4又は第5の発明のプログラムであって、
前記検出手段が、
各旅客について、到着駅に到着した時刻と到着希望時刻との差を算出する乖離時刻算出手段(例えば、図9のステップC3、図3のダイヤ改良処理用テーブル59)と、
前記乖離時刻算出手段の算出結果に基づいて前記不満条件を満たすダイヤ部分を検出する乖離時刻基準検出手段(例えば、図9のステップC3、図3のダイヤ改良処理用テーブル59)と、
を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第6の発明によれば、各旅客について、到着駅に到着した時刻と到着希望時刻との差が算出され、その算出結果に基づいて不満条件を満たすダイヤ部分が検出される。実際に到着駅に到着した時刻と到着希望時刻との差が大きい場合には、旅客の待ち時間が長くなるため、旅客側が不利益を被ることになる。しかし、例えば到着駅に到着した時刻と到着希望時刻との差が大きくなるようなダイヤ部分を検出することにすれば、旅客に不利益をもたらすダイヤ部分が適切に検出されるようになる。
本発明によれば、候補ダイヤが変更されながら、旅客コスト算出処理手段により各旅客の不効用値を旅客コストとして算出する処理が繰り返し行われ、また、運行コスト算出処理手段により事業者の運行コストを算出する処理が繰り返し行われる。そして、算出された旅客コスト及び運行コストの合計が最も低い候補解ダイヤが回答ダイヤとして決定される。
旅客コストは、機会損失や不快適性といった旅客が被る損失を表した評価値であり、この旅客コストが低いほど、旅客が被る損失は小さいことになる。回答ダイヤとして決定される候補解ダイヤは、低い旅客コストを有している可能性が高いため、回答ダイヤは、旅客の要求が反映された列車ダイヤである可能性が高い。従って、実際の旅客の要求が反映された列車ダイヤが作成されるようになる。
また、運行コストは、人件費や動力費といった事業者が被る損失を表す評価値であり、この運行コストが低いほど、事業者が被る損失は小さいことになる。旅客コストばかりでなく、運行コストも回答ダイヤの決定に影響するため、事業者のコストもまた反映されることになる。
1.実施例
以下、図面を参照して、本発明を適用した列車ダイヤ作成装置1について説明する。
1−1.構成
先ず、構成について説明する。
図1は、列車ダイヤ作成装置1の機能構成を示すブロック図である。
列車ダイヤ作成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10と、入力部20と、表示部30と、通信部40と、ハードディスク50と、RAM(Random Access Memory)60とを備え、各部はバス70で相互にデータ通信可能に接続されて構成されるコンピュータシステムである。
CPU10は、ハードディスク50に記憶されているシステムプログラム等に従って各部を統括的に制御する。また、CPU10は、ハードディスク50に記憶されている列車ダイヤ作成プログラム51に従って列車ダイヤ作成処理を行うことで列車ダイヤを作成し、作成した列車ダイヤを表示部30に表示させる。
入力部20は、例えばキーボード等により実現され、押下されたキーの信号をCPU10に出力する。この入力部20によるキー操作により、各種データの入力や処理指示等がなされる。
表示部30は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU10から入力される表示信号に基づいた各種表示を行う表示装置である。
通信部40は、CPU10の制御に基づいて、装置内部で利用される情報をインターネット等の通信ネットワークを介して外部とやりとりするための通信装置である。
ハードディスク50は、列車ダイヤ作成装置1が備える各種機能を実現するためのプログラムやデータ等を記憶し、CPU10により読み出され、列車ダイヤ作成処理(図7参照)として実行される列車ダイヤ作成プログラム51と、列車ダイヤデータ53と、線路データ55と、旅客要求データ57と、ダイヤ改良処理用テーブル59とを備えている。また、列車ダイヤ作成プログラム51は、初期解生成処理(図8参照)として実行される初期解生成プログラム511と、ダイヤ改良処理(図9参照)として実行されるダイヤ改良プログラム513とをサブルーチンとして備えている。
列車ダイヤ作成処理とは、CPU10が、初期解生成処理及びダイヤ改良処理を行って、列車ダイヤの作成を行う処理である。この列車ダイヤ作成処理については、詳細に後述する。
初期解生成処理とは、CPU10が、ダイヤ改良処理の初期解となる列車ダイヤ(以下、「初期解ダイヤ」と呼ぶ。)を生成する処理である。具体的には、CPU10は、作成の対象となる列車ダイヤの部分(以下、「ダイヤ部分」と呼ぶ。)について、上り、下り、それぞれN本の列車を設定した仮ダイヤを作成する。そして、CPU10は、作成した仮ダイヤに対する旅客流動シミュレーションを行い、ダイヤ評価処理により、当該仮ダイヤの評価を行う。CPU10は、上述した処理を、N=0から順に列車の運行が不可能となるまでNの数を増加させて繰り返し実行し、最も評価の高い仮ダイヤを初期解ダイヤに決定する。
ここで、旅客流動シミュレーション及びダイヤ評価処理について説明する。
旅客流動シミュレーションは、旅客要求データ57(図2参照)を基に、各旅客それぞれについて、当該旅客が出発駅571を出発して、到着希望時刻575以前に到着駅573に到着する場合の乗車シミュレーションを、処理対象の列車ダイヤに対して行う処理である。この旅客流動シミュレーションにより、各旅客の利用列車、乗車時間、待ち時間、乗換回数、各列車の各区間における乗車人数、混雑度等のパラメータが算出される。なお、旅客流動シミュレーションは、公知の処理であるため、詳細な説明を省略する。
図2は、旅客要求データ57のデータ構成例を示す図である。
旅客要求データ57には、各旅客について、出発駅571と、到着駅と573と、到着希望時刻575とが対応付けられている。到着希望時刻575とは、当該旅客が到着駅に到着したい時刻であり、作成対象の列車ダイヤの各路線を利用する旅客人数分、例えば10万人分のデータが格納される。
ダイヤ評価処理は、列車ダイヤの評価を行う処理である。初期解生成処理では、CPU10は、旅客流動シミュレーションにより求められた各種パラメータを用いて、列車ダイヤの評価値Eを算出する。
評価値Eは、機会損失や不快適性といった旅客の損失を定量化した旅客コストLと、人件費、動力費といった鉄道事業者の損失を定量化した運行コストCとの和で表される(次式(1))。
先ず、旅客コストLの算出方法について説明する。
旅客コストLを算出するに当たり、各旅客の不効用を表す不効用値Uを算出する。今、旅客pの不効用値をUで表すことにすると、Uは次式(2)に従って算出される。
ここで、Tは旅客pの乗車時間、Wは旅客pの待ち時間、Nは旅客pの乗換回数、Qは旅客pが乗車した列車の集合、Rp,mは旅客pが列車mで通過した駅間の集合、tm,xyは列車mのx駅→y駅間の走行時間、Conjm,xyは列車mのx駅→y駅間の混雑度をそれぞれ表しており、これらの値は、旅客流動シミュレーションによって求められる。また、α、β、γ、δは定数である。
式(2)で求められる各旅客の不効用値Uに基づいて、旅客コストLは次式(3)に従って算出される。
ここで、Vは時間評価値と呼ばれる定数であり、単位乗車時間当たりの損失額[円/分]を表したものである。例えば、48.2[円/分]として設定される。式(3)から明らかなように、旅客コストLは、全ての旅客についての不効用値Uの総和に、時間評価値を乗算することで求められる。
次に、運行コストCの算出方法について説明する。
運行コストCは、式(4)に従って算出される。
ここで、kは列車走行1km当たりの鉄道事業営業費[円/km]を表しており、dは列車mの走行距離を表している。この鉄道事業営業費kとしては、例えば6,152[円/km]が設定される。式(4)から明らかなように、運行コストCは、全ての列車についての走行距離の総和に、列車走行1km当たりの鉄道事業営業費を乗算することで求められる。
評価値Eは、旅客の損失(旅客コストL)と、事業者の損失(運行コストC)との和で表されるため、評価値Eが小さい列車ダイヤほど、有益なダイヤである可能性が高い。
ダイヤ改良処理とは、CPU10が、初期解生成処理によって求められた初期解ダイヤを初期解とし、不満部分を修正していく処理を繰り返し実行することで、最終的な列車ダイヤを作成する処理である。
ダイヤ改良処理を具体的に説明すると、CPU10は、繰り返し処理において、現在処理中のダイヤの中から旅客又は鉄道事業者に不利益をもたらすダイヤ部分(以下、「不満部分」と呼ぶ。)を抽出する不満部分抽出処理を行い、抽出した不満部分の中から一の不満部分を改良部分として選択する改良部分選択処理を行う。そして、CPU10は、選択した改良部分を修正して改良解ダイヤを作成する改良解ダイヤ作成処理を行い、作成した改良解ダイヤに対して旅客流動シミュレーションを行う。そして、CPU10は、ダイヤ評価処理を実行し、改良解ダイヤの採否を判断する改良解ダイヤ採否判断処理を行って、最も評価の高い改良解ダイヤを保存した上で、改良解ダイヤ又は改良前のダイヤから再度不満部分を抽出して改良していく処理を繰り返し実行していく。繰り返し処理の結果、保存された最も評価の高い改良解ダイヤを出力解ダイヤに決定する。
ここで、ダイヤ改良処理において行われる各種処理について、詳細に説明する。尚、旅客流動シミュレーション及びダイヤ評価処理については、初期解生成処理における処理と同一であるため、説明を省略する。
図3は、不満部分抽出処理、改良部分選択処理及び改良解ダイヤ作成処理において用いられるテーブルであるダイヤ改良処理用テーブル59の構成を示す図である。ダイヤ改良処理用テーブル59には、番号591と、抽出条件593と、不満度算出方法595と、修正内容597とが対応付けられている。
不満部分抽出処理では、CPU10は、現在解ダイヤの中から、抽出条件593に合致するダイヤ部分を不満部分として抽出する。そして、CPU10は、抽出した各不満部分について、不満度算出方法595に基づいて不満度fを算出する。ここで、不満度fは、値が大きいほど旅客又は事業者の不満が大きいことを表す評価値である。
改良部分選択処理では、CPU10は、不満部分抽出処理によって抽出された各不満部分について確率Pを設定し、この確率Pに従って、一の不満部分を改良部分として選択する。今、i番目の不満部分の不満度をfiで表すことにすると、当該不満部分に設定される確率Piは次式(5)で表される。
式(5)から明らかなように、不満度fが小さい不満部分ほど、改良部分として選択される確率は低くなる。
改良解ダイヤ作成処理では、CPU10は、改良部分選択処理により選択された改良部分について、修正内容597に従ったダイヤの修正を行う。
次に、具体例を挙げて、上述した処理について説明する。
図3のダイヤ改良処理用テーブル59において、1番目の抽出条件593は、「当該列車の当該区間における乗客数が150人以上」であることである。これは、列車の乗客数が多過ぎるために、旅客が不満を感じることを示している。
この場合は、修正内容597に従って、「当該列車の当該区間における発駅の発時刻を1分遅らせる」修正が行われる。このような修正が行われるのは、発駅における列車の発時刻を遅らせることで、列車の乗客数を減少させることができるからである。
例えば、図4(a)の列車ダイヤにおいて、乗客A〜Gは、到着希望時刻までに到着駅に到着するために1列車に乗車することが考えられる。しかし、1列車の発駅における発時刻を遅らせると、乗客A〜Cは1列車よりも前の列車(図示せず)に乗車することを余儀なくされるため、1列車に乗車する乗客は乗客D〜Gとなり、1列車の乗客数は減少する。
尚、当該列車(1列車)の発時刻を遅らせるのではなく、次列車(2列車)の着時刻を早めることにしても同様の効果を得ることができるため、そのような修正を行うことにしても勿論良い。
2番目の抽出条件593は、「当該列車の当該区間における乗客数が100人未満」であることである。これは、列車の乗客数が少な過ぎるために、鉄道事業者が不利益を被ることを示している。
この場合は、修正内容597に従って、「当該列車の当該区間における発駅の発時刻を1分早める」修正が行われる。このような修正が行われるのは、発駅における列車の発時刻を早めることで、列車の乗客数を増加させることができるからである。
例えば、図4(b)の列車ダイヤにおいて、乗客A〜Cは、到着希望時刻までに到着駅に到着するために1列車よりも前の列車(図示せず)に乗車することになり、乗客D〜Gは、1列車に乗車することになる。しかし、1列車の発駅における発時刻を早めると、乗客A〜Cも1列車に乗車することができるようになり、1列車の乗客数は増加する。
尚、当該列車(1列車)の発時刻を早めるのではなく、次列車(2列車)の着時刻を遅らせることにしても同様の効果を得ることができるため、そのような修正を行うことにしても勿論良い。
1番目の抽出条件と2番目の抽出条件とは相反する条件のようにも考えられるが、実際に改良部分として選択されるか否かは、不満度算出方法595によって算出されたそれぞれの不満度に従った確率によって選択される。以下の抽出条件も同様である。
3番目の抽出条件593は、「当該列車の当該区間における到着駅への着時刻と到着希望時刻との時間差が10分以上となる乗客数が40人以上」であることである。これは、到着希望時刻よりもだいぶ早くに到着駅に到着してしまった乗客が、待ち時間の不満を感じることを示している。
この場合は、修正内容597に従って、「当該列車の当該区間における発駅の発時刻を2分遅らせる」修正が行われる。このような修正が行われるのは、発駅における列車の発時刻を遅らせることで、乗客の待ち時間を短縮させることができるからである。
例えば、図4(c)の列車ダイヤにおいて、乗客D〜Gは、1列車に乗車して到着駅に到着した後、かなり長い時間待つことになってしまう。しかし、1列車の発駅における発時刻を遅らせると、到着駅への着時刻が遅くなるため、乗客D〜Gの待ち時間は短縮される。
尚、当該列車(1列車)の発時刻を遅らせるのではなく、次列車(2列車)の着時刻を早めることにしても同様の効果を得ることができるため、そのような修正を行うことにしても勿論良い。
4番目の抽出条件593は、「当該列車の当該区間における走行時間と基準運転時間との時間差が2分以上」であることである。これは、電車の遅延の原因となる等、旅客が不満を感じることを示している。
この場合は、修正内容597に従って、「着時刻をそのままにして、当該列車の当該区間における発駅の発時刻を1分遅らせる」修正が行われる。このような修正が行われるのは、列車の走行時間が短縮されることが期待されるからである。
例えば、図4(d)の列車ダイヤにおいて、1列車の着時刻をそのままにして発時刻を遅らせることで、1列車の走行時間が短縮されることが期待できる。
尚、着時刻をそのままにして、当該列車(1列車)の当該区間における発駅の発時刻を1分遅らせるのではなく、発時刻をそのままにして、当該列車(1列車)の当該区間における到着駅への着時刻を早めることにしても同様の効果を得ることができるため、そのような修正を行うことにしても勿論良い。
5番目の抽出条件593は、「イ)当該列車の当該区間の乗客数と、直前の列車の当該区間の乗客数との和(以下、「第1乗客数」と呼ぶ。)が150人未満であり、ロ)当該列車の折返し列車の当該区間の乗客数と、当該列車の折返し列車の直前の列車の当該区間の乗客数との和(以下、「第2乗客数」と呼ぶ。)が150人未満であり、且つ、ハ)当該列車の当該区間の発駅に折返し番線が存在する」ことである。
例えば、図5(a)において、B駅からA駅に向かう3列車(当該列車)の乗客数が少なく、また、A駅からB駅に向かう4列車(当該列車の折返し列車)の乗客数が少ない場合には、3列車のB駅−A駅間及び4列車のA駅−B駅間は運休にした方が効率的である。
この場合は、修正内容597に従って、「当該列車を当該区間の発駅で折返し、折返し列車とする(山切り実施)」修正が行われる。図5(a)では、B駅からA駅に向かう3列車がB駅において折返し、B駅からC駅に向かう4列車となる。
尚、イ)及びロ)の閾値判定において、当該列車(3列車)の直前の列車(1列車)と、当該列車の折返し列車(4列車)の直前の列車(2列車)の乗客数とを計算に含めるのは、当該列車(3列車)を運休とすることで、その直前の列車(1列車)に乗客が集中する可能性があり、また、当該列車の折返し列車(4列車)を運休とすることで、その直前の列車(2列車)に乗客が集中する可能性があるからである。
6番目の抽出条件593は、「イ)当該列車の当該区間の乗客数と、直前の列車の当該区間の乗客数との和(第1乗客数)が150人未満であり、ロ)当該列車の直前の列車の折返し列車の当該区間の乗客数と、当該折返し列車の直前の列車の当該区間の乗客数との和(以下、「第3乗客数」と呼ぶ。)が150人未満であり、且つ、ハ)当該列車の当該区間の発駅に折返し番線が存在する」ことである。
例えば、図5(b)において、B駅からA駅に向かう3列車(当該列車)の乗客数が少なく、また、A駅からB駅に向かう4列車(当該列車の直前の列車の折返し列車)の乗客数が少ない場合には、3列車のB駅−A駅間及び4列車のA駅−B駅間は運休にした方が効率的である。
この場合は、修正内容597に従って、「当該列車を当該区間の発駅で折返し、折返し列車とする。また、当該列車の直前の列車を当該区間の着駅で折返し、折返し列車とする(タスキ切り実施)」修正が行われる。図5(b)では、B駅からA駅に向かう3列車がB駅において折返し、B駅からC駅に向かう4列車となる。また、B駅からA駅に向かう1列車がA駅において折返し、A駅からB駅に向かう6列車となる。
尚、イ)及びロ)の閾値判定において、当該列車(3列車)の直前の列車(1列車)と、当該列車の直前の列車の折返し列車(4列車)の直前の列車(2列車)の乗客数とを計算に含めるのは、当該列車(3列車)を運休とすることで、その直前の列車(1列車)に乗客が集中する可能性があり、また、当該列車の直前の列車の折返し列車(4列車)を運休とすることで、その直前の列車(2列車)に乗客が集中する可能性があるからである。
ダイヤ改良処理の説明に戻って、改良解ダイヤ採否判断処理では、CPU10は、ダイヤ評価処理で求められた評価値Eに基づいて、メタヒューリスティクスの手法に基づいた改良解ダイヤの採否判断を行う。即ち、改良後の解を残すか否かを判断する。ここで、メタヒューリスティクスとは、組合せ最適化問題に対する解法として局所探索法などの発見的手法を用いた一般的な枠組みであり、遺伝的アルゴリズム(GA)や、逐次改善法、シミュレーティッド アニーリング(SA)等がこれに含まれる。
列車ダイヤデータ53は、通常運行時の列車ダイヤについてのデータであり、列車ダイヤを構成する列車の列車情報が記憶されている。具体的には、各列車の列車番号、各駅における着発時刻、列車種別の情報が記憶されている。この列車ダイヤデータ53は、例えば初期解生成処理において、初期解ダイヤを作成する際に参照される。
線路データ55は、各駅の設備条件や各駅における列車運行条件等が記憶されたデータである。具体的には、発着可能な番線、当該駅への列車の進入・進出ルート、列車運転間隔、駅間走行時分の情報が各駅毎に記憶されている。この線路データ55は、例えば初期解生成処理において、ダイヤに沿った列車の運行が可能であるか否かを判断したり、不満部分抽出処理において、不満部分を抽出する際に参照される。
RAM60は、CPU10により実行されるシステムプログラム、各種処理プログラム、各種処理の処理中データ、処理結果などを一時的に記憶するワークエリアを形成している。RAM60には、例えば、初期解ダイヤデータ61と、出力解ダイヤデータ63と、抽出不満部分データ65とが記憶されるが、その他、各処理において一時的に生成されるダイヤデータが記憶される。
初期解ダイヤデータ61には、初期解生成処理においてCPU10により生成される初期解ダイヤ及びその評価値Eが記憶される。出力解ダイヤデータ63には、ダイヤ改良処理においてCPU10により生成される出力解ダイヤ及びその評価値Eが記憶される。
抽出不満部分データ65は、不満部分抽出処理においてCPU10により抽出された不満部分についてのデータであり、そのデータ構成例を図6に示す。抽出不満部分データ65には、番号651と、不満部分653と、不満度655とが対応付けて記憶される。
1−2.処理の流れ
次に、処理の流れについて説明する。
図7は、CPU10により列車ダイヤ作成プログラム51が読み出されて実行されることにより列車ダイヤ作成装置1において実行される列車ダイヤ作成処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、CPU10は、初期解生成プログラム511を実行することで初期解生成処理を行う(ステップA1)。次いで、CPU10は、ダイヤ改良プログラム513を実行することでダイヤ改良処理を行う(ステップA3)。そして、CPU10は、列車ダイヤ作成処理を終了する。
図8は、初期解生成処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、CPU10は、列車の本数Nを「0」に設定する(ステップB1)。そして、CPU10は、作成の対象となるダイヤ部分について、上り、下り、それぞれN本の列車を等間隔に走行させる場合の仮ダイヤを作成する(ステップB3)。
次いで、CPU10は、当該仮ダイヤに沿った列車の運行が可能であるか否かを判定する(ステップB5)。具体的には、CPU10は、線路データ55を参照して、列車の番線の競合がないか、列車の運転間隔が適切であるか、等の判断を行う。
ステップB5において運行が可能であると判定した場合は(ステップB5;Yes)、CPU10は、当該仮ダイヤに対する旅客流動シミュレーションを行う(ステップB7)。そして、CPU10は、旅客流動シミュレーションにより求められた各種パラメータを用いて、式(1)〜(4)に従って当該仮ダイヤの評価値Eを算出することで、ダイヤ評価処理を行う(ステップB9)。
次いで、CPU10は、当該仮ダイヤが最良解であるか否かを判定する(ステップB11)。具体的には、CPU10は、ステップB9で算出した当該仮ダイヤの評価値Eが、現在保存されている仮ダイヤの評価値Eよりも小さい場合に、当該仮ダイヤを最良解と判定する。
ステップB11において当該仮ダイヤが最良解であると判定した場合は(ステップB11;Yes)、CPU10は、当該仮ダイヤ及びその評価値Eを保存し(ステップB13)、列車の本数Nをインクリメントして(ステップB15)、ステップB3に戻る。また、ステップB11において当該仮ダイヤが最良解ではないと判定した場合は(ステップB11;No)、CPU10は、ステップB15へと処理を移行する。
一方、ステップB5において運行が不可能であると判定した場合は(ステップB5;No)、CPU10は、現在保存されている仮ダイヤを初期解ダイヤに決定し(ステップB17)、評価値Eと共に初期解ダイヤデータ61としてRAM60に記憶させて、初期解生成処理を終了する。
図9は、ダイヤ改良処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、CPU10は、初期解ダイヤデータ61に記憶されている初期解ダイヤを現在解ダイヤとする(ステップC1)。そして、CPU10は、不満部分抽出処理を行い、現在解ダイヤの中から不満部分を抽出する(ステップC3)。
具体的には、CPU10は、ダイヤ改良処理用テーブル59を参照し、現在解ダイヤの中から抽出条件593を具備するダイヤ部分全てを不満部分として抽出する。また、CPU10は、抽出した各不満部分それぞれについて、不満度算出方法595に従って不満度fを算出する。そして、CPU10は、抽出した全ての不満部分を不満度fと対応付けて、抽出不満部分データ65に記憶させる。
次いで、CPU10は、改良部分選択処理を行い、不満部分抽出処理により抽出された不満部分のうちの一の不満部分を改良部分として選択する(ステップC5)。具体的には、CPU10は、各不満部分について、式(5)に従って確率Pを設定し、設定した確率Pに従って改良部分を選択するようにする。
そして、CPU10は、改良解ダイヤ作成処理を行うことで、改良解ダイヤを作成する
(ステップC7)。具体的には、CPU10は、ダイヤ改良処理用テーブル59の修正内容597に従って、ステップC5で選択した改良部分の修正を行う。
その後、CPU10は、当該改良解ダイヤに対する旅客流動シミュレーションを行う(ステップC9)。そして、CPU10は、旅客流動シミュレーションにより求められた各種パラメータを用いて、式(1)〜(4)に従って当該改良解ダイヤの評価値Eを算出することで、ダイヤ評価処理を行う(ステップC11)。
次いで、CPU10は、改良解ダイヤ採否判断処理を行うことで、当該改良解ダイヤの採否判断を行う(ステップC13)。具体的には、CPU10は、メタヒューリスティクスの手法に従って、当該改良解ダイヤを解として採用するか否かを判断する。
そして、当該改良解ダイヤを解として採用すると判断した場合は(ステップC15;Yes)、CPU10は、当該改良解ダイヤ及びその評価値EをRAM60に保存し(ステップC17)、当該改良解ダイヤで現在解ダイヤを更新する(ステップC19)。また、当該改良解ダイヤを解として採用しないと判断した場合は(ステップC15;No)、CPU10は、ステップC21へと処理を移行する。
次いで、CPU10は、処理を終了するか否かを判定する(ステップC21)。具体的には、CPU10は、予め定められた回数(例えば1万回)だけ、ステップC3〜C19の処理が繰り返し実行されたか否かを判定する。
ステップC21において処理を終了しないと判定した場合は(ステップC21;No)、CPU10は、ステップC3に戻る。また、処理を終了すると判定した場合は(ステップC21;Yes)、CPU10は、現在解ダイヤを出力解ダイヤに決定して(ステップC23)、その評価値Eと共に出力解ダイヤデータ63としてRAM60に記憶させて、ダイヤ改良処理を終了する。
1−3.実験結果
次に、列車ダイヤ作成処理を行って、実際に列車ダイヤを作成した場合の実験結果について説明する。ここでは、首都圏のある路線(駅1〜駅25)をモデルとして、平日の日中12時〜14時の列車ダイヤの作成を行った。
先ず、図10〜図12を参照して、旅客要求データ57として駅18〜駅25を利用する旅客が少ないもの、即ち駅18〜駅25の需要が少ないものを与えた場合の実験結果について説明する。
図10は、処理を行う前の列車ダイヤを示す図である。中央部の12時〜14時までの部分において列車が設定されていないことがわかる。
図11は、初期解生成処理において生成された仮ダイヤの一例を示す図である。ここでは、中央部の12時〜14時までの部分において、上り、下り、それぞれ9本の列車が等間隔に設定されていることがわかる。
図12は、最終的に求められた出力解ダイヤを示す図である。駅19〜駅25を運行する列車の本数が少なく設定されており(同図中の丸W1の部分)、旅客の要求が反映された列車ダイヤが作成されたと言える。
次に、図13を参照して、駅20付近で13時前後にイベントが開催されることを仮定した旅客要求データ57を与えた場合の実験結果について説明する。具体的には、旅客要求データ57として、到着駅が駅20であり、到着希望時刻が12時半〜13時半である旅客が多いものを与えた場合の実験結果について説明する。
図13は、最終的に求められた出力解ダイヤを示す図である。12時半〜13時間半に駅20に到着する列車の本数が多く設定されており(同図中の丸W2の部分)、旅客の要求が反映された列車ダイヤが作成されたと言える。
1−4.作用効果
本実施例によれば、初期解生成処理により生成された初期解ダイヤを初期解として、ダイヤを修正しながら、旅客コストL及び運行コストCを算出する処理が繰り返し行われ、算出された旅客コストLと運行コストCとの和で表される評価値Eが最も低いダイヤが、出力解ダイヤとして決定される。
旅客コストLは、機会損失や不快適性といった旅客が被る損失を表した評価値であり、この旅客コストLが低いほど、旅客が被る損失は小さいことになる。出力解ダイヤとして決定されるダイヤは、低い旅客コストLを有している可能性が高いため、出力解ダイヤは、旅客の要求が反映された列車ダイヤである可能性が高い。従って、実際の旅客の要求が反映された列車ダイヤが作成されるようになる。
また、運行コストCは、人件費や動力費といった事業者が被る損失を表す評価値であり、この運行コストCが低いほど、事業者が被る損失は小さいことになる。旅客コストLばかりでなく、運行コストCも出力解ダイヤの決定に影響するため、事業者のコストもまた反映されることになる。
また、旅客要求データ57に記憶された抽出条件573を具備するダイヤ部分が不満部分として抽出され、抽出条件573を解消するように不満部分が修正されて、改良解ダイヤが作成される。従って、旅客に不利益をもたらすダイヤ部分が、適切に修正されるようになる。
1−5.変形例
1−5−1.旅客要求データ
本実施例では、旅客要求データ57に旅客の到着希望時刻575を記憶させることとして説明したが、到着希望時刻575ではなく、出発時刻を記憶させることにしても良い。この場合は、ダイヤ改良処理用データ59の抽出条件593、不満度算出方法595及び修正内容597を適宜変更することで、同様に処理を行うことが可能になる。
1―5−2.ダイヤ改良処理
ダイヤ改良処理では、1つの改良解ダイヤを保存しておくものとして説明したが、複数の改良解ダイヤを出力解ダイヤの候補として保存しておき、その中から最適な改良解ダイヤを選択するようにしても良い。具体的には、例えば評価の高い順に、常に3個の改良解ダイヤを保存しておくこととし、評価値Eの大きさに基づいて、1ループ毎に改良解ダイヤの入替えを行う。そして、最終的に保存されている3つの改良解ダイヤの中から、メタヒューリスティクス等の手法に基づいて1つの改良解ダイヤを選択して、出力解ダイヤとする。
1−5−3.解の採否判断
ダイヤ改良処理では、評価値Eの大きさに基づいて解の採否判断を行うものとして説明したが、このような構成を採るのではなく、不満部分抽出処理において算出した不満度fの総和を算出し、この値の大きさに基づいて解の採否判断を行うことにしても良い。不満度fは、旅客又は事業者の不満の大きさを表しているため、評価値Eとほぼ同様の意味を有するからである。
1−5−4.改良部分の修正
ダイヤ改良処理では、1ループにつき、不満部分の中から1箇所を改良部分として選択して修正することとして説明したが、複数箇所を改良部分として選択して修正することにしても良い。例えば、1ループにつき、10箇所の不満部分を改良部分として選択して修正するようにする。
1−5−5.評価値Eの算出
本実施例では、評価値Eを式(1)のように旅客コストLと運行コストCとの和で表現するものとして説明したが、それぞれのコストに重みを設定して、重み付け和として表現しても良い。具体的には、λ、ωを重みとして、評価値Eを次式(6)に従って算出する。
このようにすることで、旅客の損失を重視したい場合はλの値を大きく設定し、逆に事業者の損失を重視したい場合はωの値を大きく設定することで、適切に列車ダイヤの評価を行うことができるようになる。
列車ダイヤ作成装置の機能構成を示すブロック図。 旅客要求データのデータ構成例を示す図。 ダイヤ改良処理用テーブルのテーブル構成例を示す図。 改良解ダイヤ作成の説明図。 改良解ダイヤ作成の説明図。 抽出不満部分データのデータ構成例を示す図。 列車ダイヤ作成処理の流れを示すフローチャート。 初期解生成処理の流れを示すフローチャート。 ダイヤ改良処理の流れを示すフローチャート。 実際に列車ダイヤを作成した場合の実験結果を示す図。 実際に列車ダイヤを作成した場合の実験結果を示す図。 実際に列車ダイヤを作成した場合の実験結果を示す図。 実際に列車ダイヤを作成した場合の実験結果を示す図。 旅客の要求を反映した列車ダイヤの一例を示す図。
符号の説明
1 列車ダイヤ作成装置
10 CPU
20 入力部
30 表示部
40 通信部
50 ハードディスク
51 列車ダイヤ作成プログラム
511 初期解生成プログラム
513 ダイヤ改良プログラム
53 列車ダイヤデータ
55 線路データ
57 旅客要求データ
59 ダイヤ改良処理用テーブル
60 RAM
61 初期解ダイヤデータ
63 出力解ダイヤデータ
65 抽出不満部分データ
70 バス

Claims (6)

  1. 少なくとも出発駅と到着駅と到着希望時刻とが旅客人数分記憶された旅客要求データベース(以下「旅客要求DB」と呼ぶ。)を備えるコンピュータを、
    所与の列車ダイヤに対して、前記旅客要求DBに記憶された全ての旅客が利用した場合の各旅客の不効用値を旅客コストとして算出して総計する旅客コスト算出処理手段、
    所与の列車ダイヤに対して、当該ダイヤを運行した場合の事業者の運行コストを算出する運行コスト算出処理手段、
    候補解ダイヤを前記所与の列車ダイヤとして前記旅客コスト算出処理手段及び前記運行コスト算出処理手段に与えて、前記旅客コスト及び運行コストを算出させる処理を、候補解ダイヤを変更処理しつつ繰り返し行わせて、算出された旅客コスト及び運行コストの合計が最も低い候補解ダイヤを回答ダイヤとして決定する繰り返し演算制御手段、
    として機能させるとともに、
    前記繰り返し演算制御手段が、
    列車ダイヤに対する旅客の不満条件として予め定められた不満条件を満たすダイヤ部分を前記候補解ダイヤの中から検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出されたダイヤ部分の不満条件を解消させるように前記候補解ダイヤを変更することで前記変更処理を行う変更処理手段と、
    を有するように機能させる、
    ためのプログラム。
  2. 列車本数を徐々に増やしていくようにダイヤを変更して、前記旅客コスト算出処理手段及び前記運行コスト算出処理手段に旅客コスト及び運行コストを算出させ、算出された旅客コスト及び運行コストの合計が最も低かった列車本数のダイヤを初期解ダイヤとして決定する初期解演算制御手段として前記コンピュータを更に機能させ
    前記繰り返し演算制御手段が、前記初期解ダイヤを当初の前記候補解ダイヤとして用いるように前記コンピュータを機能させる、
    ための請求項1に記載のプログラム。
  3. 前記検出手段が、前記旅客要求DBに記憶された全ての旅客が前記候補解ダイヤに沿って乗車した場合の旅客流動シミュレーション処理を行う旅客流動シミュレーション処理手段を有し、この旅客流動シミュレーション処理手段による処理結果に基づいて、前記不満条件を満たすダイヤ部分を検出するように前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
  4. 前記検出手段が、前記旅客流動シミュレーション処理手段の処理により得られた各列車の乗車人数に基づいて前記不満条件を満たすダイヤ部分を検出する乗車人数基準検出手段を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項に記載のプログラム。
  5. 前記検出手段が、
    前記旅客流動シミュレーション処理手段の処理により得られた、各旅客について到着駅に到着した時刻と到着希望時刻との差を算出する乖離時刻算出手段と、
    前記乖離時刻算出手段の算出結果に基づいて前記不満条件を満たすダイヤ部分を検出する乖離時刻基準検出手段と、
    を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項に記載のプログラム。
  6. 少なくとも出発駅と到着駅と到着希望時刻とが旅客人数分記憶された旅客要求データベース(以下「旅客要求DB」と呼ぶ。)と、
    所与の列車ダイヤに対して、前記旅客要求DBに記憶された全ての旅客が利用した場合の各旅客の不効用値を旅客コストとして算出して総計する旅客コスト算出処理手段と、
    所与の列車ダイヤに対して、当該ダイヤを運行した場合の事業者の運行コストを算出する運行コスト算出処理手段と、
    候補解ダイヤを前記所与の列車ダイヤとして前記旅客コスト算出処理手段及び前記運行コスト算出処理手段に与えて、前記旅客コスト及び運行コストを算出させる処理を、候補解ダイヤを変更処理しつつ繰り返し行わせて、算出された旅客コスト及び運行コストの合計が最も低い候補解ダイヤを回答ダイヤとして決定する繰り返し演算制御手段と、
    を備え
    前記繰り返し演算制御手段は、
    列車ダイヤに対する旅客の不満条件として予め定められた不満条件を満たすダイヤ部分を前記候補解ダイヤの中から検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出されたダイヤ部分の不満条件を解消させるように前記候補解ダイヤを変更することで前記変更処理を行う変更処理手段と、
    を有する、
    列車ダイヤ作成装置。
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