JP4727459B2 - プログラム及び列車ダイヤ作成装置 - Google Patents
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少なくとも出発駅(例えば、図2の出発駅571)と到着駅(例えば、図2の到着駅573)と到着希望時刻(例えば、図2の到着希望時刻575)とが旅客人数分記憶された旅客要求データベース(以下「旅客要求DB」と呼ぶ。)(例えば、図2の旅客要求データ57)を備えるコンピュータを、
所与の列車ダイヤに対して、前記旅客要求DBに記憶された全ての旅客が利用した場合の各旅客の不効用値を旅客コストとして算出して総計する旅客コスト算出処理手段(例えば、図8のステップB9、図9のステップC11)、
所与の列車ダイヤに対して、当該ダイヤを運行した場合の事業者の運行コストを算出する運行コスト算出処理手段(例えば、図8のステップB9、図9のステップC11)、
候補解ダイヤを前記所与の列車ダイヤとして前記旅客コスト算出処理手段及び前記運行コスト算出処理手段に与えて、前記旅客コスト及び運行コストを算出させる処理を、候補解ダイヤを変更しつつ繰り返し行わせて、算出された旅客コスト及び運行コストの合計が最も低い候補解ダイヤを回答ダイヤとして決定する繰り返し演算制御手段(例えば、図9の図9のステップC1〜C23)、
として機能させるためのプログラム(例えば、図1の列車ダイヤ作成プログラム51)である。
少なくとも出発駅と到着駅と到着希望時刻とが旅客人数分記憶された旅客要求データベース(以下「旅客要求DB」と呼ぶ。)と、
所与の列車ダイヤに対して、前記旅客要求DBに記憶された全ての旅客が利用した場合の各旅客の不効用値を旅客コストとして算出して総計する旅客コスト算出処理手段と、
所与の列車ダイヤに対して、当該ダイヤを運行した場合の事業者の運行コストを算出する運行コスト算出処理手段と、
候補解ダイヤを前記所与の列車ダイヤとして前記旅客コスト算出処理手段及び前記運行コスト算出処理手段に与えて、前記旅客コスト及び運行コストを算出させる処理を、候補解ダイヤを変更しつつ繰り返し行わせて、算出された旅客コスト及び運行コストの合計が最も低い候補解ダイヤを回答ダイヤとして決定する繰り返し演算制御手段と、
を備える列車ダイヤ作成装置(例えば、図1の列車ダイヤ作成装置1)を構成しても良い。
前記繰り返し演算制御手段が、
列車本数を徐々に増やしていくように候補解ダイヤを変更して、前記旅客コスト算出処理手段及び前記運行コスト算出処理手段に旅客コスト及び運行コストを算出させ、算出された旅客コスト及び運行コストの合計が最も低かった列車本数の候補解ダイヤを初期解ダイヤとして決定する初期解演算制御手段(例えば、図8のステップB1〜B17)と、
前記初期解演算制御手段により決定された初期解ダイヤを当初の暫定解ダイヤとし、1)暫定解ダイヤの一部分を変更した改良解ダイヤを作成して、2)改良解ダイヤを前記所与の列車ダイヤとして前記旅客コスト算出処理手段及び前記運行コスト算出処理手段に与えて前記旅客コスト及び運行コストを算出させ、3)改良解ダイヤを新たな暫定解ダイヤとする1)〜3)の処理を繰り返し行って、2)で算出された旅客コスト及び運行コストの合計が最も低かった暫定解ダイヤを出力解ダイヤとして決定する出力解演算制御手段(例えば、図9のステップC1〜C23)と、
を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
前記出力解演算制御手段が、
列車ダイヤに対する旅客の不満条件として予め定められた不満条件(例えば、図3の抽出条件593)を満たすダイヤ部分を前記暫定解ダイヤの中から検出する検出手段(例えば、図9のステップC3)と、
前記検出手段により検出されたダイヤ部分の不満条件を解消させるように暫定解ダイヤを変更した改良解ダイヤを作成する改良解ダイヤ作成手段(例えば、図9のステップC7)と、
を、前記1)の処理手段として有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
前記検出手段が、前記旅客要求DBに記憶された全ての旅客が前記暫定解ダイヤに沿って乗車した場合の旅客流動シミュレーション処理を行う旅客流動シミュレーション処理手段(例えば、図9のステップC9)を有し、この旅客流動シミュレーション処理手段による処理結果に基づいて、前記不満条件を満たすダイヤ部分を検出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
前記検出手段が、各列車の乗車人数に基づいて前記不満条件を満たすダイヤ部分を検出する乗車人数基準検出手段(例えば、図9のステップC3、図3のダイヤ改良処理用テーブル59)を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
前記検出手段が、
各旅客について、到着駅に到着した時刻と到着希望時刻との差を算出する乖離時刻算出手段(例えば、図9のステップC3、図3のダイヤ改良処理用テーブル59)と、
前記乖離時刻算出手段の算出結果に基づいて前記不満条件を満たすダイヤ部分を検出する乖離時刻基準検出手段(例えば、図9のステップC3、図3のダイヤ改良処理用テーブル59)と、
を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
以下、図面を参照して、本発明を適用した列車ダイヤ作成装置1について説明する。
先ず、構成について説明する。
図1は、列車ダイヤ作成装置1の機能構成を示すブロック図である。
列車ダイヤ作成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10と、入力部20と、表示部30と、通信部40と、ハードディスク50と、RAM(Random Access Memory)60とを備え、各部はバス70で相互にデータ通信可能に接続されて構成されるコンピュータシステムである。
旅客流動シミュレーションは、旅客要求データ57(図2参照)を基に、各旅客それぞれについて、当該旅客が出発駅571を出発して、到着希望時刻575以前に到着駅573に到着する場合の乗車シミュレーションを、処理対象の列車ダイヤに対して行う処理である。この旅客流動シミュレーションにより、各旅客の利用列車、乗車時間、待ち時間、乗換回数、各列車の各区間における乗車人数、混雑度等のパラメータが算出される。なお、旅客流動シミュレーションは、公知の処理であるため、詳細な説明を省略する。
旅客要求データ57には、各旅客について、出発駅571と、到着駅と573と、到着希望時刻575とが対応付けられている。到着希望時刻575とは、当該旅客が到着駅に到着したい時刻であり、作成対象の列車ダイヤの各路線を利用する旅客人数分、例えば10万人分のデータが格納される。
旅客コストLを算出するに当たり、各旅客の不効用を表す不効用値Uを算出する。今、旅客pの不効用値をUpで表すことにすると、Upは次式(2)に従って算出される。
運行コストCは、式(4)に従って算出される。
図3のダイヤ改良処理用テーブル59において、1番目の抽出条件593は、「当該列車の当該区間における乗客数が150人以上」であることである。これは、列車の乗客数が多過ぎるために、旅客が不満を感じることを示している。
次に、処理の流れについて説明する。
図7は、CPU10により列車ダイヤ作成プログラム51が読み出されて実行されることにより列車ダイヤ作成装置1において実行される列車ダイヤ作成処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、CPU10は、列車の本数Nを「0」に設定する(ステップB1)。そして、CPU10は、作成の対象となるダイヤ部分について、上り、下り、それぞれN本の列車を等間隔に走行させる場合の仮ダイヤを作成する(ステップB3)。
先ず、CPU10は、初期解ダイヤデータ61に記憶されている初期解ダイヤを現在解ダイヤとする(ステップC1)。そして、CPU10は、不満部分抽出処理を行い、現在解ダイヤの中から不満部分を抽出する(ステップC3)。
(ステップC7)。具体的には、CPU10は、ダイヤ改良処理用テーブル59の修正内容597に従って、ステップC5で選択した改良部分の修正を行う。
次に、列車ダイヤ作成処理を行って、実際に列車ダイヤを作成した場合の実験結果について説明する。ここでは、首都圏のある路線(駅1〜駅25)をモデルとして、平日の日中12時〜14時の列車ダイヤの作成を行った。
本実施例によれば、初期解生成処理により生成された初期解ダイヤを初期解として、ダイヤを修正しながら、旅客コストL及び運行コストCを算出する処理が繰り返し行われ、算出された旅客コストLと運行コストCとの和で表される評価値Eが最も低いダイヤが、出力解ダイヤとして決定される。
1−5−1.旅客要求データ
本実施例では、旅客要求データ57に旅客の到着希望時刻575を記憶させることとして説明したが、到着希望時刻575ではなく、出発時刻を記憶させることにしても良い。この場合は、ダイヤ改良処理用データ59の抽出条件593、不満度算出方法595及び修正内容597を適宜変更することで、同様に処理を行うことが可能になる。
ダイヤ改良処理では、1つの改良解ダイヤを保存しておくものとして説明したが、複数の改良解ダイヤを出力解ダイヤの候補として保存しておき、その中から最適な改良解ダイヤを選択するようにしても良い。具体的には、例えば評価の高い順に、常に3個の改良解ダイヤを保存しておくこととし、評価値Eの大きさに基づいて、1ループ毎に改良解ダイヤの入替えを行う。そして、最終的に保存されている3つの改良解ダイヤの中から、メタヒューリスティクス等の手法に基づいて1つの改良解ダイヤを選択して、出力解ダイヤとする。
ダイヤ改良処理では、評価値Eの大きさに基づいて解の採否判断を行うものとして説明したが、このような構成を採るのではなく、不満部分抽出処理において算出した不満度fの総和を算出し、この値の大きさに基づいて解の採否判断を行うことにしても良い。不満度fは、旅客又は事業者の不満の大きさを表しているため、評価値Eとほぼ同様の意味を有するからである。
ダイヤ改良処理では、1ループにつき、不満部分の中から1箇所を改良部分として選択して修正することとして説明したが、複数箇所を改良部分として選択して修正することにしても良い。例えば、1ループにつき、10箇所の不満部分を改良部分として選択して修正するようにする。
本実施例では、評価値Eを式(1)のように旅客コストLと運行コストCとの和で表現するものとして説明したが、それぞれのコストに重みを設定して、重み付け和として表現しても良い。具体的には、λ、ωを重みとして、評価値Eを次式(6)に従って算出する。
10 CPU
20 入力部
30 表示部
40 通信部
50 ハードディスク
51 列車ダイヤ作成プログラム
511 初期解生成プログラム
513 ダイヤ改良プログラム
53 列車ダイヤデータ
55 線路データ
57 旅客要求データ
59 ダイヤ改良処理用テーブル
60 RAM
61 初期解ダイヤデータ
63 出力解ダイヤデータ
65 抽出不満部分データ
70 バス
Claims (6)
- 少なくとも出発駅と到着駅と到着希望時刻とが旅客人数分記憶された旅客要求データベース(以下「旅客要求DB」と呼ぶ。)を備えるコンピュータを、
所与の列車ダイヤに対して、前記旅客要求DBに記憶された全ての旅客が利用した場合の各旅客の不効用値を旅客コストとして算出して総計する旅客コスト算出処理手段、
所与の列車ダイヤに対して、当該ダイヤを運行した場合の事業者の運行コストを算出する運行コスト算出処理手段、
候補解ダイヤを前記所与の列車ダイヤとして前記旅客コスト算出処理手段及び前記運行コスト算出処理手段に与えて、前記旅客コスト及び運行コストを算出させる処理を、候補解ダイヤを変更処理しつつ繰り返し行わせて、算出された旅客コスト及び運行コストの合計が最も低い候補解ダイヤを回答ダイヤとして決定する繰り返し演算制御手段、
として機能させるとともに、
前記繰り返し演算制御手段が、
列車ダイヤに対する旅客の不満条件として予め定められた不満条件を満たすダイヤ部分を前記候補解ダイヤの中から検出する検出手段と、
前記検出手段により検出されたダイヤ部分の不満条件を解消させるように前記候補解ダイヤを変更することで前記変更処理を行う変更処理手段と、
を有するように機能させる、
ためのプログラム。 - 列車本数を徐々に増やしていくように仮ダイヤを変更して、前記旅客コスト算出処理手段及び前記運行コスト算出処理手段に旅客コスト及び運行コストを算出させ、算出された旅客コスト及び運行コストの合計が最も低かった列車本数の仮ダイヤを初期解ダイヤとして決定する初期解演算制御手段として前記コンピュータを更に機能させ、
前記繰り返し演算制御手段が、前記初期解ダイヤを当初の前記候補解ダイヤとして用いるように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1に記載のプログラム。 - 前記検出手段が、前記旅客要求DBに記憶された全ての旅客が前記候補解ダイヤに沿って乗車した場合の旅客流動シミュレーション処理を行う旅客流動シミュレーション処理手段を有し、この旅客流動シミュレーション処理手段による処理結果に基づいて、前記不満条件を満たすダイヤ部分を検出するように前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
- 前記検出手段が、前記旅客流動シミュレーション処理手段の処理により得られた各列車の乗車人数に基づいて前記不満条件を満たすダイヤ部分を検出する乗車人数基準検出手段を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項3に記載のプログラム。
- 前記検出手段が、
前記旅客流動シミュレーション処理手段の処理により得られた、各旅客についての到着駅に到着した時刻と到着希望時刻との差を算出する乖離時刻算出手段と、
前記乖離時刻算出手段の算出結果に基づいて前記不満条件を満たすダイヤ部分を検出する乖離時刻基準検出手段と、
を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項3に記載のプログラム。 - 少なくとも出発駅と到着駅と到着希望時刻とが旅客人数分記憶された旅客要求データベース(以下「旅客要求DB」と呼ぶ。)と、
所与の列車ダイヤに対して、前記旅客要求DBに記憶された全ての旅客が利用した場合の各旅客の不効用値を旅客コストとして算出して総計する旅客コスト算出処理手段と、
所与の列車ダイヤに対して、当該ダイヤを運行した場合の事業者の運行コストを算出する運行コスト算出処理手段と、
候補解ダイヤを前記所与の列車ダイヤとして前記旅客コスト算出処理手段及び前記運行コスト算出処理手段に与えて、前記旅客コスト及び運行コストを算出させる処理を、候補解ダイヤを変更処理しつつ繰り返し行わせて、算出された旅客コスト及び運行コストの合計が最も低い候補解ダイヤを回答ダイヤとして決定する繰り返し演算制御手段と、
を備え、
前記繰り返し演算制御手段は、
列車ダイヤに対する旅客の不満条件として予め定められた不満条件を満たすダイヤ部分を前記候補解ダイヤの中から検出する検出手段と、
前記検出手段により検出されたダイヤ部分の不満条件を解消させるように前記候補解ダイヤを変更することで前記変更処理を行う変更処理手段と、
を有する、
列車ダイヤ作成装置。
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