JP4725287B2 - シャーシダイナモ装置のローラ - Google Patents

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Description

本発明は、ダイナモにより抵抗トルクが作用したローラを被試験車両の駆動輪を載せて回転させることにより、「模擬道路」を現出させて被試験車両の燃費、トルク等の走行データを得ることを目的とするシャーシダイナモ装置に関し、更に詳しくは、回転慣性を小さくして可能な限り現実の道路に近い状態を現出できるシャーシダイナモ装置のローラに関するものである。
シャーシダイナモ装置は、被試験車両の駆動輪を載せた状態で、前記駆動輪の回転力により回転させられるローラと、該ローラの外円筒部と円板状のトルク伝達板を介して回転中心部に一体に形成された取付ボス部に駆動軸が連結されて、前記ローラに前記駆動輪から伝達されるトルクと反対方向の抵抗トルクを付与するダイナモとを備え、前記抵抗トルクの調整により現実の路面に近い状態を再現して試験室において被試験車両の走行試験を行って、被試験車両の駆動輪により連続回転させられるローラにより実現される「模擬道路」によって、被試験車両の燃費、トルク等の諸データを得ることを目的とする装置である。シャーシダイナモ装置については、例えば下記の技術が開示されている(特許文献1参照)。
従って、被試験車両の駆動輪により連続回転させられるローラは、可能な限り現実の道路に近い状態を現出させることが必要となる。このため、路面抵抗の大きな道路を走行する場合には路面抵抗が小さな道路を走行する場合よりも、或いは向い風がある場合には向い風がない場合又は追い風がある場合よりも、ダイナモの出力が大きくなるように調整してローラの抵抗トルクを大きくして、現実の走行状態に近付けている。
ダイナモの出力の変動(割合)に対するローラの抵抗トルクの変動(割合)は、ローラの回転慣性が小さい程高まって、ローラの外周面である「模擬道路面」の状態の変化をさせ易くできる。ローラの回転慣性を小さくする代表的な手段は、ローラを軽量な金属で成形すること、及びローラの外円筒部を薄肉化して軽量化させることである。ローラを軽量な金属で成形した場合には、一般的に圧縮強度、曲げ強度等が鉄等の金属に比較して著しく小さく、またローラの外円筒部を薄肉化した場合には、強度不足により回転中のローラが回転方向に沿って部分変形して、現実の道路とは異なった状態が現出され、試験精度が低下する。
上記不具合を防止するために、ローラをアルミ材等の軽金属材で成形したうえに、薄肉化した外円筒部をリブにより補強する手段が考えられる。このリブ補強手段の典型例は、半径方向に配置された複数本のリブを周方向に沿って所定角度をおいて配置するものであり、リブの先端部は、ローラの外円筒部の内周面に溶接される。このリブ補強手段では、ローラ自体の強度は高まるが、被試験車両の駆動輪を載せたローラの外周面を現実の道路に可能な限り近付ける観点からは、以下の不具合が指摘される。即ち、ローラの周方向に沿ってリブが配置されている部分の剛性は他の部分よりも高いために、ローラの回転方向(周方向)に沿った変形に大きな差が発生して、誇張して表現すると、被試験車両の駆動輪は現実の平坦な道路とは異なった波打った「模擬道路」を走行する状態となって、試験精度が低下する。
また、前記リブの先端部(外周部)は、外円筒部の内周面に溶接されているため、ローラの回転中に作用する力が溶接部に集中して、溶接部の疲労破壊、或いは剥離が発生して、ローラ自体の寿命が短くなる。
一方、ローラは、駆動輪とローラとの間の摩擦力により、駆動輪からローラに回転トルクが伝達されて回転する。このため、駆動輪とローラとの間の摩擦力が一定の場合には、ローラの回転慣性が大きい程、ローラは連れ回り回転されにくくなるため、駆動輪とローラとの間でスリップ回転(ローラに対して駆動輪がスリップすること)が発生し易く、特に駆動輪の加減速時におけるスリップ回転は定速回転の場合よりも大きくなる。駆動輪がスリップ回転することは、駆動輪の回転トルクの一部が無駄に消費されること(この無駄に消費されるトルクを「スリップトルク」と称する)を意味し、現実の道路の状態とは異なる状態(雨天走行時等の路面の摩擦抵抗が小さくなった場合を除けば、現実の車両の走行では、路面に対する駆動輪のスリップは殆どないと考えられる)が現出されて、試験精度が低下する。
特開平10−281940号公報
本発明は、上記した不具合に鑑み、シャーシダイナモ装置のローラを軽金属材で成形すると共に、外円筒部を補強するリブの配置の工夫により強度を高めることにより、ローラの回転慣性を小さくして、試験精度を高めることを課題としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、円板状のトルク伝達板と、該トルク伝達の外周に設けた円筒状の外円筒部とから成り、タイヤ接地面となる前記外円筒部の外周面に被試験車両の駆動輪を載せた状態で、前記駆動輪の回転力により回転させられるローラと、該ローラのトルク伝達板に取付ボス部を介して自身の駆動軸の先端部が、該ローラの軸心と同心となって連結され、前記駆動輪から前記ローラに伝達されるトルクと反対方向の抵抗トルクを該ローラに付与するダイナモとを備え、前記抵抗トルクの調整により現実の路面に近い状態を再現して被試験車両の走行試験を行うシャーシダイナモ装置であって、前記ローラは、軽金属材で成形されて、前記外円筒部の内周面に溶接されるリング状をした1ないし複数の第1リブと、前記トルク伝達板の側面に周方向に沿って所定間隔をおいて半径方向に溶接される複数の第2リブとを備え、前記第2リブは、外円筒部に向けて徐々に幅が狭くなる略三角形状をなしていて、前記外円筒部側の端部を当該外円筒部の内周面から前記ローラの軸心側に退避させていることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、リング状の第1リブ、及び円板状のトルク伝達板の外周縁は、全て全周に亘ってローラの外円筒部の内周面に連続して当接していて、ローラとの非当接部は存在しない。また、円板状のトルク伝達板を補強するためにローラの半径方向に配置された複数の第2リブは、外円筒部に向けて徐々に幅が狭くなる略三角形状をなしていて、その外周側端部をローラの外円筒部の内周面から前記ローラの軸心側に退避させているために、ローラの周方向又は回転方向に沿った剛性の変化がないように前記外円筒部の内周面に対して配置されている。更に、ローラは、軽量な軽金属材で成形されている。上記した三つの構成が相乗することにより、軽量であるために回転慣性が小さくて、しかも1ないし複数の第1リブ、リブとしての機能を兼用するトルク伝達板、及び該トルク伝達板を補強する複数の第2リブによって強度が高められたローラとなる。このため、スリップトルクを小さくできると共に、ローラの回転中において、回転方向に沿った円筒部の「部分撓み」は殆どなくなって、ローラの外周面を連続展長させた「模擬道路」は、現実の平坦な道路に限りなく近付けることができる。この結果、シャーシダイナモ装置としての試験精度が高められる。
請求項の発明は、請求項の発明を前提として、前記外円筒部の幅方向の中央にトルク伝達板が配置されて、その両側に前記第1リブが対称に配置されていることを特徴としている。
請求項の発明によれば、ローラの外円筒部の幅方向の中心部からトルク伝達板を介して外円筒部に回転トルクが伝達される構成となるため、ローラに捩りが発生するのが防止されると共に、ローラに不要な回転や曲げトルクが生ぜず、試験精度が高められる。
本発明は、円板状のトルク伝達板と、該トルク伝達の外周に設けた円筒状の外円筒部とから成り、タイヤ接地面となる前記外円筒部の外周面に被試験車両の駆動輪を載せた状態で、前記駆動輪の回転力により回転させられるローラと;該ローラのトルク伝達板に取付ボス部を介して自身の駆動軸の先端部が、該ローラの軸心と同心となって連結され、前記駆動輪から前記ローラに伝達されるトルクと反対方向の抵抗トルクを該ローラに付与するダイナモとを備え、前記抵抗トルクの調整により現実の路面に近い状態を再現して被試験車両の走行試験を行うシャーシダイナモ装置であって、前記ローラは、軽金属材で成形されて、前記外円筒部の内周面に溶接されるリング状をした1ないし複数の第1リブと、前記トルク伝達板の側面に周方向に沿って所定間隔をおいて半径方向に溶接される複数の第2リブとを備え、前記第2リブは、外円筒部に向けて徐々に幅が狭くなる略三角形状をなしていて、前記外円筒部側の端部が当該外円筒部の内周面に対して接触しないように退避されていることを特徴としている。このため、ローラの剛性を低下させることなく、ローラを構成する外円筒部、トルク伝達板等の肉厚を薄くすることができ、ローラの回転慣性を小さくできる。ローラの回転慣性が小さくなるのに加えて、ローラを構成する円板状のトルク伝達板を補強する複数の第2リブの外円筒部側の端部は、当該外円筒部の内周面からローラの軸心側に退避されているために、ローラの周方向に沿った剛性の変化がなくなって、ローラの外円筒部の外周面であるタイヤ接地面の部分撓みをなくすことができて、ローラの外円筒部におけるタイヤ接地面を、現実の路面に限りなく近付けた状態で被試験車両の走行試験を行うことができる。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。図1は第1実施例のローラR1 が取付けられたシャーシダイナモ装置Aの正面断面図、図2は一部を破断したローラR1 の斜視図、図3は図1のX−X線断面図である。
本発明に係るシャーシダイナモ装置Aは、図1に示されるように、ダイナモ1と、該ダイナモ1に回転自在に支承された駆動軸2に分力計3を介して装着されるローラR1 とから構成されている。ダイナモ1について説明する。ダイナモ1の内部には、各軸受4により回転自在に支承された回転子5と、前記回転子5の周囲に軸心同一にして固定子6がリング状に配設されている。前記駆動軸2は、前記回転子5に連結されていて、回転子5をローラR1 の回転方向と逆方向に回転させようとすることにより、被試験車両の駆動輪Wに抵抗トルクを与えることができる。即ち、ダイナモ1の出力トルクの制御ができ、ローラR1 に現実の路面状況を現出させることができる。なお、図1において、7はベース、10はケーシング、10aは蓋体である。また、図1では、シャーシダイナモ装置Aにおいて、被試験車両の一方側の駆動輪Wに対応する部分のみを図示してある。
第1実施例のローラR1 について説明する。図1及び図2に示されるように、第1実施例のローラR1 は略円筒形状であり、その外円筒部8の最上端部に被試験車両の駆動輪Wが接地される。即ち、前記外円筒部8の最上端部に、被試験車両の駆動輪Wが接地されるタイヤ接地面8aが形成される。使用状態におけるローラR1 は、前記タイヤ接地面8aに押し付けられて駆動回転される駆動輪Wにより、該駆動輪Wの回転方向と反対方向に回転させられる。このため、前記タイヤ接地面8aは、外円筒部8の外周面に連続して形成される。
第1実施例のローラR1 の外円筒部8の幅方向(厚み方向)の表面側(図1の図面視における左側)の一端部に、円板状のトルク伝達板9が取付けられている。該トルク伝達板9は薄肉のアルミ材より成り、その外周縁の全てが、前記外円筒部8の内周面8bに、溶接によって固着されている。そして、前記トルク伝達板9の裏面部には、円筒状の取付ボス部11が軸心同一にして固着されている。前記トルク伝達板9の中央部(軸心部分)には、取付ボス部11の内径よりも少し小さな円孔9aが設けられていて、前記取付ボス部11の内部が連通されている。第1実施例のローラR1 の場合、取付ボス部11の開口端は、ローラR1 の幅方向のほぼ中央部に配置されている。前記トルク伝達板9は、被試験車両の駆動輪Wの回転時のトルクを、取付ボス部11に取付けられた分力計3に伝達すると共に、外円筒部8の周方向の強度を補強するという機能を有している。
更に、図1及び図2に示されるように、ローラR1 の外円筒部8の内周面8bで、幅方向のほぼ中央部と、トルク伝達板9が取付けられている側と反対側の端部には、前記内周面8bの全周に亘ってリング状の各第1リブ12a,12b が溶接により、固着されている。各第1リブ12a,12b は、前述したトルク伝達板9と同程度の厚みを有する薄肉のアルミ材より成る。各第1リブ12a,12b により、外円筒部8の強度が更に補強される。各第1リブ12a,12b には、それぞれ大きな円孔が設けられているため、分力計3の組付けに支障は生じない。
また、図1ないし図3に示されるように、前記取付ボス部11の外周面の部分には、周方向に所定角度をおいて複数枚の第2リブ13が、溶接により固着されている。本実施例のローラR1 の場合、薄肉のアルミ材より成る6枚の第2リブ13が、周方向に一定の角度(60°)をおいて、しかも、半径方向に沿って(即ち、軸心を中心とする放射状に)固着されている。各第2リブ13は略三角形状であり、それらの底面部はトルク伝達板9の裏面部に、溶接により固着されている。これにより、トルク伝達板9の強度が補強されるため、従来と同一の強度であれば前記トルク伝達板9を従来のものよりも薄肉とすることができ、ローラR1 全体の軽量化が図られる。
しかも、各第2リブ13における先端部13aは、外円筒部8の内周面8aから距離δだけ離れた位置に配置されている。これにより、ローラR1 の外円筒部8のタイヤ接地面8aを押圧する被試験車両の自重や、駆動輪Wの駆動回転時のトルク等の影響が各第2リブ13に及ばなくなる。換言すれば、駆動輪Wの駆動回転時におけるローラR1 の外円筒部8の撓みは全周において同一となり、各第2リブ13の取付位置によって変化することはない。また、トルク伝達板9と各第2リブ13との溶接部13bにも、ローラR1 の外円筒部8の撓みによる応力が及ばなくなり、前記溶接部13bが疲労破壊したり、剥離したりするおそれはない。
図1に示されるように、取付ボス部11の開口端には分力計3が取付けられていて、前記分力計3と同軸にして駆動軸2が延設されている。被試験車両の駆動輪Wが駆動回転することにより、外円筒部8の撓みがトルク伝達板9及び取付ボス部11を介して分力計3に伝達され、電気信号に変換される。前記分力計3は、撓みの電気信号が、送信アンテナ(図示せず)から無線送信される形態である。そして、本実施例のローラR1 の場合、分力計3が取付けられた状態で取付ボス部11には空間部Qが形成されているため、当該空間部Qに送信アンテナ等を収納することができる。
本実施例のシャーシダイナモ装置Aの作用について、被試験車両の駆動輪Wのトルクを計測する場合について説明する。ローラR1 の外円筒部8の最上端部に被試験車両の駆動輪Wが載置されると、被試験車両の自重によって駆動輪WがローラR1 の外円筒部8のタイヤ接地面8aに押し付けられる。この状態で被試験車両の駆動輪Wを駆動回転させると、双方の間に作用する摩擦力によってローラR1 が連れ回り回転される。このときのローラR1 の外円筒部8の撓みが、トルク伝達板9及び取付ボス部11を介して分力計3に伝達され、該分力計3によってローラR1 の外円筒部8に作用する力が計測される。計測データは電波に乗せられて、送信アンテナから制御装置(図示せず)に無線送信される。本実施例のローラR1 では、トルク伝達板9に円孔9aが設けられているため、電波を通過させ易くなっている。
また、ダイナモ1に内装されている回転子5の回転を電気的に制御して、該回転子5に逆方向のトルク(抵抗トルク)を与えることにより、被試験車両に各種の状況を現出させることができ、現実の走行状態に近い状態で被試験車両のトルクを計測できる。
ここで、本実施例のローラR1 の外円筒部8の内周面8bには、2枚の第1リブ12a,12b が固着されていて、その強度が補強されている。同じく、トルク伝達板9の裏面と取付ボス部11の外周面には、6枚の第2リブ13が固着されていて、その強度が補強されている。このため、ローラR1 全体の剛性を確保したまま、外円筒部8及びトルク伝達板9の肉厚を薄くすることができる。この結果、ローラR1 の重量が軽減され、該ローラR1 の回転慣性を小さくできる。更に、前記外円筒部8、トルク伝達板9、各第1リブ12a,12b 及び各第2リブ13は、いずれも軽量のアルミ材より成る。これにより、ローラR1 の重量を更に軽減することができ、該ローラR1 の回転慣性を一層小さくできる。
そして、前述した各第2リブ13の先端部13aは、ローラR1 の外円筒部8の内周面8bよりも、距離δだけ内側(軸心側)に離れた位置に配置されている。このため、ローラR1 の外円筒部8の撓みが各第2リブ13の部分に及ばなくなる。換言すれば、前記外円筒部8の撓みは、各第2リブ13の有無に拘らず、全周に亘って一定になる。
ここで、ローラR1 のタイヤ接地面8aに被試験車両の駆動輪Wが載せられ、駆動輪Wからトルクが伝達されてローラR1 が回転させられる状態では、被試験車両の荷重の一部がローラR1 に載っている駆動輪Wを介して円板状のトルク伝達板9に作用することにより、ローラR1 は、トルク伝達板9の周方向の一部に座屈力と曲げ力とが合成された力が瞬間的に作用し、かつこの作用位置が連続して変化する状態が繰り返されながら回転し、前記合成力は、トルク伝達板9の中心部から外周部に向けて小さくなると解される。第2リブ13を三角形状にしたのは、トルク伝達板9に作用する前記合成力の大きさが上記のように変化すること、及びローラR1 の回転時における第2リブ13の回転抵抗を小さくすること(第2リブ13の反中心側は中心側よりも周速度が遥かに大きいので、反中心側の幅を狭くすることにより、回転抵抗が激減される)等を主原因としている。
また、各第1リブ12a,12b がリング状となっていると共に、トルク伝達板9が円板状となって、いずれも外円筒部8の内周面に連続して当接しているために、外円筒部8の周方向に沿った剛性は一定となって、試験時において被試験車両の荷重の一部が駆動輪Wを介してローラR1 に作用した状態で回転しても、ローラR1 における駆動輪Wが載っている部分の形状は一定に確保できて、現実の道路面に近い平坦状態を実現できる。逆に、半径方向に配置した複数の第2リブ13により外円筒部8を補強すると、外円筒部8における前記第2リブ13の部分の剛性が他の部分よりも大きくなって、現実の平坦状態の道路とは異なった状態が現出されて試験精度が低下する。
また、座屈力と曲げ力との合成力が作用するトルク伝達板9の強度を高めるのに、トルク伝達板9の肉厚のみを厚くする方法と、上記実施例のようにトルク伝達板9の一方の内側面(裏面)に複数本の半径方向の第2リブ13により補強する方法とでは、後者の方法は、複数本の第2リブ13の重量は増すが、トルク伝達板9自体の肉厚を大幅に小さくできることによる重量軽減が第2リブ13の重量増加よりも大きくできる。従って、後者の方法によれば、同一強度を得るのに前者の方法に比較してトルク伝達板9の重量を軽減でき、結果としてローラR1 を軽量化できる。全く同様のことは、ローラR1 の外円筒部8についても言える。上記した結果、ローラR1 の回転慣性が小さくなり、スリップトルクも小さくなる。
上記した結果、ローラR1 の外円筒部8の外周面を連続展長させた「模擬道路」を、現実の平坦な道路に限りなく近付けることができる。このため、シャーシダイナモ装置Aとしての試験精度が高められる。
次に、第2実施例のローラR2 について説明する。図4の(イ)に示されるように、第2実施例のローラR2 は、外円筒部8における幅方向のほぼ中央部にトルク伝達板9が固着されていて、該トルク伝達板9の両側に各第1リブ12a,12b が固着された場合である。この実施例のローラR2 の場合、被試験車両の駆動輪Wの荷重(座屈力)の直下にトルク伝達板9が設けられているため、駆動輪Wの回転ムラや曲げトルクによる影響が生じにくくなり、試験精度が一層高められる。
次に、第3実施例のローラR3 について説明する。図4の(ロ)に示されるように、第3実施例のローラR3 は、外円筒部8の他方側の端部にトルク伝達板9が固着されていて、分力計3が、トルク伝達板9の一方側の開口端に取付けられている場合である。第1ないし第3の各実施例のローラR1 〜R3 のように、各第2リブ13が略三角形状である場合、各第2リブ13の重量及び回転時の抵抗をも最小にすることができるという利点があるが、前記第2リブ13が三角形以外の形状、例えば長方形、台形等の場合であっても、或いは、各第2リブ13の取付ける向きを変えても同等な効果が奏される。
上記した各実施例のローラR1 〜R3 を構成する各部材(外円筒部8、トルク伝達板9、取付ボス部11、各リブ12a,12b,13)は、薄肉のアルミ材である。このため、鉄材等を使用した場合と比較すると大幅に軽量化され、回転慣性が大幅に低減される。そして、アルミ材以外の軽金属材、例えば、チタン、マグネシウム等であっても、同様の効果が奏される。
上記した各実施例のローラR1 〜R3 では、各第2リブ13の先端部13aが、外円筒部8の内周面8bから距離δだけ離れて配置されている。この距離δは、ローラR1 〜R3 の回転時に、それらの周方向に沿った剛性の変化を生じさせないものであれば足りる。特に、第2リブ13が略三角形状のものである場合、第2リブ13の先端部13aの幅(軸方向に沿った幅)は極めて僅かであるため、前記先端部13aによるトルク伝達板9の補強の度合は僅かである。この場合、前記第2リブ13の先端部13aが、外円筒部8の内周面8bに非接触状態で近接配置されているか、或いは接触状態で配置されていてもその接触長が僅少であるかのいずれかであれば、ローラR1 〜R3 の回転時にそれらの周方向に沿った剛性の変化は生ぜず、試験精度が良好になる。
第1実施例のローラR1 が取付けられたシャーシダイナモ装置Aの正面断面図である。 一部を破断したローラR1 の斜視図である。 図1のX−X線断面図である。 (イ)は、第2実施例のローラR2 の正面断面図であり、(ロ)は、第3実施例のローラR3 の正面断面図である。
A:シャーシダイナモ装置
1 〜R3 :ローラ
W:駆動輪
1:ダイナモ
8:外円筒部
8b:内周面
9:トルク伝達板
11:取付ボス部
12a,12b :第1リブ
13:第2リブ
13a:先端部

Claims (2)

  1. 円板状のトルク伝達板と、該トルク伝達の外周に設けた円筒状の外円筒部とから成り、タイヤ接地面となる前記外円筒部の外周面に被試験車両の駆動輪を載せた状態で、前記駆動輪の回転力により回転させられるローラと、
    該ローラのトルク伝達板に取付ボス部を介して自身の駆動軸の先端部が、該ローラの軸心と同心となって連結され、前記駆動輪から前記ローラに伝達されるトルクと反対方向の抵抗トルクを該ローラに付与するダイナモとを備え、
    前記抵抗トルクの調整により現実の路面に近い状態を再現して被試験車両の走行試験を行うシャーシダイナモ装置であって、
    前記ローラは、軽金属材で成形されて、前記外円筒部の内周面に溶接されるリング状をした1ないし複数の第1リブと、前記トルク伝達板の側面に周方向に沿って所定間隔をおいて半径方向に溶接される複数の第2リブとを備え、
    前記第2リブは、外円筒部に向けて徐々に幅が狭くなる略三角形状をなしていて、前記外円筒部側の端部を当該外円筒部の内周面から前記ローラの軸心側に退避させていることを特徴とするシャーシダイナモ装置のローラ。
  2. 前記外円筒部の幅方向の中央にトルク伝達板が配置されて、その両側に前記第1リブが対称に配置されていることを特徴とする請求項に記載のシャーシダイナモ装置のローラ。
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