JP4723329B2 - ステップモーター - Google Patents

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Description

本発明は、正逆回転可能なステップモーターに関するものである。
その技術分野における従来の技術として、2つの励磁手段により発生させた磁束の流れを制御することにより、回転体を回転させる正逆回転用のステップモーターが開示されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
これら正逆回転用のステップモーターは、携帯機器、情報機器の駆動装置、出力装置としての用途に多く用いられているが、特許文献1に記載のステップモーターは、小型、低消電に優れるものの、より高トルク、高速応答性、高精度位置決め特性が要求される電子機器等には適用することが難しいとされていた。それに対して、非特許文献1に記載のステッピングモータによれば、これら特性に優れ、高トルク、高速応答性、高精度位置決め特性が要求される電子機器等への適用が可能とされている。
この非特許文献1に記載の従来の正逆回転用のステップモーターについて図13を用いて説明する。図13は、従来のステップモーターの構成を示す構造平面図である。
この従来のステップモーターは、回転体軸と直交する方向に2極着磁された回転体5と、ヨーク7を備える。このヨーク7は、回転体5が回転自在に保持される回転体収容穴15を有し、回転体収容穴15を構成する第1の磁極9、第2の磁極13、中心磁極11と、第1の磁極9に設けられた凹部125と、第2の磁極13に設けられた凹部127とを有する。
さらに、第1の磁極9と中心磁極11とを磁気的に結合し第1のコイル17であるコイルが巻き回された第1のコイル芯21と、第2の磁極13と中心磁極11とを磁気的に結合し第2のコイル19であるコイルが巻き回された第2のコイル芯23とを有している。
なお、本構成における第1のコイル17と第2のコイル19は、同じ線径の線材が同じ巻き数で巻かれている。また、第1、第2の励磁手段17、19の巻き線両端は、駆動回路(図示せず)に接続されており、それぞれ独立に電圧パルスを印加することが可能となっている。
この従来のステップモーターにおける最も特徴的な構成である、第1の凹部について図14を用いて説明する。図14は、従来のステップモーターにおける回転体近傍の要部拡大図である。
まず従来技術における回転体軸に対して直交する方向に2極に着磁された回転体5は、コイルに電流を流さない状態において2つの安定位置をとることができ、その安定位置の方向は、回転体5の磁極N極またはS極は中心磁極11方向となる。このときの磁極方向は回転体無励磁磁極方向29に相当し、第1の安定位置は回転体磁極N極が中心磁極11方向を向いているときとし、第2の安定位置は、回転体磁極S極が中心磁極11方向を向いているときとする。
そして、回転体5の中心oを通り、回転体無励磁磁極方向29と直交する直線を直交軸31として、直交軸31と凹部125とが交わる交点を点cとし、凹部125の両端の内、中心磁極11側の点をa、逆側の点をbとする。また、∠aoc=θ3、∠boc=θ
4としたとき、本構成においては、θ3=θ4であり、凹部125は直交軸31に対して対称形状を有する。また、凹部127は、回転体無励磁磁極方向29に対して、前述した凹部125と対称配置されている。
次に、第1の安定位置における磁束の流れについて図15を用いて説明する。図15は、従来のステップモーターにおける第1の安定位置における磁束の流れを示す図面である。
本構成における回転体5のN極は、中心磁極11側を向いて安定しているとすると、N極から出た磁束φは中心磁極11に入り、磁束φの一部φ11は、回転体5周辺を通り第1の磁極9に流れて回転体5のS極に流れ込み、磁束φの一部φ12は、中心磁極11から第1のコイル芯21を通り第1の磁極9に流れ込み回転体5のS極に流れ込む。
またφ13は、回転体5周辺を通り第2の磁極13に流れ、回転体5のS極に流れ込み、φ14は、中心磁極11から第2のコイル芯23を通り第2の磁極13に流れ、回転体5のS極に流れることで磁気回路を形成する。
次に、回転体5のS極が中心磁極11側を向いて安定している第2の安定状態にあるときの磁束の流れについて図16を用いて説明する。図16は、従来のステップモーターにおける第2の安定位置における磁束の流れを示す図面である。
回転体5のN極から出た磁束φは、第1の磁極9と第2の磁極13とに分かれて流れ、磁束φの一部は回転体5周辺を通り第1の磁極9に流れ、φ21は、回転体5の周辺を通り回転体のS極に流れ、φ22は、第1の磁極9、第1のコイル芯21から中心磁極11を通り回転体5のS極に流れ込む。
また、磁束φの一部は、回転体5周辺を通り第2の磁極13に流れ、回転体5近くを流れるφ23と第2のコイル芯23を通り中心磁極11に流れるφ24とに分かれ、中心磁極11から回転体5のS極に流れ込むことで磁気回路を形成する。
ここで、回転体5が第2の回転位置にある場合の回転体N極から出た磁束が空隙部を通りヨーク7に流れ込むことを図17を用いて説明すると、回転体5が第2の安定位置にある場合、回転体N極から生じる磁束を簡略化してφn1からφn5で示すと、φn1からφn5のいずれの磁束も回転体5からヨーク7までの距離が同じであり、回転体5とヨーク7との間に作用する力はいずれも半径方向となることから回転体5を回転させるトルクとして作用せず回転体5は安定している。
ところが、図18に示すように回転体5が安定位置からずれた状態にある場合には、磁束φn5は第2の凹部127と対向する位置にあるため、半径方向では凹部127の底部との距離が長く、磁束は近いところである凹部127の上端部に流れるため半径方向成分に加えて回転方向の成分を持つことになり、この成分が回転トルクとして作用する。
次に、従来のステップモーターの動作特性について図19を用いて説明する。図19は、従来のステップモーターの保持トルクカーブ示している。
本図面における保持トルクカーブの横軸は、横軸回転角度θ(deg)を表し、縦軸はトルク値を示している。そして、この横軸回転角度θは、回転体5が第1の安定位置にあるときのN極方向、すなわち回転体N極が中心磁極11方向を向いているときを0度とし、回転体N極方向が第2の磁極13方向を経由して第2の安定位置に回転する方向を正回転方向として、回転体N極方向が第2の凹部方向を向いているとき角度90度、第2の安定位置におけるN極方向を180度、N極方向が第1の凹部方向を向いているときの角度
を270度として、横軸回転角度θ(deg)を表している。このとき、トルクが正の時は回転体5は正回転をし、トルクが負の時は回転体5は逆回転をする。
角度0度の第1の安定位置と角度180度の第2の安定位置において回転体5が安定していることについて、回転体が180度位置にある場合を用いて説明する。
本図面に示すように、回転体5が、180度位置より少し手前の180−α度であるA点に位置する場合、この時のトルクの値は正であり、A点では正回転する力が作用し、回転体は180度に近づく方向に正回転する。
それに対して、回転体5が180度位置より少し後ろの180度+α度であるB点に位置する場合、この時のトルクの値は負であり、B点では逆回転する力が作用し、こちらの場合も回転体5は180度に近づく方向に逆回転する。
従って、回転体5が180度位置にある場合には、回転角度が負方向に動いた場合には、正回転して再び180度方向に戻ることができ、回転角度が正方向に動いた場合には、逆回転して再び180度位置に戻ることができる。そのため、180度位置では回転体5が安定して静置させることができる。このことは、回転体5が0度にあるときも同様に安定する。
次に、回転体5が不安定な状態となっていることについて説明をする。
一例として、回転体5が90度位置にある場合を用いて説明すると、回転体5が90度位置より少し手前の90−α度であるC点に位置する場合、この時のトルクの値は負であり、C点では逆回転する力が作用し、回転体5は90度から離れる方向に逆回転する。
それに対して、回転体5が90度位置より少し後ろの90度+α度であるD点に位置する場合、この時のトルクの値は正であり、D点では正回転する力が作用し、回転体5は90度から離れる方向に正回転する。
従って、回転体5が90度位置にある場合には、回転角度が少しでも負方向に動いた場合には、逆回転して90度位置から離れてしまい、回転角度が少しでも正方向に動いた場合には、正回転して90度位置から離れてしまう。そのため、90度位置では回転体5が不安定であるといえる。このことは、回転体5が270度にあるときも同様である。
この様にして構成された、従来のステップモーターは、第1のコイル17と第2のコイル19に流す電流を制御することで、回転体5は、8つのポジションを任意にとることができる。また回転体5を正回転及び逆回転の任意の方向に回転させることも可能である。
特開2004−364490号公報(第10−12頁、第1図) The Theory of Horology (the second English edition), p345, fig.15-40, June 2003.
しかしながら、従来の正逆回転用のステップモーターは、下記に記載の問題点を有する。
従来ステップモーターを小型化、薄型化する場合、回転体5も小型、薄型にしなければならない。このときの問題点としては、回転体5の小型、薄型に伴って磁石の磁力低下が生じ、回転体磁石と磁性材ヨークとの間に生じる吸引力よって作用する保持トルクが低下し、振動や衝撃などによって安定位置から移動しやすくなり、装置の信頼性を低下させて
しまう。
この様に、回転体磁石と磁性材ヨークとの間で発生する保持トルクが低下すると、回転体5の位置決め角度誤差が大きくなり、例えばステップモーターを駆動源として、レンズ等の光学部品等の移動体を動かして位置決めさせる場合に、モーターの位置決め角度誤差が移動体の位置誤差になってしまい、製品の特性が低下し、ばらつきが大となる。
また、従来のステップモーターには、駆動特性にも問題点を有する。この問題点について図20を用いて説明する。図20は、従来の保持トルクカーブ拡大図を示し、回転体軸に働く粘性負荷トルクTLを合わせて示した図面である。
従来のステップモーターは、回転体5が停止する場合は、粘性負荷の範囲内で停止するため、保持トルクが小さいと粘性負荷トルク範囲に含まれる保持トルクカーブの角度範囲θwが大きなものになり、θwの範囲のいずれかの箇所で停止する特性を持つ。したがって、この従来のステップモーターでは、上記作用を受けて、上述した移動体の位置誤差が大となることは明白である。
そこで本発明は上記課題を解決し、ステップモーターを小型薄型化したとしても、大きな保持トルクを得ることができ、しかも振動や衝撃に対する信頼性の高い正逆回転用のステップモーターを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、基本的には、下記に記載された構成を採用するものである。
本発明のスッテプモーターは、回転体軸に対して直交する方向に2極着磁された回転体と、前記回転体が回転自在に保持される回転体収納穴を構成する、第1磁極、第2磁極、中心磁極を有するヨークと、前記ヨークの第1磁極と中心磁極とを磁気的に結合する第1のコイルと、第2磁極と中心磁極とを磁気的に結合する第2のコイルとを備え、前述した回転体収容穴の内径部には、前記回転体の中心を通り、回転体無励磁磁極方向に直交する直交軸に対して非対称形状で、かつ前記回転体無励磁磁極方向に対して対称な位置関係をなす第1の凹部と第2の凹部とがそれぞれ形成されていることを特徴とするものである。
また、前記第1の凹部と第2の凹部とは前記回転体収容穴の内径部の、前記回転体無励磁磁極方向に直交する直交軸を含む範囲に形成されており、前記直交軸が、前記回転体の中心0を通り前記第1の凹部及び第2の凹部と交わる点をCとし、前記第1の凹部及び第2の凹部の両端の内、中心磁極側の点をA、逆側の点をBとしたとき、前記第1の凹部及び第2の凹部の形状が∠AoC<∠BoCであることを特徴とするものである。
本発明の正逆回転用のステップモーターは、大きな保持トルクを得ることができ、振動、衝撃によって回転体位置ずれを起こさない信頼性を有するという効果を奏する。
また、このステップモーターは、回転体の位置決め精度が良いため、モーターの小型、薄型化を達成することが可能となる。
以下、本発明の正逆回転用のステップモーターの構成について説明する。図1は、本発明のステップモーターの構成を示す構造平面図である。
本発明のステップモーターは、回転体軸に対して直交する方向に2極着磁された回転体5と、ヨーク7と、このヨーク7に接続された第1の励磁手段と、第2の励磁手段とを有する。
このヨーク7には、回転体5が回転自在に保持される回転体収容穴15、回転体収容穴15を構成する第1の磁極9、第2の磁極13、中心磁極11と、第1の磁極9に設けられた第1の凹部25と、第2の磁極13に設けられた第2の凹部27とがそれぞれ形成された構成となっている。
また、このヨーク7は、第1の磁極9と中心磁極11とを磁気的に結合して第1のコイル17が巻き回された第1のコイル芯21と、第2の磁極13と中心磁極11とを磁気的に結合して第2のコイル19が巻き回された第2のコイル芯23とが接続されている。この第1のコイル芯21とコイル17とが、前述した第1の励磁手段に相当し、第2のコイル芯23とコイル19が、前述した第2の励磁手段に相当する。
さらに、回転体5中心を通り回転体無励磁磁極方向29に直交する直交軸31に対して第1の凹部25と第2の凹部27とは非対称形状で、かつ第1の凹部25と第2の凹部27とは回転体無励磁磁極方向29に対して対称な位置関係をなす構成となっている。
なお、第1のコイル17と第2のコイル19は、従来の構成と同様に同じ線径の線材が同じ巻き数で巻かれている。第1、第2のコイル17、19の巻き線両端は、駆動回路(図示せず)に接続されており、それぞれ独立に電圧パルスを印加することが可能となっている。
次に、第1の凹部25が前述した直交軸31に対して非対称形状であることを、図2を用いて説明する。図2は、本発明のステップモーターにおける回転体近傍部分の要部拡大図である。
本発明における2極に着磁された回転体5は、コイルに電流を流さない状態において2つの安定位置をとることができ、その方向は、回転体5の磁極N極またはS極は中心磁極方向を向く方向となる。このときの磁極方向は回転体無励磁磁極方向29であり、第1の安定位置は、回転体磁極N極が中心磁極11方向を向いているときとし、第2の安定位置は回転体磁極S極が中心磁極11方向を向いているときとする。
そして、回転体5の中心oを通り、回転体無励磁磁極方向29と直交する直線を直交軸31として、直交軸31と第1の凹部25とが交わる交点を点Cとし、第1の凹部25の両端の内、中心磁極11側の点をA、逆側の点をBとする。また、∠AoC=θ1、∠BoC=θ2としたとき、本実施例においては、θ2>θ1となり、第1の凹部25は、直交軸31に対して非対称形状を有する構成となる。また、第2の凹部27は、回転体無励磁磁極方向29に対して、第1の凹部25と対称配置されている。
ここで、回転体5が第2の回転位置にある場合の回転体N極から出た磁束の流れを図3、図4を用いて説明する。図3は、本発明のステップモーターにおける第2の回転位置の磁束の流れを示す図面である。図4は、本発明のステップモーターにおける第2の回転位置からずれた状態の磁束の流れを示す図面である。
回転体5が第2の安定位置にある場合で、回転体N極から生じる磁束をφn1からφn5とすると、φn1からφn5のいずれの磁束も回転体5からヨークまでの距離が同じであり、回転体5とヨーク7との間に作用する力は、いずれも半径方向となる。したがって、この状態においては、回転体5を回転させるトルクとして作用しない。
ところが、図4に示すように、回転体5が安定位置からずれた状態にある場合には、磁束φn1からφn3は半径方向成分のみであるが、φn4とφn5とが半径方向成分と回転方向成分を持つ磁束の向きとなる。このときφn4とφn5とは反時計方向の回転成分
を持つため、回転体5には、正回転トルクが作用する。そのため、安定位置から少しの回転角度ずれた状態でも第1の凹部25、第2の凹部27によって回転体5を安定位置に戻すような回転トルクが生じる。
次に、本発明のステップモーターの特性について図5〜7を用いて説明をする。図5は、Δθ=θ2−θ1として、横軸にΔθ(deg)、縦軸にトルクを取ったときの本発明の動作特性を示すグラフを示している。
本図面に示すように、本発明のステップモーターは、θ2−θ1>0の範囲では従来のθ2−θ1=0のときと比較して保持トルクが必ず大きくなることがわかり、θ2−θ1=45で最大値をとることが判る。
次に示す図6は、本発明のステップモーターの保持トルクカーブを示した図面である。この図6に示す保持トルクカーブの横軸単位は回転体5の角度であり、縦軸はトルク値を示している。また、横軸に示す回転体の角度は、回転体5が第1の安定位置にある時のN極方向を0度とし、回転体N極が向いている角度を表している。例えば、N極方向が第2の磁極13方向を経由して第2の安定位置に回転する方向を正回転方向として、第2の安定位置におけるN極方向を180度であるとする。また本図面の縦軸はトルク値を示している。そして、第1の安定位置と第2の安定位置においては回転体5が安定しているためトルクは「0」であり、回転するために超えなければならないトルクの最大振幅値を保持トルク値としており、最大振幅値Thで示している。
また、図6の横軸回転角度、縦軸トルクのグラフにおいては、従来のステップモーターにおける保持トルクカーブ33と本発明のステップモーターにおける保持トルクカーブ35とを比較してあり、本発明のステップモーターにおける保持トルクカーブ35の方が従来のものよりも振幅が大きくなっていることが判る。そのため、本発明のステップモーターは、無励磁安定位置において、安定位置から回転体5を回転させようという振動、衝撃などの外乱が働いたとしても回転体5の回転にはつながらず、従って、本発明のステップモーターは、振動や衝撃に対しての信頼性が高いことが判る。
次に示す図7は、無励磁安定位置近傍における従来のステップモーターにおける保持トルクカーブ33と本発明のステップモーターにおける保持トルクカーブ35の拡大図を示している。
先にも示した様に、ステップモーターには、通常回転体5には回転体軸に粘性負荷トルクTLが働いており、摩擦負荷となるため停止位置は粘性負荷トルク±TLの範囲の角度内となる。従って、従来のステップモーターにおける保持トルクは小さいため、振幅が小さいカーブとなり、±TLの範囲に含まれる角度はθwとなる。
それに対して、本発明のステップモーターにおける保持トルクは、従来の構成に比べて振幅を2倍程度に大きくすることができることから、回転体5の停止位置における保持トルクカーブ35の傾きも大きくなる。従って、粘性負荷±TLの範囲に含まれる角度はθnの範囲であり、θw>θnであるため、回転体5の停止位置精度をより向上させることができるようになる。
ここで、本発明のステップモーターは、第1のコイル17及び第2のコイル19に流す電流の組み合わせによって8つのポジションを取ることができることについて詳細に説明をする図8は、本発明のステップモーターにおける回転体の8つのポジションを示す図である。
まず、回転体5に記載の矢印は回転体5のN極の向きを表し、第1の安定状態における回転体5のN極の向きを第1のポジションとし、矢印の横に数字1を添えて示してある。第2のポジションは、回転体5のN極の向きが中心磁極11と第2の磁極13との間に位置しているポジションであり、第3のポジションは、回転体5のN極方向が第1のポジションと略直角をなし、第2の磁極13の方向を向いている。また、第4のポジションは、回転体5のS極が第1の磁極9と中心磁極11との間に位置しているポジションであり、第5のポジションは、第2の安定位置であり、回転体5のS極が中心磁極11の方向を向いているポジションである。
そして、第6のポジションは、回転体5のS極の向きが中心磁極11と第2の磁極13との間に位置しているポジションであり、第7のポジションは、回転体5のN極方向が第1のポジションと略直角をなし、第1の磁極9の方向を向いている。また、第8のポジションは回転体5のN極が第1の磁極9と中心磁極11との間に位置しているポジションである。
次に、回転体5を第1〜第8のポジションへの回転駆動させる原理について図9〜12を用いて説明をする。図9は、本発明のステップモーターにおける第1の励磁状態を説明する平面図である。なお、回転体5が第1のポジションにあるとき、第1のコイルに励磁して、第1のポジションから第2のポジションに回転させる場合について説明する。
図9に示すように、第1のコイル17に、磁束φc1が左向きに生じるように電圧を印加する。このとき印加した電圧の符号は正とする。すると、第1の磁極9をN極、第2の磁極13と中心磁極11をS極に励磁することができ、回転体5のN極は第1の磁極9のN極と反発し、また、回転体5のS極と第2の磁極13のS極とは反発し、第1の磁極9のN極と吸引することで回転体5は反時計方向に回転して、第2のポジションに移動する。
次に、回転体5を第2のポジションから第3のポジションに回転させる場合について図10を用いて説明する。図10は、第2の励磁状態を説明する平面図である。
図10に示すように、第2のポジションにおいて、第1のコイル17には、磁束φc1が左向きに生じるように正の電圧を印加するとともに、第2のコイル19には、磁束φc2が左向きに生じるように電圧印加する。このとき印加した電圧の符号は正とする。すると、第1の磁極9をN極、第2の磁極13をS極に励磁することができ、回転体5のN極、S極との間に吸引反発力が生じるため、回転体5は反時計方向に回転して、第3のポジションに移動させることができる。
次に、回転体5を第3のポジションから第4のポジションに回転させる場合について図11を用いて説明する。図11は、第3の励磁状態を説明する平面図である。
図11に示すように、第2のコイル19には、磁束φc2が左向きに生じるように正の電圧を印加し、第1の磁極9をN極、中心磁極11をN極、第2の磁極13をS極に励磁することができ、回転体5のN極、S極との間に吸引反発力が生じるため、回転体5は反時計方向に回転して、第4のポジションに移動する。
次に、回転体5を第4のポジションから第5のポジションに回転させる場合について図12を用いて説明する。図12は、第4の励磁状態を説明する平面図である。
図12に示すように、第1のコイル17には、磁束φc1を右向きに生じさせるように負の電圧を印加し、かつ、第2のコイル19には磁束φc2を左向きに生じさせるように
正の電圧を印加すると、第1の磁極9をS極、第2の磁極13をS極、中心磁極11をN極に励磁することができ、回転体5のN極、S極との間に吸引反発力が生じるため、回転体5は反時計方向に回転して、第5のポジションに移動する。第5のポジションは第2の安定位置と同じである。
また、回転体5を第5のポジションから第6のポジションに回転させる場合は、第1のコイル17には、磁束φc1が右向きに生じるように電圧を印加する。このとき印加した電圧の符号は負とする。すると、第1の磁極9をS極、第2の磁極13と中心磁極11をN極に励磁することができ、回転体5のN極、S極との間に生じる吸引反発力によって回転体5は反時計方向に回転して、第6のポジションに移動する。
また、回転体5を第6のポジションから第7のポジションに回転させる場合は、第1のコイル17には、磁束φc1が右向きに生じるように負の電圧を印加するとともに、第2のコイル19には磁束φc2が右向きに生じるように負の電圧を印加する。すると、第1の磁極9をS極、第2の磁極13をN極に励磁することができ、回転体5のN極、S極との間に吸引反発力が生じるため、回転体5は反時計方向に回転して、第7のポジションに移動する。
そして、回転体5を第7のポジションから第8のポジションに回転させる場合には、第2のコイル19には、磁束φc2が右向きに生じるように負の電圧を印加すれば、第1の磁極9をS極、中心磁極11をS極、第2の磁極13をN極に励磁することができ、回転体5のN極、S極との間に吸引反発力が生じるため、回転体5は反時計方向に回転して、第8のポジションに移動する。
また、回転体5を第8のポジションから第1のポジションに回転させる場合には、第1のコイル17には、磁束φc1を左向きに生じさせるように正の電圧を印加するとともに、第2のコイル19には磁束φc2を右向きに生じさせるように負の電圧を印加する。すると、第1の磁極9をN極、第2の磁極13をN極、中心磁極11をS極に励磁することができ、回転体5のN極、S極との間に吸引反発力が生じるため、回転体5は反時計方向に回転して、第1のポジションに移動する。第1のポジションは第1の安定位置と同じであるため、ここでコイルへの通電をやめれば、回転体5は第1の安定位置で保持されることになる。
このように本発明の正逆回転用のステップモーターは、従来の構成と同様に、第1のコイル17及び第2のコイル19に流す電流の組み合わせによって8つのポジションを取ることができる。
また、各8つのポジションを移動させるための第1、第2のコイル17、19への通電に関しても従来技術と同等であることから、駆動パルスは従来技術に用いられるものと全く同じで良く、駆動回路を変更する必要が無いにも係わらず、回転体5の保持トルクを大きくすることが出来るという利点を有する。
また、本発明のステップモーターは、回転体5を正回転及び逆回転のいずれの方向にも任意に回転させることができることも従来技術と同様である。
本発明のステップモーターの構成を示す構造平面図である。 本発明のステップモーターにおける回転体近傍の要部拡大図である。 本発明のステップモーターの第2の回転位置における磁束の流れを示す図面である。 本発明のステップモーターに第2の回転位置からずれた状態における磁束の流れを示す図面である。 本発明のステップモーターにおけるトルク−Δθ特性図である。 本発明のステップモーターにおけるトルク特性曲線図である。 本発明のステップモーターにおけるトルク曲線拡大図である。 本発明のステップモーターにおける回転体の8つのポジションを示す図である。 本発明のステップモーターにおける第1の励磁状態を示す平面図である。 本発明のステップモーターにおける第2の励磁状態を示す平面図である。 本発明のステップモーターにおける第3の励磁状態を示す平面図である。 本発明のステップモーターにおける第4の励磁状態を示す平面図である。 従来のステップモーターの構成を示す構造平面図である。 従来のステップモーターにおける回転体近傍の要部拡大図である。 従来のステップモーターの第1の安定位置における磁束の流れを示す図面である。 従来のステップモーターの第2の安定位置における磁束の流れを示す図面である。 従来のステップモーターの第2の回転位置における磁束の流れを示す図面である。 従来のステップモーターに第2の回転位置からずれた状態における磁束の流れを示す図面である。 従来のステップモーターにおけるトルク曲線図である。 従来のステップモーターにおけるトルク曲線拡大図である。
符号の説明
5 回転体
7 ヨーク
9 第1の磁極
11 中心磁極
13 第2の磁極
15 回転体収容穴
17 第1のコイル
19 第2のコイル
21 第1のコイル芯
23 第2のコイル芯
25 第1の凹部
27 第2の凹部
29 回転体無励磁磁極方向
31 直交軸
33 従来保持トルクカーブ
35 本発明保持トルクカーブ

Claims (1)

  1. 回転体軸に対して直交する方向に2極着磁された回転体と、前記回転体が回転自在に保持される回転体収納穴を構成する、第1磁極、第2磁極、中心磁極を有するヨークと、前記ヨークの第1磁極と中心磁極とを磁気的に結合する第1のコイルと、第2磁極と中心磁極とを磁気的に結合する第2のコイルとを備え、前記回転体収容穴の内径部には、前記回転体の中心を通り、回転体無励磁磁極方向に直交する直交軸に対して非対称形状で、かつ前記回転体無励磁磁極方向に対して対称な位置関係をなす第1の凹部と第2の凹部とがそれぞれ形成されているステップモーターにおいて、
    前記第1の凹部と第2の凹部とは前記回転体収容穴の内径部の、前記回転体無励磁磁極方向に直交する直交軸を含む範囲に形成されており、前記直交軸が、前記回転体の中心0を通り前記第1の凹部及び第2の凹部と交わる点をCとし、前記第1の凹部及び第2の凹部の両端の内、中心磁極側の点をA、逆側の点をBとしたとき、前記第1の凹部及び第2の凹部の形状が∠AoC<∠BoCであることを特徴とするステップモーター。
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