以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施の形態に係わる遊技球補給装置を備えた遊技機島10の内部構造を示している。遊技機島10は、遊技装置として遊技機2と台間玉貸機3とを一組にして並置したものを多数並設収容している。また、遊技に供する遊技媒体である遊技球を遊技機島10の中で循環させて繰り返し使用するための各種付帯設備を収容している。ここでは、遊技機2はパチンコ機であり、台間玉貸機3は遊技者に遊技球(パチンコ球)を貸し出す装置である。
遊技機島10は、島枠や島柱11を遊技ホールのフロア上に構築し、これらに遊技装置2、3や付帯設備を取り付けると共に、その他必要な箇所に図示省略の外装を施して構成される。遊技機島10の中央には、遊技球を島の下部から上部へ研磨しながら揚送する揚送装置12が立設されており、揚送装置12の左右両側に、遊技機2と台間玉貸機3とを一組としたものが多数背中合わせにした状態で遊技機島10の表裏両面に設置される。
遊技機島10の中央上部には、揚送装置12が揚送した遊技球を貯留する上部タンク13が設置されている。揚送装置12の左右両側には、上部タンク13の下方から遊技機島10の左端または右端に掛けて遊技球搬送装置50が遊技機2および台間玉貸機3の上方に略水平に掛け渡され設置されている。
上部タンク13は、遊技球搬送装置50に遊技球を供給するための供給口を開閉する電動式の上部タンクシャッタ13aを備えている。遊技球搬送装置50は、ベルトコンベア式の搬送装置であり、上部タンク13から供給された遊技球を略水平に遊技機島10の長手方向に沿って搬送して各遊技装置(遊技機2および台間玉貸機3)に補給する機能を果たす。搬送中の遊技球は、搬送路の長手方向の両縁部に沿って配設されたシュート31に適宜取り込まれて整列された後、各遊技機2や台間玉貸機3に補給される。遊技球の取込口となるシュート31は、遊技機2および台間玉貸機3の設置箇所に対応させて、遊技機2毎、台間玉貸機3毎に設置される。
遊技機島10に並設収容された遊技機2や台間玉貸機3の下方には、遊技球を貯留するための下部タンク15が複数設置されている。下部タンク15の底部には排出口を開閉する下部タンクシャッタ15aが設けてある。下部タンク15の下方には、左右の島端からそれぞれ揚送装置12下部の球導入口12aに掛けて回収コンベア16が設置されており、各遊技機2からアウト球として排出された遊技球や下部タンク15から排出された遊技球を回収コンベア16で回収して揚送装置12の球導入口12aへ搬送するようになっている。
上部タンク13には、余剰の遊技球を逃がすためのオーバーフロー管21が付設されている。オーバーフロー管21を流下してきた遊技球は、下部タンク15に排出されて貯留される。また、遊技球搬送装置50で余剰となった遊技球は、オーバーフローシャッタ22を備えた専用シュート31aからオーバーフロー管23を通じて、下部タンク15に案内されて貯留される。
各遊技球搬送装置50の島端側の端部には、回収コンベア16まで垂下した排出ホース24が設置されており、遊技球搬送装置50から強制排出された遊技球を排出ホース24で回収コンベア16へ案内するようになっている。
遊技機島10においては、各遊技機2から排出された遊技球を回収路17や回収コンベア16で回収し、これを揚送装置12で研磨しながら上部タンク13へ揚送して貯留し、上部タンク13から供給される遊技球を遊技球搬送装置50で搬送して再び各遊技機2へ補給するという経路を基本にして、遊技に供する遊技球を遊技機島10の中で循環させて繰り返し使用するようになっている。遊技機島10の左側の島端上部には、島内での遊技球の循環や貯留に係わる各種の制御を行なう電子機器を収めた制御盤28が設置されている。制御盤28は、遊技球搬送装置50の動作や上部タンクシャッタ13aの開閉、遊技球搬送装置50からの遊技球の強制排出動作などを制御する制御手段としての機能を果たす。
図2は、遊技機島10に設置された左右2台の遊技球搬送装置50と上部タンク13とを含む補給装置の全体正面を示し、図3は、左側の遊技球搬送装置50の両端部を拡大したものであり、図4は遊技球搬送装置50の中央付近の平面を示し、図5は、遊技球搬送装置50の搬送路の断面を示している。左右2台の遊技球搬送装置50は同一構造をなしており、図2では、左側の遊技球搬送装置50は遊技球搬送装置50の表面側が現れ、右側の遊技球搬送装置50は遊技球搬送装置50の裏面側が現れている。
遊技球搬送装置50は、図4、図5に示すように、遊技球5を搬送する搬送路として互いに搬送方向が逆向きの第1ベルトコンベア51aと第2ベルトコンベア51bとを平行に並設して備える。ここでは、第1ベルトコンベア51aは、図4の矢印B方向に遊技球を搬送し、第2ベルトコンベア51bはその逆の矢印C方向に遊技球を搬送する。
遊技球搬送装置50は、搬送路の長手方向のほぼ全長をなす搬送フレーム52を備えており、第1ベルトコンベア51aは(図2の右側参照)、搬送フレーム52の一端部に軸支された第1駆動プーリ53aと、他端部に軸支された第1従動プーリ54aとの間に無端の第1搬送ベルト55aを掛け渡して構成される。さらに、第1駆動プーリ53aを駆動する第1モータ56aと、第1搬送ベルト55aの弛みを取る第1テンションローラ57aとを備えている。
第2ベルトコンベア51bは(図2の左側もしくは図3参照)、第1ベルトコンベア51aと逆向きに構成されており、搬送フレーム52の両端部に設けた第2駆動プーリ53bと第2従動プーリ54bとの間に無端の第2搬送ベルト55bを掛け渡して構成され、さらに、第2駆動プーリ53bを駆動する第2モータ56bと、第2搬送ベルト55bの弛みを取る一組の第2テンションローラ57bとを備えている。
さらに遊技球搬送装置50は、各テンションローラ57a、57bの回転を検知するスリットセンサ58(図3参照)を備えている。スリットセンサ58は、第1、第2の搬送ベルト55a、55bが正常に周回しているか否かを検出するものであり、ベルトコンベア51a、51bの動作状態を検出する動作状態検出手段としての機能を果たす。
遊技球搬送装置50には、図2に示すように、遊技機2と台間玉貸機3の横幅を合わせた間隔Dに対して片側2個ずつのシュート31(遊技機用のシュート31bと台間玉貸機用のシュート31c)が、遊技球搬送装置50の長手方向両サイドに沿って取り付けられている。
また、図5に示すように、搬送フレーム52は、搬送路の長手方向に延びる平面状の支持部52aを有している。第1ベルトコンベア51aおよび第2ベルトコンベア51bは、それぞれ遊技球が載る側の裏面を搬送フレーム52の支持部52aに這わせるようにして掛け渡されており、搬送される遊技球の重みを支持部52aで受けて支えるようになっている。支持部52aは、断面略下向きコの字型の台座部52cによって支持されている。
遊技球搬送装置50の搬送フレーム52は、図2に示すように、上部タンク13側の端部近傍で回動軸61により軸支されており、遊技機島10の端部側の近傍で駆動シリンダ62から進退する伸縮ロッド63によって支持されている。詳細には、図7に示すように、駆動シリンダ62は遊技機島10の幕板内支持部11aに固定されており、伸縮ロッド63の先端は台座部52cの下端を支持している。
搬送フレーム52および第1ベルトコンベア51a、第2ベルトコンベア51bは伸縮ロッド63を伸縮させることで回動軸61を中心に回動して遊技機島10の端部側が昇降し、遊技機島10の端部側が下降した傾斜状態と水平状態とに変位可能に構成されている。図7の位置Dpは、下降した状態の台座部52cの位置を示している。回動軸61、駆動シリンダ62、伸縮ロッド63は、第1ベルトコンベア51a、第2ベルトコンベア51b上から遊技球を強制的に排出する強制排出手段60としての機能を果たす。
図3に示すように、遊技球搬送装置50のうち遊技機島10の端部側の終端には、排出部25が配設され、その下方側には排出ホース24が設けられている。また、第1ベルトコンベア51aおよび第2ベルトコンベア51bの端部から排出部25に掛けて、遊技球を導く排出レール26が設置されている。
遊技球搬送装置50の長手方向の両端部にはそれぞれ、搬送方向の終端近傍に到達した遊技球が当接する当接部材65a、65bが設けてある。一方のベルトコンベアの終端まで搬送されてきた遊技球は当接部材65a、65bに当接してその手前で滞留し、やがて溢れ出して他方のベルトコンベアに移行する(図6参照)。両端でこのような移行が行なわれることで、遊技球搬送装置50上の遊技球は、第1ベルトコンベア51aおよび第2ベルトコンベア51bにより、当接部材65aと当接部材65bとの間を周回するように搬送される。
排出部25側に設けられた当接部材65aは、幕板内支持部11aに固定されて上方に延びた支持フレーム66の上端に取り付けられており、伸縮ロッド63の伸縮によって搬送フレーム52の遊技機島10の端部側が昇降すると、搬送フレーム52と当接部材65aとが相対移動し、搬送フレーム52が略水平状態にあるときは、搬送されてきた遊技球と当接部材65aとが当接して遊技球が一方から他方のベルトコンベアへ移行する状態が形成され、搬送フレーム52の遊技機島10の端部側が下降した傾斜状態になると、当接部材65aが第1ベルトコンベア51aおよび第2ベルトコンベア51bから離脱して、搬送されてきた遊技球と当接部材65aとが当接しない状態が形成されるようになっている。
次に、遊技球搬送装置50による遊技球の搬送作用について説明する。
上部タンク13の上部タンクシャッタ13aを開放することにより、上部タンク13から遊技球搬送装置50の第1ベルトコンベア51aおよび第2ベルトコンベア51b上に遊技球が供給される。供給された遊技球は、図4に示すように、第1ベルトコンベア51aによって矢印B方向に搬送されると共に、第2ベルトコンベア51bによってこれと逆向きの矢印C方向に搬送される。また、両端では当接部材65a、65bとの当接によって一方のベルトコンベアから他方のベルトコンベアへの移行が生じ、遊技球は2本のベルトコンベア51a、51b上を循環して周回するように搬送される。
また、第1ベルトコンベア51aと第2ベルトコンベア51bとは境界に段差や障壁がなく互いを遊技球が往来自在に形成してあるので、反対方向に搬送される遊技球同士の衝突が、これら2台のベルトコンベア51a、51bの境界部で生じる。
衝突した遊技球は、たとえば、図4の矢印Fで示すように、その進路を斜めに変更し、進路変更した遊技球はさらに他の遊技球と衝突し易くなり、各所で衝突が生じ、搬送中の遊技球は様々な方向へ進路を取る。たとえば、ある遊技球は境界部での衝突によって進路変更し、そのままシュート31の取込口32に取り込まれる。また、境界部で生じた衝突を起因として様々な衝突が連鎖的に発生することにより、搬送中の遊技球がシュート31の取込口32に取り込まれる。
なお、取込口32には、ベルトコンベア51a、51bの両脇の玉受けスペース52dにある遊技球も、第1ベルトコンベア51a、あるいは第2ベルトコンベア51bによって搬送される遊技球に引きずられるようにして搬送されて取り込まれる。
このように、搬送方向を逆にした第1ベルトコンベア51aと第2ベルトコンベア51bとの境界部で遊技球が衝突することにより、搬送方向に沿って遊技球を搬送する機能と、遊技球補給装置50の長手方向の両縁部に沿って配列されたシュート31の取込口32へ遊技球を振り分けて補給する機能とが実現される。また、遊技球を水平搬送するので、従来の補給樋のように勾配をつける必要がなく、その分、遊技機島10の高さを低くすることができる。さらに、境界部での衝突を起因にして遊技球の進路を変更するので、進路を側方に向けるための特別な機構を設けたりする必要がなく、遊技球補給装置50の構成を簡略化することができる。
次に、遊技球の強制排出動作について説明する。
制御盤28は、左右の遊技球搬送装置50の動作状態を各スリットセンサ58によって検出し、モータ56a、56bの故障や搬送ベルト55a、55bの切断などによって搬送動作が停止したことを検出すると、その搬送動作の停止した遊技球搬送装置50に遊技球を供給している側の上部タンクシャッタ13aを閉じると共に、搬送動作の停止した遊技球搬送装置50の伸縮ロッド63を縮退させ、排出部25側が低くなるようにベルトコンベア51a、51bを傾斜させる。
図8(a)は、水平状態の遊技球搬送装置50を示し、図8(b)は傾斜状態の遊技球搬送装置50を示している。同図(a)に示すように、伸縮ロッド63が伸張している状態では、搬送フレーム52(ベルトコンベア51a、51b)が略水平な状態に維持される。また、当接部材65aは、ほぼベルトコンベア51a、51bの路面に接した状態となり、遊技球は、2本のベルトコンベア51a、51b上を循環して周回するように搬送される。同図8(a)では上部タンクシャッタ13aが開放され、上部タンク13からベルトコンベア51a、51b上へ遊技球が適宜供給される。
伸縮ロッド63が縮退すると、図8(b)に示すように、回動軸61を中心に搬送フレーム52が回動して傾斜する。このとき、支持フレーム66に支持された当接部材65aは、水平状態の時と同一の位置に留まるので、当接部材65aが搬送フレーム52(ベルトコンベア51a、51b)から離脱する。その結果、傾斜したベルトコンベア51a、51b上を流下してきた遊技球は、図9に示すように、当接部材65aに当接することなくそのまま転動して、排出部25から排出される。
このようにして、新たにシャッタ装置などを設けることなく簡単な構成で遊技球をベルトコンベア51a、51b上から強制的に排出することができる。このとき図8(b)に示すように上部タンクシャッタ13aを閉じるので、上部タンク13からベルトコンベア51a、51b上への遊技球の供給は停止され、ベルトコンベア51a、51b上にあったすべての遊技球がやがて排出部25から排出される。これにより、遊技球がベルトコンベア51a、51b上に残っている場合に比べて、故障した遊技球搬送装置50の復旧作業に係わる負担が軽減する。また、搬送動作の停止が検出された場合に自動的に上部タンクシャッタ13aを閉じると共にベルトコンベア51a、51bを傾斜させて遊技球を強制排出するので、遊技場の係員が上部タンクシャッタ13aの閉鎖やベルトコンベア51a、51bの傾斜を手動操作で行なう場合に比べて、係員がなかなか気付かないようなことがなく、復旧作業を素早く進めることができる。
また、ベルトコンベア51a、51bを搬送フレーム52の支持部52a上を這わせるようにして掛け渡してあるので、搬送路の断面は幅方向にほぼ水平となる。その結果、搬送路の路面が複数のテンションローラの周面に沿って断面凸状に湾曲しているような場合に比べて、遊技球がベルトコンベア51a、51b上に留まりやすく、搬送動作の停止により、ベルトコンベア51a、51bを傾斜させると同時に上部タンクシャッタ13aを閉鎖した場合でも、ベルトコンベア51a、51b上に遊技球が多少残留するようになり、しばらくは遊技球をシュート31から遊技機2などへ補給することができる。この間に、遊技客に対して事態を説明したり他の遊技機島に誘導したりすることができ、営業への支障を幾分緩和することができる。
その後、ベルトコンベア51a、51bの復旧作業が終了し、ベルトコンベア51a、51bの作動が開始されると、スリットセンサ58によってベルトコンベア51a、51bの作動開始が検出される。該検出により制御盤28は伸縮ロッド63を伸張させて搬送フレーム52(ベルトコンベア51a、51b)を水平状態にすると共に上部タンクシャッタ13aを開放するという一連の制御を実行する。これにより、ベルトコンベア51a、51bの稼動準備作業が軽減され、稼動の再開を円滑かつ迅速に進めることができる。
また、遊技機島10の右側と左側とにそれぞれ独立の遊技球搬送装置50を設け、故障などにより搬送動作が停止した側のみに対して上部タンクシャッタ13aの閉鎖と傾斜による強制排出動作とを行なうので、左右のうちの一方の遊技球搬送装置50が故障した場合でも、他方の遊技球搬送装置50の稼動を維持することができ、遊技者に及ぼす影響を少なく抑えることができる。さらに、遊技機島10の右側と左側とに分けて遊技球搬送装置50を設けたことにより、遊技機島10の長手方向のほぼ全長にわたる長大な遊技球搬送装置を設置する場合に比べて、1つの遊技球搬送装置50の全長が短くなり、必要な勾配を得るための下降距離を短くすることができる。その結果、遊技機島10の全長が長くなっても、必要な勾配を確保することができ、遊技機島10の端部からのスムーズな強制排出が可能になる。
図10は、図2に示すものに対して、排出部25が上部タンク13側となるように向きを代えて設置した場合の遊技球搬送装置50Bを示している。回動軸61は遊技機島10の一方の端部側にあり、駆動シリンダ62の伸縮により搬送フレーム52の上部タンク13側の端部が昇降するようになっている。スリットセンサ58が搬送動作の停止を検知すると、伸縮ロッド63が縮退して搬送フレーム52の上部タンク13側端部が下降し、遊技球が遊技機島10の端部側から中央に向けて転動し、上部タンク13側の端部に設けられた排出部25から排出されるようになっている。排出ホース24の下端は、遊技機2から排出された遊技球などを回収する回収路17に接続されている。
図10に示す構成においては、遊技球を上部タンク13側から強制排出するようにしているので、ベルトコンベア51a、51bから遊技球を排出する排出ホース24と上部タンク13からのオーバーフロー管21とを集約することができる。また、ベルトコンベア51a、51bを傾斜させても上部タンク13にベルトコンベアが干渉するおそれがなく、十分な勾配を確保することができる。
なお、図10では、搬送フレーム52の上部タンク13側の端部を下降させることで遊技球が上部タンク13側へ転動するように搬送フレーム52(ベルトコンベア51a、51b)を傾斜させたが、搬送フレーム52の上部タンク13側に回動軸61を設け、搬送フレーム52の遊技機島10一端部側に設けた伸縮ロッド63を伸張することで遊技球が上部タンク13側へ転動するように傾斜させてもよい。
この場合においても、図10に示すものと同様に、排出ホース24と上部タンク13からのオーバーフロー管21とを集約することができる。また、ベルトコンベア51a、51bを傾斜させても上部タンク13にベルトコンベアが干渉するおそれがなく、十分な勾配を確保することができる。
図11は、上部タンク13側を上昇させることでベルトコンベア51a、51bを遊技機島10の端部側に向けて下り傾斜させるようにした遊技球搬送装置50Cを示している。図8の示すものに比べて、搬送フレーム52の遊技機島10の端部側に回動軸61cを配置し、搬送フレーム52の上部タンク13側を駆動シリンダ62cの伸縮ロッド63cで昇降させるようにした点で相違する。また、排出部25側の当接部材65aは幕板内支持部11aに固定された支持フレーム66の先端に取り付けられている。また、上部タンクシャッタ13aはシャッタ連動機構74によって搬送フレーム52の上部タンク13側の端部の所定箇所と接続されている。
遊技球搬送装置50Cを水平状態にするときは、図11(a)に示すように、上部タンク13側の伸縮ロッド63cを縮退させる。水平状態ではシャッタ連動機構74がほぼ伸びた状態となって上部タンクシャッタ13aが開放され、遊技球がベルトコンベア51a、51b上に上部タンク13から供給される。また、この場合、当接部材65aはベルトコンベア51a、51bの路面にほぼ接する状態となり、遊技球は2本のベルトコンベア51a、51b上を循環するように搬送される。
スリットセンサ58によって、遊技球搬送装置50Cの搬送動作の停止が検知されると、図11(b)に示すように、伸縮ロッド63cを伸張し、回動軸61cを中心に搬送フレーム52の上部タンク13側を上昇させる。このとき当接部材65aは、支持フレーム66に固定されているので、わずかにベルトコンベア51a、51bの路面から離脱した状態になり、当接部材65aとベルトコンベア51a、51bとの間に遊技球が通るだけの隙間ができる。その結果、遊技球搬送装置50Cの傾斜によりベルトコンベア51a、51b上の遊技球は遊技機島10の端部側へ転動する。また、搬送フレーム52の上部タンク13側の端部が上昇することでシャッタ連動機構74が圧縮され、上部タンクシャッタ13aが連動して閉鎖され上部タンク13からの遊技球の供給が停止する。
また、当接部材65aがベルトコンベア51a、51bの路面から離脱するので、傾斜したベルトコンベア51a、51b上を流下してきた遊技球は当接部材65aに当接することなくそのまま転動して排出部25から排出される。これにより、故障した遊技球搬送装置50Cの復旧作業に係わる負担が軽減され、復旧作業を素早く進めることができる。
このように搬送フレーム52の上部タンク13側を昇降させることで水平状態と傾斜状態とに変位させるので、該変位に応じて簡単な機構のシャッタ連動機構74などで上部タンクシャッタ13aを開閉することができ、上部タンクシャッタ13aを開閉するための特別な制御装置が不要になり、装置構成が簡略化される。
図12は、遊技機島10の長手方向の略全長にわたって1台の遊技球搬送装置50Dを設けた場合の構成例を示している。遊技球搬送装置50Dでは、搬送フレーム52のうち、遊技機島10の一方の端部側に回動軸61dを設け、遊技機島10の他方の端部側を、幕板内支持部11aに固定した駆動シリンダ62dから進退する伸縮ロッド63dによって昇降する。伸縮ロッド63dを伸張した場合、搬送フレーム52(ベルトコンベア51a、51b)が略水平となり、支持フレーム66に支持された当接部材65aがベルトコンベア51a、51bの路面とほぼ接する状態になる。
一方、図12に示すように伸縮ロッド63dを縮退させると搬送フレーム52(ベルトコンベア51a、51b)が傾斜状態になると共に、支持フレーム66に支持された当接部材65aがベルトコンベア51a、51bの路面から離脱する。これにより、遊技機島10の長手方向の略全長にわたる遊技球搬送装置50D上にあった遊技球が傾斜の下端側へ向かって転動し、排出部25から排出される。スリットセンサ58の検出状態に応じて上部タンクシャッタ13aの開閉と遊技球搬送装置50Dの傾斜を制御する点については図2などに示すものと同様である。
図12に示す構成では、ベルトコンベア51a、51bを傾斜させるための強制排出手段(回動軸61、駆動シリンダ62d、伸縮ロッド63dなど)の設置数を1つにすることができる。さらに排出ホース24、排出部25は一方の島端にのみ設ければよいので装置構成が簡略化される。
図13は、仕切り壁に進路変更部材を配したタイプの遊技球搬送装置80の略中央部分を示している。遊技球搬送装置80は、第1ベルトコンベア51aと第2ベルトコンベア51bとの境界部に沿って仕切り壁81を立設してあり、この仕切り壁81の両壁面の各所に進路変更部材82を取り付けてある。仕切り壁82は、搬送路の両端近傍を除くほぼ全長にわたって形成されており、その高さは、遊技球より若干高く設定されている。
図14(a)に示すように、進路変更部材82は、板バネをへの字状に曲げたものである。また、同図(b)に示すように、搬送方向(図中の矢印M)と平行な姿勢に対してシュート31側の面が搬送方向上流側を向くように傾斜した第1姿勢(S1)と、第1姿勢(S1)に比べて傾斜の少ない第2姿勢(S2)とに変位しかつ当該板バネの弾性力により第1姿勢(S1)に向けて付勢されている。弾性力は、適量の遊技球が進路変更部材82に上流から衝突している場合には第1姿勢(S1)をほぼ維持し、多量の遊技球が進路変更部材82に衝突した場合に第2姿勢(S2)に変位する強さに設定されている。
進路変更部材82は、各シュート31の取込口32に対応付けて設けてあり、進路変更部材82で生じた衝突を起因に進路変更した遊技球や連鎖的に衝突した遊技球が上手く取込口32に取り込まれるように進路変更部材82を配置してある。詳細には、進路変更部材82は、目的の取込口32に対してある程度、搬送方向上流側に設定される。たとえば、図13では、取込口32Aに対して進路変更部材82Aを、取込口32Bに対して進路変更部材82Bを設けてある。
図13に示すように、遊技球搬送装置80に供給された遊技球は、第1ベルトコンベア51aによって矢印B方向に搬送されると共に、第2ベルトコンベア51bによってこれと逆向きの矢印C方向に搬送される。図13は、適量の遊技球を搬送している状態を示している。適量の遊技球が搬送されているときは、進路変更部材82がほぼ第1姿勢になっているので、搬送中に遊技球と進路変更部材82との衝突が生じる。
衝突した遊技球は、たとえば、図中の矢印Hで示すように、その進路を斜めに変更する。このように進路変更した遊技球はさらに他の遊技球と衝突し易くなり、各所で衝突が生じ、搬送中の遊技球は様々な方向へ進路を取る。たとえば、ある遊技球は進路変更部材82との衝突によって進路変更し、そのままシュート61の取込口32に取り込まれる。また、進路変更部材82との衝突を起因として様々な衝突が連鎖的に発生することにより、搬送中の遊技球がシュート31の取込口32に取り込まれる。
一方、多量の遊技球を搬送しているときは、図15に示すように、搬送されている多量の遊技球に押されて進路変更部材82が遊技球の搬送方向と平行に近い第2姿勢に変位する。これにより、進路変更部材82が遊技球の進路を妨げず、多量の搬送が効率良く行なわれる。なお、多量の遊技球を搬送しているときは、搬送路のほぼ幅一杯に遊技球が存在するので、進路変更部材82が第2姿勢であっても、両脇の玉受けスペース52dを通る遊技球がシュート31の取込口32に順次取り込まれる。
このように、第1ベルトコンベア51aと第2ベルトコンベア51bとの境界部に設けた仕切り壁81の両壁面に進路変更部材82を取り付けることで、搬送方向に沿って遊技球を搬送する機能と、遊技球搬送装置80の長手方向の両縁部に沿って配列されたシュート31の取込口32へ遊技球を振り分けて補給する機能とが実現される。また、遊技球を水平搬送するので、従来の補給樋のように勾配をつける必要がなく、その分、遊技機島10の高さを低くすることができる。さらに、仕切り壁81の壁面に取り付けた進路変更部材82との衝突を起因にして遊技球の進路を変更するので、進路を側方に向けるための特別な機構を設けたりする必要がなく、遊技球搬送装置80の構成を簡略化することができる。
以上のように、遊技球補給装置50として、互いに搬送方向が逆向きの第1ベルトコンベア51aと第2ベルトコンベア51bとをほぼ平行に近接配置し、境界で遊技球同士が衝突することで遊技球の軌道が変化しシュート31へ取り込まれる方式のものを使用したが、他の方式でもかまわない。例えば、後述するように1本のベルトコンベアで遊技球を搬送する方式にも本発明は適用できる。
次に、本発明に関連する参考形態を説明する。
第1の実施の形態では、遊技球搬送装置50、80を遊技機島10内での遊技球の搬送に使用したが、参考形態では遊技機島10と他の遊技機島10との間での遊技球の移送に使用している。図16は、第1の遊技機島10Aの第1上部タンク13Aと第2の遊技機島10Bの第2上部タンク13Bとの間に掛け渡された遊技球搬送装置としての島間コンベア90を示している。遊技球搬送装置50は搬送方向が逆向きの2本のベルトコンベア51a、51bを有していたが、島間コンベア90では1本のベルトコンベア91で遊技球を第1上部タンク13Aから第2上部タンク13Bへ一方向Jに搬送するようになっている。
島間コンベア90の搬送フレーム92は、第1上部タンク13A側の端部が回動軸93で回動可能に支持され、第2上部タンク13B側の端部は、第2上部タンク13Bの所定箇所に固定された駆動シリンダ94から上下に進退する伸縮ロッド95の先端で支持されている。ベルトコンベア91の動作状態は遊技球搬送装置50の場合と同様にスリットセンサ96によって検出される。
スリットセンサ96によってベルトコンベア91の作動が検出されている正常時は、図16(a)に示すように、伸縮ロッド95が伸張しており、ベルトコンベア91は略水平な状態に保持されて、第1上部タンク13Aから第2上部タンク13B(矢印J方向)への搬送動作が行なわれる。
スリットセンサ96が、モータ97の故障などによるベルトコンベア91の搬送動作の停止を検出すると、図16(b)に示すように伸縮ロッド95を縮退させて搬送フレーム92の第2上部タンク13B側の端部を下降させ、ベルトコンベア91を傾斜させる。この傾斜によりベルトコンベア91上の遊技球は、正常時の搬送方向Jと同一方向に転動し、第1上部タンク13Aから第2上部タンク13Bに向けての遊技球の移送が確保される。これにより、ベルトコンベア91が故障したときのために別途、遊技機島10A、10Bでの遊技球の貯留量を調整する制御を追加しなくて済む。
なお、ベルトコンベア91の搬送動作の停止が検出された時点でシャッタなどを閉じて第1上部タンク13Aからベルトコンベア91への遊技球の供給を停止させてもよい。搬送動作の停止に応じてベルトコンベア91上への遊技球の供給を停止すると、ベルトコンベア91上に残存していた遊技球が傾斜によって強制排出された後はベルトコンベア91に遊技球がなくなるので、復旧作業の負担が軽減し、素早く復旧作業を進めることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
たとえば、実施の形態では、搬送フレーム52の昇降に伸縮ロッド63を用いたが、カムを利用して搬送フレーム52の昇降を行なってもよい。図17は、カム機構100を用いた遊技球搬送装置50Eを示し、図18はカム機構100の近傍を拡大図示している。駆動シリンダ62および伸縮ロッド63に代えてカム機構100を使用した点以外は図2、図3などに示す遊技球搬送装置50と同様の構成になっている。
図17(a)は、動力で回動されるカム機構100を直立姿勢にすることで搬送フレーム52を水平状態に保持した状態を示している。この状態で当接部材65aは、ほぼベルトコンベア51a、51bの路面に接した状態となり、遊技球は、2本のベルトコンベア51a、51b上を循環して周回するように搬送される。同図17(a)では上部タンクシャッタ13aが開放され、上部タンク13から遊技球搬送装置50E上へ遊技球が適宜供給される。
スリットセンサ58が、モータ56a、56bの故障や搬送ベルト55a、55bの切断などによる搬送動作の停止を検出すると、図17(b)に示すようにカム機構100を回転させて横倒し姿勢にすると共に、上部タンクシャッタ13aを閉じる。カム機構100を横倒し姿勢にすることで搬送フレーム52は回動軸61を中心に回動し、カム機構100側の端部が下降して傾斜する。このとき、支持フレーム66に支持された当接部材65aは、図17(a)に示す水平状態時と同一の位置に保持されるので、当接部材65aが搬送フレーム52(ベルトコンベア51a、51b)から離脱する。これにより、ベルトコンベア51a、51b上の遊技球は排出部25へと転動して強制排出される。
このほか、実施の形態では、遊技機島10内での使用する遊技球搬送装置50、80としてベルトコンベアを2本使用するものを示したが、図19に示す遊技球搬送装置50Fのように、1本のベルトコンベアを使用するものであってもかまわない。なお、図19(a)は搬送中の状態を、図19(b)は搬送動作の停止時の状態を示している。1本のベルトコンベアを使用する場合は、遊技球は上部タンク13側から遊技機島10の端部側の排出部25へ向かって一方通行に搬送される。したがって、上部タンク13側の端部から強制排出を行なう場合には、上部タンク13側の端部にも排出部25および排出ホース24を設けることになる。この排出ホース24はオーバーフロー管21と集約されてもかまわない。
このほか、ベルトコンベアの傾斜機構は実施の形態で例示した方法に限定されず、どのような機構で行なってもかまわない。さらに、遊技球を強制排出する方法はベルトコンベアを傾斜させる方法に限定されない。
実施の形態では、ベルトコンベアによる搬送動作の停止を検出したことに基づいて上部タンクシャッタ13aを閉鎖するようにしたが、シャッタの閉鎖以外の方法であってもベルトコンベア上への遊技球(遊技媒体)の供給が停止されればよく、たとえば、ベルトコンベア上へ供給される遊技球をオーバーフロー管21などへ逃がすようにしてもよい。