JP4721646B2 - 高精度同期制御機能を備えた2ステージレーザ装置 - Google Patents
高精度同期制御機能を備えた2ステージレーザ装置 Download PDFInfo
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Description
レーザ媒質であるレーザガスが封入されたレーザチャンバ内部には、レーザガスを励起するための一対の主放電電極が、レーザ発振方向に垂直な方向に所定の距離だけ離間して対向配置されている。この一対の主放電電極には高電圧パルスが印加され、主放電電極間にかかる電圧がある値(ブレークダウン電圧)に到達すると、主放電電極間のレーザガスが絶縁破壊されて主放電が開始し、この主放電によりレーザ媒質が励起される。よって、このような露光用ガスレーザ装置は主放電の繰返しによるパルス発振を行い、放出するレーザ光はパルス光となる。
投影光学系を用いた露光装置に光源として適用する場合、上記投影光学系における色収差の問題を回避するために、上記したようなガスレーザ装置から放出されるレーザ光のスペクトル線幅は狭帯域化される。
例えば、レーザ共振器は、レーザチャンバを挟んだ出力鏡と狭帯域光学系から構成される。狭帯域化光学系〔LNM(Line Narrow Module)〕は、例えば、レーザ光が入射する側から、スリット、拡大プリズム等から構成される拡大光学系、反射型グレーティングとからなる。
第一の要請である高出力化のためには、1パルスあたりのエネルギーを増加させる方法、あるいは低パルスエネルギーだが繰返し周波数を増加させる方法がある。
第二の要請である超狭帯域化は、上記したように、通常プリズムとグレーティングで構成される狭帯域化光学系の高分解能化や、特許文献1に記載されたようなレーザパルスのロングパルス化等による方法がある。しかしながら狭帯域化光学系の高分解能化やロングパルス化による超狭帯域化は、一般的に光学的ロスを増加させる等、パルスエネルギー低下を招く。つまり狭帯域化とパルスエネルギーはトレードオフの関係にある。
繰り返し周波数増加に関しても、4kHzを超える繰り返し周波数はCoO(Cost of operation )の観点より技術的ハードルが高い。そのため、1台のレーザにおいて超狭帯域化を維持したまま、繰り返し周波数増加によって高出力化するにはおのずと限界がある。
1台目の発振段レーザは低パルスエネルギーながら超狭帯域化スペクトルをもつ。2台目の増幅段レーザにおいて、発振段レーザの超狭帯域化スペクトルを維持したままパルスエネルギーのみ増幅する。この方法は2台目の増幅段レーザにLNM(狭帯域化光学系)などの光学的ロスを含まないため、非常にレーザ発振効率が高い。この同期レーザ装置により所望の超狭帯域化スペクトル、レーザ出力を得ることが可能となる。
2ステージレーザ装置の形態としてはアンプ側に共振器ミラーを設けないMOPA方式と共振器ミラーを設けるMOPO方式とに大別される。
図15はMOPA方式の従来の2ステージレーザ装置の構成例を示し、図16はMOPO方式における増幅段レーザの構成例を示す。なお、図16の発振段レーザには、例えば、図15に示す発振段レーザと同様のものが用いられる。図15、図16はレーザ装置を上方から見た場合の概要図である。
図15において、発振段レーザ1から放出されるレーザビームはレーザ装置のシードレーザビーム(種レーザビーム)としての機能を有する。増幅段レーザ2はそのシードレーザビームを増幅する機能を有する。すなわち、発振段レーザ1のスペクトル特性によりレーザ装置の全体のスペクトル特性が決定される。そして、増幅段レーザ2によってレーザ装置からのレーザ出力(エネルギーまたはパワー)が決定される。
レーザチャンバ1a,2aは内部に放電部を有している。放電部は紙面と垂直方向に上下に設置されている一対のカソード、アノード電極1b、カソード、アノード電極2bからなる。これらの一対の電極に電源1c,2cから高電圧パルスが印加されることにより、電極間で放電が発生する。なお、図15、図16では上部電極のみが図示されている。 チャンバ1a,2a内に設置された一対の電極1b,2bの光軸延長上両端に、CaF2 等のレーザ発振光に対して透過性がある材料によって作られたウィンドウ部材1d,2dがそれぞれ設置されている。ここでは両ウィンドウ部材のチャンバ1a,2aと反対側の面(外側の面)は互いに平行にそして、レーザビームに対して反射損失を低減するためにブリュースタ角で設置されている。
発振段レーザ1は拡大プリズム3bとグレーティング(回折格子)3aによって構成された狭帯域化モジュール(狭帯域化光学系)3を有し、この狭帯域化モジュール3内の光学素子とフロントミラー1fとでレーザ共振器を構成する。
発振段レーザ1からのレーザビーム(シードレーザビーム)は図示を省略した反射ミラー等を含むビーム伝播系により増幅段レーザ2へ導かれ注入される。
図16に示すものでは、増幅段レーザ2の不安定共振器のリア側ミラー2eには穴が開いており、この穴を通過したレーザが上図の矢印のように反射し、また注入されたシードレーザビームは拡大し、放電部を有効に通過しレーザビームのパワーが増大する。
そして、凸面ミラーから構成されるフロントミラー2fよりレーザが出射される。
すなわち、まず、電源1cから発振段レーザ1の一対の電極1bに高電圧パルスを印加させるON指令として、発振段レーザ1の電源1cにトリガ信号を送信する。そして所定時間後、増幅段レーザ2の電源2cにON指令としてのトリガ信号を送信する。
上記所定時間とは、発振段レーザ1からシードレーザビームが増幅段レーザ2内に入射するタイミングと増幅段レーザ2が放電するタイミングを同期させるための時間である。 なお、後で述べるように、レーザチャンバ内で放電を発生させレーザガスを励起するための放電回路に、コンデンサと可飽和リアクトルとからなる磁気パルス圧縮回路を含む場合、コンデンサの充電電圧(V)と電荷の転送時間(t)との積であるVt積の値が一定という関係がある。
そのため、発振段レーザ1の一対の電極1bおよび増幅段レーザ2の一対の電極2bにそれぞれ印加する電圧の値によっては、同期コントローラ10は、先に増幅段レーザ2の電源2cにON指令としてのトリガ信号を送信後、所定時間後、発振段レーザ1の電源1cにトリガ信号を送信する場合もある。
図17の放電回路は、主コンデンサC0を充電する充電器Chと可飽和リアクトルからなる3個の磁気スイッチSR1,SR2,SR3を用いた2段の磁気パルス圧縮回路(以下ではMPC回路ともいう)からなる。
磁気スイッチSR1はIGBT等の半導体スイッチング素子である固体スイッチSWでのスイッチングロスの低減用のものであり、磁気アシストとも呼ばれる。コンデンサC1および第1の磁気スイッチSR2からなる容量移行型回路と、コンデンサC2と第2の磁気スイッチSR3からなる容量移行型回路とにより2段の磁気パルス圧縮回路を構成している。
充電器Chにより主コンデンサC0に充電されたエネルギーは、磁気パルス圧縮回路を移行するにつれ、各段を流れる電流パルスのパルス幅が順次狭くなるようなパルス圧縮動作が行われピーキングコンデンサCpが充電され、主放電電極E,E間に短パルスの強い放電が実現される。
同期コントローラ10は、発振段レーザ1の電源1cにON指令としてのトリガ信号を送信するタイミングと増幅段レーザ2の電源2cにON指令としてのトリガ信号を送信するタイミングとの間の上記遅延時間(前記所定時間)を設定する。同期コントローラ10に備えられる遅延時間を設定するための時間差信号発生回路は、従来、例えば以下のように構成されていた。
図18にアナログプログラマブル遅延IC等を使用した時間差信号発生回路を示す。図18は前記同期コントローラ10内に設けられた時間差信号発生回路の構成を示しており、時間差信号発生回路は、発振段レーザ1の電源1cに与えるトリガ信号(OSCトリガという)と、増幅段レーザ2の電源2cに与えるトリガ信号(AMPトリガという)を生成する。
また、同図のインタフェース27は、露光装置(図示せず)と同期コントローラ10との間に設けられたインタフェース手段であり、同期コントローラ10は、インタフェース27を介して露光装置からトリガ信号(Trigin)が与えられると、充電制御信号HV1,HV2を作成して電源1c,2cの充電器に出力し、チャージ充電安定時間が経過後、プリトリガ信号(Pre_Ttig)を生成し、このプリトリガ信号を上記時間差信号発生回路に出力する。上記時間差信号発生回路は、このプリトリガ信号を所定時間遅延させたOSCトリガ信号、AMPトリガ信号を発生し、前記図15に示した電源1c、電源2cのスイッチに与える。
ここで、上記OSCトリガ信号、AMPトリガ信号が各電源1c、2cに送信されてから実際に放電が発生するまでの時間は、必ずしも一定ではない。各電源中の磁気パルス圧縮回路における電圧パルスの移行時間tmは、主コンデンサC0への充電電圧の値、磁気パルス圧縮回路を構成する可飽和リアクトル、コンデンサの温度変化等により変化する。 また、チャンバ1a、2a内のレーザガス圧力に応じて、電極間に電圧が印加されてから放電が開始するまでの時間tbも変化する。
同図のCPU10aは、上記した時間tm、tbを考慮して、各電源1c、2cへトリガ信号を送出するタイミングを決定する。その際、各電源1c、2cへ送出する各トリガ信号間には所定の遅延時間が織り込まれる。
発振段レーザ1の電源1cにON指令としてのトリガ信号を送信するタイミングに相当するOSCディレイデータがCPU10aからデータラッチ部102に予め送出される。また、増幅段レーザ2の電源2cにON指令としてのトリガ信号を送信するタイミングに相当するAMPディレイデータがCPU10aからデータラッチ部105に予め送出される。
OSCディレイデータ、AMPディレイデータを受信したデータラッチ部102,105は、上記ディレイデータに相当する信号を保持し、D/Aコンバータ103,106に送出する。各デジタル信号は、D/Aコンバータ103,106によりアナログ信号に変換され、コンパレータ107,108に入力される。
コンパレータ107は、ランプ信号発生器101から受信したランプ信号とD/Aコンバータ103から受信した信号と比較し、例えば、D/Aコンバータ103から受信した信号の値がランプ信号発生器101から受信したランプ信号の値を下回ったとき、電源1cへOSCトリガ信号を出力する。
同様に、コンパレータ108は、ランプ信号発生器104から受信したランプ信号とD/Aコンバータ106から受信した信号と比較し、例えば、D/Aコンバータ106から受信した信号の値がランプ信号発生器104から受信したランプ信号の値を下回ったとき、電源2cへAMPトリガ信号を出力する。
すなわち、前記トリガ信号は、ランプ信号発生器101,104で発生するランプ信号の値が、OSCディレイデータ、AMPディレイデータに相当する値を下回るまでの時間だけ遅延される。この時間は、前記ランプ信号の傾きと、CPU10aが出力するOSCディレイデータ、AMPディレイデータの値により制御される。
図19にFPGAを使用した時間差信号発生回路を示す。この時間差信号発生回路は、CPU10a、FPGA10bおよびクロック発生部10cから構成される。
この従来例では、上記したランプ信号の発生、ランプ信号と基準データとの比較による遅延したトリガ信号の出力といった制御をFPGAにプログラムして行わせる。
すなわち、FPGA10bに、電源1cへ遅延したトリガ信号を出力するOSCトリガディレイ部10dと電源2cへ遅延したトリガ信号を出力するAMPトリガディレイ部10eとを設ける。
図19において、まずCPU10aは、上記した時間tm、tbを考慮して、前記したように各電源1c、2cへトリガ信号を送出するタイミングを決定する。
その際、各電源1c、2cへ送出する各トリガ信号間には所定の遅延時間が織り込まれる。そして、発振段レーザ1の電源1cにON指令としてのトリガ信号を送信するタイミングに相当するOSCディレイデータ、並びに、増幅段レーザ2の電源2cにON指令としてのトリガ信号を送信するタイミングに相当するAMPディレイデータをFPGA10bに予め送出する。
例えば、上記OSCトリガディレイ部10dと、AMPトリガディレイ部10eは、それぞれカウンタを備え、プリトリガ信号が与えられるとクロック発生部10cから出力される基準クロック信号のカウントを開始し、カウント値が、OSCディレイデータ、AMPディレイデータに相当した値に達するとOSCトリガ、AMPトリガを発生する。
このとき、電源1cへトリガ信号を出力するときの遅延時間と電源2cへトリガ信号を出力するときの遅延時間は、各トリガ信号間に所定の遅延時間が織り込まれるよう設定されている。
以上のように従来の時間差信号発生回路は、遅延時間の精度を高くしようとすると、調整範囲が狭くなり、また、遅延時間の調整範囲を広範囲にしようとすると、設定精度が低くなるといった問題を持っていた。
本発明は、上記した事情を鑑みなされたものであって、その課題は、発振段レーザと増幅段レーザが放電するタイミングを精度よく設定でき、且つ、その調整範囲を広範囲とすることが可能な高精度同期機能を備えた2ステージレーザ装置を提供することである。
(1)高電圧に充電される第1のコンデンサと、第1のスイッチと、この第1のスイッチがオンとなったとき上記第1のコンデンサに蓄えられた電荷をパルス圧縮して出力する第1の磁気パルス圧縮回路と、該第1の磁気パルス圧縮回路の出力端に接続される第1の一対の放電電極とを含む第1のガスレーザ装置と、高電圧に充電される第2のコンデンサと、第2のスイッチと、この第2のスイッチがオンとなったとき上記第2のコンデンサに蓄えられた電荷をパルス圧縮して出力する第2の磁気パルス圧縮回路と、該第2の磁気パルス圧縮回路の出力端に接続され、上記第1のガスレーザ装置から放出されたレーザビームが注入され、この注入されたレーザビームを増幅して放出する第2のガスレーザ装置と、上記第1のコンデンサおよび第2のコンデンサを充電する少なくとも1つの充電器と、上記第1のガスレーザ装置と第2のガスレーザ装置との発光タイミングを調整するために、上記第1のスイッチおよび第2のスイッチの動作タイミングを制御する同期コントローラとを含む2ステージレーザ装置において、
上記同期コントローラに、外部から第1および第2のスイッチの動作タイミング信号が与えられたとき、上記第1の放電電極および第2の放電電極に電圧が印加されてから、放電が開始するまでの時間と、上記第1の磁気パルス圧縮回路および第2の磁気パルス圧縮回路におけるパルス圧縮動作の移行時間から、上記外部から与えられる第1および第2のスイッチの動作タイミング信号に対する上記第1のスイッチおよび第2のスイッチのトリガ信号の遅延時間をそれぞれ算出するトリガ遅延設定手段と、
上記トリガ遅延設定手段により求めた上記外部から与えられる第1および第2のスイッチの動作タイミング信号に対する上記第1のスイッチおよび第2のスイッチのトリガ信号の遅延時間から、第1のスイッチおよび第2のスイッチの動作タイミング粗調整信号を求めるとともに、第1のスイッチおよび第2のスイッチの動作タイミング精調整信号を求める粗/精調整信号発生手段と、
上記動作タイミング粗調整信号に基づき、上記第1のスイッチおよび第2のスイッチの動作タイミングを粗調整する粗調整手段と、
上記動作タイミング精調整信号に基づき、上記粗調整手段が出力する第1のスイッチおよび第2のスイッチの動作タイミングを精調整する精調整手段とを設ける。
(2)上記構成の2ステージレーザ装置において、上記同期コントローラに、外部から第1および第2のスイッチの動作タイミング信号が与えられたとき、上記第1の放電電極および第2の放電電極に電圧が印加されてから、放電が開始するまでの時間と、上記第1の磁気パルス圧縮回路および第2の磁気パルス圧縮回路におけるパルス圧縮動作の移行時間から、上記外部から与えられる第1および第2のスイッチの動作タイミング信号に対する上記第1のスイッチおよび第2のスイッチのトリガ信号の遅延時間をそれぞれ算出するトリガ遅延設定手段と、
上記トリガ遅延設定手段により求めた、外部から与えられる第1のスイッチの動作タイミング信号に対する上記第1のスイッチのトリガ信号の遅延時間から、第1のスイッチの動作タイミング粗調整信号を求めるとともに、外部から与えられる第2のスイッチの動作タイミング信号に対する上記第2のスイッチのトリガ信号の遅延時間から、第2のスイッチの第2のスイッチの動作タイミング粗調整信号と、動作タイミング精調整信号を求める粗/精調整信号発生手段と、
上記第1のスイッチの動作タイミング粗調整信号に基づき、上記第1のスイッチの動作タイミングを粗調整するとともに、上記第2のスイッチの動作タイミング粗調整信号に基づき、第2のスイッチの動作タイミングを粗調整する粗調整手段と、上記動作タイミング精調整信号に基づき、上記粗調整手段が出力する上記第2のスイッチの動作タイミングを精調整する精調整手段とを設ける。
(3)上記粗調整手段に、外部からトリガ信号が与えられたとき、カウントを開始するカウンタを設け、該カウント値が、上記動作タイミング粗調整信号に対応した値に達したときタイミング信号を出力し、上記精調整手段に、上記粗調整手段からタイミング信号が与えられたとき、ランプ信号を発生するランプ信号発生器を設け、該ランプ信号が上記動作タイミング精調整信号に対応した値に達したとき、上記第1のスイッチおよび第2のスイッチ、もしくは第2のスイッチの動作タイミング信号を出力する。
(a)上記2ステージレーザ装置に、さらに、第1のガスレーザ装置の発光あるいは放電タイミングを計測する第1の発光あるいは放電モニタと、第2のガスレーザ装置の発光あるいは放電タイミングを計測する第2の発光あるいは放電モニタとを設け、上記同期コントローラが、上記第1の発光あるいは放電モニタおよび第2の発光あるいは放電モニタに基づき、上記第1のスイッチおよび第2のスイッチの動作タイミングをフィードバック補正する。
(b)上記第1の放電電極および第2の放電電極における放電開始タイミングを考慮した補正を、上記第1のコンデンサおよび第2のコンデンサの充電電圧値と上記第1のレーザチャンバおよび第2のレーザチャンバ内のレーザガス圧力値に基づき行う。
(c)上記第1の磁気パルス圧縮回路および第2の磁気パルス圧縮回路の動作を考慮した補正を、上記第1のコンデンサおよび第2のコンデンサの充電電圧値と上記第1の磁気パルス圧縮回路および第2の磁気パルス圧縮回路を構成する回路素子の温度値に基づき行う。
(d)上記第1の磁気パルス圧縮回路の回路定数と上記第2の磁気パルス圧縮回路の回路定数を互いに異ならせる。
(e)上記第1の電極構成と第2の電極構成とを互いに異ならせる。
(f)上記第1および第2のコンデンサを充電する充電器を一つとする。
(1)トリガ遅延設定手段により求めた第1のスイッチおよび第2のスイッチの動作タイミングから、第1のスイッチおよび第2のスイッチの動作タイミング粗調整信号を求めるとともに、第1のスイッチおよび第2のスイッチの動作タイミング精調整信号を求め、粗調整手段により、上記求めた動作タイミング粗調整信号に応じて上記第1のスイッチおよび第2のスイッチの動作タイミングを粗調整し、精調整手段により、上記動作タイミング精調整信号に応じて、上記粗調整手段が出力する第1のスイッチおよび第2のスイッチの動作タイミングを精調整するようにしたので、上記動作タイミングの設定精度を高くすることができ、且つ、上記動作タイミングの調整範囲を広範囲にすることが可能となる。
(2)上記トリガ遅延設定手段により求めた第1のスイッチの動作タイミングから第1のスイッチの動作タイミング粗調整信号を求めるとともに、第2のスイッチの動作タイミングから第2のスイッチの動作タイミング粗調整信号と、動作タイミング精調整信号を求め、粗調整手段により、上記第1のスイッチおよび第2のスイッチの動作タイミング粗調整信号に応じて上記第1のスイッチの動作タイミングを粗調整し、精調整手段により、上記第2のスイッチの動作タイミング精調整信号に応じて、上記粗調整手段が出力する上記第2のスイッチの動作タイミングを精調整するようにしたので、動作タイミングの設定精度を高くすることができ、且つ、動作タイミングの調整範囲を広範囲にすることが可能となる。また、第2のスイッチの動作タイミングのみを精調整するようにしたので、第1のスイッチの精調整手段が不要となり、構成を簡単にすることができる。
(3)粗調整手段をカウンタを有するデジタル回路で構成し、精調整手段をランプ信号発生器を有するアナログ回路で構成することにより、粗調整手段で動作タイミングを広範囲に調整し、精調整手段により、動作タイミングを精度よく設定することが可能となる。
図1は本発明の前提となる2ステージレーザ装置に構成例を示す図であり、装置を側面から見た場合の概要である。なお、図1ではレーザ装置の放電回路の主コンデンサを充電する充電器が2台の場合の構成例を示しているが、一台の充電器で上記主コンデンサを充電するようにしてもよい。
図1において、発振段レーザ(OSC)1から放出されるレーザビームは2ステージレーザ装置のシードレーザビーム(種レーザビーム)としての機能を有する。増幅段レーザ(AMP)2はそのシードレーザ光を増幅する機能を有する。すなわち、発振段レーザ1のスペクトル特性によりレーザ装置の全体のスペクトル特性が決定される。そして、増幅段レーザ2によってレーザ装置からのレーザ出力(エネルギーまたはパワー)が決定される。
2ステージレーザ装置がフッ素分子(F2 )レーザ装置のとき、発振段レーザ1、増幅段レーザ2ともにチャンバ1a,2aには、フッ素(F2 )ガスと、ヘリウム(He)やネオン(Ne)等からなるバッファーガスとからなるレーザガスが充填される。2ステージレーザ装置がKrFレーザ装置のときには、発振段レーザ1、増幅段レーザ2ともにチャンバ1a,2aには、クリプトン(Kr)ガス、フッ素(F2 )ガスと、ヘリウム(He)やネオン(Ne)等からなるバッファーガスとからなるレーザガスが充填される。
さらに、2ステージレーザ装置がArFレーザ装置のときには、発振段レーザ1、増幅段レーザ2ともにチャンバ1a,2aには、アルゴン(Ar)ガス、フッ素(F2 )ガスと、ヘリウム(He)やネオン(Ne)等からなるバッファーガスとからなるレーザガスが充填される。
また、発振段レーザ1と増幅段レーザ2ともにチャンバ1a,2a内に設置された一対の電極1b,2bの光軸延長上両端に、前記したようにCaF2 等のレーザ発振光に対して透過性がある材料によって作られたウィンドー部材(図示せず)がそれぞれ設置されている。ここでは両ウィンドー部材のチャンバと反対側の面は互いに平行にそして、レーザ光に対して反射損失を低減するためにブリュースタ角で設置されている。また、レーザ光のP偏光成分が垂直になるよう、ウィンドーは設置されている。
チャンバ1a,2a内には、図示されないクロスフローファンが設置されており、レーザガスをチャンバ1a,2a内で循環させ、放電部にレーザガスを送り込んでいる。また、チャンバ1a,2a内には、レーザガスの温度調節をするための熱交換器1g,2gが設けられている。
また、発振段レーザ1、増幅段レーザ2ともに、チャンバへF2 ガス、バッファーガスを供給するF2 ガス供給系、バッファーガス供給系、および、チャンバ内のレーザガスを排気するガス排気系が設けられている。図1、図2ではこれらをまとめて“ガス供給排気用制御バルブ16a”及び“ガス供給排気用制御バルブ16b”として図示している。
なお、KrFレーザ装置、ArFレーザ装置の場合は、各々Krガス供給系、Arガス供給系も備える。チャンバ内ガス圧力は圧力センサP1,P2によってモニタされ、ガス圧力情報はユーティリティコントローラ24へ送られる。そして、ユーティリティコントローラ24がガス供給配給制御バルブ16a,16bを制御し、発振段チャンバ1a並びに増幅段チャンバ2a内ガス組成、ガス圧力が夫々制御される。
図1では発振段と増幅段レーザの両方にモニターモジュールが設置されているが、どちらか一方のみの設置でもよい。
モニターモジュール15a,15bからの中心波長の信号は波長コントローラ23に送られる。そして、波長コントローラ23はドライバ18により狭帯域化モジュール3内の光学素子を駆動させて、波長を選択して発振段レーザ1の中心波長が所望の波長になるよう波長制御する。
なお、上記した波長制御を、増幅段レーザ2から放出されるレーザ光の一部が導光されるモニターモジュール15bからの波長情報に基き、発振段レーザ1から放出されるレーザ光の波長が所定の波長となるように波長コントローラからドライバ18に指令を出して行うことも可能である。
モニターモジュール15a,15bからのレーザ出力信号はエネルギーコントローラ22へ送られる。そして、同期コントローラ21を経由し印加電圧が制御され、発振段レーザ1、増幅段レーザ2のエネルギーが所望の値になるよう制御される。
MOPO方式では、小入力でも増幅できるように、増幅段レーザ2には、例えば倍率が3倍以上の増幅段出力ミラー2fと増幅段リア側ミラー2eとで構成された不安定型共振器が採用される。
MOPO方式における増幅段レーザの不安定共振器のリア側ミラー2eには穴が開いており、この穴を通過したレーザが上図の矢印のように反射し、また注入されたシードレーザビームは拡大し、放電部を有効に通過し、レーザビームのパワーが増大する。そして、増幅段出力ミラー2fよりレーザが出射される。
凹面ミラー2eに中心部には空間的穴が施してあり、周囲にはHR(High Reflection)コートが施されている。凸面ミラー2fの中心部にはHRコートが施され、周囲のレーザ出射部にはAR(Anti Reflection)コートが施されてある。
凸面ミラー2fの穴は空間的に開いているのではなく、穴部のみARコートが施されたミラー基板を用いてもよい。また、ミラーに透過部を持たせない不安定共振器を用いてもよい。
そして、電源1c,2cより高電圧パルスが印加され、上記電極1b,2b間で放電が生じる。この放電により、レーザチャンバ1a,2a内に充填されたレーザガスが励起される。電源1c、2cは充電器11によって充電される。
また、磁気パルス圧縮回路13a,13b内の温度は、温度センサT1,T2によりモニタされ、信号は同期コントローラ21に送られる。
電源1c,2cにおいて、充電器11(もしくは充電器11a,11b)によりコンデンサ(前記図17に示す放電回路における主コンデンサC0)が充電される。コンデンサに充電されたエネルギーは、スイッチ12a,12bがON状態になると、電圧パルスとして磁気パルス圧縮回路13a,13bに転送され、パルス圧縮され、上記した一対の電極1b,2bに印加される。
同期コントローラ21は、発振段レーザ1から放出されるレーザビームが増幅段レーザ2に注入されるタイミングで増幅段レーザ2において放電が発生するように、スイッチ12a−磁気パルス圧縮回路13aによって構成された電源1cそしてスイッチ12b−磁気パルス圧縮回路13bによって構成された電源2cにトリガ信号を送出する。
発振段レーザ1、増幅段レーザ2の放電のタイミングがずれると、発振段レーザ2から放出されるレーザビームは効率よく増幅されない。同期コントローラ21は、光・放電検出器14a,14bからの発振段レーザ1および増幅段レーザ2の放電開始の情報、そしてエネルギーコントローラ22からのレーザ出力情報を基に、発振段レーザ1の電源1cに送出するトリガ信号と増幅段レーザ2の電源2cに送出するトリガ信号との間の遅延時間を設定する。
ユーティリーティーコントローラ24、エネルギーコントローラ22そして波長コントローラ23はメインコントローラ26と接続されている。また、メインコントローラ26はインタフェース27を介して露光装置28と接続している。 メインコントローラ26は露光装置28から指令に従い、各コントローラに制御分担を振り分け、その指令によって各コントローラは分担する制御を行う。
なお、上記した光・放電検出器14a,14bが、レーザ発光、放電時の発光、放電電流、放電電圧、放電により発生する電磁波のうちの少なくとも1つを検出するセンサである。ここで発振段レーザ1と増幅段レーザ2において、それぞれ異なるものを検出してもよい。例えば、発振段レーザ1でレーザ発光の開始を、増幅段レーザ2で放電開始を検出してもよい。
なお、図1では、MOPO方式の増幅段レーザ2のレーザ共振器が不安定共振器である場合を示したが、安定共振器であってもよい。
また、MOPA方式は、光が増幅段レーザを通過する回数は1回であるが、これに限るものではない。例えば、折り返しミラーを設けて、増幅段レーザを複数回通過させてもよい。このように構成することにより、より高い出力のレーザ光を取り出すことが可能となる。
(1)エネルギーコントローラにおける制御
図2にエネルギーコントローラ22における処理フローを示し、同図によりエネルギーコントローラ22における処理について説明する。
(i) モニタモジュール15a,15bにより、発振段レーザ1、増幅段レーザ2から放出されるレーザ光のパルスエネルギーを検出する。モニタモジュール15a,15bは検出値信号をエネルギコントローラ22に送出する(図2のステップS101)。
(ii)モニタモジュール15a,15bから受信した検出値信号から、パルスエネルギーE1、E2を求める。そして予め記憶していた、もしくはメインコントローラ26から与えられていた目標エネルギーEt1とE1との偏差ΔE1、ならびに、目標エネルギーEt2とE2との偏差ΔE2を、ΔE1=E1−Et1、ならびに、ΔE2=E2−Et2の式から計算する(ステップS102)。
(iii) 次に、求めた偏差ΔE1、ΔE2に基き、偏差ΔE1、ΔE2に得るのに相当する電源1c、電源2cのコンデンサを充電するときの充電電圧の偏差分ΔV1、ΔV2を求める。
ΔV1は、係数をKとするとき、ΔV1=K・ΔE1の式から求める。また、ΔV2は、係数をKとするとき、ΔV2=K・ΔE2の式から求める(ステップS103)。
(iv)目標エネルギーEt1を得るための充電電圧HV1を求める。すなわち、以下の式により、前回(今回の放電パルスの前の放電パルスを発生させたとき)の充電電圧HV1にステップS103で求めたΔV1を加えることで補正する。
HV1(今回)=HV1(前回)+ΔV1
また、目標エネルギーEt2を得るための充電電圧HV2を求める。すなわち、以下の式により、前回(今回の放電パルスの前の放電パルスを発生させたとき)の充電電圧HV2にステップS203で求めたΔV2を加えることで補正する(ステップS104)。
HV2(今回)=HV2(前回)+ΔV2
(v) 充電電圧値HV1,HV2がレーザガス注入電圧Vmax 1,Vmax 2より大きいかを判定し、大きければ、レーザガスを注入する(ステップS105)。また、小さければ、ステップS106に行く。
(vi)ステップS104で求めた充電電圧値(高電圧値)HV1(今回)のデータ、ならびに、充電電圧値(高電圧値)HV2(今回)のデータを、同期コントローラ21およびメインコントローラ26に送出する(ステップS106)。
電源1c,2cを構成する磁気パルス圧縮回路(MPC回路)は、前記図17に示したように可飽和リアクトルとコンデンサからなる容量移行型回路を数段接続したものである。
各段の容量移行型回路のインダクタンスを後段に行くにつれて小さくなるように設定することにより、各段を流れる電流パルスのパルス幅が順次狭くなるようなパルス圧縮動作が行われる。ここで、各段の移行時間は、以下の式に示すように、可飽和リアクトルへの印加電圧Vに反比例する。
V・tm=(一定)
すなわち、印加電圧Vが高いと移行時間tmは小さくなるし、電圧Vが低いと移行時間tmは大きくなる。
また、MPC回路を構成する過飽和リアクトル、コンデンサはそれぞれ温度特性を持っているため、MPC内部温度の変化により移行時間tmは変化する。内部温度は、発振周波数、発振時間、バースト動作のデューティー、充電電圧などにより変化する。
同期コントローラ21は、可飽和リアクトルへの印加電圧V(前記充電電圧値HV1,HV1)と温度センサT1,T2によりモニタされたMPC回路の温度Tp1,Tp2に基づき、例えば近似式を用いて、あるいは、予め作成した、印加電圧、温度に対する移行時間tmを記録したテーブルを参照して上記移行時間tmを求める。
また、図3(b)に示すように、チャンバ内のガス圧が高いと、放電開始電圧は高くなる(−V1)ため、放電開始までの時間は長くなる(tb3)。反対にガス圧が低いと低いと放電開始電圧が低く(−V3)なるため、放電開始までの時間は短くなる(tb1)。したがって、放電開始時間tbは、充電電圧とガス圧力の関数となる。
同期コントローラ21は、上記充電電圧HVと、圧力センサP1,P2によりモニタされるガス圧力に基づき、放電開始時間tbを求める。
上記放電開始時間は、本発明においては充電電圧、ガス圧力を使用範囲で変化させて、各条件における放電開始時間tbを測定して、これらの値を記録したテーブルを作成し、このテーブルを同期コントローラ21にあらかじめ入力しておく方法(テーブル方式)を使用したが、近似式を用いて計算することも可能である。
同期コントローラ21における同期制御の概要は以下の通りである。
(i) 充電電圧HV1,HV2と、電源1c,2cのMPC13a,13bの温度Tp1,Tp2、チャンバの圧力Pp1,Pp2より、前記移行時間tm、放電開始時間tbを求める。そして、このtm,tbから、発振段レーザ1における、電源1cのスイッチ12aをオンにしてから、放電が開始するまでのディレイ時間(OSC−補正ディレイという)、増幅段レーザ2における、電源2cのスイッチ12bをオンにしてから、放電が開始するまでのディレイ時間(AMP−補正ディレイ)をそれぞれ求める。
(ii)初回の放電時には、露光装置から送られてくるトリガ信号(Trigin)と、上記OSC−補正ディレイ、AMP−補正ディレイに基づき、発振段レーザ1と増幅段レーザ2の電源1c,2cをトリガするタイミングを定め、スイッチ12a,12bをオンにする。
(iii) 上記トリガ信号から発振段レーザ1、増幅段レーザ2が発光あるいは放電を開始するまでの時間をCOカウンタ25a,CAカウンタ25bでカウントし、上記トリガ信号を出力してから実際に発光あるいは放電を開始するまでの時間を求める。
(iv)2回目以降の放電時には、上記COカウンタ25a,CAカウンタ25bでカウントした実際の時間に基づき、充電電圧HV1,HV2、温度Tp1,Tp2、圧力Pp1,Pp2から求めたOSC−補正ディレイ、AMP−補正ディレイを補正して、この補正された時間に基づき、発振段レーザ1と増幅段レーザ2の電源1c,2cをトリガするタイミングを定め、スイッチ2a,2bがオンにする。
図4に同期コントローラ21の入出力信号を示す。
同図に示すように、発振段レーザ1用の充電器11a、増幅段レーザ2用の充電器11bが設けられ、同期コントローラ21は上記充電器11a、充電器11bに充電制御信号HV1,HV2を出力する。
同期コントローラ21には、インタフェース27から与えられるトリガ信号、エネルギーコントローラ22から与えられる充電電圧HV1,HV2、発振段レーザ1、増幅段レーザ2のチャンバ1a,2aの圧力Pp1、Pp2、光・放電検出器14a,14bが出力する光・放電検出信号、温度センサT1,T2によりモニタされた温度Tp1,Tp2が入力される。同期コントローラ21は、これらの信号に基づき、充電器11に充電信号HV1,HV2を出力するとともに、電源1c,2cのスイッチをトリガするタイミングを決定し、OSCトリガ信号、AMPトリガ信号を出力する。
同期コントローラ21は、同図に示すように、CPU21a、FPGA21b、電源1cをトリガするタイミングを精調整するためのOsc−Fineトリガディレイ部21c、電源2cをトリガするタイミングを精調整するためのAmp−Fineトリガディレイ部21d、第1のクロック発生器21e、第2のクロック発生器21fを備えている。
また、本実施例では、前記COカウンタ25a、CAカウンタ25bが同期コントローラ21内に設けられ、トリガ信号を出力してから実際に発光あるいは放電を開始するまでの時間をカウントする。
上記CPU21aは、MPC13a,13bの温度Tp1、Tp2およびOSCチャンバ1a、AMPチャンバ2aの圧力データを用いて、後述するように、電源1cをトリガするタイミングを粗調整するためのOsc−Courseトリガディレイ設定値、電源2cをトリガするタイミングを粗調整するためのAmp−Courseトリガディレイ設定値をFPGA21bに出力する。さらに、電源1cをトリガするタイミングを精調整するためのOsc−Fineトリガディレイ設定値、電源2cをトリガするタイミングを精調整するためのAmp−Fineトリガディレイ設定値をそれぞれOsc−Fineトリガディレイ部21c、Amp−Fineトリガディレイ部21dに出力する。
なお、前記Osc−Fineトリガディレイ部21c、Amp−Fineトリガディレイ部21d、および、上記FPGA21bに設けられたOsc−Courceトリガディレイ部212、Amp−Courceトリガディレイ部213等から構成される回路を時間差信号発生回路と呼ぶこととする。
Osc−Courceトリガディレイ部212、Amp−Courceトリガディレイ部213において、上記プリトリガ信号を、CPU21aから与えられるOsc−Courceトリガディレイ設定値、Amp−Courceトリガディレイ設定値の分だけ遅延させた後に、Osc−Fineトリガディレイ部21c、Amp−Fineトリガディレイ部21dへ出力する。ここで、Osc−Courceトリガディレイ部212およびAmp−Courceトリガディレイ部213の時間計測は、第1のクロック発生器21eからの基準クロック信号に基づき行われる。
Osc−Fineトリガディレイ部21cから出力されるトリガ信号は、OSCトリガ信号として、電源1cのスイッチ12aに与えられる。また、Amp−Fineトリガディレイ部21dから出力されるトリガ信号は、AMPトリガ信号として、電源2cのスイッチ12bに与えられる。
一方、前記チャージアウト/トリガ信号生成部211が出力するプリトリガ信号は、Osc−カウンタリセット作成部215、Amp−カウンタリセット作成部217に与えられ、Osc−カウンタリセット作成部215、Amp−カウンタリセット作成部217は、上記プリトリガ信号により、前記COカウンタ25a、CAカウンタ25bをリセットするとともに計数を開始させる。
上記COカウンタ25a、CAカウンタ25bは、高速クロックを発生する第2のクロック発生器21fが出力するクロックをカウントすることにより、上記プリトリガ信号を出力してから実際に発光あるいは放電を開始するまでの時間を計数する。
上記COカウンタ25a、CAカウンタ25bからの出力信号は、レベル変換ICにより信号レベルが変換され、バッファなどを介して、CPU21aに送信される。CPU21aは、これらの発振段レーザ1、増幅段レーザ2の、トリガから発光あるいは放電時刻までの計測結果を基に、後述するように各トリガの遅延時間のフィードバック演算を行う。
なお、図5では、Osc−Fineトリガディレイ部21cとAmp−Fineトリガディレイ部21dをそれぞれ設ける場合について説明したが、以下に説明する第2の実施例のように、Osc−Fineトリガディレイ部21cを設けずに、Amp−Fineトリガディレイ部21dのみを設けてもよい。また、上記図5では、CPU21aが、Osc−Courseトリガディレイ設定値、Osc−Fineトリガディレイ設定値、Amp−Courseトリガディレイ設定値、Amp−Fineトリガディレイ設定値を演算して求めているが、この演算を以下に説明する第3の実施例のようにのFPAG21bで演算して求めるようにしてもよい。
図6、図7は、本発明の第1の実施例の上記時間差信号発生回路の構成を示す図である。なお、図6は、図5から上記時間差信号発生回路の部分を抜き出して示した図であり、図7は、Osc−Fineトリガディレイ部21cとAmp−Fineトリガディレイ部21dの構成を示す図である。
本実施例における時間差信号発生回路は、図6に示すように、CPU21a、FPGA21b内に設けられたOsc−Courceトリガディレイ部212およびAmp−Courceトリガディレイ部213、クロック発生器21e、Osc−fineトリガディレイ部21c、Amp−fineトリガディレイ部21dとから構成される。
CPU21aは、前記時間tm、tbを考慮して、上記プリトリガ信号を発生してから各電源1c、2cへトリガ信号を送出するまでのトリガ遅延時間to_switch,ta_switchを算出する。その際、各電源1c、2cへ送出する各トリガ信号間には所定の遅延時間が織り込まれる。
またCPU21aは、上記余りをfine係数(例えば、0.15nsc/bit)で除算し、商と余りに分ける。この商をOsc−fineトリガディレイ設定値とする。
同様に、CPU21aは、算出した電源2cへトリガ信号を送出するタイミングデータであるta_switchをcource係数(例えば、5nsc/bit)で除算し、商と余りに分ける。この商をAmp−Courceトリガディレイ設定値とする。
またCPU21aは、上記余りをfine係数(例えば、0.15nsc/bit)で除算し、商と余りに分ける。この商をAmp−fineトリガディレイ設定値とする。
このうち、Osc−Courceトリガディレイ設定値、Amp−Courceトリガディレイ設定値は、FPGA21bに設けられたOsc−Courceトリガディレイ部212およびAmp−Courceトリガディレイ部213に送出される。
また、Osc−fineトリガディレイ設定値、Amp−fineトリガディレイ設定値は、Osc−Fineトリガディレイ部21c、Amp−Fineトリガディレイ部21dに送出される。
すなわち、Osc−Courceトリガディレイ部212、Amp−Courceトリガディレイ部213は、それぞれカウンタを備え、プリトリガ信号が与えられるとクロック発生部21eから出力される基準クロック信号のカウントを開始し、カウント値が、OSCディレイデータ設定値、AMPディレイデータ設定値に相当した値に達すると、OSCトリガ、AMPトリガを発生する。
以上のように、FPGA21bのOsc−Courceトリガディレイ部212とAmp−Courceトリガディレイ部213は、上記プリトリガ信号を受信後、該トリガ信号を、Osc−Courceトリガディレイ設定値、Amp−Courceトリガディレイ設定値の分だけ遅延させて、Osc−Fineトリガディレイ部21c、Amp−Fineトリガディレイ部21dへ出力する。
図7に示すようにOsc−Fineトリガディレイ部21cは、Ramp信号を発生するランプ信号発生器(RampGenerator)220、データラッチ部221、D/Aコンバータ223、コンパレータ224とからなる。同様に、Amp−Fineトリガディレイ部21dは、Ramp信号を発生するランプ信号発生器225、データラッチ部226、D/Aコンバータ227、コンパレータ228とからなる。
前記したように、CPU21aから、Osc−fineトリガディレイ設定値、Amp−fineトリガディレイ設定値が与えられると、Osc−Fineトリガディレイ部21c、Amp−Fineトリガディレイ部21dのデータラッチ部221,226は、上記ディレイデータに相当する信号を保持し、D/Aコンバータ223,227に送出する。各デジタル信号は、D/Aコンバータ223,227によりアナログ信号に変換され、コンパレータ224,228に入力される。
コンパレータ224は、ランプ信号発生器220から受信したランプ信号とD/Aコンバータ223から受信した信号と比較し、例えば、D/Aコンバータ223から受信した信号の値がランプ信号発生器220から受信したランプ信号の値を下回ったとき、電源1cのスイッチ12aへOSCトリガ信号を出力する。
同様に、コンパレータ228は、ランプ信号発生器225から受信したランプ信号とD/Aコンバータ227から受信した信号と比較し、例えば、D/Aコンバータ227から受信した信号の値がランプ信号発生器225から受信したランプ信号の値を下回ったとき、電源2cのスイッチ12bへAMPトリガ信号を出力する。
すなわち、上記OSCトリガ信号、AMPトリガ信号は、ランプ信号発生器220,225で発生するランプ信号の値が、Osc−fineトリガディレイ設定値、Amp−fineトリガディレイ設定値に相当する値を下回るまでの時間だけ遅延される。この時間は、前記ランプ信号の傾きと、CPU21aが出力するOsc−fineトリガディレイ設定値、Amp−fineトリガディレイ設定値の値により制御される。
一方、上記した高分解能で設定可能な時間は、低分解能では設定できない時間幅であり、遅延調整範囲としては狭い。したがって、従来のランプ発生器を用いたアナログディレイ回路を用いることで、高分解能で設定可能となる。
結果として、本実施例によれば、遅延設定精度が高く、且つ、遅延調整範囲を広範囲とすることが可能な時間差信号発生回路を構成することができる。
図8は、本実施例の同期コントローラに含まれる時間差信号発生回路の構成を示す図であり、本実施例は、図6に示したOSC−fineトリガディレイ部を設けず、Amp−fineトリガディレイ部のみを設けたものである。同期コントローラのその他の構成は、CPU21a内での処理を除き、前記図5と同様である。
CPU21aは、前記第1の実施例で説明したように、時間tm、tbを考慮して、上記プリトリガ信号を発生してから各電源1c、2cへトリガ信号を送出するまでのトリガ遅延時間to_switch,ta_switchを算出する。その際、各電源1c、2cへ送出する各トリガ信号間には所定の遅延時間が織り込まれる。
そして、CPU21aは、電源1cへトリガ信号を送出するタイミングデータである前記トリガ遅延時間to_switchをcource係数(例えば、5nsec/bit)で除算し、商と余りに分け、この商をOsc−Courceトリガディレイ設定値とする。
一方、CPUは、算出した電源2cへトリガ信号を送出するタイミングデータである前記トリガ遅延時間ta_switchをcource係数(例えば、5nsc/bit)で除算し、商と余りに分ける。この商をAmp−Courceトリガディレイ設定値とする。また、上記電源1cへトリガ信号を送出するタイミングのデータをcource係数で除算したときの余りと、電源2cへトリガ信号を送出するタイミングのデータをcource係数で除算したときの余りとを加算し、加算結果をfine係数(例えば、0.15nsc/bit)で除算し、商と余りに分ける。この商をAmp−fineトリガディレイ設定値とする。
Osc−Courceトリガディレイ部212は、前記プリトリガ信号を、上記したOsc−Courceトリガディレイ設定値の分だけ遅延させた後に、電源1cのスイッチ12aに出力する。
また、Amp−Courceトリガディレイ部213は、前記プリトリガ信号を、上記したAmp−Courceトリガディレイ設定値の分だけ遅延させた後に、Amp−fineトリガディレイ部21dに出力する。
すなわち、FPGA21bのOsc−Courceトリガディレイ部212とAmp−Courceトリガディレイ部213は、前記プリトリガ信号を、Osc−Courceトリガディレイ設定値、Amp−Courceトリガディレイ設定値の分だけ遅延させる。Osc−Courceトリガディレイ設定値の分だけ遅延させた信号は電源1cのスイッチ12aに送出される。一方、Amp−Courceトリガディレイ設定値の分だけ遅延させた信号はAmp−Fineトリガディレイ部21dに送出される。
上記Osc−Courceトリガディレイ部212とAmp−Courceトリガディレイ部213は、前記したようにカウンタを備え、このカウンタにより、クロック発生器21eが出力するクロックを計数することで、上記遅延が達成される。
CPU21aから、Amp−fineトリガディレイ設定値が与えられると、Amp−Fineトリガディレイ部21dのデータラッチ部226は、上記ディレイデータに相当する信号を保持し、D/Aコンバータ227に送出する。各デジタル信号は、D/Aコンバータ227によりアナログ信号に変換され、コンパレータ228に入力される。
前記したようにコンパレータ228は、ランプ信号発生器225から受信したランプ信号とD/Aコンバータ227から受信した信号と比較し、例えば、D/Aコンバータ227から受信した信号の値がランプ信号発生器225から受信したランプ信号の値を下回ったとき、電源2cのスイッチ12bへAMPトリガ信号を出力する。
これにより、前記したように、トリガ信号は、Amp−fineトリガディレイ設定値に相当する時間だけ遅延され、AMPトリガ信号として出力される。
本実施例の時間差信号発生回路によれば、FPGA21bのデジタルディレイ回路を用いて低分解能で設定可能な時間の分だけトリガ信号を遅延させて、電源1cのスイッチ12aへのトリガ信号を送出し、また、FPGA21bのデジタルディレイ回路で遅延した信号を、さらに遅延調整範囲は狭いが、高分解能で遅延させることができるアナログディレイ回路を用いて遅延させて、電源2cのスイッチ12bへAMPトリガ信号を送出している。
ここで、OSCトリガ信号のトリガディレイ設定におけるcource係数で除算したときの余り分は、Ampトリガ信号のトリガディレイ設定値に織り込まれているので、高分解能で遅延時間設定可能な回路(Amp−Fineトリガディレイ部21d)を1系統用意するだけで、OSCトリガ信号を出力してからAmpトリガ信号を出力するまでの時間を分解能を低下させることなく、設定することができる。
このため、本実施例によれば、遅延設定精度が高く、且つ、遅延調整範囲を広範囲とすることが可能で、かつ、構成が簡単な時間差信号発生回路を得ることができる。
なお、前記と同様、図10は、本実施例の同期コントローラに含まれる時間差信号発生回路の構成を示す図であり、本実施例は、前記第2の実施例でCPU21aが行っていたOsc−Courceトリガディレイ設定値、Amp−Courceトリガディレイ設定値、Amp−fineトリガディレイ設定値の演算をFPGA21bで行うようにしたものである。また、本実施例でも、第2の実施例と同様、OSC−fineトリガディレイ部を設けず、Amp−fineトリガディレイ部のみを設けている。同期コントローラのその他の構成は、CPU21a内での処理を除き、前記図5と同様である。
図10において、図示しない同期コントローラに設けられたCPUは、前記第1の実施例で説明したように、時間tm、tbを考慮して、上記プリトリガ信号を発生してから各電源1c、2cへトリガ信号を送出するまでのトリガ遅延時間to_switch,ta_switchを算出する。その際、各電源1c、2cへ送出する各トリガ信号間には所定の遅延時間が織り込まれる。
上記トリガ遅延時間to_switch,ta_switchは、FPGA21b内に設けられたトリガディレイ設定部218に与えられる。トリガディレイ設定部218は、前記第2の実施例で説明したように、Osc−Courceトリガディレイ設定値、Amp−Courceトリガディレイ設定値、Amp−fineトリガディレイ設定値の演算を行う。
また、除算部218bにおいて、前記トリガ遅延時間ta_switchをcource係数(例えば、5nsc/bit)で除算し、商と余りに分ける。
また、上記除算部281aで求めた余りと、除算部281bで求めた余りを加算し、加算結果を除算部218cにおいて、cource係数(例えば、5nsc/bit)で除算し、商と余りに分ける。この商と、前記除算部218bで求めた商を加算し、この加算結果をAmp−Courceトリガディレイ設定値として出力する。
さらに、除算部218cで求めた余りを、除算部218dにおいてfine係数(例えば、0.15nsc/bit)で除算し、商と余りに分ける。この商をAmp−fineトリガディレイ設定値とする。
また、Amp−Courceトリガディレイ部213は、前記トリガ信号を、上記したAmp−Courceトリガディレイ設定値の分だけ遅延させた後に、Amp−fineトリガディレイ部21dに出力する。
図12に示すAmp−fineトリガディレイ部21dは、前記第2の実施例で説明したように、Ramp信号を発生するランプ信号発生器225、データラッチ部226、D/Aコンバータ227、コンパレータ228とからなり、前記トリガ信号を、Amp−fineトリガディレイ設定値に相当する時間だけ遅延させ、AMPトリガ信号として出力する。
なお、上記第3の実施例では、OSC−fineトリガディレイ部を設けず、Amp−fineトリガディレイ部のみを設けているが、前記第1の実施例においてCPU21aが行っていたOsc−Courceトリガディレイ設定値、Amp−Courceトリガディレイ設定値、Amp−fineトリガディレイ設定値の演算をFPGA21bで行うようにしてもよい。
(i) エネルギコントローラ22から送出された充電電圧値HV1,HV2のデータを受信する。また、磁気圧縮回路のMPC内部温度Tp1、Tp2のデータを受信する。さらにチャンバガス圧センサPp1,Pp2から送出されたチャンバガス圧力Pp1、Pp2のデータ(DATA1in,DATA2in)を受信する(図13のステップS301、タイミングチャートの1、4)。 同期コントローラ21は、データ取込指令信号STROBE1、STROBE2(タイミングチャートの2、5)の立ち上がりでDATA1inデータ、DATA2inデータを取込み、DATA1reg、DATA2regとして保持する(図14のタイミングチャートの3、6)
また、DATA1reg、DATA2reg(充電電圧HV1、HV2、圧力Pp1、Pp2のデータ)から、前記したように放電開始時間tb1、tb2を求める。さらに、tmとtbの和から、以下のように補正ディレイt1_delay(n),t2_delay(n)を求める(図13のステップS302、タイミングチャートの7、8)。
t1_delay(n)=tm1+tb2
t2_delay(n)=tm2+tb2
ステップS304で、発振段レーザ1の電源1cのスイッチ12aへのトリガ信号の発生タイミングを求める。
初回パルスの場合は、前記したようにt1_delay(n)を、以下の式に示すように、トリガ遅延時間to_switch(n)とし、このトリガ遅延時間から、プリトリガ信号を発生してから、発振段レーザ1の電源1cのスイッチ12aをトリガするまでの時間を決定する。
to_switch(n)=t1_delay(n)
同様に、ステップS305で、増幅段レーザ2の電源2cのスイッチ12bへのトリガ信号の発生タイミングを求める。
すなわち、前記したようにt2_delay(n)を、以下の式に示すように、トリガ遅延時間ta_switch(n)とし、このトリガ遅延時間から、トリガを発生してから、発振段レーザ1の電源1cのスイッチ12aをトリガするまでの時間を決定する。
ta_switch(n)=t2_delay(n)
(iv)上記トリガ遅延時間to_switch(n)からOSC−Courseトリガディレイ設定値と、OSC−fineトリガディレイ設定値を求める。同様に、トリガ遅延時間ta_switch(n)からAMP−Courseトリガディレイ設定値と、AMP−fineトリガディレイ設定値を求める(図13のステップS317、S318)。
なお、前記第2、第3の実施例では、上記OSC−fineトリガディレイ設定値は求める必要はない。
(vi)同期コントローラ21は、上記トリガ信号を基に、充電制御信号(Chargout)、および、プリトリガ信号(Pre_Trig)を作成する(図13のステップS307)。
なお、前記したように、同期コントローラ21は、チャージャ充電安定時間tstが経過後、プリトリガ信号(Pre_Trig)を作成し、出力する(タイミングチャートの10、11)。
(vii) ステップS307で作成したプリトリガ信号(Pre_Trig)出力開始で発振段レーザ1の発光あるいは放電時刻を計測するCOカウンタ25a、および増幅段レーザ2の発光あるいは放電時刻を計測するCAカウンタ25bを動作させる(図13のステップS308、タイミングチャートの17、19)。
また、プリトリガ信号からAMP−Courseトリガディレイ設定値だけ遅延させて、AMP−Courseトリガディレイ信号を出力し、さらに、この信号からAMP−fineトリガディレイ設定値だけ遅延させて、増幅段レーザ2の電源2cのスイッチ12bをONにするAMPトリガ信号(AMP_trigout)を出力する(ステップS310、タイミングチャート14,15)。これにより発振段レーザ1、増幅段レーザ2が放電を開始する。
なお、前記第2、第3の実施例においては、上記において、プリトリガ信号からOSC−Courseトリガディレイ設定値だけ遅延させて、発振段レーザ1の電源1cのスイッチ12aをONにするOSCトリガ信号(OSC_trigout)を出力する
(ix)光・放電検出器14aにより発振段レーザ1の発光あるいは放電開始タイミングtoを検出し、COカウンタ25aを停止させる(ステップS311、タイミングチャートの16,17)。
また、光・放電検出器14bにより増幅段レーザ2の発光あるいは放電開始タイミングtaを検出し、CAカウンタ25bを停止させる(ステップS312、タイミングチャートの18,19)。
また、充電電圧HV1,HV2、圧力Pp1、Pp2から前記したように放電開始時間tb1、tb2を求め、tmとtbの和から、補正ディレイt1_delay(n),t2_delay(n)を求める(ステップS301,S302)。
(x) 初回のパルスではないので、ステップS303からステップS313に行き、前記したようにCOカウンタ25aの値を基に、発振段レーザ1のフィードバック演算を以下の式より行う。
Δto_delay(n)=tot−tCO
ここで、tot:トリガから発振段レーザ1が発光あるいは放電するまでの遅延目標時間、tCO:COカウンタ25aで計測した時間である(ステップS313、タイミングチャートの7)。
また、前記したようにCAカウンタ25bの値を基に、増幅段レーザ2のフィードバック演算を以下の式により行う。
Δta_delay(n)=tAt−tCA
ここで、tAt:トリガから増幅段レーザ2が発光あるいは放電するまでの遅延目標時間、tCA:CAカウンタ25bで計測した時間である(ステップS314、タイミングチャートの8)。
to_switch(n)=t1_delay(n)+Δto_delay(n−1)
同様に、増幅段レーザ2において、t2_delay(n)と、上記発光・放電タイミングフィードバック演算の結果Δta_delay(n−1)を基に、以下の式によりトリガ遅延時間ta_switch(n)を求め、このトリガ遅延時間から、プリトリガを発生してから、発振段レーザ1の電源1cのスイッチ12aをトリガするまでの時間を決定する(ステップS316)。
ta_switch(n)=t2_delay(n)+Δta_delay(n−1)
ついで、ステップS306に行き、前記したようにインターフェース27を経由して、ステッパー等の露光装置28からのトリガ(trigin)を受信する。
以下、前記したように、チャージ出力信号、プリトリガ信号を作成し、COカウンタ25a、CAカウンタ25bを動作させる。
そして、プリトリガ信号から、上記のように求めたトリガ遅延時間〔to_switch(n)〕によりOSC−Courseトリガディレイ設定値と、OSC−fineトリガディレイ設定値を求め、発振段レーザ1の電源1cのスイッチ12aをONにするOSCトリガ信号(OSC_trigout)を出力する。
また、プリトリガ信号からトリガ遅延時間〔ta_switch(n)〕から、AMP−Courseトリガディレイ設定値と、AMP−fineトリガディレイ設定値を求め、増幅段レーザ2の電源2cのスイッチ12bをONにするAMPトリガ信号(AMP_trigout)を出力する。
さらに、光・放電検出器14aにより発振段レーザ1の発光あるいは放電開始タイミングtoを検出し、COカウンタ25aを停止させ、光・放電検出器14bにより増幅段レーザ2の発光あるいは放電開始タイミングtaを検出し、CAカウンタ25bを停止させる(図13のステップS307〜S312)。
また、エネルギーコントローラからのHV1,HV2の設定値、MPC温度センサからのTp1,Tp2の測定値、チャンバガス圧センサからのPp1,Pp2ガス圧測定値により補正することで、常に発振段レーザ発光あるいは放電タイミングと増幅段レーザ発光あるいは放電タイミングを一定に保つように制御することができる。
このため、発振段レーザと増幅段レーザをそれぞれ最適なレーザ出力が得られるように個別に構成して、両レーザの発光あるいは放電タイミングの調整精度を向上させ、高精度に同期させることができる。
なお、通常、露光装置のトリガ信号が発信されてからレーザ装置の発光あるいは放電までの時間は、所定の一定値となるように構成される。また、発振段レーザを効率よく、かつ、所望のビーム品質を維持したまま増幅するため、発振段レーザが発光あるいは放電してから、増幅段レーザが発光あるいは放電するまでの遅延時間は、ある所定値に維持される必要がある。
このため、実際には、上記のようにして求めたOSCトリガ遅延時間〔to_switch(n)〕、AMPトリガ遅延時間〔ta_switch(n)〕に所定の値を加算して、上記プリトリガ信号が発信されてからレーザ装置の発光あるいは放電までの時間、発振段レーザが発光あるいは放電して増幅段レーザが発光するまでの遅延時間を調整している。
2 増幅段レーザ
1a,2a レーザチャンバ
1b,2b 電極
1c,2c 電源
3 狭帯域化モジュール
11 充電器
11a,11b 充電器
12a,12b スイッチ
13a,13b 磁気パルス圧縮回路(MPC回路)
14a,14b 光・放電検出器
15a,15b モニターモジュール
16a,16b ガス供給排気用制御バルブ
17 ビーム伝播系
18 ドライバ
21 同期コントローラ
22 エネルギーコントローラ
23 波長コントローラ
24 ユーティリティコントローラ
25a 発光計測カウンタ(COカウンタ)
25b 発光計測カウンタ(CAカウンタ)
26 メインコントローラ
27 インタフェース
28 露光装置
P1,P2 圧力センサ
T1,T2 温度センサ
21a CPU
21b FPGA
21c Osc−Fineトリガディレイ部
21d Amp−Fineトリガディレイ部21d
21e 第1のクロック発生器
21f 第2のクロック発生器
211 チャージアウト/トリガ信号生成部
212 Osc−Courseトリガディレイ部
213 Amp−Courseトリガディレイ部
214 Osc−カウンタイネイブル作成部
215 Osc−カウンタリセット作成部
216 Amp−カウンタイネイブル作成部
217 Amp−カウンタリセット作成部
220,225 Ramp信号を発生するランプ信号発生器
221,226 データラッチ部
223,227 D/Aコンバータ
224,228 コンパレータ
Claims (3)
- 高電圧に充電される第1のコンデンサと、第1のスイッチと、この第1のスイッチがオンとなったとき上記第1のコンデンサに蓄えられた電荷をパルス圧縮して出力する第1の磁気パルス圧縮回路と、
レーザガスが封入された第1のレーザチャンバと、この第1のレーザチャンバ内に配置され、上記第1の磁気パルス圧縮回路の出力端に接続される第1の一対の放電電極とを含む第1のガスレーザ装置と、
高電圧に充電される第2のコンデンサと、第2のスイッチと、この第2のスイッチがオンとなったとき上記第2のコンデンサに蓄えられた電荷をパルス圧縮して出力する第2の磁気パルス圧縮回路と、
レーザガスが封入された第2のレーザチャンバと、この第2のレーザチャンバ内に配置され、上記第2の磁気パルス圧縮回路の出力端に接続される第2の一対の放電電極とを含み、上記第1のガスレーザ装置から放出されたレーザビームが注入され、この注入されたレーザビームを増幅して放出する第2のガスレーザ装置と、
上記第1のコンデンサおよび第2のコンデンサを充電する少なくとも1つの充電器と、 上記第1のガスレーザ装置と第2のガスレーザ装置との発光タイミングを調整するために、上記第1のスイッチおよび第2のスイッチの動作タイミングを制御する同期コントローラとを含む2ステージレーザ装置において、
上記同期コントローラは、外部から第1および第2のスイッチの動作タイミング信号が与えられたとき、上記第1の放電電極および第2の放電電極に電圧が印加されてから、放電が開始するまでの時間と、上記第1の磁気パルス圧縮回路および第2の磁気パルス圧縮回路におけるパルス圧縮動作の移行時間から、上記外部から与えられる第1および第2のスイッチの動作タイミング信号に対する上記第1のスイッチおよび第2のスイッチのトリガ信号の遅延時間をそれぞれ算出するトリガ遅延設定手段と、
上記トリガ遅延設定手段により求めた上記外部から与えられる第1および第2のスイッチの動作タイミング信号に対する上記第1のスイッチおよび第2のスイッチのトリガ信号の遅延時間から、第1のスイッチおよび第2のスイッチの動作タイミング粗調整信号を求めるとともに、第1のスイッチおよび第2のスイッチの動作タイミング精調整信号を求める粗/精調整信号発生手段と、
上記動作タイミング粗調整信号に基づき、上記第1のスイッチおよび第2のスイッチの動作タイミングを粗調整する粗調整手段と、
上記動作タイミング精調整信号に基づき、上記粗調整手段が出力する第1のスイッチおよび第2のスイッチの動作タイミングを精調整する精調整手段とを具備する
ことを特徴とする2ステージレーザ装置。 - 高電圧に充電される第1のコンデンサと、第1のスイッチと、この第1のスイッチがオンとなったとき上記第1のコンデンサに蓄えられた電荷をパルス圧縮して出力する第1の磁気パルス圧縮回路と、
レーザガスが封入された第1のレーザチャンバと、この第1のレーザチャンバ内に配置され、上記第1の磁気パルス圧縮回路の出力端に接続される第1の一対の放電電極とを含む第1のガスレーザ装置と、
高電圧に充電される第2のコンデンサと、第2のスイッチと、この第2のスイッチがオンとなったとき上記第2のコンデンサに蓄えられた電荷をパルス圧縮して出力する第2の磁気パルス圧縮回路と、
レーザガスが封入された第2のレーザチャンバと、この第2のレーザチャンバ内に配置され、上記第2の磁気パルス圧縮回路の出力端に接続される第2の一対の放電電極とを含み、上記第1のガスレーザ装置から放出されたレーザビームが注入され、この注入されたレーザビームを増幅して放出する第2のガスレーザ装置と、
上記第1のコンデンサおよび第2のコンデンサを充電する少なくとも1つの充電器と、 上記第1のガスレーザ装置と第2のガスレーザ装置との発光タイミングを調整するために、上記第1のスイッチおよび第2のスイッチの動作タイミングを制御する同期コントローラとを含む2ステージレーザ装置において、
上記同期コントローラは、外部から第1および第2のスイッチの動作タイミング信号が与えられたとき、上記第1の放電電極および第2の放電電極に電圧が印加されてから、放電が開始するまでの時間と、上記第1の磁気パルス圧縮回路および第2の磁気パルス圧縮回路におけるパルス圧縮動作の移行時間から、上記外部から与えられる第1および第2のスイッチの動作タイミング信号に対する上記第1のスイッチおよび第2のスイッチのトリガ信号の遅延時間をそれぞれ算出するトリガ遅延設定手段と、
上記トリガ遅延設定手段により求めた、外部から与えられる第1のスイッチの動作タイミング信号に対する上記第1のスイッチのトリガ信号の遅延時間から、第1のスイッチの動作タイミング粗調整信号を求めるとともに、外部から与えられる第2のスイッチの動作タイミング信号に対する上記第2のスイッチのトリガ信号の遅延時間から、第2のスイッチの動作タイミング粗調整信号と、動作タイミング精調整信号を求める粗/精調整信号発生手段と、
上記第1のスイッチの動作タイミング粗調整信号に基づき、上記第1のスイッチの動作タイミングを粗調整するとともに、上記第2のスイッチの動作タイミング粗調整信号に基づき、第2のスイッチの動作タイミングを粗調整する粗調整手段と、
上記動作タイミング精調整信号に基づき、上記粗調整手段が出力する上記第2のスイッチの動作タイミングを精調整する精調整手段とを具備する
ことを特徴とする2ステージレーザ装置。 - 前記粗調整手段は、外部からトリガ信号が与えられたときカウントを開始するカウンタを有し、
上記カウント値が、上記動作タイミング粗調整信号に対応した値に達したとき、タイミング信号を出力し、
上記精調整手段は、上記粗調整手段からタイミング信号が与えられたときランプ信号を発生するランプ信号発生器を有し、
該ランプ信号が上記動作タイミング精調整信号に対応した値に達したとき、上記第1のスイッチおよび第2のスイッチ、もしくは第2のスイッチの動作タイミング信号を出力する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の2ステージレーザ装置。
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