JP4721169B2 - パラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置 - Google Patents

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Description

本発明は、船舶、とりわけコンテナを積載する船舶のパラメトリック横揺れを防止するためのパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置に関するものである。
近年、コンテナを積載する船舶(コンテナ船)は、その大型化に伴う船型の変更に伴い、搭載しているコンテナが多数流出したり損傷するという、パラメトリック横揺れを原因とする事故が多発している。(例えば、非特許文献1参照)。
パラメトリック横揺れは、横揺れ運動方程式中のパラメータである復原力係数が時間とともに変化することにより引き起こされる横揺れである。復原力係数が時間とともに変化する主な要因は、縦波中または横波中において、相対水位変化により水線面積2次モーメントが増減することである。
パラメトリック横揺れ自体は古くから知られていたが、近年、コンテナ船等において、搭載量の増加を図るために行われている船型の変更に伴って、パラメトリック横揺れの発生の可能性が増え、それによって受ける影響も大きくなっている。
これに対して、従来から、船舶の横揺れを軽減する装置として、左右一対のウイングタンクと左右一対のウイングタンクの下部を連通させる連結水路とを備える減揺水槽と、連結水路に設けられ、その開閉によって減揺水槽内の液体の揺動周期を調整するためのダンパーと、左右一対のウイングタンクの上部を連通する空気ダクトと、空気ダクトに設けられ、その開閉によって減揺水槽内の液体の作動及び停止(非作動)の切り替えを行うためのバルブとを備える可変周期型減揺水槽装置が知られている。この装置は、減揺水槽内の液体の移動によって生じるモーメントによって船体に作用する横揺れモーメントを相殺することにより、減揺効果を得ようとするものである(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−133182号公報 特開2005−280549号公報 梅田 直哉、外1名、「第3−2章 パラメトリック横揺れ」、日本造船学会・試験水槽委員会シンポジュウム、平成15年12月、p.217−236 関西造船協会編、造船設計便覧(第4版)p418、各種減揺装置の分類と比較(表80) 昭和58年8月8日
しかしながら、コンテナの積載数を優先するコンテナ船にとって、可変周期型減揺水槽装置の設置場所の確保が問題である。また、減揺水槽およびその内部に搭載する液体の重量による積載コンテナ数の減少、貨物の載貨量(重量)の減少という問題が発生する。更に、パラメトリック横揺れを防止可能で且つコンテナ搭載数の減少を出来るだけ少なくするための減揺水槽のサイズと減揺水槽内の水量、つまりパラメトリック横揺れの発生を回避するのに必要なモーメント量が確認されておらず、その設計方法は確立されていなかった。要するに、現在に至るまで、パラメトリック横揺れの発生自体を回避することを目的とした可変周期型減揺水槽装置は存在せず、パラメトリック横揺れを防止するためであっても、船舶の横揺れ角を減少させるために用いる従来の可変周期型減揺水槽装置が設置されているのである。
従来の設計手法で可変周期型減揺水槽装置を設計した場合、減揺水槽が大きくなり、搭載する液体量(重量)も多大となるので、コンテナの積載数および載貨物(重量)が大幅に減少してしまうという経済的デメリットが大きくなる。従って、従来は、パラメトリック横揺れの防止目的のためだけに可変周期型減揺水槽装置が設置されることは無かった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、船舶のパラメトリック横揺れを的確に防止することができ、とりわけコンテナ船に適用するときには積載コンテナ数を極力減少させずに積載することができる、パラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置を提供することを目的とするものである。
本発明においては、載貨物、とりわけ海上輸送用コンテナの積載数を可能な限り減少させずに、パラメトリック横揺れを回避可能とする可変周期型減揺水槽装置を実現化するために、その大きさおよび形状を提供することにより、パラメトリック横揺れを的確に防止できる装置を実現することができるという観点に立っている。
すなわち、本発明は、前記の課題を解決するために、以下の特徴を有する。
[1] 長さが20フィート、40フィートまたは45フィート、幅が2438mmの大きさを有する海上輸送用コンテナを積載する船舶のパラメトリック横揺れを防止するためのパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置であって、左右一対のウイングタンクと前記左右一対のウイングタンクの下部を連通する連結水路とを備える減揺水槽と、前記連結水路に設けられ、その開閉によって前記減揺水槽内の液体の揺動周期を調整するためのダンパーと、前記左右一対のウイングタンクの上部を連通する空気ダクトと、前記空気ダクトに設けられ、その開閉によって前記減揺水槽内の液体の作動または停止の切り替えを行うためのバルブとを備える可変周期型減揺水槽装置を備え、前記可変周期型減揺水槽装置が前記船舶の船尾部の甲板上に設けられているパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置において、前記ウイングタンクおよび前記連結水路を備える前記減揺水槽の船舶長さ方向の長さが、コンテナを前記減揺水槽上に積載したときに、前記コンテナが前記減揺水槽から船尾側および船首側に突出することのない寸法からなり、かくして、前記左右一対のウイングタンク上および/または前記連結水路上に、前記コンテナを前記減揺水槽から船尾側および船首側に突出させないで積載可能であることを特徴とするパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置。
[2] 前記左右一対のウイングタンク間の空間の長さが、前記コンテナを前記連結水路上において船舶幅方向に所定の複数個並べて積載したときに、前記左右一対のウイングタンク間に前記所定の複数個のコンテナが納まる寸法からなっており、前記連結水路上に前記所定の複数個のコンテナを積載可能であると共に、前記ウイングタンクの船舶幅方向の長さが、前記コンテナを前記ウイングタンク上において船舶幅方向に所定の複数個並べて積載したときに、前記所定の複数個のコンテナが前記ウイングタンクから船舶幅方向に突出することのない寸法からなっており、前記ウイングタンク上に前記所定の複数個のコンテナを積載可能であり、かくして、前記減揺水槽は前記連結水路上および/または前記ウイングタンク上に複数個のコンテナを積載可能であることを特徴とする、前記[1]に記載のパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置。
[3] 前記減揺水槽内に搭載する液体の重量が、前記船舶の排水量の0.8%〜0.2%であることを特徴とする、前記[1]または[2]に記載のパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置。
[4] コンテナを積載する船舶のパラメトリック横揺れを防止するためのパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置であって、左右一対のウイングタンクと前記左右一対のウイングタンクの下部を連通する連結水路とを備える減揺水槽と、前記連結水路に設けられ、その開閉によって前記減揺水槽内の液体の揺動周期を調整するためのダンパーと、前記左右一対のウイングタンクの上部を連通する空気ダクトと、前記空気ダクトに設けられ、その開閉によって前記減揺水槽内の液体の作動または停止の切り替えを行うためのバルブとを備える可変周期型減揺水槽装置を備え、前記可変周期型減揺水槽装置が前記船舶の船尾部の甲板上に設けられているパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置において、前記連結水路上に積載される所定の複数個のコンテナの積載位置から選択された前記連結水路上の所定位置に、前記コンテナと同一の大きさのダンパー制御室が設けられ、前記ダンパー制御室に前記ダンパーおよび前記ダンパーを駆動するダンパー駆動装置が設けられ、かくして、前記ダンパー制御室が設けられた前記連結水路上に前記タンパー制御室と並べて前記コンテナを積載できるようになっていることを特徴とするパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置。
[5] 前記空気ダクトが、前記左右一対のウイングタンクの船尾側の側壁の上部または船首側の側壁の上部に取付けられ、かくして、前記空気ダクトが前記減揺水槽の船尾側または船首側に設けられていることを特徴とする、前記[]に記載のパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置。
パラメトリック横揺れを防止するためのモーメント量は、現在まで解明されておらず未知であったため、パラメトリック横揺れ防止用の可変周期型減揺水槽装置の設計手法は現在まで確立されていない。現在考えられているパラメトリック横揺れ防止の手法は、可変周期型減揺水槽装置自体は従来の設計手法のままで、パラメトリック横揺れの発生する周期領域における周期制御、すなわち、縦揺れ周期/横揺れ周期≒1/2となる周期域での回避制御が主体であった(例えば、特許文献2参照、特に段落[0016]等)。
そこで、本発明では、船舶に可変周期型減揺水槽装置を設置して船舶のパラメトリック横揺れの発生を確実に防止すると共に、コンテナ船においては、可変周期型減揺水槽装置の設置によるコンテナ積載数の減少を最小限に押えることができる最良の構造形態を提供している。
(発明の実施形態)
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明のパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置の実施の形態に係る説明図、図2は、本発明の実施の形態に係る船舶の船尾部を示す説明図である。
図1、図2に示すように、コンテナ船の船体2の船尾部12には、甲板3の上に、可変周期型減揺水槽装置Aが設置されている。可変周期型減揺水槽装置Aは、船体2の左舷と右舷とにそれぞれ設けられた左右一対のウイングタンク10と、ウイングタンク10の下部を連通する連結水路5とを備える減揺水槽1と、連結水路5に設けられ、その開閉によって減揺水槽1内に搭載された液体の揺動周期を調整するためのダンパー6と、左右一対のウイングタンク10の上部を連通して空気を流通させるための空気ダクト7と、空気ダクト7に設けられ、その開閉によって空気の流通を拘束して減揺水槽1内の液体の作動または停止を切り替えるための空気バルブ8とを備えている。なお、減揺水槽1および連結水路5という名称を使用しているが、減揺水槽1に搭載される液体は水に限られない。他の液体の場合も含まれる。
また、図1、図2では連結水路5をウイングタンク10と一体の構造体として示しているが、連結水路5は大口径のパイプで構成してもよく、連結水路5をパイプで構成した場合は、ダンパー6は開閉可能なバルブに替えてもよい。
図1、図2に示すように、可変周期型減揺水槽装置Aは船体2の甲板3の上に設置すべきである。可変周期型減揺水槽装置Aを甲板3の上に設置することにより、甲板下に設置する場合に比べ、減揺水槽1の位置を高くできるので、減揺モーメントを大きくすることが可能となる。このため、同じモーメント量を得るための減揺水槽1内の液体量(重量)が少なくて済み、貨物の載貨量(重量)の減少も少なくて済む。
本発明をコンテナ船に適用する場合においては、可変周期型減揺水槽装置Aの設置位置を船尾部12とすべきである。船尾部12には、プロペラや舵が配置されるため、その構造上、船体部分の深さが浅いことに加え、操舵機室や係船機器が配置されるため、船尾部12の甲板下にはコンテナを積載するための船倉が設けられることがない。このため、可変周期型減揺水槽装置Aを船尾部12に設置してもそのために積載コンテナ数が減少することはない。一方、船尾部以外の甲板上に可変周期型減揺水槽装置Aを設置すると、その設置場所に船倉を設けることができなくなる。
このようにして可変周期型減揺水槽装置Aを船尾部12の甲板3の上に設置することにより、船舶への積載コンテナ数を減少させることなく、減揺モーメントを大きく得ることが可能となる。なお、本実施の形態では、可変周期型減揺水槽装置Aは、船尾部12の甲板3の上に直接設置しているが、直接ではなく、甲板3上に補強構造を設け、その上部に減揺水槽装置Aを設置するようにしてもよい。
出願人らは、パラメトリック横揺れを確実に防止するためのモーメント量を求めるため、ポストパナマックス型コンテナ船の縮尺模型に減揺水槽(可変周期型減揺水槽装置)を設置して実験を行い、パラメトリック横揺れ防止能力を検証した。この実験の結果、船尾部の甲板上に減揺水槽を設置した場合、当該船舶の排水量の0.8%〜0.4%の重量の液体を減揺水槽1に搭載することにより、実際の海洋波に相当する不規則波中において、向波中で、パラメトリック横揺れの発生を完全に防止できることを確認した。更に、追波中でも、横揺れ角を5度以下に抑えることがでできることを確認した。このように減揺水槽に搭載した液体の重量に差があるのは、実験状態のGM(復原力の大きさ)の差によるものであるが、これは、実船の載貨状態の変動による差と一致するものである。また、船舶の排水量の0.4%〜0.2%の重量の液体を減揺水槽に搭載することにより、不規則波の向波中で5度、追波中で最大18度以下に横揺れ角を抑えられることを確認した。この横揺れ角度は、ラッシングの観点から、その目安となる15度から20度の範囲以内であり、コンテナ船の運行上問題の無い横揺れ角の範囲内に抑えられている。このため、パラメトリック横揺れをほぼ完全に防止する必要があれば、排水量の0.8%〜0.4%の重量の液体を搭載する減揺水槽として設計すれば良く、通常の横揺れ角程度に抑えればよいのであれば、排水量の0.4%〜0.2%の重量の液体を搭載する減揺水槽として設計すれば良い。しかし、従来の可変周期型減揺水槽装置においては、減揺水槽に排水量の1〜4%の重量の液体を搭載する必要が有った。(例えば非特許文献2参照)。この液体重量の差は、減揺モーメントの差であり、減揺水槽の知識を有する者には明白であるが、減揺水槽の設置位置(レバー)の違いによるものである。即ち、減揺水槽を船底部に設置した場合はレバーが小さいため、概略4%の排水量に相当する液体を搭載する減揺水槽としなければ、減揺効果が期待出来ず、上甲板下に設置する場合は概略3%の排水量に相当する液体を搭載する減揺水槽を設置する必要が有った。同様に上甲板下に設置する場合は概略2%の排水量に相当する液体を搭載する減揺水槽を設置し、更に上部の甲板に設置する場合はレバーが大きくなり概略1%の排水量に相当する液体を搭載する減揺水槽を設置すれば、十分な減揺効果が得られる減揺水槽となった。
この様に、出願人らが行った実験により求めたパラメトリック横揺れ防止のためのモーメント量を基本とする本発明は従来の設計手法に比べ、上甲板上に減揺水槽を設置して、1/2.5〜1/10という非常に少ない液体量でパラメトリック横揺れに対処することが可能である。
コンテナ船により海上輸送されるコンテナの大きさを表す寸法、すなわち、コンテナの長さ、幅および高さのうち、コンテナの長さの寸法については、20フィート(ft)、40フィート(ft)、45フィート(ft)の種類がある。図1に示すように、コンテナ4を船舶に積載するときは、コンテナ4はその長さ方向を、船舶の長さ方向(図1の左右方向)と同一方向にして積載される。更に、図2に示すように、コンテナ4はその幅方向を、船舶の幅方向(図2の左右方向)と同一方向にして積載される。かくして減揺水槽1(連結水路5およびウイングタンク10)の上にコンテナ4を積載可能である。そして、減揺水槽1の船舶長さ方向の長さは、減揺水槽1の上にコンテナ4を積載するときに、コンテナ4が減揺水槽1から船尾側および船首側のいずれにも突出することのない(はみだすことのない)寸法からなっている。
図2に示す様に、連結水路5およびウイングタンク10からなる減揺水槽1の横断面はUの字型である。左右一対のウイングタンク10、10間の空間の長さ、すなわち、左舷のウイングタンク10の側壁と右舷のウイングタンク10の側壁との間の空間の長さは連結水路5の長さに等しい。そして、連結水路5の長さは、連結水路5上、すなわち、連結水路の頂板上において、コンテナ4を船舶幅方向に所定の複数個並べて積載したときに、ウイングタンク10、10間に所定の複数個のコンテナ4が納まる寸法からなっている。かくして、連結水路5上に所定の複数個のコンテナ4を積載可能である。
更に、左右それぞれのウイングタンク10の船舶幅方向の長さは、ウイングタンク10上、すなわち、ウイングタンクの頂板上に、コンテナ4を船舶幅方向に所定の複数個並べて積載したときに、所定の複数個のコンテナ4がウイングタンク10から船舶幅方向に突出することのない(はみだすことのない)寸法からなっている。これにより、ウイングタンク10上に、所定の複数個のコンテナ4を積載可能である。
このように減揺水槽1(連結水路5およびウイングタンク10)を構成することより、連結水路5上およびウイングタンク10上に、複数個のコンテナ4を積載可能である。
大型のコンテナ船では、船尾部の甲板上に積載するコンテナの長さは40ftまたは45ftである。そして、両長さのコンテナを共に積載可能となっている。このため、本発明においても、両長さのコンテナが積載可能なように減揺水槽1の船舶長さ方向の長さを決定すればよい。減揺水槽1の実際の船舶長さ方向の長さは、コンテナ4の長さおよびコンテナの積載に関するセル・ガイドやラッシング・ブリッジの寸法を考慮して決定する。ウイングタンク10上や連結水路5上にコンテナ積載設備を設けて、45ftおよび40ftの長さのコンテナ4を積載可能な構造となっている。
また、小型のコンテナ船において、20ftの長さのコンテナ4を船尾部12の甲板3上に積載する場合は、減揺水槽1の船舶長さ方向の長さを、20ftのコンテナ4の長さと更にそれに加えて、セル・ガイドやラッシング・ブリッジの寸法を考慮して決定し、ウイングタンク10上や連結水路5上にコンテナ積載設備を設けて、20ftの長さのコンテナ4を積載可能な構造となっている。
ウイングタンク10、10間の長さを実際に決定するときは、例えばコンテナ4の幅が2438mmであれば、コンテナの個数と、コンテナの積み付け間隔やセル・ガイドなどの寸法を考慮して、コンテナ船の型幅の60%〜80%の範囲で決定する。このようにして左舷のウイングタンク10の側壁と右舷のウイングタンク10の側壁との間の空間の長さの寸法を決定することにより、限られたスペース内にコンテナ4を効率よく納めて積載することができる。
上記の様にして決定されたウイングタンク10、10間の連結水路5上に積載される、所定の複数個のコンテナの積載位置から選択された所定位置(1箇所)には、図2に示すように、コンテナ4と同一の大きさ、すなわち、コンテナ4の長さ、幅および高さが同一の寸法を有するダンパー制御室9が設けられている。ダンパー制御室9の内部には、ダンパー6の一部が収容され、更に、ダンパー6を駆動するためのダンパー駆動装置11が設けられている。そして、ダンパー制御室9が設けられた連結水路5上に、該ダンパー制御室9と並べて、コンテナ4を積載できるようになっている。このように連結水路5上に、コンテナ4と同一の大きさのダンパー制御室9を設けているため、連結水路5上に積載したコンテナ4の積み付け順列が乱れること無く、コンテナ4を連結水路5上に整然と並べて積載することが可能である。
空気ダクト7は、図1、図2、特に図1に示すように、左右一対のウイングタンク10の船尾側の側壁の上部に取り付けられ、そこから減揺水槽1の船尾側を通り、ウイングタンク10と10とが空気ダクト7により連通されている。かくして、空気ダクト7は減揺水槽1の船尾側に設けられている。このように空気ダクト7が減揺水槽1の船尾側(側面)に設けられ、減揺水槽1の上側(上面)に設けられていないので、コンテナクレーンを使用してウイングタンク10、10間の連結水路5上にコンテナ4を積載する作業が容易に行える。更に、コンテナ4を、ウイングタンク10の上(上面)に積載可能である。そして更に、コンテナ4を空気ダクト7の高さ位置よりも上方に積載可能である。また、本実施の形態では、空気ダクト7をウイングタンク10の船尾側、すなわち後側の側壁に設けたが、空気ダクト7は、ウイングタンク10の船首側、すなわち前側の側壁に取り付けてもよい。
以上のように、本発明は、減揺水槽の上にコンテナを積載可能に構成されており、減揺水槽上に積載した分、積載コンテナ数を増加することができる。
本発明の実施の形態に係る説明図である。 本発明の実施の形態に係る船舶の船尾部を示す説明図である。
符号の説明
A 可変周期型減揺水槽装置
1 減揺水槽
2 船体
3 甲板
4 コンテナ
5 連結水路
6 ダンパー
7 空気ダクト
8 バルブ
9 ダンパー制御室
10 ウイングタンク
11 ダンパー駆動装置
12 船尾部

Claims (5)

  1. 長さが20フィート、40フィートまたは45フィート、幅が2438mmの大きさを有する海上輸送用コンテナを積載する船舶のパラメトリック横揺れを防止するためのパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置であって、左右一対のウイングタンクと前記左右一対のウイングタンクの下部を連通する連結水路とを備える減揺水槽と、前記連結水路に設けられ、その開閉によって前記減揺水槽内の液体の揺動周期を調整するためのダンパーと、前記左右一対のウイングタンクの上部を連通する空気ダクトと、前記空気ダクトに設けられ、その開閉によって前記減揺水槽内の液体の作動または停止の切り替えを行うためのバルブとを備える可変周期型減揺水槽装置を備え、前記可変周期型減揺水槽装置が前記船舶の船尾部の甲板上に設けられているパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置において、
    前記ウイングタンクおよび前記連結水路を備える前記減揺水槽の船舶長さ方向の長さが、コンテナを前記減揺水槽上に積載したときに、前記コンテナが前記減揺水槽から船尾側および船首側に突出することのない寸法からなり、かくして、前記左右一対のウイングタンク上および/または前記連結水路上に、前記コンテナを前記減揺水槽から船尾側および船首側に突出させないで積載可能であることを特徴とするパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置。
  2. 前記左右一対のウイングタンク間の空間の長さが、前記コンテナを前記連結水路上において船舶幅方向に所定の複数個並べて積載したときに、前記左右一対のウイングタンク間に前記所定の複数個のコンテナが納まる寸法からなっており、前記連結水路上に前記所定の複数個のコンテナを積載可能であると共に、前記ウイングタンクの船舶幅方向の長さが、前記コンテナを前記ウイングタンク上において船舶幅方向に所定の複数個並べて積載したときに、前記所定の複数個のコンテナが前記ウイングタンクから船舶幅方向に突出することのない寸法からなっており、前記ウイングタンク上に前記所定の複数個のコンテナを積載可能であり、かくして、前記減揺水槽は前記連結水路上および/または前記ウイングタンク上に複数個のコンテナを積載可能であることを特徴とする、請求項1に記載のパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置。
  3. 前記減揺水槽内に搭載する液体の重量が、前記船舶の排水量の0.8%〜0.2%であることを特徴とする、請求項1または2に記載のパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置。
  4. コンテナを積載する船舶のパラメトリック横揺れを防止するためのパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置であって、左右一対のウイングタンクと前記左右一対のウイングタンクの下部を連通する連結水路とを備える減揺水槽と、前記連結水路に設けられ、その開閉によって前記減揺水槽内の液体の揺動周期を調整するためのダンパーと、前記左右一対のウイングタンクの上部を連通する空気ダクトと、前記空気ダクトに設けられ、その開閉によって前記減揺水槽内の液体の作動または停止の切り替えを行うためのバルブとを備える可変周期型減揺水槽装置を備え、前記可変周期型減揺水槽装置が前記船舶の船尾部の甲板上に設けられているパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置において、
    前記連結水路上に積載される所定の複数個のコンテナの積載位置から選択された前記連結水路上の所定位置に、前記コンテナと同一の大きさのダンパー制御室が設けられ、前記ダンパー制御室に前記ダンパーおよび前記ダンパーを駆動するダンパー駆動装置が設けられ、かくして、前記ダンパー制御室が設けられた前記連結水路上に前記タンパー制御室と並べて前記コンテナを積載できるようになっていることを特徴とするパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置。
  5. 前記空気ダクトが、前記左右一対のウイングタンクの船尾側の側壁の上部または船首側の側壁の上部に取付けられ、かくして、前記空気ダクトが前記減揺水槽の船尾側または船首側に設けられていることを特徴とする、請求項4に記載のパラメトリック横揺れ防止用可変周期型減揺水槽装置。
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