以下図面を参照して、本発明の好適な第1実施例について説明する。
(1)第1の実施の形態
図1において、1は携帯電話機(図示せず)などの電波を中継する無線局舎を示し、この無線局舎1は、底板2、4枚の側板3及び天板4を連結して箱型に形成された箱型ユニット5を有し、この箱型ユニット5の内部に携帯電話機の電波を中継するための交換機など各種通信機器6が収容されている。
箱型ユニット5の1つの側板3には、開口部(図示せず)が形成されており、この開口部に図示しない開閉扉が開閉自在にに取り付けられている。また、箱型ユニット5の側板3には、図示しない導電線で地盤Gと電気的に接続させた避雷針7が、その先端を天板4から突出するように設けられ、これにより当該避雷針7及び導電線を介して落雷で生じた雷電流を地盤Gまで導くようになされている。
かかる構成に加えて箱型ユニット5の底板2には、裏面側の周縁に所定間隔を空けて複数の無線局舎用基台8が設けられており、これら複数の無線局舎用基台8を用いて設置面たる基礎コンクリート9上に箱型ユニット5が設置され得る。
無線局舎用基台8は、図2と、図3と、図2のA−A'線を断面に取った図4(A)と、図2のB−B’線を断面にとった図4(B)とに示すように、垂直断面がII形状(すなわち、アラビア数字の「2」形状)に形成された型鋼(II型鋼)からなる基台本体12と、基台本体12の上面部10に設けられた絶縁部材13とから構成されている。
基台本体12は、金属製でなり、水平状に配される上面部10と、この上面部10に対向した下面部11との間に第1の脚部14a及び第2の脚部14bを備え、これら第1の脚部14a及び第2の脚部14bにより基礎コンクリート9から所定高さ位置で絶縁部材13を介在させて箱型ユニット5を支持し得るようになされている。
また、基台本体12は、下面部11が上面部10よりも長く選定されており、これにより当該下面部11が基礎コンクリート9に接触する面積を大きくさせ、箱型ユニット5を基礎コンクリート9に対し安定的に設置し得るようになされている。
実際上、基台本体12の下面部11は、長方形状からなり、上面部10の端部から突出した領域に、厚みを貫通するように2つの貫通孔15を備え、これら貫通孔15にアンカーボルト16が挿通され得る。アンカーボルト16は、基礎コンクリート9に埋設されており、外部に露出した先端にナット17が螺着されることにより、基礎コンクリート9上に基台本体12の下面部11を据付固定し得る。
基台本体12の上面部10に設けられた絶縁部材13は、絶縁性を有する樹脂材たるプラスチックからなり、所定の厚み(例えば7.5〔cm〕程度)を有するように選定され、かつその外郭形状が基台本体12の外郭形状と同一形状となる四辺形状(この場合正方形状)に形成されている。
実際上、絶縁部材13は、箱型ユニット5の底板2に接する上面部(以下、これをユニット接触面部と呼ぶ)18aと、基台本体12の上面部10に接する下面部(以下、これを基台接触面部と呼ぶ)18bとを有し、その周縁部を基台本体12の上面部10周縁とほぼ一致させて設けられ得る。
かかる構成に加えて絶縁部材13には、下側に所定厚み(この場合、約3.0〔cm〕程度)を残して直方体状に切り欠かれた切れ欠き部(以下、これを上側切れ欠き部と呼ぶ)20が、各周縁中央部にそれぞれ設けられている。この上側切れ欠き部20には、厚みを有した底部21にボルト及びナットでなる取付金具22がブッシュ23を介して設けられており、取付金具22が底部21を介在させて基台本体12の上面部10に固着され得る。
この実施の形態の場合、絶縁部材13は、四辺形状のうち4つの周縁中央部全てに取付金具22が設けられており、これら取付金具22によって基台本体12の上面部10に固着されていることにより、基台接触面部18b全体が基台本体12の上面部10と密着して確実に固着し得るようになされている。
また、図3及び図4(A)に示すように、絶縁部材13は、上側切れ欠き部20の底部21に設けた取付金具22の端部(この場合、ボルトの拡幅部)を、上側切れ欠き部20の切り欠いた空間内に収容させることで、取付金具22の端部から箱型ユニット5の底板2までの間に距離L1の隙間を形成し、これにより取付金具22を箱型ユニット5の底板2と非接触にさせ得るようになされている。
このように絶縁部材13では、取付金具22が箱型ユニット5の底板2と非接触に配設されることにより、地盤Gに導かれた雷電流が基台本体12へ流れ込んでも直接取付金具22を経由して箱型ユニット5内へ侵入してしまうことを防止し得るようになされている。
また、この場合、取付金具22と箱型ユニット5の底板2との間に設けられた距離L1は、雷電圧に対する耐電距離となるように選定されており、これにより取付金具22に雷電圧がかかっても、空気の電気抵抗によって箱型ユニット5内に雷電流が侵入することを防止し得るようになされている。
なお、この実施の形態の場合、取付金具22と箱型ユニット5の底板2との隙間の距離L1は例えば約3.4〔cm〕程度に選定されており、箱型ユニット5内への雷電流の侵入を防止する観点から、雷電圧に対する耐電距離として好ましくは約3〔cm〕程度に選定されることが望ましい。
また、絶縁部材13には、上側に所定厚み(この場合、約3.0〔cm〕程度)を残して直方体状に切り欠かれた切れ欠き部(以下、これを下側切れ欠き部)25が、上側切れ欠き部20と対向しないよう各周縁角部にそれぞれ設けられている。この下側切れ欠き部25には、厚みを有した天部26にボルト及びナットでなる取付金具27がブッシュ28を介して設けられており、この取付金具27が天部26を介在させて箱型ユニット5の底板2に固着されている。
この実施の形態の場合、絶縁部材13は、四辺形状のうち4つの周縁角部全てに取付金具27が設けられており、これら取付金具27によって箱型ユニット5の底板2に固着されていることにより、ユニット接触面部18a全体が箱型ユニット5の底板2と密着して確実に固着し得るようになされている。
また、図3及び図4(B)に示すように、絶縁部材13は、下側切れ欠き部25の天部26に設けた取付金具27の端部(この場合、ボルトの拡幅部)を、下側切れ欠き部25の切り欠いた空間内に収容させることで、取付金具27の端部から基台本体の上面部までの間に距離L2の隙間を形成し、これにより取付金具27が基台本体12の上面部10と非接触にさせ得るようになされている。
このように取付金具27と基台本体12の上面部10との隙間の距離L2は、雷電圧に対する耐電距離となるように選定されており、これにより上面部10に雷電圧がかかっても、空気の電気抵抗によって箱型ユニット5内に雷電流が侵入することを防止し得、かくして当該箱型ユニット内の通信機器6に雷電流に基づく落雷障害が生じることを一段と確実に防止し得るようになされている。
なお、この実施の形態の場合、取付金具27と基台本体12の上面部10との隙間の距離L2は例えば約3.4〔cm〕程度に選定されており、箱型ユニット5内への雷電流の侵入を防止する観点から、雷電圧に対する耐電距離として好ましくは約3〔cm〕程度に選定されることが望ましい。
以上の構成において、無線局舎1では、基礎コンクリート9上に据付固定した基台本体12に、厚みのある絶縁部材13を介在させて箱型ユニット5を設置するようにしたことにより、基台本体12と箱型ユニット5とを電気的に絶縁させることができる。
これにより、無線局舎1では、避雷針7に落雷があり、この落雷により生じた雷電流が地盤Gへ導かれ、当該地盤Gから基台本体12に雷電流が流れ込んだ場合であっても、当該基台本体12まで流れ込んだ雷電流を絶縁部材13により遮断でき、かくして雷電流が箱型ユニット5に流れ込むことを防止できる。
また、絶縁部材13は、上側切れ欠き部20の底部21に取付金具22を設けて基台本体12と固着させたことにより、この取付金具22によって基台本体12の上面部10に強固に固着できるとともに、上側切れ欠き部20の空間内に取付金具22を収容できるので、当該取付金具22から箱型ユニット5の底板2までの間に所定距離L1の隙間を形成して箱型ユニット5の底板2と非接触にさせることができ、かくして雷電流が取付金具22を経由して箱型ユニット5内に直接流れ込むことを防止できる。
また、所定距離L1を雷電圧に対する耐電距離としたことにより、取付金具22に雷電圧がかかっても、空気の電気抵抗によって箱型ユニット5内に雷電流が侵入することを防止でき、かくして当該箱型ユニット5内の通信機器6に雷電流に基づく落雷障害が生じることを一段と確実に防止できる。
さらに、絶縁部材13は、下側切れ欠き部25の天部26に取付金具27を設けて箱型ユニット5と固着させたことにより、この取付金具27によって箱型ユニット5の底板2に強固に固着できるとともに、下側切れ欠き部25の空間内に取付金具27を収容できるので、当該取付金具27から基台本体12の上面部10までの間に耐電距離たる距離L2の隙間を形成して基台本体12の上面部10と非接触にさせることができ、かくして当該基台本体12まで流れ込んだ雷電流を絶縁部材13において確実に遮断し、雷電流が箱型ユニット5に流れ込むことを防止できる。
また、絶縁部材13では、基台接触面部18bを上面部10と同一形状たる四辺形状に形成し、かつ周縁角部にのみ下側切れ欠き部25を設けて当該上面部10との接触面積を極力確保するとともに、ユニット接触面部18aの周縁中央部にのみ上側切れ欠き部20を設けて箱型ユニット5の底板2との接触面積を極力確保するようにしたことにより、絶縁部材13全体によって箱型ユニット5からの荷重を確実に受け止め、かくして当該箱型ユニット5を一段と安定した状態で支持できる。
また、絶縁部材13では、上側切れ欠き部20と下側切れ欠き部25とが対向しないようにずらして配置させたことにより、当該上側切れ欠き部20及び下側切れ欠き部25の切り欠いた空間内に所定の帯電距離を確実に確保しつつも、絶縁部材13自体の厚みを極力薄くさせることができる。
さらに、絶縁部材13は、所定強度を有し、かつ腐食し難いプラスチックで形成されていることにより、箱型ユニット5の重量によっても破損し難く、かつ長期間の間屋外において箱型ユニット5を支持し続けることができる。
また、この実施の形態の場合、絶縁部材13は、7.5〔cm〕程度の厚みを有するとともに、取付金具22,27を設けた底部21及び天部26においても3.0〔cm〕程度の厚みを確保したことにより、約30〔kV〕の耐電圧能力を実現でき、かくして基台本体12まで流れ込んだ雷電流を絶縁部材13において遮断できる。
以上の構成によれば、本実施例では、箱型ユニット5を基礎コンクリート9上に据付固定する基台本体12上に絶縁部材13を設け、当該絶縁部材13で基台本体12と箱型ユニット5との間において電気的に絶縁させたことにより、地盤Gへ導かれた雷電流が当該地盤Gから基台本体12に流れ込んだ場合であっても、当該雷電流を絶縁部材13により遮断できるので、雷電流が箱型ユニット5の内部に流れ込むことを防止でき、かくして通信機器6毎に絶縁部材を設けることなく、落雷による雷電流から通信機器6を確実に保護し得る。
また、プラスチックからなる絶縁部材13を用いたことにより、無線局舎用基台8全体として軽量化を図ることができ、かくして無線局舎用基台8の設置する際の作業負担を軽減させることができる。
さらに、取付金具22を箱型ユニット5から雷電圧に対する耐電距離となる所定距離L1を設けて配設し、かつ取付金具27を基台本体12から雷電圧に対する耐電距離となる所定距離L2を設けて配設したことにより、取付金具22や基台本体12に雷電圧がかかっても、空気の電気抵抗によって箱型ユニット5内に雷電流が侵入することを防止できるので、当該箱型ユニット5内の通信機器6に雷電流に基づく落雷障害が生じることを一段と確実に防止でき、かくして通信機器6毎に絶縁部材を設けることなく、落雷による雷電流から通信機器6を確実に保護し得る。
(2)第2の実施の形態
図1との対応部分に同一符号を付して示す図5において、31は全体として第2の実施の形態による無線局舎を示し、無線局舎31は、箱型ユニット5における底板2の長辺部と同じ長さ寸法を有した無線局舎用基台32が設けられている。
無線局舎用基台32は、図6と、図7と、図6のC−C'線を断面に取った図8(A)と、図6のD−D’線を断面にとった図8(B)とに示すように、金属製のH型鋼からなり平面側を上面部33及び下面部34として水平状に配した基台本体35と、この上面部33に設けられた第1の絶縁部材36及び第2の絶縁部材37とを備え、基台本体35が第1の絶縁部材36及び第2の絶縁部材37を介在させ、基礎コンクリート9から所定高さの位置で箱型ユニット5を支持している。
実際上、基台本体35は、上面部33の長手方向が箱型ユニット5における底板2の長辺部とほぼ同一の長さに選定されているとともに、下面部34の長手方向が箱型ユニット5における底板2の長辺部よりも僅かに長くなるように選定され、これにより当該下面部34の基礎コンクリート9との接触面積が大きくなり、当該箱型ユニット5を基礎コンクリート9に対し安定的に設置し得るようになされている。また、この場合、箱型ユニット5における底板2の長辺部全体を基台本体35の上面部33で支持できるので、当該箱型ユニット5を一段と安定的に支持し得るようになされている。
因みに、基台本体35の下面部34は、上面部33の端部から突出した領域(すなわち、箱型ユニット5の四隅近傍付近に該当する箇所)にそれぞれ貫通孔(図示せず)が穿設されており、当該貫通孔に挿通させたアンカーボルト(図示せず)が基礎コンクリート9に埋設され、外部に露出したアンカーボルトの先端にナット(図示せず)が螺着されることにより基礎コンクリート9上に据付固定され得る。
図5と、図8(A)と、図8(B)とに示すように、基台本体35の上面部33には、当該上面部33とほぼ同一の長さに選定された厚みのある第1の絶縁部材36と、所定間隔を空けて設けられた厚みのある複数の第2の絶縁部材37(図5)とが設けられており、この第2の絶縁部材37と箱型ユニット5とが連結金具38によって連結されている。
ここで連結金具38は、基台本体35の上面部33の長手方向と同じ長さの板材をコ字状に折り曲げた形状でなる第1の連結部39と、所定長さの板材をL字状に折り曲げた形状でなる複数の第2の連結部40とにより構成されており、第1の連結部39の垂直方向に配される垂直面部に、第2の連結部40の一端がボルト41a及びナット41bにより連結され、これにより別体でなる第1の連結部39及び第2の連結部40が一体的な構成となり得る。
第1の連結部39は、水平方向に折り曲げた一方の端部が箱型ユニット5の底板2に固着され、当該箱型ユニット5と無線局舎用基台32とを連結し得るようになされている。また、第1の連結部39には、水平方向に折り曲げた他方の端部にスペーサ43を介在させて第1の絶縁部材36が設けられており、当該第1の絶縁部材36の基台接触面部44bが基台本体35の上面部33に固着され、これにより基台本体と箱型ユニットとが連結され得る。
因みに、スペーサ43は、帯状で所定の厚みを有し、第1の絶縁部材のユニット接触面部44aにタッピンねじ45を用いて取り付けられ、当該スペーサ43の厚みによって第1の絶縁部材36の高さを第2の絶縁部材37と同じ高さ(この場合、7.5〔cm〕程度)に調整し得るようになされている。
ここで、第1の絶縁部材36は、例えばプラスチックでなる角柱状でなり、垂直断面が正方形状に形成され、軸方向が上面部33の長手方向と平行に配置されて箱型ユニット5を支持し得るようになされている(図5)。
一方、第2の連結部40には、水平方向に折り曲げた他端に、第1の絶縁部材36と密着した第2の絶縁部材37が設けられている。第2の絶縁部材37は、例えばプラスチックからなり、垂直断面が長方形状でなる所定長さ(例えば約3.7〔cm〕程度)の角柱状に形成され、軸方向が上面部33の長手方向と平行に配置されて箱型ユニット5を支持し得るようになされている(図5)。
第2の絶縁部材37には、下側に所定厚み(この場合、約3.0〔cm〕程度)を残して直方体状に切り欠かれた上側切れ欠き部47が、第1の絶縁部材36と非接触となる外側の両角部にそれぞれ設けられている。この上側切れ欠き部47には、厚みを有した底部48にボルト及びナットでなる取付金具49がブッシュ50を介して設けられており、取付金具49が底部48を介在させて基台本体35の上面部33に固着されている。
これにより、図6に示すように、第2の絶縁部材37は、第2の連結部40の両側部から露出した外側上方の両角部に取付金具49を配設し、第1の連結部40と取付金具46とを非接触にさせ得るとともに、第2の連結部40から取付金具49を極力遠ざけ得るようになされている。
また、第2の絶縁部材37は、図8(B)に示すように、上側切れ欠き部47の底部48に設けた取付金具49の端部(この場合、ボルトの拡幅部)を、上側切れ欠き部47の切り欠いた空間内に収容させることで、取付金具49の端部から箱型ユニット5の底板2までの間に距離L3の隙間を形成し、これにより第2の連結部40から取付金具49を極力遠ざけ得るようになされている。
因みに、この距離L3は、上述した第1の実施例と同様の理由から距離L1や距離L2と同じ、例えば約3.4〔cm〕程度に選定されており、雷電圧に対する耐電距離として好ましくは約3〔cm〕程度に選定されることが望ましい。
これに加えて、第2の絶縁部材37には、上側に所定厚み(この場合、約3.0〔cm〕程度)を残して直方体状に切り欠かれた下側切れ欠き部51が、上側切れ欠き部47と対向しないよう第2の連結部40と重なる領域の外側に複数設けられている。この下側切れ欠き部51には、厚みを有する天部52にボルト及びナットでなる取付金具53がブッシュ54を介して設けられており、この取付金具53が天部52を介在させて箱型ユニット5の底板2に固着されている。
また、図6及び図8(A)に示すように、第2の絶縁部材37は、取付金具53の端部(この場合、ボルトの拡幅部)を、下側切れ欠き部51の切り欠いた空間内に収容させることで、取付金具53の端部から基台本体35の上面部33までの間に距離L4の隙間を形成し、これにより取付金具53を基台本体35の上面部33と非接触にさせ得るようになされている。
因みに、距離L4は、上述した第1の実施例と同様の理由から距離L1や距離L2、上述した距離L3と同じ、例えば約3.4〔cm〕程度に選定されており、雷電圧に対する耐電距離として好ましくは約3〔cm〕程度に選定されることが望ましい。
以上の構成において、無線局舎31では、基礎コンクリート9上に据付固定した基台本体35に、第1の絶縁部材36及び第2の絶縁部材37を介在させて箱型ユニット5を設置するようにしたことにより、上述した第1の実施例と同様に基台本体35と箱型ユニット5とを電気的に絶縁させることができる。
これにより、無線局舎31では、避雷針7に落雷があり、この落雷により生じた雷電流が地盤Gへ導かれ、当該地盤Gから基台本体35に雷電流が流れ込んだ場合であっても、当該基台本体35まで流れ込んだ雷電流を第1の絶縁部材36及び第2の絶縁部材37により遮断でき、かくして雷電流が箱型ユニット5に流れ込むことを防止できる。
また、無線局舎用基台32では、第1の絶縁部材36及び第2の絶縁部材37と、第1の連結部39及び第2の連結部40とをそれぞれ別体に構成したことにより、第1の絶縁部材36及び第2の絶縁部材37の厚みを適宜選定したり、或いは第1の連結部39に対する第2の連結部40の取付位置を適宜調節できるので、箱型ユニット5の底板2と基台本体35との間に第1の絶縁部材36及び第2の絶縁部材37を容易に、かつ確実に取り付けることができる。
ここで第2の絶縁部材37では、上側切れ欠き部47の底部48に対して取付金具49を設けて基台本体35と固着させたことにより、この取付金具49により基台本体35の上面部33に対し強固に固着できるとともに、上側切れ欠き部47内に取付金具49を収容できるので、当該取付金具49を第2の連結部40と非接触にさせることができ、かくして雷電流が取付金具49から箱型ユニット5に流れ込むことを防止できる。
また、第2の絶縁部材37では、下側切れ欠き部51の天部52に対して取付金具53を設けて第2の連結部40と固着させたことにより、この取付金具53により第2の連結部40に対し強固に固着できるとともに、下側切れ欠き部51内に取付金具53を収容できるので、当該取付金具53を基台本体35の上面部33と非接触にさせることができ、かくして雷電流が取付金具53から箱型ユニット5に流れ込むことを防止できる。
さらに、所定距離L3及びL4を雷電圧に対する耐電距離としたことにより、取付金具49及び基台本体35の上面部33に雷電圧がかかっても、空気の電気抵抗によって箱型ユニット5内に雷電流が侵入することを防止でき、かくして当該箱型ユニット5内の通信機器6に雷電流に基づく落雷障害が生じることを一段と確実に防止できる。
以上の構成によれば、本実施例では、基台本体35に第1の絶縁部材36及び第2の絶縁部材37を設け、これら第1の絶縁部材36及び第2の絶縁部材37により基台本体35と箱型ユニット5とを電気的に絶縁させたことにより、地盤Gへ導かれた雷電流が当該地盤Gから基台本体35に流れ込んだ場合であっても、当該雷電流を第1の絶縁部材36及び第2の絶縁部材37により遮断させることができるので、雷電流が箱型ユニット5の内部に流れ込むことを防止でき、かくして通信機器6毎に絶縁部材を設けることなく、落雷による雷電流から通信機器6を確実に保護し得る。
また、無線局舎用基台32は、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる他、第1の絶縁部材36及び第2の絶縁部材37を別体に構成したことにより、箱型ユニット5の底板2の形状に合わせて第1の絶縁部材36と第2の絶縁部材37とをそれぞれ別々に取り付けることができ、かくして種々の形状でなる既存の箱型ユニット5にも設けることができる。
(3)第3の実施の形態
図1との対応部分に同一符号を付して示す図9において、61は第3の実施の形態による無線局舎を示し、この無線局舎61は、複数の無線局舎用基台62が箱型ユニット5の底板2に所定間隔を空けて設けられている。
図2との対応部分に同一符号を付して示す図10と、図3との対応部分に同一符号を付して示す図11とのように、無線局舎用基台62は、金属製のH型鋼からなり平面側たる上面部63及び下面部64を水平状に配した基台本体65と、この基台本体65の上面部63に設けられた絶縁部材66とを備え、基台本体65が2つの絶縁部材66を介在させて箱型ユニット5を支持している。
実際上、基台本体65は、図10のE−E’線を断面にとった図12(A)と、図10のF−F’線を断面にとった図12(B)とに示すように、下面部64の長手方向が上面部63の長手方向よりも長く選定されており、これにより基礎コンクリート9に対し当該下面部64が接触する面積を大きくさせ、上面部63に設けた箱型ユニット5を基礎コンクリート9に対し安定的に設置し得るようになされている。
基台本体65の下面部64は、上面部63の端部から突出した領域に2つの貫通孔15が穿設され(図11)、当該貫通孔15に挿通させたアンカーボルト16と、ナット17とにより基礎コンクリート9上に据付固定され得る。
一方、基台本体65の上面部63には同一構造でなる2つの絶縁部材66が並べて設けられており、これにより箱型ユニット5は絶縁部材66を介在させて基台本体65上に設置される。絶縁部材66は、例えばプラスチックで形成され、水平方向に縦長な長方形断面形状を有した角柱状でなり、その両端部が上面部63の側部側から突出するようにして、箱型ユニット5の内側となる当該上面部63の一端側と、箱型ユニット5の外側となる上面部63の他端側とにそれぞれ配置されている。
かかる構成に加えて絶縁部材66には、下側に所定厚みを残してU字状に切り欠かれた上側切れ欠き部69が、基台本体65の上面部63と重なる領域に設けられている。この上側切れ欠き部69には、厚みを有する底部70にボルト及びナットでなる取付金具71が設けられており、この取付金具71が底部70を介在させて基台本体65の上面部63に固着されている。
また、図11及び図12(A)に示すように、絶縁部材66は、取付金具71の端部(この場合、ボルトの拡幅部)を、上側切れ欠き部69の切り欠いた空間内に収容させることで、取付金具71の端部から箱型ユニット5の底板2までの間に距離L5の隙間を形成し、これにより取付金具71を箱型ユニット5の底板2と非接触にさせ得るようになされている。
この場合、取付金具71と箱型ユニット5の底板2との間に設けられた距離L5は、雷電圧に対する耐電距離となるように選定されており、これにより取付金具71に雷電圧がかかっても、空気の電気抵抗によって箱型ユニット5内に雷電流が侵入することを防止し得るようになされている。
なお、この実施の形態の場合、取付金具71と箱型ユニット5の底板2との隙間の距離L5は例えば約3.27〔cm〕程度に選定されており、雷電圧に対する耐電距離として好ましくは約3〔cm〕程度に選定されることが望ましい。
また、絶縁部材66には、上側に所定厚みを残してU字状に切り欠かれた下側切れ欠き部72が、上側切れ欠き部69と対向しないよう基台本体65の上面部63両側部から露出した領域に設けられている。この下側切れ欠き部72には、厚みを有する天部73にボルト及びナットでなる取付金具74が設けられており、この取付金具74が天部73を介在させて箱型ユニット5の底板2に固着されている。
これにより、図11に示すように、絶縁部材66は、基台本体65の上面部63両側部から露出した下側切れ欠き部72に取付金具74を配設し、取付金具74と箱型ユニット5の底板2とを非接触にさせ得るとともに、基台本体65の上面部63から取付金具74を極力遠ざけ得るようになされている。
また、図11及び図12(B)に示すように、絶縁部材66は、下側切れ欠き部72の天部73に取付金具74を設け、取付金具74を下側切れ欠き部72の切り欠いた空間内に収容させることで、取付金具74の端部から上面部63まで距離L6だけ遠ざかるように隙間が形成され、これにより基台本体65の上面部63から取付金具74を極力遠ざけるようになされている。
ここで絶縁部材66は、取付金具74と基台本体65の上面部63との隙間の距離L6が雷電圧に対する耐電距離となるように選定され、これにより上面部63に雷電圧がかかっても、空気の電気抵抗によって箱型ユニット5内に雷電流が侵入することを防止し、当該箱型ユニット内の通信機器6に雷電流に基づく落雷障害が生じることを一段と確実に防止し得るようになされている。
なお、この実施の形態の場合、取付金具74と基台本体65の上面部63との隙間の距離L6は例えば約3.27〔cm〕程度に選定されており、雷電圧に対する耐電距離として好ましくは約3〔cm〕程度に選定されることが望ましい。
以上の構成において、無線局舎61では、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様に、基礎コンクリート9上に据付固定した基台本体65に、絶縁部材66を介して箱型ユニット5を設置するようにしたことにより、基台本体65と箱型ユニット5とを電気的に絶縁させることができる。
これにより、無線局舎61では、避雷針7に落雷があり、この落雷により生じた雷電流が地盤Gへ導かれ、当該地盤Gから基台本体65に雷電流が流れ込んだ場合であっても、当該基台本体65まで流れ込んだ雷電流を絶縁部材66により遮断でき、かくして雷電流が箱型ユニット5に流れ込むことを防止できる。
また、絶縁部材66は、上側切れ欠き部69の底部70に設けた取付金具71によって基台本体65の上面部63に対し強固に固着できるとともに、上側切れ欠き部69内に取付金具71を収容できるので、当該取付金具71から箱型ユニット5の底板2までの間に所定距離L5の隙間を形成して箱型ユニット5の底板2と非接触にさせることができ、かくして雷電流が取付金具71を経由して箱型ユニット5に流れ込むことを防止できる。
また、所定距離L5を雷電圧に対する耐電距離としたことにより、取付金具71に雷電圧がかかっても、空気の電気抵抗によって箱型ユニット5内に雷電流が侵入することを防止でき、かくして当該箱型ユニット5内の通信機器6に雷電流に基づく落雷障害が生じることを一段と確実に防止できる。
さらに、絶縁部材66は、基台本体65の上面部63の両側部から突出した領域に取付金具74を設けて、取付金具74と箱型ユニット5の底板2とを非接触にさせ、かつ基台本体65の上面部63から取付金具74を極力遠ざけるようにしたことにより、当該基台本体65まで流れ込んだ雷電流を絶縁部材66において遮断でき、かくして雷電流が箱型ユニット5に流れ込むことを防止できる。
以上の構成によれば、本実施例では、基台本体65に絶縁部材66を設け、この絶縁部材66により基台本体65と箱型ユニット5とを電気的に絶縁させたことにより、地盤Gへ導かれた雷電流が当該地盤Gから基台本体65に流れ込んだ場合であっても、当該雷電流を絶縁部材66により遮断させることができるので、雷電流が箱型ユニット5の内部に流れ込むことを防止でき、かくして通信機器6毎に絶縁部材を設けることなく、落雷による雷電流から通信機器6を確実に保護し得る。
(4)第4の実施の形態
図5との対応部分に同一符号を付して示す図13において、81は全体として第4の実施の形態による無線局舎を示し、無線局舎81は、箱型ユニット5における底板2の長辺部と同じ長さ寸法を有した無線局舎用基台82が設けられており、上述した第2の実施の形態とは第1の絶縁部材83の形状と、第2の絶縁部材84の形状とが相違している。
この無線局舎用基台82は、図6との対応部分に同一符号を付して示す図14と、図7との対応部分に同一符号を付して示す図15と、図14のG−G’線を断面にとった図16(A)と、図14のH−H’線を断面にとった図16(B)とに示すように、H型鋼の基台本体35が第1の絶縁部材83及び第2の絶縁部材84を介在させて箱型ユニット5を支持している。
実際上、基台本体35の上面部33には、基台本体35の上面部33とほぼ同一の長さに選定された厚みのある第1の絶縁部材83と、所定間隔を空けて設けられた厚みのある複数の第2の絶縁部材84とが設けられており、この第2の絶縁部材84と箱型ユニット5とが連結金具38によって連結されている。
第1の絶縁部材83は、例えばプラスチックでなる角柱状に形成されており、下側に所定厚みを残してU字状に切り欠かれた第1の上側切れ欠き部88が、基台本体35の上面部33と重なる領域に所定間隔を空けて設けられている。この上側切れ欠き部88には、厚みを有する底部89にボルト及びナットでなる取付金具90が設けられており、この取付金具90が底部89を介在させて基台本体35の上面部33に固着されている。
また、第1の絶縁部材83は、取付金具90の端部(ボルトの拡幅部)を、第1の上側切れ欠き部88の切り欠いた空間内に収容させることで、取付金具90の端部から箱型ユニット5の底板2までの間に距離L7の隙間を形成し、これにより取付金具90を第1の連結部39と非接触にさせ得るようになされている。
因みに、この距離L7は、上述した第3の実施の形態と同様の理由から距離L5及び距離L6と同じ、例えば約3.27〔cm〕程度に選定されており、雷電圧に対する耐電距離として好ましくは約3〔cm〕程度に選定されることが望ましい。
第2の絶縁部材84は、例えばプラスチックでなる角柱状に形成されており、軸方向が上面部33の長手方向と平行に配置され箱型ユニット5を支持し得るようになされている。この第2の絶縁部材84には、下側に所定厚みを残してU字状に切り欠かれた第2の上側切れ欠き部91が、第2の連結部40の両側部から露出した領域に設けられている。
この第2の上側切れ欠き部91には、厚みを有する底部92にボルト及びナットでなる取付金具93が設けられており、この取付金具93が底部92を介在させて箱型ユニット5の底板2に固着されている。
これにより、図15に示すように、第2の絶縁部材84は、第2の連結部40の両側部から露出した第2の上側切れ欠き部91に取付金具93を配設し、取付金具93と箱型ユニット5の底板2とを非接触にさせ、基台本体35の上面部33から取付金具93を極力遠ざけ得るようになされている。
また、第2の絶縁部材84は、図14及び図16(B)に示すように、取付金具93の端部(ボルトの拡幅部)を、第2の上側切れ欠き部91の切り欠いた空間内に収容させることで、取付金具93の端部と箱型ユニット5の底板2との間に距離L8の隙間を形成し、これにより取付金具93を第2の連結部40と非接触にさせ得るようになされている。
因みに、この距離L8は、上述した第3の実施の形態と同様の理由から距離L5や距離L6、距離L7と同じ、例えば約3.27〔cm〕程度に選定されており、雷電圧に対する耐電距離として好ましくは約3〔cm〕程度に選定されることが望ましい。
さらに、第2の絶縁部材84には、上側に所定厚みを残してU字状に切り欠かれた下側切れ欠き部95が、第2の上側切れ欠き部91と対向しないよう第2の連結部40と重なる領域に設けられている。この下側切れ欠き部95には、厚みを有する天部96にボルト及びナットでなる取付金具97が設けられており、この取付金具97が天部96を介在させて第2の連結部40に固着されている。
また、図14及び図16(A)に示すように、第2の絶縁部材84は、取付金具97の端部(ボルトの拡幅部)を、下側切れ欠き部95の切り欠いた空間内に収容させることで、取付金具97の端部から基台本体35の上面部33までの間に距離L9の隙間を形成し、これにより取付金具97を基台本体35の上面部33に非接触にさせ得るようになされている。
因みに、距離L9は、上述した第3の実施の形態と同様の理由から距離L5や距離L6、距離L7、距離L8と同じ、例えば約3.27〔cm〕程度に選定されており、雷電圧に対する耐電距離として好ましくは約3〔cm〕程度に選定されることが望ましい。
以上の構成において、無線局舎81では、基礎コンクリート9上に据付固定した基台本体35に、第1の絶縁部材83及び第2の絶縁部材84を介して箱型ユニット5を設置するようにしたことにより、上述した第1〜第3の実施の形態と同様に基台本体35と箱型ユニット5とを電気的に絶縁させることができる。
これにより、無線局舎81では、避雷針7に落雷があり、この落雷により生じた雷電流が地盤Gへ導かれ、当該地盤Gから基台本体35に雷電流が流れ込んだ場合であっても、当該基台本体35まで流れ込んだ雷電流を第1の絶縁部材83及び第2の絶縁部材84により遮断でき、かくして雷電流が箱型ユニット5に流れ込むことを防止できる。
また、第1の絶縁部材83では、第1の上側切れ欠き部88の底部89に取付金具90を設けて基台本体35と固着させたことにより、この取付金具90により基台本体35の上面部33に対し強固に固着できるとともに、第1の上側切れ欠き部88内に取付金具90を収容できるので、当該取付金具90を第1の連結部39と非接触にさせることができ、かくして雷電流が取付金具90を経由して箱型ユニット5に直接流れ込むことを防止できる。
さらに、第2の絶縁部材84では、第2の上側切れ欠き部91の底部92に取付金具93を設けて基台本体35と固着させたことにより、この取付金具93により基台本体35の上面部33に対し強固に固着できるとともに、第2の上側切れ欠き部91内に取付金具93を収容できるので、当該取付金具93を第2の連結部40と非接触にさせることができ、かくして雷電流が取付金具93を経由して箱型ユニット5に直接流れ込むことを防止できる。
また、第2の絶縁部材84では、下側切れ欠き部95の天部96に取付金具97を設けて第2の連結部40と固着させたことにより、この取付金具97により第2の連結部40に対し強固に固着できるとともに、下側切れ欠き部95内に取付金具97を収容できるので、当該取付金具97を基台本体35の上面部33と非接触にさせることができ、かくして雷電流が取付金具97を経由して箱型ユニット5に直接流れ込むことを防止できる。
また、所定距離L7及びL9を雷電圧に対する耐電距離としたことにより、取付金具90及び基台本体35に雷電圧がかかっても、空気の電気抵抗によって箱型ユニット5内に雷電流が侵入することを防止でき、かくして当該箱型ユニット5内の通信機器6に雷電流に基づく落雷障害が生じることを一段と確実に防止できる。
以上の構成によれば、本実施の形態では、基台本体35に第1の絶縁部材83及び第2の絶縁部材84を設け、これら第1の絶縁部材83及び第2の絶縁部材84により基台本体35と箱型ユニット5とを電気的に絶縁させたことにより、地盤Gへ導かれた雷電流が当該地盤Gから基台本体35に流れ込んだ場合であっても、当該雷電流を第1の絶縁部材83及び第2の絶縁部材84により遮断させることができるので、雷電流が箱型ユニット5の内部に流れ込むことを防止でき、かくして通信機器6毎に絶縁部材を設けることなく、落雷による雷電流から通信機器6を確実に保護し得る。
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能であり、箱型ユニット5の底板2に対して、例えば無線局舎用基台8,32,62,82とは異なる長さや大きさでなる無線局舎用基台を設けるようにしても良い。また絶縁部材としてプラスチックを適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、絶縁性を有する部材であれば絶縁性樹脂部材等この他種々の絶縁部材を適用するようにしても良い。