(第1の実施形態)
図1〜図7はこの発明の第1の実施例を示しており、図1は液晶表示装置の分解斜視図、図2は前記液晶表示装置の上側から見た図である。
この液晶表示装置は、図1及び図2のように、複数の画素(図示せず)がマトリックス状に配列した横長な矩形状の画面領域1aを有し、前記複数の画素に、左右別々の眼で観察するための左眼用及び右眼用画像データとが選択的に書込まれ、これらの左眼用及び右眼用画像データに応じて左眼用画像と右眼用画像とを選択的に表示する液晶表示パネル1と、前記液晶表示パネル1の観察側(図2において下側)とは反対側に配置された面光源15と、液晶表示装置の表示を制御する制御手段35とを備えている。
図3は前記液晶表示パネル1の一部分の断面図であり、この液晶表示パネル1は、枠状のシール材4(図1及び図2参照)を介して接合された一対の透明基板2,3と、これらの基板2,3の対向する内面にそれぞれ設けられ、互いに対向する領域によりマトリックス状に配列する複数の画素を形成する透明電極5,6と、前記一対の基板2,3間の前記シール材4で囲まれた領域に設けられたネマティック液晶層9とからなっている。
なお、この実施例で用いた液晶表示パネル1は、前記一対の基板2,3の一方、例えば観察側とは反対側の基板2の内面に、行方向(画面の左右方向)及び列方向(画面の上下方向)にマトリックス状に配列する複数の画素電極5を設け、他方の観察側基板3の内面に前記複数の画素電極5に対向する一枚膜状の対向電極6を設けたアクティブマトリックス液晶表示パネルであり、図3では省略しているが、反対側基板2の内面には、前記複数の画素電極5にそれぞれ接続された複数のTFT(薄膜トランジスタ)と、各行のTFTにゲート信号を供給する複数のゲート配線と、各列のTFTに画像データ信号を供給する複数のデータ配線が設けられている。
この液晶表示パネル1は、高速応答性を有するベント配向型、あるいは液晶層厚(基板間隙)を小さくして高速応答化を達成した液晶分子配列にねじれがないホモジニアス配向型の液晶表示パネルであり、ベント配向型液晶表示パネルの場合、前記液晶層9の液晶分子9aは、前記一対の基板2,3の内面に前記電極5,6を覆って設けられた水平配向膜7,8によりプレチルト角を制御されてスプレイ配向し、ホモジニアス配向型の液晶表示パネルの場合、前記液晶層9の液晶分子9aは、前記水平配向膜7,8により配向方向を規定され、一方の方向に分子長軸を揃えてホモジニアス配向している。
そして、この液晶表示パネル1の一対の基板2,3の外面には、一対の偏光板10,11が、それぞれの透過軸を予め定めた方向に向けて配置されており、さらに、前記一対の基板2,3のいずれか、例えば観察側基板3とその側の偏光板11との間には、表示のコントラストを高くするための位相差板12が配置されている。
また、この液晶表示パネル1の観察側とは反対側の基板2には、図1及び図2に示したように、行方向の一端縁と列方向の一端縁とに、観察側基板3の外方に張出すドライバ搭載部2a,2bが形成されており、前記複数のゲート配線は、行方向のドライバ搭載部2aに搭載されたゲート側ドライバ13に接続され、前記複数のデータ配線は、列方向のドライバ搭載部2bに搭載されたデータ側ドライバ14に接続され、前記対向電極6は、前記シール材4による基板接合部に設けられたクロス接続部と前記ドライバ搭載部2a,2bの一方または両方に形成された対向電極接続配線を介して前記ゲート側ドライバ13とデータ側ドライバ14の一方または両方の基準電位に接続されている。
次に、前記液晶表示パネル1の観察側とは反対側に配置された面光源15について説明する。図4及び図5は前記面光源15の出射面側及び上辺側から見た図、図6は図4のVI−VI線に沿うハッチングを省略した拡大断面図である。
この面光源15は、前記液晶表示パネル1の観察側とは反対側の面に対向させて配置され、前記液晶表示パネル1の画面形状に対応する横長な矩形状の外形を有し、前記液晶表示パネル1の画面の上下縁と実質的に平行な2つの長辺部の少なくとも一方に光を入射させる入射部が形成され、前記入射部から入射した入射光の向きを変え、その光を前記液晶表示パネル1の法線と平行で且つ前記液晶表示パネル1の画面の上下方向に沿った面に対して前記入射光の前記上下方向に対する左右方向への傾き角に応じた出射角で前記液晶表示パネル側に出射する変向手段16と、前記変向手段16の前記入射部に対向させて配置され、前記入射部に向けて、前記上下方向に対して液晶表示パネル1側から見て左右いずれか一方に傾いた方向に光強度のピークが存在する指向性をもった第1の光と、前記上下方向に対して他方に傾いた方向に光強度のピークが存在する指向性をもった第2の光とを選択的に出射する光源部28とからなっている。
この実施例における前記面光源15の変向手段16は、矩形板状のアクリル樹脂等からなる透明部材の周面のうち、前記液晶表示パネル1の画面の上下縁と実質的に平行な2つの長辺部の少なくとも一方に、前記透明部材内に光を入射させる入射面17が形成され、前記透明部材の2つの板面のうち、前記液晶表示パネル1に対向する板面に光を出射する出射面18が形成され、その反対側の板面に、前記入射面17から入射した光を前記出射面18に向けて反射する反射面19が形成された導光板からなっている。以下、この変向手段16を導光板という。
この導光板16は、前記液晶表示パネル1に対向する出射面18を前記液晶表示パネル1のパネル面と平行な平坦面に形成し、その反対側の反射面19を、前記液晶表示パネル1の画面の左右方向に沿う複数の細長溝20を前記液晶表示パネル1の画面の上下方向に沿った方向に一定ピッチで設けた凹凸面に形成したものであり、前記入射面17から入射した光を、前記反射面19の複数の細長溝20の側面と外気(空気)との界面で全反射させて前記出射面18から出射する。
なお、図では前記導光板16の反射面19の複数の細長溝20を大きく誇張して示しているが、この細長溝20は、前記液晶表示パネル1の画面の上下方向(列方向)の画素ピッチと同程度またはそれよりも小さいピッチで形成されている。
また、前記導光板16の左右方向の端面にはそれぞれ、前記入射面17から導光板16内に入射した光の一部が前記左右方向の端面で内面反射し、迷光となって前記導光板16の出射面18から出射するのを防ぐための光吸収膜21が設けられており、前記導光板16の後側には、前記入射面17から導光板16内に入射した光のうち、前記反射面19の複数の細長溝20の側面と外気との界面を透過して導光板16の後側に漏れた光を反射して前記導光板16の出射面18から出射させるための反射板22が配置されている。
また、前記面光源15の光源部28は、一方向に光強度のピークが存在する指向性をもった光を出射する複数の固体発光素子29a,29bからなっており、前記複数の固体発光素子29a,29bのうちの半数の第1の固体発光素子29aと、他の半数の第2の固体発光素子29bとを選択的に点灯駆動され、前記導光板16の入射面17に向けて、前記液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して液晶表示パネル1側から見て左右いずれか一方に傾いた方向に光強度のピークが存在する指向性をもった第1の光と、前記上下方向に対して他方に傾いた方向に光強度のピークが存在する指向性をもった第2の光とを選択的に出射する。
前記固体発光素子29a,29bは、その構造は図示しないが、LED(発光ダイオード)を透明樹脂でモールドしたものであり、その出射側に、前記LEDの発光点からの放射光を一方向に向かう指向性光として出射するための集光レンズを有している。
そして、前記複数の固体発光素子29a,29bは、前記導光板16の入射面17の外側に、半数の第1の固体発光素子29aの光の出射方向を前記液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して前記液晶表示パネル1側から見て左右いずれか一方に傾いた方向に向け、他の半数の第2の固体発光素子29bの光の出射方向を前記上下方向に対して他方に傾いた方向に向けて配置されている。
この実施例では、前記導光板16の2つの長辺部、つまり液晶表示パネル1の画面の上縁に対応する上辺部と前記画面の下縁に対応する下辺部にそれぞれ光を入射させる入射面17を形成するとともに、この導光板16の反射面19の複数の細長溝20を、前記導光板16の出射面18の法線に対して前記導光板16の上辺方向と下辺方向とにそれぞれ同じ角度、例えば45°±5°の角度で傾いた2つの傾斜面を有する二等辺三角形状の断面形状に形成し、前記導光板16の一方の入射面、例えば上辺部の入射面17の外側に、前記半数の第1の固体発光素子29aを、前記入射面17の長さ方向に並べて、これらの固体発光素子29aの光の出射方向を液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して前記液晶表示パネル1側から見て左側に予め定めた角度で傾いた方向に向けて配置し、前記導光板16の他方の入射面、つまり下辺部の入射面17の外側に、前記他の半数の第2の固体発光素子29bを、前記入射面17の長さ方向に並べて、これらの固体発光素子29bの光の出射方向を前記上下方向に対して前記液晶表示パネル1側から見て右側に前記第1の固体発光素子29aの出射方向の傾き角と同じ角度で傾いた方向に向けて配置している。
なお、図では簡略化のために、前記導光板16の上辺部と下辺部の入射面17の外側にそれぞれ3つずつの固体発光素子29a,29bを示しているが、前記第1と第2の固体発光素子29a,29bはそれぞれ、前記導光板16の左右方向の全域にわたって均一な強度分布の光を入射させることができる間隔で必要数配置されている。
前記面光源15は、前記光源部28の第1の固体発光素子29aからの第1の光と第2の固体発光素子29bからの第2の光の一方を、前記導光板16により導いて前記液晶表示パネル1の法線に対して表示観察者の左眼方向に傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった左眼用照明光を出射し、前記光源部28からの前記第1と第2の光の他方を、前記導光板16により導いて前記液晶表示パネル1の法線に対して前記表示観察者の右眼方向に傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった右眼用照明光を出射する。
すなわち、前記面光源15は、前記導光板16の2つの長辺部、つまり上辺部と下辺部にそれぞれ入射面17を形成し、上辺部の入射面17の外側に、一方向に光強度のピークが存在する指向性をもった光を出射する第1の固体発光素子29aを、その光の出射方向を液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して前記液晶表示パネル1側から見て左側に傾いた方向に向けて配置し、下辺部の入射面17の外側に、一方向に光強度のピークが存在する指向性をもった光を出射する第2の固体発光素子29bを、その光の出射方向を前記上下方向に対して前記液晶表示パネル1側から見て右側に傾いた方向に向けて配置しているため、前記第1の固体発光素子29aから出射した第1の光は、前記導光板16に、その上辺部の入射面17から前記上下方向に対して液晶表示パネル1側から見て左側に傾いた方向に向かって入射し、前記第2の固体発光素子29bから出射した第2の光は、図4に破矢線で示したように、前記導光板16に、その下辺部の入射面17から前記上下方向に対して液晶表示パネル1側から見て左側に傾いた方向に向かって入射する。
そして、前記導光板16にその上辺部の入射面17から入射した前記第1の光は、図6に矢線で示したように、前記導光板16の出射面18と外気との界面及び反射面19の複数の細長溝間の平坦面部分と外気との界面で全反射しながら導光板16内を前記上下方向に沿って導かれ、前記導光板16の反射面19の細長溝20の2つの傾斜面のうち、導光板16の出射面18の法線に対して前記導光板16の上辺方向に傾いた傾斜面と外気との界面で全反射して向きを変え、図4及び図5に矢線で示したように、前記出射面18の法線に対して液晶表示パネル1側から見て右方向、つまり前記液晶表示パネル1の法線に対して表示観察者の左眼方向に傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった左眼用照明光となって前記導光板16の出射面18から出射する。
また、前記導光板16にその下辺側の入射面17から前記上下方向に対して液晶表示パネル1側から見て右側に傾いた方向に向かって入射した第2の光は、図6に破矢線で示したように、前記導光板16の反射面19の細長溝20の2つの傾斜面のうち、導光板16の出射面18の法線に対して前記導光板16の下辺方向に傾いた傾斜面と外気との界面で全反射して向きを変え、図4及び図5に破矢線で示したように、前記出射面18の法線に対して液晶表示パネル1側から見て左方向、つまり前記液晶表示パネル1の法線に対して表示観察者の右眼方向に傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった右眼用照明光となって前記導光板16の出射面18から出射する。
図7は、前記導光板16の反射面19により反射された前記第1の光と第2の光が進む経路を模式的に示す光線図であり、前記導光板16の上辺部の入射面17から液晶表示パネル1の画面の上下方向Yに対して前記液晶表示パネル1側から見て左側に傾いた方向に向かって入射した前記第1の入射光は、図に矢線で示したように、前記反射面19の細長溝20の導光板上辺方向(導光板16の出射面18の法線に対して上辺方向)に傾いた傾斜面で反射し、前記導光板16の出射面18から、液晶表示パネル1の法線Hと平行で、且つ前記液晶表示パネル1の画面の上下方向Yに沿った面に対して、前記第1の入射光の前記上下方向Yに対する傾き角θ1aに応じた出射角θ1b(θ1a=θ1b)で左方向(液晶表示パネル1側から見て左方向)に傾いた方向に向きを変えて前記導光板16の出射面18から液晶表示パネル1側に出射する。
また、前記導光板16の下辺部の入射面17から液晶表示パネル1の画面の上下方向Yに対して前記液晶表示パネル1側から見て右側に傾いた方向に向かって入射した前記第2の入射光は、図7に破矢線で示したように、前記反射面19の細長溝20の導光板下辺方向(導光板16の出射面18の法線に対して下辺方向)に傾いた傾斜面で反射し、前記導光板16の出射面18から、液晶表示パネル1の法線Hと平行で、且つ前記液晶表示パネル1の画面の上下方向Yに沿った面に対して、前記第2の入射光の前記上下方向に対する左右方向への傾き角θ2aに応じた出射角θ2b(θ2a=θ2b)で液晶表示パネル1側に出射する。
このように、前記面光源15は、前記導光板16の上辺部の入射面17の外側に配置された第1の固体発光素子29aからの第1の光を、前記導光板16により導いて、前記液晶表示パネル1の法線Hに対して表示観察者の左眼方向に傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった左眼用照明光を出射し、前記導光板16の下辺部の入射面17の外側に配置された第2の固体発光素子29bからの第2の光を、前記導光板16により導いて、前記液晶表示パネル1の法線に対して表示観察者の右眼方向に傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった右眼用照明光を出射する。
なお、この実施例では、前記第1の固体発光素子29aと第2の固体発光素子29bとを、それぞれの光の出射方向を液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して左側と右側とに同じ角度で傾いた方向に向けて配置し、また、前記導光板16の反射面19の複数の細長溝20を、液晶表示パネル1の法線Hに対して前記導光板16の上辺方向と下辺方向とにそれぞれ同じ角度で傾いた2つの傾斜面を有する二等辺三角形状の断面形状に形成しているため、前記左眼用照明光と右眼用照明光は、前記液晶表示パネル1の法線Hに対して左側と右側とに同じ角度で傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった光である。
さらに、この実施例では、前記導光板16の反射面19の二等辺三角形状の断面形状に形成された複数の細長溝20の2つの傾斜面の傾斜角(導光板16の出射面18の法線に対する角度)をそれぞれ45°±5°に設定しているため、前記左眼用照明光と右眼用照明光は、前記液晶表示パネル1の画面の左右方向に沿った垂直面(液晶表示パネル1の法線Hに平行な面)付近の方向に向かって出射する。
また、図1に示した制御手段35は、その具体的な構成は図示しないが、前記液晶表示パネル1のゲート側ドライバ13及びデータ側ドライバ14を制御する書込み制御回路と、前記面光源15の第1と第2の固体発光素子29a,29bの駆動回路とからなっており、前記液晶表示パネル1の複数の画素に、左右別々の眼で観察するための左眼用画像データと右眼用画像データとを選択的に書込み、前記左眼用画像データの書込みに同期させて前記面光源15の第1の固体発光素子29aを点灯駆動し、前記右眼用画像データの書込みに同期させて前記面光源15の第2の固体発光素子29bを点灯駆動する。
なお、この実施例の液晶表示装置は、フィールドシーケンシャル表示により立体カラー画像を表示するものであり、前記第1と第2の固体発光素子29a,29bはそれぞれ、赤色光を発する赤色LEDと、緑色光を発する緑色LEDと、青色光を発する青色LEDとを備え、赤、緑、青の3色の光を選択的に出射する。
そして、前記制御手段35は、1つの立体カラー画像を表示するための1フレームを6分割した6つのフィールド毎に、赤、緑、青の3色の単位色の左眼用画像データ及び右眼用画像データのうちの1つの画像データを任意の順序で選択して順次前記液晶表示パネル1の各画素に書込み、赤、緑、青の各単位色の左眼用画像データの書込みにそれぞれ同期させて前記第1の固体発光素子29aの赤、緑、青の3色のLEDのうちの書込み画像データの色のLEDを点灯駆動してその色の左眼用照明光を前記面光源15から出射させ、赤、緑、青の各単位色の右眼用画像データの書込みにそれぞれ同期させて前記第2の固体発光素子29bの赤、緑、青の3色のLEDのうちの書込み画像データの色のLEDを点灯駆動してその色の右眼用照明光を前記面光源15から出射させる。
すなわち、この液晶表示装置は、前記制御手段35により、前記液晶表示パネル1の複数の画素に、赤、緑、青の各単位色の左眼用画像データと、赤、緑、青の各単位色の右眼用画像データとを選択的に書込み、前記各単位色の左眼用画像データの書込みにそれぞれ同期させて、前記面光源15から、前記液晶表示パネル1の法線Hに対して表示観察者の左眼方向に傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった赤、緑、青の各単位色の左眼用照明光を出射させ、前記各単位色の右眼用画像データの書込みにそれぞれ同期させて、前記面光源15から、前記液晶表示パネル1の法線Hに対して前記表示観察者の右眼方向に傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった赤、緑、青の各単位色の右眼用照明光を出射させることにより、前記液晶表示パネル1に前記左眼用画像データに対応した赤、緑、青の各単位色の左眼用画像と、前記右眼用画像データに対応した赤、緑、青の各単位色の右眼用画像とを順次表示させ、表示観察者に立体画像を観察させるようにしたものである。
この液晶表示装置は、前記液晶表示パネル1の複数の画素への左眼用画像データの書込みと前記面光源15からの左眼用照明光の出射とによる左眼用画像の表示と、前記液晶表示パネル1の複数の画素への右眼用画像データの書込みと前記面光源15からの右眼用照明光の出射とによる左眼用画像の表示とを順次行なうものであるため、前記左眼用画像と右眼用画像とをそれぞれ前記液晶表示パネル1の全ての画素を使用して表示することができ、したがって、解像度の高い立体画像を表示することができる。
しかも、この液晶表示装置は、前記液晶表示パネル1の観察側とは反対側に、前記面光源15を、この面光源15からの左眼用照明光及び右眼用照明光を前記液晶表示パネル1の画面領域1aの全域に入射させるように配置すればよいため、容易に製造することができる。
さらに、この液晶表示装置は、前記面光源15を、横長な矩形状の画面領域1aを有する前記液晶表示パネル1の観察側とは反対側の面に対向させて配置され、前記液晶表示パネル1の画面形状に対応する横長な矩形状の外形を有し、前記液晶表示パネル1の画面の上下縁と実質的に平行な2つの長辺部にそれぞれ光を入射させる入射面17が形成され、前記入射面17から入射した入射光の向きを変え、その光を前記液晶表示パネル1の法線Hと平行で且つ前記液晶表示パネル1の画面の上下方向に沿った面に対して前記入射光の前記上下方向に対する左右方向への傾き角に応じた出射角で前記液晶表示パネル1側に出射する導光板16と、前記導光板16の前記入射面17に対向させて配置され、前記入射面17に向けて、前記上下方向に対して前記液晶表示パネル1側から見て左右いずれか一方に傾いた方向に光強度のピークが存在する指向性をもった第1の光と、前記上下方向に対して他方に傾いた方向に光強度のピークが存在する指向性をもった第2の光とを選択的に出射する光源部28とからなり、前記光源部28からの前記第1と第2の光の一方を、前記導光板16により導いて前記液晶表示パネル1の法線Hに対して表示観察者の左眼方向に傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった左眼用照明光を出射し、前記光源部28からの前記第1と第2の光の他方を、前記導光板16により導いて前記液晶表示パネル1の法線Hに対して前記表示観察者の右眼方向に傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった右眼用照明光を出射する構成としたものであるため、前記面光源15から前記液晶表示パネル1の画面の上下方向の全域にわたって光強度が均一な左眼用照明光及び右眼用照明光を出射させることができる。
すなわち、前記導光板16にその入射面17から入射した光の前記導光板16内における光強度の減衰は、前記導光板16内の導光距離に応じて大きくなるが、前記面光源15は、液晶表示パネル1の画面形状に対応する横長な矩形状の外形を有する導光板16の前記液晶表示パネル1の画面の上下縁と実質的に平行な長辺部に入射面17を形成し、前記入射面17から入射した光を前記導光板16の短辺に沿った方向に導いてこの導光板16の出射面18から出射させるようにしているため、前記導光板16内の導光距離が短く、したがって前記入射面17から入射した光をほとんど光強度を減衰させることなく前記出射面18から出射させることができる。
そのため、この液晶表示装置によれば、前記面光源15から前記液晶表示パネル1の画面の上下方向の全域にわたって光強度が均一な左眼用照明光及び右眼用照明光を出射させ、前記液晶表示パネル1に輝度むらの無い高品質の立体画像を表示させることができる。
上記実施例の液晶表示装置では、前記面光源15の導光板16を、矩形板状の透明部材の周面のうち、前記液晶表示パネル1の画面の上下縁と実質的に平行な2つの長辺部にそれぞれ前記透明部材内に光を入射させる入射面17が形成され、前記透明部材の2つの板面のうち、前記液晶表示パネル1に対向する板面に光を出射する出射面18が形成され、その反対側の板面に、前記入射面17から入射した光を前記出射面18に向けて反射する反射面19が形成された構成としているため、前記光源部28からの前記第1と第2の光を前記導光板16により導いてその出射面18から前記液晶表示パネル1の画面の上下方向の全域にわたって光強度が均一な左眼用照明光と右眼用照明光を出射させ、前記液晶表示パネルに輝度むらの無い高品質の立体画像を表示させることができる。
また、上記実施例の液晶表示装置は、前記面光源15の光源部28を、一方向に光強度のピークが存在する指向性をもった光を出射する複数の固体発光素子29a,29bにより構成し、その半数の第1の固体発光素子29aを、前記導光板16の一方の入射面17の外側に、これらの固体発光素子29aの光の出射方向を前記液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して前記液晶表示パネル1側から見て左右いずれか一方に傾いた方向に向けて配置し、他の半数の第2の固体発光素子29bを、前記導光板16の他方の入射面17の外側に、これらの固体発光素子29bの光の出射方向を前記上下方向に対して他方に傾いた方向に向けて配置しているため、前記第1と第2のいずれか一方の固体発光素子29aからの光を前記導光板16により左眼用照明光として出射させ、他方の固体発光素子29bからの光を前記導光板16により右眼用照明光として出射させるとともに、前記左眼用照明光と右眼用照明光の強度を等しくし、前記液晶表示パネル1に、左眼用画像と右眼用画像の輝度バランスが良い高品質の立体画像を表示させることができる。
(第2の実施形態)
なお、上記第1の実施例では、前記面光源15を、前記導光板16の液晶表示パネル1の画面の上下縁と実質的に平行な2つの長辺部にそれぞれ光を入射させる入射面17を形成し、その一方の入射面17の外側に、その長さ方向に並べて前記第1の固体発光素子29aを配置し、前記導光板16の他方の入射面17の外側に、その長さ方向に並べて前記第2の固体発光素子29bを配置した構成としているが、前記面光源15は、前記第1の固体発光素子29aと第2の固体発光素子29bを、前記導光板16の入射面17の外側に、その長さ方向に交互に並べて配置した構成としてもよい。
図8〜図10はこの発明の第2の実施例を示しており、図8は面光源の出射面側から見た図、図9は図8のIX−IX線に沿うハッチングを省略した拡大断面図である。
この実施例の面光源15aは、入射光の向きを変えて図1及び図2に示した液晶表示パネル1側に出射する変向手段を、矩形板状の透明部材の周面のうち、前記液晶表示パネル1の画面の上下縁と実質的に平行な2つの長辺部のいずれか一方、例えば前記液晶表示パネル1の画面の下縁に対応する下辺部に、前記透明部材内に光を入射させる入射面17aが形成され、前記透明部材の2つの板面のうち、前記液晶表示パネル1に対向する板面に光を出射する出射面18aが形成され、その反対側の板面に、前記入射面17aから入射した光を前記出射面18aに向けて反射する反射面19aが形成された導光板16aとし、この導光板16aの前記入射面17aの外側に、上述した一方向に光強度のピークが存在する指向性をもった光を出射する複数の固体発光素子29a,29bからなる光源部28を、その半数の第1の固体発光素子29aの光の出射方向を前記液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して液晶表示パネル1側から見て左右いずれか一方、例えば左側に傾いた方向に向け、他の半数の第2の固体発光素子29bの光の出射方向を前記上下方向に対して他方、つまり右側に傾いた方向に向けて、前記入射面17aの長さ方向に交互に並べて配置したものである。
この実施例の面光源15aにおいて、前記導光板16aは、前記液晶表示パネル1に対向する出射面18aを前記液晶表示パネル1のパネル面と平行な平坦面に形成し、その反対側の反射面19aを、前記液晶表示パネル1の画面の左右方向に沿う複数の細長溝20aを前記液晶表示パネル1の画面の上下方向に沿った方向に一定ピッチで設けた凹凸面に形成したものであり、前記入射面17aから入射した光を、前記反射面19aの複数の細長溝20aの側面と外気との界面で全反射させて前記出射面18aから出射する。
なお、図では前記導光板16aの反射面19aの複数の細長溝20aを大きく誇張して示しているが、この細長溝20aは、前記液晶表示パネル1の画面の上下方向の画素ピッチと同程度またはそれよりも小さいピッチで形成されている。
前記導光板16aの反射面19aの複数の細長溝20aは、この導光板16aの出射面18aの法線に対して導光板16aの上辺方向と下辺方向とにそれぞれ2つの傾斜面を有する三角形状の断面形状に形成されており、その2つの傾斜面のうち、前記入射面17a方向(下辺方向)に傾いた入射面側傾斜面の傾き角(出射面18aの法線に対する角度)は45°±5°に設定され、その反対方向に傾いた反対側傾斜面は、前記細長溝20aのピッチに対応した傾き角を有している。
また、上述した第1の実施例と同様に、前記導光板16aの左右方向の端面にはそれぞれ光吸収膜21が設けられており、前記導光板16aの後側には反射板22が配置されている。
図10は、前記導光板16aの反射面19aにより反射された前記第1の固体発光素子29aからの第1の光と第2の固体発光素子29bからの第2の光が進む経路を模式的に示す光線図であり、前記導光板16aの入射面17aから液晶表示パネル1の画面の上下方向Yに対して前記液晶表示パネル1側から見て左側に傾いた方向に向かって入射した前記第1の入射光は、図に矢線で示したように、前記反射面19aの細長溝20aの入射面側傾斜面で反射し、前記導光板16aの出射面18aから、液晶表示パネル1の法線Hと平行で、且つ前記液晶表示パネル1の画面の上下方向Yに沿った面に対して、前記第1の入射光の前記上下方向Yに対する傾き角θ1aに応じた出射角θ1b(θ1a=θ1b)で左方向(液晶表示パネル1側から見て左方向)に傾いた方向に向きを変えて前記導光板16の出射面18から液晶表示パネル1側に出射する。
また、前記導光板16aの入射面17aから液晶表示パネル1の画面の上下方向Yに対して前記液晶表示パネル1側から見て右側に傾いた方向に向かって入射した前記第2の入射光は、図10に破矢線で示したように、前記反射面19aの細長溝20aの前記入射面側傾斜面で反射し、前記導光板16aの出射面18aから、液晶表示パネル1の法線Hと平行で、且つ前記液晶表示パネル1の画面の上下方向Yに沿った面に対して、前記第2の入射光の前記上下方向に対する左右方向への傾き角θ2aに応じた出射角θ2b(θ2a=θ2b)で液晶表示パネル1側に出射する。
このように、前記面光源15aは、前記導光板16aの入射面17aの外側に交互に並べて配置された第1と第2の固体発光素子29a,29bのうち、第1の固体発光素子29aからの第1の光を、前記導光板16aにより導いて、前記液晶表示パネル1の法線Hに対して表示観察者の左眼方向に傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった左眼用照明光を出射し、第2の固体発光素子29bからの第2の光を、前記導光板16により導いて、前記液晶表示パネル1の法線に対して表示観察者の右眼方向に傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった右眼用照明光を出射する。
なお、この実施例では、前記第1の固体発光素子29aと第2の固体発光素子29bとを、それぞれの光の出射方向を液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して左側と右側とに同じ角度で傾いた方向に向けて配置しており、したがって、前記左眼用照明光と右眼用照明光は、前記液晶表示パネル1の法線Hに対して左側と右側とに同じ角度で傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった光である。
さらに、この実施例では、前記導光板16aの反射面19aの複数の細長溝20の2つの傾斜面のうち、前記入射面17aから入射した光を出射面18aに向けて反射する入射面側傾斜面の傾斜角(導光板16aの出射面18aの法線に対する角度)を45°±5°に設定しているため、前記左眼用照明光と右眼用照明光は、前記液晶表示パネル1の画面の左右方向に沿った垂直面(液晶表示パネル1の法線Hに平行な面)付近の方向に向かって出射する。
そして、前記面光源15aは、前記導光板16aを、矩形板状の透明部材の周面のうち、前記液晶表示パネル1の画面の上下縁と実質的に平行な長辺部に入射面17aが形成され、前記透明部材の2つの板面のうち、前記液晶表示パネル1に対向する板面に光を出射する出射面18aが形成され、その反対側の板面に、前記入射面17aから入射した光を前記出射面18aに向けて反射する反射面19aが形成された構成としているため、前記光源部28からの前記第1と第2の光を、前記導光板16aにより光強度をほとんど減衰させることなく導いて、前記液晶表示パネル1の画面の上下方向の全域にわたって光強度が均一な左眼用照明光と右眼用照明光を出射させ、前記液晶表示パネルに輝度むらの無い高品質の立体画像を表示させることができる。
したがって、この面光源15aを前記液晶表示パネル1の観察側とは反対側の面に対向させて配置した液晶表示装置によれば、前記面光源15aから前記液晶表示パネル1の画面の上下方向の全域にわたって光強度が均一な左眼用照明光及び右眼用照明光を出射させ、前記液晶表示パネル1に輝度むらの無い高品質の立体画像を表示させることができる。
なお、この実施例では、導光板16aの2つの長辺部の一方に入射面17aを形成しているが、前記導光板16aの2つの長辺部の両方に入射面17aを形成し、これらの入射面17aの外側にそれぞれ前記第1と第2の固体発光素子29a,29bを交互に並べて配置してもよい。
(第3の実施形態)
図11〜図13はこの発明の第3の実施例を示しており、図11は面光源の出射面側から見た図、図12は図11のXII−XII線に沿うハッチングを省略した拡大断面図である。
この実施例の面光源15bは、入射光の向きを変えて図1及び図2に示した液晶表示パネル1側に出射する変向手段16bを、液晶表示パネル1に対向する面に前記液晶表示パネル1のパネル面と平行な平坦面からなる出射面24が形成され、その反対側の面に前記液晶表示パネル1の画面の左右方向に沿う複数の細長プリズム25が互いに平行に形成された矩形状プリズムシート23と、前記プリズムシート23のプリズム形成面に空間を介して対向する矩形状反射板26とからなり、前記プリズムシート23と反射板26との間の空間の周囲のうち、前記液晶表示パネル1の画面の上下縁と実質的に平行な2つの長辺部の一方、例えば前記液晶表示パネル1の画面の下縁に対応する下辺部に、前記空間内に光を入射させる入射部27を形成した構成とし、前記変向手段16bの入射部27の外側に、上述した一方向に光強度のピークが存在する指向性をもった光を出射する複数の固体発光素子29a,29bからなる光源部28を、その半数の第1の固体発光素子29aの光の出射方向を前記液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して液晶表示パネル1側から見て左右いずれか一方、例えば左側に傾いた方向に向け、他の半数の第2の固体発光素子29bの光の出射方向を前記上下方向に対して他方、つまり右側に傾いた方向に向けて、前記入射部27の長さ方向に交互に並べて配置したものである。
なお、前記変向手段16bのプリズムシート23の複数の細長プリズム25は、前記プリズムシート23の出射面24の法線に対してプリズムシート23の上辺方向と下辺方向とにそれぞれ同じ角度、例えば45°±5°の角度で傾いた2つの傾斜面を有する二等辺三角形状プリズムであり、図では前記細長プリズム25を大きく誇張して示しているが、この細長プリズム25は、前記液晶表示パネル1の画面の上下方向の画素ピッチと同程度またはそれよりも小さいピッチで形成されている。
また、図では省略しているが、前記プリズムシート23と反射板26との間の空間の周囲のうち、前記入射部27とは反対側の長辺部と左右の短辺部にはそれぞれ光吸収体が配置されている。
この面光源15bは、前記変向手段16bの入射部27の外側に交互に並べて配置された第1と第2の固体発光素子29a,29bのうち、第1の固体発光素子29aからの第1の光を、前記変向手段16bにより導いて、前記液晶表示パネル1の法線Hに対して表示観察者の左眼方向に傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった左眼用照明光を出射し、第2の固体発光素子29bからの第2の光を、前記変向手段16bにより導いて、前記液晶表示パネル1の法線に対して表示観察者の右眼方向に傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった右眼用照明光を出射するものであり、前記固体発光素子29a,29bから出射し、前記変向手段16bの入射部27から前記プリズムシート23と反射板26との間の空間に入射した光は、図12に矢線で示したように、前記プリズムシート23の複数の細長プリズム25に直接入射するか、あるいは前記反射板26により反射されて前記プリズムシート23の複数の細長プリズム25に入射し、これらの細長プリズム25により屈折されて、前記プリズムシート23の出射面24から出射する。
図13は、前記変向手段16bのプリズムシート23により屈折された前記第1の固体発光素子29aからの第1の光と第2の固体発光素子29bからの第2の光が進む経路を模式的に示す光線図であり、前記変向手段16bの入射部27から液晶表示パネル1の画面の上下方向Yに対して前記液晶表示パネル1側から見て左側に傾いた方向に向かって入射した前記第1の入射光は、図に矢線で示したように、前記プリズムシート23の細長プリズム25の前記入射部27側の傾斜面から前記細長プリズム25に入射してその細長プリズム25の反対側の傾斜面と外気との界面で屈折し、前記プリズムシート23の出射面24から、液晶表示パネル1の法線Hと平行で、且つ前記液晶表示パネル1の画面の上下方向Yに沿った面に対して、前記第1の入射光の前記上下方向Yに対する傾き角θ1aに応じた出射角θ1b(θ1a=θ1b)で左方向(液晶表示パネル1側から見て左方向)に傾いた方向に向きを変えて前記導光板16の出射面18から液晶表示パネル1側に出射する。
また、前記変向手段16bの入射部27から液晶表示パネル1の画面の上下方向Yに対して前記液晶表示パネル1側から見て右側に傾いた方向に向かって入射した前記第2の入射光は、図13に破矢線で示したように、前記プリズムシート23の細長プリズム25の前記入射部27側の傾斜面から前記細長プリズム25に入射してその細長プリズム25の反対側の傾斜面と外気との界面で屈折し、前記プリズムシート23の出射面24から、液晶表示パネル1の法線Hと平行で、且つ前記液晶表示パネル1の画面の上下方向Yに沿った面に対して、前記第2の入射光の前記上下方向に対する左右方向への傾き角θ2aに応じた出射角θ2b(θ2a=θ2b)で液晶表示パネル1側に出射する。
このように、前記面光源15bは、前記変向手段16bの入射部27の外側に交互に並べて配置された第1と第2の固体発光素子29a,29bのうち、第1の固体発光素子29aからの第1の光を、前記変向手段16bにより導いて、前記液晶表示パネル1の法線Hに対して表示観察者の左眼方向に傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった左眼用照明光を出射し、第2の固体発光素子29bからの第2の光を、前記変向手段16bにより導いて、前記液晶表示パネル1の法線に対して表示観察者の右眼方向に傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった右眼用照明光を出射する。
なお、この実施例では、前記第1の固体発光素子29aと第2の固体発光素子29bとを、それぞれの光の出射方向を液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して左側と右側とに同じ角度で傾いた方向に向けて配置しており、したがって、前記左眼用照明光と右眼用照明光は、前記液晶表示パネル1の法線Hに対して左側と右側とに同じ角度で傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった光である。
さらに、この実施例では、前記変向手段16bのプリズムシート23の複数の細長プリズム25を、前記プリズムシート23の出射面24の法線に対してプリズムシート23の上辺方向と下辺方向とに45°±5°の角度で傾いた2つの傾斜面を有する二等辺三角形状に形成しているため、前記左眼用照明光と右眼用照明光は、前記液晶表示パネル1の画面の左右方向に沿った垂直面(液晶表示パネル1の法線Hに平行な面)付近の方向に向かって出射する。
そして、前記面光源15bは、前記変向手段16bを、前記液晶表示パネル1に対向する面に光を出射する出射面24が形成され、その反対側の面に前記液晶表示パネル1の画面の左右方向に沿う複数の細長プリズム25が互いに平行に形成された矩形状プリズムシート23と、前記プリズムシート23のプリズム形成面に空間を介して対向する矩形状反射板26とからなり、前記プリズムシート23と反射板26との間の空間の周囲のうち、前記液晶表示パネル1の画面の上下縁と実質的に平行な長辺部に、前記空間内に光を入射させる入射部27が形成された構成としているため、前記光源部28からの前記第1と第2の光を、前記変向手段16bにより光強度をほとんど減衰させることなく導いて、前記液晶表示パネル1の画面の上下方向の全域にわたって光強度が均一な左眼用照明光と右眼用照明光を出射させ、前記液晶表示パネルに輝度むらの無い高品質の立体画像を表示させることができる。
したがって、この面光源15bを前記液晶表示パネル1の観察側とは反対側の面に対向させて配置した液晶表示装置によれば、前記面光源15bから前記液晶表示パネル1の画面の上下方向の全域にわたって光強度が均一な左眼用照明光及び右眼用照明光を出射させ、前記液晶表示パネル1に輝度むらの無い高品質の立体画像を表示させることができる。
なお、この実施例では、前記変向手段16bの2つの長辺部の一方に入射部27を形成しているが、前記変向手段16bの2つの長辺部の両方に入射部27を形成し、これらの入射部27の外側にそれぞれ前記第1と第2の固体発光素子29a,29bを交互に並べて配置するか、あるいは、一方の入射部27の外側に前記第1の固体発光素子29aを配置し、他方の入射部27の外側に前記第2の固体発光素子29bを配置してもよい。
(第4の実施形態)
図14〜図17はこの発明の第4の実施例を示しており、図14は面光源の出射面側から見た図、図15は図14のXV−XV線に沿うハッチングを省略した拡大断面図である。
この実施例の面光源15cは、入射光の向きを変えて図1及び図2に示した液晶表示パネル1側に出射する変向手段として、図8〜図10に示した第2の実施例の導光板16aを備え、この導光板16aの2つの長辺部のいずれか一方、例えば前記液晶表示パネル1の画面の下縁に対応する下辺部に形成された入射面17aの外側に、前記入射面17aの長さ方向に並ぶ複数の集光レンズ部32を有する集光レンズアレイ31と、前記集光レンズアレイ31の前記導光板16aに対向する側とは反対側に、前記複数の集光レンズ部32にそれぞれ対向させて配置された複数の第1と第2の固体発光素子33a,33bとからなる光源部30を配置したものである。
前記集光レンズアレイ31は、前記導光板16aの入射面17aの長さ方向に並ぶ複数の集光レンズ部32に前記導光板16aに対向する側とは反対側から入射した光のうち、前記集光レンズ部32の中心よりも左右いずれか一方の領域に入射した光を集光して前記液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して液晶表示パネル1側から見て左右いずれか一方に傾いた方向に光強度のピークが存在する指向性をもった第1の光を前記導光板16aの入射面17に向けて出射し、前記集光レンズ部32の他方の領域に入射した光を集光して前記上下方向に対して他方に傾いた方向に光強度のピークが存在する指向性をもった第2の光を前記導光板16aの入射面17に向けて出射するものであり、前記集光レンズアレイ31の複数の集光レンズ部32は、前記導光板16aに対向する出射面及びその反対側の入射面が前記集光レンズ部32の中心部を中心とする円柱面に形成された円形レンズ部からなっている。
なお、前記集光レンズアレイ31の両端面にはそれぞれ、前記複数の集光レンズ部32の入射面から入射した光の一部が前記端面で内面反射し、迷光となっていずれかの集光レンズ部32の出射面から出射するのを防ぐための光吸収膜33が設けられている。
また、前記光源部30の第1と第2の固体発光素子34a,34bは、その構造は図示しないが、LED(発光ダイオード)を透明樹脂でモールドしたものであり、いずれの固体発光素子34a,34bも、その出射面から指向性の無いある程度の広がり角をもった光を出射する。
なお、この実施例の面光源15cは、前記液晶表示パネル1にフィールドシーケンシャル表示により立体カラー画像を表示させるものであり、前記第1と第2の固体発光素子34a,34bはそれぞれ、赤色光を発する赤色LEDと、緑色光を発する緑色LEDと、青色光を発する青色LEDとを備え、赤、緑、青の3色の光を選択的に出射する。
そして、前記第1と第2の固体発光素子34a,34bは、前記集光レンズアレイ31の前記導光板16aに対向する側とは反対側に、前記複数の集光レンズ部32の前記一方の領域、例えば前記集光レンズ部32の中心よりも前記液晶表示パネル1側から見て右側の領域に前記第1の固体発光素子34aの出射面を対向させ、前記複数の集光レンズ部32の前記他方の領域、つまり前記集光レンズ部32の中心よりも前記液晶表示パネル1側から見て左側の領域に前記第2の固体発光素子34bの出射面を対向させて配置されている。
図16は前記面光源15cの光源部30からの光の出射経路を模式的に示す光線図であり、前記集光レンズアレイ31の複数の集光レンズ部32の入射面の右側の領域に対向させて配置された前記第1の固体発光素子34aからの第1の光は、図に矢線で示したように、前記集光レンズ部32により集光され、この集光レンズ部32の出射面の左側(液晶表示パネル1側から見て左側)の領域から、前記液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して液晶表示パネル1側から見て左側に傾いた方向に光強度のピークが存在する指向性をもった光となって前記導光板16aの入射面17aに向かって出射し、前記集光レンズアレイ31の複数の集光レンズ部32の入射面の左側の領域に対向させて配置された前記第2の固体発光素子34bからの第2の光は、図に破矢線で示したように、前記集光レンズ部32により集光され、この集光レンズ部32の出射面の右側(液晶表示パネル1側から見て右側)の領域から、前記液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して液晶表示パネル1側から見て右側に傾いた方向に光強度のピークが存在する指向性をもった光となって前記導光板16aの入射面17aに向かって出射する。
図17は、前記光源部30から前記導光板16aの入射面17aに向かって出射する光の光強度分布を示しており、実線は前記第1の固体発光素子34aからの第1の光の光強度分布を示し、破線は前記第2の固体発光素子34bからの第2の光の光強度分布を示している。なお、図17において、負の角度は前記液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して液晶表示パネル1側から見て左方向の角度、正の視角は、前記液晶表示パネル1側から見て右方向の角度である。
そして、前記導光板16aは、上述した第2の実施例と同様に、前記光源部30から出射してこの導光板16aにその入射面17から入射した前記第1の光の向きを変え、前記液晶表示パネル1の法線に対して表示観察者の左眼方向に傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった左眼用照明光を出射し、前記光源部30から出射してこの導光板16aにその入射面17から入射した前記第2の光の向きを変え、前記液晶表示パネル1の法線に対して前記表示観察者の右眼方向に傾いた方向に出射光強度のピークが存在する指向性をもった右眼用照明光を出射する。
この実施例の面光源15cは、前記導光板16aの入射面17aの外側に、前記入射面17aの長さ方向に並ぶ複数の集光レンズ部32を有し、これらの集光レンズ部32に前記導光板16aに対向する側とは反対側から入射した光のうち、前記集光レンズ部32の中心よりも左右いずれか一方の領域に入射した光を集光して前記液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して前記液晶表示パネル1側から見て左右いずれか一方に傾いた方向に光強度のピークが存在する指向性をもった第1の光を前記導光板16aの入射面17aに向けて出射し、前記集光レンズ部32の他方の領域に入射した光を集光して前記上下方向に対して他方に傾いた方向に光強度のピークが存在する指向性をもった第2の光を前記導光板16aの入射面17aに向けて出射する集光レンズアレイ31と、前記集光レンズアレイ31の前記導光板16aに対向する側とは反対側に、前記複数の集光レンズ部32の前記一方の領域と他方の領域とにそれぞれ対向させて配置され、これらの集光レンズ部32の前記一方の領域と他方の領域とに向けて光を出射する複数の第1と第2の固体発光素子34a,34bとにより構成しているため、指向性の無い光を出射する安価な固体発光素子34a,34bを用い、前記第1と第2の一方の固体発光素子34aからの光を、前記集光レンズアレイ31の集光レンズ部32により前記液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して前記液晶表示パネル1側から見て左右いずれか一方に傾いた方向に光強度のピークが存在する指向性をもった第1の光として前記導光板16aに入射させ、他方の固体発光素子34bからの光を、前記集光レンズアレイ31の集光レンズ部32により前記上下方向に対して他方に傾いた方向に光強度のピークが存在する指向性をもった第2の光として前記導光板16aに入射させ、前記導光板16aから左眼用照明光と右眼用照明光とを出射させることができる。
また、この実施例では、前記集光レンズアレイ31の複数の集光レンズ部32を、前記導光板16aに対向する出射面及びその反対側の入射面が円柱面に形成された円形レンズとしているため、前記第1と第2の固体発光素子34a,34bからの光を、前記指向性をもった強度の等しい第1と第2の光として前記導光板16aに入射させ、前記導光板16aから充分な指向性をもち、且つ強度の等しい左眼用照明光と右眼用照明光とを出射させて、前記液晶表示パネル1に、左眼用画像と右眼用画像の輝度バランスが良い高品質の立体画像を表示させることができる。
なお、この実施例では、前記導光板16aの2つの長辺部の一方に入射面17aを形成し、その外側に前記光源部30を配置しているが、前記導光板16aの2つの長辺部の両方に入射面17aを形成し、これらの入射面17aの外側にそれぞれ前記光源部30を配置してもよく、また、入射光の向きを変えて前記液晶表示パネル1側に出射する変向手段は、前記導光板16aに限らず、図11〜図13に示したプリズムシート23と反射板26とにより構成してもよい。
(第5の実施形態)
図18〜図21はこの発明の第5の実施例を示しており、図18は面光源の出射面側から見た図、図19は図18のIXX−IXX線に沿うハッチングを省略した拡大断面図である。
この実施例の面光源15dは、上述した第4の実施例の面光源15cの光源部30を、楕円形レンズからなる複数の集光レンズ部32aを有する集光レンズアレイ31aを備えた光源部30aに置き換えたものであり、他の構成は前記第4の実施例の面光源15cと同じである。
すなわち、この実施例の面光源15dは、図8〜図10に示した第2の実施例の導光板16aの2つの長辺部のいずれか一方、例えば前記液晶表示パネル1の画面の下縁に対応する下辺部に形成された入射面17aの外側に、前記導光板16aに対向する出射面が楕円柱面に形成され、その反対側の入射面が前記導光板16aの入射面17aと実質的に平行な直線面に形成された楕円形レンズからなる複数の集光レンズ部32aを有する集光レンズアレイ31aと、前記集光レンズアレイ31aの前記導光板16aに対向する側とは反対側に、前記複数の集光レンズ部32にそれぞれ対向させて配置され、前記複数の集光レンズ部32の入射面(直線面)に向けて指向性の無い光を出射する複数の第1と第2の固体発光素子33a,33bとからなる光源部30aを配置したものであり、前記第1の固体発光素子34aは、その出射面を、前記複数の集光レンズ部32aの一方の領域、例えば前記集光レンズ部32aの中心よりも前記液晶表示パネル1側から見て右側の領域に対向させて配置され、前記第2の固体発光素子34bは、その出射面を、前記複数の集光レンズ部32aの前記他方の領域、つまり前記集光レンズ部32aの中心よりも前記液晶表示パネル1側から見て左側の領域に対向させて配置されている。なお、前記集光レンズアレイ31aの両端面にはそれぞれ光吸収膜33が設けられている。
図20は前記面光源15dの光源部30aからの光の出射経路を模式的に示す光線図であり、前記集光レンズアレイ31aの楕円形レンズからなる複数の集光レンズ部32aの入射面の右側の領域に対向させて配置された前記第1の固体発光素子34aからの第1の光は、図に矢線で示したように、前記集光レンズ部32aにより集光され、この集光レンズ部32aの出射面の左側(液晶表示パネル1側から見て左側)の領域から、前記液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して液晶表示パネル1側から見て左側に傾いた方向に光強度のピークが存在する指向性をもった光となって前記導光板16aの入射面17aに向かって出射し、前記集光レンズアレイ31aの複数の集光レンズ部32aの入射面の左側の領域に対向させて配置された前記第2の固体発光素子34bからの第2の光は、図に破矢線で示したように、前記集光レンズ部32aにより集光され、この集光レンズ部32aの出射面の右側(液晶表示パネル1側から見て右側)の領域から、前記液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して液晶表示パネル1側から見て右側に傾いた方向に光強度のピークが存在する指向性をもった光となって前記導光板16aの入射面17aに向かって出射する。
図21は、前記光源部30aから前記導光板16aの入射面17aに向かって出射する光の光強度分布を示しており、実線は前記第1の固体発光素子34aからの第1の光の光強度分布を示し、破線は前記第2の固体発光素子34bからの第2の光の光強度分布を示している。なお、図21において、負の角度は前記液晶表示パネル1の画面の上下方向に対して液晶表示パネル1側から見て左方向の角度、正の視角は、前記液晶表示パネル1側から見て右方向の角度である。
この実施例の面光源15dは、その光源部30aの集光レンズアレイ31aの複数の集光レンズ部32aを、前記導光板16aに対向する出射面が楕円柱面に形成され、その反対側の入射面が前記導光板16aの入射面17aと実質的に平行な直線面に形成された楕円形レンズとしたものであるため、前記第1と第2の固体発光素子34a,34bからの光を、図21のような高い指向性をもった強度の等しい第1と第2の光として前記導光板16aに入射させることができ、したがって、前記導光板16aから高い指向性をもち、且つ強度の等しい左眼用照明光と右眼用照明光とを出射させ、前記液晶表示パネル1にさらに高品質の立体画像を表示させることができる。
(他の実施形態)
なお、この発明の液晶表示装置は、立体カラー画像だけでなく、平面的なカラー画像をフィールドシーケンシャル表示することも可能であり、その場合は、左右いずれか一方の眼用の赤、緑、青の単位色画像データ、または1つの撮像レンズにより撮像した赤、緑、青の単位色画像データを順次前記液晶表示パネル1の各画素に書込み、前記単位色画像データの書込みに同期させて、書込まれた単位色画像データに対応する色の左眼用と右眼用の照明光を同時に前記面光源15,15a,15b、15c,15dから出射させればよい。
また、上記実施例の液晶表示装置は、カラーフィルタを備えない液晶表示パネル1を用いてフィールドシーケンシャル表示により立体カラー画像を表示するものであるが、この発明は、複数の画素にそれぞれ対応する複数の色、例えば赤、緑、青の3色のカラーフィルタを備えた液晶表示パネルを用いて立体カラー画像を表示する液晶表示装置にも適用することができ、その場合は、赤、緑、青の3色の色情報を有する左眼用画像データと右眼用画像データとを順次前記液晶表示パネル1の各画素に書込み、前記面光源15,15a,15b,15c、15dから、前記左眼用画像データの書込みに同期させて白色の左眼用照明光を出射させ、前記右眼用画像データの書込みに同期させて白色の右眼用照明光光を出射させればよい。
また、前記液晶表示パネル1は、ベント配向型液晶表示パネル、あるいはホモジニアス配向型の液晶表示パネルに限らず、例えば強誘電性液晶表示パネルや、TN(ツイステッドネマティック)型液晶表示パネル等でもよい。
1…液晶表示パネル、1a…画面領域、15,15a,15b,15c,15d…面光源、16,16a…導光板(変向手段)、17,17a…入射面、18,18a…出射面、19,19a…反射面、20,20a…細長溝、16c…変向手段、23…プリズムシート、24…出射面、25…細長プリズム、26…反射板、27…入射部、28…光源部、29a,29b…固体発光素子、30,30a…光源部、31,31a…集光レンズアレイ、32,32a…集光レンズ部、34a,34b…固体発光素子、35…制御手段。