JP4719951B2 - スライディングコンベア - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,スライディングコンベアに係り,詳しくは,搬送物が載置される搬送面を備え,所定の水平方向のいずれかの向きに対して加速,減速を行う往動作と前記往動作と同じ向きに対して減速,加速を行う復動作とを繰り返し前記所定の水平方向に往復動を行うトラフの,前記往動作及び復動作の加速の際の加速度の大きさよりも前記往動作及び復動作の減速の際の加速度の大きさを大きくして,前記往動作の減速により,前記搬送物を前記搬送面上で前記所定の水平方向のいずれかの向きに搬送してなるスライディングコンベアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば食品や化学品などを搬送するのに好適な搬送装置として,トラフ(桶)を水平方向に往復動させ,前記トラフの内底面(搬送面)に載置された搬送物を前記搬送面上で滑らせながら移動させるスライディングコンベアがある。上記スライディングコンベアは,搬送物の載置にトラフを用いるため,各種粉粒体を搬送することも可能で,搬送中にごみや不純物が混入しにくいという利点も有する。また,トラフは水平方向にのみ移動するので,搬送中の搬送物はほとんど上下動せず,搬送物に与えられる衝撃も少ないから,ビスケットのように欠けたり割れたりし易いものの搬送にも適当である。特に,本出願人が製品化しているスライディングコンベアは,高力密度リニアモータをトラフの駆動に採用しており,制御応答性,清浄性,静粛性にも優れている。
前記スライディングコンベアの基本的な部分を含む構成の幾つかについては,特願平10−92803号(特開平11−268812号公報),特願平10−188166号(特開平11−301831号公報),特願平11−141765号などの特許出願において既に示されている。
前記特許出願にも記載されているが,前記スライディングコンベアは,搬送物の搬送方向にトラフをゆっくりと移動させた後,急激に減速することにより,搬送物のトラフ搬送面に対する摩擦力に抗して,搬送物の前記搬送面上の位置を移動させることを,前記トラフが往復動して繰り返すことにより,例えば前記搬送面の一端から前記搬送面の他端側に設けられた受箱まで搬送物を搬送する。
ところで,前記スライディングコンベアが,複数連結されたスライディングコンベアの一つであり,上流のスライディングコンベアから搬送されてきた搬送物を,複数ある下流のスライディングコンベアのいずれかに搬送する,分岐用のスライディングコンベアとして用いられる場合など,前記搬送物の搬送方向を切り替える必要が生じることがある。
この場合,従来のスライディングコンベアでは,前記搬送方向を逆向きに切り替えるにあたって,一旦装置を完全に停止させてから,前記速度指令パターンを切り替え,その後装置を再起動させていた。これは,前記スライディングコンベアの運転を行いながら,不用意に前記速度指令パターンを切り替えると,前記トラフの往復動端のさらに向こう側に配置された規制板や他のスライディングコンベアなどの部材に前記トラフが衝突する恐れが生じるためである。
前記スライディングコンベアの運転を行いながら変更すると,前記トラフが他の部材などに衝突してしまう恐れがある場合としては,前記搬送物の搬送方向を逆向きに切り替える場合の他,前記往復動における最高速度を増加させる場合や,前記往復動における周期を長くする(周波数を小さくする)場合がある。
前記最高速度や周波数は,前記搬送物の種類などに応じて移動量を適当に調整する際などに変更を行う必要性が強いものであるが,前記往復動における最高速度を増加させたり,前記往復動の繰り返し周波数を小さくすると,前記往復動で前記トラフが移動する距離が増加してしまい,この場合も前記トラフがオーバーランして他の部材に衝突する恐れがある。
通常前記往復動を行う間,前記往復動の中心位置は常に基準位置にあるように制御が行われているが,運転を継続しながら,前記往復動における最高速度を増加させたり,前記往復動の繰り返し周波数を小さくすると,前記往復動の中心が過渡的にずれることがあり,本来ならばオーバーランにならない数値であっても,そのずれの分だけ前記トラフが余計に移動してしまうからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記速度指令パターンや,最高速度,周波数等の前記トラフの駆動に関する動作指令を,上述の通り,一旦装置を完全に停止させてから切り替え,その後装置を再起動させる手順を行うと,その分だけ切り替えに必要な時間が増大してしまう。
前記スライディングコンベアの運転を継続しながら,前記トラフのオーバーランを抑えるように,前記動作指令を切り替えることも不可能ではないが,その場合には,制御用のセンサを新たに設ける必要が生じたり,制御のために複雑な計算を行う必要が生じる。
本発明は,このような従来の技術における課題を解決するために,スライディングコンベアを改良し,トラフの駆動に関する動作指令の変更を,前記トラフの動作が往動作又は復動作から復動作又は往動作へ移るときに,変更前と変更後とで前記トラフの進行方向が逆になるように行うことによって,前記動作指令の変更を,簡素な構成により前記トラフの運転を止めることなく前記トラフのオーバーランを抑えながら行うことができるスライディングコンベアを提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために,請求項1に係る発明は,搬送物が載置される搬送面を備えるトラフを所定の水平方向に往復動させることにより前記搬送物を前記搬送面上で前記所定の水平方向における一方の向き又は他方の向きに搬送してなるスライディングコンベアにおいて,前記トラフの駆動に関する動作指令に,前記搬送物を前記一方の向きに搬送するように前記トラフの加速度を制御する第1の速度指令パターンと前記搬送物を前記他方の向きに搬送するように前記トラフの加速度を制御する第2の速度指令パターンとが含まれてなり,前記第1の速度指令パターンが,前記一方の向きに対する前記トラフの速度を第1の所定期間の間に零から第1の最大速度まで加速させた後,該第1の所定期間より短い第2の所定期間の間に前記トラフの速度を零まで減速させる往動作と,前記他方の向きに対する前記トラフの速度を前記第2の所定期間の間に零から前記第1の最大速度と絶対値の大きさが同じである第2の最大速度まで加速させた後,前記第1の所定期間の間に前記トラフの速度を零まで減速させる復動作とを繰り返すものであり,前記第2の速度指令パターンが,前記第1の速度指令パターンにおける前記トラフの加速及び減速の向きを反転させたものであって,前記第1の速度指令パターン及び前記第2の速度指令パターンの切り替えを,前記トラフが往復動端に位置して該トラフの速度が零になるときに,前記第1の速度指令パターン又は前記第2の速度指令パターンの往動作から前記第2の速度指令パターン又は前記第1の速度指令パターンの往動作に移行させ,或いは前記第1の速度指令パターン又は前記第2の速度指令パターンの復動作から前記第2の速度指令パターン又は前記第1の速度指令パターンの復動作に移行させて行うことを特徴とするスライディングコンベアとして構成されている。
また,請求項2に係る発明は,前記請求項1に記載のスライディングコンベアにおいて,前記動作指令が,前記往復動の周波数及び前記往復動における最高速度のいずれか,若しくは両方を含むものであって,前記動作指令の変更を,前記トラフが往復動端に位置して該トラフの速度が零になるときに,前記第1の速度指令パターン又は前記第2の速度指令パターンの往動作から前記第2の速度指令パターン又は前記第1の速度指令パターンの往動作に移行させ,或いは前記第1の速度指令パターン又は前記第2の速度指令パターンの復動作から前記第2の速度指令パターン又は前記第1の速度指令パターンの復動作に移行させると共に行うことをその要旨とする。
前記請求項1又は2のいずれか1項に記載のスライディングコンベアでは,トラフの駆動に関する動作指令の変更が,前記トラフが往復動端に位置して該トラフの速度が零になり,前記トラフの動作が往動作から復動作へ移るとき,又は復動作から往動作に移るときに,変更前と変更後とで前記トラフの進行方向が逆になるように行われるから,前記動作指令の変更を,簡素な構成により前記トラフの運転を止めることなく前記トラフのオーバーランを抑えながら行うことができる。
例えば前記往復動の1周期のうち前記往動作及び復動作の加速と減速とにそれぞれ割り当てる時間が前記動作指令に含まれ,前記加速と減速とに割り当てる時間を変更することによって,搬送物の搬送方向を逆方向に反転させる場合でも,変更前のトラフの到達端よりも向こう側にはトラフが移動せず,前記トラフの運転を止めることなく前記トラフのオーバーランを防止することができる。
また,前記動作指令に前記往復動の周波数や前記往復動における最高速度が含まれる場合,前記往復動の周波数を低下させたり,前記往復動における最高速度を増加させると,前記トラフの前記動作指令変更後の動作の際に移動する距離が変更前の動作の際に移動した距離よりも増加するが,前記動作指令変更前に前記トラフが移動する位置のうち前記動作指令変更後に前記トラフが到達する到達端に対して最も遠いところから,前記動作指令変更後に前記トラフが移動し始めることになるから,前記トラフの運転を止めることなく前記トラフのオーバーランを最小限に抑えることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下,添付図面を参照して,本発明の実施の形態につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明の具体的な一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここに,図1は本発明の実施の形態に係るスライディングコンベアの概略構成を説明するための図である。
図1に示す如く,本発明の実施の形態に係るスライディングコンベアは,搬送物1が載置される搬送面2を備え,所定の水平方向(d1,d2)のいずれかの向き,例えば向きd1に対して加速,減速を行う往動作Aと前記往動作と同じ向きに対して減速,加速を行う復動作Bとを繰り返し前記所定の水平方向(d1,d2)に往復動を行うトラフ3の,前記往動作A及び復動作Bの加速の際の加速度の大きさag よりも前記往動作A及び復動作Bの減速の際の加速度の大きさar を大きくして,前記往動作Aの減速により,前記搬送物1を前記搬送面2上で前記所定の水平方向のいずれかの向きd1に搬送する点で従来のものと同様である。
一方,本発明の実施の形態に係るスライディングコンベアが,従来のものと異なるのは,前記トラフ3の駆動に関する動作指令の変更を,前記トラフ3の動作が往動作Aから復動作Bへ移るときに,変更前と変更後とで前記トラフ3の進行方向が逆になるように行う点である。
前記トラフ3の駆動に関する動作指令のうち,変更を行う可能性の比較的高いものには,例えば前記往復動における加速と減速とのデューティー比(前記往復動の1周期のうち前記往動作及び復動作の加速と減速とにそれぞれ割り当てる時間に対応)や,前記往復動の周波数,前記往復動における最高速度などがある。
本実施の形態では,一例として,前記往復動における加速と減速とのデューティー比を,運転を行いながら変更する場合について説明する。
前記スライディングコンベアにおいて,前記トラフ3には,その往復動方向である前記所定の水平方向(d1,d2)に沿った位置を検出するためのエンコーダ4が備えられている。このエンコーダ4の出力は,コントローラ5及びドライバ6に供給される。前記コントローラ5では,前記エンコーダ4の出力を基に位置補正部51により位置補正信号が生成され,また速度指令設定部52から速度指令が送出され,前記ドライバ6に供給される。前記ドライバ6では,これらの信号を基に不図示の高力密度リニアモータを駆動し,位置Cを中心として,前記トラフを前記所定の水平方向(d1,d2)に沿って往復動させる。
【0006】
前記速度指令設定部52が送出する速度指令が前記動作指令であり,変更の対象となるものである。
前記速度指令設定部52は,起動前に予め定められた速度指令パターン521に従って速度指令を生成する。ここで,図2は起動前に予め設定される速度指令パターンの一例を示すものである。図2の横軸は時間を表し,縦軸は速度指令,及びその加速度を表す。図2では速度指令V0 は実線で,加速度は破線でそれぞれ表される。
今,図2の縦軸の加速度,及び速度の正の方向は,前記所定の水平方向のうちの向きd1であるとし,起動時には前記向きd1に前記搬送物を搬送するように設定されているものとする。
図2に示す如く,この速度指令パターンでは,起動開始から期間ta の間は,比較的小さい一定加速度ag で前記速度指令V0 は増加する。起動時には,前記搬送物1に力が加わるが,前記搬送物1と前記搬送面2との間の摩擦力のために,前記搬送物1は載置されたのと同じ位置で,前記トラフ3とともに前記向きd1へ移動する。
そして,期間ta が経過して前記速度指令V0 が最大速度Vmax に達すると,前記速度指令V0 は,比較的大きい一定加速度ar で急激に減少する。即ち,起動から期間ta が経過したとき,前記トラフ3は急激に減速させられる。この減速時には,慣性によって,前記搬送物1は前記摩擦力に抗して前記搬送面2上を前記向きd1に向かって移動する。
前記速度指令V0 が減少されはじめてから期間td だけ経過すると前記速度指令V0 は零となり,前記トラフ3は前記向きd1側の往復動端に達し,はじめの前記往動作Aが終了する。前記搬送物1は,その種類にもよるが,前記トラフ3が前記向きd1に対して急激に減速させられてから,次の復動作Bがはじまる頃まで前記搬送面2上を移動する。
はじめの前記往動作Aが終了した後も,前記向きd1に対して前記速度指令V0 は,期間td だけ前記加速度ar で減少させられる。即ち,期間td だけ前記向きd1に対して前記トラフ3はさらに減速させられる。前記向きd1とは逆向きの向きd2を基準にすれば,前記向きd2に向かって前記トラフ3は加速させられることになる。
そして,前記期間td が経過して前記速度指令V0 が前記向きd1に対する最低速度−Vmax に達すると,前記速度指令V0 が,期間ta だけ前記加速度ag で前記向きd1に対して再び増加させられる。前記向きd2を基準とすれば,前記向きd2に向かって急激に加速していた前記トラフ3が,ゆるやかに減速されることになる。このとき,前記搬送物1は移動しない。
前記往動作Aが終了した後前記速度指令V0 が増加しはじめてから期間ta が経過したとき,言い換えれば,前記往動作Aが終了した後期間td +ta が経過したとき,前記速度指令V0 は零となり,前記トラフ3は前記向きd2側の往復動端に達し,はじめの前記復動作Bが終了する。
前記速度指令パターンでは,以降,前記往動作A及び前記復動作Bからなる周期動作が繰り返され,前記速度指令パターンに従う前記トラフ3は,前記位置Cを中心として前記所定の水平方向(d1,d2)に往復動させられる。前記搬送物1は,前記トラフ3の往復動の中,前記往動作Aがある度に,前記向きd1に対する前記往動作Aの減速によって,前記向きd1方向に前記搬送面2上で移動させられる。
これにより,例えば前記搬送面2の前記向きd2側端部にあった前記搬送物1が,前記搬送面2の前記向きd1側端部,さらにはその向こう側の図示しない受箱まで搬送される。
【0007】
これらの動作は,従来のスライディングコンベアも同様である。
本実施の形態に係るスライディングコンベアが,従来のスライディングコンベアと異なるのは,前記搬送物1の搬送方向の切り替えを,装置を再起動させる必要なく運転を継続しながら行う点である。前記向きd2に向かって前記搬送物1を搬送するために装置の起動前に予め設定される速度指令パターンは図3の通りである。本実施の形態に係るスライディングコンベアは,運転を継続しながら,図2の速度指令パターンを図3の速度指令パターンに切り替える。
尚,図3における速度,加速度の正負の方向は比較のため図2と同じにしており,図2の速度指令パターンを正負反転させたものが図3である。
前記向きd1を基準にした加速の期間ta,減速の期間tdの大小関係は,図2の速度指令パターン5211と図3の速度指令パターン5212とで反対になる。前記往復動における最高速度Vmax,最低速度−Vmaxは固定されており,前記往復動における一周期2(ta+td)のうち,前記加速の期間ta,前記減速の期間tdがそれぞれ占める割合(又はデューティー比)を変化させることで,各期間における加速度が変化する。
前記往復動における一周期2(ta+td)のうち,前記加速の期間ta,前記減速の期間tdがそれぞれ占める割合は,前記速度指令パターン5211では,例えば0.7,0.3であるのに対し,前記速度指令パターン5212では,その逆の0.3,0.7となる。言い換えれば,前記速度指令パターン5211では,前記加速度agで加速される期間taよりも前記加速度arで減速される期間tdが短いのに対し,前記速度指令パターン5212では,前記加速度agで減速される期間tdよりも前記加速度arで加速される期間t a が短い。
この2つの速度指令パターン5211,5212を切り替える指令を前記速度指令設定部52に与える変更指令部7は,図1(b)に示す如く,例えば前記速度指令パターン5211において前記往動作Aから前記復動作Bに移るときttに,変更前と変更後とで前記トラフ3の進行方向が逆になるように,前記速度指令パターン5211に対して前記速度指令パターン5212の位相を半周期だけずらして,前記速度指令パターン5211を前記速度指令パターン5212に切り替える。
前記速度指令パターン5211が用いられている間,前記向きd1に対する加速期間ta,減速期間td,減速期間td,加速期間taがこの順に繰り返される。前記速度指令パターン5211に対して前記速度指令パターン5212の位相を半周期だけずらせば,変更前と変更後とで前記減速期間tdの長さが変化するが,前記向きd1に対する上記した順は維持される。
前記往動作Aから前記復動作Bに移るときttには,前記トラフ3は往復動端に位置することになり,比較的位置が確認しやすいため,このタイミングで速度指令パターンの切り替えが行われるが,図4に示すように単に前記速度指令パターン5211を前記速度指令パターン5212に切り替えると,前記順序が崩れ,前記往動作Aの減速期間tdの後,前記復動作Bは加速期間taから始まることになる。
前記速度指令パターン5211において前記往動作Aから前記復動作Bに移るときttには,前記トラフ3は既に前記向きd1側の往復動端に達しており,そこから前記加速期間taが始まると,前記トラフ3はその往復動端からオーバーランしてしまう。
前記変更指令部7の変更指令に従って前記速度指令パターン5211を前記速度指令パターン5212に切り替えれば,前記速度指令パターン5211において前記往動作Aから前記復動作Bに移るときttから,前記向きd1に対して前記速度指令V0が加速度agで減少させられる。即ち,前記トラフ3は前記向きd2方向に加速されるため,前記向きd1側の往復動端を越えて前記トラフ3が移動し他の部材に衝突するなどの事態が起こるのを防止することができる。
例えば使用者から指示された任意の時点で,前記スライディングコンベア3の運転を継続しながら前記速度指令パターンを切り替えようとすると,前記トラフ3がオーバーランするのを防止するような計算が必要となるが,上述の通り,前記速度指令パターンから前記トラフ3の位置が同定しやすい前記往動作Aから前記復動作Bに移る際に,前記トラフ3の進行方向が逆になるように前記速度指令パターンの変更を行う場合には,前記スライディングコンベアの運転を行っている際に例えば前記変更指令部7が,前記速度指令設定部52が送出する速度指令を監視しておけばよく,複雑な計算は必要なくなる。
上述の通り前記動作指令を切り替えれば,前記トラフ3の動作の不連続性も少なく,その途中で前記スライディングコンベアの搬送面2に載置された搬送物1は,直ぐその後の前記向きd2への往動作Aにより,前記向きd2に搬送される。
このように,本発明の実施の形態に係るスライディングコンベアでは,トラフの駆動に関する動作指令の変更が,前記トラフの動作が往動作から復動作へ移るときに,変更前と変更後とで前記トラフの進行方向が逆になるように行われるから,前記動作指令の変更を,簡素な構成により前記トラフの運転を止めることなく前記トラフのオーバーランを抑えながら行うことができる。
【0008】
【実施例】
上述の実施の形態では,前記動作指令の変更として,前記速度指令パターンを切り替える場合について説明したがこれに限られるものではない。前記速度指令パターンの変更により前記搬送物1の搬送方向を切り替えない場合でも,例えば図5,図6にそれぞれ示す如く,前記最大速度Vmax を増加させたり,前記往復動の一周期を長くしたり(即ち前記往復動の周波数を小さく)する変更を行うと,前記往復動において前記トラフ3が移動する距離が増加することになるので,前記トラフ3が他の部材に衝突したりする恐れが生じる。尚,図5,図6において,図*(a)が変更前の動作指令,図*(b)が変更後の動作指令を示す。
前記往復動の中心の位置Cは,前記トラフ3の中心位置に被検出体を配置し,地面側に該被検出体を検出するセンサを設けるなどして,通常一定の位置に制御されるが,前記最大速度や前記周波数を前記トラフ3の往復動が大きくなるように変更したとき前記往復動の中心の位置Cを完全に一定の位置に固定するためには,少なくとも前記トラフ3が一周期分の動作を行う必要がある。
その一周期分の動作の間,前記トラフ3の実際の中心の位置は,基準となる位置Cから過渡的に大きくずれることになる。このため,前記トラフ3の実際の中心の位置が基準となる位置Cにあれば変更後の最大速度や周波数であっても他の部材に衝突したりする恐れはないが,前記トラフ3の実際の中心の位置が,基準となる位置Cからずれていると,他の部材に衝突してしまうなどの事態が起こるのである。
この場合にも,前記変更指令部7によって,例えば前記往動作Aから前記復動作Bに移るときに,変更前と変更後とで前記トラフ3の進行方向が逆になるように,前記動作指令を変更すれば,変更前の往復動の振幅の分だけ変更後に前記トラフ3が移動する量が小さくなり,前記トラフ3が変更後に他の部材に衝突する恐れを抑えることができる。
また,前記速度指令パターンから前記トラフ3の位置が同定しやすい前記往動作Aから前記復動作Bに移る際に,前記トラフ3の進行方向が逆になるように前記速度指令パターンの変更を行うので,上述の実施の形態の場合と同様,複雑な計算を行う必要がなく,構成を簡素化することができる。
また,上述の実施の形態では,前記往動作Aから前記復動作Bに移るときに前記動作指令の変更が行われたが,前記復動作Bから前記往動作Aに移るときに前記動作指令の変更を行うようにしてもよい。ただし,この場合搬送物1の搬送が一周期遅れることになる。
【0009】
【発明の効果】
以上説明した通り,前記請求項1又は2のいずれか1項に記載のスライディングコンベアでは,トラフの駆動に関する動作指令の変更が,前記トラフの動作が往動作から復動作へ移るときに,変更前と変更後とで前記トラフの進行方向が逆になるように行われるから,前記動作指令の変更を,簡素な構成により前記トラフの運転を止めることなく前記トラフのオーバーランを抑えながら行うことができる。
例えば前記往復動の1周期のうち前記往動作及び復動作の加速と減速とにそれぞれ割り当てる時間が前記動作指令に含まれ,前記加速と減速とに割り当てる時間を変更することによって,搬送物の搬送方向を逆方向に反転させる場合でも,変更前のトラフの到達端よりも向こう側にはトラフが移動せず,前記トラフの運転を止めることなく前記トラフのオーバーランを防止することができる。
また,前記動作指令に前記往復動の周波数や前記往復動における最高速度が含まれる場合,前記往復動の周波数を低下させたり,前記往復動における最高速度を増加させると,前記トラフの前記動作指令変更後の動作の際に移動する距離が変更前の動作の際に移動した距離よりも増加するが,前記動作指令変更前に前記トラフが移動する位置のうち前記動作指令変更後に前記トラフが到達する到達端に対して最も遠いところから,前記動作指令変更後に前記トラフが移動し始めることになるから,前記トラフの運転を止めることなく前記トラフのオーバーランを最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るスライディングコンベアの概略構成を説明するための図。
【図2】 前記スライディングコンベアが用いる速度指令パターンの一例を示す図。
【図3】 図2の速度指令パターンの後前記スライディングコンベアが用いる速度指令パターンの一例を示す図。
【図4】 不正な切り替えによるオーバーランの発生を説明するための図。
【図5】 動作指令の他の例を説明するための図。
【図6】 動作指令のさらに他の例を説明するための図。
【符号の説明】
1…搬送物
2…搬送面
3…トラフ
7…変更指令部
52…速度指令設定部
521…速度指令パターン
Claims (2)
- 搬送物が載置される搬送面を備えるトラフを所定の水平方向に往復動させることにより前記搬送物を前記搬送面上で前記所定の水平方向における一方の向き又は他方の向きに搬送してなるスライディングコンベアにおいて,
前記トラフの駆動に関する動作指令に,前記搬送物を前記一方の向きに搬送するように前記トラフの加速度を制御する第1の速度指令パターンと前記搬送物を前記他方の向きに搬送するように前記トラフの加速度を制御する第2の速度指令パターンとが含まれてなり,
前記第1の速度指令パターンが,前記一方の向きに対する前記トラフの速度を第1の所定期間の間に零から第1の最大速度まで加速させた後,該第1の所定期間より短い第2の所定期間の間に前記トラフの速度を零まで減速させる往動作と,前記他方の向きに対する前記トラフの速度を前記第2の所定期間の間に零から前記第1の最大速度と絶対値の大きさが同じである第2の最大速度まで加速させた後,前記第1の所定期間の間に前記トラフの速度を零まで減速させる復動作とを繰り返すものであり,
前記第2の速度指令パターンが,前記第1の速度指令パターンにおける前記トラフの加速及び減速の向きを反転させたものであって,
前記第1の速度指令パターン及び前記第2の速度指令パターンの切り替えを,前記トラフが往復動端に位置して該トラフの速度が零になるときに,前記第1の速度指令パターン又は前記第2の速度指令パターンの往動作から前記第2の速度指令パターン又は前記第1の速度指令パターンの往動作に移行させ,或いは前記第1の速度指令パターン又は前記第2の速度指令パターンの復動作から前記第2の速度指令パターン又は前記第1の速度指令パターンの復動作に移行させて行うことを特徴とするスライディングコンベア。 - 前記動作指令が,前記往復動の周波数及び前記往復動における最高速度のいずれか,若しくは両方を含むものであって,
前記動作指令の変更を,前記トラフが往復動端に位置して該トラフの速度が零になるときに,前記第1の速度指令パターン又は前記第2の速度指令パターンの往動作から前記第2の速度指令パターン又は前記第1の速度指令パターンの往動作に移行させ,或いは前記第1の速度指令パターン又は前記第2の速度指令パターンの復動作から前記第2の速度指令パターン又は前記第1の速度指令パターンの復動作に移行させると共に行う請求項1に記載のスライディングコンベア。
Priority Applications (1)
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JP36955999A JP4719951B2 (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | スライディングコンベア |
Applications Claiming Priority (1)
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