JP4718986B2 - 流体アクチュエータ並びにこれを用いた発熱装置及び分析装置 - Google Patents

流体アクチュエータ並びにこれを用いた発熱装置及び分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、フィン型振動体を用いて流体に一定の流れや旋回流を生じさせるための流体アクチュエータに関する。また、本発明は前記流体アクチュエータを用いた発熱装置及び分析装置に関する。
近年、マイクロプロセッサー(MPU)の高速化が著しく、現在数GHz以上の動作周波数に達しており、更なる高速化の動向にある。MPUを高速化は、集積密度を上げることによって実現されるため、発熱密度が高くなることが避けられない。現在の最高速度のMPUにおいて、総発熱量が100W以上、発熱密度では400W/mm2以上に達しており、更なる高速化により、発熱量も増大し続けている。
MPUを冷却するために、MPUパッケージ上面にファンや水冷装置を取付けたものがある。しかし、MPUの発熱部はシリコン基板上に形成された回路部であるが、ファンや冷却はパッケージ等を介して行われるため、冷却効率が低いという問題がある。
そのため、非特許文献1に開示されているようにMPUのシリコン基板に流体通路を形成し、流体通路に流体を循環させる構造が提案されている。発熱部である半導体基板の極近傍で冷却が可能となり、MPUの高速化に伴う発熱増大に対応できる。しかしながら、非特許文献1に開示されているMPU水冷システムは、ポンプとして電気浸透流ポンプを用いるが、MPUのシリコン基板に形成される細い流体通路においては流体通路抵抗が大きくなるため、400V程度と高い駆動電圧が必要であるという問題がある。
また、マイクロ分析システム(μTAS(Micro Total Analysis Systems))においても、分析サンプルを含む溶媒を流すために電気浸透流が用いられたり、溶媒中のサンプル粒子を移動させるため電気泳動や誘電泳動などの原理が用いられたりしているが、溶液に電界を直接加えるため、電界を印加すると変質するようなサンプルには不向きであるという問題がある。
以上の条件を鑑みると、流体を駆動する流体アクチュエータが好適であり、非特許文献2にフィンの振動を用いた流体アクチュエータが開示されている。非特許文献2に開示されているのは、流路の底面に共振するフィン状の流体アクチュエータを配置したマイクロポンプである。
Daniel J. Laser et. al., 「集積回路の熱管理用シリコン電気浸透流マイクロポンプ」"Silicon Electroosmotic Micropumps for Integrated Circuit Thermal Management", IEEE Transducers, pp151-154, 2003 R. J. Linderman, Oyvind Nilsen, Victor M. Bright , "The Resonant Micro Fan Gas Pump for Active Breathing Microchannels", IEEE TRANSDUCERS ’03 , pp1923-1926, 2003
しかしながら、従来の流体アクチュエータにおいては、以下のような問題点があった。
非特許文献1のMPU水冷システムで用いられる、流体アクチュエータとしての電気浸透流ポンプは、MPUのシリコン基板に形成される細い流体通路においては流体通路抵抗が大きくなるため、400V程度と高い駆動電圧が必要である。
非特許文献2の共振フィンを用いたマイクロポンプは、流体が一方向にしか流れないように設計されているため、流体が流れる向きを可変にし難いという問題がある。
本発明は、以上のような従来の技術における問題点を解決すべく案出されたものであり、その目的は、比較的低電圧で高出力の流体駆動が可能であり、しかも、流れる方向の制御ができ、小型・軽量化が可能である流体アクチュエータを提供することにある。
また、本発明の目的は、前記流体アクチュエータと一緒に集積化することで外部のポンプが不要で、さらにはバッチプロセスで同時に作製が可能な発熱装置及び分析装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の液体アクチュエータは、基体を内壁の一部に有し内部を流体が移動可能な流体通路と、前記基体の流体通路の内壁に立設された支持部と、該支持部に対して前記内壁に平行な方向に取着された平板状の振動体と、前記支持部を介して前記振動体を曲げ振動させることにより前記流体通路内の前記流体を駆動する振動印加部とを備えるものである。
本発明の液体アクチュエータによれば、前記振動印加部から振動を加えるだけで、前記振動体が曲げ振動するため、前記流体通路内の流体があたかも団扇であおがれたような状態となり、流体を流すことができる。
前記支持部上の前記振動体の取り付け位置が、該振動体の中心から、前記流体通路方向にずれた位置に配置されていることが好ましい。この構造であれば、前記振動印加部を所定振動数で振動させたときに、振動体は、流体通路方向の一方側と他方側とで異なる大きさの曲げ振動をするので、流体通路内の流体の流れは一方向に流れることとなる。いずれの方向に流れるかは、前記振動印加部の振動周波数に応じて異なる。
したがって、前記振動印加部の振動周波数を変更可能とすれば、流体通路内の流体の流れの方向を制御することができる。
前記流体通路は、流体が循環可能である場合には、この流体通路に熱交換器又は放熱器を設けることにより、装置の冷却又は加熱が可能となる。
本発明の発熱装置は、前記流体アクチュエータを冷却装置として利用する発熱装置であって、当該発熱装置を実装する基板を有し、前記流体通路は、当該発熱装置を実装する基板に設けられているものである。この構成であれば、前記流体通路は、前記発熱装置の近傍を通過する放熱路として利用することができ、当該発熱装置を実装する基板から発生する熱を流体に移動させて当該発熱装置を冷却することができ、高い冷却効率が期待できる。
本発明の分析装置は、流体状のサンプルを供給するサンプル供給部と、前記サンプルを分析する分析部とを有し、前記流体通路は、前記サンプル供給部から前記分析部へ前記流体状のサンプルを輸送するように設けられていることを特徴とする。従来の分析装置においては電気泳動などの原理を用いてサンプルを輸送するので扱えるサンプルが電気泳動で動き、高電界を印加されても破壊しないものに限られていたが、本発明の分析装置においては、振動体によるあおりによって流体を駆動してサンプルを移動させるのでサンプルの種類を選ばないという利点がある。
以下に、本発明の流体アクチュエータ並びにそれを用いた発熱装置及び分析装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の流体アクチュエータの実施の形態の一例を示す透視平面図(a)及びA−A線断面図(b)を示す。
この流体アクチュエータにおいて、上下二枚の平板4,3が接合されている。上側の平板4(以下「蓋体4」という)の接合面に、平面視したときにU字型となる形状の溝を作っている。このU字状の溝は、上下二枚の平板4,3を張り合わせたときに、流体通路2となる空洞部を形成する。
流体通路2の断面形状は、図1(a)のような断面矩形状であるが、これ以外に断面半円状、断面三角状などであってもよい。
下側の平板3(以下「基体3」という)は、流体通路2の内壁面の一部を形成する。
基体3上の、流体通路2の一部には、1個又は複数個(この例では3個)の支持部22が取り付けられ、支持部22には、板状の振動体(フィン)21が取り付けられている。この振動体21が設置されている部分を「振動発生部1」という。
また、基体3の下面には、圧電振動印加部33が装着されている。圧電振動印加部33は、例えば圧電セラミックスや圧電単結晶などの圧電体で形成されている。
16は流体通路2に設置された流速センサである。流速センサ16は図示しない測定回路につながれており、流体通路内の流体の流速が測定できるようになっている。
図2(a)は、振動発生部1の付近を示す図(図1(b)の拡大図)である。図2(b)は、そのB−B線断面図である。
図3は、振動体21と支持部22の拡大図である。(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は断面図を示す。
支持部22は、図2(b)に示すように、基体3から立設された2本の柱からなる。支持部22は、振動印加時に塑性変形しない程度に硬いものであればよく、その材質は問わない。例えば、アルミニウムなどを好適に使うことができる。
図に示す例では、振動体21は長方形の板状をしている。振動体21は、2本の支持部22を介して基体3に取り付けられているが、振動体21に対する支持部22の取り付け位置は、振動体21の中心Cから長手方向にずれた位置になっている。この振動体21は、流体通路2の流体通路方向と長手方向とを一致させて配置されるので、振動体21に対する支持部22の取り付け位置は、流体通路方向にずれた位置となる。なお、図に示す例では、取り付け位置から振動体21の中心Cまでの距離、方向は、3つの振動体21ともに、同一距離、同一方向となっている。このように、振動体21と支持部22とを同一形状で構成して複数配置すれば、後述するように同じ周波数の振動を印加したときにはすべてが同じ挙動を示すので、一つの圧電振動印加部33からの振動によって、すべてのフィンを一様に制御することができる。
具体的には、図3(a)に示すように、振動体21の長さをL+Rで表すと、支持部22の取り付け位置は、振動体21の一方の辺からL、他方の辺からRとなっている。L≠Rの関係がある(図ではL<Rとなっている)。
また、図3(b)に示すように、振動体21の厚さをT2、支持部22の高さをT1、支持部22の取り付け位置における幅(振動体21の長手方向に沿った幅)をWで示す。
以上の構成において、流体通路2に流体を満たし、圧電振動印加部33に所定周波数の交流電圧を印加すれば、図2(a)に示すように圧電振動印加部33が上下振動する。この上下振動が基体3を伝搬して、支持部22を振動させると、振動体21が団扇をあおぐかのような往復振動をする。その結果、流体通路2内の流体に対して、振動体21により矢印方向に駆動力が与えられる。
なお、圧電振動印加部33の上下振動波形は、正弦波であってもよいが、必ずしも単一の周波数成分を持った正弦波である必要はなく、鋸歯状波や三角波などの一定の周波数分布を持った振動波形であってもよい。少なくとも振動体21を往復振動させることができるものであれば種類を問わない。
この振動体21の振動により、流体通路2内の流体が所定方向に駆動される。「所定方向」とは、支持部22の取り付け位置から見て、振動体21の中心Cを向く方向となる。
図3において振動体21の厚さT2=1μm、L=15μm、R=25μmとして、振動体21の材質をアルミニウム単体の金属とした場合の、振動の有限要素法(FEM)によるシミュレーションを行った結果を図4(a),(b)に示す。なお、支持部22の幅W=1μm、高さT1=1μmとした。
図4(a)は、周波数4.5MHzで圧電振動印加部33を振動させたときの振動体21の振動変位を示す側面図である。
振動体21の変位は、振動体21の右側(振動体21の中心から見て支持部22の取り付け位置と反対側)が大きく、振動体21の左側(振動体21の中心から見て支持部22の取り付け位置と同一側)が小さいことが分かる。これによって、流体通路2中の流体は、図の右向きに流れる。
図4(b)は、周波数12.4MHzで圧電振動印加部33を振動させたときの振動体21の振動変位を示す側面図である。
この場合、振動体21の変位は、振動体21の左側が大きく、振動体21の右側が小さくなる。したがって、流体通路2中の流体は左向きに流れることが分かる。
以上の結果から、圧電振動印加部33の駆動周波数によって、流体通路2中の流体が流れる向きを左右にコントロールできることが分かる。
なお、このときの流量の比は、右向きの流量(4.5MHzの場合):左向きの流量(12.4MHzの場合)=37:26となる。流量の比は1から大きく異なることはなく、12.4MHzで駆動するときは、振動の振幅を大きくするなどして若干駆動力を強めることで、左右どちらにも同じ流速を得ることができることがわかる。
以上のように有限要素法シミュレーションの結果からも、本アクチュエータは、圧電振動印加部33の駆動周波数を変えるだけで、流体通路2内の流体の流れの向きを左右のいずれか、任意の向きにすることができることがわかる。
次に、振動体21の支持部22からのアンバランス度、即ちLとRの比を変化させて、左向き、右向きの流量を計算した結果を、図5のシミュレーションの結果を示す線図に示す。図5の横軸に、支持部22の取り付け位置から振動体21の左辺までの長さLをとっている。なお、L+R=40(μm)の関係を満たしている。縦軸は、流体の流量比(右向きの流量/左向きの流量)を対数スケールで表している。
長さLを3μm〜19μmの範囲で変化させている。グラフより、Lが11μm以下の場合、右向きの流量が左向きの流量の10倍を超えるため、一方向の流れを作りやすくなる。ただし、10倍を超えると、周波数を変えたときに逆方向の流れを作り出す効果は弱くなる。
また、Lが小さすぎて、支持部22を設ける位置が振動体21の端部に近づきすぎると、支持部22にかかるモーメントが大きくなり、構造の寿命に影響を与える可能性がある。
そこで、Lが11μm以上19μm以下の場合が、右向きの流量と左向きの流量とが近づいてきて、その比が10以下になるので好ましい。
特に、周波数を変えたときにバランスの取れた左右の流れを作り出すことができるという観点から、Lは15μm以上19μmであることがより望ましい。
ここで、Lの長さで望ましい範囲を規定したが、実際はL+R=40μmの拘束があるため、LとRの比で規定することもできる。「Lが11μm以上19μm以下」という規定は、「L/Rが11/29以上19/21以下である」ことと同値である。
L=R=20μmの場合は振動体21の左右が同じだけ振動してしまうため、左右どちらにも流体を駆動することはできず、攪拌するだけとなる。
次に、犠牲層エッチング技術を用いる本発明の流体アクチュエータの製造方法について、図6を参照しながら説明する。
基体3としてシリコン板を用い、支持部22と振動体21の材質としてアルミニウムを用いる。
まず基体3上に犠牲層として、アモルファスシリコン膜29をCVD装置にて1μmの厚さに成膜する。次に、アモルファスシリコン膜29上にフォトリソグラフィによって、支持部22を形成する部位に、支持部22の形状の開口部を有するフォトレジストのパターンを形成する(図6(a)参照)。
次に、RIE装置によって支持部22を形成する部分が開口するようにアモルファスシリコン膜29を除去し、フォトレジストをアセトンなどにより除去する。次にアルミニウムをスパッタにより1μmの厚さに成膜する。そして表面を丁度1μm研磨することにより、アモルファスシリコン膜29の開口部にアルミニウムの支持部22が形成された状態となる(図6(b)参照)。
次に、振動印加部に相当する部分が開口したフォトレジストのパターンを、AZ等のネガ型フォトレジストを用いてフォトリソグラフィにより形成する。そして、このフォトレジストのパターンを形成した面全面にアルミニウムを、真空蒸着等を用いて1μm成膜する。その後、リフトオフ法により、フォトレジストを、剥離液を用いて除去すると、不要な部分のアルミニウムも同時に除去され、アモルファスシリコン膜29の一部にアルミニウムの支持部22が形成された上に振動体21が形成された状態となる(図6(c)参照)。
最後にアモルファスシリコンを弗化キセノンにより犠牲層エッチングすることにより、支持部22の上に振動体21が形成される(図6(d)参照)。
なお、基体3の材料としてシリコンを使う場合を説明したが、ガラス基板やその他の基板を利用しても良い。また、支持部22と振動体21としてアルミニウムを用いたが、その他の金属や無機材料、有機材料を用いても構わない。また、プロセスも上記方法に限定するものではない。
次に流体通路2として、溝を形成した蓋体4を作製する。金属を機械加工した型に、シリコンゴムの一種であるPDMS(poly dimethylsiloxane)を流し込み、80℃で30分間重合反応させることにより、溝が形成されたPDMSの蓋体4が作製できる。
このPDMSの蓋体4の溝の中に、先ほど作製した振動体21及び支持部22が入るようにして、蓋体4と基体3とを接合することで、内部に振動体21と支持部22が設置された流体通路2ができあがる。
最後に、基体3の、流体通路2と反対側の面に、圧電振動印加部33を張り付ける。圧電振動印加部33に所定の交流電圧を印加することで、振動体21を振動させることが可能となる。
前述のシミュレーションに用いた形状のアクチュエータの場合、圧電振動体21を4.5MHzで振動させることにより、所定方向に流体を流すことが可能となり、圧電振動体21を12.4MHzで駆動することにより、反対の方向に流体を流すことが可能となる。
なお、本発明の流体アクチュエータは、上述の構造に限定されるものではない。例えば、流体通路2の形状は任意である。図1に示したU字状のものに限定されるものではなく、直線状でもよく、円弧上でも良い。直角に曲がった「コ」の字状のものであってもよい。
また、上述において、圧電振動印加部を基体の下面に装着した例によって説明したが、これに限るものではなく、基体の中に埋め込んだり、嵌め込んだりするようにしても良い。さらに、基体自体を圧電体で構成し、基体と圧電振動印加部を共通の構成としても良い。
さらに、振動体として長方形の形状を有するものを用いた例によって説明したが、これに限るものではない。さらに、振動体の最も激しく振動する先端部に、あおりの効果を増大するためにフィンを設けるようにしても良い。
また、図に示した例では、フィンの数を3つとしているが、実際には、多数のフィンを流体通路に対して、縦横に複数列となるように配置して、同時に振動印加部から所定の振動を印加するようにして、必要な流量を得るようにすると良い。
図7は、集積回路、外部記憶装置、発光素子、冷陰極管などの発熱する装置(発熱装置という)に、本発明の流体アクチュエータを適用した例を示す平面図(a)と、F−F線断面図(b)である。
図7では、流体アクチュエータの蓋体4として、半導体基板を用いている。半導体基板には例えば、シリコンの間に絶縁層としてSiO2が挟まれたSOI(Silicon on Insulator)基板を用いている。
下側のシリコン層23には半導体回路32を形成し、絶縁層24を挟んだ上側のシリコン層25には、アルミ膜をマスクとしてICP−RIEによりエッチングを行い、ミアンダ状の流体通路2を形成している。
基体3の流体通路2に対応する2つの位置には、それぞれ振動発生部1a,1bが配置されている。そして、半導体基板の流体通路2を形成した側を、振動発生部1a,1bが実装された基体3と接合している。基体3には、振動発生部1a,1bの裏側に圧電振動印加部33を貼り付けて、本発熱装置が完成する。
流体として、純水72%、プロピレングリコール24%、金属の防腐剤など4%を混合したものや、純水75%、エチレングリコール25%を混合したものや、軽改質油などを用いる。
なお、振動発生部の数は、2つに限られるものではなく、1つでもよく、3つ以上でもよい。
この図7の構造で、振動発生部1a,1bにおいて、流体を駆動させる方向は、それぞれ−x方向に設定されている。したがって、振動発生部1a,1bによってそれぞれ流体を駆動させれば、全体として、流体通路2内の流体を一方向に流すことができる。
流体通路2の両端口26,27には、配管を通して、流体を貯める容器6が接続されている。容器6の中の流体が、前記配管及び流体通路2を循環して容器6に戻ってくる。この循環の途中で、放熱フィンなどの熱交換器28が設けられていて、この熱交換器により、半導体回路で発生した熱を外部に逃がすことができる。
図8は、本発明の流体アクチュエータを利用した分析装置の実施の形態を示す平面図(a)と断面図(b)である。
図8(a)は、本発明の分析装置の蓋体40を示す平面図であり、蓋体40には、略十字の溝が形成されている。この蓋体40を、基体3に接合させることで、横向きの流体通路2aと、縦向きの流体通路2bが形成される。
蓋体40を基体3に接合させた状態で、横向きの流体通路2aの両端は、基体3に設けられた流体通路2c,2dと連通し、縦向きの流体通路2bの両端は、基体3に設けられた流体通路2e,2fと連通している。
基体3上の流体通路2a,2bに対応する位置には、それぞれ振動発生部1c,1dが配置されている。振動発生部1c,1dは、スイッチ(図示せず)により、いずれか1つが駆動されるようになっている。43は、サンプル流体を測定する測定部である。測定部の測定原理は限定されないが、例えば吸光度スペクトルを測定することにより、サンプル流体の分析を行う。
流体通路2c,2a,2dにはサンプル流体Sが流され、流体通路2e,2b,2fには、サンプル流体を測定部43の測定ポイントまで運ぶためのキャリア流体が流されるようになっている。
サンプル流体としては、血液や、細胞やDNAを含有したサンプル溶液や、緩衝液などを用いることができる。
振動発生部1cを駆動しているときには、図9(a)に示すように、流体通路2c,2a,2dを通してサンプル流体Sが流される。
この状態でスイッチを切り替えて、振動発生部1dを駆動すると、図9(b)に示すように、流体通路2e,2b,2fを通してキャリア流体が流される。このとき、キャリア流体は、十字の連結部に存在するサンプル流体Sを、流体通路2bを通して搬送して測定部43の測定ポイントまで運ぶことができる。したがって、測定部43によってサンプル流体を測定することができる。
本発明の流体アクチュエータの実施形態の一例を模式的に示す図であり、(a)は流体アクチュエータの透視平面図、(b)はA−A線断面図を示す。 振動発生部付近の流体アクチュエータの構造を示す拡大図であり、(a)はA−A線断面図、(b)はB−B線断面図を示す。 支持部に取り付けられた振動体の構造を示す平面図(a)、正面図(b)、及び断面図(c)である。 (a)は周波数4.5MHzで振動させたときの振動体の振動変位を示す側面図である。(b)は周波数12.4MHzで振動させたときの振動体の振動変位を示す側面図である。 振動体の支持部からのアンバランス度を変化させて、左向き、右向きの流量比を計算した結果を示す線図である。 犠牲層エッチング技術を用いた本発明の流体アクチュエータの製造方法を示す工程図である。 本発明の流体アクチュエータを備えた発熱装置の構造例を模式的に示す平面図(a)とF−F線断面図(b)である。 本発明の流体アクチュエータを備えた分析装置の構造例を模式的に示す平面図(a)とH−H線断面図(b)である。 前記平面図(図8(a))の拡大図であり、(a)は、前記分析装置における横向きの流体通路を通してサンプル流体Sが流される状態を示す図であり、(b)は、縦向きの流体通路2aを通してサンプル流体Sが流される状態を示す図である。
符号の説明
1 振動発生部
2 流体通路
3 基体
4 蓋体
5 電源
6 容器
21 振動体
22 支持部
32 発熱部
33 圧電振動印加部
40 分析装置
43 分析部

Claims (6)

  1. 基体と、
    前記基体を内壁の一部に有し、内部を流体が移動可能な流体通路と、
    前記基体の流体通路内壁に立設された支持部と、
    該支持部に対して前記内壁に平行な方向に取着された平板状の振動体と、
    前記支持部を介して前記振動体を曲げ振動させることにより前記流体通路内の前記流体を駆動する振動印加部とを備える、流体アクチュエータ。
  2. 前記支持部上の前記振動体の取り付け位置が、該振動体の中心から、前記流体通路方向にずれた位置に配置されている請求項1記載の流体アクチュエータ。
  3. 前記振動印加部の振動周波数が変更可能である請求項1又は請求項2記載の流体アクチュエータ。
  4. 前記流体通路は、流体が循環可能である請求項1から請求項3のいずれかに記載の流体アクチュエータ。
  5. 請求項4に記載の流体アクチュエータを冷却装置として利用する発熱装置であって、
    当該発熱装置を実装する基板を有し、
    前記流体通路は、当該基板に設けられている発熱装置。
  6. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の流体アクチュエータを備えた分析装置であって、
    流体状のサンプルを供給するサンプル供給部と、前記サンプルを分析する分析部とが設けられ、
    前記流体通路は、前記サンプル供給部から前記分析部へ前記流体状のサンプルを輸送するように設けられている分析装置。
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