JP4718495B2 - 燃焼動力式締結具駆動工具のファン制御 - Google Patents

燃焼動力式締結具駆動工具のファン制御 Download PDF

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Description

本発明は、締結具をワーク内へ打込むための締結具駆動工具に関し、特に、燃焼工具とも称される燃焼動力式締結具駆動工具に関する。
燃焼動力式締結具駆動工具は締結具をワークに打込むために使用され従来公知となっており、米国再発行特許第32452号、米国特許第4522162号、米国特許第4483473号、米国特許第4483474号、米国特許第4403722号、米国特許第5197646号、米国特許第5263439号、米国特許第5713313号に記載されており、参照することによりこれらの全ての開示を本願の記載に代える。また、燃焼動力式締結具駆動工具は、一例がイリノイ州バーノンヒル所在のITWパスロード(ITW Paslode)社により製造され、インパルス(IMPULSE)(登録商標)およびパスロード(Paslode)(登録商標)の商標名で市販されている。
こうした工具は、小型の内燃エンジンを包囲するピストル形の工具ハウジングを有している。該エンジンは、燃料セルとも称される加圧された燃料ガスのキャニスターを動力源とする。バッテリー式の電力分配ユニットによって点火用の火花が生成され、燃焼室に配設されたファンによって燃焼室内の燃焼を促進し、また、装置の燃焼に付随する工程を容易にする。こうした付随工程は、燃焼室内への燃料供給、燃焼室内での燃料と空気の混合、燃焼生成物の除去または排気を含む。前記エンジンは、細長い剛性のブレードを備え単一のシリンダ本体内に配設された往復動ピストンを含む。
弁スリーブが、リンク機構によってシリンダの周囲で軸方向に往復動自在に設けられており、前記リンク機構の先端部に設けられたワーク接触要素がワークに対して押圧されると、前記弁スリーブが移動して燃焼室を閉鎖する。この押圧作用によって、また燃料計量弁が起動し、所定量の燃料が閉鎖された燃焼室内に導入される。
トリガースイッチが引かれると、火花が生成されて燃焼室内の燃料ガスが点火され、ピストンおよび駆動ブレードが下方に押し出されて、位置決めされている締結具に衝当して該締結具をワーク内に駆動する。次いで、ピストンは、ガスの差圧によって初期位置または点火前位置へ復帰する。締結具は、マガジン式にノーズ部に供給され、駆動ブレードによる衝当を受けるための適切な位置、配向で保持される。
上記の燃焼工具には、燃焼室内にファンが配設されている。このファンは、多くの機能を奏するが、その1つは冷却である。ファンは、打込みサイクルの間に工具を通して空気を引込むことによって冷却機能を果たす。このファンは、搭載されているバッテリーから供給される動力によって駆動され、バッテリーの寿命を長くするために、モータの駆動時間を最小限にすることが行われている。また、ファンの駆動時間を短くすることによって、モータ(軸受およびブラシ)の損耗が低減され、空気の流れによって工具から発生する騒音が制限され、また、最も重要なこととして、工具内への汚れの進入が制限される。ファンの「作動時間」を管理するために、燃焼工具には、通常、ファンの「作動時間」を10秒以下に制限する制御プログラムが組込まれている。
米国再発行特許第32452号明細書 米国特許第4522162号明細書 米国特許第4483473号明細書 米国特許第4483474号明細書 米国特許第4403722号明細書 米国特許第5197646号明細書 米国特許第5263439号明細書 米国特許第5713313号明細書
高サイクル速度が要求される燃焼工具の用途、或いは、周囲温度が高いときに工具を操作する必要のある燃焼工具の用途では、しばしば工具の構成要素の温度が高くなる。これによって、性能上の多くの問題が生じる。最も一般的な問題は、工具は点火するが、締結具が駆動されない過熱状態である。これは、また「スキップ(skip)」或いは「ブランクファイア(blank fire)」と称される。既述したように、ピストンを真空により復帰させる機能は、燃焼室に残留するガスの冷却速度に依存している。構成要素の温度が高くなると、燃焼ガスとエンジン壁面の温度差が小さくなる。これによって、ピストンの復帰サイクルの時間が長くなり、ロックアウト装置を搭載していても、ピストンが復帰する前に、操作者が燃焼室を開く事ができるようになる。その結果、駆動ブレードが工具のノーズ部内に残り、締結具を前進させることができなくなる。従って、工具の次の点火時に締結具が駆動されない。
工具の作動温度が高いことの他の欠点は、工具の構成要素に熱応力が作用する点である。特に、バッテリーの寿命が短くなり、工具が長時間高温で作動すると、内分潤滑油の潤滑容量が低下する。
従って、ファンの作動時間を短縮した燃焼動力式締結具駆動工具が必要とされている。更に、工具の作動温度を許容限界内に管理して、性能を高め、ピストンの比較的速い点火前位置への復帰を維持するようした燃焼動力式締結具駆動工具の必要性がある。
上述した必要性は、最新技術の制限を克服する本願発明の燃焼動力式締結具駆動工具によって充足または突破される。本発明の工具は、ファンの作動時間を一層効果的に制御する温度検知システムを具備する。ファンの作動時間は、工具温度を監視すること、動力源の温度を周囲温度(環境温度)と比較すること、或いは、工具の点火速度の関数としてファンの作動時間を制御することによって決定することができよう。
より詳細には、本発明の燃焼動力式締結具駆動工具は、燃焼式動力源と、前記動力源と協働する少なくとも1つのファンと、前記動力源の近傍に配設された少なくとも1つの温度検知装置と、前記動力源に関連し、かつ、前記少なくとも1つのファンおよび前記少なくとも1つの温度検知装置に接続され、前記少なくとも1つの温度検知装置により検知された動力源の温度の関数として、前記少なくとも1つのファンの作動時間の長さを調節するための制御システムとを具備し、
前記少なくとも1つの温度検知装置は、前記動力源の近傍に配設された第1の温度検知装置と、前記動力源から更に遠位に配設され周囲温度を検知する第2の温度検知装置とを含み、
前記制御システムは、前記第1と第2の温度検知装置の読みを比較して温度差ΔTを演算し、該温度差ΔTが大きければ大きいほど長くなるように、前記少なくとも1つのファンの作動時間を調節するようにした。
他の実施形態では、燃焼動力式締結具駆動工具は、燃焼式動力源と、前記動力源と協働する少なくとも1つのファンと、前記動力源に関連し、かつ、前記少なくとも1つのファンに接続され、前記動力源の点火速度の関数として、前記少なくとも1つのファンの作動時間の長さを調節するための制御システムとを具備する。
図1〜図3を参照すると、本発明に係る燃焼動力式締結具駆動工具は、全体的に参照番号10で示されており、好ましくは、本願と一体をなすものとして参照した上記の特許に詳細に説明されているタイプと概ね同様の工具である。工具10のハウジング12が、ハウジング主室16内に内蔵された内部動力源14(図2)を包囲する。従来の燃焼工具と同様に、動力源14は内部燃焼によって動力を発生し、シリンダ20に連通する燃焼室18を有している。シリンダ20内に往復動自在に配設されたピストン22が、駆動ブレード24の上端に連結されている。図2に示すように、ピストンの往復動作の上限は、上死点または点火前位置と称され、そしてそれは点火の直前の、つまり、燃焼性ガスに点火し、締結具(図示せず)に衝当してワークに押し込むために駆動ブレード24の下方への駆動が開始する直前の位置である。
トリガースイッチ27(隠れて表示されている)と協働するトリガー26を押込むことによって、操作者は、燃焼室18内に燃焼を引き起こし、駆動ブレード24がノーズ部28(図1)内を下方へ駆動される。ノーズ部28は、締結具マガジン30によってノーズ部内に給送された締結具に衝当させるために、駆動ブレード24を案内する。
ノーズ部28にはワーク接触要素32が設けられており、ワーク接触要素はリンク機構34によって、往復動する弁スリーブ36に連結されている。弁スリーブの上端は、燃焼室18の一部を画成する。工具のハウジング12をワーク接触要素32に対して下方(周知となっているように、他の操作方向でもよい)へ押込むと、ワーク接触要素は休止位置から点火前位置へ移動する。この移動は、バネ38(図1では隠れている)によるワーク接触要素32の通常下方への付勢に対向して行われる。バネ38の位置は用途に応じて変えることができる。
リンク機構34を通じて、ワーク接触要素32は、弁スリーブ36に連結され、該弁スリーブと共に往復動作する。休止位置(図2)では、弁スリーブ36とシリンダヘッド42とを隔てる環状の間隙40があるので、燃焼室18は密閉されていない。前記環状の間隙は、弁スリーブ36とシリンダヘッド42とを隔てる上方間隙40Uと、弁スリーブ36とシリンダ20とを隔てる下方間隙40Lとを含み、上方間隙には、燃焼室スイッチ44とスパークプラグ46が配設されている。本工具10の好ましい実施形態では、シリンダヘッド42は、また、冷却ファン48および該冷却ファンを駆動するファンモータ49のための取付部となっいる。該冷却ファンおよびファンモータの少なくとも一部は、周知のように、また、本願と一体をなすものとして参照した上記特許に記載されているように、燃焼室18内に突き出ている。更に、本願と一体をなすものとして参照する米国特許第5713313号には、複数の冷却ファンを用いた燃焼動力式工具が開示されている。図2に示す休止位置では、燃焼室18は、その頂部がシリンダヘッド42により密閉されておらず、また、燃焼室スイッチ44が開成しているので、工具10は点火不能となっている。
操作者がワーク接触要素32をワークに押圧すると、点火可能となる。この操作は、バネの付勢力に対抗して行われ、これによって弁スリーブ36がハウジング12に関して上動し、間隙40が閉じ、燃焼室18が密閉され、燃焼室スイッチ44が起動する。この操作によって、また、計量された量の燃料が燃料キャニスター50(部分的に示されている)から燃焼室18内に供給される。
逐次操作として知られる操作モードでは、トリガー26が引かれると、点火プラグ46が活性化し、燃焼室18内の燃料と空気の混合気が点火し、ピストン22および駆動ブレード24が、ワークへ打込むために待機している締結具へ向けて下方へ送出される。ピストン22がシリンダを下方へ移動すると、該ピストンは空気を押して、少なくとも1つのペタル弁(petal valve)または逆止弁52、および、ピストンの移動行程を越えた位置(図2)に配置されている少なくとも1つの排気孔53を介して排気する。ピストン行程の下端つまりピストンの最大移動距離の位置で、周知のようにピストン22は弾性バンパー54に衝接する。ピストン22が排気逆止弁52を越えると、大気圧に近い状態が得られ、逆止弁52が閉じるまでシリンダ20から高圧気体が排気される。シリンダ20内の内部圧力の違いによって、ピストン22は図3に示す点火前位置へ復帰する。
上述したように、このタイプの燃焼動力式工具の1つの問題は、次のサイクルの前に、ピストン22を点火前位置へ迅速に復帰させることである。この必要性は、トリガー26が引込まれた位置または押入された位置に保持され、ワーク接触要素32が後退する度に点火する繰返しサイクルモードで工具を点火すべき場合に、特に決定的となる。各サイクルの操作の間、弁スリーブ36が最上位置(図3)へ到達したときに、燃焼室スイッチ44が閉成されることによって、工具の点火が行われる。こうした繰返しサイクル操作によって、工具の作動温度がしばしば上昇し、ピストンの復帰時間が長くなる。
工具サイクル時間が長くなったり、かつ/または、周囲温度が高くなって、工具が高温になるような場合のために、サーミスターのような少なくとも1つの温度検知装置60(図1に隠れ線で示す)が、好ましくは、シリンダ20の下端に、工具10の強制対流の流れの中に或いは該強制対流の流れと関連して作用するように配設されている。他のタイプの温度検知装置を用いてもよい。更に、用途によっては、他工具10の他の部位に配設してもよい。温度検知装置60は、中央処理装置(CPU)67と協働する制御プログラム66に接続されており、温度が好ましい「通常」作動範囲に低下するまで、少なくとも1つの冷却ファン48の「作動時間」を延長するようになっている。或いは、プログラム66は、燃焼室温度が「通常」作動範囲に戻るのに十分な所定時間、例えば90秒間、ファン48の作動を保持するようにしてもよい。好ましい実施形態では、プログラム66およびCPU67は、工具10のハンドル部68内に配設されている。
動力源14への温度検知装置60近接性、内部の強制対流流れ、および、有害なファンの作動を排除するための望ましい冷却効果に基づいて温度閾値が選択される。過剰なファン作動時間は、不必要に汚染要因物質を工具10内に引込むと共にバッテリー動力を消耗させる。また、過剰なファン作動時間の他の欠点には、ファンの構成要素の早期の損傷、や工具10のファンにより誘発される作動ノイズが含まれる。高サイクル速度への厳しい用途、および/または、周囲温度が高く過熱の問題が生じる場合のために、温度管理された強制対流は、一層信頼性の高い、燃焼動力式釘打ち性能をもたらし、かつ、工具の熱応力を低減する。
図4Aを参照すると共に逐次点火モードを考慮すると、本プログラムは、繰返し点火モードにも適用可能であるが、工具温度の監視に関連した制御プログラム66の部分が概括的に参照番号70で指示されている。開始プロンプト71から開始して、プログラム70は、72において、燃焼室スイッチ44(ヘッドと表す)が開成しているか否かを判定する。閉じたヘッドは、燃焼室18が閉じており、燃焼の準備ができていることを示す。ヘッドが閉じていると、プログラムは循環する。ヘッドが開いていると、プログラム70は、74において、トリガー26が開成しているか否かをチェックする。ヘッドが開いている状態でトリガー26が閉成していると、プログラムは循環する。ステップ76において、ヘッドが閉じると、ステップ78でファンが起動し、燃料と空気の混合気が燃焼室内で循環する。
次に、プログラム70は、80において、トリガー26が閉成しているか、或いは、82において、ヘッドが開いているかを判断することによって、点火プロセスを起動するか否かをチェックする。操作者が工具10の使用を中止したり、或いは、該工具を使用しないように置いたような場合のように、トリガー26が閉成されておらず、かつ、ヘッド44が再び開いている場合には、プログラム70は、84において、90秒ファン信号がオンになっているか否かをチェックする。なっていなければ、工具は使用されていないことを示しており、86において、ファン48を5秒間作動させて停止する。90秒ファン信号がオンの場合、プログラム70は、71の開始へ戻り、延長された冷却サイクルが継続する。
トリガー閉成(80)ヘッド開放(82)ループへ戻り、トリガー26が閉成されている場合、燃焼が望まれていることが示されており、プログラム70は、90において、スパークを活性化する。そして、それは、制御回路66に関連して実行される。点火後、プログラム70は、92において、ヘッド44が開いているか否かを判定し、開いていない場合プログラムは循環する。ヘッド44が開いている場合、プログラム70は、94において、トリガー26が開成されているか否かをチェックする。トリガーが開成されていなければ、該トリガーが開成されるまでプログラム70は循環し、トリガーが開成されたとき、プログラムは、状態に応じて、96の温度サブルーチンへ、98の温度比較サブルーチンへ、或いは、100の速度サブルーチンへ進む。温度比較サブルーチン96は、工具温度を監視するために1つの温度センサ60を使用し、工具温度が所定値を超過する場合に、ファン48を「オーバードライブ」として知られる延長作動させる。比較サブルーチン98は、ファン48をオーバードライブ作動させるために、2つの温度センサの読みに基づいて演算した値を用い、速度サブルーチン100は、ファン48をオーバードライブ作動させるために、工具10の点火速度を監視する。
図4Bを参照すると、温度サブルーチン96は、先ず、102において、ヘッド44が開いているか否かを判定する。ヘッド44が開いていると判定されると、104において、トリガー26がチェックされる。トリガー26が閉成されている場合、操作者が工具を活発に使用していることを示しており、プログラム70はトリガーが開成されるまで循環する。そのとき、ステップ106で、プログラム70は、温度センサ60からの温度を監視する。ステップ108において、プログラム70は、検知された温度が60℃よりも高いか否かを判定する。108で温度が60℃よりも高くなければ、プログラム70は、110で、ファン48が90秒間作動したことを示す、90秒ファンタイマーが作動しているか否かを判定する。作動してなければ、工具10が過度に使用されていないこと或いは使用が中断していることを示しており、112において、ファン48を5秒間作動させ停止し、その後プログラム70は開始ルーチン71へ戻る。
108において、温度が60℃よりも高く、110で、ファン48はもとより90秒ファンタイマーが作動している場合には、温度センサ60は、114において、監視した温度が40℃以下であるか否かを判定する。そうでなければ、工具が依然として作動温度にあることを示しており、プログラム70は、71の開始ルーチンを開始する。検知された温度が、90秒ファンタイマーの作動後に40℃以下に低下している場合、90秒が経過していなくとも、90秒ファンタイマーは5秒ファンタイマーを元の状態に戻し、そしてそれは、116において起動する。5秒後、ファン48、および、90秒ファンタイマー(118において後述する)の起動に関連して起動した光および/または音響アラームのような任意に設けることができる表示器115(図1)が停止される。次に、プログラム70は、71の開始へ進む。
108において監視している工具温度が60℃以上の場合、118において、ファン48、ファンタイマーおよび任意に設けることができる表示器115が90秒間作動し、そしてそれらは停止する。次いで、プログラム70は71の開始へ進む。90秒間ファンを作動させることによって、作動中に工具10が十分に冷却され、過熱が防止されることは好ましい。然しながら、本明細書に記載した温度レベルおよびファンの作動時間は、特定の用途に適するように修正可能なことは理解されよう。
図4Cを参照すると、温度比較サブルーチン98が設けられている。この実施形態では、工具10には、シリンダ20や燃焼室18のような動力源14の近傍に第1の温度センサ60が設けられている。第2の温度センサ120(図1では隠れている)が工具10に設けられているが、動力源14によってあまり影響されないような動力源14から更に遠位に配置されている。1つの選択可能な位置は、ハウジング12のハンドル部分68内であるが、他の位置でもよい。
最初に、ステップ124で、プログラム70は、第2の温度センサ120の読みから周囲の或いは周囲に近い参照温度値を検知する。次に、ステップ126で、プログラム70は、動力源14に一層近くに配設されている第1の温度センサ60から工具参照温度値を検知する。ステップ128では、センサ120、60からの読みが比較され、ΔT値を得る。ステップ130では、得られた温度差ΔTは、用途に応じて作成された公知の「ルックアップ」表のような所定値と比較される。得られた温度差が所定値よりも大きい場合、ステップ132において、ファンを90秒間作動させ停止する。得られた温度差が所定値よりも小さい場合、ステップ134でファン48を5秒間作動させ停止する。サブルーチン98は、温度差ΔTが大きければ大きいほど、ファンの作動時間も長くするようにしてもよい。ファンが停止すると、プログラムは71の開始へ戻る。ΔTを周囲の参照温度と比較してファンの作動時間を決定してもよい。
図4Dを参照して、速度サブルーチン100を説明する。プログラム70は、ステップ136で、工具サイクル速度、つまり1分間の点火数、或いは、ある時間内の連続燃焼数または点火プラグ46の点火数を検知し、次いでステップ138で、その値を「ルックアップ」表のような所定速度と比較する。このデータは、好ましくはCPU67により監視される。用途に応じて、過度な工具温度、例えば70℃を引き起こすのに十分な点火速度の閾値を確立してプログラム70に組込む。プログラム70は、ステップ140において、点火速度が所定の点火速度を超過したか否かを判定し、超過している場合は、工具10は過熱していると考えられ、或いは、作動温度が高くなっている。その場合、ステップ142で、ファンを90秒間作動して停止する。工具10に表示器が設けられている場合には、図4Bに関連して上述したように、一時的に表示器115を作動させるようにする。演算された点火速度が所定の速度よりも小さい場合、工具温度は許容値内であることが示されており、ステップ114において、ファン48を5秒間作動させて停止する。このとき表示器115を断続的に作動させてもよい。ステップ142またはステップ144が終了すると、プログラム70は71の開始へ戻る。
プログラム70は、温度サブルーチン96、温度比較サブルーチン98、速度サブルーチン100を組み合わせて用いるようしてもよく、これらのサブルーチンはファン制御として互いに排他的に用いる必要はない。
本発明による燃焼動力式締結具駆動工具用ファン制御のための温度監視の特定の実施形態を説明したが、本発明の広い特徴の範囲および特許請求の範囲から逸脱することなく、その変更と修正が可能であることは当業者の当然とするところである。
本発明の温度制御システムを備えた締結具駆動工具の正面斜視図である。 図1の工具の部分垂直部分断面図であ、休止位置を示す図である。 図2の工具の部分垂直部分断面図であり、点火前位置を示す図である。 必要に応じてファンを作動させるために工具温度を監視するようにした制御プログラムを示すフローチャートである。 必要に応じてファンを作動させるために工具温度を監視するようにした制御プログラムを示すフローチャートである。 必要に応じてファンを作動させるために工具温度を監視するようにした制御プログラムを示すフローチャートである。 ファンを作動させるために工具の点火速度を監視するようにした制御プログラムを示すフローチャートである。
符号の説明
10 燃焼動力式締結具駆動工具
12 ハウジング
14 内部動力源
16 ハウジング主室
18 燃焼室
20 シリンダ
22 ピストン
24 駆動ブレード
26 トリガー
28 ノーズ部
60 第1の温度検知装置
70 制御プログラム
120 第2の温度検知装置

Claims (12)

  1. 燃焼動力式締結具駆動工具において、
    燃焼式動力源と、
    前記動力源と協働する少なくとも1つのファンと、
    前記動力源の近傍に配設された少なくとも1つの温度検知装置と、
    前記動力源に関連し、かつ、前記少なくとも1つのファンおよび前記少なくとも1つの温度検知装置に接続され、前記少なくとも1つの温度検知装置により検知された動力源の温度の関数として、前記少なくとも1つのファンの作動時間の長さを調節するための制御システムとを具備し
    前記少なくとも1つの温度検知装置は、前記動力源の近傍に配設された第1の温度検知装置と、前記動力源から更に遠位に配設され周囲温度を検知する第2の温度検知装置とを含み、
    前記制御システムは、前記第1と第2の温度検知装置の読みを比較して温度差ΔTを演算し、該温度差ΔTが大きければ大きいほど長くなるように、前記少なくとも1つのファンの作動時間を調節するようにした燃焼動力式締結具駆動工具。
  2. 前記制御システムは、前記温度検知装置が前記動力源の予め決定された許容温度を検知するまで前記ファンを作動させる請求項1に記載の工具。
  3. 前記制御システムは、前記少なくとも1つのファンを所定時間作動させる請求項1に記載の工具。
  4. 前記第1の温度検知装置は、前記工具の強制対流の流れの中に配置されている請求項1に記載の工具。
  5. 前記第1の温度検知装置はサーミスターを含む請求項1に記載の工具。
  6. 前記制御システムは、前記ΔTと、前記第2の温度検知装置の読みとを比較して、前記少なくとも1つのファンの作動時間を調節するようになっている請求項1に記載の工具。
  7. 前記制御システムは、前記ΔTに比例して、前記少なくとも1つのファンの作動時間を増加するようになっている請求項1に記載の工具。
  8. 前記工具がトリガースイッチとヘッドスイッチとを含み、該トリガースイッチとヘッドスイッチの何れか一方が燃焼を開始させ、かつ、該工具が作動していることを示すようになっており、
    前記制御システムは、前記スイッチの双方を監視することによって該工具が作動しているか否かを判定し、前記スイッチの双方が閉成されており該工具が作動している場合には、該工具の温度を監視して、該工具の温度が所定値を超過しているか否かを判定し、超過している場合に前記少なくとも1つのファンを作動させるようになっている請求項1に記載の工具。
  9. 前記少なくとも1つのファンは、所定時間が経過したとき、或いは、監視している温度が所定値よりも低くなったときに停止するようになっている請求項8に記載の工具。
  10. 前記の温度検知装置は前記工具の強制対流の流れの中に配置されており、前記監視している温度が60℃を超過した場合に、前記少なくとも1つのファンを90秒間または前記監視している温度が40℃以下となるまで作動させるようにした請求項9に記載の工具。
  11. 前記制御システムは、また、前記工具の点火速度の関数として前記少なくとも1つのファンを作動させるようになっている請求項1に記載の工具。
  12. 前記工具がトリガースイッチとヘッドスイッチとを含み、該トリガースイッチとヘッドスイッチの何れか一方が燃焼を開始させ、かつ、該工具が作動していることを示すようになっており、
    前記制御システムは、前記スイッチの双方を監視することによって該工具が作動しているか否かを判定し、前記スイッチの双方が閉成されており該工具が作動している場合には、該工具の温度を監視して、該工具の温度が所定値を超過しているか否かを判定し、超過している場合に前記少なくとも1つのファンを作動させるようになっている請求項6に記載の工具。
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