JP4718221B2 - イオン交換膜用原膜の製造方法 - Google Patents
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(1)前記巻き取りローラの外径が0.1m以上であること、
(2)前記基材シートの厚みが10乃至500μmの範囲にあり、前記重合性シートの厚みが10乃至1000μmの範囲にあること、
が好適である。
図1は、本発明で実施される重合性シートの作製及び巻き取り工程を示す図であり、
図2は、図1の工程で得られる重合性シートの層構造を離型性フィルムと共に示す図である。
本発明において、基材シート1としては、従来からイオン交換膜の補強用基材として使用されているものが何ら制限なく使用され、例えば、素材としてポリ塩化ビニルや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン或いはこれらの共重合体もしくはブレンド物などのポリオレフィン製のものが使用されるが、最終的に製造されるイオン交換膜の耐久性等の点で、特にポリオレフィン製の基材シートが好適である。
上記基材シート1に塗布される重合性ペースト5は、イオン交換基を導入する樹脂を形成するものであり、少なくとも重合性単量体や重合開始剤を含み、また、粘度調整剤として、イオン交換基の導入には寄与しないマトリックス樹脂を含有し、さらに、必要により架橋剤を含有している。
本発明においては、上記のように重合開始剤量が所定の範囲に設定されている重合性ペースト5中に、塗布槽7で基材シート1を浸漬することにより、基材シート1が重合性ペースト5の層中に埋め込まれた重合性シート20が作製される。従って、かかる重合性シート20の厚みは、基材シート1よりも厚く、通常、10乃至500μm程度の範囲にある。
本発明において、塗布槽7で基材シート1を重合性ペースト5中に浸漬することにより形成された重合性シート20には、その一方の面に離型性フィルム11が貼り付けられ、離型性フィルムと重合性シート20とのラミネートの形で巻き取りローラ9に巻き取られる。即ち、離型性フィルム11を貼り付けておかないと、巻き取りローラ9上に重合性シート20が一体化してシート形状が損なわれてしまうからである。
重合性シート20と離型性フィルム11とのラミネートの巻き取りに使用する巻き取りローラ9の大きさは、特に制限されないが、あまり小さいと、生産効率を高めるためには、重合性シート20の巻き数を著しく多くしなければならず、重合性シート20のトータル厚みが著しく厚くなってしまうため、一般には、その外径が0.1m以上であることが好ましい。また、この巻き取りローラ9は、ステンレススチール等の金属材料から形成され、且つ軽量化のため、その内部は中空となっている(図1参照)。さらに、この巻き取りローラ9は、適度な熱容量を有していることが好ましく、例えば巻き取られた重合性シート20中に存在する単量体1kg当りの熱容量が2〜15kJ/℃程度となるように、巻取りローラ9の厚みtが設定されていることが好ましい。即ち、巻き取りローラ9の熱容量がこの程度の範囲にあると、適度な熱伝達により、重合性シート20に発生する重合熱を吸収し、重合熱による重合性シート20の異常昇温を抑制することができる。
本発明では、上記のようにして重合性シート20がトータル厚みで10mm以上となるまで巻かれた状態で重合が行われる。即ち、離型性フィルム11が貼り付けられた重合性シート20が巻き取られた状態で、巻き取りローラ9を重合装置内に導入し、重合装置内の雰囲気を所定の重合温度まで加熱することにより、重合性ペースト5の重合が行われ、イオン交換基を導入するための原膜を得ることができる。
上記のようにして得られた原膜は、重合熱が離型性フィルム11を引き剥がした後、イオン交換基が導入され、陽イオン交換膜或いは陰イオン交換膜としての使用に供される。
クロロメチルスチレン80重量部、スチレン10重量部、工業用ジビニルベンゼン5重量部、スチレン−ブタジエンゴム5重量部、ジオクチルフタレート5重量部及びラジカル重合開始剤ベンゾイルパーオキサイド(10時間半減期温度74℃)6重量部添加して、ペースト混合物を得た。
次いで塩化ビニル製の基材シート(厚さ100μm)に上記ペースト混合物を塗布し、表1に示すようなポリエステルフィルムを離型性フィルムとして巻取りローラに、重合性シートのトータル厚みが30mmになるように巻き取った。その後巻取りローラをオートクレーブに入れて、圧力0.4Mpaの窒素ガス中にて75℃で8時間保持した。得られた原膜をトリメチルアミン中に室温24時間浸漬して、第4級化反応を行った。得られたイオン交換膜の膜性能を表1に示す。
クロロメチルスチレン10重量部、スチレン80重量部、工業用ジビニルベンゼン5重量部、クエン酸トリブチル15重量部、塩化ビニル粉末40重量部及びラジカル重合開始剤ラウリルパーオキサイド(10時間半減期温度62℃)3重量部添加して、ペースト混合物を得た。
次いで塩化ビニル製の基材シート(厚さ100μm)に上記ペースト混合物を塗布し、表2に示すようなポリエステルフィルムを離型性フィルムとして巻取りローラに、重合性シートのトータル厚みが20mmになるように巻き取った。その後巻取りローラをオートクレーブに入れて、圧力0.4Mpaの窒素ガス中にて80℃で5時間保持した。得られた原膜を98%濃硫酸と90%クロロスルホン酸の1:1混合溶液中に40℃で60分間浸漬した。得られたイオン交換膜の膜性能を表2に示す。
表3に示すようなポリエステルフィルムを離型性フィルムとして使用した以外は、実施例1と同様に行った。得られたイオン交換膜の膜性能を表3に示す。
5:重合性ペースト
9:巻き取りローラ
11:離型性フィルム
20:重合性シート
Claims (3)
- 重合性単量体及び重合開始剤を含む重合性ペーストからなる層の内部に基材シートが埋め込まれている重合性シートを、その一方の面に離型性フィルムを貼り付けながら巻き取りローラにより連続的に巻き取り、離型性フィルムが貼り付けられた重合性シートが巻き取りローラに巻かれた状態で前記重合性ペーストを重合することにより、イオン交換膜用原膜を製造する方法において、
前記離型性フィルムとして、1m2当り1.2〜5.0kJ/℃の熱容量を有するものを使用し、且つ該重合性ペーストの重合を、前記巻き取りローラ上での重合性シートのトータル厚みを10mm以上として行うことを特徴とするイオン交換膜用原膜の製造方法。 - 前記巻き取りローラの外径が0.1m以上である請求項1に記載の製造方法。
- 前記基材シートの厚みが10乃至500μmの範囲にあり、前記重合性シートの厚みが10乃至1000μmの範囲にある請求項1または2に記載の製造方法。
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