JP4715948B2 - 車体側部構造 - Google Patents

車体側部構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4715948B2
JP4715948B2 JP2009125075A JP2009125075A JP4715948B2 JP 4715948 B2 JP4715948 B2 JP 4715948B2 JP 2009125075 A JP2009125075 A JP 2009125075A JP 2009125075 A JP2009125075 A JP 2009125075A JP 4715948 B2 JP4715948 B2 JP 4715948B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pillar
door
vehicle
side door
load
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009125075A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009184672A (ja
Inventor
洋樹 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2009125075A priority Critical patent/JP4715948B2/ja
Publication of JP2009184672A publication Critical patent/JP2009184672A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4715948B2 publication Critical patent/JP4715948B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、ピラーに取り付けられたドアヒンジ回りに回動可能に支持されたサイドドアを含み、ピラーとサイドドアとの対向面間に所定の隙間を有しかつサイドドアの横断面の図心位置がピラーの横断面の図心位置に対して車両幅方向外側へオフセットして配置されている車体に適用される車体側部構造に関する。
下記特許文献1には、前面衝突時の衝突荷重を効率良く受け止める等の観点から、フロントサイドドアの前端部に板材より成るブラケットを設け、このブラケットの中間部に車両前後方向に延びるインパクトビームの前端部を接合すると共に、ブラケットの前端部をドアヒンジブラケットと共締めする技術が開示されている。なお、ブラケットの後端部は、ドアアウタパネルの車室内側の面に結合されている。
上記構成によれば、前面衝突時に衝突荷重がフロントピラー及びドアヒンジを介してフロントサイドドアに入力されると、ドアヒンジとインパクトビームの前端部とが車両幅方向に略同一に配置されているため、フロントサイドドアに入力された荷重をインパクトビームで受け止めることができる。その結果、フロントサイドドアの変形を抑制することができるというものである。
特開平11−310036号公報 特開平10−119574号公報
しかしながら、上記先行技術による場合、以下の点において改良の余地がある。
すなわち、一般に、フロントサイドドアの横断面の図心位置は、フロントピラーの横断面の図心位置に対して車両幅方向外側へオフセットしている(ずれている)。また、フロントサイドドアの前端面とフロントピラーの後端面との間には所定の隙間が設定されている。これら二点より、前面衝突すると、フロントピラーの後端面がフロントサイドドアの前端面に干渉するまでは、フロントピラーがドアヒンジ回りに回転し、その回転途中でドアヒンジがフロントサイドドアの前端面に底付き、かかる底付きが生じると、それ以降はフロントサイドドアに車両幅方向外側への曲げモーメント(フロントサイドドアを車室外側へ湾曲させる曲げモーメント)が作用する。この点は、上記先行技術においても同様である。
上記背景から、前面衝突時に車枠の変形を効果的に抑制する構造の提案が望まれていた。
本発明は上記事実を考慮し、前面衝突時に車枠の変形を効果的に抑制することができる車体側部構造を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る車体側部構造は、車体側部に略車両上下方向を長手方向として配置されると共に後端フランジ部を有するピラーに取り付けられたドアヒンジ回りに回動可能に支持されたサイドドアを含み、ピラーとサイドドアとの対向面間に所定の隙間を有しかつサイドドアの横断面の図心位置がピラーの横断面の図心位置に対して車両幅方向外側へオフセットして配置されている車体に適用される車体側部構造であって、前記ピラーの隙間側端面に設けられると共に開口として構成された被係合部と、前記サイドドアのドアインナパネルの前端側にサイドドアとは別体で設けられていると共に、一端部がドアインナパネルに固定され、他端部が前面衝突前の状態ではピラーの後端フランジ部の車室外側に近接して配置されると共に前記被係合部に対して離間した位置でかつ対向する位置に保持されかつピラーへの前面衝突荷重の入力時には前記被係合部に係合することによりピラーのそれ以上の回転変位を抑制して当該前面衝突荷重を車両後方側への軸力としてサイドドアに作用させる串状の荷重伝達部材と、を含んで構成された荷重伝達手段を備えている、ことを特徴としている。
請求項1記載の本発明によれば、前面衝突すると、その際の衝突荷重がピラーに入力される。
ここで、ピラーとサイドドアとの対向面間には所定の隙間が設けられており、かつサイドドアの横断面の図心位置がピラーの横断面の図心位置に対して車両幅方向外側へオフセットして配置されているため、ピラーに車両後方側への衝突荷重が入力されると、ピラーはドアヒンジ回りに隙間を潰す方向である車室内側へ回転変位してくる。この回転変位量が所定量を超えると、サイドドアにピラーの回転変位方向と同一方向への曲げモーメントが発生し、サイドドアの前後方向中間部を車両幅方向外側へ変形させようとする。
しかし、本発明では、前面衝突時の衝突荷重によってピラーがドアヒンジ回りに回転変位しようとすると、ピラーの隙間側端面に設けられると共に開口として構成された被係合部が、サイドドアのドアインナパネルの前端側にサイドドアとは別体で設けられると共に一端部がドアインナパネルに固定された串状の荷重伝達部材の他端部に係合される。荷重伝達部材の他端部が被係合部に係合すると、ピラーはそれ以上の回転変位ができなくなる。従って、サイドドアに作用する曲げモーメントが抑制され、その分、車両後方側への軸力として衝突荷重を伝達することができる。つまり、本発明によれば、ピラーとサイドドアとの間に、串状の荷重伝達部材を経由する新たな荷重伝達経路を設けることができる。
すなわち、本発明によれば、前面衝突時に作用する衝突荷重によってサイドドアを湾曲させる曲げモーメントを低減(抑制)し、車両後方側への軸力としてサイドドアに作用させることにより、車体側部に入力された前面衝突荷重を車両後方側へ効率良く流すことができる。
また、本発明によれば、荷重伝達部材が隙間に介在されるスペーサ状に構成されているため、荷重伝達部材専用の設置スペースを新たに確保する必要がない。
以上説明したように、請求項1記載の車体側部構造は、車体側部に略車両上下方向を長手方向として配置されると共に後端フランジ部を有するピラーに取り付けられたドアヒンジ回りに回動可能に支持されたサイドドアを含み、ピラーとサイドドアとの対向面間に所定の隙間を有しかつサイドドアの横断面の図心位置がピラーの横断面の図心位置に対して車両幅方向外側にオフセットして配置されている車体に適用され、ピラーの隙間側端面に設けられると共に開口として構成された被係合部と、前記サイドドアのドアインナパネルの前端側にサイドドアとは別体で設けられていると共に、一端部がドアインナパネルに固定され、他端部が前面衝突前の状態ではピラーの後端フランジ部の車室外側に近接して配置されると共に前記被係合部に対して離間した位置でかつ対向する位置に保持されかつピラーへの前面衝突荷重の入力時には前記被係合部に係合することによりピラーのそれ以上の回転変位を抑制して当該前面衝突荷重を車両後方側への軸力としてサイドドアに作用させる串状の荷重伝達部材と、を含んで構成された荷重伝達手段を備えているので、ピラーとサイドドアとの間に、串状の荷重伝達部材を経由する新たな荷重伝達経路を設けることができ、その結果、簡単な構成で確実に前面衝突時に車枠の変形を効果的に抑制することができるという優れた効果を有する。
また、本発明に係る車体側部構造は、荷重伝達部材が隙間に介在されるスペーサ状に構成されているため、荷重伝達部材専用の設置スペースを新たに確保する必要がなく、その結果、車室内空間を犠牲にすることなくコンパクトに設置することができ、更に低コストで実施できるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係る車体側部構造の全体構成を前面衝突後の状態で示す横断面である。 第1実施形態に係る車体側部構造の全体構成を前面衝突前の状態で示す横断面(図4の1‐1線断面図)である。 第1実施形態の要部を拡大して示す図2の要部拡大断面図である。 ベルトラインを示す車両の側面図である。 第2実施形態に係る車体側部構造の全体構成を前面衝突前の状態で示す横断面である。 第2実施形態に係る車体側部構造の全体構成を前面衝突後の状態で示す横断面である。 第2実施形態の要部を拡大して示す図6の要部拡大断面図である。 第3実施形態に係る車体側部構造の全体構成を前面衝突前の状態で示す横断面である。 第3実施形態に係る車体側部構造の全体構成を前面衝突後の状態で示す横断面である。 第3実施形態の要部を拡大して示す図9の要部拡大断面図である。
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図4を用いて、第1実施形態について説明する。なお、この第1実施形態は参考例とする。また、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
図1には、本実施形態に係る車体側部構造の全体構成を前面衝突後の状態で示す横断面図が示されている。また、図2には、当該車体側部構造の全体構成を前面衝突前の状態で示す横断面図が示されている。さらに、図4には、車両の側面図が示されている。
これらの図に示されるように、車体側部10の前部、中間部、後部には、略車両上下方向に沿って延在するフロントピラー12、センタピラー14、リヤピラー16がこの順に配設されている。フロントピラー12とセンタピラー14との間には、フロントサイドドア18が配設されており、又センタピラー14とリヤピラー16との間にはリヤサイドドア20が配設されている。なお、図4において車両の前端部に接触した状態で描かれているものは、バリア22である。
上述した車体側部10のフロントサイドドア18及びリヤサイドドア20のドア本体部の上縁に沿ったラインがベルトライン24であり(なお、図4では、フロント側のみ図示している。)、以下、フロントサイドドア18側のベルトライン24を水平に切断し車両上方側から見た状態を描いた図1〜図3に基づいて本実施形態の要部を説明する。
図2に示されるように、フロントサイドドア18は、車室外側に配置されるドアアウタパネル26と、車室内側に配置されてヘミング加工によりドアアウタパネル26に一体化されて閉断面を構成するドアインナパネル28と、を含んで構成されている。
上記フロントサイドドア18の前方側には、ピラーアウタパネル30及びピラーインナパネル32とによって中空柱状に形成された車両骨格部材であるフロントピラー12が略車両上下方向に沿って延在されている。フロントピラー12の前端部及び後端部には、各パネルの端末部を合わせて構成された前端フランジ部12A及び後端フランジ部12Bが車両前後方向を向くように配置されている。なお、ピラーアウタパネル30とピラーインナパネル32とによって閉断面構造に構成される断面内にピラーリインフォースを設ける場合がある。
同様に、フロントサイドドア18の後方側には、ピラーアウタパネル34及びピラーインナパネル36とによって中空柱状に形成された車両骨格部材であるセンタピラー14が略車両上下方向に沿って延在されている。センタピラー14の前端部及び後端部には、各パネルの端末部を合わせて構成された前端フランジ部14A及び後端フランジ部14Bが車両前後方向を向くように配置されている。なお、ピラーアウタパネル34とピラーインナパネル36とによって閉断面構造に構成される断面内にピラーリインフォースを設ける場合がある。
さらに、上述したフロントピラー12の長手方向の略中間部には、車体前部の側面上部側に車両前後方向を長手方向として配置されたエプロンアッパメンバ38の後端部が接合されている。エプロンアッパメンバ38は長尺状に形成されており、前面衝突時には車両後方側への衝突荷重を受ける部材である。
ここで、上記各部材の位置関係について説明すると、フロントピラー12のピラーアウタパネル30の後端面30Aとフロントサイドドア18のドアインナパネル28のドアヒンジ側端面としての前端面28Aとは前後に対向して配置されており、両者の間には所定の隙間40が設けられている。同様に、センタピラー14のピラーアウタパネル34の前端面34Aとフロントサイドドア18のドアインナパネル28の後端面28Bとは前後に対向して配置されており、両者の間には所定の隙間42(図2参照)が設けられている。
さらに、上記フロントサイドドア18の横断面の図心位置G1は、フロントピラー12の横断面の図心位置G2に対して車両幅方向外側へ所定距離w(図2参照)だけオフセットして配置されている。
そして、上記位置関係の下、平面視で略L字状に形成されたドアヒンジ44の前部(車両前後方向に沿って延在する部分)44Aがフロントピラー12のピラーアウタパネル30の外側面に図示しないボルト及びナット等の締結具等により固定されている。一方、ドアヒンジ44の後部(車両幅方向に沿って延在する部分)44Bは、フロントサイドドア18のドアインナパネル28の前端面28A側に設けられたヒンジピン46に回動可能に軸支されている。これにより、フロントサイドドア18は、ドアヒンジ44(ヒンジピン46)回りに車両水平面内で回動(開閉)可能とされており、所謂スイング式のサイドドアを構成している。
ここで、上述したフロントサイドドア18のドアインナパネル28の前端側(即ち、隙間40の近傍位置)には、ベルトライン24上に高強度の荷重伝達部材48が配設されている。荷重伝達部材48は平面視で扁平な略S字状に形成されたブラケット状の部材であり、板厚が厚い板材或いは断面コ字状の板材を屈曲させること等により形成されている。
上記構成の荷重伝達部材48の一端部48Aは、ドアインナパネル28の車室内側の面にボルト接合又は溶接接合により固定されている。また、荷重伝達部材48の他端部48Bは、中間部48Cを介すことによりドアインナパネル28の車室内側の面から所定距離だけ車室内側へ離間した位置に配置されている。従って、荷重伝達部材48はドアインナパネル28に片持ち支持されている。これにより、荷重伝達部材48の他端部48Bは、フロントピラー12の後端フランジ部12Bの車室内側に近接した状態(フロントサイドドア18の開閉動作を担保するため、後端フランジ部12Bに当接はしておらず、非接触の状態)で配置されている。
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図2に示される状態が前面衝突前の状態である。この状態からバリア22に前面衝突すると、車両前部の両サイドに車両前後方向を長手方向として配置されたエプロンアッパメンバ38に衝突荷重Fが入力され、フロントピラー12に伝達される。
ここで、フロントピラー12とフロントサイドドア18との対向面間には所定の隙間40が設けられており、かつフロントサイドドア18の横断面の図心位置G1がフロントピラー12の横断面の図心位置G2に対して車両幅方向外側へオフセットして配置されているため、フロントピラー12に車両後方側への衝突荷重Fが入力されると、図1及び図3に示されるように、フロントピラー12はドアヒンジ44のヒンジピン46回りに隙間40を潰す方向である車室内側へ回転変位してくる。この回転変位量が所定量を超えると、フロントサイドドア18にフロントピラー12の回転変位方向と同一方向への曲げモーメントが発生し、フロントサイドドア18を湾曲(フロントサイドドア18の前後方向中間部を車両幅方向外側へ変形)させようとする。
しかし、本実施形態では、フロントサイドドア18のドアインナパネル28の前端側に荷重伝達部材48を設けたので、フロントピラー12がドアヒンジ44のヒンジピン46回りに車室内側へ回転変位すると、フロントピラー12の後端フランジ部12Bが荷重伝達部材48の他端部48Bに当接し係止される。荷重伝達部材48の一端部48Aはドアインナパネル28に強固に固定されており、荷重伝達部材48自体も高強度部材で構成されているため、フロントピラー12はそれ以上車室内側へ回転変位することができなくなり、フロントピラー12のドアヒンジ44(のヒンジピン46)回りの回転変位量が抑制(低減)される。従って、フロントピラー12からフロントサイドドア18へ作用する曲げモーメントM1は小さく抑えられ、その分、荷重伝達部材48を介してフロントサイドドア18に車両後方側への軸力Nが増加して作用する。なお、センタピラー14側では、本来の曲げモーメントM2(>M1)が作用する。
すなわち、本実施形態によれば、前面衝突時に作用する衝突荷重Fによってフロントサイドドア18を湾曲させる曲げモーメントM1を低減(抑制)し、その分、車両後方側への軸力Nとしてフロントサイドドア18に作用させることにより、車体側部10に入力された前面衝突荷重Fを車両後方側へ効率良く流すことができる。更に換言すれば、本実施形態によれば、フロントピラー12とフロントサイドドア18との間に、ブラケット状の荷重伝達部材48を経由する新たな荷重伝達経路を設けることができる。その結果、本実施形態によれば、前面衝突時に車枠の変形を効果的に抑制することができる。
しかも、上記の現象をより正確に説明すると、本実施形態では、フロントピラー12がドアヒンジ44のヒンジピン46回りに車室内側へ回転変位して当該ドアヒンジ44の後部44Bがフロントサイドドア18のドアヒンジ側端面である前端面28Aに底付きする前に荷重伝達部材48によってフロントピラー12の回転変位を拘束するので、フロントサイドドア18への曲げモーメントM1の発生を効果的に抑制して車両後方側への軸力Nとして伝達する(荷重を流す)機能が高められる。その結果、本実施形態によれば、前面衝突時に車枠の変形を効果的に抑制することに対する精度或いは信頼性を高めることができる。
加えて、本実施形態では、荷重伝達部材48の他端部48Bをフロントピラー12の後端フランジ部12Bの車室内側に近接して配置させたので、前面衝突時にフロントピラー12が若干回転変位すると、後端フランジ部12Bが荷重伝達部材48の他端部48Bに干渉するので、逆に見れば、フロントサイドドア18が車両幅方向外側へ変位しようとしても、荷重伝達部材48の他端部48Bがフロントピラー12の後端フランジ部12Bに係止されるので、前面衝突時におけるフロントサイドドア18の車両幅方向外側への変位(横方向移動)を抑制する機能も併有する。
さらに、本実施形態では、荷重伝達部材48がドアヒンジ44よりも車室内側に配置されるため、フロントピラー12の回転変位を堰き止める構造を設定し易い。その結果、車種に合わせて最適な荷重伝達部材48の構成(形状等)を選択することができる。
また、前記効果に関連する事項であるが、本実施形態では、隙間40を狭めることなく荷重伝達部材48を設定することができるので、設計段階で従来の車体側部構造に変更を加えることなく、後付けすることができる。
さらに、本実施形態では、ドアベルトライン24に沿った位置に荷重伝達部材48を設定したので、車枠の変形を効果的に抑制することができる。すなわち、車枠の変形を抑制するためには、前面衝突時に車両後方側への衝突荷重の入力が比較的大きい部位を補強することが効果的である。そこで、本実施形態では、車体前部から車体側部10へ比較的大きな衝突荷重が入り易いドアベルトライン24に沿った位置に荷重伝達部材48を設定することとした。これにより、フロントサイドドア18の前後方向中間部を車室外側へ変形させる曲げモーメントM1を効果的に抑制して車両後方側への軸力として効率良く衝突荷重を流すことができる。
〔第2実施形態〕
以下、図5〜図7を用いて、本発明に係る車体側部構造の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
これらの図に示されるように、第2実施形態に係る車体側部構造では、フロントピラー12の後端面30Aとフロントサイドドア18の前端面28Aとの間に設定された隙間40にスペーサ状の荷重伝達部材50を介在させた点に特徴がある。
具体的に説明すると、フロントサイドドア18のドアインナパネル28の前端面28Aには、ドアヒンジ44よりも車室内側にスペーサ状の荷重伝達部材50が固着されている。荷重伝達部材50の厚さは前記隙間40の間隙寸法よりも薄く設定されている。従って、通常のドア開閉時には、荷重伝達部材50がフロントピラー12のピラーアウタパネル30の後端面30Aに干渉することはない。さらに、荷重伝達部材50の前端面50Aは、フロントピラー12がドアヒンジ44のヒンジピン46回りに車室内側へ底付きしない所定角度だけ回転変位したときにピラーアウタパネル30の後端面30Aと面当たりさせるべく、所定角度の傾斜面とされている。
上記構成によれば、フロントピラー12のピラーアウタパネル30の後端面30Aとフロントサイドドア18のドアインナパネル28の前端面28Aとの隙間40にスペーサ状の荷重伝達部材50を介在させたので、フロントピラー12がドアヒンジ44のヒンジピン46回りに車室内側へ回転変位しようとすると、ドアヒンジ44の後部44Bがフロントサイドドア18の前端面28Aに底付きする前に、フロントピラー12の後端面30Aが荷重伝達部材50の前端面50Aに当接し、フロントピラー12はそれ以上の回転変位ができなくなる。従って、前面衝突時にフロントサイドドア18に作用する曲げモーメントM1が抑制され、その分、車両後方側への軸力Nとして衝突荷重を伝達することができる。つまり、本実施形態によれば、フロントピラー12とフロントサイドドア18との間に、スペーサ状の荷重伝達部材50を経由する新たな荷重伝達経路を設けることができる。その結果、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、簡単な構成で確実に前面衝突時に車枠の変形を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、荷重伝達部材50が隙間40に介在されるスペーサ状に構成されているため、荷重伝達部材専用の設置スペースを新たに確保する必要がない。その結果、車室内空間を犠牲にすることなくコンパクトに荷重伝達部材50を設置することができ、更に低コストで実施できる。
さらに、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、ドアヒンジ44の底付き前にフロントピラー12の回転変位を停止させることができるので、フロントサイドドア18への曲げモーメントM1の発生を抑制して車両後方側への軸力Nとして伝達する(荷重を流す)機能を高めることができ、その結果、前面衝突時に車枠の変形を効果的に抑制することに対する精度或いは信頼性を高めることができる。
さらに、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、荷重伝達部材50をドアヒンジ44よりも車室内側の隙間40に配置する構成であるため、適用する車種の隙間に合わせて最適な荷重伝達部材50の構成(厚さや形状等)を選択することができる。
また、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、隙間40を狭めることなく(ここでいう「狭める」というのは、荷重伝達部材50を設定するがために、従来から設定されている隙間の寸法を狭めなければならなくなるという意味である。)荷重伝達部材50を設定することができるので、設計段階で従来の車体側部構造に変更を加えることなく、後付けすることができる。
さらに、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、ドアベルトライン24に沿った位置に荷重伝達部材50を設定したので、車枠の変形を効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態では、フロントサイドドア18のドアインナパネル28の前端面28Aにスペーサ状の荷重伝達部材50を設けたが、これに限らず、フロントピラー12のピラーアウタパネル30の後端面30Aにスペーサ状の荷重伝達部材を設けてもよいし、荷重伝達部材の厚さを半分ずつにしてフロントピラー12側とフロントサイドドア18側とに振り分けるようにしてもよい。
〔第3実施形態〕
以下、図8〜図10を用いて、本発明に係る車体側部構造の第3実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
これらの図に示されるように、第3実施形態に係る車体側部構造では、フロントピラー12のピラーアウタパネル30の後端面30Aに開口60を形成すると共に、フロントサイドドア18のドアインナパネル28の前端側に串状の荷重伝達部材62を設けた点に特徴がある。
具体的に説明すると、フロントサイドドア18のドアインナパネル28の前端側には、一端部62Aがドアインナパネル28に固定され、他端部62Bがドアインナパネル28の前端面28Aよりも車両前方側へ突出された細長い串状の荷重伝達部材62が配設されている。荷重伝達部材62の他端部62Bはフロントピラー12の後端フランジ部12Bの車室外側に近接して配置されている。
一方、フロントピラー12のピラーアウタパネル30の後端面30Aには、荷重伝達部材62の他端部62Bと対向する位置に矩形状等の開口60が形成されている。
上記構成によれば、図8に示されるように、前面衝突前の状態では、荷重伝達部材62の他端部62Bはフロントピラー12の開口60に対して若干離間した位置に保持されている。
この状態から前面衝突時になると、図9に示されるように、前面衝突荷重Fによってフロントピラー12がドアヒンジ44のヒンジピン46回りに車室内側へ回転変位しようとする。そうすると、ドアヒンジ44の後部44Bがフロントサイドドア18の前端面28Aに底付きする前に、荷重伝達部材62の他端部62Bがフロントピラー12の後端面30Aに形成された開口60に突き刺さる。そして、開口60の周縁部に荷重伝達部材62の他端部62Bが所定長さ食い込んだところでフロントピラー12の回転変位は停止(阻止)される。従って、前面衝突時にフロントサイドドア18に作用する曲げモーメントM1が抑制され、その分、車両後方側への軸力Nとして衝突荷重を伝達することができる。つまり、本実施形態によれば、フロントピラー12とフロントサイドドア18との間に、串状の荷重伝達部材62を経由する新たな荷重伝達経路を設けることができる。その結果、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、簡単な構成で確実に前面衝突時に車枠の変形を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、ドアヒンジ44の底付き前にフロントピラー12の回転変位を停止させるので、フロントサイドドア18への曲げモーメントM1の発生を抑制して車両後方側への軸力Nとして伝達する(荷重を流す)機能を高めることができ、その結果、前面衝突時に車枠の変形を効果的に抑制することに対する精度或いは信頼性を高めることができる。
加えて、本実施形態では、荷重伝達部材62の他端部62Bをフロントピラー12の後端面30Aに突き刺して係合させる構成であるため、フロントサイドドア18が車両幅方向外側へ変位しようとしても、荷重伝達部材62の他端部62Bがフロントピラー12の後端面30Aの開口60に係合しているので、前面衝突時におけるフロントサイドドア18の車両幅方向外側への変位(横方向移動)を抑制する機能も併有する。
さらに、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、荷重伝達部材62をドアヒンジ44よりも車室内側に配置する構成であるため、適用する車種に合わせて最適な荷重伝達部材62の構成(厚さや形状等)を選択することができる。
また、前記効果に関連する事項であるが、本実施形態においても、隙間40を狭めることなく荷重伝達部材62を設定することができるので、設計段階で従来の車体側部構造に変更を加えることなく、後付けすることができる。
さらに、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、ドアベルトライン24に沿った位置に荷重伝達部材62を設定したので、車枠の変形を効果的に抑制することができる。
なお、上述した本実施形態では、フロントピラー12の後端面30Aに被係合部として開口60を形成したが、このような孔でなくても、荷重伝達部材62の他端部62Bが突き刺さるように板厚を薄くしたり、凹みを設ける等による低剛性部又は脆弱部を設定するようにしてもよい。
〔上記実施形態の補足説明〕
なお、上述した第1実施形態乃至第3実施形態では、フロントピラー12とフロントサイドドア18との間に荷重伝達手段を設ける構成を例にして説明したが、これに限らず、センタピラー14とリヤサイドドア20との間に荷重伝達手段を設けることも可能である。
また、上述した第1実施形態乃至第3実施形態では、ドアヒンジ44がフロントサイドドア18の前端面28Aに底付きする前にフロントピラー12の回転変位を規制する構成を採ったが、これに限らず、若干底付きするものの従来に比べて底付きの度合いを緩和できる程度にフロントピラー12の回転変位を規制する構成でもよい。
10 車体側部
12 フロントピラー(ピラー)
12B 後端フランジ部
18 フロントサイドドア
28 ドアインナパネル
28A 前端面(対向面)
30A 後端面(対向面、隙間側端面)
40 隙間
44 ドアヒンジ
50 荷重伝達部材(荷重伝達手段)
50A 前端面(傾斜面)
60 開口(荷重伝達手段、被係合部)
62 荷重伝達部材
62A 一端部
62B 他端部

Claims (1)

  1. 車体側部に略車両上下方向を長手方向として配置されると共に後端フランジ部を有するピラーに取り付けられたドアヒンジ回りに回動可能に支持されたサイドドアを含み、ピラーとサイドドアとの対向面間に所定の隙間を有しかつサイドドアの横断面の図心位置がピラーの横断面の図心位置に対して車両幅方向外側へオフセットして配置されている車体に適用される車体側部構造であって、
    前記ピラーの隙間側端面に設けられると共に開口として構成された被係合部と、
    前記サイドドアのドアインナパネルの前端側にサイドドアとは別体で設けられていると共に、一端部がドアインナパネルに固定され、他端部が前面衝突前の状態ではピラーの後端フランジ部の車室外側に近接して配置されると共に前記被係合部に対して離間した位置でかつ対向する位置に保持されかつピラーへの前面衝突荷重の入力時には前記被係合部に係合することによりピラーのそれ以上の回転変位を抑制して当該前面衝突荷重を車両後方側への軸力としてサイドドアに作用させる串状の荷重伝達部材と、
    を含んで構成された荷重伝達手段を備えている、
    ことを特徴とする車体側部構造。
JP2009125075A 2009-05-25 2009-05-25 車体側部構造 Expired - Fee Related JP4715948B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009125075A JP4715948B2 (ja) 2009-05-25 2009-05-25 車体側部構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009125075A JP4715948B2 (ja) 2009-05-25 2009-05-25 車体側部構造

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005048379A Division JP4345689B2 (ja) 2005-02-24 2005-02-24 車体側部構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009184672A JP2009184672A (ja) 2009-08-20
JP4715948B2 true JP4715948B2 (ja) 2011-07-06

Family

ID=41068349

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009125075A Expired - Fee Related JP4715948B2 (ja) 2009-05-25 2009-05-25 車体側部構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4715948B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002347441A (ja) * 2001-05-23 2002-12-04 Daihatsu Motor Co Ltd 自動車のドアヒンジ構造
JP2004114728A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Daihatsu Motor Co Ltd 自動車のドアベルトライン部構造
JP2004216956A (ja) * 2003-01-10 2004-08-05 Toyota Motor Corp 車両のドア変形防止構造

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS49106015U (ja) * 1972-12-30 1974-09-11
JPS5748115U (ja) * 1980-09-05 1982-03-17
JPS5876417U (ja) * 1981-11-20 1983-05-24 三菱自動車工業株式会社 自動車のドア変位防止構造

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002347441A (ja) * 2001-05-23 2002-12-04 Daihatsu Motor Co Ltd 自動車のドアヒンジ構造
JP2004114728A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Daihatsu Motor Co Ltd 自動車のドアベルトライン部構造
JP2004216956A (ja) * 2003-01-10 2004-08-05 Toyota Motor Corp 車両のドア変形防止構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009184672A (ja) 2009-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4345689B2 (ja) 車体側部構造
JP6409724B2 (ja) 自動車の側部車体構造
US20140167446A1 (en) Vehicle rear door structure
JP5434226B2 (ja) 車両の下部車体構造
US8915532B2 (en) Vehicle trunk door structure
JP6023469B2 (ja) 2ドア車のドアインパクトビームユニット
JP2006298304A (ja) 車体上部構造
JP2010215092A (ja) 車両の車体下部構造
JP7159638B2 (ja) 車両のドア構造
JP2020117159A (ja) 車両構造
JP2006273296A (ja) センタピラーレス車のロッカ構造
JPH11310036A (ja) 車両用側部ドア構造
JP2019073097A (ja) 車両側部構造
JP2010143395A (ja) 車両の側部車体構造
JP4715948B2 (ja) 車体側部構造
JP5054467B2 (ja) 車両の側部車体構造
JP2008105450A (ja) 車両側部構造
JP2002029455A (ja) サイドシル前端部の結合構造
JP2008024054A (ja) 車両用ドア構造
JP2009101727A (ja) 車体側部構造
JPH08332975A (ja) 車体の後部構造
US11697329B2 (en) Vehicle door structure
JP5018189B2 (ja) 車体側部構造
JP2001315664A (ja) 車両の下部車体構造
JP6634991B2 (ja) 車両用サイドドア構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090525

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100810

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110107

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110314

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140408

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees