JP4715728B2 - 現像ローラの製造方法、現像ローラ、現像装置および画像形成装置 - Google Patents

現像ローラの製造方法、現像ローラ、現像装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、現像ローラの製造方法、現像ローラ、現像装置および画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を採用するコピー、プリンタなどの画像形成装置は、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、定着工程などの一連の画像形成プロセスによって、紙などの記録媒体上に、トナーからなる画像を形成する。
現像工程では、例えば、静電的な潜像を担持する感光体に、トナーを担持する現像ローラを接触させた状態で、帯電したトナーを現像ローラから潜像へ付与し、潜像をトナー像として可視化する。
従来、トナーのような粉状体を担持するものとしては、外周面にブラスト処理や機械加工等による表面処理を施した現像ローラ(電子複写機用マグネットロール)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
かかる現像ローラは、一般に金属管を用いて製造される。そして、金属管の外周面に前述のような表面処理を施すことにより、外周面に凹部を形成してなる現像ローラが得られる。このような現像ローラでは、凹部にトナーを担持した状態で回転することにより、トナーを感光体に付与することができる。
図8は、従来の現像ローラの製造方法の一例を説明するための模式図である。なお、この図は、金属管911の外周面911aに施す前記表面処理の一例として、転造法を用いた場合について図示している。
この転造法では、金属管911の外周面911aに形成すべき凹部902の形状に対応した凸部913aを、外周面に備えた円柱状のダイス913を用いる。そして、このダイス913を、図8(a)に示すように、金属管911の外周面911aに押し当てて、ダイス913の凸部913aを金属管911の外周面911aに食い込ませることにより、凹部902を形成する。
ところが、この転造の際に、ダイス913の凸部913aに加圧されて金属管911の外周面911aが成形されてなる凹部902と、金属管911の外周面911aとの接続部914に段差が生じる。すなわち、金属管911の縦断面を図示した図8(b)に示すように、凹部902の縁部が、角部を有する形状となる。
現像ローラの外周面にこのような段差部(角部)があると、現像工程の際に、この段差部にトナーが固着(フィルミング)し易くなる。これにより、固着したトナーによって、現像ローラから感光体へのトナーの移動や、現像ローラへのトナーの供給が阻害される。その結果、現像ムラ等の現像不良が発生する。
また、段差部が形成された接続部914では、トナーの変形・破壊が生じ易くなる。これにより、トナーが接続部914に固着する傾向がより顕著になり、悪循環を引き起こす。
なお、金属管911の外周面911aに凹部902を形成した後、その外周面911aと凹部902上に表面層を形成することもあるが、これによっても、上記の問題は解決されない。
特開昭55−26526号公報
本発明の目的は、凹部の縁部にトナーが固着するのを防止し、担持したトナーを安定的に感光体に付与することができる現像ローラを容易に製造可能な現像ローラの製造方法、かかる製造方法により製造された現像ローラ、および、かかる現像ローラを備え、現像ムラやそれに伴う印字ムラを防止し得る現像装置および画像形成装置を提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の現像ローラの製造方法は、外周部にトナーを保持する凹部を備えた現像ローラの製造方法であって、
金属製の管体の外周面上に、主として金属材料で構成され、前記管体より硬度が高い表面層を形成する表面層形成工程と、
該表面層形成工程の後、転造法により、前記表面層を形成した管体の外周部に、前記凹部を形成する凹部形成工程とを有することを特徴とする。
これにより、凹部の縁部にトナーが固着するのを防止し、担持したトナーを安定的に感光体に付与することができる現像ローラを容易に製造することができる。また、均一な厚さの前記表面層を備え、前記表面層の剥離を確実に防止し得る現像ローラを製造することができる。
本発明の現像ローラの製造方法では、メッキ法により前記表面層を形成することが好ましい。
メッキ法によれば、厚さを厳密に制御しつつ、前記表面層を効率よく形成することができる。また、前記表面層を形成する際に、前記管体に熱的負荷を及ぼすことがないので、前記管体の変質・劣化を確実に防止することができる。
本発明の現像ローラの製造方法では、前記表面層の平均厚さは、1〜15μmであることが好ましい。
これにより、前記管体より硬度が高い前記表面層がもたらす効果を十分に発揮させつつ、前記凹部を効率よく確実に形成することができる。
本発明の現像ローラの製造方法では、前記表面層と前記管体との硬度差は、ビッカース硬度HVで100〜900であることが好ましい。
これにより、前記凹部の縁部にトナーが付着するのをより確実に防止することができる。
本発明の現像ローラの製造方法では、前記管体を構成する金属材料は、炭素鋼であることが好ましい。
炭素鋼は、比較的展延性に優れているので、炭素鋼で構成された前記管体は、転造法により前記凹部を高い寸法精度で形成するのに適したものとなる。
本発明の現像ローラの製造方法では、前記炭素鋼中の炭素の含有率は、0.3質量%以下であることが好ましい。
これにより、前記管体は、特に展延性に優れ、より高い寸法精度で前記凹部を形成するのに好適に供されるものとなる。
本発明の現像ローラの製造方法では、前記表面層は、ニッケルを主成分とする金属材料で構成されることが好ましい。
ニッケルは、非金属元素と反応することにより、特に硬度の高い化合物を生成することができる。これにより、前記管体より硬度が高い前記表面層がもたらす効果をより顕著に発揮させることができる。
本発明の現像ローラの製造方法では、前記表面層は、添加物として、ホウ素およびリンのうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。
これらの元素は、特に、ニッケルと高硬度の化合物を生成することができる。このため、特に硬度の高い前記表面層を得ることができる。
本発明の現像ローラの製造方法では、前記表面層中における前記添加物の含有率は、1〜15wt%であることが好ましい。
これにより、前記表面層を構成する金属材料と、前記添加物とが化合して、特に硬度の高い化合物を生成することができる。
本発明の現像ローラの製造方法では、前記表面層形成工程と前記凹部形成工程との間に、前記表面層に熱処理を施すことにより、前記表面層と前記管体との硬度差を拡大する熱処理工程を有することが好ましい。
これにより、前記表面層中の結晶化が促進されること等により、前記表面層の硬度が高くなる。その結果、前記表面層と前記管体との硬度差が拡大する。
本発明の現像ローラの製造方法では、前記凹部は、複数本の溝を有することが好ましい。
現像ローラがこのような複数の溝を有していると、トナーと溝とが干渉する頻度が多くなる。その結果、帯電特性は向上するものの、現像ローラにトナーが固着する問題が多発する懸念が増大するが、このような現像ローラを形成する場合においても、トナーの固着をより顕著に防止することができる。
本発明の現像ローラの製造方法では、前記複数本の溝は、
互いに平行であり、かつ、前記外周部の周方向に対して傾斜する方向に形成された複数の第1の溝と、
互いに平行であり、かつ、前記外周部の周方向に対して傾斜する方向に形成され、前記各第1の溝と交差する複数の第2の溝とを有することが好ましい。
これにより、転造の際に、前記各溝の縁部が転造方向に対して傾斜した方向に沿って形成されるため、前記各溝の縁部に段差が形成され難くなる。したがって、前記各溝の縁部が丸みを帯びた形状になり易い。これにより、トナーの固着をより確実に防止し得る現像ローラが得られる。
本発明の現像ローラの製造方法では、前記管体の外周面において、前記複数本の溝が占める面積率は、前記外周面の面積の40〜90%であることが好ましい。
これにより、かぶりが少なく、ムラのない高画質な印字が可能な現像ローラが得られる。
本発明の現像ローラは、本発明の現像ローラの製造方法により製造されたことを特徴とする。
これにより、前記凹部の縁部にトナーが固着するのを防止し、担持したトナーを安定的に感光体に付与することができる現像ローラが得られる。
本発明の現像ローラでは、前記凹部の縁部が、丸みを帯びていることが好ましい。
これにより、前記凹部の縁部にトナーが固着するのを防止し、担持したトナーを安定的に感光体に付与することができる現像ローラが得られる。
本発明の現像ローラでは、前記縁部の縦断面の曲率半径は、前記トナーの平均半径より大きいことが好ましい。
これにより、前記縁部上をトナーが転がり易くなる。このため、前記縁部にトナーが干渉しにくくなり、トナーの固着がより確実に防止される。
本発明の現像装置は、本発明の現像ローラを備えることを特徴とする。
これにより、現像ムラ等の現像不良を確実に防止し得る現像装置が得られる。
本発明の画像形成装置は、本発明の現像装置を備えることを特徴とする。
これにより、印字ムラ等の印字不良を確実に防止し得る現像装置が得られる。
以下、本発明の現像ローラの製造方法、現像ローラ、現像装置、および画像形成装置の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の概略構成を示す模式的断面図、図2は、本発明の現像装置の概略構成を示す模式的断面図である。なお、以下の説明では、図1、2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
(画像形成装置)
まず、図1に基づいて、画像形成装置の一例としてレーザビームプリンタ(以下、単に「プリンタ」と言う。)10について説明する。
図1に示すように、プリンタ10は、潜像を担持し図中矢印方向に回転する感光体20を有し、その回転方向(時計方向)に沿って帯電ユニット30、露光ユニット40、現像ユニット50、一次転写ユニット60および中間転写体70、クリーニングユニット75がこの順に配設されている。また、プリンタ10は、図1の下部に、紙などの記録媒体P1を給紙する給紙トレイ92を有し、該給紙トレイ92からの記録媒体P1の搬送方向下流に向かって、二次転写ユニット80、定着ユニット90が順次配設されている。
感光体20は、円筒状の導電性基材と、その外周面に形成された感光層とを有し、その軸線回りに図1中矢印方向(時計方向)に回転可能となっている。帯電ユニット30は、コロナ帯電などにより感光体20の表面を一様に帯電させるための装置である。
露光ユニット40は、図示しないパーソナルコンピュータなどのホストコンピュータから画像情報を受け、これに応じて、一様に帯電された感光体20にレーザ光を所望のパターンで照射することにより、感光体20の外周面に静電的な潜像(静電潜像)を担持(形成)させる装置である。
現像ユニット50は、ブラック現像装置51、マゼンタ現像装置52、シアン現像装置53およびイエロー現像装置54の4つの現像装置を有し、これらの現像装置を感光体20上の潜像に対応して選択的に用いて、前記潜像を感光体20上においてトナー像として可視化する装置である。ブラック現像装置51はブラック(K)トナー、マゼンタ現像装置52はマゼンタ(M)トナー、シアン現像装置53はシアン(C)トナー、イエロー現像装置54はイエロー(Y)トナーを用いてそれぞれ現像を行う。
本実施形態における現像ユニット50は、前述の4つの現像装置51、52、53、54を選択的に(所定の順序で)感光体20に対向することができるように、回転可能となっている。具体的には、この現像ユニット50では、軸50aを中心として回転可能な保持体の4つの保持部55a、55b、55c、55dにそれぞれ4つの現像装置51、52、53、54が保持されており、前記保持体の回転により、各現像装置51、52、53、54がそれらの相対位置関係を維持したまま、感光体20に選択的に対向するようになっている。なお、各現像装置の詳細な構成については後述する。
一次転写ユニット60は、感光体20に形成されたトナー像を中間転写体70に転写するための装置である。
中間転写体70は、エンドレスのベルトで構成されており、図1に示す矢印方向に、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動(循環)される。中間転写体70上には、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローのうちの少なくとも1色のトナー像が担持され、例えばフルカラー画像の形成時に、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色のトナー像が順次重ねて転写されて、フルカラーのトナー像が形成される。
二次転写ユニット80は、中間転写体70上に形成された単色やフルカラーなどのトナー像を、紙、フィルム、布等の記録媒体P1に転写するための装置である。
定着ユニット90は、前記トナー像の転写を受けた記録媒体P1を加熱および加圧することにより、前記トナー像を記録媒体P1上に融着させて永久像として定着させるための装置である。
クリーニングユニット75は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間で感光体20の表面に当接するゴム製のクリーニングブレード76を有し、一次転写ユニット60によって中間転写体70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーをクリーニングブレード76により掻き落として除去するための装置である。
次に、このように構成されたプリンタ10の動作を説明する。
まず、図示しないホストコンピュータからの指令により、感光体20、現像ユニット50の各現像装置51、52、53、54に対応して設けられた後述の現像ローラ510(図2、図3参照)、および中間転写体70が回転を開始する。そして、感光体20は、回転することによって帯電ユニット30により順次帯電される。
感光体20上の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光ユニット40と対向する露光位置に至り、露光ユニット40によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が前記領域に形成される。
感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像装置54によってイエロートナーで現像される。これにより、感光体20上にイエロートナー像が形成される。このとき、現像ユニット50は、イエロー現像装置54が、前記現像位置にて感光体20と対向している(図1参照)。
感光体20上に形成されたイエロートナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置に至り、一次転写ユニット60によって、中間転写体70に転写される。具体的には、一次転写ユニット60には、トナーの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加されているため、該一時転写電圧によって感光体20上に形成されたイエロートナー像が中間転写体70に吸着される。なお、この間、二次転写ユニット80は、中間転写体70から離間している。
前述の処理と同様の処理が、第2色目、第3色目および第4色目について繰り返して実行されることにより、各画像信号に対応した各色のトナー像が、中間転写体70に重なり合って転写される。これにより、中間転写体70上には、フルカラートナー像が形成される。
一方、記録媒体P1は、給紙トレイ92から、給紙ローラ94、レジローラ96によって二次転写ユニット80へ搬送される。
中間転写体70上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体70の回転に伴って二次転写ユニット80が配置された二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって記録媒体P1に転写される。具体的には、二次転写ユニット80は、中間転写体70に押圧されるとともに二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加されているので、該二次転写電圧によって中間転写体70上に形成されたフルカラートナー像が、中間転写体70および二次転写ユニット80の間に介在する記録媒体P1に吸着されて転写される。
記録媒体P1に転写されたフルカラートナー像は、定着ユニット90によって加熱および加圧されて記録媒体P1上に融着され、これにより定着されたトナー像が得られる。
一方、感光体20は、一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット75のクリーニングブレード76によって、その表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、クリーニングユニット75内の残存トナー回収部(図示しない)に回収される。
(現像装置)
次に、現像ユニット50の現像装置51、52、53、54について詳細に説明するが、これらは、ほぼ同一の構成であるため、以下、図2に基づき、イエロー現像装置54を代表的に説明する。
図2に示すイエロー現像装置54は、イエロートナーであるトナーTを収容するハウジング540と、トナー担持体たる現像ローラ510と、この現像ローラ510にトナーTを供給するトナー供給ローラ550と、現像ローラ510に担持されたトナーTの層厚を規制する規制ブレード560とを有している。
ハウジング540は、その内部空間として形成された収容部530内にトナーTを収容する。ハウジング540では、収容部530の下部に形成された開口およびその近傍において、トナー供給ローラ550および現像ローラ510が互いに圧接回転可能に支持されている。また、ハウジング540には、規制ブレード560が取り付けられていて、これが現像ローラ510に圧接されている。さらに、ハウジング540には、前記開口におけるハウジング540と現像ローラ510との間からのトナーの漏れを防止するためのシール部材520が取り付けられている。
現像ローラ510は、外周部にトナーTを保持(担持)して、該保持されたトナーTを感光体20へ付与する、すなわち、保持されたトナーTを感光体20と対向する現像位置に搬送するものである。また、現像ローラ510は、軸線まわりに回転可能な円柱状物であり、本実施形態では、感光体20の回転方向と逆の方向に回転する。
また、本実施形態では、イエロー現像装置54による現像時に、現像ローラ510と感光体20とが微小間隙をもって、非接触状態で対向する。そして、現像ローラ510と感光体20との間に交番電界を印加する(以下、この状態を「電界印加状態」という)ことにより、トナーTを現像ローラ510上から感光体20へ飛翔させて、感光体20上の潜像についての現像が行われる。
トナー供給ローラ550は、収容部530に収容されたトナーTを現像ローラ510に供給する。このトナー供給ローラ550は、ポリウレタンフォーム等からなり、弾性変形された状態で現像ローラ510に圧接している。本実施形態では、トナー供給ローラ550は、現像ローラ510の回転方向と逆の方向に回転する。なお、トナー供給ローラ550は、収容部530に収容されたトナーTを現像ローラ510に供給する機能を有するだけでなく、現像後に現像ローラ510に残存しているトナーTを現像ローラ510から剥ぎ取る機能をも有している。
規制ブレード560は、現像ローラ510に担持されたトナーTの層厚を規制するとともに、その規制時における摩擦帯電により、現像ローラ510に担持されたトナーTに電荷を付与する。この規制ブレード560は、現像ローラ510の回転方向にて現像位置の上流側のシール部材としても機能している。この規制ブレード560は、現像ローラ510の軸方向に沿って当接される当接部材としてのゴム部560aと、このゴム部560aを支持する支持部材としてのゴム支持部560bとを有している。ゴム部560aは、シリコンゴム、ウレタンゴム等を主材料として構成され、ゴム支持部560bは、ゴム部560aを現像ローラ510側に付勢する機能も有するため、リン青銅、ステンレス等のバネ性(弾性)を有するシート状の薄板が用いられる。ゴム支持部560bは、その一端がブレード支持板金562に固定されている。ブレード支持板金562は、ハウジング540に取り付けられ、シール部材520もハウジング540に取り付けられる。さらに現像ローラ510が取り付けられた状態で、ゴム部560aは、ゴム支持部560bの撓みによる弾性力によって、現像ローラ510に押しつけられている。
また、本実施形態では、規制ブレード560の現像ローラ510側とは逆側には、ブレード裏部材570が設けられ、ゴム支持部560bとハウジング540との間にトナーTが入り込むことを防止するとともに、ゴム部560aを現像ローラ510へ押圧して、ゴム部560aを現像ローラ510に押しつけている。
本実施形態では、規制ブレード560の自由端部、すなわち、ブレード支持板金562に支持されている側とは逆側の端部は、その端縁で現像ローラ510に接触せずに、端縁から若干離れた部位で現像ローラ510に接触している。また、規制ブレード560は、その先端が現像ローラ510の回転方向の上流側に向くように配置されており、いわゆるカウンタ当接している。
なお、現像ユニット50の現像装置51、52、53の各部の構成、作用、効果も、前記現像装置54と同様である。
(現像ローラ)
次に、図3〜図6に基づき、現像ローラ510について詳細に説明する。
図3は、現像ローラの概略構成を示す平面図、図4は、図3に示す現像ローラに形成された溝の拡大平面図、図5は、図4中のA−A線断面図、図6は、図4の斜視図である。
図3に示すように、現像ローラ510は、円筒状の本体300と、該本体300の両端から突出するようにそれぞれ設けられ、本体300の外径より縮径した2つの縮径部310、310とを有している。このうち、各縮径部310、310は、本体300の中空部の両端に、それぞれ、本体300の回転軸(中心軸)Oに沿うように挿入されている。
この現像ローラ510の本体300は、図5に示すように、アルミニウム、ステンレス鋼、鉄鋼等のような金属材料を主材料として構成された金属管511と、この金属管511の外周面511aを覆うように設けられた表面層512とで構成されている。この表面層512については、後に詳述する。
また、本体300の直径は、特に限定されないが、例えば、10〜30mmであるのが好ましく、15〜20mmであるのがより好ましい。
図3に示すように、本体300の外周部301には、トナーTの粒子が入る溝2が形成されている。
この溝2は、平面および断面において、いかなる形状をなしていてもよいが、本実施形態では、一例として、溝2が、図3〜図6に示すように、複数の第1の溝21と、各第1の溝21と直交(交差)する複数の第2の溝22とで構成されている場合について説明する。現像ローラ510にこのような複数の溝2が形成されていると、トナーTと溝2とが干渉する頻度が多くなる。その結果、帯電特性は向上するものの、現像ローラ510にトナーが固着する問題が多発する懸念が増大するが、このような現像ローラ510を形成する場合において、本発明の現像ローラの製造方法の効果がより顕著に発揮される。
なお、溝2は、例えば、多数のすり鉢状の凹部のような溝形状以外の凹部形状で代替されてもよい。
図4に示すように、複数の第1の溝21は、互いに平行であり、それぞれ、外周部301の周方向に対して傾斜する方向に略等間隔で形成されている。
また、図4に示すように、複数の第2の溝22も、複数の第1の溝21と同様に、互いに平行であり、それぞれ、外周部301の周方向に対して傾斜する方向に略等間隔で形成されている。そして、本実施形態では、図4および図6に示すように、第2の溝22は第1の溝21と直交している。
図5に示すように、各第1の溝21および各第2の溝22のそれぞれには、トナー供給ローラ550から供給されたトナーTの粒子が入る。そして、これら第1の溝21および第2の溝22のそれぞれをトナーTが転動することにより、トナーTが現像ローラ510と接触し、擦られる。これにより、トナーが均一に帯電される。
なお、第1の溝21と第2の溝22のそれぞれの形状は、ほぼ同一であるため、以下、第1の溝21を代表的に説明する。
第1の溝21は、前述したように、互いに平行であり、それぞれ、外周部301の周方向に対して傾斜する方向に略等間隔で形成されている。これにより、トナーTが第1の溝21に収容され、適正な量のトナーTを搬送することができる。
ここで、第1の溝21の最大幅Aは、隣り合う前記凸部同士の離間距離の50〜90%であることが好ましく、60〜80%であることがより好ましい。
第1の溝21の幅をこのような範囲とすることで、外周面301aに対して第1の溝21の割合が多くなり、トナーTが第1の溝21に収容されることにより、十分なトナーT量を搬送することができる。また、適度な大きさの凸部3が形成され、トナーT粒子と現像ローラ510の外周面301aとの接触面が大きくなる。したがって、トナーTが外周面301aを転動することにより、良好に帯電される。その結果、かぶりが少ない高画質な印字が可能となる。
第1の溝21の最大幅Aが前記下限値よりも小さければ、第1の溝21にトナーTが収容され難くなって、十分な量のトナーTを搬送できない。また、トナーTが第1の溝21内で積み重なり、帯電が不均一となる。
一方、第1の溝21の最大幅Aが前記上限値よりも大きければ、第1の溝21にトナーTが大量に収容され、トナーT漏れを引き起こす。また、上記好ましい範囲の場合よりも、外周面301aとの接触面が小さくなり、帯電性が低下する。
第1の溝21の最大深さDは、トナーTの粒子の平均直径(平均粒径)の0.5倍以上、2倍以下が好ましく、等倍以上、1.5倍以下がより好ましい。かかる範囲内であれば、トナーTが積み重なることなく、第1の溝21にトナーTを収容することができる。よって、外周面301aとの接触によりトナーTを適切に帯電させることができ、かぶりが少ない高画質な印字が可能となる。
第1の溝21の最大深さDが、トナーTの粒子の平均直径(平均粒径)の前記下限値よりも小さければ、第1の溝21の深さが浅くなるため、トナーTの搬送量が低下する可能性がある。また、トナーTが外周面301aと接触する割合も減少するため、帯電性が低下するおそれがある。
一方、第1の溝21の最大深さDが、トナーTの粒子の平均直径(平均粒径)の前記上限値よりも大きければ、第1の溝21内をトナーTが転動しにくくなる。よって、トナーTの搬送性が低下し、帯電性も悪くなる。
ここで、トナーTの平均粒径の具体的な範囲としては、例えば、1〜10μmであるのが好ましく、1〜7μmであるのがより好ましい。このような平均粒径の範囲のトナーTを用いれば、トナーTが第1の溝21に積み重なって収容されることがなく、外周面301a上を滑らかに転動するので、トナーTが確実かつ均一に帯電される。
トナーTの平均粒径が前記下限値よりも小さければ、第1の溝21にトナーTが積み重なって収容され、トナーTの帯電が不均一となる。
一方、トナーTの平均粒径が前記上限値よりも大きければ、トナーTが適切に外周面301aを転動せず、帯電性が悪くなる可能性がある。
なお、第1の溝21の深さDと第2の溝22の深さDとは、前記トナー粒子の平均粒径との関係を満足する限り、(第1の溝21の深さD)=(第2の溝22の深さD)なる関係を満足していてもよいし、(第1の溝21の深さD)>(第2の溝22の深さD)なる関係を満足していてもよいし、(第1の溝21の深さD)<(第2の溝22の深さD)なる関係を満足していてもよい。本実施形態では、D=Dなる関係を満足している。これにより、現像ローラ510の外周面301aが段差のない滑らかな形状となるため、トナーTが当該外周面301aを滑らかに転動することができる。
また、深さDと深さDとの比D/Dは、特に限定されないが、例えば、0.5〜2であるのが好ましく、0.8〜1.5であるのがより好ましい。これにより、現像ローラ510の外周面301aが段差のない滑らかな形状となるため、トナーTが当該外周面301aを滑らかに転動することができる。
図5に示すように、第1の溝21は、その断面形状がU字形状をなし、側面211と底面212を有する。これにより、トナーTが滑らかに転動することができる。そして、現像ローラ510の外周面301aとトナーTが接触することにより、トナーTが均一に帯電される。
このときの第1の溝21の底面212の曲率半径は、トナーT粒子の平均粒径の半分より大きいことが好ましく、0.6〜10倍であることがより好ましい。より具体的には、第1の溝21の底面212の曲率半径は、0.5μmよりも大きいことが好ましく、0.6〜50μmであることがより好ましい。
これにより、トナーT粒子が第1の溝21中で転動し易い溝形状となり、トナーTと外周面301aが接触することにより、トナーT粒子が良好に帯電される。
第1の溝21の底面212の曲率半径が前記下限値よりも小さいければ、第1の溝21にトナーTが積み重なって収容され、トナーTの帯電が不均一となる。
一方、第1の溝21の底面212の曲率半径が前記上限値よりも大きければ、第1の溝21内をトナーTが滑らかに転動せず、トナーTの帯電性が悪くなる。
また、図5に示すように、第1の溝21のU字形状は、左右対称に形成されている。これにより、トナーT粒子の第1の溝21への収容、離脱がスムーズに進行し、トナーTを滑らかに搬送することができる。したがって、トナーTが外周面301aと接することにより、トナーTを均一に帯電させることができる。
なお、本実施形態では、図6に示すように、第1の溝21と第2の溝22とのなす角度θが90°であるが、この角度θは、20〜135°であるのが好ましく、45〜90°であるのがより好ましい。これにより、トナーTのかぶりを抑制しつつ、十分な量のトナーTを感光体20に付与することができる。
角度θが前記下限値未満であると、現像ローラ周方向の凹凸の数が多くなるため、回転時にトナーTと凹凸の接触機会が多くなり過ぎるおそれがある。このため、トナーTの帯電量が高くなり過ぎてトナーTの飛翔性が悪くなり、十分な量のトナーTを感光体20に付与するのが困難となる可能性がある。
角度θが前記上限値を超えると、現像ローラ周方向の凹凸の数が少なくなるため、回転時にトナーTと凹凸の接触機会が少なくなるおそれがある。これにより、トナーTが十分に帯電されないため、そのトナーTがかぶりの原因となり、無駄となるトナーTの量が多くなる可能性がある。
また、図5に示すように、第1の溝21の縁部、すなわち、側面211と外周面301aとの接続部は、丸みを帯びている。これにより、この縁部(段差部)をトナーTが転がり易くなる。その結果、トナーTが縁部に固着して、現像が阻害されてしまうのを確実に防止することができる。なお、これについては、後に詳述する。
第1の溝21同士の間隔は、略等間隔で形成される。具体的には、後述するCの長さの範囲であることが好ましい。かかる範囲内であれば、外周面301aに対して適度な間隔で第1の溝21が形成され、適正な量のトナーTを搬送することができる。また、外周面301aとの接触により、トナーTが均一に帯電される。したがって、かぶりの少ない、高画質な印字が可能となる。
第2の溝22は、その各部の寸法、形状について、前記第1の溝21のものと同様である。また、その作用、効果も同様である。
凸部3は、第1の溝21と第2の溝22とが交差することにより生じる、第1の溝21と第2の溝22とのそれぞれで囲まれる領域に形成される。このような領域に凸部が形成されることにより、例えば、第1の溝21に位置するトナーTが、現像ローラ510の回転に伴なって、凸部3に向って転動し、さらに、第2の溝22に収容される。これにより、トナーTは、現像ローラ510の外周面301aと多く接触し、トナーTが均一に帯電される。また、トナーTが溝2に収用されることにより、適正なトナーT量を搬送することができる。
凸部3は、その頂面31が略平面で形成され、凸部3全体として截頭錐体状の形状をなしている。頂面31を平面とすることで、トナーTや規制ブレードとの摩擦により表面が磨耗しにくくなり、現像ローラ510の性能が長期にわたり維持される。また、頂面31をトナーTが転動するため、トナーTの帯電性を上げることができる。
本実施形態では、図4、図5および図6に示すとおり、頂面31は略正四角形で形成されている。これにより、第1の溝21と第2の溝22を直交させるだけで当該頂面31が得られるので、頂面31が略正四角形である凸部3を簡便に得ることができる。
なお、凸部3は現像ローラ510の外周面301a上に形成されているので、その頂面31は現像ローラ510の外径の曲率半径と略同程度に湾曲している。この程度の湾曲は、前記「略平面」に含まれるものとする。
凸部3の頂面31の大きさは、第1の溝21同士および第2の溝22同士のそれぞれの間隔によって定まる。具体的には、凸部3の頂面31の中心を通り第2の溝22と平行な方向の頂面31の長さをCとしたとき、Cは10〜50μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
また、凸部3の頂面31の中心を通り第1の溝21と平行な方向の頂面31の長さをCとしたとき、Cは10〜50μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
およびCのそれぞれを上記範囲とすることで、頂面31が適度な大きさとなり、頂面31をトナーTが転動することにより効率的にトナーTを帯電させることができる。
およびCのそれぞれが前記下限値よりも小さければ、長時間の使用により規制ブレードやトナーとの摩擦で凸部が磨耗しやすくなり、トナー搬送量、帯電量を維持することができなくなる。
一方、CおよびCのそれぞれが前記上限値よりも大きければ、外周面301aに対して溝2の割合が小さくなるため、トナーT漏れを引き起こす。また、トナーTと外周面301aとの接触する面が上記好ましい範囲よりも小さくなるため、トナーTの帯電性が悪くなる。
なお、凸部3の高さは、第1の溝21の深さDおよび第2の溝22の深さDと同じである。
凸部3は、隣り合う凸部3との離間距離dが、50〜100μmであることが好ましく、60〜90μmであることがより好ましい。かかる範囲内であれば、現像ローラ510の外周面301aに適度な数の凸部3が存在することなり、適正な量のトナーTを搬送することができる。また、第1の溝21および/または第2の溝22から凸部3へとトナーTが効率よく転動することにより、現像ローラ510の外周面301aとトナーTが効率的に接触し、トナーTの帯電性が良好となる。さらに、現像後に現像ローラ510に残存しているトナーTを現像ローラ510から剥ぎ取る、リセット性にも優れる。また、現像ローラとしての機能(帯電、搬送性能)が良好であると同時に、その性能を維持する耐久性とのバランスが優れている。
隣り合う凸部3との離間距離dが前記下限値よりも小さければ、帯電性能は上がるが、溝幅(A、B)などの条件を満足させた場合、凸部3の面積が小さくなるため摩擦により磨耗し、現像ローラ510として初期の性能を維持できない。
一方、隣り合う凸部3との離間距離dが前記上限値よりも大きければ、第1の溝21の最大幅Aが大きくなり、トナーT漏れを引き起こしてしまう恐れがある。また、トナーTと外周面301aとの接触する面が上記好ましい範囲よりも小さくなるため、トナーTの帯電性が悪くなる。
また、現像ローラ510の外周面301aにおいて、第1の溝21が占める(以下、溝2が形成されている部位を「溝形成部320」という)面積率は、外周面301aの面積の40〜90%であるのが好ましく、60〜80%であるのがより好ましい。溝形成部320の面積率が前記範囲内の値であると、より均一かつ最適な量のトナーTを搬送することができる。また、現像ローラ510とトナーTが接触する割合が多くなるため、トナーTの帯電性が良好となる。したがって、かぶりが少なく、ムラのない高画質な印字が可能となる。
溝形成部320の面積率が外周面301aの面積の前記下限値より小さければ、トナーTが外周面301aと接触する面が小さくなり、トナーTの帯電性が悪くなる。また、外周面301aに対して溝2の割合が小さいので、十分な量のトナーTを搬送することができない。
一方、溝形成部320の面積率が外周面301aの面積の前記上限値より大きければ、第1の溝21から凸部3へと転動する割合が少なくなるため、トナーTの帯電性が悪くなる。また、トナーTと外周面301aとの接触する面が上記好ましい範囲よりも小さくなるため、トナーTの帯電性が悪くなる。
なお、図5、図6では、第1の溝21および第2の溝22は、それぞれほぼ同じU字形状をなしていたが、それそれ、異なるU字形状であってもよい。また、第1の溝21または第2の溝22の一部の部位のU字形状が他の部位のU字形状と異なっていてもよい。
次に、このような現像ローラ510を製造する方法(本発明の現像ローラの製造方法)について説明する。
図7は、本発明の現像ローラの製造方法を説明するための模式図である。
現像ローラ510を製造する方法は、金属管(金属製の管体)の外周面上に、金属材料で構成され、金属管より硬度が高い表面層を形成する表面層形成工程と、この表面層形成工程の後に、転造法により、表面層を形成した金属管の外周部に、凹部を形成する凹部形成工程とを有する。以下、各工程について、順次説明する。
[1]まず、図7(a)に示すような金属管511を用意する。
この金属管511には、いかなる方法で製造されたものでも用いることができるが、例えば、金属板を、成形ロールで連続的に管状に成形(ロール成形)する方法、スパイラル状に成形(スパイラル成形)する方法、U字状にプレス成形した後、O字状にプレス成形(UOプレス成形)する方法等の各種成形方法で成形した後、突き合わせた金属板の端部同士、または、重ね合わせた金属板の端部同士を溶接することにより製造されたものを用いることができる。
また、金属管511を構成する材料としては、前述したようにアルミニウム、ステンレス鋼、鉄鋼等のような各種金属材料が挙げられる。
このような金属材料の中でも、特に、炭素鋼、クロム鋼のような合金鋼、特殊鋼、高張力鋼、ステンレス鋼のような耐食鋼等の鉄鋼材料が好ましく、炭素鋼がより好ましい。炭素鋼は、比較的展延性に優れているので、炭素鋼で構成された金属管511は、転造法により凹部を高い寸法精度で形成するのに適したものとなる。
また、炭素鋼中の炭素の含有率は、0.3質量%以下であるのが好ましく、0.01〜0.3質量%程度であるのがより好ましく、0.05〜0.2質量%程度であるのがさらに好ましい。このような炭素含有率の炭素鋼は、「低炭素鋼」とも呼ばれ、展延性に特に優れたものである。このため、低炭素鋼で構成された金属板で形成された金属管は、特に展延性に優れ、より高い寸法精度で凹部を形成するのに好適に供されるものとなる。また、後述する熱処理により、展延性や硬度等の特性を、特に容易に制御することができる材料である。
さらに、低炭素鋼としては、例えば、JIS G 3445に規定の機械構造用炭素鋼鋼管用に用いられる低炭素鋼材料が特に好適である。
また、金属管511のビッカース硬度HVは、70〜300程度であるのが好ましく、100〜200程度であるのがより好ましい。金属管511の硬度が前記範囲内であれば、転造により、高い寸法精度の溝2を形成するのに十分な展延性を金属管511が有することとなる。
次に、金属管511の外周面511a上に、表面層512を形成する(表面層形成工程)。
これにより、金属管511の外周面511a上が、金属管511の縦断面を図示した図7(b)に示すように、表面層512で覆われる。
外周面511a上に表面層512を形成する方法としては、例えば、メッキ法、溶射法、物理的蒸着法、化学的蒸着法等の方法を用いることができる。
このうち、メッキ法により表面層512を形成するのが好ましい。メッキ法によれば、厚さを厳密に制御しつつ、表面層512を効率よく形成することができる。また、表面層512を形成する際に、金属管511に熱的負荷を及ぼすことがないので、金属管511の変質・劣化を確実に防止することができる。
メッキ法としては、例えば、無電解メッキ法、電解メッキ法等が挙げられるが、特に、無電解メッキ法を用いるのが好ましい。無電解メッキによれば、金属管511の導電性にかかわらず、表面層512を確実に形成することができる。また、形成された表面層512は、金属管511の形状によらず、外周面511a上に均一な厚さで形成される。
ここで、形成される表面層512は、金属管511より硬度が高いものである。表面層512の硬度が金属管511の硬度より高いことにより、後述する凹部形成工程において、種々の効果をもたらす。なお、この効果については、後に詳述する。
このような表面層512は、主として金属材料で構成される。
この金属材料には、例えば、遷移金属を主成分とする金属材料を用いることができるが、特に、ニッケルを主成分とする金属材料が好ましく用いられる。ニッケルは、非金属元素と反応することにより、遷移金属の中でも特に硬度の高い化合物を生成することができる。これにより、後述する凹部形成工程において得られる効果がより顕著なものとなる。
また、表面層512は、添加物として、ホウ素、炭素、窒素、リン、コバルト、銅、タングステン等のうちの1種または2種以上の元素を含んでいてもよい。
このうち、表面層512は、ホウ素およびリンのうちの少なくとも1種を添加物として含むのが好ましい。これらの元素は、特に、ニッケルと反応して、高硬度の化合物を生成することができる。このため、特に硬度の高い表面層512を得ることができる。
ここで、前記金属材料と前記添加物との組み合わせとしては、例えば、Ni−P、Ni−B、Ni−P−B、Ni−P−Co等が挙げられる。
このように表面層512を構成する材料の組成を適宜設定することにより、表面層512がトナーTを帯電させる特性(帯電特性)を高めることができる。
なお、表面層512中における前記添加物の含有率は、表面層512の主材料である金属材料の組成や、表面層512に添加する添加物の組成に応じて若干異なるが、1〜15wt%程度であるのが好ましく、5〜13wt%程度であるのがより好ましく、8〜10wt%程度であるのがさらに好ましい。表面層512中における添加物の含有率を前記範囲内に設定することにより、前述の表面層512を構成する金属材料と、前記添加物とが化合して、特に硬度の高い化合物を生成することができる。また、前記添加物の含有率が前記範囲内であれば、トナーTの帯電性が特に良好となる。したがって、トナーTのかぶりの低減が図られる。
また、表面層512の平均厚さは、後述する凹部形成工程において形成される凹部の深さに応じて若干異なるが、1〜15μm程度であるのが好ましく、3〜10μm程度であるのがより好ましい。これにより、後述する凹部形成工程において、効率よく確実に凹部を形成することができる。
なお、表面層512の平均厚さが前記下限値を下回ると、後述する凹部形成工程において、金属管511より硬度が高い表面層512がもたらす効果が十分に発揮されないおそれがある。一方、表面層512の平均厚さが前記上限値を上回ると、表面層512の剛性が著しく高くなり、凹部形成が困難になったり、長時間を要したりするおそれがある。
[2]次に、表面層512を形成した金属管511の外周面511a(外周部)に溝(凹部)2を形成する(凹部形成工程)。
溝2を形成する方法には、転造法を用いる。
転造法は、金属管511の外周面511a、すなわち、表面層512の表面に形成すべき溝の形状に対応した凸部を、外周面に備えたダイスを、金属管511の外周面511aに押し付けて食い込ませることにより、溝2のような凹部を形成する加工方法である。
転造にあたっては、まず、表面層512を形成した金属管511を、図7(c)に示すように、円柱状をなすダイス513の外周面に接触させる。
図7(c)では、2つのダイス513、513を、互いに軸線が平行になるように配置する。なお、各ダイス513、513間の離間距離、すなわち、各ダイス513、513の間隙の距離は、表面層512を形成した金属管511の外径と、形成する溝2の深さとを考慮して、前記外径より若干小さくなるようにする。
なお、ダイス513の数は、1つまたは3つであってもよい。
また、2つのダイス513、513のうち、一方のダイス513にのみ、前記凸部を設け、他方のダイス513には前記凸部を設けないように、各ダイス513、513を構成してもよいし、図3に示すような2種類の溝(第1の溝21と第2の溝22)のうち、第1の溝21を形成する前記凸部を一方のダイス513に設け、第2の溝22を形成する前記凸部を他方のダイス513に設けるようにしてもよい。
次に、各ダイス513、513を、それぞれ円柱の軸線を回転軸として、同じ方向に回転させる。
次に、回転中の各ダイス513、513の間隙に、表面層512を形成した金属管511を挿入する。これにより、表面層512の表面に、各ダイス513、513の外周面がそれぞれ押し付けられる。この際、各ダイス513、513の外周面に設けられた凸部513aが、表面層512の表面に食い込むことにより、図7(d)に示すように、溝2が形成される。そして、この状態で、金属管511が、各ダイス513、513の外周面に沿って転がることにより、金属管511の外周面511a全体にわたって溝2が形成される。
ここで、従来の現像ローラの製造方法では、金属管の外周面に、例えば転造法等の加工方法により凹部を形成し、これにより得られたものを現像ローラとしていた。しかしながら、金属管の硬度が比較的低いために、転造の際に、ダイスの凸部に加圧されて金属管の外周面が成形されてなる凹部の縁部に、段差が生じることとなる。
ところが、トナーを保持した現像ローラに、規制ブレードが押し付けられた際、上記のような段差部(角部)があると、図8(b)に示すように、この段差部にトナーが固着(フィルミング)し易くなる。トナーが固着すると、現像ローラから感光体へのトナーの移動や、現像ローラへのトナーの供給が阻害される。その結果、従来、現像ムラ等の現像不良が発生していた。
また、段差部にトナーが固着した状態で使用し続けると、トナーの変形・破壊が生じ易くなる。変形したり微粉化したトナーは、より段差部に固着し易くなり、悪循環を引き起こしていた。
また、従来、金属管の外周面に凹部を形成した後、その外周面上に表面層を形成することも行われた。しかしながら、段差部の形状が表面層の形状に反映されてしまうので、上記のような問題は解決されなかった。
これに対し、本発明では、溝2(凹部)を形成する前に、金属管511の外周面511a上に、金属管511より硬度が高い表面層512を形成することとした。これにより、溝2を転造する際には、硬度の高い表面層512の表面上にダイス513を押し付けることになる。
ここで、表面層512が金属管511より硬度が高いため、表面層512の剛性が金属管511より高くなっている。このため、ダイス513の凸部513aが表面層512に食い込む際、凸部513aの縁部側では、ダイス513の外周面と表面層512の表面との間に隙間が生じる。これは、表面層512の剛性(硬度)が高いため、ダイス513の押し付けに対して、表面層512の追従性が低いことに起因するものと考えられる。
その結果、溝2の縁部、すなわち、ダイス513の凸部513aに押圧されて表面層512の表面が成形されてなる溝2の側面211と、表面層512の表面(外周面301a)との接続部514は、図7(d)に示すように、段差がなく、丸みを帯びた形状となる。ここで、図7(d)は、表面層512を形成した金属管511の縦断面を拡大して示す図である。
また、転造に供される金属管は、金属管511の外周面511a上に、金属管511より相対的に硬度が高い表面層512が形成された2層構造になっているので、転造における形状の転写性や、転造の効率が向上するという効果も得られる。このため、接続部514を丸みを帯びた形状に成形しつつ、溝2を高い寸法精度で効率よく形成することができる。その結果、複雑な形状の溝2をも、容易に形成することができる。
このようにして形成された現像ローラ510は、段差部がないため、トナーの固着を確実に防止し、担持したトナーを安定的に感光体に付与し得るものとなる。
また、前記接続部514が丸みを帯びているので、トナーの変形・破壊が防止される。これにより、現像ローラ510へのトナーの固着を、より確実に防止することができる。
したがって、かかる現像ローラ510を備えた各現像装置51、52、53、54およびプリンタ10は、現像ムラ等の現像不良や、それに伴う印字ムラ等の印字不良を確実に防止し得るものとなる。
さらに、この丸みを帯びた形状により、トナーとの接触による前記接続部514の摩耗が抑制または防止される。このため、現像ローラ510の溝2の形状が長期にわたって維持されることとなり、現像ローラ510の耐久性の向上を図ることができるという利点もある。
なお、上記のような効果は、外周部301の周方向に対して傾斜する方向に沿って複数本の溝2を形成する場合に、より顕著に発揮される。すなわち、転造の際に、各溝2の縁部が転造方向に対して傾斜した方向に沿って形成されるため、各溝2の縁部に段差が形成され難くなる。したがって、各溝2の縁部が丸みを帯びた形状になり易い。これにより、トナーTの固着をより確実に防止し得る現像ローラ510が得られる。
また、溝2の縁部(接続部514)の形状は、その丸みを帯びた部分の縦断面の曲率半径が、用いるトナーの平均半径より大きいのが好ましい。これにより、前記接続部514上をトナーが転がり易くなる。このため、前記接続部514にトナーが干渉しにくくなり、トナーの固着がより確実に防止されることとなる。
また、金属管511の外周面511a上に表面層512を形成した後、この表面層512の表面上にダイス513を押し付けるようにしたので、均一な厚さの表面層512を備えた現像ローラ510が得られる。したがって、現像ローラ510の表面層512の剥離を確実に防ぐことができるという効果も得られる。
このようにして、円筒状の本体300が得られる。
なお、この表面層512と金属管511との硬度差は、ビッカース硬度HVで100〜900程度であるのが好ましく、200〜900程度であるのがより好ましい。これにより、溝2の縁部、すなわち前記接続部514の形状を、より確実に、丸みを帯びた形状にすることができる。その結果、溝2の縁部にトナーTが付着するのをより確実に防止することができる。
また、表面層512のビッカース硬度HVは、金属管511より高ければよいが、500〜1100程度であるのが好ましく、600〜1000程度であるのがより好ましい。これにより、上記のような効果がより確実に発揮される。
[4]次に、本体300の中空部の両端に、それぞれ縮径部310を挿入する。このとき、各縮径部310、310のそれぞれの軸線と、本体300の回転軸(円筒の軸)とが一致するようにする。そして、本体300と各縮径部310、310とをそれぞれ固定する。これにより、現像ローラ510が得られる。
以上のような方法によれば、トナーの固着を防止し、担持したトナーを安定的に感光体に付与することができる現像ローラ510を容易に製造することができる。
また、このような現像ローラ510を備えた各現像装置51、52、53、54およびプリンタ10は、現像ムラ等の現像不良や、それに伴う印字ムラ等の印字不良を確実に防止し得るものとなる。
なお、表面層形成工程と凹部形成工程との間に、表面層512を形成した金属管511に熱処理を施す熱処理工程を行うようにしてもよい。
この表面層512を形成した金属管511に熱処理を施すと、表面層512中の結晶化が促進されること等により、表面層512の硬度が高くなる。これにより、表面層512と金属管511との硬度差が拡大することとなる。
その結果、前記第1実施形態に記載した効果がより顕著なものとなる。
すなわち、前記硬度差が拡大することにより、溝2の縁部(接続部514)において、より段差が生じ難くなり、丸みを帯びるようになる。これにより、現像ローラ510は、トナーの固着をより確実に防止し得るものとなる。
ここで、熱処理の温度は、表面層512を構成する金属材料の組成や添加物の組成、含有率等に応じて若干異なるが、200〜600℃程度であるのが好ましく、300〜500℃程度であるのがより好ましい。
また、熱処理の加熱時間は、熱処理の温度に応じて若干異なるものの、10〜180分程度であるのが好ましく、30〜90分程度であるのがより好ましい。
また、熱処理における加熱後の平均冷却速度は、熱処理の温度に応じて若干異なるものの、20〜400℃/h程度であるのが好ましく、50〜300℃/h程度であるのがより好ましい。
また、熱処理の雰囲気は、非酸化性雰囲気であるのが好ましい。非酸化性雰囲気中で熱処理を施すことにより、表面層512や金属管511の酸化を確実に防止することができる。その結果、酸化による表面層512や金属管511の変質・劣化を確実に防止することができる。
なお、非酸化性雰囲気としては、例えば、窒素、アルゴンのような不活性ガス雰囲気、水素、一酸化炭素のような還元性ガス雰囲気、減圧雰囲気等が挙げられる。
以上、本発明の現像ローラの製造方法、現像ローラ、現像装置および画像形成装置について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明の現像ローラの製造方法は、必要に応じて、任意の工程を追加することもできる。
また、金属管は、あらかじめ用意されたもの(例えば、市販の金属管等)を用いることができる。
また、前述したように、現像ローラの外周面に形成された溝の形状は、特に限定されず、いかなる形状であってもよい。なお、現像ローラの外周面に形成された溝の形状にかかわらず、前述のような本発明の現像ローラの製造方法における作用・効果が発揮される。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.プリンタ(画像形成装置)の製造
(実施例1)
<1>まず、機械構造用炭素鋼鋼管STKM11Aを用意した。なお、鋼管中の炭素含有率は、0.05wt%であった。また、鋼管のビッカース硬度HVは、120であった。
<2>次に、鋼管の外周面上に、表面層を以下の形成条件にしたがって形成した。
<表面層の形成条件>
・形成方法 :無電解メッキ法
・組成 :Ni−P(Pの含有率:10wt%)
・平均厚さ :5μm
・表面層の硬度HV:550
<3>次に、転造法により、鋼管の外周面に、図3ないし図6に示す溝を形成した。なお、形成した溝の各部の寸法・角度等の主な条件は、以下の通りである。
<溝の各部の条件>
・D・D :5μm
・θ :90°
・d :80μm
・A・B :55μm
・C・C :25μm
・溝の面積率:70%
これにより、現像ローラの本体を得た。
<4>次に、現像ローラの本体の中空部の両端に縮径部を挿入して、現像ローラを得た。
<5>次に、この現像ローラを組み込んだ図2に示す現像装置を得た。なお、現像装置のトナーカートリッジ中には、平均粒径5μm(平均半径2.5μm)のポリエステル系樹脂の組成のトナーを充填した。
<6>次に、この現像装置を組み込んだ図1に示すプリンタを得た。
(実施例2)
表面層の平均厚さを10μmに変更した以外は、前記実施例1と同様にして現像ローラを製造し、この現像ローラを組み込んだ現像装置・プリンタをそれぞれ製造した。
(実施例3)
表面層中のPの含有率を6wt%とした以外は、前記実施例1と同様にして現像ローラを製造し、この現像ローラを組み込んだ現像装置・プリンタをそれぞれ製造した。なお、表面層のビッカース硬度HVは700であった。
(実施例4)
表面層中のPの含有率を12wt%とした以外は、前記実施例1と同様にして現像ローラを製造し、この現像ローラを組み込んだ現像装置・プリンタをそれぞれ製造した。なお、表面層のビッカース硬度HVは500であった。
(実施例5)
表面層の組成をNi−B(Bの含有率2wt%)に変更した以外は、前記実施例1と同様にして現像ローラを製造し、この現像ローラを組み込んだ現像装置・プリンタをそれぞれ製造した。なお、表面層のビッカース硬度HVは750であった。
(実施例6)
実施例1において、工程<2>と工程<3>との間に、以下に示す条件で行う熱処理工程を追加した以外は、前記実施例1と同様にして現像ローラを製造し、この現像ローラを組み込んだ現像装置・プリンタをそれぞれ製造した。なお、表面層のビッカース硬度HVは1000であった。
<熱処理の条件>
・温度 :400℃
・加熱時間 :60分
・雰囲気 :Nガス雰囲気
・平均冷却速度:100℃/h
なお、熱処理後の表面層のビッカース硬度HVは1000であった。
(比較例1)
実施例1において、工程<2>を省略した以外は、前記実施例1と同様にして現像ローラを製造し、この現像ローラを組み込んだ現像装置・プリンタをそれぞれ製造した。
(比較例2)
実施例1において、工程<2>と工程<3>の順序を入れ替えた以外は、前記実施例1と同様にして現像ローラを製造し、この現像ローラを組み込んだ現像装置・プリンタをそれぞれ製造した。
2.評価
2.1 溝形状の評価
各実施例および各比較例で製造した現像ローラを軸線に沿って切断し、その断面を顕微鏡で観察した。
その結果、各実施例で得られた現像ローラでは、溝の縁部が、丸みを帯びていた。なお、この丸みを帯びた部分の曲率半径は、7〜15μmであった。
一方、各比較例で得られた現像ローラでは、溝の縁部の断面形状に段差が認められた。
2.2 トナーのかぶりの評価
各実施例および各比較励で製造したプリンタにおいて、所定の印字パターンで30000枚の印字を行った。
そして、1000枚印字後、10000枚印字後、30000枚印字後におけるトナーのかぶりを計量した。そして、トナーのかぶりを、以下の基準にしたがって評価した。
◎:かぶりが非常に少ない
○:かぶりが少ない
△:かぶりがやや多い
×:かぶりが非常に多い
2.3 印字性能(フィルミングによる影響)の評価
各実施例および各比較例で製造したプリンタにおいて、所定の印字パターンで30000枚の印字を行った。
そして、1000枚印字後、10000枚印字後、30000枚印字後において、フィルミングによる印字ムラについて、以下の基準にしたがい評価を行った。
◎:フィルミングによる印字ムラが全く認められなかった
○:フィルミングによる印字ムラがわずかに認められた
△:フィルミングによる印字ムラが認められた
×:フィルミングによる印字ムラが顕著に認められた
以上、2.1〜2.3の評価結果を、表1に示す。
Figure 0004715728
表1からも明らかなように、各実施例で得られたプリンタでは、30000枚印字しても印字ムラが少なく、良好な印字結果が得られた。特に、実施例1、2、4では、かぶりの発生も非常に少ないことが認められた。
一方、各比較例で得られたプリンタでは、比較的少ない印字枚数でも、印字ムラが多く認められた。
本発明の画像形成装置の概略構成を示す模式的断面図である。 本発明の現像装置の概略構成を示す模式的断面図である。 現像ローラの概略構成を示す平面図である。 図3に示す現像ローラに形成された溝の拡大平面図である。 図4中のA−A線断面図である。 図4の斜視図である。 本発明の現像ローラの製造方法を説明するための模式図である。 従来の現像ローラの製造方法の一例を説明するための模式図である。
符号の説明
10……プリンタ 2……溝 21……第1の溝 211……側面 212……底面 22……第2の溝 20……感光体 3……凸部 31……頂面 30……帯電ユニット 300……本体 301……外周部 301a……外周面 310……縮径部 320……溝形成部 40……露光ユニット 50……現像ユニット 50a……軸 51……ブラック現像装置 52……マゼンタ現像装置 53……シアン現像装置 54……イエロー現像装置 55a〜55d……保持部 510……現像ローラ 511……金属管 511a……外周面 512……表面層 513……ダイス 513a……凸部 514……接続部(縁部) 520……シール部材 530……収容部 540……ハウジング 550……トナー供給ローラ 560……規制ブレード 560a……ゴム部 560b……ゴム支持部 562……ブレード支持板金 570……ブレード裏部材 60……一次転写ユニット 70……中間転写体 75……クリーニングユニット 76……クリーニングブレード 80……二次転写ユニット 90……定着ユニット 92……給紙トレイ 94……給紙ローラ 96……レジローラ 902……凹部 911……金属管 911a……外周面 913……ダイス 913a……凸部 914……接続部 P1……記録媒体 T……トナー O……回転軸(中心軸)

Claims (18)

  1. 外周部にトナーを保持する凹部を備えた現像ローラの製造方法であって、
    金属製の管体の外周面上に、主として金属材料で構成され、前記管体より硬度が高い表面層を形成する表面層形成工程と、
    該表面層形成工程の後、転造法により、前記表面層を形成した管体の外周部に、前記凹部を形成する凹部形成工程とを有することを特徴とする現像ローラの製造方法。
  2. メッキ法により前記表面層を形成する請求項1に記載の現像ローラの製造方法。
  3. 前記表面層の平均厚さは、1〜15μmである請求項1または2に記載の現像ローラの製造方法。
  4. 前記表面層と前記管体との硬度差は、ビッカース硬度HVで100〜900である請求項1ないし3のいずれかに記載の現像ローラの製造方法。
  5. 前記管体を構成する金属材料は、炭素鋼である請求項1ないし3のいずれかに記載の現像ローラの製造方法。
  6. 前記炭素鋼中の炭素の含有率は、0.3質量%以下である請求項5に記載の現像ローラの製造方法。
  7. 前記表面層は、ニッケルを主成分とする金属材料で構成される請求項1ないし3のいずれかに記載の現像ローラの製造方法。
  8. 前記表面層は、添加物として、ホウ素およびリンのうちの少なくとも1種を含む請求項7に記載の現像ローラの製造方法。
  9. 前記表面層中における前記添加物の含有率は、1〜15wt%である請求項8に記載の現像ローラの製造方法。
  10. 前記表面層形成工程と前記凹部形成工程との間に、前記表面層に熱処理を施すことにより、前記表面層と前記管体との硬度差を拡大する熱処理工程を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の現像ローラの製造方法。
  11. 前記凹部は、複数本の溝を有する請求項1ないし10のいずれかに記載の現像ローラの製造方法。
  12. 前記複数本の溝は、
    互いに平行であり、かつ、前記外周部の周方向に対して傾斜する方向に形成された複数の第1の溝と、
    互いに平行であり、かつ、前記外周部の周方向に対して傾斜する方向に形成され、前記各第1の溝と交差する複数の第2の溝とを有する請求項11に記載の現像ローラの製造方法。
  13. 前記管体の外周面において、前記複数本の溝が占める面積率は、前記外周面の面積の40〜90%である請求項11または12に記載の現像ローラの製造方法。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載の現像ローラの製造方法により製造されたことを特徴とする現像ローラ。
  15. 前記凹部の縁部が、丸みを帯びている請求項14に記載の現像ローラ。
  16. 前記縁部の縦断面の曲率半径は、前記トナーの平均半径より大きい請求項15に記載の現像ローラ。
  17. 請求項14ないし16のいずれかに記載の現像ローラを備えることを特徴とする現像装置。
  18. 請求項17に記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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