JP4715131B2 - 電流測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気エネルギーを放出するセルを備える燃料電池の局所電流を測定する装置に関する。
従来、電気エネルギーを放出するセルを備える電力機器として、例えば水素と酸素との電気化学反応を利用して電力を発生する燃料電池が知られている。燃料電池セルは、局所的な燃料供給量の不足や局所的な水分の過不足により、発電分布が生じる。このような発電分布が生じると、セル面内の有効発電面積が減少し、発電効率が低下する。
このような問題に対し、燃料流れ方向(セル長手方向)における複数箇所で集電することで、燃料長手方向における発電分布を均一にする燃料電池が提案されている(特許文献1)。
特開平10−230224号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の複数箇所からの集電を行う構成では、燃料電池セルが積層されたスタック構造に適用する場合、構造が複雑になるという問題がある。これはコストアップにつながる。さらに、上記特許文献1の燃料電池では、燃料電池セルがどのような発電分布となっているのかを把握できず、適切に発電分布を抑制することが難しい。
また、燃料電池セルに発電分布が発生する要因としては、例えば、酸素の供給不足や水素の供給不足、電解質の抵抗増大などがあり、これらの要因を特定しなければ、その要因に応じた適切な処置を行うことができない。
本発明は上記点に鑑みて、簡易な構成で、電気エネルギーを放出するセルを備える電力機器において、発電分布を抑制することを目的とする。さらに、セルにおける発電分布の発生要因を特定可能にすることを他の目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、酸化剤ガスと燃料ガスとの電気化学反応により電気エネルギーを発生させるセル(100)が複数積層された燃料電池(10)の電流を測定する電流測定装置であって、積層されたセル間に配置され、絶縁材料からなる板状部材(500)と、板状部材をマトリックス状に区画した各部位に設けられ、板状部材を両側から挟み込むセルを電気的に接続する導電材料からなる複数の柱状部(502)と、柱状部を流れる電流を測定する電流センサ(503、504)と、柱状部に設けられ、柱状部を電気的に開閉可能なスイッチ(505)と、電流センサの測定結果に基づいてスイッチの開閉制御を行う制御部(506)とを備え、制御部は、電流センサにて測定した電流値が所定の閾値を上回った場合に、スイッチを開状態にすることを特徴としている。
以上のように、セルの間に電流を遮断可能なスイッチを備える電流測定装置を配置し、電流値が閾値を超えた部位のスイッチを開状態にすることで、セルの電流密度を平均化することができる。これにより、簡易な構成で、セルの発電分布を抑制することができる。
また、請求項2に記載の発明では制御部は、燃料電池が定常運転している際に、複数の柱状部からランダムに選択された柱状部のスイッチを開閉することを特徴としている。これにより、セルの特定の部位で電流密度のバラツキが発生することを抑制でき、セルの電流密度を平均化することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、柱状部は、板状部材において、セル内の乾燥しやすい酸化剤ガス入口部(111)の近傍または燃料ガス入口部(121)の近傍の少なくとも一方に対応する部位に設けられており、制御部は、電流センサにて測定した電流値が所定値以下の場合に燃料電池内が乾燥状態であると判定することができる。これにより、燃料電池が乾燥した際には、それを適確に診断することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、柱状部は、板状部材において、セル内の水分過剰となりやすい燃料ガス出口部(122)の近傍に対応する部位に設けられており、制御部は、電流センサにて測定した電流値が所定値以下の場合に燃料電池内が水分過剰状態であると判定することができる。これにより、燃料電池が水分過剰となった際には、それを適確に診断することができる。
また、請求項5に記載の発明のように、柱状部は、板状部材において、セル内の燃料ガスが不足しやすい燃料ガス出口部(122)の近傍に設けられており、制御部は、電流センサにて測定した電流値が所定値以下の場合に燃料電池内が燃料ガス不足状態であると判定することができる。これにより、燃料電池が燃料ガス不足となった際には、それを適確に診断することができる。
また、請求項6に記載の発明のように、柱状部は、板状部材において、セル内の水分過剰になりやすく且つ燃料ガスが不足しやすい燃料ガス出口部(122)の近傍に対応する部位に設けられており、制御部は、電流センサにて測定した電流が所定電流値未満で、且つ電流センサにて測定した電流の低下速度が所定低下速度未満であるときは、燃料電池内が水分過剰状態であると判定し、電流センサにて測定した電流が所定電流値未満で、且つ電流センサにて測定した電流の低下速度が所定低下速度以上であるときは、燃料電池内が燃料ガス不足状態であると判定することができる。
これにより、燃料電池が水分過剰となった場合と燃料電池が燃料ガス不足となった場合とを、それぞれ区別して適確に診断することができる。したがって出力低下要因に応じた適確な制御を行うことができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る電流測定装置を用いた燃料電池システムについて説明する。図1は第1実施形態に係る燃料電池システムを示す模式図で、この燃料電池システムは例えば電気自動車に適用される。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池システムは、水素と酸素との電気化学反応を利用して電力を発生する燃料電池10を備えている。この燃料電池10は、電気負荷11や2次電池(図示せず)等の電気機器に電力を供給するものである。因みに、電気自動車の場合、車両走行駆動源としての電動モータが電気負荷11に相当する。
本実施形態では燃料電池10として固体高分子電解質型燃料電池を用いており、基本単位となる燃料電池セルが複数個積層され、且つ電気的に直列接続されている。燃料電池10では、以下の水素と酸素の電気化学反応が起こり電気エネルギが発生する。
(負極側)H2→2H++2e-
(正極側)2H++1/2O2+2e-→H2
そして、各セル毎の出力電圧を検出するセルモニタ12が設けられ、セルモニタ12で検出したセル電圧信号が後述する燃料電池制御部40に入力されるようになっている。
燃料電池システムには、燃料電池10の空気極(正極)側に空気(酸素)を供給するための空気流路20と、燃料電池10の水素極(負極)側に水素を供給するための水素流路30が設けられている。なお、空気は本発明の酸化ガスに相当し、水素は本発明の燃料ガスに相当する。
空気流路20の最上流部には、大気中から吸入した空気を燃料電池10に圧送するための空気ポンプ21が設けられ、空気流路20における空気ポンプ21と燃料電池10との間には、空気への加湿を行う加湿器22が設けられ、空気流路20における燃料電池10の下流側には、燃料電池10に供給される空気の圧力を調整するための空気調圧弁23が設けられている。
水素流路30の最上流部には、水素が充填された水素ボンベ31が設けられ、水素流路30における水素ボンベ31と燃料電池10との間には、燃料電池10に供給される水素の圧力を調整するための水素調圧弁32と、水素への加湿を行う加湿器33が設けられている。
水素流路30における燃料電池10の下流側は、水素調圧弁32の下流側に接続されて水素流路30が閉ループに構成されており、これにより水素流路30内で水素を循環させて、燃料電池10での未使用水素を燃料電池10に再供給するようにしている。そして、水素流路30における燃料電池10の下流側には、水素流路30内で水素を循環させるための水素ポンプ34が設けられている。
燃料電池制御部(FC−ECU)40は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータとその周辺回路にて構成されている。そして、燃料電池制御部40には、セルモニタ12からのセル電圧信号や後述する電流センサからの信号が入力される。また、燃料電池制御部40は、演算結果に基づいて、空気ポンプ21、加湿器22、33、空気調圧弁23、水素調圧弁32、水素ポンプ34に制御信号を出力する。
図2は電流測定装置50を装着した燃料電池10の斜視図、図3は図2の燃料電池10の側面図である。本実施形態の燃料電池10は、固体高分子電解質膜型燃料電池であり、基本単位となるセル100が多数積層され、且つ電気的に直列接続されている。図3に示すように、セル100は、電解質膜の両側面に電極が配置されたMEA(Membrane Electrode Assembly:電解質・電極接合体)101と、このMEA101を挟持する空気側セパレータ110および水素側セパレータ120で構成されている。セパレータ110、120は、カーボン材または導電性金属よりなる板状部材からなる。
図3に実線で示すように、空気側セパレータ110には、空気を流すための空気流路Aが形成されており、空気流路Aを介して酸素が各セル100に対して並列に供給される。また、図3に一点鎖線で示すように、水素側セパレータ120には、水素を流すための水素流路Bが形成されており、水素流路Bを介して水素が各セル100に対して並列に供給される。
図2に示すように、積層されたセル100の両端には端子板11が配置されている。図2中の斜線で示すように、ある2つのセル100間に電流測定装置50が配置されている。
図4は電流測定装置50の斜視図であり、図5は図4の電流測定装置50の要部の正面図であり、図6は図5のA−A断面図である。
図4に示すように、電流測定装置50は、絶縁体よりなる板状部材500を備えている。板状部材500としては、例えば樹脂材料を用いることができる。板状部材500には、空気入口側通路500a、空気出口側通路500b、水素入口側通路500c、水素出口側通路500dが形成されている。
図4、図5に示すように、板状部材500には、ロの字状の溝501によって囲まれた直方体の柱状部502が複数形成され、この柱状部502の端部は隣り合うセル100に接触するようになっている。板状部材500に形成する柱状部502の数や位置は、任意に設定できる。本実施形態では、板状部材500の全面をマトリックス状に区画し、各部位に合計15個(=3個×5個)の柱状部502を設けている。なお、図4、図5に示す例では溝501をロの字状とし、柱状部502を直方体状としたが、これに限らず、例えば溝501を円状、柱状部502を円柱状のような他の形状にすることもできる。
図6に示すように、柱状部502は、板状部材500とは別部材として構成されているとともに、導電性材料から構成されている。柱状部502の両端は、セル100と接触する接触電極となっている。このような構成により、電流測定装置50の両側に位置するセル100は、柱状部502を介して電気的に接続されることとなる。また、柱状部502におけるセル100と接する端部の面積を、セル面積の4%程度とすることで、セル積層方向における複数のセル100の状態を検知することができる。
図5に示すように、溝501には、柱状部502を囲むようにして鉄心503が配置され、鉄心503の両端部間に磁気センサとしてのホール素子504が配置されている。なお、鉄心503とホール素子504とにより、本発明の電流センサを構成している。なお、磁気センサとしてホール素子の他にMR素子、MI素子、フラックスゲート等を用いることができる。さらにシャント抵抗を用いた電流センサ等を用いることもできる。
上記構成において、セル100における柱状部502に対向する部位から放電される局所電流が柱状部502に流れると、その電流に比例した磁界が柱状部502の周囲に発生する。ホール素子504は、局所電流によって発生した磁界を検出し、電圧に変換する。したがって、鉄心503部の磁界の強さをホール素子504にて測定することにより、柱状部502を流れる電流、ひいてはセル100の局所電流を検出することができる。
図6に示すように、柱状部502の途中には柱状部502を電気的に開閉可能なスイッチ505が設けられている。スイッチ505としては、トランジスタのようなスイッチング素子を用いることができる。
図7は、電流測定装置50の制御ブロック図である。電流測定装置50は、図7に示す制御部506を備えている。制御部506は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータとその周辺回路にて構成されている。制御部506には、ホール素子504からの信号が入力する。そして、制御部506はホール素子504からの信号に基づいてスイッチ505の開閉制御を行う。また、制御部506は、燃料電池制御部40と通信可能になっており、各燃料電池セル100の出力電圧を検出するセルモニタ12で検出したセル電圧信号が燃料電池制御部40を介して制御部506に入力されるようになっている。
次に、燃料電池10内部の水分量と電流測定装置50で測定した電流値との関係について説明する。
図8は図3の右側から見た空気側セパレータ110の透視図である。図8に示すように、空気側セパレータ110は、空気流路に接続される空気入口部111および空気出口部112と、空気入口部111から空気出口部112に向かって空気を流すための空気流路溝113とを備えている。なお、空気側セパレータ110は本発明の第1セパレータに相当し、空気流路溝113は本発明の酸化剤ガス流路に相当し、空気入口部111は本発明の酸化剤ガスの入口部に相当し、空気出口部112は本発明の酸化剤ガスの出口部に相当する。
図9は図3の右側から見た水素側セパレータ120の透視図である。図9に示すように、水素側セパレータ120は、水素流路に接続される水素入口部121および水素出口部122と、水素入口部121から水素出口部122に向かって水素を流すための水素流路溝123とを備えている。なお、水素側セパレータ120は本発明の第2セパレータに相当し、水素流路溝123は本発明の燃料ガス流路に相当し、水素入口部121は本発明の燃料ガスの入口部に相当し、水素出口部122は本発明の燃料ガスの出口部に相当する。
燃料電池10に供給される空気への加湿量が低下すると、MEA101の電解質膜における、空気入口部111に近い部位が乾燥する。図10は、空気湿度ψaの低下に伴って電解質膜の乾燥が発生した際の乾燥発生部における電流Iの経時変化を示すもので、電解質膜における乾燥部位ではプロトン伝導抵抗が増加して電流が低下する。
同様に、燃料電池10に供給される水素への加湿量が低下すると、MEA101の電解質膜における水素入口部121近傍が乾燥し、乾燥部位ではプロトン伝導抵抗が増加し電流が低下する。なお、水素への加湿量の低下に伴って電解質膜の乾燥が発生した際の乾燥発生部における電流の変化は、図10に示した空気湿度ψa低下の場合と同様となる。
このことから、乾燥が発生しやすい空気入口部111近傍や水素入口部121近傍の電流I、すなわち、空気入口側電流Ia・inや水素入口側電流Ih・inを測定することにより、燃料電池10の電解質膜の乾燥状態を診断することが可能である。具体的には、空気入口側電流Ia・inや水素入口側電流Ih・inが所定電流値未満の場合は、電解質膜の乾燥部位ありと推定することができる。なお、所定電流値は、電解質膜の乾燥がないときの電流値の90%程度に設定する。
逆に、空気や水素への加湿量が過剰になった場合、電極に水分過剰な濡れ状態が発生する。その際には、水素出口部122近傍に最も液滴が滞留して水分過剰となりやすく、したがってMEA101の電極における水素出口部122に近い部位で顕著に発生しやすい。水素出口部122近傍が水分過剰となりやすい理由としては、水素入口部121から水素流路溝123を介して水素出口部122に水が輸送されることに加え、水素が消費されるため水素流量が低下しており水の排出力が低下していることが挙げられる。図11は、水素出口部122の水滴量Vwの増加に伴って電極が水分過剰状態となった際の、水分過剰部の局所電流Iの変化を示すもので、水滴量Vwの増加に伴ってガスの透過が阻害されて電池の出力が低下する。
次に、燃料電池1への水素供給量と電流測定装置50で測定した電流値との関係について説明する。
水素供給量が発電量に対して不足する場合も、水素出口部122近傍から水素不足が発生するため、MEA101における水素出口部122に近い部位の電流が低下する。図12は、水素供給量Qhが不足した際の、MEA101における水素出口部122に近い部位の電流Iの変化を示すもので、水素不足が発生すると、直ちに且つ急激に電流Iが低下する。
このことから、MEA101における水素出口部122に近い部位の電流I、すなわち水素出口側電流Ih・outが、所定電流値未満の場合は、水分過剰発生または水素不足発生と推定することができる。なお、所定電流値は、水分過剰状態および水素不足状態の電流値の90%程度に設定する。
ここで、水分過剰時および水素不足発生時は、いずれもMEA101における水素出口部122に近い部位の電流Iが低下するため、電流Iの低下要因がいずれであるかを特定する必要がある。
図13は、水分過剰発生時の、MEA101における水素出口部122に近い部位の電流Iの変化と、水素不足発生時の、MEA101における水素出口部122に近い部位の電流Iの変化を示すものである。また、図14は、水分過剰発生時および水素不足発生時の、MEA101における水素出口部122に近い部位の電流Iの低下速度(以下、電流低下速度という)を示すものである。なお、本明細書でいう電流低下速度とは、単位時間あたりの電流変化量の絶対値である。図13、図14において、実線は水分過剰発生時の特性、破線は水素不足発生時の特性であり、t1は水分過剰や水素不足が発生した時刻である。
図13、図14に示すように、水分過剰発生時と比較すると、水素不足発生時の電流Iは急激に低下する。このことから、電流低下が発生する際の電流低下速度によって電流Iの低下要因を特定することが可能である。具体的には、水素出口側電流Ih・outが所定電流値未満で、且つ電流低下速度が所定低下速度dI1(図14参照)未満の場合は水分過剰発生と推定し、水素出口側電流Ih・outが所定電流値未満で、且つ電流低下速度が所定低下速度dI1以上の場合は水素不足発生と推定することができる。なお、所定低下速度dI1は、1.0(mA/SEC/cm2)程度に設定する。
次に、上記電流測定装置50を用いた燃料電池1の出力低下要因の診断方法について説明する。
まず、空気入口部111近傍に設けられた電流センサ503、504によって空気入口側電流Ia・inを測定する。この結果、空気入口側電流Ia・inが所定電流値未満であれば、電解質膜の乾燥部位ありと診断し、空気入口側電流Ia・inが所定電流値以上であれば、電解質膜の乾燥部位なしと診断することができる。このように電解質膜の乾燥部位ありと診断された場合には、燃料電池1に供給される空気の湿度ψaが低いと推測されるため、例えば加湿器による空気への加湿量を増加すればよい。
次に、水素入口部121近傍に設けられた電流センサ503、504によって水素入口側電流Ih・inを測定する。この結果、水素入口側電流Ih・inが所定電流値未満であれば、電解質膜の乾燥部位ありと診断し、水素入口側電流Ih・inが所定電流値以上であれば、電解質膜の乾燥部位なしと診断することができる。このように電解質膜の乾燥部位ありと診断された場合には、燃料電池10に供給される水素への加湿量が少ないと推測されるため、例えば加湿器による水素への加湿量を増加すればよい。
次に、水素出口部122近傍に設けられた電流センサ503、504によって水素出口側電流Ih・outを測定する。この結果、水素出口側電流Ih・outが所定電流値以上であれば、水分過剰または水素不足が発生していないと診断することができる。水素出口側電流Ih・outが所定電流値未満で、且つ水素出口側電流Ih・outの電流低下速度が所定低下速度未満の場合は、電極が水分過剰状態であると診断することができる。このように、電極が水分過剰状態と診断された場合には、空気や水素への加湿量が過剰、あるいは、水素流量低下による水の排出力低下と推測されるため、例えば加湿器による空気および水素への加湿量をともに減少させるとともに、水素流量を増加させればよい。
また、水素出口側電流Ih・outが所定電流値未満で、且つ水素出口側電流Ih・outの電流低下速度が所定低下速度以上の場合は、水素供給量が不足と診断することができる。このように、水素供給量が不足と診断された場合には水素流量を増加させればよい。
次に、本実施形態の燃料電池10の電流制御について図15に基づいて説明する。図15は、電流測定装置50の制御部506が行う処理内容を示すフローチャートである。
まず、電流測定装置50のすべてのスイッチ505をオンにし(S10)、すべての電流センサ503、504で電流を測定する(S11)。そして、各電流センサ503、504で測定した電流値が予め設定した閾値(例えば電流密度1A/cm2)を超えているか否かを判定する(S12)。この閾値は任意に設定することができる値である。この結果、各電流センサ503、504で測定した電流値が閾値を超えていない場合には、リターンする。
一方、いずれかの電流センサ503、504で測定した電流値が閾値を超えている場合には、電流値が閾値を超えた部位のスイッチ505をオフにする(S13)。これにより、電流密度が高い部位における電流の流れが遮断され、燃料電池セル100の電流密度を平均化することができる。そして、制御部506は、燃料電池制御部40に対して発電復帰処理を行うように指示する(S14)。発電復帰処理は、電流センサ503、504の測定結果から推測した発電分布の原因に基づいて、燃料電池10に供給される空気・水素に対する加湿量の制御や、水素供給量の制御を行う。そして、所定時間が経過するまで、S13とS14の処理を行う(S15)。
所定時間経過後、セル電圧が異常であるか否か判定する(S16)。具体的には、セル電圧が所定電圧を下回り、セル電圧が復帰しない場合に異常であると判定する。この結果、セル電圧が異常であると判定された場合には、すべてのスイッチ505をオンにして(S17)、リターンする。一方、セル電圧が異常でないと判定された場合には、S10に戻り、すべてのスイッチ505をオンにして(S10)、電流を測定し(S11)、電流値が閾値を超えていなければリターンし(S12)、電流値が閾値を超えていればS13〜S15の処理を行う。
以上のように、燃料電池セル100の間に電流を遮断可能なスイッチ505を備える電流測定装置50を配置し、電流値が閾値を超えた部位のスイッチ505をオフにすることで、燃料電池セル100の電流密度を平均化することができる。これにより、簡易な構成で、燃料電池セル100の発電分布を抑制することができる。
また、燃料電池1に局所電流を測定可能な電流測定装置50を設けることで、空気入口側電流Ia・inおよび水素入口側電流Ih・inに基づいて電解質膜の乾燥状態を診断し、水素出口側電流Ih・outと水素出口側電流Ih・outの電流低下速度とに基づいて電極の水分過剰や水素不足を診断することができる。これにより、燃料電池1の出力低下要因を適確に診断することができる。さらに、燃料電池1の出力低下要因を特定することができ、したがって出力低下要因に応じた適確な制御を行うことができる。
例えば、セル100に対して水素の供給不足が発生した場合、水素出口部122での電流密度が極度に低下する。このような、水素不足の状態のまま運転すると、MEA101の電極を損傷することになるため、この状態をいち早く検知し、回避するように制御しなくてはならない。そこで、電流測定装置50で水素出口部122の近傍での局所電流を測定し、局所電流の経時変化を測定することにより、セル電圧のみでは検出が困難な水素の供給状態を診断することが可能である。これに基づいて、水素の供給状態を制御することにより、劣化の危険性がある運転状態を極力回避することが可能となる。
また、本実施形態の電流測定装置50は、積層されたセル100間に板状部材500を配置することができる。このため、電流測定装置50は、燃料電池10における任意の位置に単数あるいは複数配置することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図16に基づいて説明する。本第2実施形態では、燃料電池10の定常運転時に電流測定装置50のスイッチ505のオンオフパターンをランダムに切り替えるように構成されている。以下、上記第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図16は、本第2実施形態の電流測定装置50のスイッチ505のオンオフのパターンの一例を示している。図16では、板状部材500を24分割し、それぞれに電流センサ503、504と、スイッチ505とを設けている。図16中、白抜き部分がスイッチ505がオンになっている部位を示し、斜線部分がスイッチ505がオフになっている部位を示している。本第2実施形態では、燃料電池10の定常運転時に、電流測定装置50のスイッチ505の切り替えを、図16に示すオンオフパターンにしたがって繰り返し行うように構成されている。
このように、板状部材500をマトリックス状に区画した各部位に設けられた複数の柱状部502のうち、ランダムに選択された柱状部502のスイッチ505を開閉することにより、特定の部位で電流密度のバラツキが発生することを抑制でき、燃料電池セル100の電流密度を平均化することができる。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、すべての柱状部502にスイッチ505を設けたが、必ずしもすべての柱状部502にスイッチ505を設ける必要はない。例えば燃料電池セル100の電流密度が高くなりやすい部位に対応する柱状部502のみにスイッチ505を設けてもよい。
また、電流測定装置は、セル100を構成するセパレータ110、120に組み込むことができる。すなわち、セパレータ110、120を絶縁材料から構成して、溝および柱状部を形成し、その溝に鉄心およびホール素子を配置する。そして、柱状部にスイッチを設ける。これにより、鉄心部の磁界の強さをホール素子にて測定することにより、柱状部を流れる電流、ひいてはセル100の局所電流を検出することができるとともに、電流密度が高い部位の電流を遮断して電流密度を平均化することができる。
また、上記実施形態では、スイッチ505の開閉制御をオンオフ制御により行ったが、これに限らず、オンとオフの時間的比率を変えるデューティー比制御によりスイッチ505の開閉制御を行うように構成してもよい。
また、上記実施形態では、S16においてセル電圧に基づいて燃料電池10の異常発生を判定したが、これに限らず、燃料電池10の温度を検出する温度センサを設け、燃料電池温度に基づいて燃料電池10の異常発生を判定するように構成してもよい。具体的には、燃料電池温度が予め設定した所定温度を上回った場合に異常発生と判定することができる。
第1実施形態の燃料電池システムの概念図である。 図1の燃料電池の斜視図である。 図1の燃料電池の側面図である。 図1の電流測定装置の斜視図である。 図4の電流測定装置の部分拡大図である。 図5のA−A断面図である。 電流測定装置の制御ブロック図である。 空気側セパレータの透視図である。 水素側セパレータの透視図である。 電解質膜の乾燥が発生した際の電流Iの変化を示す特性図である。 水素出口部の水滴量増加による水分過剰状態が発生した際の電流Iの変化を示す特性図である。 水素供給量が不足した際の電流Iの変化を示す特性図である。 水分過剰時および水素不足時の電流Iの変化を示す特性図である。 水分過剰時および水素不足時の電流Iの低下速度を示す特性図である。 第1実施形態における電流測定装置の制御部が行う処理内容を示すフローチャートである。 第2実施形態の電流測定装置のスイッチのオンオフのパターンを示す図である。
符号の説明
10…燃料電池、40…燃料電池制御部、50…電流測定装置、500…板状部材、502…柱状部、503…鉄心、504…ホール素子、505…スイッチ、506…制御部。

Claims (6)

  1. 酸化剤ガスと燃料ガスとの電気化学反応により電気エネルギーを発生させるセル(100)が複数積層された燃料電池(10)の電流を測定する電流測定装置であって、
    積層された前記セル間に配置され、絶縁材料からなる板状部材(500)と、
    前記板状部材をマトリックス状に区画した各部位に設けられ、前記板状部材を両側から挟み込む前記セルを電気的に接続する導電材料からなる複数の柱状部(502)と、
    前記柱状部を流れる電流を測定する電流センサ(503、504)と、
    前記柱状部に設けられ、前記柱状部を電気的に開閉可能なスイッチ(505)と、
    前記電流センサの測定結果に基づいて前記スイッチの開閉制御を行う制御部(506)とを備え、
    前記制御部は、前記電流センサにて測定した電流値が所定の閾値を上回った場合に、前記スイッチを開状態にすることを特徴とする電流測定装置。
  2. 前記制御部は、前記燃料電池が定常運転している際に、複数の前記柱状部からランダムに選択された柱状部のスイッチを開閉することを特徴とする請求項1に記載の電流測定装置。
  3. 前記柱状部は、前記板状部材において、前記セル内の酸化剤ガス入口部(111)の近傍または燃料ガス入口部(121)の近傍の少なくとも一方に対応する部位に設けられており、
    前記制御部は、前記電流センサにて測定した電流値が所定値以下の場合に前記燃料電池内が乾燥状態であると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の電流測定装置。
  4. 前記柱状部は、前記板状部材において、前記セル内の燃料ガス出口部(122)の近傍に対応する部位に設けられており、
    前記制御部は、前記電流センサにて測定した電流値が所定値以下の場合に前記燃料電池内が水分過剰状態であると判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電流測定装置。
  5. 前記柱状部は、前記板状部材において、前記セル内の燃料ガス出口部(122)の近傍に対応する部位に設けられており、
    前記制御部は、前記電流センサにて測定した電流値が所定値以下の場合に前記燃料電池内が燃料ガス不足状態であると判定することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の電流測定装置。
  6. 前記柱状部は、前記板状部材において、前記セル内の燃料ガス出口部(122)の近傍に設けられており、
    前記制御部は、前記電流センサにて測定した電流が所定電流値未満で、且つ前記電流センサにて測定した電流の低下速度が所定低下速度未満であるときは、前記燃料電池内が水分過剰状態であると判定し、前記電流センサにて測定した電流が前記所定電流値未満で、且つ前記電流センサにて測定した電流の低下速度が前記所定低下速度以上であるときは、前記燃料電池内が燃料ガス不足状態であると判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
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