JP4714915B1 - 慣性フィルタおよび粒子分級装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】意図した初期分級性能を得やすく、かつ、長期にわたり安定して粒子分級を行うことができる慣性フィルタおよびこれを備えた粒子分級装置を提供すること。
【解決手段】本慣性フィルタは、流体通過路に設置されるもので複数の粒子分級穴を一様な配列態様で有する粒子分級用シートを具備する。この粒子分級用シートは、それが設置される位置における流体通過面積よりも大きいシート面積を有し、かつ、その一部が当該流体通過路を粒子分級のため流体通過方向で2つに隔てる隔壁状に設置された構成を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体通過路内に配置されて流体中の粒子を慣性衝突効果等により分級することができる慣性フィルタおよびこれを備えた粒子分級装置に関するものである。
図16を参照して従来の慣性フィルタ100を説明する。従来の慣性フィルタ100は、流体通過路内に配置されて粒子分級することができるものであり、円柱状のフィルタ本体101を備える。フィルタ本体101は、流体通過上流側から下流側方向にかけて貫通した断面円形の貫通孔102を具備する。この貫通孔102は流体通過上流側の内径が漸次縮径する縮径貫通孔102aと、この縮径貫通孔102aに下流側で連成される内径が一定の定径貫通孔102bとを含む。この定径貫通孔102b内に、非圧縮性繊維の一例である金属繊維103が充填されている。金属繊維103は図示略の機構により定径貫通孔102bから流体通過方向下方へ抜け止めされている。
この慣性フィルタ100では、図示略のポンプの吸引力により、慣性フィルタ100の内圧を外圧以下に下げて両圧力で生成する圧力差で貫通孔102内に図中矢印AからB方向へ流体を発生させて粒子を分級させることができるようになっている。上記流体は、縮径貫通孔102a内で速度上昇して定径貫通孔102b内に流入して一定となる。そして、定径貫通孔102b内において流体に含む微粒子は金属繊維103に衝突して捕捉(捕集)される。
特開2008−70222号公報
上記の慣性フィルタ100においては、第1に、繊維は空間密度分布、配向、形状が一定でないので、意図した初期分級特性を得難い。また、第2に定径貫通孔102b内に金属繊維103を一様な密度で充填することが難しく、そのため、定径貫通孔102b内における金属繊維103の充填密度のばらつきにより分級特性がばらつき易く、安定した分級が難しい。第3に分級動作中に気流から受ける圧力で金属繊維103が流体通過方向に圧縮してしまって、分級特性が変化し、結果、安定した分級が難しい。第4に慣性フィルタ洗浄中に定径貫通孔102b内における金属繊維103の空間密度に変化が起こり得るが、このような変化は定量化しにくく、そのため当該慣性フィルタを再利用しにくい、といった課題がある。
したがって、本発明においては、上記に鑑みて、意図した初期分級性能を得やすく、かつ、長期にわたり捕集効率が低下しにくく安定した粒子分級を行うことができる慣性フィルタを提供することを課題としている。
本発明による慣性フィルタは、ナノ粒子を含む流体が通過する流体通過路に設置されて、該流体通過路内のナノ粒子を粒子慣性効果により捕集すると共に上記流体流速が大きくなる程、より小さな粒径のナノ粒子を捕集する慣性フィルタであって、当該慣性フィルタは、上記流体通過路上流側に配置されると共に該流体通過方向に内径が縮径する貫通孔を有し該貫通孔の形態により該流体通過路内の流体流速を調整する流量調整ノズルと、上記流量調整ノズルよりも流体通過路下流側に配置されかつ粒子慣性効果によりナノ粒子を捕集するための複数の粒子分級穴を一様な配列態様で有すると共に上記流量調整ノズルの貫通孔の下流側開口よりも大きいシート面積を有しかつそのシートが該下流側開口全面を塞ぐ様に当該流体通過路を流体通過方向において2つに隔てる隔壁状に設置された粒子分級用シートと、を具備し、 上記流量調整ノズルを該貫通孔の数が相違する他の流量調整ノズルと組み替えることで流量調整を可能とした、ことを特徴とする。
好ましくは、上記粒子分級用シートは、流体通過方向において単一のシートで構成されている。
好ましくは、上記粒子分級用シートは、流体通過方向において複数枚になって積層されている。
好ましくは、上記粒子分級用シートは、上記粒子分級穴として多数の貫通孔をメッシュ状の配列態様で備えたシートである。
好ましくは、上記粒子分級用シートは、線径が5−20μm、目開きが40−300μmのメッシュ状シートである。
好ましくは、上記粒子分級用シートの流体通過方向上流側に当該流体通過方向に縮径する縮径貫通孔を備えた流量調節ノズルを、流体流速調整に際して当該縮径貫通孔の縮径率が相違する他の流量調節ノズルと組み替え可能に配置する。
好ましくは、上記粒子分級用シートの流体通過方向上流側に当該流体通過方向に縮径する縮径貫通孔を備えた流量調節ノズルを、流量調整に際して縮径貫通孔の数が相違する他の流量調節ノズルと組み替え可能に配置する。
好ましくは、上記粒子分級用シートの流体通過方向上流側に当該流体通過方向に縮径する流路を備えた流量調節ノズルを配置すると共に、上記粒子分級用シートの複数を介装スペーサと交互に積層する。
好ましくは、上記介装スペーサを流路が相違する別の介装スペーサと組み替え可能として流速調整可能とする。
好ましくは、上記介装スペーサの積層枚数制御で分級制御可能とする。
好ましくは、上記流量調節ノズルを流路が相違する別の流量調節ノズルと組み替え可能として流速調整可能とする。
好ましくは、上記介装スペーサのスペーサ厚さ制御で分級制御可能とする。
好ましくは、上記流量調節ノズルの流路数およびこれに対応する介装スペーサの貫通孔数の制御で流量調整可能とする。
(2)本発明による粒子分級装置は、流体通過方向上流側に非圧縮性繊維を充填した慣性フィルタを粗粒子除去用として配置し、下流側に、上記(1)の慣性フィルタをナノ粒子分級用として配置した、ことを特徴とする。
なお、上記流体には気体に限らず、液体、その他のものを含む。
なお、上記慣性フィルタで捕集ないし捕捉される粒子は、気体中に浮遊する粒子に限定されず、他の溶媒例えば液中やその他を浮遊する粒子を含むことができる。また、分級する粒子は特に限定されず、樹脂微粒子、無機微粒子、金属微粒子、セラミック微粒子等が例示できる。粒子の形状は、特に限定されない。
なお、上記非圧縮性繊維は好ましくは金属繊維で構成することができる。また金属繊維として例えばステンレス繊維が好ましいが、ステンレス繊維に限定するものではなく、アルミ繊維、銅繊維、その他の金属繊維から選ばれる1種以上の金属繊維でもよい。また、非圧縮性繊維は、非圧縮性で高速気流が通過しても体積変化が殆どない繊維であればよく、金属繊維に限定されない。
本発明によれば、初期分級特性に優れ、長期にわたり安定して粒子分級を行うことができる慣性フィルタを提供することができる。
図1は本発明の実施の形態にかかる慣性フィルタを備えた粒子分級装置を側面から見た構成を示す図である。 図2(a)は本発明の実施形態の慣性フィルタが備えるナノ粒子分級用シートの形状例を示すもので平織り形状を示す図、図2(b)は綾織形状を示す図である。 図3は本発明の実施形態の慣性フィルタが備えるナノ粒子分級用シートの別の形状例を示すもので図3(a)は円穴形状で、図3(b)は長孔形状で、図3(c)は角孔形状でそれぞれ示す図である。 図4は拡散フィルタと慣性フィルタそれぞれのナノ粒子分級用シートの形状を比較して示す図である。 図5は図1の粒子分級装置に用いるナノ粒子分級用慣性フィルタにおいて流量調整ノズルによる流速調整の説明に用いる図である。 図6は図1の粒子分級装置に用いるナノ粒子分級用慣性フィルタにおいて流量調整ノズルによる流速調整の説明に用いる図である。 図7は本発明の実施の形態にかかる慣性フィルタを複数枚積層して備えた粒子分級装置を側面から見た構成を示す図である。 図8は図7の慣性フィルタの枚数に対する50%カットオフ径を示す図である。 図9(a)は図7のナノ粒子分級用慣性フィルタを分解した状態の外観構成を示す図、図9(b)はその慣性フィルタを組み立てた状態で断面構成を示す図である。 図10は図7の慣性フィルタを用いた粒子分級装置において粒子分級用シートの積層枚数を組み替えたときの粒径と捕集効率との関係の説明に用いる図である。 図11は図7の慣性フィルタを用いた粒子分級装置において流量調整ノズルおよび複数の介装スペーサーを組み替えたときの粒径と捕集効率との関係の説明に用いる図である。 図12は図7の慣性フィルタを用いた粒子分級装置において複数の慣性フィルタをその配置間隔を組み替えたときの粒径と捕集効率との関係の説明に用いる図である。 図13は図7の慣性フィルタを用いた粒子分級装置において流量調整ノズルと複数の介装スペーサーそれぞれの貫通孔の形状ないし個数を組み替えたときの流量調整の説明に用いる図である。 図14は本発明の実施形態の慣性フィルタのフィルタ性能を検証するための横軸に空気力学径、縦軸に捕集効率を示す図である。 図15は本発明の実施形態の慣性フィルタを示す図である。 図16は従来の慣性フィルタの側面から見た構成を示す図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る慣性フィルタおよびこれを備えた粒子分級装置を説明する。
図1に上記粒子分級装置の断面構成を示す。なお、実施の形態において分級対象となる粒子が浮遊する流体は、気体、液体、その他の溶媒を含むことができる。同図1に示す粒子分級装置1は、矢印Aで示す流体通過方向上流側から下流側にかけて、プレ慣性フィルタとして粗粒子除去用慣性フィルタ3と、本慣性フィルタとしてナノ粒子分級用慣性フィルタ5と、ナノ粒子捕集/装置導入部7と、を備える。
粗粒子除去用慣性フィルタ3は、円柱状プレート3aを備える。この円柱状プレート3aは流体通過方向へ内径が漸次縮径して同方向への流体流速を早くすることができる縮径貫通孔3bと、この縮径貫通孔3bの下流側開口に連成し同方向へ内径が一定とされて流体流速を一定化することができる定径貫通孔3cと、を備える。そしてこの粗粒子除去用慣性フィルタ3はその定径貫通孔3c内部に非圧縮性繊維として高速気流が通過しても体積変化が殆どない金属繊維好ましくはSUS(ステンレス)繊維3dが緻密に絡まった状態で充填されている。なお、金属繊維としてはSUS繊維に限定するものではなく、アルミ繊維、銅繊維、その他の金属繊維から選ばれる1種以上の金属繊維でもよい。また、非圧縮性で高速気流が通過しても体積変化が殆どない繊維であれば、金属繊維に限定しない。
ナノ粒子分級用慣性フィルタ5は、粗粒子除去用慣性フィルタ3に対して流体下流側直下に連続配置されて当該粗粒子除去用慣性フィルタ3に連結されている。ナノ粒子分級用慣性フィルタ5は、粗粒子除去用慣性フィルタ3外径と同じ外径で上流側に配置した内径が一定の円筒状プレート5aと、その円筒状プレート5aの外径と同外径で下流側に円筒状プレート5aに連成配置した円柱状プレート5bと、を含み、これらにより内部にフィルタ空間5cを構成する。円柱状プレート5bは、当該プレート中央に流体通過方向上流側から下流側へかけて内径が漸次縮径する縮径貫通孔5dが形成されている。そして、縮径貫通孔5dの下端に縮径貫通孔5dの下流側開口の内径よりも内径が大径でかつ一定径の定径貫通孔5eが設けられ、この定径貫通孔5eに粒子分級用シート9が配置されている。
この粒子分級用シート9は、図1では図示略のナノ粒子分級用の多数の穴を一様かつ密な配列態様例えばメッシュ状で有しており、かつ、それが設置される位置における流体通過面積、この例では縮径貫通孔5dの流体通過下流側開口の内径よりも大きいシート面積を有し、かつ、その一部9aが図中矢印Aで示す流体通過路を粒子分級のため流体通過方向において2つに隔てる隔壁状に設置されている。
ナノ粒子捕集/装置導入部7は、ナノ粒子分級用慣性フィルタ5の外径と同じ外径で上流側に配置した内径が一定の円筒状プレート7aと、その円筒状プレート7aの外径と同外径で下流側に円筒状プレート7aに連成配置した円柱状プレート7bと、を含み、これらにより内部に捕集空間7cを構成する。円柱状プレート7bは、当該プレート中央に流体通過方向上流側から下流側へかけて内径が漸次縮径する縮径貫通孔7dと、この縮径貫通孔7dに連成した内径が一定の定径貫通孔7eとが形成されており、捕集したナノ粒子を装置に導入することができるようになっている。この装置側では、流体を矢印Aで示すように図示略の吸引ポンプで吸引することで流体を排気することができるようになっている。
以上の構成において、実施形態の粒子分級装置1においては、ナノ粒子分級用慣性フィルタ5に、従来のように非圧縮性繊維を定径貫通穴内に充填した構造とは異なって、多数の微小貫通孔を有する粒子分級用シート9を用いたことを特徴とする。
ここで粒子分級用シート9の構造を図2−図4を参照して説明する。この粒子分級用シート9における多数の微小貫通孔はメッシュ状となっている。ここでメッシュ状は、プラスチックまたは金属からなる所定線径dの繊維11を所定の目開きDの状態に図2(a1)の側面からみた断面をもち、図2(a2)の平面から見て平織り形状で織ることで多数の微小貫通孔9a1が形成されたシート9a、図2(b1)の側面からみた断面をもち、(b2)の平面から見て綾織り形状で織ることで多数の微小貫通孔9b1が形成されたシート9b、また、通常のシートに対してエッチングで図3(a)のように多数の円状微小貫通孔9c1が形成されたシート9c、図3(b)のように多数の長孔状微小貫通孔9d1が形成されたシート9d、図3(c)のように多数の角孔状微小貫通孔9e1が形成されたシート9e、等を例示することができる。
これら貫通孔はもちろんナノ粒子の分級に要する孔径を有する。このことを、図4を参照して説明すると、図4には線10a,10bが交差してメッシュ状に形成される貫通孔10cを示す。そして、拡散フィルタと慣性フィルタとにおけるメッシュ状は、拡散フィルタでは線10a,10bの線径d=20μm程度、貫通孔10cのサイズである目開きD=20μm程度、流体ろ過速度は0.001−0.1m/sであり、これに対して慣性フィルタでは、線径d=5−20μm、目開きD=40−300μm、流体ろ過速度は1−100m/sである。なお、目開きとは、通過できる球状粒子の最大直径をいい、分級精度に重要なのが、目開きの均一性である。
この目開き率が上記範囲内であると、フィルタ強度が高く、また、圧力損失が少なく、流体流量を多くすることができるので好ましい。
上記メッシュ状の粒子分級用シートとしては、プラスチック繊維を織ったものとしては、ナイロンメッシュ、ポリエステルメッシュ、ポリプロピレンメッシュ、テフロン(登録商標)メッシュ、ポリエチレンメッシュを例示することができる。また、カーボンファイバを織り込んだナイロンメッシュ、カーボンファイバを織り込んだナイロンメッシュ等、2種以上の繊維で織られた繊維を例示することができる。金属繊維としては、SUS等を織ったメッシュ状フィルタを例示することができる。また、金属膜をエッチングする等により、多数の微小貫通孔を設けた金属膜も使用することができる。
以上のようにメッシュ状は、一定面積あるいは単位長当たりに規則的に複数の分級用の微小貫通孔が開けられた形状である。そして本実施形態では、粒子分級用シート9は縮径貫通孔5dの下流側開口の内径よりも大きいシート面積を有しているので、該縮径貫通孔5dの下流側開口にその一部9aがナノ粒子分級を行う部分として設置されるだけであるから、粒子分級用シート9の外周部付近で起こり得る、メッシュのほつれなどによる微小貫通孔の不均一性や、粒子分級用シート9の外周部と円柱状プレート5bとの隙間などが、当該一部9aでの分級精度に影響を与えることが少なくなる。
以上の構成において、粗粒子除去用慣性フィルタ3の縮径貫通孔3bは流体下流側方向へ直径が小さくなっていくので、流体は徐々に加速した後、定径貫通孔3cを一定速度で通過し、この通過の際に粗粒子を捕集する。この定径貫通孔3cは金属繊維3dが層状になったフィルタ構造になっているので、気体の流速、繊維径の選択に用いることができるストークス数Stkと、ペクレ数Peと、を適用することができる。ストークス数Stkは、金属繊維構造のフィルタ内での、気体の流れに対する粒子の追従性を表す無次元の値である。その式は省略する。ストークス数Stkは、流速、粒子密度に比例し、粒径の2乗に比例し、繊維径に反比例する。
ストークス数Stkの式によると、気体の流速が大きくなるに従い、粒径が大きい浮遊粒子から順に気体の運動に追従できなくなり、気体の流路から外れて金属繊維と衝突するようになる。このストークス数Stkを参考にしつつ、気体の流速を制御することと、繊維径を選択することとにより、捕集目的の粒子の粒径を選択することができる。実施の形態では金属繊維の繊維径は極めて小さいので、インパクタほど流速を大きくする必要がない。また、金属繊維は、粒子の慣性だけではなく、さえぎり、重力、静電気力、拡散などの捕集機構によっても粒子を捕集することができる。
ペクレ数Peは、気流により粒子が運ばれる効果と、拡散によって粒子が運ばれる効果との比率を表す数であり、流速、繊維径に比例し、拡散係数に反比例する。拡散の影響を少なくするには、ペクレ数Peを大きくする必要がある。粒径が小さいほど、拡散係数が大きくなり、繊維径は小さい値が選択されているので、流速を高めることが粒径の選択性を高めることに好ましいことがわかる。以上から、流速、繊維径等を選択することで、目的とする粒子を金属繊維により捕集ないし分級することができる。
そして、実施の形態では、特に、粗粒子除去用慣性フィルタ3の定径貫通孔3c内の金属繊維3dの充填量調整により、当該粗粒子除去用慣性フィルタ3の定径貫通孔3c内部の空隙率調整を行うことと、金属繊維3dの繊維径とにより、定径貫通孔3c内における気流流通性を大きく低下させず圧損を小さく抑制した結果、小型の気流吸引ポンプで小流量吸引しても粗粒子除去に必要な粒子慣性効果を得られるようにしている。
次に、実施形態の特徴であるナノ粒子分級用慣性フィルタ5の粒子分級用シート9により、ナノ粒子を分級することができるが、この粒子分級用シート9がメッシュ状になっているので、流体圧力が作用しても流体通過方向に圧縮されるようなことがなく、また、メッシュ状により空間率、空間形状も均一化し、これにより分級特性をシャープにすることができる。また、粒子分級用シート9の充填率を均一にすることができるので、分級径を制御しやすいうえに、粒子分級用シート9を例えば多層に積層することで分級径を現場で容易に調整することができるようになる。
また、粒子分級用シート9における流体の流通性はほとんど低下するようなことがないので、吸引ポンプとしても小型のもので小流量吸引しても圧損を小さく抑制しつつ、ナノ粒子分級に必要な粒子慣性効果を得ることができるようになる。
図1で示すナノ粒子分級用慣性フィルタ5における円柱状プレート5bを図5(a1)−(c1)でそれぞれ示すように流量調整ノズル13a−13cとして別の流量調整ノズルと交換可能として、流量調整を行うことができるようにしている。各流量調整ノズル13a−13cそれぞれの下端開口側には、それぞれ粒子分級用シート15a−15cが配置されている。この粒子分級用シート15a−15cの外周にはOリング17a−17cが配置され、これにより図中矢印で示す流体通過路は外部から密封されている。
図5(a1)の流量調整ノズル13aを備えた慣性フィルタ5aの場合は、縮径貫通孔13a1の流体通過方向単位長さ当たりの縮径率は通常であり、流体流速は基準流速となっている。これにより、図5(a2)で横軸に粒径、縦軸に捕集効率をとると、その捕集特性はc1で示すようになる。そして、図5(b1)で示す流量調節ノズル13bを備えた慣性フィルタ5bの場合、流量調整ノズル13b1の縮径貫通孔13b1の縮径率が大きく、流体流速が大きくなるので、図5(b2)で示すように捕集効率はc1からc2になり、50%カットオフ(分級)径が小さくなる。また、図5(c1)で示す流量調節ノズル13cを備えた慣性フィルタ5cの場合、流量調整ノズル13c1の縮径貫通孔13c1の縮径率が小さく、流体流速が小さくなるので、図5(c2)で示すように捕集効率はc1からc3になり、分級径が大きくなる。
すなわち、使用流量が一定の場合、流量調整ノズルを13a−13cに組み替えることにより分級径を段階的に変更し、これにより粒径分布が分かり、また、流量が相違する装置に接続しても、流体通過速度を一定にすることで、分級径を一定にすることができる。これは特定用途で分級径が一定であるべき用途例えば環境測定で用いると有用である。
図6を参照して流量調整ノズルによる流量調整を説明すると、図6(a1)に示す慣性フィルタ25aでは流量調整ノズル19aと、粒子分級用シート21aと、Oリング23aとを有する。図6(a2)は流量調整ノズル19aの表面、図6(a3)は同流量調整ノズル19aの裏面を示す。これに対して図6(b1)に示す慣性フィルタ25bでは流量調整ノズル19bと、粒子分級用シート21bと、Oリング23bとを有する。図6(b2)は流量調整ノズル19bの表面、図6(b3)は同流量調整ノズル19bの裏面を示す。なお、矢印は流体通過方向を示す。
図6(a1)の慣性フィルタ25aでは流量調整ノズル19aにおける縮径貫通孔27aが1つであるのと比較して、図6(b1)の慣性フィルタ25bでは流量調整ノズル19bにおける縮径貫通孔27bが複数であるので、分級特性を一定にして流量をより多く増加させることができるようになる。
図7を参照して本発明の別の実施形態にかかる粒子分級装置を説明する、この粒子分級装置29においては、図1のそれと同様に、粗粒子除去用慣性フィルタ31と、ナノ粒子分級用慣性フィルタ33と、粒子捕集/装置導入部35とを有する一方で、ナノ粒子分級用慣性フィルタ33に配置される粒子分級用シート37が複数の粒子分級用シート37a−37cで積層されて構成されている。そしてこのように粒子分級用シート37a−37cの積層構造とされている場合、図8で横軸に粒子分級用シートの積層枚数、縦軸に50%カットオフ径(分級径)とした分級特性で示すように積層枚数が増加すると、分級径が小さくなるので、このことを利用して、分級径を現場で調整することができる。なお、39はナノ粒子分級用慣性フィルタ33における流量調整ノズルである。また、図7では粒子分級用シート37の枚数は図解の都合で、3枚で示すものであり、3枚にはなんら限定されない。
図9(a)にナノ粒子分級用慣性フィルタ41を示し、図9(b)にその分解構成を示す。このナノ粒子分級用慣性フィルタ41は、フィルタケース43内部に組み替え可能な流量調整ノズル45と、組み替え可能な複数の粒子分級用シート47a−47cと、組み替え可能な複数の介装スペーサ49a−49cと、を含む。
粒子分級用シート47a−47cは、所定のシート厚さを有すると共に流量調節ノズル45の下流側開口の円形状の面積より大きい円形状のシート面積を有し、そのうちの一部が流量調節ノズル45の下流側開口に対向していると共に、介装スペーサ49a−49cは粒子分級用シート47a−47cに対して交互に積層され、それぞれ、粒子分級用シート47a−47cと同じ円形状で同面積であると共に同程度のスペーサ厚さを有して流量調節ノズル45の下流側開口と同径の貫通孔50a−50cが形成されている。これにより、介装スペーサ49a−49cの積層構造によるこれら貫通孔50a−50cの集合により流体流速を一定とする貫通孔を構成することができる。
以上により図9(a)(b)で示すナノ粒子分級用慣性フィルタ41にあっては、それぞれを構成する部品が組み替え可能であるので、それらの組み換えで流体流速を制御したり分級を制御したりすることが容易にできるようになる。
図10を参照して図9(a)(b)に示すナノ粒子分級用慣性フィルタ41で複数の粒子分級用シート47a−47cと、組み替え可能な介装スペーサ49a−49cと、を組み替えることで分級径を制御する例を説明する。図10(a1)に粒子分級用シートが47a−47cの3枚、介装スペーサが49a−49cの3枚の慣性フィルタ51、図10(a2)に分級特性c4を示す。図10(b1)に粒子分級用シートが47a−47eの5枚、介装スペーサが49a−49dの4枚の慣性フィルタ53、図10(b2)に分級特性c5を示す。図10(c1)に粒子分級用シートが47a,47bの2枚、介装スペーサが49a,49bの2枚の慣性フィルタ55、図10(c2)に分級特性c6を示す。図10(d)に粒子分級用シートの枚数を横軸、分級を縦軸とする分級径特性を示す。この図10(d)で示すように、粒子分級用シートの積層枚数が増加すると、分級径が小さくなることがわかる。
図11を参照して流量調整ノズルおよび介装スペーサにより分級径を制御する例を説明する。図11(a1)に基準流速を与える流量調整ノズル45a、粒子分級用シート47a−47c、および介装スペーサ48a1−48a3の慣性フィルタ57、図11(a2)に慣性フィルタ57の分級特性c7を示す。この分級特性c7は流量調節ノズル45aが備える縮径貫通孔51aの流体通過方向での単位長さ当たりの直径の縮径率および介装スペーサ48a1−48a3により与えられるものであり、これを基準流体流速とする。そして図11(b1)に基準流速より大きい流速を与える流量調整ノズル45b、粒子分級用シート47a−47cおよび介装スペーサ48b1−48b3の慣性フィルタ59、図11(b2)に慣性フィルタ59の分級特性c8を示す。この流量調節ノズル45bの縮径貫通孔51bの縮径率は大きく、および介装スペーサ48b1−48b3の貫通孔径は小さい、そのため、流体流速が上記基準流体流速よりも大きく流体中のナノ粒子の慣性衝突効果が大きくなる結果、この分級特性はc7からc8になり、より粒径が小さいナノ粒子を捕集することができるようになる。
図11(c1)に基準流速より大きい流速を与える流量調整ノズル45c、粒子分級用シート47a−47cおよび介装スペーサ48c1−48c3の慣性フィルタ61、図11(c2)に慣性フィルタ61の分級特性c9を示す。この流量調節ノズル45cの縮径貫通孔51cの縮径率は小さく、および介装スペーサ48c1−48c3の貫通孔径は大きい、そのため、流体流速が上記基準流体流速よりも小さく流体中のナノ粒子の慣性衝突効果が小さくなる結果、この分級特性はc7からc9になる。
これらの図で明らかであるように、流量調整ノズル45a−45cおよび介装スペーサ48a1−48a3,48b1−48b3,48c1−48c3の組み換えで、分級径を制御することができることがわかる。
図12を参照して介装スペーサで分級径を制御する例を説明する。図12(a1)に基準空間率を与える介装スペーサ49a1−49c1の慣性フィルタ63、図12(a2)に慣性フィルタ63の分級特性c9を示す。この慣性フィルタ63における空間率を基準空間率とする。この慣性フィルタ63における介装スペーサ49a1−49c1それぞれのスペーサ厚さを例えばtとする。全体では介装スペーサ49a1−49c1により構成される定径貫通孔長さは、3tである。47a−47cは粒子分級用シートである。
そして図12(b1)に介装スペーサ49a2−49c2の慣性フィルタ65、図12(b2)に慣性フィルタ65の分級特性c10を示す。この慣性フィルタ65の場合、介装スペーサ49a2−49c2それぞれのスペーサ厚さは例えば2tであり、そのため、慣性フィルタ63と比較して介装スペーサ49a2−49c2により構成される定径貫通孔長さは、6tである。そのため、空間率が大きく(充填率は小)となり、分級特性はより粒径が小さいナノ粒子を捕集することができる。
図12(c1)に介装スペーサ49a3−49c3の慣性フィルタ67、図12(c2)に慣性フィルタ67の分級特性c11を示す。この慣性フィルタ67の場合、介装スペーサ49a3−49c3それぞれのスペーサ厚さは例えば0.5tであり、そのため、慣性フィルタ63と比較して介装スペーサ49a3−49c3により構成される定径貫通孔長さは、1.5tである。そのため、空間率が小さく(充填率は大)となる。これらの図で明らかであるように、介装スペーサの組み換えで、分級径を図12(a2)(b2)(c2)のように制御することができることがわかる。
図13を参照して流量調整ノズルと介装スペーサとによる流量調整を行う例を説明する。図13(a1)の慣性フィルタ69は、流量調整ノズル50a、粒子分級用シート52a−52c、介装スペーサ54a1−54c1を有する。図13(a2)に流量調整ノズル50aの平面、裏面の構成を示し、図13(a3)に介装スペーサ54a1−54c1の平面構成を示す。流量調整ノズル50a、粒子分級用シート52a−52c、介装スペーサ54a1−54c1は、それぞれ流体通過方向に直交する面内での外形寸法は同じである。粒子分級用シート52a−52cは、流量調節ノズル50a、介装スペーサ54a1−54c1に交互に挟まれた状態で積層されている。介装スペーサ54a1−54c1にはそれぞれ流量調整ノズル50aの縮径貫通孔70の下流側開口と同径の単一貫通孔70a−70cが形成されており、それら単一貫通孔70a−70cは同一位置で流体通過方向A0で重なっている。
図13(b1)の慣性フィルタ71は、流量調整ノズル50b、粒子分級用シート52a−52c、介装スペーサ54a2−54c2とを有する。図13(b2)に流量調整ノズル50bの平面、裏面の構成を示し、図13(b3)に介装スペーサ54a2−54c2の平面構成を示す。流量調整ノズル50b、粒子分級用シート52a−52c、介装スペーサ54a2−54c2は、それぞれ流体通過方向に直交する面内での外形寸法は同じである。粒子分級用シート52a−52cは、流量調節ノズル50b、介装スペーサ54a2−54c2に交互に挟まれた状態で積層されている。流量調節ノズル50bには、複数の縮径貫通孔70が形成され、介装スペーサ54a2−54c2にはそれぞれ流量調整ノズル50bの複数の縮径貫通孔70´それぞれの下流側開口と対応しかつそれと同径の複数の貫通孔70a−70cが形成されており、それら複数の貫通孔70a−70cはそれぞれ同一位置で流体通過方向A1−A3で重なっている。
これらの図13(a1)の慣性フィルタ69と図13(b1)の慣性フィルタ71は、流体通過方向における貫通孔の数が相違しているが、図13(a1)の慣性フィルタ69の流体通過方向A0での流体流速と、図13(b1)の慣性フィルタ71の流体通過路A1−A3それぞれの流体流速は、一定で同じとして、慣性フィルタ69の流量よりも慣性フィルタ71の流量をより多くすることができる。
図14を参照して実施形態の慣性フィルタの実用例を説明する。図14において横軸に空気力学径、縦軸に捕集効率をとる慣性フィルタの分級特性を示す。c12は理論値による分級特性であり、黒四角◆、黒三角▲は粒子分級用シート5枚、介装スペーサ5枚を有する第1、第2慣性フィルタであり、×は粒子分級用シート5枚、介装スペーサ20枚を有する第3慣性フィルタである。ΔP=4.14、4.34、5.41(kPa)は各第1−第3慣性フィルタの初期圧力損失であり、cut−off径=165,160,130(nm)は、各第1−第3慣性フィルタの分級径である。また、流量は1.5リットル/分である。以上から、実施形態の慣性フィルタでは、理論値と実験値とが略一致しており、良好な分級特性を有する慣性フィルタであることが判る。
図15を参照して、製品としての慣性フィルタを示す。この慣性フィルタは、2つの円筒状雌雄一対のコネクタ80,81を備え、一方の雄コネクタ80の先端凸部80aを他方の雌コネクタ81の凹部81aに入れ込むことで内部に矢印方向の流体通過路を構成する。そして、この状態で雌コネクタ81の外周螺旋溝81bに雄コネクタ80側からナット82を回し込むことで、該ナット82で両コネクタ80,81を締結した構造となっている。そして、雄コネクタ80の先端凸部80aの内部に矢印方向に縮径する貫通孔80bと、複数の粒子分級用シート80cおよび介装スペーサ80dを設けた構成となっている。
以上説明したように本実施形態では、複数の粒子分級穴を一様な配列態様で有する粒子分級用シートを具備し、この粒子分級用シートの面積を、それが設置される位置における流体通過面積よりも大きくすると共に、かつ、その一部を当該流体通過路を粒子分級のため流体通過方向で2つに隔てる隔壁状に設置した慣性フィルタ構成であるので、定径貫通孔内に繊維を詰め込んだ慣性フィルタとは異なり、意図した初期分級性能を得やすく、かつ、長期にわたり分級特性が安定した慣性フィルタを提供することができる。特に、従来のように定径貫通孔に繊維を詰め込んだ場合のように、繊維の充填密度、配向、空間形状が不均一なため初期分級特性が制御し難いことはなく、また、分級動作中に気流から受ける圧力で繊維が流体通過方向に圧縮されて安定した分級が難しくなることはなく、また、繊維からシートに代わったのでフィルタ洗浄も容易となり、慣性フィルタの再利用も容易となる、など、意図した初期分級性能を得やすく、かつ、長期にわたり捕集効率が低下しにくく安定した粒子分級を行うことができる慣性フィルタを提供することができる。
1 粒子分級装置
3 粗粒子除去用慣性フィルタ
5 ナノ粒子分級用慣性フィルタ
9 粒子分級用シート

Claims (15)

  1. ナノ粒子を含む流体が通過する流体通過路に設置されて、該流体通過路内のナノ粒子を粒子慣性効果により捕集すると共に上記流体流速が大きくなる程、より小さな粒径のナノ粒子を捕集する慣性フィルタであって、
    当該慣性フィルタは、
    上記流体通過路上流側に配置されると共に該流体通過方向に内径が縮径する貫通孔を有し該貫通孔の形態により該流体通過路内の流体流速を調整する流量調整ノズルと、
    上記流量調整ノズルよりも流体通過路下流側に配置されかつ粒子慣性効果によりナノ粒子を捕集するための複数の粒子分級穴を一様な配列態様で有すると共に上記流量調整ノズルの貫通孔の下流側開口よりも大きいシート面積を有しかつそのシートが該下流側開口全面を塞ぐ様に当該流体通過路を流体通過方向において2つに隔てる隔壁状に設置された粒子分級用シートと、
    を具備し、
    上記流量調整ノズルを
    該貫通孔の数が相違する他の流量調整ノズルと組み替えることで流量調整を可能とした、ことを特徴とする慣性フィルタ。
  2. 上記粒子分級用シートは、流体通過方向において単一のシートで構成されている、請求項1に記載の慣性フィルタ。
  3. 上記粒子分級用シートは、流体通過方向において複数枚になって積層されている、請求項1に記載の慣性フィルタ。
  4. 上記粒子分級用シートは、上記粒子分級穴として多数の貫通孔をメッシュ状の配列態様で備えたシートである、請求項1ないし3のいずれかに記載の慣性フィルタ。
  5. 上記粒子分級用シートは、線径が5−20μm、目開きが40−300μmのメッシュ状シートである、請求項4に記載の慣性フィルタ。
  6. 上記粒子分級用シートを繊維径、目開き、空間率、空間形状などの相違する他の粒子分級用シートと組み替え可能に配置した、請求項1ないし5のいずれかに記載の慣性フィルタ。
  7. 複数の粒子分級用シートの流体通過方向間に介装スペーサを介装して積層すると共に、当該介装スペーサを貫通孔の径が相違する他の介装スペーサと組み替え可能に配置した、請求項1ないし6のいずれかに記載の慣性フィルタ。
  8. 上記粒子分級用シートを、少なくとも繊維径、目開き、空間率、空間形状で相違する他の粒子分級用シートと組み替えることで分級制御可能とした、請求項7に記載の慣性フィルタ。
  9. 上記粒子分級用シートの積層枚数制御で分級制御可能とした、請求項7に記載の慣性フィルタ。
  10. 上記介装スペーサの積層枚数制御で分級制御可能とした請求項7に記載の慣性フィルタ。
  11. 上記介装スペーサを貫通孔の径が相違する他の介装スペーサと組み替え可能として流速調整可能とした、請求項7に記載の慣性フィルタ。
  12. 上記介装スペーサのスペーサ厚さ制御で分級制御可能とした請求項7に記載の慣性フィルタ。
  13. 上記流量調整ノズルの流路数およびこれに対応する介装スペーサの貫通孔数の制御で流量調整可能とした請求項7に記載の慣性フィルタ。
  14. ナノ粒子を含む流体が通過する流体通過路に設置されて、該流体通過路内のナノ粒子を粒子慣性効果により捕集すると共に上記流体流速が大きくなる程、より小さな粒径のナノ粒子を捕集する慣性フィルタであって、
    当該慣性フィルタは、
    上記流体通過路上流側に配置されると共に該流体通過方向に内径が縮径する貫通孔を有し該貫通孔の形態により該流体通過路内の流体流速を調整する流量調整ノズルと、
    上記流量調整ノズルよりも流体通過路下流側に配置されかつ粒子慣性効果によりナノ粒子を捕集するための複数の粒子分級穴を一様な配列態様で有すると共に上記流量調整ノズルの貫通孔の下流側開口よりも大きいシート面積を有しかつそのシートが該下流側開口全面を塞ぐ様に当該流体通過路を流体通過方向において2つに隔てる隔壁状に設置された粒子分級用シートと、
    を具備し、
    上記流量調整ノズルを
    該貫通孔の縮径率が相違する他の流量調整ノズルと組み替えることで、流体流速調整を可能とした、ことを特徴とする慣性フィルタ。
  15. 流体通過方向上流側に非圧縮性繊維を充填した慣性フィルタを粗粒子除去用として配置し、下流側に、請求項1ないし14のいずれかに記載の慣性フィルタをナノ粒子分級用として配置した、ことを特徴とする粒子分級装置。
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