JP4713931B2 - 化学発熱組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、酸素の存在下で発熱する化学発熱組成物用の添加剤およびこの添加剤を含む化学発熱組成物に関する。
化学発熱組成物は、金属の酸化熱を利用する発熱組成物であり、いわゆる使い捨てカイロ(化学カイロ)などに利用されている。化学発熱組成物は、一般に、鉄粉などの金属粉、食塩などの金属ハロゲン化物、水、活性炭粉末、および保水材などを含有している。この発熱組成物に鉄粉を用いる場合は、鉄粉が水および空気中の酸素と反応して水酸化第二鉄となる過程で発生する反応熱を、熱源としている。金属ハライド化合物(例えば、食塩)は鉄の酸化速度の調節のために、活性炭粉末は水分の保持、温度調整、空気中の酸素の保持などのために、そして保水材は金属粉のべたつき防止などのために含有されている。粉末成分である活性炭粉末および保水材は、水分の保持などの点で、共通した機能を有すると考えられる。一般的には、発熱組成物中、金属粉を53質量%、食塩を3質量%、活性炭粉末を15質量%、保水材を1質量%および水分を28質量%含むように調製される。
このような化学発熱組成物を使い捨てカイロとして使用するために、これらの成分について、あるいは組成物の調製方法について、種々の検討が行われている。例えば、特定の比表面積を有する鉄粉を全鉄粉の50質量%以上含有し、所定の通気度を有する包装材料に収納された発熱体が開発されている(特許文献1)。しかし、使用する材料が限定されるため汎用性に欠け、そしてコストが高くなる。
発熱助剤として一般に使用される食塩は、分散性を考慮して食塩水の状態で使用されている。しかし、食塩水は水に比べて活性炭粉末、保水材などの粉末成分に吸収されにくいため、乾燥状態の粉体に添加すると団塊が生じたり、分散が不均一になったり、食塩の分散に長時間かかったりなどの問題がある。そのため、混合した活性炭粉末や保水材などの粉末成分に水を添加して予め保水させ、次いでこれに食塩水を添加することによって食塩水を均一に分散させた後、封入直前に金属粉を混合する方法がある(特許文献2)。
食塩の代わりに、窒素含有化合物、リン酸塩およびカリウム塩を用いて、使用後に土壌改良剤として使用できる化学発熱組成物が開発されている(特許文献3)。しかし、食塩を用いる場合と比較してコストが高い。
さらに、可燃物と多孔性珪藻土とを焼成して得られる多孔質で吸水性および保水性に富む炭化物(活性炭)を用いた発熱体は、金属粉末の酸化をスムーズに行うことができる(特許文献4)。しかし、この活性炭は、所定量の二酸化ケイ素を含有する必要があるため、原料の入手が困難である。
このように、発熱組成物の調製に関して種々の方法が検討されているが、いずれの方法においても食塩の添加が必要である。そのため、食塩水の調整工程が必要である、食塩水添加系における団塊の発生を回避するために複雑な工程が必要であるなどの問題がある。
特開平6−315498号公報 特開平6−241575号公報 特開平7−173459号公報 特開2000−60887号公報
本発明は、より簡便に調製され得る化学発熱組成物用の添加剤、およびこの添加剤を含む発熱特性に優れた発熱組成物を提供することを目的とする。
本発明は、含塩有機物の炭化物からなる化学発熱組成物用添加剤を提供する。
1つの実施態様では、上記含塩有機物の炭化物が、含塩有機物を400〜1000℃の温度で焼成して得られる炭化物である。
別の実施態様では、上記含塩有機物の炭化物が、含塩有機物を100〜1000℃の温度で焼成して得られる炭化物を、さらに300〜1000℃の温度で活性化処理して得られる炭化物である。
他の実施態様では、上記含塩有機物が、食品廃棄物、都市ごみ、下水汚泥、集落排水汚泥、し尿汚泥、および家畜ふん尿からなる群から選択される少なくとも一つの廃棄物である。
また、他の実施態様では、上記食品廃棄物が、醤油粕、塩昆布廃棄物、佃煮廃棄物、味噌廃棄物、スープ、出し汁、漬物、都市厨芥、および調理屑からなる群から選択される少なくとも一つの廃棄物である。
本発明は、また、上記いずれかに記載の含塩有機物の炭化物、および金属粉を含有する、化学発熱組成物を提供する。
1つの実施態様においては、上記化学発熱組成物は、炭化物、および金属粉に加えて、水を含有する。
1つの実施態様においては、上記化学発熱組成物は、さらに保水材および/または含塩有機物の炭化物以外の炭素粉末を含有する。
別の実施態様においては、上記化学発熱組成物は、金属粉25質量部に対して、前記含塩有機物の炭化物を0.1〜25質量部の割合で含む。
また、別の実施態様においては、上記化学発熱組成物は、金属粉25質量部に対して、前記含塩有機物の炭化物を0.1〜25質量部および前記炭素粉末を0.1〜15質量部含む。
さらなる実施態様では、上記炭素粉末は、石炭系炭化物または木質系炭化物、これらの活性炭あるいは再生活性炭である。
本発明はさらに、上記のいずれかの化学発熱組成物を含む、化学カイロを提供する。
本発明の化学発熱組成物用の添加剤として用いられる含塩有機物の炭化物は、均一に分散された適量の食塩を含むため、化学発熱組成物の構成成分として必要な食塩ならびに粉末成分である活性炭粉末および/または保水材を同時に供給し得る。この含塩有機物の炭化物は、親水性に優れるため、水と混合しても団塊を発生することがない。したがって、化学発熱組成物の従来の製造工程において最も困難な課題とされている、食塩水を活性炭あるいは保水材に配合する工程における団塊の発生やべとつきの問題が解決され得、化学発熱組成物の製造工程が簡略化ならびに改善される。また、この含塩有機物の炭化物を含有する化学発熱組成物は、従来の使い捨てカイロに比べて発熱特性も高いか、遜色がない。さらに、含塩有機物、特に含塩有機性廃棄物の有効利用が促進され、そして製造コストも低減できる。
(含塩有機物)
本明細書において、含塩有機物とは、塩分を含有する有機性物質をいう。例えば、塩分(食塩)を含有する食品(例えば、味噌、醤油、塩辛、塩昆布など)、塩分を含有する有機性廃棄物(以下、「含塩有機性廃棄物」あるいは、単に「含塩廃棄物」ということがある)などが挙げられるが、これらに制限されない。資源の有効利用という観点からは、含塩有機性廃棄物が好ましく用いられる。含塩有機物は、有価物として購入する、無償で入手する、お金を貰って入手する(逆有償購入)などの方法で入手できる。あるいは、これらの方法を組み合わせて入手してもよい。
含塩有機性廃棄物としては、例えば、都市ごみ、下水汚泥、集落排水汚泥、し尿汚泥、家畜糞尿、食品廃棄物がある。家畜糞尿としては、例えば、牛糞、豚糞、鶏糞などがある。食品廃棄物としては、例えば、醤油の製造過程で生じる醤油の絞り粕(醤油粕)、塩昆布廃棄物、佃煮廃棄物、味噌廃棄物、スープ、出し汁、漬物、都市厨芥、調理屑などが例示される。これらの含塩廃棄物は、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。含塩廃棄物は、炭化物としたときの塩分濃度を考慮して、組み合わせて用いてもよい。例えば、塩分濃度が比較的低い都市ごみ、下水汚泥、集落排水汚泥、し尿汚泥、家畜糞尿、調理屑などを用いる場合は、塩分濃度が比較的高い醤油粕、塩昆布廃棄物、佃煮廃棄物、あるいは味噌廃棄物、または食塩などを混合して用いてもよい。含塩廃棄物を混合物として用いる場合、そのまま炭化処理に用いてもよい。炭化物中に食塩を均一に分散させるために、例えば、ミキサーなどで混合し、均一にしてから焼成することが、より好ましい。
(含塩有機物の炭化物(含塩炭化物))
含塩有機物(例えば、含塩廃棄物)の炭化物は、後述する含塩有機物の一次処理で得られた炭化物、および一次処理で得られた炭化物をさらに処理(二次処理)して得られる活性炭化物、並びに含塩有機物を薬品賦活法で処理して得られる活性炭化物など、種々の方法で得られる炭化物が含まれる。含塩炭化物は、粉末であることが好ましい。あるいは、粉末の含塩炭化物を種々の形状に成型したものを用いてもよい。含塩炭化物を粉末にする方法は、当業者に周知の炭化物の粉末化方法が適用される。
(一次処理)
含塩有機物の炭化(一次処理)は、含塩有機物を好ましくは100〜1000℃、より好ましくは650〜850℃の温度で焼成することにより、行われる。100℃未満では、この含塩炭化物を含む発熱性混合物の発熱特性が悪くなる傾向にあり、1000℃を超えると炭化物中の食塩が揮発するおそれがある。得られた含塩炭化物は粉末としてもよい。
一次処理で得られた含塩炭化物中には、通常、0.1〜50質量%の食塩が均一に分散された状態で含まれる。この含塩炭化物の比表面積は、用いる含塩有機物によっても異なるが、一般的には、約1m/g〜60m/gの範囲にある場合が多い。
(二次処理)
二次処理は、上記一次処理で得られた含塩炭化物にさらに活性化処理を行う処理である。活性化処理には、大きくガス賦活法と薬品賦活法とがある。どちらの方法を用いてもよい。ガス賦活法は、炭化された原料に、水蒸気、二酸化炭素、酸素(空気)、これらのガスと燃焼ガスとの混合ガス、燃焼ガスなどを高温で接触反応させる方法である。本発明においては、一次処理して得られた含塩炭化物に、例えば、水蒸気、空気(酸素)、二酸化炭素などを添加しながら600〜1000℃、好ましくは800〜900℃の温度で処理する方法(ガス賦活法)を用いて、行われる。あるいは、含塩有機物を一次処理よりも低い温度、例えば、300〜500℃の温度で焼成して得られる炭化物を二次処理してもよい。二次処理の温度が600℃未満では炭化物の活性化が不十分となる場合があり、1000℃を超えると活性炭化物中の食塩が揮発するおそれがある。
二次処理で得られる活性炭化物中には、通常、0.1〜50質量%の食塩が均一に分散された状態で含まれる。活性炭化物の比表面積は、用いる含塩有機物によっても異なるが、一般的には、約100m/g〜300m/gの範囲にある場合が多く、これは一次処理のみの炭化物の5〜10倍の比表面積である。また、二次処理を行うことで、炭化物の均質化、表面洗浄効果もあることから、活性炭化物が、好ましく用いられる場合がある。
(薬品賦活法)
薬品賦活法は、原料に賦活薬品を均等に含浸させて、不活性ガス雰囲気中で加熱(焼成)し、薬品による脱水および酸化反応により、活性炭化する方法である。賦活薬品としては、塩化亜鉛、リン酸、塩化カルシウム、硫化カルシウム、水酸化カリウムなどの脱水性、酸化性あるいは侵食性を有する化合物が挙げられる。最も好ましくは、塩化亜鉛である。薬品賦活法によって含塩有機物の活性炭化物を得る方法は、例えば、100〜200℃で数時間乾燥した含塩有機物に、上記記載の賦活薬品(例えば、塩化亜鉛)の飽和水溶液を添加、混合し、賦活薬品を含塩有機物に含浸させ、さらに不活性ガス雰囲気中で100〜200℃で数時間乾燥(焼成)させる方法である。薬品賦活法における賦活薬品と乾燥含塩有機物との質量比(賦活薬品含浸質量/乾燥含塩有機物質量)は、使用する賦活薬品および含塩有機物により異なるが、一般的には、0.5〜5であり、好ましくは、1〜4である。なお、質量比は以下の式で表される。
質量比=(Y−X)/X
X:賦活薬品を含浸する前の含塩有機物の乾燥質量
Y:賦活薬品を含浸した後の含塩有機物の乾燥質量
賦活薬品として塩化亜鉛を用いる場合、含塩有機物を110℃で乾燥し、塩化亜鉛を含浸させた後、約110℃で乾燥することが好ましい。塩化亜鉛の質量比は約3であることが好ましい。
この薬品賦活法で処理して得られた含塩炭化物は、賦活薬品による脱水および酸化反応により、微細な多孔質を有しており、比表面積が大きくなるため、本発明における含塩炭化物として、好適に用いられる。薬品賦活化した炭化物を、さらに、300〜1000℃の温度で、活性化処理(二次処理)してもよい。この処理により、さらに活性炭としての機能が向上する。二次処理の温度が300℃未満では活性炭化物の活性化が不十分となるおそれがあり、1000℃を超えると、活性炭化物中の食塩が揮発する恐れがある。
炭化処理あるいは薬品賦活処理に用いる方法に特に制限はなく、バッチ処理でもよく、連続処理でもよい。炭化処理装置としては、バッチ炉、キルン型処理装置、流動層型処理装置、スクリュー型処理装置など、その装置は問わない。
(化学発熱組成物用添加剤)
本発明の化学発熱組成物用添加剤は、上記の含塩炭化物からなる。含塩炭化物は粉末状、あるいは、固形状であり得る。このような化学発熱組成物用添加剤は、化学発熱組成物における必須成分である、食塩成分かつ活性炭成分および/または保水材成分として好適に使用される。なお、含塩炭化物としては、一次処理で得られる炭化物、これに二次処理を施した含塩有機物の活性炭化物(以下、単に活性炭化物という)、一次処理よりも低温で焼成処理した後、二次処理を行って得られる活性炭化物、薬品賦活法で得られた活性炭化物など含む。これらの含塩炭化物は、単独で用いてもよく、適宜混合して用いても良い。
(化学発熱組成物)
本発明の化学発熱組成物は、上記炭化物からなる化学発熱組成物用添加剤、および金属粉を含有する。必要に応じて、水、保水材、あるいは含塩炭化物以外の炭素粉末(以下、単に炭素粉末ということがある)を含有する。水は、特に化学カイロ(使い捨てカイロ)などの用途に使用する場合には、含有させる方が好ましい。
金属粉としては、鉄粉、アルミニウム粉、亜鉛粉、銅粉、あるいは、これらの金属粉を任意の割合で混合した混合金属粉、これら金属を任意の割合で混合して得られた合金の粉末などが挙げられる。
水としては、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水、水道水、工業用水などが用いられる。
保水材としては、粘土鉱物(例えば、カオリン、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、マイカ、パーライト、ベントナイトなど)、高吸水性樹脂、木粉、繊維粉、籾殻粉、シリカゲル、珪藻土などが挙げられる。なお、木粉、繊維粉、籾殻、籾殻粉などを炭化した炭素粉末もまた、保水材として機能し得る場合があり得る。
含塩炭化物以外の炭素粉末としては、石炭に由来する炭化物の粉末;ヤシガラ、パーム、間伐材などの木材、竹、ケナフ、籾殻、草、落ち葉などの植物に由来する木質系炭化物の粉末;および、これらの炭化物をさらに活性炭化した後に得られる粉末が挙げられる。さらには、これらの再生品である再生活性炭(例えば、上水道や脱臭用に使用された活性炭を再度賦活処理した活性炭)を使用しても良い。再生活性炭は、粉末化して用いてもよい。
本発明の化学発熱組成物は、以下の例に制限されないが、金属粉25質量部に対して、含塩炭化物が0.1〜25質量部配合されることが好ましい。必要に応じて、水、炭素粉末あるいは保水材を添加する場合、金属粉25質量部に対して、水は5〜20質量部、炭素粉末は0.1〜15質量部、保水材は0.1〜15質量部、好ましくは0.5〜5質量部配合される。この場合、化学発熱組成物中の食塩濃度が、0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%となるように含塩炭化物の配合量を調整する。含塩炭化物は粉末であってもよく、所定の大きさに成型されていてもよい。
炭素粉末を配合しない場合、含塩炭化物は、金属粉25質量部に対して、好ましくは5〜35質量部配合され、より好ましくは10〜25質量部配合される。
炭素粉末を配合する場合、含塩炭化物は、金属粉25質量部に対して、好ましくは0.1〜15質量部配合される。この場合、含塩炭化物の含有量は、炭素粉末と同量か、それ以下であってもよい。
なお、金属粉、含塩炭化物、水、炭素粉末、保水材などの、化学発熱組成物の成分を混合する順序は、特に限定されない。
化学発熱組成物の用途は、発熱を必要とする用途であれば、特に制限はない。化学発熱組成物は、化学カイロ、温度調節用の調温剤、路面凍結防止剤、土壌、屋根上用融雪剤、あるいはシチュー、スープなどの温かい料理の保温剤などの用途に使用できる。これらの用途に応じて、金属粉および含塩炭化物粉末を配合し、炭素粉末、保水が必要である場合には水と保水材、水が過剰に存在する場合には吸水材など、必要に応じて、これらの材料を適宜選択して、配合すればよい。例えば、化学発熱組成物を化学カイロとして用いる場合は、水を配合し、必要に応じて、炭素粉末、保水材などを適宜添加する。
(化学カイロ)
上記の化学発熱組成物のうち、金属粉、含塩炭化物および水を含有し、必要に応じて、炭素粉末あるいは保水材を含有する化学発熱組成物は、化学カイロ(使い捨てカイロ)として、好ましく用いられる。化学カイロに用いる場合、金属粉としては、鉄粉が好ましく用いられる。鉄粉の比表面積、表面の凹凸状態、粒径などは、適宜選択される。必要に応じて、鉄粉の種類や粒径の異なるものを組み合わせて用いてもよい。化学カイロ用の化学発熱組成物は、適切な包装材料に充填されて、化学カイロとして使用され得る。包装材料としては、当業者が化学カイロ用に通常用いる通気孔を有する包装材料が用いられる。このような化学カイロは、さらに化学カイロの包装に通常用いられる非通気性の包装材料で密封される。
以下に含塩有機物として醤油粕、味噌、および都市ごみを用いる実施例について本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
(実施例1〜2:醤油粕炭化物等の調製)
(実施例1:醤油粕炭化物の調製)
醤油粕150g(湿質量)を無酸素条件下、800℃で、45分間電気炉内で焼成し、粉末化して、醤油粕炭化物を得た。得られた粉末状の醤油粕炭化物の性状を表1に示す。
(実施例2:活性化醤油粕炭化物の調製)
醤油粕を無酸素条件下、400℃、45分間電気炉内で焼成し、醤油粕炭化物を得た。この醤油粕炭化物300gを、再度電気炉に入れ、無酸素条件下にて水蒸気を添加しながら、800℃、1時間電気炉内で焼成し、粉末化して、活性化醤油粕炭化物を得た。得られた活性化醤油粕炭化物の性状を表1に併せて示す。
Figure 0004713931
(実施例3〜6:醤油粕炭化物を用いる化学カイロの調製)
(実施例3)
上記実施例2で得られた活性化醤油粕炭化物6gに水5gを混合した。活性化醤油粕炭化物と水との混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。これに鉄粉(和光純薬製、平均粒径150メッシュ以下)10gを混合して化学発熱組成物を調製した。調製後、直ちに耐火煉瓦上に置いたティーバッグ用のパックに化学発熱組成物を封入してカイロ1を調製した。経時的にカイロの温度を測定した。各成分の配合量を表2に、そしてカイロ1の発熱特性を図1に示す。
(実施例4)
上記実施例2で得られた活性化醤油粕炭化物を10gおよび水を6g用いたこと以外は、上記実施例3と同様にしてカイロ2を調製し、発熱特性を検討した。活性化醤油粕炭化物と水との混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。各成分の配合量を表2に、そしてカイロ2の発熱特性を図1に示す。
(実施例5)
上記実施例2で得られた活性化醤油粕炭化物1gおよび木炭粉末を2g混合し、水を7g加えて混合した。混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。これに、鉄粉(和光純薬製、平均粒径150メッシュ以下)10gを混合して化学発熱組成物を調製した。上記実施例3と同様にしてカイロ3を調製し、発熱特性を検討した。活性化醤油粕炭化物と水との混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。各成分の配合量を表2に、そしてカイロ3の発熱特性を図1に示す。
(実施例6)
上記実施例1で得られた醤油粕炭化物を1g、水を6g、および木炭粉末を3g用いたこと以外は、上記実施例5と同様にしてカイロ4を調製し、発熱特性を検討した。醤油粕炭化物、木炭粉末および水との混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。各成分の配合量を表2に、そしてカイロ4の発熱特性を図1に示す。
Figure 0004713931
(比較例1〜3)
比較例として市販のカイロを3種類購入し、それぞれ、市販カイロ1、市販カイロ2、および市販カイロ3として、発熱特性を測定した。発熱特性を図1に示す。
図1からわかるように、活性化醤油粕炭化物を用いたカイロ1およびカイロ2は、市販カイロ1〜3よりも発熱温度がやや高く、十分にカイロとして使用できることがわかった。しかし、カイロ1およびカイロ2の昇温速度は遅かった。
また、炭素粉末(木炭粉末)と活性化醤油粕炭化物とを組み合わせて用いたカイロ3および炭素粉末と醤油粕炭化物とを組み合わせて用いたカイロ4はいずれも、用いた醤油粕炭化物の量が少ないが、昇温特性はほぼ市販カイロ1〜3と同等であった。活性化醤油粕炭化物と炭素粉末とを組み合わせて用いたカイロ3は、市販カイロ1〜3と同等の昇温特性を有し、かつ発熱温度も比較的高く、市販カイロ2とほぼ同等の発熱特性を示しており、実用的であることが確認された。また、醤油粕炭化物と炭素粉末とを組み合わせて用いたカイロ4も、市販カイロ2とほぼ同等の発熱特性を示しており、実用的であることが確認された。
(実施例7〜12:醤油粕からの化学カイロの調製)
(実施例7)
醤油粕140g(湿質量)を無酸素条件下、700℃で、45分間電気炉内で焼成し、醤油粕炭化物を得た。醤油粕炭化物2.5gおよび木炭7.5gを混合し、これに水10gを混合した。醤油粕炭化物、木炭および水の混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。これに鉄粉(パウダーテック社製RDH−3M)を25g混合して化学発熱組成物を調製した。調製後、直ちに耐火煉瓦上に置いたティーバッグ用のパックに化学発熱組成物を封入してカイロ5を調製した。経時的にカイロ5の温度を測定した。各成分の配合量および発熱組成物中の食塩濃度を表3に、そして発熱特性を図2に示す。なお、ナトリウム濃度(Na濃度)は、JIS K0102.48.1に基づくフレーム光度法で測定した。塩素濃度(Cl濃度)は、ポンプ燃焼法による塩素濃度とJIS K0102.35.3に基づくイオンクロマトグラフ法による燃焼性塩素濃度の加算値である。醤油粕炭化物中の食塩濃度は、Na濃度とCl濃度を加算した値である。
(実施例8)
実施例7で得られた醤油粕炭化物を5g、木炭を5gおよび水を12.5g用いたこと以外は実施例7と同様にして、カイロ6を調製した。醤油粕炭化物、木炭および水の混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。経時的にカイロ6の温度を測定した。各成分の配合量および発熱組成物中の食塩濃度を表3に、そしてカイロ6の発熱特性を図2に示す。
(実施例9)
実施例7で得られた醤油粕炭化物を7.5g、木炭を2.5g、および水を12.6g用いたこと以外は実施例7と同様にして、カイロ7を調製した。醤油粕炭化物、木炭および水の混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。経時的にカイロ7の温度を測定した。各成分の配合量および発熱組成物中の食塩濃度を表3に、そしてカイロ7の発熱特性を図2に示す。
(実施例10)
醤油粕を無酸素条件下、400℃、45分間電気炉内で焼成して得られた醤油粕炭化物300gを、再度電気炉に入れ、無酸素条件下にて水蒸気を添加しながら、800℃、1時間電気炉内で焼成し、活性化醤油粕炭化物を得た。この活性化醤油粕炭化物を2.5g、木炭を7.5g、水を12g用いたこと以外は、実施例7と同様にして、カイロ8を調製した。活性化醤油粕炭化物、木炭および水の混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。経時的にカイロ8の温度を測定した。各成分の配合量および発熱組成物中の食塩濃度を表3に、そしてカイロ8の発熱特性を図2に示す。
(実施例11)
実施例10で得られた活性化醤油粕炭化物を8g、木炭を7.5g、および水を15g用いたこと以外は、実施例10と同様にして、カイロ9を調製した。活性化醤油粕炭化物、木炭および水の混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。経時的にカイロ9の温度を測定した。各成分の配合量および発熱組成物中の食塩濃度を表3に、そしてカイロ9の発熱特性を図2に示す。
(実施例12)
実施例10で得られた活性化醤油粕炭化物を10gおよび水を5.1g用いたこと以外は、実施例10と同様にして、カイロ10を調製した。このカイロ10では、木炭を使用していない。活性化醤油粕炭化物と水との混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。経時的にカイロ10の温度を測定した。各成分の配合量および発熱組成物中の食塩濃度を表3に、そしてカイロ10の発熱特性を図2に示す。
Figure 0004713931
(比較例4〜5)
比較例として市販のカイロを2種類購入し、それぞれ、市販カイロ4、および市販カイロ5として、カイロ5〜10と同様に、発熱特性を測定した。発熱特性を図2に示す。
図2から、醤油粕炭化物を用いたカイロ5および6は比較例4の市販カイロ4と同等の性能が得られたことがわかる。これらのカイロ5および6は、それぞれ、塩分を1.6%および3.1%含有していた。また、醤油粕炭化物を用いたカイロ7は、比較例4のカイロ4よりは、発熱特性の持続性が若干劣るが、比較例5の市販カイロ5と同等の性能が得られたことがわかる。このカイロ7の塩分濃度は、5%であった。
活性化醤油粕炭化物を用いたカイロ8は、ほぼ、市販のカイロ4と同等の発熱特性を有していることがわかる。また、カイロ9は、市販のカイロ4と同等またはそれ以上の発熱特性を有している。ほぼ同量の食塩を含有する醤油粕炭化物を用いるカイロ7とカイロ9とを比較すると、カイロ7の発熱持続時間は比較的短いのに対して、カイロ9の発熱持続時間は長い。これは、カイロ9に使用した木炭の量がカイロ7の3倍であるので、鉄粉、水および食塩の接触が少なくなるために、鉄の急激な酸化反応が抑制されること、および木炭に付着している酸素が反応に寄与するためと考えられる。カイロ10は、市販のカイロ5と同様の発熱特性を示し、カイロ7と同様、発熱持続時間が短かった。これは、塩分濃度が10質量%であったこと、木炭を使用しなかったことから、鉄と水と食塩とが比較的接触しやすく、鉄の酸化反応が早くなったためと考えられる。木炭などの添加により、改良可能と思われる。
(実施例13〜17:味噌からの化学カイロの調製)
(実施例13)
市販の合わせ味噌(吉兆味噌(株)製、原料:米、大豆、食塩)を用いた。味噌を342g取り、これを小型焼成炉に投入し、700℃にて焼成した。700℃までの昇温時間は15分とし、その後20分間700℃に保持して炭化を行い、みそ炭化物Aを得た。みそ炭化物A中の食塩濃度は26%であった。
みそ炭化物Aを5gとり、これに木炭(カイロ用活性炭)5g、鉄粉(パウダーテック社カイロ用鉄粉(RDH−3M))25g、水道水9g、および樹脂(高分子樹脂:オルガノ製アンバーライト)1gを混合し、化学カイロ11を調製した。なお、混合は1分以内に行った。カイロ11の食塩濃度は2.9%であった。経時的にカイロ11の温度を測定した。各成分の配合量を表4に、そしてカイロ11の発熱特性を図3に示す。比較として。市販カイロ6を用いた。なお、みそ炭化物Aと水との混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。
(実施例14)
味噌を336gとり、炭化温度を600℃としたこと以外は実施例13と同様にして、みそ炭化物Bを得た。みそ炭化物B中の食塩濃度は24%であった。このみそ炭化物Bを用いて、水道水を9.1gとしたこと以外は実施例13と同様にして、カイロ12を調製した。みそ炭化物Bと水との混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。なお、カイロ12中の食塩濃度は2.7%であった。各成分の配合量を表4に、そしてカイロ12の発熱特性を図3に示す。
(実施例15)
味噌を365gとり、炭化温度を500℃としたこと以外は実施例13と同様にして、みそ炭化物Cを得た。みそ炭化物C中の食塩濃度は22%であった。このみそ炭化物Cを用いて、実施例13と同様にして、カイロ13を調製した。みそ炭化物Cと水との混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。なお、カイロ13中の食塩濃度は2.4%であった。各成分の配合量を表4に、そしてカイロ13の発熱特性を図3に示す。
(実施例16)
味噌を339gとり、炭化温度を400℃としたこと以外は実施例13と同様にして、みそ炭化物Dを得た。みそ炭化物D中の食塩濃度は、20%であった。このみそ炭化物Dを用いて、水を9.1gとしたこと以外は実施例13と同様にして、カイロ14を調製した。みそ炭化物Dと水との混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。なお、カイロ14中の食塩濃度は2.2%であった。各成分の配合量を表4に、そしてカイロ14の発熱特性を図3に示す。
(実施例17)
味噌を362gとり、炭化温度を300℃とし、保持時間を40分としたこと以外は実施例13と同様にして、みそ炭化物Eを得た。みそ炭化物E中の食塩濃度は18%であった。このみそ炭化物Eを用いて、水を9.1gとしたこと以外は実施例13と同様にして、カイロ15を調製した。みそ炭化物Eと水との混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。なお、カイロ15中の食塩濃度は2.0%であった。各成分の配合量を表4に、そしてカイロ15の発熱特性を図3に示す。
Figure 0004713931
図3からわかるように、実施例13(カイロ11)の発熱温度は85℃程度であり、立ち上がり時間は10分程度であった。80℃の保持時間も25分であり、市販カイロと遜色がなかった。
また、実施例14および15(カイロ12およびカイロ13)の発熱温度は80℃程度であり、立ち上がり時間は10分程度であった。80℃の保持時間も25分であり、市販カイロと遜色がなかった。
実施例16(カイロ14)の発熱温度は80℃程度であり、立ち上がり時間は10分程度であり、市販カイロと遜色がなかった。しかし、80℃の保持時間は20分と、若干市販カイロより低下したが、使用できる範囲である。
実施例17(カイロ15)の発熱温度は75℃程度であり、立ち上がり時間は10分程度であった。75℃の保持時間は20分と、若干市販カイロ6より低下したが、使用できる範囲である。
(実施例18〜21:都市ごみを用いる化学カイロの調製)
(実施例18)
商業ごみ処理プラントで、450℃、1時間、無酸素状態で焼成を行った炭化物(都市ごみ炭化物F)を入手した。表5に都市ごみ炭化物Fの分析値を示す。
都市ごみ炭化物Fを5gとり、これに木炭(カイロ用活性炭)5g、鉄粉(パウダーテック社カイロ用鉄粉(RDH−3M))25g、水道水9g、および樹脂(高分子樹脂:オルガノ製アンバーライト)を混合し、化学カイロ16を調製した。なお、混合は1分以内に行った。経時的にカイロ16の温度を測定した。各成分の配合量およびカイロ組成物中の食塩濃度を表6に、そしてカイロ16の発熱特性を図4に示す。比較として、市販カイロ7を用いた。なお、都市ごみ炭化物Fと水との混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。
(実施例19)
都市ごみ炭化物Fを焼成炉に投入し、15分で700℃に達するように昇温した。昇温後、20分間、700℃に保持し、冷却して、都市ごみ炭化物Gを得た。表5に都市ごみ炭化物Gの分析値を示す。
都市ごみ炭化物Gを用いたこと以外は実施例18と同様にして、化学カイロ17を調製した。カイロ17の食塩濃度は0.87質量%であった。経時的にカイロ17の温度を測定した。各成分の配合量およびカイロ組成物中の食塩濃度を表6に、そしてカイロ17の発熱特性を図4に示す。なお、都市ごみ炭化物Gと水との混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。
(実施例20)
温度を800℃に代えたこと以外は実施例19と同様に処理して、都市ごみ炭化物Hを得た。表5に都市ごみ炭化物Hの分析値を示す。
都市ごみ炭化物Hを用いたこと以外は実施例18と同様にして、化学カイロ18を調製した。経時的にカイロ18の温度を測定した。各成分の配合量およびカイロ組成物中の食塩濃度を表6に、そしてカイロ18の発熱特性を図4に示す。なお、都市ごみ炭化物Hと水との混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。
(実施例21)
都市ごみ炭化物Fを焼成炉に投入し、15分で850℃に達するように昇温し、850℃で、水蒸気を150g/時間の速度で供給しながら、1時間、活性化処理し、活性化都市ごみ炭化物Iを得た。表5に活性化都市ごみ炭化物Iの分析値を示す。
都市ごみ炭化物Iを用いたこと以外は実施例18と同様にして、化学カイロ19を調製した。経時的にカイロ19の温度を測定した。各成分の配合量およびカイロ組成物中の食塩濃度を表6に、そしてカイロ19の発熱特性を図4に示す。なお、都市ごみ炭化物Iと水との混合は団塊を形成することなく、スムーズに行われた。
Figure 0004713931
表5に示すように、都市ごみ炭化物F〜Iは食塩を含んでおり、十分に化学発熱組成物として使用できる。
Figure 0004713931
図4からわかるように、実施例18(カイロ16)の発熱温度は60℃程度であるが、その温度になるまで30分以上を要しており、炭化が不十分と思われた。実施例19(カイロ17)は、発熱温度は75℃と市販カイロより若干低いが、立ち上がり時間は7分で良好であった。さらに、75℃での保持時間も20分程度と良好であった。実施例20(カイロ18)および実施例21(カイロ19)は、発熱温度は80℃以上で良好であり、立ち上がり時間も8分程度と良好であった。また、80℃での保持時間も20分程度であり、市販のカイロと比較しても遜色がなかった。
なお、都市ごみには重金属類が含まれているおそれがある。そのため、全水銀、カドミウム、鉛、六価クロムおよび砒素について、JIS4100および環境省告示第13号に基づく方法で、溶出試験を行った。結果を表7に示す。表7において、環境基準は、環境省告示第13号に基づく方法によることを意味する。
Figure 0004713931
表7に示すように、実施例18の都市ごみ炭化物中の重金属量は、JIS4100および環境基準に定められた量よりも少ないことがわかった。実施例21の都市ごみ炭化物中の重金属量は、JIS4100および環境基準に定められた量よりも少ない。環境基準では六価クロムがやや高いが、他の重金属量は少ない。従って、この都市ごみ炭化物は、安全性に優れていることも理解される。
このように、都市ごみの炭化物から、安全でかつ性能に優れた化学発熱組成物が得られることわかる。
本発明の化学発熱組成物用添加剤として用いられる含塩有機物の炭化物は、化学発熱組成物における必須成分である、食塩成分かつ活性炭成分および/または保水材成分として好適に使用され、そして親水性にも優れる。そのため、従来の化学発熱組成物の製造工程において問題となっていた食塩溶解工程および食塩水配合工程が不要となり、化学発熱組成物への水添加処理工程をスムーズに行うことができ、これらの製造工程が簡略化される。さらに、従来単に廃棄されるのみであった含塩有機物の有効利用方法も提供されるので、リサイクルの面でも有用である。廃棄物利用であることから、本発明の化学発熱組成物用添加剤の製造コストも低減される。したがって、本発明の化学発熱組成物用添加剤および本発明の化学発熱組成物は、化学カイロ(使い捨てカイロ)をはじめとする、化学発熱組成物の製造に非常に好適である。
本発明の醤油粕炭化物を用いたカイロ1〜4および市販の化学カイロ1〜3の発熱特性を示すグラフである。 本発明の醤油粕炭化物を用いたカイロ5〜10および市販の化学カイロ4〜5の発熱特性を示すグラフである。 みそ炭化物を用いたカイロ11〜14および市販の化学カイロ6の発熱特性を示すグラフである。 都市ごみ炭化物を用いたカイロ15〜19および市販の化学カイロ7の発熱特性を示すグラフである。

Claims (11)

  1. 食塩含有有機物の炭化物からなる、化学発熱組成物用添加剤。
  2. 前記食塩含有有機物の炭化物が、食塩含有有機物を400〜1000℃の温度で焼成して得られる炭化物である、請求項1に記載の化学発熱組成物用添加剤。
  3. 前記食塩含有有機物の炭化物が、食塩含有有機物を100〜1000℃の温度で焼成して得られる炭化物を、さらに300〜1000℃の温度で活性化処理して得られる炭化物である、請求項1または2に記載の化学発熱組成物用添加剤。
  4. 前記食塩含有有機物が、醤油粕、塩昆布廃棄物、佃煮廃棄物、味噌廃棄物、および漬物からなる群から選択される少なくとも一つの廃棄物である、請求項1から3のいずれかの項に記載の化学発熱組成物用添加剤。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の化学発熱組成用添加剤、および金属粉を含有する、化学発熱組成物。
  6. さらに水を含有する、請求項5に記載の化学発熱組成物。
  7. さらに保水材および/または食塩含有有機物の炭化物以外の炭素粉末を含有する、請求項5または6に記載の化学発熱組成物。
  8. 金属粉25質量部に対して、前記食塩含有有機物の炭化物を0.1〜25質量部の割合で含む、請求項5から7のいずれかの項に記載の化学発熱組成物。
  9. 金属粉25質量部に対して、前記食塩含有有機物の炭化物を0.1〜25質量部および前記炭素粉末を0.1〜15質量部含む、請求項5から8のいずれかの項に記載の化学発熱組成物。
  10. 前記炭素粉末が、石炭系炭化物または木質系炭化物、これらの活性炭あるいは再生活性炭である、請求項9に記載の化学発熱組成物。
  11. 請求項5から10のいずれかの項に記載の化学発熱組成物を含む、化学カイロ。
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