JP4713314B2 - 回折格子キャップ及びその製造方法、光ファイバ読み取りヘッド、並びに回折格子エンコーダ - Google Patents

回折格子キャップ及びその製造方法、光ファイバ読み取りヘッド、並びに回折格子エンコーダ Download PDF

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Description

この発明は、光ファイバ読み取りヘッドを備えた変位検出光エンコーダに用いられる光ファイバの先端に取り付け可能な回折格子キャップ及びその製造方法、その回折格子キャップを備えた光ファイバ読み取りヘッド、並びに回折格子エンコーダに関する。
従来、この種の変位検出光エンコーダとして特許文献1に開示のものが知られている。この光エンコーダは、回折格子スケールおよび読み取りヘッドと、ロンキー格子またはホログラフと、光検出器アレイと、読み取りヘッド内に設けられた点光源とを備えている。点光源は、回折格子スケールの間隔に等しい間隔を有した干渉縞を生じさせ、干渉縞の光は、ロンキー格子またはホログラフを通して光検出器アレイに伝達される。光検出器アレイは、伝達された干渉縞光から4チャンネルの直角位相信号を求めるように配置されている。しかしながら、このエンコーダは、大型であり、様々な応用には使用不可能なサイズである。
また、特許文献2には、受信器として光ファイバを使用するシステムが開示されている。この文献によるシステムは、コード部材スケールと、光センサヘッドとを有している。この光センサヘッドは、1つの光ファイバ先端発光部と、コード部材測定軸に沿って近接して配置された2つの光ファイバ先端受光部とを備える。光センサヘッドは、2つの光ファイバ先端受光部間の位相差を調整するために回転(揺動)される。しかしながら、得られるエンコーダの精度は、良いものではない。
このような問題点を解決した技術が特許文献3に開示されている。この特許文献3には、複数の光ファイバ受信器チャンネルと、送信器チャンネルと、回折格子が形成された位相マスクで構成された光ファイバ読み取りヘッドを備える超小型の回折格子エンコーダが開示されている。
米国特許第5909283号明細書 特開昭60−89712号公報 特開2004−53605号公報
本発明は、上述した光ファイバ読み取りヘッドの組み立て作業において光ファイバに対する回折格子のアライメント作業を不要とした回折格子キャップを提供することを目的とする。
本発明の回折格子キャップは、光ファイバの先端に装着される光透過型の回折格子キャップであって、光透過型の回折格子部と、この回折格子部と一体的に設けられ前記光ファイバの先端外周部と嵌合し前記回折格子部を前記光ファイバの先端に対して位置決めする嵌合部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る回折格子キャップは、複数の光ファイバからなる光ファイバ束の先端に装着される光透過型の回折格子キャップであって、前記各光ファイバに対応して設けられた互いに特定の空間的位相関係にある複数の透過型の回折格子からなる回折格子部と、この回折格子部と一体的に設けられ前記光ファイバ束の先端外周部と嵌合して前記回折格子部を前記光ファイバ束の先端に対して位置決めする嵌合部とを備えたことを特徴とする。さらには、前記回折格子部を保持及び保護する保護層を更に備えたことが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバ読み取りヘッドは、1又は複数の光ファイバと、この光ファイバの先端に装着される回折格子キャップとを備え、検出対象からの光を前記回折格子キャップを介して受光する光ファイバ読み取りヘッドであって、前記回折格子キャップは、光透過型の回折格子部と、この回折格子部と一体的に設けられ前記光ファイバの先端外周部と嵌合し前記回折格子部を前記光ファイバの先端に対して位置決めする嵌合部とを備えていることを特徴とする。
さらに、本発明に係る回折格子エンコーダは、測定軸に沿って所定のピッチでスケール格子が形成されたスケールと、前記スケール格子上に照明スポットを形成するように先端から前記スケールに対して光を照射する光源用光ファイバと、 前記スケールからの反射光を先端部で受光すると共に前記光源用光ファイバと光ファイバ束を構成する複数の受信器用光ファイバと、前記光ファイバ束の先端に装着された回折格子キャップとを備え、少なくとも前記回折格子キャップが装着された前記光ファイバ束の先端が前記スケール格子に対して前記測定軸方向に相対移動可能に配置され、前記スケールに光を照射してその反射光を前記回折格子キャップを介して受光する回折格子エンコーダであって、前記回折格子キャップは、光透過型の回折格子部と、この回折格子部と一体的に設けられ前記光ファイバ束の先端外周部と嵌合し前記回折格子部を前記光ファイバ束の先端に対して位置決めする嵌合部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る回折格子キャップの製造方法は、第1、第2及び第3の層からなる基板の前記第1の層に、エッチングにより前記第2の層まで達する回折格子を形成するとともに前記第3の層に、エッチングにより光ファイバの先端が前記回折格子に対向する位置に嵌合可能な前記第2の層まで達する掘り込み部を形成する工程と、前記基板の前記掘り込み部の側から前記第2の層をエッチングして前記第2の層の前記掘り込み部に対応する部分を除去する工程と、前記回折格子が形成された前記第1の層の上を保護層で覆う工程とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る回折格子キャップの製造方法は、第1、第2及び第3の層からなる基板の前記第1の層に、エッチングにより前記第2の層まで達する回折格子を形成する工程と、前記回折格子が形成された前記第1の層の上を保護層で覆う工程と、前記第3の層の側から、前記第3及び第2の層に、エッチングにより光ファイバの先端が前記回折格子に対向する位置に嵌合可能な前記第1の層まで達する掘り込み部を形成する工程とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る回折格子キャップの製造方法は、第1、第2及び第3の層からなる基板の前記第1の層に、エッチングにより前記第2の層まで達する回折格子を形成するとともに前記第3の層に、エッチングにより光ファイバの先端が前記回折格子に対向する位置に嵌合可能な前記第2の層まで達する掘り込み部を形成する工程と、前記回折格子が形成された前記第1の層の上に保護層を形成する工程と、前記基板の前記掘り込み部の側から前記第2の層をエッチングして前記第2の層の前記掘り込み部に対応する部分を除去する工程と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る回折格子キャップの製造方法は、第1、第2及び第3の層からなる基板の前記第1の層の上に薄膜を形成する工程と、この薄膜に対してエッチングを施して回折格子を形成する工程と、前記回折格子が形成された薄膜の上に保護層を形成する工程と、前記第3の層の側から、前記第3及び第2の層に、エッチングにより光ファイバの先端が前記回折格子に対向する位置に嵌合可能な前記第1の層まで達する掘り込み部を形成する工程とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る回折格子キャップの製造方法は、ガラス基板の一方の面に薄膜形成技術により回折格子を形成する工程と、半導体基板にエッチングにより光ファイバの先端が嵌合可能な貫通孔を形成する工程と、前記ガラス基板の前記回折格子が形成された面が前記半導体基板の貫通孔に臨むように、前記ガラス基板と前記半導体基板とを面方向に位置合わせして接合する工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、回折格子キャップは、光を回折する回折格子部と、その回折格子部を光ファイバの先端に対して位置決めする嵌合部とを備えているので、回折格子のアライメント作業を不要とした回折格子キャップを提供することが可能となる。さらには、製作工程が削減され、光ファイバ読み取りヘッド製作の低コスト化が図れる。
(第1実施形態) 以下、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態に係る回折格子エンコーダ、その光ファイバ読み取りヘッド及び回折格子キャップを説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る回折格子キャップ110を取り付けた回折格子エンコーダの斜視図であり、図2は図1の光ファイバ読み取りヘッド100の平面図である。
図1に示すように、回折格子エンコーダは、光を照射するとともにその反射光を受光する光ファイバ読み取りヘッド100と、そこから所定距離301だけ離れて設けられたスケール200とを有する。
光ファイバ読み取りヘッド100は、主として回折格子キャップ110と、回折格子キャップ110に嵌合される光ファイバ束140とから構成されている。光ファイバ束140は、一本の光源用光ファイバ120と、その周りに配置された6本の受信器用光ファイバ130とからなる。
図3は光ファイバ120,130を取り外した状態における図2のA−A’断面図であり、図4は図2のA−A’断面図である。回折格子キャップ110は、その中央部に光源用光ファイバ120からの光を透過可能なように開口111と、回折格子キャップ110の中央部以外の箇所には、スケール200からの反射光を受信器用光ファイバ130に受光可能なように、縞構造のスリットを有する6角形状の回折格子部112と、回折格子部112の周縁部から中心軸方向に延びる円筒状に形成された嵌合部113とを有している。さらに、開口111及び回折格子部112の上面には、回折格子部112を保護するガラス等の光透過材からなる保護部114が配置されている。
回折格子部112は、図2に示すように開口111を中心として、その周りに配置された6つの三角形状の格子パタンからなり、各格子パタンが、各受信器用光ファイバ130と整合する位置に設けられて、それらの相対的な空間位相は各受信器用光ファイバ130に正対する位置において異なるように形成されている。
図5は、図3のX方向矢示図であり、図6は図4のB−B’断面図である。嵌合部113は、光源用光ファイバ120を中心として束ねた受信器用光ファイバ130の端部に嵌合可能なように構成されている。すなわち、図5及び図6に示すように、緊密パッキングされた光ファイバ束140の外径と適合するように、嵌合部113の内周横断面を6枚の花弁状に形成している。
光源用光ファイバ120の回折格子キャップ110とは反対側の末端には、例えば、LED等の光源が設けられており、受信器用光ファイバ130の回折格子キャップ110とは反対側の末端には、例えばCCD等の受信器が設けられている(図示略)。なお、この光源となる光は、レーザ光のように位相の揃った指向性の良い光が好ましい。
上記のように、開口111及び回折格子部112と、一体に形成された嵌合部113により、従来のような光ファイバ先端と回折格子とのアライメントを不要とする効果が生ずる。
再び、図1を参照する。スケール200は、測定軸201に沿って配列され、照明スポット302内に測定軸201に直交して延びるバーを有している。すなわち、バーは、一定の周期に従って、測定軸201に沿って周期的に配置されている。
次に、上記のような構成を有する回折格子エンコーダの動作を説明する。光源用光ファイバ120は、光軸303を中心に広がる入射光304を放射する。この入射光304は、略単色光であり、波長λを有する。この入射光304は、スケール200上に照明スポット302の範囲で照射され、光軸303を中心に広がる反射光305として反射される。反射された反射光305は、受信器用光ファイバ130の先端上で干渉縞を形成する。この干渉縞は、それぞれが測定軸201と直交して延びる明暗縞からなる画像である。この明暗縞は、測定軸201と平行な方向に周期構造となっている。このような構成から、所定距離301を維持しながら回折格子エンコーダ100を移動させて干渉縞を検出することにより、その干渉縞に基づき光ファイバ読み取りヘッド100とスケール200との間に介在する物体の速度及び位置を検出することが可能である。
(第1実施形態の第1の製造工程) 次に、図7(a)〜図7(d)を参照して、本発明の一実施形態に係る回折格子キャップ110の第1の製造工程を説明する。以下、図7〜図11においては、一箇所のみの製造工程を図示しているが、一枚の基板上の複数個所において同様の製造工程が行われているものとして説明する。
まず、図7(a)に示すように、例えば、Si層からなる第1層401a,その下にSiOからなる第2層401b、さらにその下にSi層からなる第3層401cを有するSOI(Silicon on insulator)からなる多層基板401を用意する。第1層401aの厚さは、数100nmオーダから10数μmオーダまで必要に応じて選択する。
次に、図7(b)に示すように第1層401aおよび第3層401cの表面にフォトレジスト、酸化膜又は窒化膜等によりマスク402a,402bを形成する。この第1層401aに形成されたマスク402aのパタンは開口111及び回折格子部112を形成するものであり、第3層401cに形成されたマスク402bのパタンは光ファイバ束140に嵌合可能であるとともに回折格子部112に対向する位置に嵌合部113の内周面を規定する掘り込み部115を形成するものである。
続いて、図7(c)に示すように第1層401a及び第3層401cに対しエッチングを行い、第1層401aを貫通させて開口111及び回折格子部112を形成し、第3層401cが貫通されるように掘り込み部115を形成する。なお、以下、エッチングとは、ウェットエッチング、ドライエッチング又は反応性イオンエッチング等、好ましくは異方性エッチングを示す。この後、残存したマスク402a,402bを除去して次の工程に移行する。
そして、図7(d)においては、第2層401bをエッチングして、第2層401bを貫通させて掘り込み部115をさらに深く延ばす。最後に、図7(e)に示すように、第1層401a上にガラス等の保護部114を接合して、ダイサ等を用いて多層基板401から固片に切り出すことによって、第1実施形態に係る回折格子キャップ110が製作される。例えば、ガラス(保護部114)とシリコン(第1層401a)との接合は両者の密着性に優れた陽極接合が望ましい。但し、陽極接合に使用可能なガラスの種類は限られ、光学特性も限定されるため、Au−Sn共晶結合やはんだ等を用いれば多種のガラスやその他の材料を用いることが可能となる。
上記工程により、第2層401b及び第3層401cは、嵌合部113として機能し、第1層401aは、開口111及び回折格子部112として機能する。この製造工程を用いれば、一枚の基板に一括製作が可能であるので、低コスト化が図れる。さらに、第1実施形態に係る回折格子キャップ110の構造は、光ファイバ束140の先端に回折格子部112が直接接することができ、回折格子部112と光ファイバ束140と間の光散乱の影響を抑制できる。なお、第2層401bが残存している場合は、その厚さをより薄くすることによって光散乱の影響を低減できる。また、回折格子部112の厚さを数100nmオーダから10数μmのオーダまで任意に変えることができるため、光のコリメート効果等、必要に応じて種々の効果を付与できる。
(第1実施形態の第2の製造工程) 次に、図8(a)〜図8(e)を参照して、本発明の第1実施形態に係る回折格子キャップ110の第2の製造工程を説明する。
まず、図8(a)及び図8(b)において、SOIからなる多層基板401を用意して、上記第1の製造工程と同様に多層基板401の第1層401aには開口111及び回折格子部112を形成するようにパタンされたマスク402aが形成され、第3層401cには掘り込み部115を形成するようにパタンされたマスク402bが形成される。
次に、図8(c)において、第1層401aのみがエッチングにより除去され、開口111及び回折格子部112が形成される。続いて、マスク402aが除去される。
そして、図8(d)において、例えば、ガラス等からなる保護部114が第1層401a上に接合される。続いて、図8(e)において第3層401c及び第2層401bを貫通して掘り込み部115を形成し、マスク402bを除去する。最後に、ダイサ等を用いて多層基板401から固片に切り出すことによって、第1実施形態に係る回折格子キャップ110が製作される。
上記工程により、第2層401b及び第3層401cは、嵌合部113として機能し、第1層401aは、開口111及び回折格子部112として機能する。この第2の製造工程によれば、第1層401aに回折格子部112を形成した後、先に保護部114を接合し、第3層401c及び第2層401bに掘り込み部115を形成している。したがって、第2の製造工程は、第1の製作工程と比べ、第1層401a,第3層401cと第2層401bの応力差による開口111及び回折格子部112の変形や破損を防ぐことが可能となり、多層基板401の第1層401aと第2層401bの厚さをさらに自由に設定可能である。
(第2実施形態及びその製造工程) 次に、図9(a)〜図9(e)を参照して、本発明の第2実施形態に係る回折格子キャップ110A及びその製造工程について説明する。第2実施形態に係る回折格子キャップ110Aは、図9(e)に示すように第1実施形態と異なり、回折格子部112の上面に保護部114を設けるのではなく、回折格子部112の上面と、さらに回折格子部112の間にエポキシやポリイミド等の樹脂からなる膜状に保護部114’が一体として形成されている。
次に、この第2実施形態に係る回折格子キャップ110Aの製造工程を説明する。まず、図9(a)において、上記第1実施形態の製造方法と同様に多層基板401を用意する。第1層401aの厚さは、数10nmオーダから10数μmオーダまで必要に応じて選択する。
次に、図9(b)において、その第1層401aにマスク402aを、第3層401cにマスク402bを形成する。続いて、図9(c)において、第1層401a及び第3層401cにエッチングを施し、第1層401aを貫通させて開口111及び回折格子部112を形成させ、第3層401cを貫通させて掘り込み部115を形成する。残存したマスク402a,402bは除去し、次に、図9(d)に示すように、形成された開口111及び回折格子部112間の空隙及びその表面に、例えばエポキシやポリイミド等の樹脂からなる膜状の保護部114’を形成する。そして、図9(e)において、第2層401bをエッチングし、ダイサ等を用いて多層基板401から固片に切り出すことによって、回折格子キャップ110Aが製作される。なお、保護部114’を形成した後、第3層401c及び第2層401bの加工を行ってもよい。この保護部114’は、光学特性に応じて多種多様な樹脂・酸化膜・窒化膜等としても良い。また、第2層401bがSiO層であれば、第2層401bを除去する工程を省くことも可能である。
なお、上記工程により、第2層401b及び第3層401cは、嵌合部113として機能し、第1層401aは、開口111及び回折格子部112としての機能を果たす。この第2に実施形態に係る回折格子キャップ110Aは、第1実施形態に係る回折格子キャップ110と同様に、第1層401aの厚さは、数100nmオーダから10数μmオーダまで任意に変えることができるため、光のコリメート効果等、必要に応じて種々の効果を付与できる。また、保護部114’は、固体状の保護部114と異なり、膜状であることから、回折格子キャップ110Aの先端部の厚さを低減可能である。
(第3実施形態及びその製造工程) 次に、図10を参照して、本発明の第3実施形態に係る回折格子キャップ110B及びその製造方法について説明する。上記の第1及び第2実施形態に係る回折格子キャップ110,110Aは、主として可視領域の波長の光を受光可能な回折格子キャップであるが、第3実施形態に係る回折格子キャップ110Bは、主に、赤外線領域等を対象としている。即ち図10(f)に示すように、第1及び第2実施形態とは異なり、光ファイバ束140の先端である発光部及び受光部に対向する箇所であっても第1層401aが形成されており、その第1層401aの上に開口部111’及び回折格子部112’と、それら開口部111’及び回折格子部112’間の隙間及びその表面に膜状の保護部114’が形成されている。なお、この開口部111’及び回折格子部112’は、第1及び第2実施形態とは異なり、薄膜形状である。このような構成によって、第1層401aがSiなど赤外線を透過する材料であれば、赤外領域の波長の光は第1層401aを透過可能であり、受信器用光ファイバ130により検出することができる。
次に、この第3実施形態に係る回折格子キャップ110Bの製造方法について説明する。まず、図10(a)及び図10(b)において、多層基板401を用意し、その第1層401a上に非透過膜405を形成する。非透過膜405の材料は、赤外線を非透過なものであり、厚さ数nm程度で形成可能である。これは、例えばFeなどの蒸着により形成できる。さらに、非透過膜405にマスク402aを、第3層401cにマスク402bを形成する。
次に、図10(c)に示すように、第3層401cにエッチングを施し、マスク402aを除去し、非透過膜405を貫通させて開口111’及び回折格子部112’が形成される。続いて、図10(d)に示すように、第1層401a及び非透過膜405上に保護部114’を形成する。そして、図10(e),図10(f)において、第3層401c及び第2層401bにエッチングを施して掘り込み部115を形成し、マスク402bを除去し、ダイサ等を用いて多層基板401から固片に切り出すことによって、第3実施形態に係る回折格子キャップ110Bが製作される。
上記製造工程により、第1層401a、第2層401b及び第3層401cは、嵌合部113として機能し、非透過膜405は、開口111’及び回折格子部112’として機能する。このように、第3実施形態に係る回折格子キャップ110Bは、第1層401aを削る工程が必要なく、さらに簡便に製造することが可能である。また、膜状の保護部114’を使用していることから、先端部の厚さを低減可能である。さらには、保護部114’の下方には、第1層401aが形成されたままであることから、第2実施形態の回折格子キャップ110Aと比較して、第3実施形態の回折格子キャップ110Bの保護部114’の強度は高い。
(第4実施形態及びその製造工程) 次に、図11を参照して、本発明の第4実施形態に係る回折格子キャップ110C及びその製造工程について説明する。第4実施形態に係る回折格子キャップ110Cは、図11(b)に示すように第1実施形態と異なる箇所は、回折格子部112として保護部114の下方に被透過膜405を形成している点である。さらに、第1実施形態と異なる箇所は、製造工程がSOI基板等の多層基板401ではなく、Si基板等の単層基板406を用いる点である。
次に、この第4実施形態に係る回折格子キャップ110Cの製造方法について説明する。まず、図11(a)において、ガラス等の固体状の保護部114の下面に開口111’及び回折格子部112’がパタンニングされた厚さ数nm程度の非透過膜405を形成する。一方、保護部114とは別個に、光ファイバ束140を貫通可能な貫通孔406aを有する単層基板406を製作する。
そして図11(b)に示すように、保護部114及び単層基板406を接合し、ダイサ等を用いて単層基板406から固片に切り出すことによって、第4実施形態に係る回折格子キャップ110Cを得る。例えば、これらの接合は、予め保護部114及び単層基板406のそれぞれに付された接合点を目安に接合すればよい。第1実施形態と同様に、例えば、ガラス(保護部114)とシリコン(単層基板406)との接合は両者の密着性に優れた陽極接合が望ましい。但し、陽極接合に使用可能なガラスの種類は限られ、光学特性も限定されるため、Au−Sn共晶結合やはんだ等を用いれば多種のガラスを用いることが可能となる。
この製造工程により、単層基板406は、嵌合部113として機能し、被透過膜405は、開口111’及び回折格子部112’として機能する。このように、第4実施形態に係る回折格子キャップ110Cは、Si等の単層基板406とガラス等の保護部114を使用していることから、多層基板401を使用した第1乃至第3実施形態に比べ、安価に製造可能であり、その製造工程はさらに簡便である。
以上、発明の実施形態及びその製造方法を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、追加、置換等が可能である。例えば、回折格子キャップは、1本の光源用光ファイバ120と、6本の受信器用光ファイバ130とを緊密パッキングした状態で嵌合する構成ではなく、1本以上の光源用光ファイバ120と、複数本の受信器用光ファイバ130とを嵌合可能であれば良い。また、図12に示すように、回折格子部112のように6角形状である必要はなく、回折格子部112’’のように受信器用光ファイバ130の受光部に整合する位置に設けてあればよく、嵌合部113’’も回折格子キャップ110’’の縁に沿って一定の厚みで突出させるのみの構造であってもよい。図12のような構造であれば、光ファイバ束140の先端の面と回折格子部112’’の面とのアライメントのみの決定となるが、アライメントを行う光ファイバの本数が限定されることはない。また、受光する光の波長に応じて、基板の材料を変更することも可能である。
本発明の第1実施形態に係る回折格子と光ファイバの斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る回折格子と光ファイバの平面図である。 本発明の第1実施形態に係る回折格子の図2のA−A’断面図である。 本発明の第1実施形態に係る回折格子と光ファイバの図2のA−A’断面図である。 本発明の第1実施形態に係る回折格子キャップの図3のX方向矢示図であるである。 本発明の第1実施形態に係る回折格子及び光ファイバの図4のB−B’断面図である。 本発明の第1実施形態に係る回折格子の第1の製造工程を示した断面図である。 本発明の第1実施形態に係る回折格子の第2の製造工程を示した断面図である。 本発明の第2実施形態に係る回折格子及びその製造工程を示した断面図である。 本発明の第3実施形態に係る回折格子及びその製造工程を示した断面図である。 本発明の第4実施形態に係る回折格子及びその製造工程を示した断面図である。 本発明の他の実施形態に係る回折格子キャップの裏面図である。
符号の説明
100…光ファイバ読み取りヘッド、110…回折格子キャップ、111…開口、112…回折格子部、113…嵌合部、114…保護部、115…掘り込み部、120…光源用光ファイバ、130…受信器用光ファイバ、401…多層基板、401a…第1層、401b…第2層、401c…第3層、402a,402b…マスク、403…透過部、404…保護膜、405…非透過膜、406…単層基板、406a…貫通孔、200…スケール。

Claims (10)

  1. 光ファイバの先端に装着される光透過型の回折格子キャップであって、
    光透過型の回折格子部と、
    この回折格子部と一体的に設けられ前記光ファイバの先端外周部と嵌合し前記回折格子部を前記光ファイバの先端に対して位置決めする嵌合部と
    を備えたことを特徴とする回折格子キャップ。
  2. 複数の光ファイバからなる光ファイバ束の先端に装着される光透過型の回折格子キャップであって、
    前記各光ファイバに対応して設けられた互いに特定の空間的位相関係にある複数の透過型の回折格子からなる回折格子部と、
    この回折格子部と一体的に設けられ前記光ファイバ束の先端外周部と嵌合して前記回折格子部を前記光ファイバ束の先端に対して位置決めする嵌合部と
    を備えたことを特徴とする回折格子キャップ。
  3. 前記回折格子部を保持及び保護する保護層を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の回折格子キャップ。
  4. 1又は複数の光ファイバと、
    この光ファイバの先端に装着される回折格子キャップと
    を備え、検出対象からの光を前記回折格子キャップを介して受光する光ファイバ読み取りヘッドであって、
    前記回折格子キャップは、
    光透過型の回折格子部と、
    この回折格子部と一体的に設けられ前記光ファイバの先端外周部と嵌合し前記回折格子部を前記光ファイバの先端に対して位置決めする嵌合部と
    を備えたことを特徴とする光ファイバ読み取りヘッド。
  5. 測定軸に沿って所定のピッチでスケール格子が形成されたスケールと、
    前記スケール格子上に照明スポットを形成するように先端から前記スケールに対して光を照射する光源用光ファイバと、
    前記スケールからの反射光を先端部で受光すると共に前記光源用光ファイバと光ファイバ束を構成する複数の受信器用光ファイバと、
    前記光ファイバ束の先端に装着された回折格子キャップと
    を備え、少なくとも前記回折格子キャップが装着された前記光ファイバ束の先端が前記スケール格子に対して前記測定軸方向に相対移動可能に配置され、前記スケールに光を照射してその反射光を前記回折格子キャップを介して受光する回折格子エンコーダであって、
    前記回折格子キャップは、
    光透過型の回折格子部と、
    この回折格子部と一体的に設けられ前記光ファイバ束の先端外周部と嵌合し前記回折格子部を前記光ファイバ束の先端に対して位置決めする嵌合部と
    を備えたことを特徴とする回折格子エンコーダ。
  6. 第1、第2及び第3の層からなる基板の前記第1の層に、エッチングにより前記第2の層まで達する回折格子を形成するとともに前記第3の層に、エッチングにより光ファイバの先端が前記回折格子に対向する位置に嵌合可能な前記第2の層まで達する掘り込み部を形成する工程と、
    前記基板の前記掘り込み部の側から前記第2の層をエッチングして前記第2の層の前記掘り込み部に対応する部分を除去する工程と、
    前記回折格子が形成された前記第1の層の上を保護層で覆う工程と
    を備えたことを特徴とする回折格子キャップの製造方法。
  7. 第1、第2及び第3の層からなる基板の前記第1の層に、エッチングにより前記第2の層まで達する回折格子を形成する工程と、
    前記回折格子が形成された前記第1の層の上を保護層で覆う工程と、
    前記第3の層の側から、前記第3及び第2の層に、エッチングにより光ファイバの先端が前記回折格子に対向する位置に嵌合可能な前記第1の層まで達する掘り込み部を形成する工程と
    を備えたことを特徴とする回折格子キャップの製造方法。
  8. 第1、第2及び第3の層からなる基板の前記第1の層に、エッチングにより前記第2の層まで達する回折格子を形成するとともに前記第3の層に、エッチングにより光ファイバの先端が前記回折格子に対向する位置に嵌合可能な前記第2の層まで達する掘り込み部を形成する工程と、
    前記回折格子が形成された前記第1の層の上に保護層を形成する工程と、
    前記基板の前記掘り込み部の側から前記第2の層をエッチングして前記第2の層の前記掘り込み部に対応する部分を除去する工程と、
    を備えたことを特徴とする回折格子キャップの製造方法。
  9. 第1、第2及び第3の層からなる基板の前記第1の層の上に薄膜を形成する工程と、
    この薄膜に対してエッチングを施して回折格子を形成する工程と、
    前記回折格子が形成された薄膜の上に保護層を形成する工程と、
    前記第3の層の側から、前記第3及び第2の層に、エッチングにより光ファイバの先端が前記回折格子に対向する位置に嵌合可能な前記第1の層まで達する掘り込み部を形成する工程と
    を備えたことを特徴とする回折格子キャップの製造方法。
  10. ガラス基板の一方の面に薄膜形成技術により回折格子を形成する工程と、
    半導体基板にエッチングにより光ファイバの先端が嵌合可能な貫通孔を形成する工程と、
    前記ガラス基板の前記回折格子が形成された面が前記半導体基板の貫通孔に臨むように、前記ガラス基板と前記半導体基板とを面方向に位置合わせして接合する工程と
    を備えたことを特徴とする回折格子キャップの製造方法。
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