JP4712315B2 - 吸音遮熱材、自動車エンジン用排気系遮熱カバー及びそれらの製造方法 - Google Patents

吸音遮熱材、自動車エンジン用排気系遮熱カバー及びそれらの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4712315B2
JP4712315B2 JP2004149084A JP2004149084A JP4712315B2 JP 4712315 B2 JP4712315 B2 JP 4712315B2 JP 2004149084 A JP2004149084 A JP 2004149084A JP 2004149084 A JP2004149084 A JP 2004149084A JP 4712315 B2 JP4712315 B2 JP 4712315B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
porous
inorganic
porous material
molded body
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004149084A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005329592A (ja
Inventor
牧男 内藤
浩也 阿部
滋雄 竹
隆弘 丹羽
嘉彦 後藤
尚彦 佐伯
武久 福井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hosokawa Micron Corp
Nichias Corp
Original Assignee
Hosokawa Micron Corp
Nichias Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hosokawa Micron Corp, Nichias Corp filed Critical Hosokawa Micron Corp
Priority to JP2004149084A priority Critical patent/JP4712315B2/ja
Publication of JP2005329592A publication Critical patent/JP2005329592A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4712315B2 publication Critical patent/JP4712315B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
  • Exhaust Silencers (AREA)

Description

本発明は、少なくとも、多孔体被覆繊維からなるナノ気孔構造体と、孔径50μm〜10mmのマクロ気孔構造体とを積層して構成される吸音断熱材及び自動車エンジン用排気系遮熱カバー吸音遮熱材、並びにそれらの製造方法に関する。
内燃機関の排気マニホールドでは、熱とともに音を遮断する必要があり、断熱作用と吸音作用とを兼備する遮熱カバーが装着されている。本出願人も先に、鋼板等の金属板の内側に、無機質繊維マットと、その表面に重ねた無機質耐熱クロスとから成る断熱吸音材を張り合わせて構成した遮熱カバーを提案している(特許文献1参照)。
しかし、近年、自動車の軽量化に伴って遮熱カバーの肉厚が薄くなる一方で、騒音や熱量も高くなる傾向になってきており、更なる断熱性能及び吸音性能が求められている。例えば、エンジン排気レイアウトを従来の前方から後方に移設するとともに、触媒コンバータをエンジン直下に配置することが行われているが、このような配置はエンジン排ガス温度の低下を抑制し、触媒温度を高温化させるため、排ガス浄化性能を向上させる一方で、排ガス系が運転席のより近傍に位置するため排ガス導管(エキゾーストマニホールド)及び触媒コンバータからの熱及び音をこれまで以上に遮断する必要がある。従来のエキゾーストマニホールド及び触媒コンバータの遮熱カバーは、金属カバーと多孔質吸音材から形成されているが、最大加熱温度850℃、吸音率0.5程度であり、遮熱・遮音能力が不十分で、上記したような後方排気と触媒直下配置に対応できないことが国内外共通した課題となっている。
特許第3146137号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、従来よりも優れた断熱性能及び吸音性能を兼備し、上記したような後方廃棄排気と触媒直下配置に十分に対応できる自動車エンジン用排気系遮熱カバーをはじめとする各種遮音・遮熱用途に好適な吸音遮熱材を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は下記に示す吸音遮熱材、自動車エンジン用排気系遮熱カバー及びそれらの製造方法を提供する。
(1)円筒状の回転チャンバ内に、前記回転チャンバの内壁との間で微小隙間を形成する押圧部材を配設した回転混合装置に、無機繊維と無機微粒子とを投入し、前記微小隙間に繰り返し通過させて得られ、前記無機繊維を、前記無機微粒子がリング状または螺旋状に会合した二次粒子で形成される多孔体で被覆してなる多孔体被覆繊維を含む層または該多孔体被覆繊維からなる成形体と、多孔質材料を含む層または該多孔質材料からなる成形体とを少なくとも積層してなることを特徴とする吸音遮熱材。
(2)前記多孔質材料を含む層または該多孔体被覆繊維からなる成形体は、少なくとも無機繊維を含むこと特徴とする上記(1)記載の吸音遮熱材。
(3)円筒状の回転チャンバ内に、前記回転チャンバの内壁との間で微小隙間を形成する押圧部材を配設した回転混合装置に、無機繊維と無機微粒子とを投入し、前記微小隙間に繰り返し通過させて前記無機繊維を、前記無機微粒子がリング状または螺旋状に会合した二次粒子で形成される多孔体で被覆してなる多孔体被覆繊維を所定の厚さで、多孔質材料を含む層または該多孔質材料からなる成形体上に積層する工程と、
得られた積層体を加圧成形して一体化する工程と
を含むことを特徴とする吸音遮熱材の製造方法。
(4)円筒状の回転チャンバ内に、前記回転チャンバの内壁との間で微小隙間を形成する押圧部材を配設した回転混合装置に、無機繊維と無機微粒子とを投入し、前記微小隙間に繰り返し通過させて前記無機繊維を、前記無機微粒子がリング状または螺旋状に会合した二次粒子で形成される多孔体で被覆してなる多孔体被覆繊維を、集成または加圧成形して成形体を得る工程と、
前記多孔体被覆繊維からなる成形体と、多孔質材料を含む層または該多孔質材料からなる成形体とを積層する工程と
を含むことを特徴とする吸音遮熱材の製造方法。
(5)円筒状の回転チャンバ内に、前記回転チャンバの内壁との間で微小隙間を形成する押圧部材を配設した回転混合装置に、無機繊維と無機微粒子とを投入し、前記微小隙間に繰り返し通過させて得られ、前記無機繊維を、前記無機微粒子がリング状または螺旋状に会合した二次粒子で形成される多孔体で被覆してなる多孔体被覆繊維を含む層または該多孔体被覆繊維からなる成形体と、多孔質材料を含む層または該多孔質材料からなる成形体とを少なくとも積層してなることを特徴とする自動車エンジン用排気系遮熱カバー。
(6)前記多孔質材料を含む層または該多孔体被覆繊維からなる成形体は、少なくとも無機繊維を含むこと特徴とする上記(5)記載の自動車エンジン用排気系遮熱カバー。
(7)前記多孔質材料を含む層または該多孔体被覆繊維からなる成形体に、孔開き金属板を添着したことを特徴とする上記(5)または(6)に記載の自動車エンジン用排気系遮熱カバー。
(8)円筒状の回転チャンバ内に、前記回転チャンバの内壁との間で微小隙間を形成する押圧部材を配設した回転混合装置に、無機繊維と無機微粒子とを投入し、前記微小隙間に繰り返し通過させて前記無機繊維を、前記無機微粒子がリング状または螺旋状に会合した二次粒子で形成される多孔体で被覆してなる多孔体被覆繊維を所定の厚さで、多孔質材料を含む層または該多孔質材料からなる成形体上に積層する工程と、
得られた積層体を加圧成形して一体化する工程と
を含むことを特徴とする自動車エンジン用排気系遮熱カバーの製造方法。
(9)孔開き金属板上に前記多孔質材料を含む層または該多孔質材料からなる成形体を載置し、前記多孔質被覆繊維を積層し、その上に保形シートを配置し、加圧成形して一体化することを特徴とする上記(8)記載の自動車エンジン用排気系遮熱カバーの製造方法。
(10)円筒状の回転チャンバ内に、前記回転チャンバの内壁との間で微小隙間を形成する押圧部材を配設した回転混合装置に、無機繊維と無機微粒子とを投入し、前記微小隙間に繰り返し通過させて前記無機繊維を、前記無機微粒子がリング状または螺旋状に会合した二次粒子で形成される多孔体で被覆してなる多孔体被覆繊維を、集成または加圧成形した成形体を得る工程と、
前記多孔体被覆繊維からなる成形体と、多孔質材料を含む層または該多孔質材料からなる成形体とを積層する工程と
を含むことを特徴とする自動車エンジン用排気系遮熱カバーの製造方法。
(11)孔開き金属板上に、前記多孔質材料を含む層または該多孔質材料からなる成形体及び前記多孔質被覆繊維からなる成形体を順次積層し、その上に保形シートを配置し、加圧成形して一体化することを特徴とする上記(10)記載の自動車エンジン用排気系遮熱カバーの製造方法。
本発明の吸音遮熱材は、多孔体被覆繊維からなる層または成形体が従来に比べて優れた断熱性能を有し、これを吸音性能を有する多孔質材料からなる成形体と積層して複合化することにより、優れた断熱性能とともに吸音性能を兼備した材料となる。そのため、例えば、上記したような後方排気と触媒直下配置の自動車の排気系遮熱カバーとして好適となる。
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
図1は多孔体被覆繊維を示す模式図であり、図2は無機微粒子からなる二次粒子を拡大して示す模式図である。図示されるように、多孔体被覆繊維100は、複数の無機微粒子10aがリング状または螺旋状に会合した二次粒子10が無機繊維1に付着し、更に堆積して形成される多孔体で被覆されている。
無機微粒子10aは、低熱伝導性の無機材料からなる微粒子であり、例えば超微粒子状無水シリカや超臨界乾燥シリカ等を使用することができる。これらシリカ微粒子は、熱伝導率が0.01W/(m・K)程度であり、本発明において好ましいものである。その他にも、アルミナ等の微粒子も用いることができる。また、無機微粒子10aは、平均粒子径で5〜50nmであることが好ましい。図2にも示すように、このような微粒子は、分子間力、静電気力等により会合してリング状または螺旋状の二次粒子10を形成するが、その際、リング内径(R)が0.1μm(100nm)以下であることが好ましい。これは、伝熱媒体となる空気の平均自由行程が常温で約100nmであり、リング内径(R)が0.1μm程度以下以下であれば二次粒子10を通じての伝熱をほぼ防止できることによる。尚、後述するように、二次粒子10は変形した状態で積層して多孔体を形成するが、その際にリング内径(R)も小さくなり、空気の平均自由行程以下となる。平均粒径が5〜50nmの無機微粒子10aは、このようなリング内径(R)の二次粒子10を形成しやすい。これら無機微粒子10aは、複数種を併用してもよい。更に、必要に応じて、他の無機粒子を混合してもよい。
無機繊維1は、アルミナ繊維、シリカ・アルミナ繊維、シリカ繊維、ムライト繊維等のセラミック繊維、ガラス繊維、ロックール等を用いることができる。中でも、低熱伝導性の、好ましくは熱伝導率0.1W/(m・K)以下、特に0.04W/(m・K)以下の無機繊維が好ましく、シリカ・アルミナ繊維やシリカ繊維等のシリカ系繊維を好適に使用できる。また、無機繊維1は、平均繊維径が15μm以下であることが好ましい。平均繊維径が15μmを超えると、表面積が大きくなるため、後述する二次粒子10による被覆作業に長時間を要し製造上好ましくない。更に、無機繊維1の平均繊維長は50μm以上が好ましい。平均繊維長が50μm未満では、成形したときの多孔体被覆繊維100の配向が少なく、機械的強度が不足する。これらの無機繊維1は、複数種を併用してもよい。
無機繊維1と無機微粒子10aとの配合比は、無機繊維1が5〜50質量%で、無機微粒子10aが50〜95質量%であることが好ましい。無機微粒子10aの配合割合が50質量%未満では、無機繊維1が2次粒子10により十分厚く被覆されないおそれがある。
多孔体被覆繊維100を得るには、無機繊維1と無機微粒子10aとを上記の配合で混合した混合物を微小隙間に繰り返し通過させればよい。具体的には、図3に示すような回転混合装置30を用いる。この回転混合装置30は、円筒状のチャンバ31の内部に、押圧部材32を配して構成されている。チャンバ31は図中矢印方向に回転し、押圧部材32は、その一端がチャンバ31の内壁との間で所定の微小隙間を形成するように固定されている。
そして、回転混合装置30に、無機繊維1と無機微粒子10aとを上記配合比にて投入し(図中、符号35)、チャンバ31を回転させる。この回転に伴い、無機繊維1は解繊され、それと同時に個々の無機繊維1に無機微粒子10aからなる二次粒子10が付着し、その上に別の二次粒子10が順次積層して積層体を形成する。その際、チャンバ31と押圧部材32との微小隙間を通過することにより二次粒子10が無機繊維1の表面に押し込まれるように付着し、積層する際も二次粒子10同士が強く押し付け合うため、二次粒子10のリング状形状または螺旋状形状が変形したり、鎖状または個々の無機微粒子10aに分解して相互に複雑に絡み合い、無機繊維1から無機微粒子10aあるいは二次粒子10が脱離することはない。また、無機微粒子10aの粒子間で微細空孔が多数形成されるため、得られる積層体は多孔体となる。
図4(B)は、無機繊維と無機微粒子とを単に攪拌混合して得た繊維材料の断面を撮影した電子顕微鏡写真であるが、繊維間に無機微粒子からなる二次粒子が点在し、無機繊維の表面が露呈している。そのため、この繊維材料からなる断熱材では無機繊維同士が直接接触し、無機微粒子の優れた断熱性能が発揮されない。これに対し、図4(C)は、上記のように回転混合機30を用いて作製した多孔体被覆繊維を撮影した電子顕微鏡写真であるが、表面に二次粒子が積層してなる多孔体が形成され、無機繊維が露呈しておらず、無機微粒子による優れた断熱性能、具体的には950℃における熱伝導率で0.04W/(m・K)以下、が得られる。尚、図4(A)は無機繊維のみを撮影した電子顕微鏡写真である。
本発明の吸音遮熱材は、上記の多孔体被覆繊維を集成または加圧成形して所定の形状とし、得られた成形体と、多孔質材料からなる成形体とを積層して得られる。また、上記の多孔体被覆繊維を所定の厚さで多孔質材料からなる成形体上に積層し、加圧成形しても得られる。後者の場合は、多孔体被覆繊維からなる層と、多孔質材料からなる成形体との積層体となる。何れの場合も、多孔体被覆繊維からなる層または成形体は、上記のように、気孔径が空気の平均自由工程(100nm)よりも小さい多孔体同士の接触になるため、優れた断熱性能を示す。
尚、多孔体被覆繊維からなる層または成形体は、そのかさ密度が50〜500kg/cm、好ましくは100〜300kg/cm、より好ましくは150〜250kg/mとする。このようなかさ密度の多孔体被覆繊維からなる層または成形体は、音波の反射体として機能し、優れた断熱性能に加えて、吸音遮熱体の吸音性能の向上に寄与する。このような嵩密度となるように、多孔体被覆繊維の金型への充填量や圧縮率等を調整する。
また、多孔質材料を含む層または成形体は吸音材として機能する。本発明においては、これら多孔質材料は、孔径50μm〜10mmであればその材料や形態には制限が無く、例えばポリスチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、フェノールフォーム等の発泡樹脂や、ロックウール、ガラスウール、アルミナ繊維、ムライト繊維、アルミノシリケート繊維、シリカ繊維等の無機繊維を含む成形体または層から構成されればよい。また、本発明においては、優れた断熱性能を吸音遮熱材に付与するために、断熱性の高い無機繊維のみから構成されることが好ましく、より好ましくは無機繊維マットである。この無機繊維マットは、取り扱いの良さからも好ましい。尚、通常、吸音材では吸音対象となる音の周波数に応じて、気孔径または気孔率、厚さが調整されるが、本発明においても同様であり、吸音対象となる音の周波数に応じてこれらを適宜設定する。
また、本発明の吸音遮熱材では、主に保形性を目的として、金属メッシュやパンチングメタル等の孔開き金属板、金属板、金属シート、不織布等を更に積層し、一体化してもよい。
上記のように、本発明の吸音遮熱材は断熱と吸音とを同時に要求される用途に最適であり、上記した内燃機関の排気マニホールド用遮熱カバーの他、ボンネット裏に装着される吸音材、断熱材や耐火遮音間仕切壁等の建材等に好適である。
例えば、排気マニホールド用遮熱カバーとするには、図5に模式的に示すように、孔開き金属板200、多孔質材料からなる成形体としての無機繊維マット300、多孔体被覆繊維からなる層または成形体400及び保形シート500を順次積層し、所定の厚さにプレス成形すればよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(実施例1)
平均繊維径が10μmで、平均繊維長5000μmのシリカ系セラミックファイバ30質量%と、平均粒子径7nmで、熱伝導率(25℃)が0.01W/(m・K)のシリカ微粒子70質量%とを図3に示す回転混合装置30に投入し、チャンバ31と押圧部材32との微小隙間2000μmに設定し、回転速度1000rpmにて30分間連続回転させた。内容物を取り出して電子顕微鏡で観察したところ、図4(C)に示すように、シリカ微粒子からなる多孔体で表面が完全に被覆された多孔質体被覆繊維であった。
また、平均繊維径が10μmで、平均繊維長5000μmのシリカ系セラミックファイバのみを乾式プレスして厚さ6.9mm、かさ密度170kg/mの無機繊維マットを得た。
そして、厚さ0.5mmのパンチングメタル上に無機繊維マットを置き、その上に多孔体被覆繊維を所定量積層し、更にその上に厚さ0.1mmの不織布を積層してプレス成形して試験片を作製した。尚、多孔体被覆繊維からなる層は、厚さが7.5mmで、かさ密度が170kg/mとなるように積層量を調整した。
(実施例2)
実施例1と同様にして無機繊維マット(但し、かさ密度は同一で厚さは7.4mm)、多孔体被覆繊維を作製し、無機繊維マット上に多孔体被覆繊維を所定量積層し、更にその上に厚さ0.1mmの不織布を積層してプレス成形して試験片を作製した。多孔体被覆繊維からなる層は、実施例1と同様に、厚さが7.5mmで、かさ密度が170kg/mとなるようにした。
(実施例3)
実施例1と同様にして無機繊維マット(但し、かさ密度は同一で厚さは3.75mm)、多孔体被覆繊維を作製し、無機繊維マット上に多孔体被覆繊維を所定量積層し、更にその上に同一の無機繊維マットを積層してプレス成形して試験片を作製した。多孔体被覆繊維からなる層は、実施例1と同様に、厚さが7.5mmで、かさ密度が170kg/mとなるようにした。
(比較例1)
実施例1と同様にして作製した多孔体被覆繊維を、厚さ0.5mmのパンチングメタル上に積層し、プレス成形して試験片を作製した。多孔体被覆繊維からなる層が、厚さ14.5mmで、かさ密度200kg/mとなるように積層量を調整した。
(比較例2)
実施例1と同様にして作製した無機繊維マット(かさ密度は同一で厚さは14.5mm)を、厚さ0.5mmのパンチングメタル上に積層し、プレス成形して試験片を作製した。
(吸音特性の評価)
作製した各試験片について、JIS A1405に規定される垂直入射吸音率法に従い、実施例1、比較例1及び比較例2ではパンチングメタルを音源側とし、実施例2及び実施例3では無機繊維マットを音源側として100〜1600Hzの周波数にて吸音率を測定した。結果を表1に示す。
(断熱性能の評価)
作製した各試験片(厚み15mm、断面積1m)について、実施例1、比較例1及び比較例2ではパンチングメタル、実施例2及び実施例3では無機繊維マットを熱源側面として電気ヒータ(熱量1kW)を接触させて加熱し、熱源側の表面温度が600℃に達したときに、熱源側面とは反対側の表面の温度を測定して断熱性を評価した。また、周期加熱法により熱伝導率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004712315
表1に示すように、本発明に従う実施例の試験片は、断熱性能とともに吸音性能にも優れるのに対し、比較例1の試験片は多孔体被覆繊維の厚い層があるため、耐熱性能に優れるものの、無機繊維マットが無いことから吸音性能に劣っている。逆に、比較例2の試験片は無機繊維マットのみであることから吸音特性にやや優れるものの、耐熱性能が大きく劣っている。
多孔体被覆繊維からなる断熱材を示す模式図である。 無機微粒子からなる二次粒子を示す模式図である。 多孔体被覆繊維を製造するための回転混合装置を示す概略構成図である。 (A)無機繊維を撮影した電子顕微鏡写真、(B)無機繊維と無機微粒子とを単に混合して得た繊維材料の断面を撮影した電子顕微鏡写真及び(C)多孔体被覆繊維を撮影した電子顕微鏡写真である。 本発明の排気マニホールド用遮熱カバーの一例を示す模式図である。
符号の説明
1 無機繊維
10 二次粒子
10a 無機微粒子
30 回転混合装置
31 チャンバ
32 押圧部材
35 投入物
200 孔開き金属板
300 無機繊維マット
400 多孔体被覆繊維からなる成形体
500 保形シート

Claims (11)

  1. 円筒状の回転チャンバ内に、前記回転チャンバの内壁との間で微小隙間を形成する押圧部材を配設した回転混合装置に、無機繊維と無機微粒子とを投入し、前記微小隙間に繰り返し通過させて得られ、前記無機繊維を、前記無機微粒子がリング状または螺旋状に会合した二次粒子で形成される多孔体で被覆してなる多孔体被覆繊維を含む層または該多孔体被覆繊維からなる成形体と、多孔質材料を含む層または該多孔質材料からなる成形体とを少なくとも積層してなることを特徴とする吸音遮熱材。
  2. 前記多孔質材料を含む層または該多孔体被覆繊維からなる成形体は、少なくとも無機繊維を含むこと特徴とする請求項1記載の吸音遮熱材。
  3. 円筒状の回転チャンバ内に、前記回転チャンバの内壁との間で微小隙間を形成する押圧部材を配設した回転混合装置に、無機繊維と無機微粒子とを投入し、前記微小隙間に繰り返し通過させて前記無機繊維を、前記無機微粒子がリング状または螺旋状に会合した二次粒子で形成される多孔体で被覆してなる多孔体被覆繊維を所定の厚さで、多孔質材料を含む層または該多孔質材料からなる成形体上に積層する工程と、
    得られた積層体を加圧成形して一体化する工程と
    を含むことを特徴とする吸音遮熱材の製造方法。
  4. 円筒状の回転チャンバ内に、前記回転チャンバの内壁との間で微小隙間を形成する押圧部材を配設した回転混合装置に、無機繊維と無機微粒子とを投入し、前記微小隙間に繰り返し通過させて前記無機繊維を、前記無機微粒子がリング状または螺旋状に会合した二次粒子で形成される多孔体で被覆してなる多孔体被覆繊維を、集成または加圧成形して成形体を得る工程と、
    前記多孔体被覆繊維からなる成形体と、多孔質材料を含む層または該多孔質材料からなる成形体とを積層する工程と
    を含むことを特徴とする吸音遮熱材の製造方法。
  5. 円筒状の回転チャンバ内に、前記回転チャンバの内壁との間で微小隙間を形成する押圧部材を配設した回転混合装置に、無機繊維と無機微粒子とを投入し、前記微小隙間に繰り返し通過させて得られ、前記無機繊維を、前記無機微粒子がリング状または螺旋状に会合した二次粒子で形成される多孔体で被覆してなる多孔体被覆繊維を含む層または該多孔体被覆繊維からなる成形体と、多孔質材料を含む層または該多孔質材料からなる成形体とを少なくとも積層してなることを特徴とする自動車エンジン用排気系遮熱カバー。
  6. 前記多孔質材料を含む層または該多孔体被覆繊維からなる成形体は、少なくとも無機繊維を含むこと特徴とする請求項5記載の自動車エンジン用排気系遮熱カバー。
  7. 前記多孔質材料を含む層または該多孔体被覆繊維からなる成形体に、孔開き金属板を添着したことを特徴とする請求項5または6に記載の自動車エンジン用排気系遮熱カバー。
  8. 円筒状の回転チャンバ内に、前記回転チャンバの内壁との間で微小隙間を形成する押圧部材を配設した回転混合装置に、無機繊維と無機微粒子とを投入し、前記微小隙間に繰り返し通過させて前記無機繊維を、前記無機微粒子がリング状または螺旋状に会合した二次粒子で形成される多孔体で被覆してなる多孔体被覆繊維を所定の厚さで、多孔質材料を含む層または該多孔質材料からなる成形体上に積層する工程と、
    得られた積層体を加圧成形して一体化する工程と
    を含むことを特徴とする自動車エンジン用排気系遮熱カバーの製造方法。
  9. 孔開き金属板上に前記多孔質材料を含む層または該多孔質材料からなる成形体を載置し、前記多孔質被覆繊維を積層し、その上に保形シートを配置し、加圧成形して一体化することを特徴とする請求項8記載の自動車エンジン用排気系遮熱カバーの製造方法。
  10. 円筒状の回転チャンバ内に、前記回転チャンバの内壁との間で微小隙間を形成する押圧部材を配設した回転混合装置に、無機繊維と無機微粒子とを投入し、前記微小隙間に繰り返し通過させて前記無機繊維を、前記無機微粒子がリング状または螺旋状に会合した二次粒子で形成される多孔体で被覆してなる多孔体被覆繊維を、集成または加圧成形した成形体を得る工程と、
    前記多孔体被覆繊維からなる成形体と、多孔質材料を含む層または該多孔質材料からなる成形体とを積層する工程と
    を含むことを特徴とする自動車エンジン用排気系遮熱カバーの製造方法。
  11. 孔開き金属板上に、前記多孔質材料を含む層または該多孔質材料からなる成形体及び前記多孔質被覆繊維からなる成形体を順次積層し、その上に保形シートを配置し、加圧成形して一体化することを特徴とする請求項10記載の自動車エンジン用排気系遮熱カバーの製造方法。
JP2004149084A 2004-05-19 2004-05-19 吸音遮熱材、自動車エンジン用排気系遮熱カバー及びそれらの製造方法 Expired - Lifetime JP4712315B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004149084A JP4712315B2 (ja) 2004-05-19 2004-05-19 吸音遮熱材、自動車エンジン用排気系遮熱カバー及びそれらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004149084A JP4712315B2 (ja) 2004-05-19 2004-05-19 吸音遮熱材、自動車エンジン用排気系遮熱カバー及びそれらの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005329592A JP2005329592A (ja) 2005-12-02
JP4712315B2 true JP4712315B2 (ja) 2011-06-29

Family

ID=35484560

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004149084A Expired - Lifetime JP4712315B2 (ja) 2004-05-19 2004-05-19 吸音遮熱材、自動車エンジン用排気系遮熱カバー及びそれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4712315B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008164078A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Nichias Corp 改質器用断熱材
JP7270125B2 (ja) * 2018-03-14 2023-05-10 パナソニックIpマネジメント株式会社 断熱シートおよびこれを用いた断熱体およびその製造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63102925A (ja) * 1986-09-26 1988-05-07 マテクホールディング アーゲー 騒音低減構造部材及びその製造方法
JPH03247576A (ja) * 1990-02-23 1991-11-05 Matsushita Electric Works Ltd 微細多孔体の製造方法
JPH0430927U (ja) * 1990-07-09 1992-03-12
JPH0642328A (ja) * 1992-07-20 1994-02-15 Osaka Gas Co Ltd 消音器
JPH0949426A (ja) * 1995-08-07 1997-02-18 Nichias Corp 内燃機関の排気系用インシュレータ
JP2002310383A (ja) * 2001-04-16 2002-10-23 Matsushita Refrig Co Ltd 真空断熱材、および、真空断熱材の製造方法、ノート型コンピュータ、冷凍機器、電気湯沸かし器、オーブンレンジ
JP2004081382A (ja) * 2002-08-26 2004-03-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 断熱材とそれを用いた機器

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63102925A (ja) * 1986-09-26 1988-05-07 マテクホールディング アーゲー 騒音低減構造部材及びその製造方法
JPH03247576A (ja) * 1990-02-23 1991-11-05 Matsushita Electric Works Ltd 微細多孔体の製造方法
JPH0430927U (ja) * 1990-07-09 1992-03-12
JPH0642328A (ja) * 1992-07-20 1994-02-15 Osaka Gas Co Ltd 消音器
JPH0949426A (ja) * 1995-08-07 1997-02-18 Nichias Corp 内燃機関の排気系用インシュレータ
JP2002310383A (ja) * 2001-04-16 2002-10-23 Matsushita Refrig Co Ltd 真空断熱材、および、真空断熱材の製造方法、ノート型コンピュータ、冷凍機器、電気湯沸かし器、オーブンレンジ
JP2004081382A (ja) * 2002-08-26 2004-03-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 断熱材とそれを用いた機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005329592A (ja) 2005-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100386507C (zh) 催化剂转化器和柴油颗粒过滤系统
KR101134262B1 (ko) 단열된 이중벽을 갖는 배기 시스템 부품
JP4663778B2 (ja) 排気ガス処理装置及びその製造方法
US6726884B1 (en) Free-standing internally insulating liner
CN102686843B (zh) 多层基底支承体和排气处理装置
EP2105295A1 (en) Sound-insulating multilayered structure and process for producing the same
JPH05181486A (ja) 新規な吸音材
KR20070110363A (ko) 오염 제어 요소 장착 부재 및 오염 제어 장치
JP2002514551A (ja) 動力車のエンジンルーム用断熱及び防音ライニング
EP2513442B1 (en) An exhaust gas treatment device
CN109483976B (zh) 一种电动汽车电机用隔音垫及其制作方法
US20070151799A1 (en) Catalytic fibrous exhaust system and method for catalyzing an exhaust gas
JP2013506076A (ja) 多層マット及び排気ガス処理装置
RU2639759C2 (ru) Комбинированная звукопоглощающая панель
US7444805B2 (en) Substantially fibrous refractory device for cleaning a fluid
EP2386739B1 (en) Mat, method for producing the mat, and exhaust gas purifying apparatus with the mat
JP4712315B2 (ja) 吸音遮熱材、自動車エンジン用排気系遮熱カバー及びそれらの製造方法
JP2006321053A (ja) 耐熱性吸音断熱材
US10465586B2 (en) Inorganic fibre mats
JPWO2019004153A1 (ja) 防音用被覆材およびエンジンユニット
CN110843316B (zh) 一种汽车用复合结构隔音垫及其制作方法
JP3583251B2 (ja) 吸遮音パネル
JP2008026517A (ja) 吸音性積層構造体及びその製法
JP6754724B2 (ja) 防音用被覆材およびエンジンユニット
JP2003022077A (ja) 装置の防音構造及び防音部材

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060425

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070403

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090722

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100210

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100406

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110323

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140401

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250