JP4711908B2 - 無線通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信システムに関し、特に、受信機において、効果的な時期に設定を行って、受信信号に対して等化処理を行うか否かを制御することで、良好な受信特性を得る無線通信システムに関する。
例えば、デジタル無線通信システムなどの受信機では、マルチパスフェージングによる受信特性の劣化への対策として、等化器が用いられている。
しかしながら、マルチパスフェージングが無い環境下や弱電界時のように、等化器を通さずに受信信号を復調した方が良好な受信特性が得られる場合があるため、手動や自動で等化処理を行うか否かを選択することができる受信機や、等化器を通した受信信号と通さない受信信号の両方を復調する機能を有して受信特性がより良好な方の復調データを選択する受信機が提案されている。
一例として、等化器を通した受信信号を復調したデータの推定ビット誤りと等化器を通さずに受信信号を復調したデータの推定ビット誤りとを比較して、推定ビット誤りが少ない方の復調データを選択するディジタル無線通信装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平5−183537号公報 ARIB STD−T79、「市町村デジタル移動通信システム」、社団法人 電波産業会
しかしながら、従来の受信機では、常にビット誤りを推定して推定ビット誤りが少ない方の復調データを選択するため、常に等化処理や誤り訂正処理を行う必要があり演算量が多くなってしまうことから、演算能力の高いデバイスが必要となり、消費電流が多くなってしまう等の問題があった。
また、例えば、遅延波やフェージングを検出した結果に基づいて等化処理を行うか否かを選択する受信機では、遅延波やフェージングを検出する回路や演算が必要となるため、回路規模が大きくなってしまい、演算量が多くなってしまう等の問題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するために為されたもので、受信機において、効果的な時期に設定を行って、受信信号に対して等化処理を行うか否かを制御することで、良好な受信特性を得ることができる無線通信システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る無線通信システムでは、次のような構成により、基地局装置と端末局装置とが無線により通信する。
すなわち、前記端末局装置では、無線通信手段が前記基地局装置との間で信号を無線により通信し、等化処理手段が等化処理を行い、復調手段が復調処理を行い、設定手段が等化処理あり或いは等化処理なしを設定する。待ち受け状態時には、制御手段が、前記無線通信手段により受信された信号に対して前記等化処理手段により等化処理を行って前記復調手段により復調処理を行って得られた復調結果と当該信号に対して等化処理を行わずに前記復調手段により復調処理を行って得られた復調結果とを比較して、等化処理を行った復調結果の方が良好である場合には前記設定手段に等化処理ありを設定する一方、等化処理を行わなかった復調結果の方が良好である場合には前記設定手段に等化処理なしを設定する。また、通信時には、制御手段が、前記設定手段に等化処理ありが設定されている場合には前記無線通信手段により受信された信号に対して前記等化処理手段により等化処理を行って前記復調手段により復調処理を行い、前記設定手段に等化処理なしが設定されている場合には当該信号に対して等化処理を行わずに前記復調手段により復調処理を行う。
従って、端末局装置では、処理負荷の軽い待ち受け状態時に受信信号に対して等化処理を行うか否かが判定されて設定され、通信時には当該設定の内容に従って受信信号に対して等化処理が行われて復調処理が行われる態様と当該受信信号に対して等化処理が行われずに復調処理が行われる態様が切り替えられるため、例えば、受信機において、効果的な時期(待ち受け状態時)に設定を行って、受信信号に対して等化処理を行うか否かを制御することで、通信時における処理負荷を軽減して、良好な受信特性を得ることができる。
ここで、端末局装置としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、移動局装置が用いられ、或いは、固定的に設置された装置が用いられてもよい。また、端末局装置としては、例えば、送信機能を有さずに受信機能を有する受信装置として構成されてもよく、或いは、受信機能と送信機能の両方を有する送受信装置として構成されてもよい。
また、設定手段としては、例えば、等化処理ありを示す情報或いは等化処理なしを示す情報を記憶するメモリを用いて構成することができる。
また、例えば、待ち受け状態時とは発呼や着呼がなくそれを待機している状態のときであり、通信時とは発呼や着呼があってそれに応じて通信している状態のときである。
本発明に係る無線通信システムでは、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、前記待ち受け状態時には、前記端末局装置の前記無線通信手段は前記基地局装置から定期的に無線送信される制御情報の信号を受信し、前記制御手段は前記無線通信手段により受信された制御情報の信号から得られた復調結果の受信誤りに基づいて等化処理あり或いは等化処理なしを決定する。
従って、端末局装置では、待ち受け状態時には、常に、基地局装置から定期的に無線送信される制御情報の信号の受信状況に基づいて、等化処理を行う方が良いか否かを判定することができ、これにより、実際の受信信号に基づいて実際の伝送路の状況に応じた設定を行うことができ、また、通信時における処理負荷を軽減して受信特性を良好にすることができる。
ここで、基地局装置から定期的に無線送信される制御情報の信号としては、例えば、報知情報の信号を用いることができる。
また、復調結果の受信誤りとしては、例えば、復調データの誤りビット数或いはそれに基づく誤り率などを用いることができ、具体例として、誤りビット数が多い(誤り率が高い)方が受信品質が低く、誤りビット数が少ない(誤り率が低い)方が受信品質が高いため、誤りビット数が少ない(誤り率が低い)方の処理(等化処理あり或いは等化処理なし)を選択する。
本発明に係る受信方法では、端末局装置が基地局装置から無線により送信される信号を受信するに際して、次のような処理を行う。
すなわち、前記端末局装置は、待ち受け状態時に前記基地局装置から受信した信号に対して等化処理を行って復調処理を行った結果と当該信号に対して等化処理を行わずに復調処理を行った結果とを比較して等化処理を行うか否かを設定し、通信時には前記設定の内容に従って前記基地局装置から受信した信号に対して等化処理を行って復調処理を行う信号処理と当該信号に対して等化処理を行わずに復調処理を行う信号処理を切り替える。
従って、端末局装置では、処理負荷の軽い待ち受け状態時に受信信号に対して等化処理を行うか否かが判定されて設定され、通信時には当該設定の内容に従って受信信号に対して等化処理が行われて復調処理が行われる態様と当該受信信号に対して等化処理が行われずに復調処理が行われる態様が切り替えられるため、例えば、受信機において、効果的な時期(待ち受け状態時)に設定を行って、受信信号に対して等化処理を行うか否かを制御することで、通信時における処理負荷を軽減して、良好な受信特性を得ることができる。
以上説明したように、本発明によると、端末局装置では、待ち受け状態時に受信信号に対して等化処理を行うか否かが判定されて設定され、通信時には当該設定の内容に従って受信信号に対して等化処理が行われて復調処理が行われる態様と当該受信信号に対して等化処理が行われずに復調処理が行われる態様が切り替えられるようにしたため、例えば、受信機において、効果的な時期(待ち受け状態時)に設定を行って、受信信号に対して等化処理を行うか否かを制御することで、通信時における処理負荷を軽減して、良好な受信特性を得ることができる。
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施例に係るデジタルの無線通信システムの構成例を示してある。
本例の無線通信システムは、アンテナ11を備えた基地局装置1と、アンテナ21を備えた移動局装置2を有している。なお、基地局装置の数や、移動局装置の数としては、複数であってもよく、通常、1つの基地局装置のサービスエリアに複数の移動局装置が収容される。
図1では、移動局装置2の概略的な構成例も示してある。
本例の移動局装置2は、無線機の機能として、アンテナ21と、無線通信部22と、信号処理部23を備えている。
無線通信部22は、アンテナ21を用いて信号を無線により送受信する機能を有しており、例えば、信号処理部23により処理された送信対象となる信号をアンテナ21から無線送信し、アンテナ21により無線受信された信号を信号処理部23へ出力する。
信号処理部23は、送信対象となる信号を処理する送信機の機能や、無線通信部22により受信された信号を処理する受信機の機能を有している。
信号処理部23は、受信機の機能として、等化器31と、復調器32と、等化処理設定部33と、等化処理設定判定部34を備えている。
等化器31は、例えば、トランスバーサルフィルタを用いて構成されており、受信信号に対して等化処理を行う機能を有している。
復調器32は、等化器31により等化処理が行われた受信信号或いは等化処理が行われていない受信信号を復調する機能を有している。
等化処理設定部33は、例えば、メモリを用いて構成されており、等化器31により受信信号に対して等化処理を行うか否かを示す情報を記憶する機能を有している。
等化処理設定判定部34は、復調器32により得られた復調データに基づいて、等化器31により受信信号に対して等化処理を行うか否かを決定して、その情報を等化処理設定部33に設定する機能を有している。
図2(a)には、基地局装置1の送信機や移動局装置2の送信機により送信対象となる制御情報の信号に対して行われる信号組立の処理の手順の一例を示してある。
本例の送信機では、送信対象となる制御情報の信号に対して、CRC(Cyclic Redundancy Check)の符号化処理を行い(処理T1)、固定ビットを挿入して付加する処理を行い(処理T2)、畳込み符号化の処理を行い(処理T3)、インタリーブの処理を行う(処理T4)。
図2(b)には、基地局装置1の受信機や移動局装置2の受信機により制御情報の受信信号に対して行われる信号分解の処理の手順の一例を示してある。
本例の受信機では、制御情報の受信信号に対して、デインタリーブの処理を行い(処理T11)、誤り訂正(ビタビ復号)の処理を行い(処理T12)、付加された固定ビットを除去する処理を行い(処理T13)、誤り検出(CRC)の処理を行う(処理T14)。
なお、上記のような信号組立の処理や信号分解の処理が制御情報以外の信号に対して行われてもよい。
本例では、基地局装置1から移動局装置2に対して無線送信される制御情報には、基地局装置1において誤り検出符号化(本例では、CRC符号化)及び誤り訂正符号化(本例では、畳込み符号化)が行われ、移動局装置2において誤り訂正復号(本例では、ビタビ復号)及び誤り検出(本例では、CRCによる誤り検出)が行われる。移動局装置1の受信機では、受信信号を分解する際に、誤り訂正を行う前のデータと誤り訂正を行った後のデータとを比較することで、誤り訂正処理において訂正したビット数すなわち伝送路における誤りビット数を検出(推定)することができる。また、誤り訂正が行われきれていない場合には、誤り検出の結果に基づいて、更に誤りが含まれていることを検出することができる。
本例の無線通信システムにおいて行われる動作の一例を示す。
図3には、基地局装置1と移動局装置2との間における通信処理の一例として、基地局装置1から移動局装置2へ発呼があった場合における制御シーケンスの一例を示してある。
基地局装置1は、共通アクセスチャネル(CAC)により、スーパーフレーム毎に1回などの一定間隔で、制御情報である報知情報(UI)を無線により送信する。移動局装置2は、基地局装置1との通信が行われないとき(移動局装置2が待ち受け状態にあるとき)には、この報知情報を受信する。
例えば移動局装置2以外の他の移動局装置から移動局装置2への発信操作があり、基地局装置1が移動局装置2に対して発呼する場合には、基地局装置1は、共通アクセスチャネル(CAC)により、移動局装置2を呼び出すための呼制御の制御情報を無線により送信する。本例では、この呼制御の制御情報として、複数の移動局装置をまとめたグループ通信を行うために呼出や呼設定を行うための情報(グループ通信呼出、グループ呼設定)が用いられるが、他の例として、個別通信を行うための情報が用いられてもよい。移動局装置2は、この呼制御の制御情報を受信すると、その情報に従って、情報チャネル(TCH)による通信を行う状態へ移行する。
基地局装置1は、ユーザ個別チャネル(USC)により、同期バースト(SB1)の信号を無線により送信して、移動局装置2に対して情報チャネル(TCH)の起動要求を行い、これに応じて移動局装置2は無線通信に使用する周波数を指示に従った周波数へ切り替える。その後、基地局装置1は、情報チャネル(TCH)により、移動局装置2における情報チャネル(TCH)の起動を確認する。そして、基地局装置1と移動局装置2との間で、情報チャネル(TCH)により、通話情報などの通信情報を無線通信することで、例えば、発信操作を行った移動局装置と呼び出された移動局装置2との間で通話することができる。
図4には、移動局装置2により行われる受信処理の手順の一例を示してある。
なお、本例では、移動局装置2は、基地局装置1との通信の待ち受け状態にあるときには、基地局装置1から無線により送信される制御用物理チャネル(本例では、CAC)の信号を受信しており、そして、発呼や着呼があった場合には、移動局装置2は、基地局装置1からの制御用物理チャネル内の制御情報に従って、通信用物理チャネル(本例では、USCのTCH)の信号を通信する状態へ移行する。ここで、移動局装置2は、例えば、他の移動局装置に対して発呼した場合や、或いは、他の移動局装置から発呼された場合(つまり、着呼した場合)に、当該他の移動局装置との間で基地局装置1を介して通信用物理チャネルにより通話する状態へ移行する。
移動局装置2では、まず、受信復調処理を行うに際して、現在において無線機(当該移動局装置2)が待ち受け状態であるか否かを判断する(ステップS1)。
移動局装置2では、無線機が待ち受け状態であると判断した場合には、次のような処理を行う(ステップS2〜ステップS8)。
すなわち、基地局装置1から受信した制御情報の信号に対して、等化処理ありで復調処理を行い(ステップS2)、その復調データの誤りビット数aを推定して求める(ステップS3)。ここで、等化処理ありの復調処理では、等化器31により等化処理を行った受信信号に対して復調器32により復調処理を行い、その復調結果(復調データ)について等化処理設定判定部34により誤りビット数を検出する。
次に、前記した基地局装置1から受信した制御情報の信号に対して、等化処理なしで復調処理を行い(ステップS4)、その復調データの誤りビット数bを推定して求める(ステップS5)。ここで、等化処理なしの復調処理では、等化器31により等化処理を行わずに、受信信号に対して復調器32により復調処理を行い、その復調結果(復調データ)について等化処理設定判定部34により誤りビット数を検出する。
本例では、復調データから誤りビット数を求める方法として、制御用物理チャネル内の制御情報を利用している。
次に、等化処理設定判定部34により、等化処理を行って復調した場合に得られた誤りビット数aと等化処理を行わないで復調した場合に得られた誤りビット数bとを比較してその大小を判定する(ステップS6)。
この判定の結果、等化処理を行って復調した場合に得られた誤りビット数aの方が少ない(a<b)と判定した場合には、等化処理設定判定部34が等化処理設定部33に対して、等化処理設定をありに設定する(ステップS7)。
一方、この判定の結果、等化処理を行わないで復調した場合に得られた誤りビット数bの方が少ない(b<a)と判定した場合には、等化処理設定判定部34が等化処理設定部33に対して、等化処理設定をなしに設定する(ステップS8)。
なお、これら2つの誤りビット数a、bが等しい(a=b)場合には、等化処理設定ありと等化処理設定なしのいずれの設定が行われてもよい。
また、移動局装置2では、無線機が待ち受け状態ではなく通信状態であると判断した場合には(ステップS1)、次のような処理を行う(ステップS9〜ステップS11)。
すなわち、等化処理設定判定部34が等化処理設定部33に設定されている等化処理設定の状態(本例では、等化処理設定ありの状態或いは等化処理設定なしの状態)を確認する(ステップS9)。
この結果、等化処理設定がありの状態であると判定した場合には、等化処理設定判定部34による制御により、等化処理ありの復調処理として、受信信号に対して等化器31により等化処理を行った後に当該等化処理後の受信信号に対して復調器32により復調処理を行って復調データを得る復調処理を行う(ステップS10)。
一方、等化処理設定がなしの状態であると判定した場合には、等化処理設定判定部34による制御により、等化処理なしの復調処理として、受信信号に対して等化器31により等化処理を行わずに受信信号に対して復調器32により復調処理を行って復調データを得る復調処理を行う(ステップS11)。
ここで、通信状態においては、例えば、情報チャネル(TCH)により受信した情報信号について受信復調処理が行われる。
このように、移動局装置2では、無線機が待ち受け状態にあるときには、基地局装置1からの制御用物理チャネル内の制御情報を使用して等化処理を行うべきか否かを判断する処理を常に行っており、また、通信状態になったときには、待ち受け状態時に設定した等化処理設定の状態に従って、等化処理ありの復調処理又は等化処理なしの復調処理を行う。
なお、等化器31により等化処理を行った受信信号を復調器32により復調処理する状態と、等化器31により等化処理を行わずに受信信号を復調器32により復調処理する状態とは、例えば、等化器31の動作のオン/オフを切り替えることや、或いは、それぞれの状態を実現する2つの信号経路を設けておいて、これらの信号経路を切り替えることなどにより制御される。
以上のように、本例の無線通信システムでは、マルチパスフェージングなどによる受信特性の劣化を軽減する等化処理を行う等化器31を備えた移動局装置2において、基地局装置1との通信の待ち受け状態時に、予め、受信信号に対して等化処理を行った場合の復調データと等化処理を行わない場合の復調データとを比較して、通信時に等化処理を行う受信方式を使用するか或いは等化処理を行わない受信方式を使用するかを選択しておき、そして、発呼や着呼があった場合に移行する通信時には、その直前の選択状態に応じて、等化処理あり又は等化処理なしで受信信号の復調を行う。
このように、本例の移動局装置2では、例えば受信動作のみが行われる処理負荷の軽い待ち受け状態時に、等化処理ありの復調結果と等化処理なしの復調結果とを比較して、通信時に等化処理ありの復調処理を行うか或いは等化処理なしの復調処理を行うかを設定しておき、通信時には当該設定の内容に従って等化処理ありの復調処理或いは等化処理なしの復調処理のいずれかを行うため、例えば、通信時における演算量が多くなることを抑えつつ、良好な受信特性を得ることができる。また、本例の移動局装置2では、例えば人(ユーザ)により等化処理の有無が指示されなくとも、自動的に、好ましい方の受信方式を選択することができる。また、本例の移動局装置2では、実際の受信データの誤り率(本例では、誤りビット数)を用いて等化処理を行うか否かを判断するため、等化処理を行うか否かの切り替えを精度よく行うことができる。
なお、本例の移動局装置(端末局装置の一例)2では、アンテナ21を用いて無線通信部22が信号を無線により送受信する機能により無線通信手段が構成されており、等化器31が等化処理を行う機能により等化処理手段が構成されており、復調器32が復調処理を行う機能により復調手段が構成されており、等化処理設定部33が等化処理あり或いは等化処理なしの情報を設定する機能により設定手段が構成されており、等化処理設定判定部34が待ち受け状態時に等化処理を行うか否かを判定してそれを等化処理設定部33に設定する機能や通信時に当該設定の内容に従って等化処理を行うか否かを制御する機能により制御手段が構成されている。
次に、図5及び図6を参照して、本発明を適用することが可能なシステムの一例を示す。
図5には、防災デジタル無線システムの一例である消防デジタル無線システムの構成例を示してある。
本例の消防デジタル無線システムは、操作部81と表示部82と記憶部83を有する指令装置(指令卓)71と、回線制御装置(無線回線制御装置)72と、複数であるp個の基地局装置G1〜Gpと、複数であるp個の遠隔制御器H1〜Hpと、複数であるq個の移動局装置I1〜Iqを備えている。
各移動局装置I1〜Iqは、車載機91と携帯機92から構成されており、また、携帯機92を置くための置台93を有している。
本例の消防デジタル無線システムは、東京都など各都道府県の地域防災のために用いることができる。本例では、指令装置71や回線制御装置72は防災センタに設置されており、各基地局装置G1〜Gpは消防署内或いはビルの上や街中や山上などの外部に設置されており、各遠隔制御器H1〜Hpは消防署内に設置されており、各移動局装置I1〜Iqは消防車或いは救急車などの車両に設置されている。
各車両では、例えば、車載機91や置台93が当該各車両に取り付けられるなどして搭載されており、携帯機92は人により持ち運ぶことや置台93に置くことが可能になっている。
なお、図5に示されるのと同様なシステムを複数設けて、いずれかのシステムを運用するとともに他のシステムを予備として待機させ、運用しているシステムが故障したときに予備のシステムを運用させることで全体の運用を継続させるような構成とすることも可能である。
また、基地局装置G1〜Gpとの間で通信する配下の装置としては、例えば、固定機、半固定機、携帯機、可搬機など、種々なものが用いられてもよい。
本例の消防デジタル無線システムにおいて行われる動作の概要を示す。
指令装置71では、操作部81が人(指令者)により操作されることにより各種の指示や情報を入力し、表示部82が表示対象となる各種の情報を画面に表示出力し、メモリから構成された記憶部83が記憶対象となる各種の情報を記憶する。
指令者は、指令装置71から配下の装置(回線制御装置72、基地局装置G1〜Gp、遠隔制御器H1〜Hp、移動局装置I1〜Iq)へ各種の指示を送信することができる。また、指令者は、指令装置71が配下の装置から受信した各種の情報を画面表示により見ることができる。また、必要な情報は、記憶部83に保持される。
回線制御装置72は、例えば有線で指令装置71と複数の基地局装置G1〜Gpと接続されており、これらの間の通信を中継し、また、無線回線などに関する各種の制御を行う。
各基地局装置G1〜Gpは、通信可能な領域(エリア)に存在する移動局装置I1〜Iqとの間で無線により通信し、また、有線で接続された各遠隔制御器H1〜Hpとの間で通信する。
各遠隔制御器H1〜Hpは、有線で接続された各基地局装置G1〜Gpとの間で通信し、例えば、移動局装置と同様な機能を有しており、人(署員)により操作などされる。
各移動局装置I1〜Iqは、当該各移動局装置I1〜Iqが収容される基地局装置G1〜Gpとの間で無線により通信する。
図6には、車載機91の構成例及び携帯機92の構成例を示してある。
車載機91は、アンテナ101と、無線部102と、キー操作部103と、表示部104と、マイクを有するマイク部105と、例えば2つのスピーカを有するスピーカ部106と、メモリ107と、携帯インタフェース108と、制御部109を備えている。
携帯機92は、アンテナ111と、無線部112と、キー操作部113と、表示部114と、マイクを有するマイク部115と、スピーカを有するスピーカ部116と、メモリ117と、車載インタフェース118と、制御部119を備えている。
ここで、車載機91が有する内部の処理機能と携帯機92が有する内部の処理機能は、例えばスピーカの数が異なるなどの相違はあるが、概略的には、同様である。
車載機91では、無線部102がアンテナ101により基地局装置G1〜Gpとの間で信号を無線送信や無線受信し、キー操作部103が人(使用者)からのキー操作を受け付け、表示部104が使用者に対して情報を画面に表示し、マイク部105が使用者などにより発せられる音(音声)を入力し、スピーカ部106が使用者に対して音(音声)を出力し、メモリ107が例えば呼び出されるための電話番号となる呼出情報(ID情報)を記憶し、携帯インタフェース108が携帯機92の車載インタフェース118との間で例えば光信号により通信し、制御部109が各種の制御を行う。
同様に、携帯機92では、無線部112がアンテナ111により基地局装置G1〜Gpとの間で信号を無線送信や無線受信し、キー操作部113が人(使用者)からのキー操作を受け付け、表示部114が使用者に対して情報を画面に表示し、マイク部115が使用者などにより発せられる音(音声)を入力し、スピーカ部116が使用者に対して音(音声)を出力し、メモリ117が例えば呼び出されるための電話番号となる呼出情報(ID情報)を記憶し、車載インタフェース118が車載機91の携帯インタフェース108との間で例えば光信号により通信し、制御部119が各種の制御を行う。
ここで、車載機91のメモリ107に記憶される呼出情報(ID情報)と携帯機92のメモリ117に記憶される呼出情報(ID情報)としては、同一の情報が設定される。
また、車載機91と携帯機92とは、携帯機92が置台93に置かれた状態では携帯インタフェース108と車載インタフェース118との間で通信することが可能であるが、例えば、携帯機92が置台93から取り外されて持ち運ばれる状態では携帯インタフェース108と車載インタフェース118との間では通信しない。
本例では、携帯機92が置台93にセットされている(置かれている)状態では、携帯機92は特に機能せず、基地局装置G1〜Gpからの受信や、基地局装置G1〜Gpへの送信や、キー入力や、表示出力や、音声入力や、音声出力などは全て車載機91により行われる。
一方、携帯機92が置台93から取り外された状態では、携帯機92により基地局装置G1〜Gpからの受信や、基地局装置G1〜Gpへの送信や、キー入力や、表示出力や、音声入力や、音声出力などの全てが行われ、この状態では、車載機91により基地局装置G1〜Gpからの受信や、表示出力や、音声出力のみが行われる。つまり、車載機91と携帯機92とは同一の呼出情報(ID情報)が設定されており、受信は両方で同時に行うことが可能であるが、送信は片方ずつ行う構成となっている。
なお、置台93から取り外された携帯機92は、車載機91を介さずに、基地局装置G1〜Gpとの間で直接的に無線通信する。この点は、通常の親子電話の子機とは異なる点であると考えられる。
また、携帯機92が置台93にセットされた状態や置台93から取り外された状態は、車載機91や携帯機92により検出されて、それぞれの制御部109、119によりそのときの状態に応じて実行可能な機能(或いは、実行不可能な機能)が設定される。
また、車載機91では、2つのスピーカを有しており、例えば、携帯機92が置台93から取り外された状態では、基地局装置G1〜Gpから携帯機92へ送信される通話の内容を一のスピーカから音声出力するとともに、携帯機92から基地局装置G1〜Gpへ送信される通話の内容を他のスピーカから音声出力する。
一例として、消防車などに移動局装置I1〜Iqが設けられており、当該消防車などが火災などの現場にいて、或る隊員が携帯機92を持って当該消防車などの外部に出て活動し、他の隊員が当該消防車などの内部で待機する際に、当該他の隊員は車載機91から出力される音声を聞くことにより、携帯機92と基地局装置G1〜Gpとの間で行われる通話の内容を聞くことができる。
なお、例えば、基地局装置G1〜Gpから移動局装置I1〜Iqへの下りの通信と、移動局装置I1〜Iqから基地局装置G1〜Gpへの上りの通信とでは、異なる周波数が用いられる。
また、基地局装置G1〜Gpの側(例えば、指令装置71)と移動局装置I1〜Iqとの間の通信としては、例えば、プレストーク通信が行われる構成が用いられてもよく、或いは、通常の携帯電話のような両方向同時通信が行われる構成が用いられてもよく、或いは、他の態様の通信が行われる構成が用いられてもよい。また、基地局装置G1〜Gpの側から移動局装置I1〜Iqへ報知のための情報を送信して、移動局装置I1〜Iqが当該情報の受信に応じて当該情報を(自動的に)出力するような構成を用いることもできる。
消防車の場合には、例えば、プレストーク通信が用いられ、指令装置71から複数の消防車の移動局装置I1〜Iqを呼び出してグループ通信(例えば、事業リンクでのグループ通信)し、このグループ内でプレストーク通信することにより、これら複数の消防車により同一の火災現場の処置を行うことができる。
救急車の場合には、例えば、通常の電話のような通信が用いられ、発話(発呼)及び受話により通話を行うことができる。
また、例えば、車載機91と携帯機92との間で離れた所でも無線により通信することが可能な機能を車載機91及び携帯機92に設けることも可能である。この場合、一例として、トンネル内などの不感地帯で携帯機92を車両の外部に持ち出すときに、車載機91と携帯機92をトランシーバのように用いて互いに通話することができる。
ここで、本発明に係るシステムや装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々なシステムや装置として提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
本発明の一実施例に係る無線通信システムの構成例を示す図である。 (a)は制御情報の信号組立手順の一例を示す図であり、(b)は制御情報の信号分解手順の一例を示す図である。 基地局装置から発呼があった場合における制御シーケンスの一例を示す図である。 受信処理の手順の一例を示す図である。 消防デジタル無線システムの構成例を示す図である。 車載機及び携帯機の構成例を示す図である。
符号の説明
1・・基地局装置、 2・・移動局装置、 11、21・・アンテナ、 22・・無線通信部、 23・・信号処理部、 31・・等化器、 32・・復調部、 33・・等化処理設定部、 34・・等化処理設定判定部、 T1・・CRC符号化処理、 T2・・固定ビット挿入付加処理、 T3・・畳込み符号化処理、 T4・・インタリーブ処理、 T11・・デインタリーブ処理、 T12・・誤り訂正処理(ビタビ復号)、 T13・・固定ビット除去処理、 T14・・誤り検出処理(CRC)、
71・・指令装置、 72・・回線制御装置、 81・・操作部、 82、104、114・・表示部、 83・・記憶部、 91・・車載機、 92・・携帯機、 93・・置台、 G1〜Gp・・基地局装置、 H1〜Hp・・遠隔制御器、 I1〜Iq・・移動局装置、 101、111・・アンテナ、 102、112・・無線部、 103、113・・キー操作部、 105、115・・マイク部、 106、116・・スピーカ部、 107、117・・メモリ、 108・・携帯インタフェース、 109、119・・制御部、 118・・車載インタフェース、

Claims (3)

  1. 基地局装置と端末局装置とが無線により通信する無線通信システムにおいて、
    前記端末局装置は、前記基地局装置との間で信号を無線により通信する無線通信手段と、
    等化処理を行う等化処理手段と、
    復調処理を行う復調手段と、
    等化処理あり或いは等化処理なしを設定する設定手段と、
    待ち受け状態時には、前記無線通信手段により受信された信号に対して前記等化処理手段により等化処理を行って前記復調手段により復調処理を行って得られた復調結果と当該信号に対して等化処理を行わずに前記復調手段により復調処理を行って得られた復調結果とを比較して、等化処理を行った復調結果の方が良好である場合には前記設定手段に等化処理ありを設定する一方、等化処理を行わなかった復調結果の方が良好である場合には前記設定手段に等化処理なしを設定し、通信時には、前記設定手段に等化処理ありが設定されている場合には前記無線通信手段により受信された信号に対して前記等化処理手段により等化処理を行って前記復調手段により復調処理を行い、前記設定手段に等化処理なしが設定されている場合には当該信号に対して等化処理を行わずに前記復調手段により復調処理を行う制御手段と、
    を備えたことを特徴とする無線通信システム。
  2. 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
    前記待ち受け状態時には、前記端末局装置の前記無線通信手段は前記基地局装置から定期的に無線送信される制御情報の信号を受信し、前記制御手段は前記無線通信手段により受信された制御情報の信号から得られた復調結果の受信誤りに基づいて等化処理あり或いは等化処理なしを決定する、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  3. 端末局装置が基地局装置から無線により送信される信号を受信する受信方法において、
    前記端末局装置は、待ち受け状態時に前記基地局装置から受信した信号に対して等化処理を行って復調処理を行った結果と当該信号に対して等化処理を行わずに復調処理を行った結果とを比較して等化処理を行うか否かを設定し、通信時には前記設定の内容に従って前記基地局装置から受信した信号に対して等化処理を行って復調処理を行う信号処理と当該信号に対して等化処理を行わずに復調処理を行う信号処理を切り替える、
    ことを特徴とする受信方法。
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