JP4711908B2 - 無線通信システム - Google Patents
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Description
しかしながら、マルチパスフェージングが無い環境下や弱電界時のように、等化器を通さずに受信信号を復調した方が良好な受信特性が得られる場合があるため、手動や自動で等化処理を行うか否かを選択することができる受信機や、等化器を通した受信信号と通さない受信信号の両方を復調する機能を有して受信特性がより良好な方の復調データを選択する受信機が提案されている。
また、例えば、遅延波やフェージングを検出した結果に基づいて等化処理を行うか否かを選択する受信機では、遅延波やフェージングを検出する回路や演算が必要となるため、回路規模が大きくなってしまい、演算量が多くなってしまう等の問題があった。
すなわち、前記端末局装置では、無線通信手段が前記基地局装置との間で信号を無線により通信し、等化処理手段が等化処理を行い、復調手段が復調処理を行い、設定手段が等化処理あり或いは等化処理なしを設定する。待ち受け状態時には、制御手段が、前記無線通信手段により受信された信号に対して前記等化処理手段により等化処理を行って前記復調手段により復調処理を行って得られた復調結果と当該信号に対して等化処理を行わずに前記復調手段により復調処理を行って得られた復調結果とを比較して、等化処理を行った復調結果の方が良好である場合には前記設定手段に等化処理ありを設定する一方、等化処理を行わなかった復調結果の方が良好である場合には前記設定手段に等化処理なしを設定する。また、通信時には、制御手段が、前記設定手段に等化処理ありが設定されている場合には前記無線通信手段により受信された信号に対して前記等化処理手段により等化処理を行って前記復調手段により復調処理を行い、前記設定手段に等化処理なしが設定されている場合には当該信号に対して等化処理を行わずに前記復調手段により復調処理を行う。
また、設定手段としては、例えば、等化処理ありを示す情報或いは等化処理なしを示す情報を記憶するメモリを用いて構成することができる。
また、例えば、待ち受け状態時とは発呼や着呼がなくそれを待機している状態のときであり、通信時とは発呼や着呼があってそれに応じて通信している状態のときである。
すなわち、前記待ち受け状態時には、前記端末局装置の前記無線通信手段は前記基地局装置から定期的に無線送信される制御情報の信号を受信し、前記制御手段は前記無線通信手段により受信された制御情報の信号から得られた復調結果の受信誤りに基づいて等化処理あり或いは等化処理なしを決定する。
また、復調結果の受信誤りとしては、例えば、復調データの誤りビット数或いはそれに基づく誤り率などを用いることができ、具体例として、誤りビット数が多い(誤り率が高い)方が受信品質が低く、誤りビット数が少ない(誤り率が低い)方が受信品質が高いため、誤りビット数が少ない(誤り率が低い)方の処理(等化処理あり或いは等化処理なし)を選択する。
すなわち、前記端末局装置は、待ち受け状態時に前記基地局装置から受信した信号に対して等化処理を行って復調処理を行った結果と当該信号に対して等化処理を行わずに復調処理を行った結果とを比較して等化処理を行うか否かを設定し、通信時には前記設定の内容に従って前記基地局装置から受信した信号に対して等化処理を行って復調処理を行う信号処理と当該信号に対して等化処理を行わずに復調処理を行う信号処理を切り替える。
図1には、本発明の一実施例に係るデジタルの無線通信システムの構成例を示してある。
本例の無線通信システムは、アンテナ11を備えた基地局装置1と、アンテナ21を備えた移動局装置2を有している。なお、基地局装置の数や、移動局装置の数としては、複数であってもよく、通常、1つの基地局装置のサービスエリアに複数の移動局装置が収容される。
本例の移動局装置2は、無線機の機能として、アンテナ21と、無線通信部22と、信号処理部23を備えている。
無線通信部22は、アンテナ21を用いて信号を無線により送受信する機能を有しており、例えば、信号処理部23により処理された送信対象となる信号をアンテナ21から無線送信し、アンテナ21により無線受信された信号を信号処理部23へ出力する。
信号処理部23は、送信対象となる信号を処理する送信機の機能や、無線通信部22により受信された信号を処理する受信機の機能を有している。
等化器31は、例えば、トランスバーサルフィルタを用いて構成されており、受信信号に対して等化処理を行う機能を有している。
復調器32は、等化器31により等化処理が行われた受信信号或いは等化処理が行われていない受信信号を復調する機能を有している。
等化処理設定部33は、例えば、メモリを用いて構成されており、等化器31により受信信号に対して等化処理を行うか否かを示す情報を記憶する機能を有している。
等化処理設定判定部34は、復調器32により得られた復調データに基づいて、等化器31により受信信号に対して等化処理を行うか否かを決定して、その情報を等化処理設定部33に設定する機能を有している。
本例の送信機では、送信対象となる制御情報の信号に対して、CRC(Cyclic Redundancy Check)の符号化処理を行い(処理T1)、固定ビットを挿入して付加する処理を行い(処理T2)、畳込み符号化の処理を行い(処理T3)、インタリーブの処理を行う(処理T4)。
本例の受信機では、制御情報の受信信号に対して、デインタリーブの処理を行い(処理T11)、誤り訂正(ビタビ復号)の処理を行い(処理T12)、付加された固定ビットを除去する処理を行い(処理T13)、誤り検出(CRC)の処理を行う(処理T14)。
なお、上記のような信号組立の処理や信号分解の処理が制御情報以外の信号に対して行われてもよい。
図3には、基地局装置1と移動局装置2との間における通信処理の一例として、基地局装置1から移動局装置2へ発呼があった場合における制御シーケンスの一例を示してある。
基地局装置1は、共通アクセスチャネル(CAC)により、スーパーフレーム毎に1回などの一定間隔で、制御情報である報知情報(UI)を無線により送信する。移動局装置2は、基地局装置1との通信が行われないとき(移動局装置2が待ち受け状態にあるとき)には、この報知情報を受信する。
なお、本例では、移動局装置2は、基地局装置1との通信の待ち受け状態にあるときには、基地局装置1から無線により送信される制御用物理チャネル(本例では、CAC)の信号を受信しており、そして、発呼や着呼があった場合には、移動局装置2は、基地局装置1からの制御用物理チャネル内の制御情報に従って、通信用物理チャネル(本例では、USCのTCH)の信号を通信する状態へ移行する。ここで、移動局装置2は、例えば、他の移動局装置に対して発呼した場合や、或いは、他の移動局装置から発呼された場合(つまり、着呼した場合)に、当該他の移動局装置との間で基地局装置1を介して通信用物理チャネルにより通話する状態へ移行する。
移動局装置2では、無線機が待ち受け状態であると判断した場合には、次のような処理を行う(ステップS2〜ステップS8)。
すなわち、基地局装置1から受信した制御情報の信号に対して、等化処理ありで復調処理を行い(ステップS2)、その復調データの誤りビット数aを推定して求める(ステップS3)。ここで、等化処理ありの復調処理では、等化器31により等化処理を行った受信信号に対して復調器32により復調処理を行い、その復調結果(復調データ)について等化処理設定判定部34により誤りビット数を検出する。
本例では、復調データから誤りビット数を求める方法として、制御用物理チャネル内の制御情報を利用している。
この判定の結果、等化処理を行って復調した場合に得られた誤りビット数aの方が少ない(a<b)と判定した場合には、等化処理設定判定部34が等化処理設定部33に対して、等化処理設定をありに設定する(ステップS7)。
一方、この判定の結果、等化処理を行わないで復調した場合に得られた誤りビット数bの方が少ない(b<a)と判定した場合には、等化処理設定判定部34が等化処理設定部33に対して、等化処理設定をなしに設定する(ステップS8)。
なお、これら2つの誤りビット数a、bが等しい(a=b)場合には、等化処理設定ありと等化処理設定なしのいずれの設定が行われてもよい。
すなわち、等化処理設定判定部34が等化処理設定部33に設定されている等化処理設定の状態(本例では、等化処理設定ありの状態或いは等化処理設定なしの状態)を確認する(ステップS9)。
この結果、等化処理設定がありの状態であると判定した場合には、等化処理設定判定部34による制御により、等化処理ありの復調処理として、受信信号に対して等化器31により等化処理を行った後に当該等化処理後の受信信号に対して復調器32により復調処理を行って復調データを得る復調処理を行う(ステップS10)。
一方、等化処理設定がなしの状態であると判定した場合には、等化処理設定判定部34による制御により、等化処理なしの復調処理として、受信信号に対して等化器31により等化処理を行わずに受信信号に対して復調器32により復調処理を行って復調データを得る復調処理を行う(ステップS11)。
ここで、通信状態においては、例えば、情報チャネル(TCH)により受信した情報信号について受信復調処理が行われる。
なお、等化器31により等化処理を行った受信信号を復調器32により復調処理する状態と、等化器31により等化処理を行わずに受信信号を復調器32により復調処理する状態とは、例えば、等化器31の動作のオン/オフを切り替えることや、或いは、それぞれの状態を実現する2つの信号経路を設けておいて、これらの信号経路を切り替えることなどにより制御される。
図5には、防災デジタル無線システムの一例である消防デジタル無線システムの構成例を示してある。
本例の消防デジタル無線システムは、操作部81と表示部82と記憶部83を有する指令装置(指令卓)71と、回線制御装置(無線回線制御装置)72と、複数であるp個の基地局装置G1〜Gpと、複数であるp個の遠隔制御器H1〜Hpと、複数であるq個の移動局装置I1〜Iqを備えている。
各移動局装置I1〜Iqは、車載機91と携帯機92から構成されており、また、携帯機92を置くための置台93を有している。
各車両では、例えば、車載機91や置台93が当該各車両に取り付けられるなどして搭載されており、携帯機92は人により持ち運ぶことや置台93に置くことが可能になっている。
なお、図5に示されるのと同様なシステムを複数設けて、いずれかのシステムを運用するとともに他のシステムを予備として待機させ、運用しているシステムが故障したときに予備のシステムを運用させることで全体の運用を継続させるような構成とすることも可能である。
また、基地局装置G1〜Gpとの間で通信する配下の装置としては、例えば、固定機、半固定機、携帯機、可搬機など、種々なものが用いられてもよい。
指令装置71では、操作部81が人(指令者)により操作されることにより各種の指示や情報を入力し、表示部82が表示対象となる各種の情報を画面に表示出力し、メモリから構成された記憶部83が記憶対象となる各種の情報を記憶する。
指令者は、指令装置71から配下の装置(回線制御装置72、基地局装置G1〜Gp、遠隔制御器H1〜Hp、移動局装置I1〜Iq)へ各種の指示を送信することができる。また、指令者は、指令装置71が配下の装置から受信した各種の情報を画面表示により見ることができる。また、必要な情報は、記憶部83に保持される。
各基地局装置G1〜Gpは、通信可能な領域(エリア)に存在する移動局装置I1〜Iqとの間で無線により通信し、また、有線で接続された各遠隔制御器H1〜Hpとの間で通信する。
各遠隔制御器H1〜Hpは、有線で接続された各基地局装置G1〜Gpとの間で通信し、例えば、移動局装置と同様な機能を有しており、人(署員)により操作などされる。
各移動局装置I1〜Iqは、当該各移動局装置I1〜Iqが収容される基地局装置G1〜Gpとの間で無線により通信する。
車載機91は、アンテナ101と、無線部102と、キー操作部103と、表示部104と、マイクを有するマイク部105と、例えば2つのスピーカを有するスピーカ部106と、メモリ107と、携帯インタフェース108と、制御部109を備えている。
携帯機92は、アンテナ111と、無線部112と、キー操作部113と、表示部114と、マイクを有するマイク部115と、スピーカを有するスピーカ部116と、メモリ117と、車載インタフェース118と、制御部119を備えている。
ここで、車載機91が有する内部の処理機能と携帯機92が有する内部の処理機能は、例えばスピーカの数が異なるなどの相違はあるが、概略的には、同様である。
また、車載機91と携帯機92とは、携帯機92が置台93に置かれた状態では携帯インタフェース108と車載インタフェース118との間で通信することが可能であるが、例えば、携帯機92が置台93から取り外されて持ち運ばれる状態では携帯インタフェース108と車載インタフェース118との間では通信しない。
一方、携帯機92が置台93から取り外された状態では、携帯機92により基地局装置G1〜Gpからの受信や、基地局装置G1〜Gpへの送信や、キー入力や、表示出力や、音声入力や、音声出力などの全てが行われ、この状態では、車載機91により基地局装置G1〜Gpからの受信や、表示出力や、音声出力のみが行われる。つまり、車載機91と携帯機92とは同一の呼出情報(ID情報)が設定されており、受信は両方で同時に行うことが可能であるが、送信は片方ずつ行う構成となっている。
また、携帯機92が置台93にセットされた状態や置台93から取り外された状態は、車載機91や携帯機92により検出されて、それぞれの制御部109、119によりそのときの状態に応じて実行可能な機能(或いは、実行不可能な機能)が設定される。
一例として、消防車などに移動局装置I1〜Iqが設けられており、当該消防車などが火災などの現場にいて、或る隊員が携帯機92を持って当該消防車などの外部に出て活動し、他の隊員が当該消防車などの内部で待機する際に、当該他の隊員は車載機91から出力される音声を聞くことにより、携帯機92と基地局装置G1〜Gpとの間で行われる通話の内容を聞くことができる。
なお、例えば、基地局装置G1〜Gpから移動局装置I1〜Iqへの下りの通信と、移動局装置I1〜Iqから基地局装置G1〜Gpへの上りの通信とでは、異なる周波数が用いられる。
救急車の場合には、例えば、通常の電話のような通信が用いられ、発話(発呼)及び受話により通話を行うことができる。
また、例えば、車載機91と携帯機92との間で離れた所でも無線により通信することが可能な機能を車載機91及び携帯機92に設けることも可能である。この場合、一例として、トンネル内などの不感地帯で携帯機92を車両の外部に持ち出すときに、車載機91と携帯機92をトランシーバのように用いて互いに通話することができる。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
71・・指令装置、 72・・回線制御装置、 81・・操作部、 82、104、114・・表示部、 83・・記憶部、 91・・車載機、 92・・携帯機、 93・・置台、 G1〜Gp・・基地局装置、 H1〜Hp・・遠隔制御器、 I1〜Iq・・移動局装置、 101、111・・アンテナ、 102、112・・無線部、 103、113・・キー操作部、 105、115・・マイク部、 106、116・・スピーカ部、 107、117・・メモリ、 108・・携帯インタフェース、 109、119・・制御部、 118・・車載インタフェース、
Claims (3)
- 基地局装置と端末局装置とが無線により通信する無線通信システムにおいて、
前記端末局装置は、前記基地局装置との間で信号を無線により通信する無線通信手段と、
等化処理を行う等化処理手段と、
復調処理を行う復調手段と、
等化処理あり或いは等化処理なしを設定する設定手段と、
待ち受け状態時には、前記無線通信手段により受信された信号に対して前記等化処理手段により等化処理を行って前記復調手段により復調処理を行って得られた復調結果と当該信号に対して等化処理を行わずに前記復調手段により復調処理を行って得られた復調結果とを比較して、等化処理を行った復調結果の方が良好である場合には前記設定手段に等化処理ありを設定する一方、等化処理を行わなかった復調結果の方が良好である場合には前記設定手段に等化処理なしを設定し、通信時には、前記設定手段に等化処理ありが設定されている場合には前記無線通信手段により受信された信号に対して前記等化処理手段により等化処理を行って前記復調手段により復調処理を行い、前記設定手段に等化処理なしが設定されている場合には当該信号に対して等化処理を行わずに前記復調手段により復調処理を行う制御手段と、
を備えたことを特徴とする無線通信システム。 - 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記待ち受け状態時には、前記端末局装置の前記無線通信手段は前記基地局装置から定期的に無線送信される制御情報の信号を受信し、前記制御手段は前記無線通信手段により受信された制御情報の信号から得られた復調結果の受信誤りに基づいて等化処理あり或いは等化処理なしを決定する、
ことを特徴とする無線通信システム。 - 端末局装置が基地局装置から無線により送信される信号を受信する受信方法において、
前記端末局装置は、待ち受け状態時に前記基地局装置から受信した信号に対して等化処理を行って復調処理を行った結果と当該信号に対して等化処理を行わずに復調処理を行った結果とを比較して等化処理を行うか否かを設定し、通信時には前記設定の内容に従って前記基地局装置から受信した信号に対して等化処理を行って復調処理を行う信号処理と当該信号に対して等化処理を行わずに復調処理を行う信号処理を切り替える、
ことを特徴とする受信方法。
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