JP4711384B2 - 接着方法、及び接着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主に光学素子等の被着体の接着に関し、該被着体の接着方法、接着装置、接着剤、及びこれらによって接着された構造物に関するものであり、接着剤の硬化収縮により発生する接着剤の流動を検出することにより、接着の確実性や信頼性を向上し、位置ずれを低減するものである。
そして、本発明は、例えばプリンターや複写機等の画像製品に用いられる走査光学系の光源やコリーメートレンズ、走査レンズ等の光学素子の接着、又は光ピックアップの光学素子の接着などに利用される。
光学素子等の被着体を接着する場合において、異種材料の接合が可能であり、接合する場合に高温を必要とせず、また軽量である等の理由によって、接着剤がよく利用される。接着剤のなかでも、紫外線硬化型接着剤は短時間で硬化でき、更には室温で硬化させられるため、プラスチックなどを材料とした素子の光学的な歪みを抑制した接着が可能となる。紫外線照射は接着させる領域全体を照射する場合と、光ファイバなどで導光し局所的に照射する場合などがある。紫外線の他、エネルギー照射としては、レーザや電子線照射による硬化接着剤が挙げられる。エネルギー照射型の接着剤では、秒単位からそれ以下の時間で接着可能であり、被着体を位置決めした後、速やかな接着が可能である。
しかし、接着剤では硬化時に体積収縮が起こり、被着体との界面に応力が発生し、接着の破壊が生じたり、被着体の位置が変動するなどの不具合がある。また、接着の良否の判定が困難である。その理由は、全体的に均一なエネルギー照射をしているかどうか、又は狙った位置にエネルギー照射をしているかどうかの検出が困難であり、更に、塗布された接着剤内部や接着剤と被着体との界面において、接着剤が硬化しているかどうかの判定が困難だからである。
硬化の判定が可能な接着剤としては、開始剤に色素を混入し、硬化による分子構造が変化したときに発色又は消色するものがある。しかし、この接着剤では硬化位置での硬化が判定できるのみであり、収縮の発生は検出することができず、近傍の接着剤の流動も検出することができない。流動している状態の近傍領域を硬化した場合は、応力が残り歪みが生じて、経時変化による位置ずれや接着破壊の原因となる。
他に、従来技術において、接着剤による接着の品質向上としては、接着剤塗布の均一性の向上や、糸引きなどの接合不良の抑制などを目的としたものであり、接着剤塗布装置と画像センシングを組み合せたものが多い。
特開平5−331438号公報には、「蛍光性接着剤及び接着剤の塗布状態検査方法、検査装置」に関する発明が記載されている。この公報に記載の発明は、蛍光剤を含有する蛍光性接着剤を用いて、その蛍光性接着剤に紫外線を照射し、発せられた蛍光をカメラで撮像することにより、被着体への接着剤の塗布状態を検査するものであり、被着体を載置するプラテンは暗箱中に設置され、発せられる蛍光を強調して撮像することができ、検査の信頼性を向上させるものである。
このように、上記公報に記載の発明は、被着体に塗布された接着剤全体の塗布状態を検査することが可能なものであるが、しかし、接着剤の硬化や体積の収縮を検出することができるものではなく、また接着剤の部分的な硬化や体積の収縮を検出することができるものでもない。
また、特開平11−80688号公報には、「光散乱性接着剤」に関する発明が記載されている。この公報に記載の発明は、光散乱性粒子を接着剤中に分散した接着剤であり、液晶等の表示装置などに適用することにより、液晶パネルの薄肉を維持したまま視認性を向上するものであるが、接着の品質向上には寄与するものではない。
この他に、公知の技術ではないが、本件と同一出願人の先願に当たる発明として、接着剤の硬化収縮を制御することにより、被着体の位置を制御する技術や、硬化スピードの異なる接着剤を複数層塗布して、硬化収縮の影響が被着体に及ばないようにする技術に関するものが出願されている。
特に、特願2004−100871号「部品の接着接合方法及びその装置」の発明では、接着剤に照射するエネルギーを位置的、時間的に変調し、硬化する領域と近傍の流動可能な領域を併存させることにより、残留応力を除去しようとするものである。この発明については、硬化近傍領域が流動状態にあるかどうかを確認した後、硬化させる必要があり、また照射するエネルギーの位置的、時間的制御が必要となる。
接着剤による接着において、接着剤の塗布量や塗布位置の制御は、接着剤全体の画像を検出することにより実現可能である。
しかし、被着体の高精度な位置決めが必要となる接着においては、接着剤の硬化時に体積収縮により応力が発生するため、応力が被着体の位置に影響を及ぼさないように、被着体の位置ずれの低減や、応力により積極的に被着体の位置を補正することが重要となる。また、被着体の接着を確実にするために、硬化完了の判定や硬化部位の微細な制御が重要となり、被着体との界面で生じる接着破壊の抑制が不可欠となる。このような場合、応力が発生している箇所を検出する技術や、ある箇所には接着剤の流動性を残したまま別の部位を硬化させ、硬化位置近傍の流動をモニタリングしながら、近傍領域の流動が完了した時点で、更に硬化させる領域を拡張していくなど、応力発生箇所を制御する技術が必要となる。
特開平5−331438号公報 特開平11−80688号公報
本発明の課題は、接着領域全域において一様に接着剤の硬化収縮を実現して、接着時の硬化収縮による被着体の位置ずれや残留応力を低減することができるように、接着剤の局所的な硬化や流動(硬化状態)について検出して、接着剤の硬化状態を制御することにより、従来技術の問題を解決することである。
本発明は、接着剤に粒子を混入し粒子の動きを検出して、接着剤の硬化収縮による流動を可視化することによって、接着剤の硬化状態の検出や、硬化を狙った位置へ光波照射の位置決めをするなどして、接着の品質を向上することにより、被着体との界面での接着破壊の抑制、接着剤の硬化収縮による残留応力の低減、被着体の位置決め精度の向上、及び経時変化の低減を可能とする接着方法、及び接着装置を基本とするものである。
〔解決手段1〕
上記課題を解決するために講じた解決手段1は、接着剤を用いて被着体を接着する方法を前提として、該接着剤は、接着剤と識別可能な粒子を混入した接着剤であって、その接着剤を該被着体に塗布する工程と、該接着剤が硬化する時の粒子の移動状態を検出する工程とを有し、該接着剤の硬化状態を判定することである。
〔作 用〕
接着剤に粒子を混入して該粒子の移動を検出することにより、接着剤の全体又は局所的な流動を可視化して、把握することができる。このような接着剤の流動から硬化状態を取得することが可能であり、流動の有無から硬化完了の判定が可能である。
〔解決手段2〕(請求項1に対応)
上記課題を解決するために講じた解決手段2は、接着剤を用いて被着体を接着する接着方法を前提として、該接着剤は、接着剤と識別可能であり光波の照射により蛍光を発光する粒子を混入した光波硬化型接着剤であって、その接着剤を該被着体に塗布する工程と、光波を照射して該接着剤を硬化する時、光波が照射された領域のみの粒子の移動状態を検出する工程とを有し、該粒子の移動状態の検出結果に応じて、光波を照射し接着剤を硬化させる部位を特定することである。
上記「接着剤を硬化させる部位を特定する」という記載は、接着剤硬化のための光波照射位置の位置検出、位置決め、及び硬化状態の検出等、接着の時間的推移により異なる機能を達成可能であるため、これらの機能を総じてこのように表現した。この点については、特許請求の範囲や以下の説明においても同様である。
〔作 用〕
光波の照射部位のみの粒子が蛍光発光して、強調して検出されるので、光波が照射された領域のみの粒子を周囲から識別することが可能となる
このようにして、接着剤に混入した粒子の動きを検出して、接着剤の流動を可視化することにより、上記解決手段1の作用である接着剤の硬化状態の取得と、硬化完了の判定に加えて、接着剤が光波硬化型であるため、光波が照射された部位のみが硬化することを積極的に活用して、接着剤塗布領域の光波が照射されて硬化している領域の検出と光波照射位置の調整制御、流動量による光波の照射量と照射時間の制御、及び照射領域の限定等が可能となり、接着剤の硬化収縮により応力が発生する位置や領域を制御することができる。
〔解決手段3〕(請求項2に対応)
上記課題を解決するために講じた解決手段3は、複数種類の接着剤を用いて被着体を接着する接着方法を前提として、該複数種類の接着剤は、それぞれの接着剤と識別可能であり光波の照射により蛍光を発光する特性の異なる粒子を混入した光波硬化型接着剤であって、それぞれの接着剤を該被着体に塗布する工程と、光波を照射してそれぞれの接着剤を硬化する時、光波が照射された領域のみの粒子の移動状態を検出する工程とを有し、それぞれの粒子の移動状態の検出結果に応じて、光波を照射し接着剤を硬化させる部位を特定することである。
〔作 用〕
例えば、硬化スピードが異なる等の複数種類の光波硬化型接着剤を利用した接着において、各接着剤に特性の異なる粒子を混入し、各接着剤が硬化収縮する際の流動を各粒子の動きを検出することにより可視化して、この粒子の動きの有無によって光波の照射位置を検出又は位置決めし、粒子の動きの停止によって各接着剤の硬化完了を検出することにより、硬化させる位置と、硬化に伴い応力を発生する位置及び方向を制御し、また接着の完了確認によって接着の信頼性を向上する。
削 除
実施態様1〕(請求項3に対応)
実施態様1は、上記解決手段2又は解決手段3の接着方法において、粒子は、接着剤を硬化させる光波と同一波長の光波の照射により蛍光を発光する粒子であり、該光波が照射された領域で発光した粒子の移動状態を検出することである。
〔作 用〕
光波硬化型接着剤においては、硬化のために光波を利用するため、カメラに粒子の画像を撮り込む検出光学系と同一光学素子を共用することが可能であり、接着剤の硬化とその領域の粒子の蛍光発光を同時に行うことができるため、接着と検出を兼ね備えた系を簡易に構築することができる。
また、接着剤を硬化するために光波を照射した部位の粒子が強調されて検出可能であるため、硬化している部位の接着剤の流動を確実に検出することができる。
実施態様2〕(請求項4に対応)
実施態様2は、上記解決手段2又は解決手段3の接着方法において、粒子は、接着剤を硬化させる光波と波長の異なる別の光波の照射により蛍光を発光する粒子であり、該接着剤を硬化させる光波を照射する領域より広い領域で発光した粒子の移動状態を検出することである。
〔作 用〕
光波硬化型接着剤が硬化しない波長の光波用いて粒子を蛍光発光させることにより、硬化のための光波照射領域とその近傍など、一部の接着剤の硬化が他の領域に及ぼす影響をも含めて、広い領域において検出することが可能である。
実施態様3〕(請求項5に対応)
実施態様3は、上記実施態様1又は実施態様2の接着方法において、接着剤を硬化させる光波を結像手段で絞って接着剤に照射し、該光波を照射した部位の粒子を該結像手段により拡大して撮像して、粒子の移動状態を検出することである。
〔作 用〕
結像手段(レンズ)により光波照射位置を微小領域に限定し、硬化させる微小領域を同じ結像手段で拡大して撮像することにより、硬化の微細化と検出の高精度化を同一光学系によって同時に達成することができる。
実施態様4〕(請求項6に対応)
実施態様4は、上記解決手段2、解決手段3、又は実施態様1〜実施態様3のいずれかの接着方法において、被着体に塗布された接着剤に対して、結像手段と粒子を撮像する撮像手段とから成る検出光学系、及び該接着剤を硬化させる光波照射手段を相対的に移動して、粒子の移動状態を検出する個所と、該接着剤を硬化させる個所を変えることである。
〔作 用〕
光波照射手段と検出光学系が同一光学系を共有する場合は、接着剤を硬化させる光波照射領域と粒子検出領域を細分化して、移動機構により部分的に順次硬化させる。一方、光学系を共有しない場合は、接着剤を硬化させる領域において、検出光学系のみを移動することにより細分化して検出する。
実施態様5〕(請求項7に対応)
実施態様5は、上記解決手段2、解決手段3、又は実施態様1〜実施態様4のいずれかの接着方法において、結像手段と粒子を撮像する撮像手段の光軸方向の相対位置を移動して、粒子の移動状態を検出する個所を変えることである。
〔作 用〕
結像手段(レンズ)位置を固定することにより光波照射位置を固定したままで、撮像手段を光軸方向に移動すると、倍率は変動するものの、結像位置を光軸方向に移動して検出位置を深度方向に移動することが可能である。
実施態様6〕(請求項8に対応)
実施態様6は、上記実施態様4、又は実施態様5の接着方法において、接着剤を硬化させる個所や粒子の移動状態を検出する個所の移動と粒子の撮像とを、繰返して実行することである。
〔作 用〕
検出光学系及び/又は光波照射手段の移動と撮像とを繰返すことにより、広い範囲で接着剤硬化による影響や経時変化を検出することができる。
実施態様7〕(請求項9に対応)
実施態様7は、上記解決手段2、解決手段3、又は実施態様1〜実施態様6のいずれかの接着方法において、粒子を複数方向から撮像することによって、該粒子の移動状態を検出することである。
〔作 用〕
複数方向から粒子の移動量や移動方向等を検出することにより、比較的検出が困難な検出光学系の光軸方向に移動する粒子についても確実に検出することが可能である。
実施態様8〕(請求項10に対応)
実施態様8は、上記解決手段2、解決手段3、又は実施態様1〜実施態様7のいずれかの接着方法において、粒子を視差を有する2方向から撮像して、該粒子の移動量を三次元画像として取得することによって、該粒子の移動状態を立体的に検出することである。
〔作 用〕
複数方向から粒子の移動量を検出し、3次元的に接着剤の流動を捉えることが可能となる点においては上記実施態様7と共通するが、この実施態様7では複数の検出光学系で検出対象とする粒子を同一とするのが困難である。
これに対して、本実施態様8のように、視差を持たせた複数のカメラで略同一方向から粒子を撮像すれば、撮像される画像は類似しているため、検出対象とする粒子又は領域を共通化し易い。そのため、3次元的な粒子の移動や接着剤の流動の検出について、信頼性を向上することができる。
実施態様9〕(請求項11に対応)
実施態様9は、上記解決手段2、解決手段3、又は実施態様1〜実施態様8のいずれかの接着方法において、接着剤に混入した粒子を所定の時間間隔で複数回撮像をする撮像工程と、該撮像工程で得られた複数の画像を比較する工程と、該粒子の移動方向と移動量を導出して、該粒子の移動状態を検出する工程を有することである。
〔作 用〕
接着剤に混入した粒子の状態を複数回撮像し、取得した複数の画像を比較することにより粒子個々の移動量や移動方向等の検出に加え、所定の領域が全体的に移動する移動量や移動方向等を検出することできる。
〔解決手段4〕(請求項12に対応)
上記課題を解決するために講じた解決手段4は、接着剤を用いて被着体を接着する接着装置を前提として、該接着剤は、接着剤と識別可能であり光波の照射により蛍光を発光する粒子を混入した光波硬化型接着剤であって、その接着剤を被着体に塗布する接着剤塗布手段と、該接着剤に光波を照射する光波照射手段と、該光波照射手段からの光波の照射により該接着剤が硬化する時、光波が照射された領域のみの粒子の移動状態を検出する検出手段と、該検出手段の検出結果に応じて、光波を照射し接着剤を硬化させる部位を特定する制御手段とを備えて成り、該接着剤の硬化収縮による残留応力を低減し、該被着体の位置決め精度を向上することである。
〔作 用〕
光波の照射により蛍光を発光する粒子を混入した光波硬化型接着剤を塗布する塗布手段、光波照射手段、粒子の移動状態を検出する検出手段、接着剤を硬化させる部位を特定する制御手段(粒子の動きの有無から光波照射位置を検出又は位置決め、粒子の動きの停止から接着剤の硬化完了の検出を可能とする手段)を具備することにより、接着剤に混入した粒子の動きを検出して、接着剤の流動を可視化することによって、接着剤の硬化状態の取得、硬化完了の判定、接着剤塗布領域の光波が照射されて硬化している領域の検出と光波照射位置の調整制御、流動量による光波照射量と照射時間の制御、及び照射領域の限定等が可能となり、接着剤の硬化収縮により応力が発生する位置や領域を制御することができる。
実施態様10〕(請求項13に対応)
実施態様10は、上記解決手段4の接着装置において、検出手段は、接着剤に混入した粒子を撮像する撮像手段と、該撮像手段に粒子画像を結像させる結像手段と、該撮像手段により撮像した粒子画像から該粒子の移動量を導出する処理手段とから成ることである。
〔作 用〕
撮像した粒子画像から粒子の移動量を導出し、接着剤が硬化収縮する際の流動状態を検出することができる。また、結像手段によって検出領域を高解像度で検出することができるので、接着剤塗布領域を細分化して検出することが可能である。
〔実施態様11〕(請求項14に対応)
実施態様11は、上記実施態様10の接着装置において、接着剤に混入した粒子を撮像のために照明する照明手段を有し、撮像対象の粒子の領域を限定して照明することである。
〔作 用〕
粒子を照明する機能を具備し、粒子からの散乱光を検出することにより、検出する粒子を限定し粒子画像の鮮明度を向上させることが可能である。また、粒子を照明する光波によって接着剤を硬化させたくない場合、検出領域と硬化領域を個別に設定することができる。
実施態様12〕(請求項15に対応)
実施態様12は、上記実施態様10又は実施態様11の接着装置において、撮像手段と結像手段から成る検出光学系の光路中に光路分岐手段を備えており、光波照射手段と該検出光学系は、それらの光軸が共有化部分を有するように、且つ、光波照射領域と粒子撮像領域が同じになるか、又は同一光軸上になるように配置されていることである。
〔作 用〕
光波照射系と検出系の光学系をプリズム等を具備して共有化することにより、これらの系をコンパクトにすることができる。また、照射する光波により蛍光を発光する粒子を適用することによって、照射する光波を接着剤の硬化と粒子の蛍光発光に利用して、硬化部位と検出部位を一致させることが可能である。
実施態様13〕(請求項16に対応)
実施態様13は、上記実施態様10〜実施態様12のいずれかの接着装置において、被着体に塗布された接着剤に対して、撮像手段と結像手段から成る検出光学系、及び光波照射手段を相対的に移動させる移動手段を有し、光波照射位置と粒子撮像位置を変更することである。
〔作 用〕
光波照射手段と粒子を検出する手段(検出光学系)を個別に、又は一体化して移動する機構を具備することにより、接着剤の硬化位置や硬化方向の高精度な制御、及び硬化完了の詳細な判定をすることができる。
実施態様14〕(請求項17に対応)
実施態様14は、上記実施態様10〜実施態様13のいずれかの接着装置において、撮像手段を結像手段に対し光軸方向に独立して移動する移動手段を有し、粒子撮像位置を該光軸方向に変更することである。
〔作 用〕
結像手段とは独立して撮像手段を光軸方向に移動する機構を具備することにより、倍率は変動するものの、光波照射位置を固定したままで、結像位置を光軸方向に移動して検出位置を深度方向に移動することが可能であり、光波の照射によって生じる硬化の深度方向への影響を検出することができる。
実施態様15〕(請求項18に対応)
実施態様15は、上記解決手段4、又は実施態様10〜実施態様14のいずれかの接着装置において、検出手段が、撮像手段と結像手段から成る検出光学系を複数備えており、それぞれの撮像手段により撮像した粒子画像から粒子の移動量を検出することである。
〔作 用〕
複数の検出光学系を用いて、複数方向から粒子の移動量や移動方向等を検出することにより、比較的検出が困難な検出光学系の光軸方向に移動する粒子についても確実に検出することが可能である。
実施態様16〕(請求項19に対応)
実施態様16は、上記解決手段4、又は実施態様10〜実施態様15のいずれかの接着装置において、光波照射手段は、光波照射量又は光波照射時間を調整する調整手段を有し、検出手段により検出された粒子の移動状態に応じて、光波照射量又は光波照射時間を調整することである。
〔作 用〕
光波照射手段が光波照射量又は光波照射時間を調整する手段を具備しており、検出光学系により検出された粒子の移動量に応じて、光波照射量又は照射時間を調整することによって、接着剤の硬化スピードを制御することが可能である。
〔解決手段5〕
上記課題を解決するために講じた解決手段5は、接着剤の硬化収縮により生じる接着剤の流動状態を可視化することができる粒子を混入したことである。
〔作 用〕
接着剤に粒子を混入し粒子の動きを検出して、接着剤の硬化収縮による流動を可視化することにより、接着剤の硬化状態の検出や、硬化を狙った位置へ光波照射を位置決めするなど、接着の品質を向上することである。
実施態様17
実施態様17は、上記解決手段5の接着剤において、接着剤は光波硬化型であり、光波の照射により所定の反応を示す粒子を混入したことである。
〔作 用〕
光波硬化型接着剤を硬化させるため照射する光波に反応する粒子を接着剤に混入することにより、光波照射領域に限定して、接着(硬化)する前に硬化まで至らない量の光波の照射を行って粒子の移動を検出して、接着剤硬化のための光波を照射する位置を位置決め可能とする。接着(硬化)時は、隣接領域への影響の有無の判定や接着剤の流動の有無の確認が可能であり、接着直後は硬化完了の判定などが可能である。
接着剤は、この接着剤を硬化させる光波により励起される材料を混入して得られるものであり、これまでに説明した接着方法等により光波が照射され、硬化させる位置に限定して、混入された粒子の移動状態により接着剤の硬化状態を検出することが可能なものであり、接着の品質を向上する際に重要な役割を果たすものである。
また、接着剤は、樹脂やガラス等から成る粒子を混入することによっても得られるものである。
接着剤に混入する粒子の例としては、紫外線励起による蛍光剤ローダミン等を重合時に混入した粒子、又は電子ビームにより励起され蛍光を発する粒子等が考えられる。
実施態様18
実施態様18は、上記解決手段1〜解決手段3、あるいは実施態様1〜実施態様9のいずれかの接着方法、上記解決手段4、あるいは実施態様10〜実施態様16のいずれかの接着装置、又は上記解決手段5あるいは実施態様17の接着剤により接着された構造物である。
〔作 用〕
構造物は、これまでに説明した接着方法、接着装置、又は接着剤により接着された被着体の集合であり、構造物の品質を保証するものである。接着完了時の粒子画像データを保存しておくことにより、出荷後の不具合に対して、経時変化によるものか、製造段階の接着時のものであるかを判定することが可能となる。
本発明の効果を主な請求項毎に整理すると、次ぎのとおりである。
(1) 請求項1に係る発明
接着剤の流動から硬化状態を取得して、流動の有無から硬化完了の判定をすることにより、接着剤の硬化を保証することができ、信頼性の高い接着をすることが可能となる。また、接着不良による被着体の位置の経時変化を低減し、接着部破壊などの欠陥品の市場への流出を抑止することができ、また将来的に欠陥品となり得る接着部の潜在的な不具合を見付けることが可能となる。
さらに、光波硬化型の接着剤に粒子を混入し、光波が照射された領域の粒子を周囲から識別してその動きを検出することにより、接着剤が硬化収縮する際に生じる流動を可視化して確実に捉えることができるので、粒子の動きの有無により光波照射位置を検出又は位置決めし、粒子の動きの停止により接着剤の硬化完了を検出する。このようにして、硬化させる位置や、硬化に伴い応力を発生する位置及び方向を制御し、接着完了の確認をすることによって、被着体の位置ずれの低減や接着破壊を抑止して、接着の信頼性を向上することができる。
(2) 請求項2に係る発明
上記請求項1に係る発明と同様の効果を生じる。
また、複数層の接着剤を利用して接着されているので、例えば、硬化スピードの異なる複数の接着剤を用いることにより、被着体へ伝播する応力を硬化スピードの遅い接着剤が変形して吸収し、被着体の位置ずれを低減することができる。
(3) 請求項3に係る発明
接着剤を硬化するために光波を照射した部位の粒子が強調されて検出可能であるため、硬化している部位の接着剤の流動を確実に検出することができる。また、光学系を共通化することもできるので、系構築を簡易化することも可能である。
(4) 請求項4に係る発明
粒子の蛍光発光に要する光波により接着剤が硬化しないため、接着剤を硬化させる部位を含んだ周囲の広い領域での接着剤の流動を検出することが可能である。
(5) 請求項5に係る発明
接着剤を硬化させる領域を微細化し、硬化部位を高解像で検出して、接着剤の流動を高精度で検出することができる。
(6) 請求項6に係る発明
接着剤を硬化させる位置と検出する位置を移動し、接着剤の流動量や流動方向等を任意の位置で検出して、これに基づいて接着剤の硬化状態を制御することにより、接着剤を硬化させる全領域において応力の発生を制御し、硬化完了の判定等を行うことが可能である。
(7) 請求項7に係る発明
光波照射位置を固定したままで、接着剤を硬化させている部位での深さ方向の隣接領域において、粒子の動きを捉えることができるので、光波の照射により生じる硬化の深度方向への影響を検出することが可能である。
(8) 請求項8に係る発明
上記請求項6及び請求項7に係る発明の効果を広い範囲で奏することが可能であり、広範囲において硬化のムラや応力の集中等を低減することが可能である。
(9) 請求項9に係る発明
粒子の移動量について検出が困難な、検出光学系の光軸方向の移動について、他方向から撮像し得る検出光学系で検出することにより、接着剤の流動を3次元的に検出できるので、硬化状態を確実に検出することが可能である。
(10) 請求項10に係る発明
視差を有する複数方向からの撮像により、粒子の移動量や移動方向等を立体的に検出することによって、接着剤の硬化による影響を立体的に検出することができるので、接着剤の硬化位置や硬化方向の制御、硬化完了の判定を正確に行うことができる。
(11) 請求項11に係る発明
時系列に撮像された複数の同一領域の画像を比較することにより、粒子個別の移動に加えて、所定の領域の動きを検出することができ、接着剤が粘性を有しながら流動している状態を検出することが可能である。また、応力発生箇所も領域として検出することが可能である。
(12) 請求項12に係る発明
光波硬化型の接着剤に粒子を混入し、光波が照射された領域の粒子を周囲から識別してその動きを検出することにより、接着剤が硬化収縮する際に生じる流動を可視化して確実に捉えることができるので、粒子の動きの有無により光波照射位置を検出又は位置決めし、粒子の動きの停止により接着剤の硬化完了を検出する。このようにして、硬化させる位置や、硬化に伴い応力を発生する位置及び方向を制御し、接着完了の確認をすることによって、被着体の位置ずれの低減や接着破壊を抑止して、接着の信頼性を向上することができる。結果として、接着不良製品の市場への流出を抑止することが可能である。
(13) 請求項13に係る発明
結像手段によって検出領域を高解像度で検出することができ、接着剤塗布領域を細分化して検出することが可能であるので、接着剤の硬化を高精度に制御することが可能となる。
(14) 請求項14に係る発明
粒子を照明する機能を具備し粒子の撮像を鮮明化できるので、検出の信頼性を向上することが可能である。また、検出領域と硬化領域を個別に設定することができるので、接着剤の硬化状態を硬化領域と関係なく検出することが可能となる。結果として、検出と硬化を高精度に行うことができる。
(15) 請求項15に係る発明
光波照射系と検出系の光学系をプリズム等を具備して共有化することにより、これらの系をコンパクトにすることができる。また、硬化部位と検出部位を一致させることができるので、硬化部位を確実に検出することが可能である。
(16) 請求項16に係る発明
光波照射手段と粒子を検出する手段(検出光学系)を個別に、又は一体化して移動する機構を具備することにより、接着剤の硬化位置や硬化方向の高精度な制御、及び硬化完了の詳細な判定が可能であり、応力を及ぼす領域や箇所、方向を制御することができる。
(17) 請求項17に係る発明
結像手段とは独立して撮像手段を光軸方向に移動する機構を具備することにより、結像位置を光軸方向に移動して検出位置を深度方向に移動することができるので、光波の照射によって生じる硬化の深度方向への影響を検出することができる。
(18) 請求項18に係る発明
検出が困難な検出光学系の光軸方向の粒子の移動について、他方向から検出光学系により撮像することにより、接着剤の流動を3次元的に検出できるので、硬化状態を確実に検出することが可能である。
(19) 請求項19に係る発明
接着剤を硬化するために照射する光波の照射量、照射時間、照射範囲等を調整することにより、同一位置内での接着剤の硬化を制御可能として、硬化時に発生する応力や接着の精度をより高く制御して、高品質の製品を提供することが可能となる。
削 除
接着剤の硬化収縮による被着体の位置ずれや残留応力を低減するという目的を、接着剤に混入した粒子の動きにより該接着剤の流動(硬化状態)を検出して、これに基づいて接着剤に照射する光波を制御して、接着剤の硬化状態を制御することにより実現した。
本発明の実施例1に関連して、被着体が接着剤で接着される場合の該接着剤の硬化による流動について、図1〜図13を参照しながら説明する。
図1〜図4は被着体を接着剤で接着する場合の説明図であり、図2は図1の断面図である。図5及び図6は、粒子を混入した接着剤により被着体を接着する場合の説明図であり、図7及び図8は、接着剤に混入された粒子の位置変化を画像として検出する検出手段に関する説明図である。また、図9〜図13は、接着剤に混入された粒子の位置変化を検出する場合についての説明図である。
図1及び図2に示すように、被着体A(1)と被着体B(2)を接着剤(3)により接着する場合、図3に示すように接着剤(3a)を塗布しても、図3中の矢印で示すような多方向への接着剤の硬化収縮に伴って、図4に示すような接着剤(3b)の収縮と、図4中の矢印で示すような被着体(2a)の拘束されていない方向への位置ずれが生じる。
接着剤の硬化により生じる収縮には、次のようなものがある。
(1) 接着剤中の水や溶剤の蒸発による物理的な量の変化による収縮。
(2) 接着剤中のモノマーやプレポリマーが重合反応や縮合反応等を起こし、ポリマー化することによる収縮。
(3) 液体から固体に変化することにより、分子間運動量が変化することによる収縮。
このような接着時の収縮により応力が発生し、被着体の位置ずれが生じる他、接着後に、残留応力の影響で環境の温度変化などにより経時的に被着体の位置が変動することが考えられる。
一方、接着領域全域において一様に接着剤の硬化収縮を実現して、応力の偏りを低減することができれば、接着時及び接着後の被着体の位置ずれを抑制できると考えられる。
しかし、従来技術では図3から図4への推移において、被着体の位置、姿勢、及び接着剤の外形変化のみが検出可能であり、接着剤の局所的な硬化や流動について検出することは不可能であった。
そこで、図5に示すように、粒子(4)を混入し分散させた接着剤(3c)を塗布して、図6に示す状態へ推移するときの時間的な粒子(4a)の移動を検出することによって、接着剤(3d)の硬化による流動を検出することが可能となる。
特に、粒子径がミクロンオーダであれば、重力等の慣性力には殆ど影響されず、粘性等の表面力のみの影響を受けるものと考えてよく、粒子(4a)の挙動は接着剤(3d)の流動や移動によってのみ生じるものと判断して差し支えない。接着剤に混入する粒子は、サイズ、重量、及び特性などを考慮して選定する必要がある。
粒子の移動を検出するには、図7に示すように、接着剤(3e)に混入されている検出対象の粒子(4b)又は領域に焦点を合わせた対物レンズ(5)により、粒子(4b)又は領域の画像を2次元CCDカメラ(6)により撮像し、その画像データを処理する機能を有するコンピュータ(7)に格納する。
撮像する画像データとしては、図8に示すように、時系列で複数回撮像して複数画像を取得することによって、粒子A(4c)から粒子B(4d)のように時間的な位置変化を画像として捉えることができる。
粒子の移動を検出する方法としては、図9に示すように、個々の粒子に着目した場合において、移動前の粒子の部分(8)に対応した移動後の粒子の部分(8a)を探索し、粒子全体の移動ベクトル(オプティカルフロー)を導出する方法、及び図10に示すように、移動前後の画像の排他的論理和により、図11に示すように移動の有無を簡易に導出する手法が考えられる。画像間演算としては排他的論理和の他に、複数画像の差分など、時空間微分的に変化が現れている部分を抽出する手法が有効である。また、図12に示すように、検出対象を所定の領域に区分して、区分した領域の移動量と移動方向を導出するPIV(Particle Image Velocimetry:粒子画像流速測定法)が有効である。個々の粒子がランダムに移動せず、ある領域の粒子は相対距離を略保った状態のまま移動することを前提として、時間t=tでの領域A(9)をテンプレートとし、接着領域全域又は限定した領域において、時間t=t+δtでの領域B(9a)を探索する。探索はパターンマッチングにより最も一致度の高い領域を抽出する。パターンマッチングでは一般的に相互相関法が利用され、相関係数を導出し、相関値が最大となる領域を移動後の領域とする。
詳細には、図13に示すように、時間t=tでの領域A(9)の画像をf、時間t=t+δtでの探索すべき領域B(9b)の画像を含む探索領域全域(10)の画像をgとし、相関係数をRとすると、相互相関の式は次の(a)式となる。

この(a)式中の(i,j)は探索領域中の探索開始座標であり、(x,y)は領域Aの画像中の座標である。領域Aの画像fを探索領域全域において(i,j)だけ移動して、その移動した位置において、領域Aと相関を取る画像の座標(x,y)の画素を比較することになる。両画像が完全に一致した場合には、相関係数Rは1となる。
以上のように、粒子の移動を検出することによって、接着剤の硬化による流動の有無を確認して、接着完了の判定や均一な硬化を確認することが可能となる。
本発明の実施例1(請求項1,12,13に対応)について、図14〜図21を参照しながら説明する。図14は被着体を紫外線硬化型接着剤を用いて接着する場合の説明図であり、図15は、照射時間や照射強度を変えた場合の紫外線硬化型接着剤の体積収縮率を示す図である。また、図16は接着剤の収縮力を計測するための系を説明する図であり、図17及び図18は、照射時間や照射強度を変えた場合の紫外線硬化型接着剤の収縮力及び変位量を示す図である。そして、図19〜図21は、紫外線硬化型接着剤の硬化状態を検出しながら接着剤の硬化を行う場合の説明図である。
この実施例1は、紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤が硬化する時の該接着剤の流動状態を検出し、この検出結果に応じて紫外線の照射を制御するものである。
例えば図14に示されているように、被着体A(1c)と被着体B(2c)を接着する場合において、接着剤として光波硬化型接着剤である紫外線硬化型接着剤(3f)を用いると、紫外線照射用光源(11)から照射される紫外線(12)の強度や時間を制御することによって、接着剤の体積収縮や発生する応力を制御することが可能となる。
紫外線(12)の照射時間や照射強度を変化させたときの接着剤の体積収縮率を図15に示す。この体積収縮率の測定は、紫外線照射前後の固体比重と液体比重との比から導出する。この固体比重は、空中重量から水中重量を引いたもので空中重量を割って、それに水の密度を掛けたものである。
また、図16に示すような系を用いて、接着剤の収縮力を計測する。この系では、剛体壁(13)に接着剤(3g)を介して負荷(14)により荷重mを下方に加えている。接着剤の収縮力は、下方に掛けた荷重m、接着剤の重量W、接着剤のヤング率E、接着剤の厚みL、接着剤の密度ρ、及び接着剤の収縮長λから導出する。この接着剤の収縮力Pとすると、Pは次の(b)式で求めることができ、その結果は図17に示すとおりである。また、変位量(接着剤の収縮長λ)は図18に示すとおりである。


上記図15、図17及び図18に示されているように、接着剤の体積収縮率、収縮力、及び被着体の変位量(接着剤の収縮長)は、照射される紫外線の照射強度と照射時間によって制御できることが分かる。
また、図19に示すように、粒子(4e)を混入した紫外線硬化型接着剤(3h)に対して、光ファイバー(15)により導光してレンズ(16)で絞った紫外線(12a)を照射して、該接着剤(3h)を硬化させる際、この硬化状態を対物レンズ(5a)により2次元CCDカメラ(6a)に結像させて検出する。
硬化開始時は、対物レンズ(5a)と2次元CCDカメラ(6a)の位置がステージ(17)に対して既知であるか、又はこのステージ(17)や被着体に目印となるマークを設け、これを2次元CCDカメラ(6a)で撮像して位置を検出する等により、硬化させる位置を明らかにし、紫外線照射による硬化が粒子(4e)の移動として2次元CCDカメラ(6a)により検出できれば、所望の位置に紫外線照射がなされて硬化されることになる。
接着剤の硬化中では、粒子(4e)の移動状態により、照射量を調整して硬化スピードを変化させることが可能である。光ファイバー(15)とレンズ(16)を移動して、2次元CCDカメラ(6a)によって領域を観察しながら、硬化させる範囲を広げることも可能である。
また、硬化完了間際では、粒子(4e)の移動が全く検出されないこと、また紫外線照射量を変化させても粒子(4e)の移動に変化が見られないことを確認して、接着剤(3g)の硬化完了を判定することが可能である。
そして、図18に示されているように、予め硬化するまでの収縮量が分かっている場合は、粒子(4e)がその移動量だけ移動したとき、硬化が完了したと判定することも可能であるので、外部において、粒子を混入した接着剤の収縮量に対する粒子の移動量を把握しておくことも、接着剤の硬化の判定や硬化の制御において有効である。
さらに、残留応力の低減を目的として、硬化領域と流動領域をモニタリングしながら、硬化を制御する具体例としては、図20に示すような方法がある。この方法は、紫外線硬化型接着剤(3i)に局所的に紫外線(12b)を照射して、硬化させる領域(I)と、該硬化領域(I)で収縮した体積を補充するように流動する近傍領域(II)を意図的に設定して、内部応力の発生を抑えようとする場合、本発明では、近傍領域(II)の流動を検出することが可能であるため、近傍領域(II)の流動が完了した時点で、紫外線照射位置を図21に示す硬化目的位置(Ia)に移動して、更なる硬化を実行する。これにより、先の近傍領域(II)が流動を完了していない時点で、次の硬化領域(Ia)の硬化を開始した場合に生じる内部ひずみによる残留応力の発生を低減することができ、経時変化による被着体の位置ずれや接着破壊を抑制することが可能となる。
本発明の実施例2(請求項2,3に対応)について、図22を参照しながら説明する。図22は2種類の接着剤を用いて接着する場合の説明図である。
この実施例2は、硬化速度の異なる2種類の接着剤を用いて被着体を接着する方法であって、接着剤を2種類用いることを除けば、前記実施例1の接着方法と同じである。
図22に示すように、硬化速度の異なる接着剤(3j,3k)のそれぞれに色や大きさ等、特性の異なる粒子(4g,4h)をそれぞれ混入し、各接着剤ごとの硬化状態を区別して検出する。
例えば、照射する光波が紫外線の場合は、ローダミン等の蛍光剤を粒子に混入することによって、紫外線が照射されている領域に限定して、周囲と区別して粒子の可視化が可能になる。
また、紫外線硬化型接着剤に対しては、これを硬化するために照射する紫外線の波長近傍において、励起波長を有する蛍光剤を混入した粒子を適用する。但し、蛍光波長は一般に励起波長よりも長いため、検出時の光学フィルタ等には蛍光波長に合ったものを利用する必要がある。
さらに、環境を暗箱中に設定すると、粒子からの蛍光を一層強調することができる。
本発明の実施例3(請求項4,14に対応)について、図23を参照しながら説明する。図23は接着剤の流動を検出しながら接着する場合の説明図である。
この実施例3は、接着剤の流動を検出しながら接着する場合において、レーザ光を検出光学系の光軸に対して垂直に照射して接着剤中の粒子に散乱光を生じさせ、この散乱光を2次元CCDカメラで撮像することによって、接着剤の流動を検出している。本実施例は、このようなレーザ光の照射により接着剤の流動を検出する点に特徴を有している。
この実施例3は、例えば図23に示すように、紫外線(12d)を紫外線硬化型接着剤(3m)に照射して硬化させる場合、紫外線(12d)よりも波長が長く予め小径に絞ったレーザ光(19)を、シリンドリカルレンズ(18)で扇状のレーザ光(19a)に広げて、対物レンズ(5d)と2次元CCDカメラ(6d)からなる検出光学系の光軸に対して垂直に照射し、接着剤中の粒子(4i)により散乱光を生じさせる。上記紫外線(12d)が照射されている領域よりも広い範囲において、該粒子(4i)からの散乱光を撮像することができ、接着剤(3m)の流動が生じている領域を検出することが可能である。
上記レーザ光(19)を扇状のレーザ光(19a)にして薄くするのは、検出光学系の光軸方向における検出範囲を限定する一般的な手法である。対物レンズ(5d)の焦点深度が狭ければ、検出範囲を限定しなくても、深度余裕より外れた粒子画像は2次元CCDカメラ(6d)において画像がぼけて結像しなくなるため、レーザ光で照明するにしても、光軸方向の幅を規定する必要性は小さくなる。
上記レーザ光(19)の波長を選定することにより、接着剤の硬化には影響を与えないで、粒子の画像を取得することが可能となる。
本発明の実施例4(請求項5,15に対応)について、図24を参照しながら説明する。図24は、紫外線硬化型接着剤の硬化状態を検出しながら硬化を行う場合の説明図である。
この実施例4は、接着剤の硬化状態を検出しながら接着剤の硬化を行う場合において、粒子の移動量を検出する範囲と紫外線照射範囲とを一致させるべく、ビームスプリッターと結像レンズを使用して、接着剤に対する紫外線の照射を対物レンズを通して行うという特徴を有している。
この実施例4は、例えば図24に示すように、対物レンズ(5e)と、結像レンズ(20)と、2次元CCDカメラ(6e)から成る検出光学系において、該対物レンズ(5e)と結像レンズ(20)との間に、ビームスプリッター(21)を設置しており、外部から光ファイバー(15d)等で導光した紫外線(12e)を、該ビームスプリッター(21)により対物レンズ(5e)へ入射させることによって、粒子の移動量を検出する範囲と紫外線照射範囲とを一致させることができる。
特に、検出光学系を無限遠補正型とすると、対物レンズ(5e)と結像レンズ(20)の間では光線が略平行となるため、ビームスプリッター(21)を挿入するスペースは十分確保することが可能である。また、紫外線(12e)は略平行光となるように、光ファイバー(15d)の出射端からの回折による広がりを抑える程度の光学系を構築すれば良く、厳密に検出光学系の焦点位置と合致させるような光学系を構築する必要はない。
本発明の実施例5(請求項6,16に対応)について、図25〜図28を参照しながら説明する。図25はステージを移動させるようにして接着を行う場合の説明図、図26は検出光学系を移動させるようにして接着を行う場合の説明図、図27は検出光学系と紫外線照射手段を一緒に移動させるようにして接着を行う場合の説明図であり、図28は接着剤を領域に分けて接着を行う場合の説明図である。
この実施例5は、接着剤の硬化状態を検出しながら接着剤の硬化を行う場合において、ステージ又は検出光学系を移動させる移動機構を備えていることを特徴とするものである。
この実施例は、例えば図25に示すように、被着体が載置されるステージ(17e)を水平方向に移動するスライダー(22)と、垂直方向に高さを変位するスライダー(23)とを備えており、粒子の移動状態を検出する検出位置や、接着剤を硬化させる硬化位置を任意の個所に調整することができる。
また、この実施例は、例えば図26に示すように、対物レンズ(5g)と2次元CCDカメラ(6g)からなる検出光学系を固定する固定治具(24)を、水平方向に移動するスライダー(22a)と垂直方向に移動するスライダー(23a)に固定して成り、硬化位置の近傍までも検出することを可能にしている。
さらに、この実施例は、例えば図27に示すように、対物レンズ(5h)、結像レンズ(20a)、及び2次元CCDカメラ(6h)から成る検出光学系と、対物レンズ(5h)、ビームスプリッター(21a)、及びレンズ(16g)から成る照射手段を固定治具(24a)に固定して成り、硬化位置と検出位置を一致させて移動することを可能にしている。この他、硬化位置を独立して移動する機構も必要となる場合もある。
このような移動機構を備えるように構成することによって、図28に示すように、接着剤(3s)の中央近傍の領域(25)を先に硬化した後、被着体と接着剤の界面付近の領域(25a)を硬化することにより、界面の硬化時に流動可能な接着剤の量を予め減らしておくことが可能となり、接着破壊や被着体の位置ずれを低減することができる。
本発明の実施例6(請求項7,8,17に対応)について、図29を参照しながら説明する。図29は検出光学系の説明図である。
この実施例6は、接着剤の硬化状態を検出しながら接着剤の硬化を行う場合の検出光学系において、対物レンズと2次元CCDカメラとの相対位置を変更することにより、検出位置を移動することができるという特徴を有するものである。
この実施例においては、例えば図29に示すように、対物レンズ(5i)と2次元CCDカメラ(6i)との相対位置を位置A(26)から位置B(26a)に変更することにより、2次元CCDカメラ(6i)に結像する物側の位置を位置C(27)から位置D(27a)に変更することができる。対物レンズ(5i)の焦点距離が一定であれば、検出する像の倍率が変わってしまうが、紫外線(12i)を照射して硬化させる領域(28)の光軸方向の周囲を検出することが可能となる。
このとき、対物レンズ(5i)を検出光学系と紫外線照射手段において共有している場合は、硬化位置を変えないで検出位置だけを光軸方向に移動することが可能となる。
例えば、接着剤の流動は、その粘性や付着領域により、流動する範囲や流速が水流などに比べて非常に小さい。そのため、微小時間後の粒子の状態を捉える必要は殆どないと考えられ、検出光学系を移動して、複数箇所の検出を同じ接着の中で実行することが可能である。所定の位置での複数回の撮像の間に、他の位置での画像を取得することができる場合は、複数箇所での粒子の移動を検出することができ、広い範囲で接着剤の硬化状態を検出することが可能となる。
本発明の実施例7(請求項9〜11,18に対応)について、図30及び図31を参照しながら説明する。図30及び図31は接着剤の硬化状態を検出する場合の説明図である。
この実施例7は、接着剤の硬化状態を検出しながら接着剤の硬化を行う場合において、接着剤の硬化状態を2つの検出光学系を用いて2方向から検出することに特徴を有するものである。
この実施例は、例えば図30に示すように、被着体A(1d)と被着体B(2d)を接着する際、接着剤A(3t)と接着剤B(3u)を塗布し、その硬化を検出するために接着剤A(3t)の位置において、検出光学系A(29)と検出光学系B(29a)を設置して、複数方向から検出するように成っており、一方の光軸方向のみの粒子移動は捉えづらいので、他方の検出光学系によって一方の検出光学系の光軸方向の粒子移動を補完することができる。
また、この実施例は、例えば図31に示すように、検出光学系A(29b)と検出光学系B(29c)を角度を付けて設置するか、又は光軸を平行として並列して設置することにより、視差画像を取得する系を構築して立体的に粒子の移動を検出するように成っている。このようにして、視差画像を取得することができるため、画像が類似しておりパターンマッチング等の手法により、各検出光学系の注視点を一致させることが容易である。上記図30に示されている手法では、粒子の対応付けが困難である。
この実施例7において説明した複数方向から検出する方法は、粒子の動きを検出するために不可欠な画像データの取り込み方法である。
本発明の実施例8(請求項19に対応)について、図32を参照しながら説明する。図32は接着剤の硬化状態に応じて紫外線の強度を制御する接着装置の説明図である。
この実施例8は、接着剤の硬化状態を検出しながら接着剤の硬化を行う接着装置において、接着剤中の粒子の移動状態を検出し、この移動状態に応じて紫外線の強度を制御する点に特徴を有するものである。
この実施例は、対物レンズ(5j)と2次元CCDエリアセンサ(6j)から成る検出光学系、コンピュータ(7a)、紫外照明コントローラ(30)、及び光ファイバー(15h)とレンズ(16h)から成る紫外線照射手段等から成る。紫外線硬化型接着剤を用いて接着する場合、例えば図32に示すように、対物レンズ(5j)と2次元CCDエリアセンサ(6j)から成る検出光学系で撮像した粒子画像から、粒子の移動量をコンピュータ(7a)で導出する。この移動量が小さい場合は、コンピュータ(7a)から紫外照明コントローラ(30)の出力を増幅する司令を発して、紫外線の強度を上げて接着剤の硬化を促進させる。また、粒子の移動が検出されず、紫外線の照射強度を上げても移動を検出できない場合は、接着が完了したものと判定する。
は、被着体を接着剤により接着する場合の説明図である。 は、図1の断面図である。 は、被着体を接着剤により接着する場合における接着剤の硬化収縮についての説明図である。 は、被着体を接着剤により接着する場合における被着体の位置ずれについての説明図である。 は、粒子を混入した接着剤により、被着体を接着する場合の説明図である。 は、図5において、粒子を混入した接着剤が硬化した場合の説明図である。 は、接着剤に混入した粒子の移動を検出する検出装置に関する説明図である。 は、粒子の移動を検出する場合に、時系列で複数回撮像した画像に関する説明図である。 は、粒子の部分に着目して、粒子の移動を検出する方法に関する説明図である。 は、移動前後の画像の排他的論理和により、粒子の移動を検出する方法に関する説明図である。 は、図10の粒子の移動を検出する方法において、移動の有無を簡易に導出する手法の説明図である。 は、区分した領域の移動量と移動方向を導出する粒子画像流速測定法についての説明図である。 は、パターンマッチングを利用して粒子の移動を検出する方法についての説明図である。 は、紫外線硬化型接着剤に照射する紫外線を制御して、接着を行う接着装置に関する説明図である。 は、紫外線の照射時間や照射強度を変化させた場合の接着剤の体積収縮率を示す図である。 は、接着剤の収縮力を計測する系の説明図である。 は、紫外線の照射時間や照射強度を変化させた場合の接着剤の収縮力を示す図である。 は、紫外線の照射時間や照射強度を変化させた場合の接着剤の変位量を示す図である。 は、粒子を混入した紫外線硬化型接着剤に対して紫外線を照射し、硬化状態を検出しながら接着を行う場合の説明図である。 は、粒子を混入した紫外線硬化型接着剤に対して紫外線を照射し、硬化領域と流動領域をモニタリングしながら接着を行う場合の説明図である。 は、図20と同じ説明図である。 は、硬化速度の異なる2種類の接着剤を用いて接着する場合の説明図である。 は、照明用のレーザ光を照射して、接着剤中の粒子の移動を検出しながら接着を行う場合の説明図である。 は、粒子の移動を検出する範囲と紫外線照射範囲とを一致させて接着する場合の説明図である。 は、ステージを移動させて接着を行う場合の説明図である。 は、検出光学系を移動させて接着を行う場合の説明図である。 は、検出光学系と紫外線照射手段を一緒に移動させて接着を行う場合の説明図である。 は、接着剤の中央近傍領域を先に硬化させた後、被着体と接着剤の界面付近領域を硬化させる場合の説明図である。 は、対物レンズに対して2次元CCDカメラを移動させて、検出位置を光軸方向に変更する場合の説明図である。 は、2つの検出光学系を用いて、2方向から粒子の移動を検出する場合の説明図である。 は、2つの検出光学系により視差画像を取得して、立体的に粒子の移動を検出する場合の説明図である。 は、接着剤の硬化状態に応じて紫外線の強度を制御する接着装置に関する説明図である。
1,1a〜1d‥‥被着体 2,2a〜2d‥‥被着体
3,3a〜3w‥‥接着剤 4,4a〜4p‥‥粒子
5,5a〜5j‥‥対物レンズ(結像手段)
6,6a〜6j‥‥2次元CCDカメラ(撮像手段)
7,7a‥‥コンピュータ 8,8a‥‥粒子の部分、探索部分
9,9a、9b‥‥検出領域、探索領域 10‥‥探索領域全域
11‥‥紫外線照射用光源 12,12a〜12j‥‥紫外線
13‥‥剛体壁 14‥‥重り(負荷)
15,15a〜15h‥‥光ファイバー 16,16a〜16h‥‥レンズ
17,17a〜17h‥‥ステージ 18‥‥シリンドリカルレンズ
19,19a‥‥レーザ光 20,20a‥‥結像レンズ
21,21a‥‥ビームスプリッター 22,22a‥‥水平方向スライダー
23,23a‥‥高さ方向スライダー 24‥‥検出光学系固定治具
25,25a‥‥接着剤の領域 26,26a‥‥2次元CCDカメラ位置
27,27a‥‥物側の平面位置 28‥‥硬化させる領域(硬化目標領域)
29,29a‥‥検出光学系 30‥‥紫外照明コントローラ
I,Ia‥‥硬化位置、硬化目的位置 II,IIa‥‥硬化させる位置の近傍領域

Claims (19)

  1. 接着剤を用いて被着体を接着する接着方法であって
    上記接着剤は、該接着剤と識別可能であり光波の照射により蛍光を発光する粒子を混入した光波硬化型接着剤であって、その接着剤を上記被着体に塗布する工程と
    光波を照射して上記接着剤を硬化する時、光波が照射された領域のみの粒子の移動状態を検出する工程とを有し
    上記粒子の移動状態の検出結果に応じて、光波を照射し接着剤を硬化させる部位を特定することを特徴とする接着方法
  2. 複数種類の接着剤を用いて被着体を接着する接着方法であって
    上記複数種類の接着剤は、それぞれの接着剤と識別可能であり光波の照射により蛍光を発光する特性の異なる粒子を混入した光波硬化型接着剤であって、それぞれの接着剤を上記被着体に塗布する工程と
    光波を照射して上記それぞれの接着剤を硬化する時、光波が照射された領域のみの粒子の移動状態を検出する工程とを有し
    上記それぞれの粒子の移動状態の検出結果に応じて、光波を照射し接着剤を硬化させる部位を特定することを特徴とする接着方法
  3. 上記粒子は、上記接着剤を硬化させる光波と同一波長の光波の照射により蛍光を発光する粒子であり、該光波が照射された領域で発光した粒子の移動状態を検出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接着方法
  4. 上記粒子は、上記接着剤を硬化させる光波と波長の異なる別の光波の照射により蛍光を発光する粒子であり、該接着剤を硬化させる光波を照射する領域より広い領域で発光した粒子の移動状態を検出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接着方法
  5. 上記接着剤を硬化させる光波を結像手段で絞って接着剤に照射し、該光波を照射した部位の粒子を該結像手段により拡大して撮像して、粒子の移動状態を検出することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の接着方法
  6. 上記被着体に塗布された接着剤に対して、結像手段と粒子を撮像する撮像手段とから成る検出光学系、及び該接着剤を硬化させる光波照射手段を相対的に移動して、粒子の移動状態を検出する個所と、該接着剤を硬化させる個所を変えることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の接着方法
  7. 結像手段と粒子を撮像する撮像手段の光軸方向の相対位置を移動して、粒子の移動状態を検出する個所を変えることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の接着方法
  8. 上記接着剤を硬化させる個所や粒子の移動状態を検出する個所の移動と粒子の撮像とを、繰返して実行することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の接着方法
  9. 上記粒子を複数方向から撮像することによって、該粒子の移動状態を検出することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の接着方法
  10. 上記粒子を視差を有する2方向から撮像して、該粒子の移動量を三次元画像として取得することによって、該粒子の移動状態を立体的に検出することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の接着方法
  11. 上記接着剤に混入した粒子を所定の時間間隔で複数回撮像をする撮像工程と、該撮像工程で得られた複数の画像を比較する工程と、該粒子の移動方向と移動量を導出して、該粒子の移動状態を検出する工程を有することを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の接着方法
  12. 接着剤を用いて被着体を接着する接着装置であって
    上記接着剤は、該接着剤と識別可能であり光波の照射により蛍光を発光する粒子を混入した光波硬化型接着剤であって、その接着剤を被着体に塗布する接着剤塗布手段と
    上記接着剤に光波を照射する光波照射手段と
    上記光波照射手段からの光波の照射により上記接着剤が硬化する時、光波が照射された領域のみの粒子の移動状態を検出する検出手段と
    上記検出手段の検出結果に応じて、光波を照射し接着剤を硬化させる部位を特定する制御手段とを備えて成り
    上記接着剤の硬化収縮による残留応力を低減し、上記被着体の位置決め精度を向上することを特徴とする接着装置
  13. 上記検出手段は、上記接着剤に混入した粒子を撮像する撮像手段と、該撮像手段に粒子画像を結像させる結像手段と、該撮像手段により撮像した粒子画像から該粒子の移動量を導出する処理手段とから成ることを特徴とする請求項12に記載の接着装置
  14. 上記接着剤に混入した粒子を撮像のために照明する照明手段を有し、撮像対象の粒子の領域を限定して照明することを特徴とする請求項13に記載の接着装置。
  15. 上記撮像手段と上記結像手段から成る検出光学系の光路中に光路分岐手段を備えており、上記光波照射手段と上記検出光学系は、それらの光軸が共有化部分を有するように、且つ、光波照射領域と粒子撮像領域が同じになるか、又は同一光軸上になるように配置されていることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の接着装置
  16. 上記被着体に塗布された接着剤に対して、上記撮像手段と上記結像手段から成る検出光学系、及び上記光波照射手段を相対的に移動させる移動手段を有し、光波照射位置と粒子撮像位置を変更することを特徴とする請求項13〜請求項15のいずれか一項に記載の接着装置
  17. 上記撮像手段を上記結像手段に対し光軸方向に独立して移動する移動手段を有し、粒子撮像位置を該光軸方向に変更することを特徴とする請求項13〜請求項16のいずれか一項に記載の接着装置
  18. 上記検出手段が、撮像手段と結像手段から成る検出光学系を複数備えており、それぞれの撮像手段により撮像した粒子画像から粒子の移動量を検出することを特徴とする請求項12〜請求項17のいずれか一項に記載の接着装置
  19. 上記光波照射手段は、光波照射量又は光波照射時間を調整する調整手段を有し、上記検出手段により検出された粒子の移動状態に応じて、光波照射量又は光波照射時間を調整することを特徴とする請求項12〜請求項18のいずれか一項に記載の接着装置
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