JP4710704B2 - レーザ加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被加工部材をレーザ加工するためのレーザ加工装置に関する。
従来より、レーザ光を出力するレーザ出力部と、レーザ光の経路上に配置され、焦点距離を可変とした可変焦点レンズ部と、を備えたレーザ加工装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、可変焦点レンズ部は、弾性を有した透明な薄板で形成された密閉容器に、レーザ光を透過する透明な液体を封入することで形成されたレンズ部と、開口を有する筒状に形成された押圧部を有し、レンズ部でのレーザ光が照射される位置の周辺を押圧部で押圧することにより、レンズ部の焦点距離を変化させるアクチュエータ部と、を有している。
この種のレーザ加工装置では、レーザ出力部から出力されたレーザ光を、可変焦点レンズ部を介して金属材料などの被加工部材に照射すると共に、アクチュエータ部を駆動してレンズ部の焦点距離を制御することで、被加工部材の加工(例えば、穴あけ加工等)を行っている。したがって、この種のレーザ加工装置の加工精度は、焦点距離の制御精度により決定される。
特開2005−324248号公報
ところで、従来のレーザ加工装置では、装置構成を小型化するために、レーザ光の経路の径方向に近接して押圧部が配置されている。このため、レーザ出力部から出力されたレーザ光により押圧部が加熱され、その熱がレンズ部に伝わることにより、レンズ部が熱膨張する。
この結果、熱膨張により液体の体積が増加し、レンズ部の形状が変化するため、所望の焦点距離となるようにレンズ部を押圧部で押圧しても所望の焦点距離が得られず、レーザ加工の加工精度が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、熱膨張による焦点距離の変化を抑制し、レーザ加工の加工精度が良いレーザ加工装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた第一発明のレーザ加工装置において、レンズ部は、弾性を有した薄板で形成された密閉容器に、レーザ光を透過する液体を封入することで形成されており、レーザ出力手段が出力するレーザ光の経路上に配置されている。
そして、本発明のレーザ加工装置では、アクチュエータ部が、レンズ部でのレーザ光が照射される位置の周辺を、開口を有する筒状に形成された押圧部で押圧することにより、レンズ部の焦点距離を変化させる。
なお、ここでいう筒状部とは、中空棒状であり、かつ無蓋無底の形状を示す。
また、本発明のレーザ加工装置では、レーザ出力手段から出力されたレーザ光がアクチュエータ部に到達することを阻止する遮光板が、アクチュエータ部とは非接触となる位置に配置されている。更に、その遮光板には、レーザ出力手段からのレーザ光を、押圧部の開口を介してレンズ部に到達させるための貫通孔が形成され、しかも、その貫通孔は、押圧部の開口よりも小さく形成されている。
つまり、本発明のレーザ加工装置では、レーザ出力手段から出力されたレーザ光がアクチュエータ部に到達することを遮光板が阻止した上で、貫通孔を通過した一部のレーザ光が、押圧部と接触することなくレンズ部に到達するようにされている。
したがって、本発明のレーザ加工装置によれば、レーザ出力手段からのレーザ光がアクチュエータ部に直接照射されることが無いため、アクチュエータ部の温度上昇、ひいては、アクチュエータ部を介してレンズ部に伝わる熱によるレンズ部の温度上昇を抑制できる。
この結果、熱膨張によるレンズ部の焦点距離の変化を抑制し、レーザ加工の加工精度を向上させることができる。
さらに、本発明のレーザ加工装置では、アクチュエータ部を介してレンズ部に伝わる熱量を低減できるため、レンズ部の密閉容器を小さくする(より具体的には、レンズ部の厚みのみを小さくすることで密閉容器の容量を小さくする)ことで、封入される液体の量を低減しても良い。
このレンズ部によれば、レンズ部の厚みが小さいことにより、レンズ部を通過するレーザ光と液体との接触面積が小さくなり、レーザ光から直接レンズ部に伝わる熱量を低減することができる。したがって、このレンズ部が適用されたレーザ加工装置によれば、レーザ加工の加工精度をより向上させることができる。
また、本発明のレーザ加工装置において、遮光板は、レーザ出力手段が出力するレーザ光の照射領域を包含する大きさ、および形状を有することが望ましい。
この遮光板を備えたレーザ加工装置によれば、レーザ光がアクチュエータ部に到達することを確実に防止できる。したがって、本発明のレーザ加工装置によれば、アクチュエータ部の温度上昇を抑制することができ、レーザ加工の加工精度をより向上させることができる。
また、遮光板がレーザ光の当たる部位(即ち、照射領域)よりも大きなものである場合、照射領域とレーザ光が当たらない部位(即ち、非照射領域)とが形成されるため、照射領域の温度が上昇するものの、非照射領域から放熱され、放熱効果が維持される。したがって、このような遮光板を備えたレーザ加工装置によれば、遮光板を介してアクチュエータ部に伝わるレーザ光の熱を抑制するため、アクチュエータ部の温度上昇をより小さなものとすることができる。
特に、遮光板の外径は、レーザ光の径の3倍以上であることが望ましい。
また、本発明のレーザ加工装置では、遮光板がアクチュエータ部の外周面を覆うように形成されていても良い。
このように形成された遮光板によれば、レーザ加工装置の装置構成を大きくすること無く、放熱のための表面積を広げることができるため、高い放熱効果を得ることができる。このため、本発明のレーザ加工装置によれば、アクチュエータ部の温度上昇をより小さなものとすることができ、結果として、レンズ部の温度上昇を抑制することができる。
さらに、本発明のレーザ加工装置では、遮光板が押圧部の開口を形成する内周壁に沿って形成された筒状の部位である筒状部を備えていても良い。
このように構成されたレーザ加工装置では、レーザ光と内周壁との間に遮光板が位置することとなる。したがって、本発明のレーザ加工装置によれば、レーザ光の熱を遮光板が吸熱するため、レーザ光の熱が押圧部に伝わることを抑制でき、この結果、アクチュエータ部を介してレンズ部に伝わる熱量を低減させることができる。
なお、本発明のレーザ加工装置において、筒状部は、レンズ部と非接触となる位置に配置されていることが望ましい。
本発明のレーザ加工装置によれば、レーザ加工装置の使用中(即ち、アクチュエータ部がレンズ部の焦点距離を変更した場合)にレンズ部が遮光板と接触することがないため、遮光板から直接レンズ部に熱が伝わることを防止でき、レンズ部の温度上昇を抑制することができる。
また、本発明のレーザ加工装置における遮光板は、銅製であることが望ましい。
本発明のレーザ加工装置によれば、熱伝導性の良い銅を用いて遮光板を形成することにより、照射領域の熱を直ちに非照射領域に伝えて放熱するため、アクチュエータ部に伝わる熱量を低減させることができる。このため、アクチュエータ部の温度上昇を抑制することができる。
さらに、本発明のレーザ加工装置では、遮光板の貫通孔がレーザ出力手段が出力するレーザ光の照射領域よりも大きく形成されていても良い。
特に、本発明のレーザ加工装置において、遮光板の貫通孔の径は、レーザ出力手段が出力するレーザ光の径の3倍以上であることが望ましい。
ここで、図6は、本発明の発明者らが行った実験の結果に基づき、押圧部の開口内におけるレーザ光のビーム強度分布を模式的に示した説明図である。この図6に示すように、押圧部の開口を通過するレーザ光のビーム強度(即ち、エネルギ量)は、開口中心において最大となり、内周壁に近づくにつれて減少するような分布の形状となっている。
なお、ここで言う開口中心とは、内周壁の対向するそれぞれの位置から均等な距離の位置であり(例えば、開口の形状が円形であった場合の円の中心)、ここで言うレーザ径とは、レーザ光の光軸に対して直交する面でビーム強度を測定した場合、最大ビーム強度の13.5%となる位置間の距離(即ち、レーザ光の幅)である。
そして、図6に示すように、開口中心からレーザ径の3倍の距離となる位置(図中、内周壁の位置)では、レーザ光のビーム強度は、小さな値となり、その値を0とみなすことができる。つまり、開口中心からレーザ径の3倍の距離となる位置では、レーザ光から受ける熱エネルギの影響は小さいといえる。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
〈装置構成について〉
図1は、本発明を適用したレーザ加工装置の構成を示した概略図である。
レーザ加工装置1は、レーザ光100を出力するレーザ出力部5と、レーザ出力部5から出力されたレーザ光100の経路、およびレーザ径を変更するための光学部材10と、レーザ光100を集光する集光レンズ15と、焦点距離を変更可能な可変焦点レンズ装置50と、可変焦点レンズ装置50を覆う遮光板80(図2参照)と、を備えている。
つまり、レーザ加工装置1では、レーザ出力部5から出力されたレーザ光100が、光学部材10を経由して可変焦点レンズ装置50を通過し、集光レンズ15を介して金属材料等の被加工部材20に照射され、被加工部材20にレーザ加工が施される。
なお、レーザ径とは、ガウシアンビームの伝播によって導き出され、TEM00モードで発振しているレーザ光のエネルギ量をレーザ光の光軸に対して直交する面で測定した場合、最大エネルギの13.5%となるレーザ光の幅である。
そして、レーザ出力部5は、レーザ発振器を所定の周波数で発振することにより、被加工部材20を加工するために予め規定された波長のレーザ光を出力する周知のものである。具体的に、本実施形態では、レーザ光100としてYAG基本波(波長1064nm)の第二高調波であるSHG(波長532nm)を出力する。
また、光学部材10は、レーザ出力部5から出力されたレーザ光100を被加工部材20に向けて反射する反射ミラー11と、可変焦点レンズ装置50に入射するレーザ光100が予め決められたレーザ径(本実施形態では、レーザ径を3mmとする)となるように、反射ミラー11で反射されたレーザ光100のレーザ径を変更するための変更レンズ12(より具体的には、エキスパンダレンズ)と、を備えている。
そして、集光レンズ15は、可変焦点レンズ装置50を透過したレーザー光を、被加工部材20上に集束する光学レンズである。
〈可変焦点レンズ装置について〉
図2は、レーザ加工装置1に用いられた可変焦点レンズ装置50の概略構成を示す説明図である。
可変焦点レンズ装置50は、焦点距離を変更可能に構成されたレンズ部60と、レンズ部60の焦点距離を変更するための外力を発生するアクチュエータ部70と、を備えており、レンズ部60、およびアクチュエータ部70は、ハウジング55内に収納されている。
まず、レンズ部60は、環状に形成された円形リング63と、円形リング63を挟み込むように配置され、ガラスによって円板状に形成された第一透明板61、および第二透明板62と、レンズ部60の剛性を保つための保持基板64と、を備えている。そして、円形リング63に第一透明板61、第二透明板62を固定することで形成された密閉空間に、レーザ光100を透過する動作流体65が封入されている。
円形リング63は、ガラスによって形成されている(本実施形態では、外径20mm、内径16mm、板厚1.0mmとする)。
また、第一透明板61、および第二透明板62は、外力を受けて弾性変形する厚さ、かつ円形リング63の外径と同じ外径に形成されたものであり、円形リング63のレーザ出力部5に近い一端面に、それぞれの外周が一致するように第一透明板61が固定され、円形リング63の集光レンズ15に近い他端面に、それぞれの外周が一致するように第二透明板62が固定されている。ただし、本実施形態では、第一透明板61、第二透明板62共に、外径20mm、板厚0.1mmに形成されている。
さらに、保持基板64は、円形リング63の外径と同じ外径の環状に形成され、レンズ部60の剛性を保つために予め規定された板厚、およびレンズ部60をレンズとして機能させる際、所望の範囲の曲率(即ち、焦点距離)となるように予め規定された内径を有している(本実施形態では、外径20mm、内径10mm、板厚1.0mmとする)。
なお、本実施形態では、動作流体65として、第一透明板61、第二透明板62を形成するガラスとほぼ同じ屈折率であるシリコンオイルが用いられている。
以上説明のように、第一透明板61と、第二透明板62と、円形リング63と、動作流体65と、によりレーザ光を透過するレンズが形成されている。
また、アクチュエータ部70は、レンズ部60を押圧する押圧パイプ71と、押圧パイプ71を駆動するための駆動力を発生する圧電バイモルフ72、73、74、75と、圧電バイモルフ72、73、74、75を支持する複数の支柱76と、を備えている。
押圧パイプ71は、ステンレス鋼により、変更レンズ12を通過することで変更されたレーザ径の3倍の開口径(即ち、内径)を有する円筒形状(本実施形態では、開口径を9mmとする)に形成され、円筒の開口中心と第一透明板61の中心とが一致するように、第一透明板61の一端面に固定されている。
そして、支柱76は、ステンレス鋼により棒状に形成され、第一透明板61の外周付近に等間隔に固定されている。なお、本実施形態では、6つの支柱76が60度の間隔で配置されている。
また、圧電バイモルフ72、73、74、75は、バネ弾性を有する環状薄板の両面に、圧電材料(本実施形態では、PZT[チタン酸ジルコン酸鉛])からなる環状の圧電板が接合されたものである。そして、圧電バイモルフ72、73、74、75は、それぞれの内周側が押圧パイプ71の外周壁に、それぞれの外周側が支柱76に固定されている。
つまり、アクチュエータ部70は、押圧パイプ71、及び支柱76を介して圧電バイモルフ72、73、74、75に電圧が印加されるように構成されており、圧電バイモルフ72、73、74、75に電圧を印加することで、押圧パイプ71をレーザ光の照射方向に沿う方向に駆動する。そして、押圧パイプ71が第一透明板61を押圧することで、レンズ部60の形状(より具体的には、集光レンズ15と対向する面)が凸状に変化する。また、押圧パイプ71が第一透明板61を持ち上げることで、レンズ部60の形状(より具体的には、集光レンズ15と対向する面)が凹状に変化する。
したがって、可変焦点レンズ装置50と集光レンズ15とを一つのレンズ機構とみなした時の焦点距離は、レンズ部60の形状が凸状であれば長くなり、レンズ部60の形状が凹状であれば短くなる。
なお、圧電バイモルフ72、73、74、75に電圧を印加し、押圧パイプ71を制御する制御部(図示せず)は、周知のものであるため、ここでの説明を省略する。
また、ハウジング55は、変更レンズ12と対向する上面に、押圧パイプ71の径よりも大きな径の円形状の上面開口を有した断面形状「コ」の字型のケースであり、上面開口の中心と押圧パイプ71の中心とが一致した上で、レンズ部60およびアクチュエータ部70と非接触となるように配置されている。
〈遮光板について〉
次に、遮光板80について説明する。
遮光板80は、可変焦点レンズ装置50の上面を覆う本体部81と、押圧パイプ71の内周壁を覆う筒状部82と、可変焦点レンズ装置50の外周を覆う突出部83と、を備え、その全体が銅を用いて形成されている。
本体部81は、可変焦点レンズ装置50(即ち、ハウジング55)の上面を完全に覆うように形成された円板状の部位であり、レーザ光100が通過してレンズ部60へ到達するための貫通孔を有している。また、筒状部82は、押圧パイプ71の開口径よりも小さな径の円筒状の部位であり、本体部81の貫通孔に沿った端部に延設されている。そして、突出部83は、可変焦点レンズ装置50(即ち、ハウジング55)の外径よりも大きな径の円筒状の部位であり、本体部81の外周に沿った端部から、筒状部82と同じ方向に向けて延設されている。
なお、遮光板80は、貫通孔の中心と押圧パイプ71の中心とが一致した上で、ハウジング55に固定されている。つまり、レーザ光100の経路と押圧パイプ71との間に筒状部82が配置され、アクチュエータ部70の外側に突出部83が配置されている。
このレーザ加工装置1では、レーザ出力部5から出力されたレーザ光100は、反射ミラー11で光路を変更し、変更レンズ12を通過することにより所望のレーザ径となる。さらに、レーザ径を変更されたレーザ光100は、遮光板80の貫通孔を通過し、押圧パイプ71内に配置された遮光板80の筒状部82内を通過し、アクチュエータ部70を駆動することで所望の焦点距離に調整されたレンズ部60へと到達する。そして、レンズ部60を通過したレーザ光100は、集光レンズ15を通過して被加工部材20へと到達する。
したがって、焦点距離を調整したレーザ光100が照射された被加工部材20には、穴あけ加工などのレーザ加工が施される。
〈本実施形態の効果〉
以上説明したように、本実施形態のレーザ加工装置1では、押圧パイプ71の開口径を
レーザ光100のレーザ径の3倍としている上に、アクチュエータ部70を覆うように遮光板80が配置されている。
このため、本実施形態のレーザ加工装置1によれば、レーザ光100の熱が押圧パイプ71に伝わることを抑制することで、アクチュエータ部70を介してレンズ部60に伝わる熱量を低減することができる。この結果、レンズ部の熱膨張が小さなものとなり、熱膨張による焦点距離の変化が抑制されるため、レーザ加工の加工精度を向上させることができる。
ここで、図3、図4、図5は、本発明の発明者らが行った実験の結果を示すグラフである。
なお、図3に示すグラフは、押圧パイプ71の開口を通過するレーザ光のエネルギ強度(即ち、エネルギ量)と開口内の位置との関係を、レーザ光のレーザ径、およびエネルギ量を用いてまとめたものである。ただし、本グラフにおけるエネルギ強度とは、照射されたレーザ光のエネルギ量の最大値が1となるように設定された比率である。
そして、図3に示すように、開口を通過するレーザ径を押圧パイプ71の開口と同一な径(図中φ9)とした時(以下、この径のレーザ光を大径レーザ光とする)には、開口中心付近でエネルギ強度が1に近い大きな値であり、押圧パイプ71の内周壁近傍においても0.4程度のエネルギ強度が計測されている。これに対し、開口を通過するレーザ径を押圧パイプ71の開口における径の1/3(図中のφ3)とした時(以下、この径のレーザ光を小径レーザ光とする)には、開口中心付近ではエネルギ強度が1に近い大きな値であるものの、押圧パイプ71の内周壁近傍ではエネルギ強度が0に近い小さな値であるといえる。
つまり、押圧パイプ71の開口を大径レーザ光が通過する場合に比べて、小径レーザ光が通過する場合には、レーザ光から押圧パイプ71の内周壁に伝わる熱量は、極めて小さくなるといえる。
また、図4(A)に示すグラフは、押圧パイプ71の開口を通過するレーザ光を小径レーザ光とした時にアクチュエータ部70内の各計測位置(グラフ中の位置0が開口中心、位置4.5mmが押圧パイプ71の内周壁、4.5mmよりも大きな位置は、圧電バイモルフが配置されている位置)での上昇温度を表したものであり、図4(B)に示すグラフは、押圧パイプ71の開口を通過するレーザ光を大径レーザ光とした時にアクチュエータ部70内の各計測位置での上昇温度を表したものである。
図4(A)、(B)に示すように、開口を通過するレーザ光が小径レーザ光である場合の押圧パイプ71の内周壁の温度は、開口を通過するレーザ光が大径レーザ光である場合に比べて、15度ほど低い。さらに、アクチュエータ部内(即ち、圧電バイモルフが配置されている位置)の温度も、開口を通過するレーザ光が小径レーザ光である場合には、開口を通過するレーザ光が大径レーザ光である場合に比べて低くなる。
これらのことから、押圧パイプ71の開口径をレーザ径の3倍とすることにより、前述のように押圧パイプ71やアクチュエータ部70内に熱が伝わることを抑制することができる。
また、図5に示すグラフは、遮光板の有無によるアクチュエータ部70内の温度の違いを示すものであり、照射時間0がレーザ光の照射を開始した時である。
この図5のグラフに示すように、遮光板が配置されている時には、配置されていない時に比べて、アクチュエータ部70内の温度上昇を抑制することができる。つまり、遮光板を配置することにより、前述のようにアクチュエータ部70を介してレンズ部60に伝わる熱量を低減することができる。
〈他の実施形態〉
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、本実施形態における遮光板80は、本体部81と、筒状部82と、突出部83と、を備えているが、これに限るものではない。つまり、遮光板は、突出部83が省略されていても良いし、筒状部82が省略されていても良いし、本体部81のみからなるものでも良い。なお、遮光板80には、その表面から外側(即ち、遮光板が固定された時に可変焦点レンズ装置50が位置しない側)に向けてフィンやヒートパイプが設けられていても良い。
また、遮光板80の貫通孔は、レーザ径の3倍以上の径を有するように形成されていてもよい。この場合、レーザ光から遮光板80に伝わる熱量が0に近くなるため、アクチュエータ部70を介してレンズ部60に熱が伝わることを確実に防止することができる。
さらに、押圧パイプ71の開口径がレーザ径の3倍以上である場合には、遮光板80そのものが省略されていても良い。なお、遮光板80自体がハウジング55を形成してもよい。
また、本実施形態におけるレーザ加工装置1では、レーザ出力部5から照射されたレーザ光100が変更レンズ12を通過することにより、予め規定されたレーザ径となるようにされているが、絞り機構などを用いることでレーザ加工装置1の使用者がレーザ径を調整可能なように構成しても良い。具体的には、マスク等を用いることができる。
さらに、本実施形態では、レーザ径に合わせて押圧パイプ71の開口径を決定したが、これに限るものではない。例えば、可変焦点レンズ装置50の大きさによって押圧パイプ71の開口径を決定しても良し、押圧パイプ71の開口径に応じてレーザ径を変化させても良い。つまり、開口を通過するレーザ光のレーザ径が押圧パイプ71の開口径の1/3であればよい。
なお、押圧パイプ71の開口を通過するレーザ光100の経路は、遮光板80と接するものでも良い。ただし、この場合、遮光板80(より正確には筒状部82)と押圧パイプ71とが十分な距離(望ましくはレーザ径の2倍以上)を有していることが望ましい。つまり、レーザ光100のレーザ径が貫通孔の径よりも大きい場合には、遮光板80が絞り機構と同様の役割を果たしても良い。
また、レーザ加工装置1は、図7に示すように、動作流体65の温度を計測する温度計測部105と、温度計測部105での温度計測の結果に基づき、レンズ部60の歪みを補正するための補正値を算出し、補正値に従って押圧パイプ71を駆動する制御部110と、を備えていても良い。
このように構成されたレーザ加工装置であれば、レンズ部60の温度が変化しても、押圧パイプ71に加える力を制御することで、所望の焦点距離を維持することができる。
また、本実施形態における押圧パイプ71は、ステンレス鋼によって形成されているが、ステンレス鋼よりも断熱性の高い素材によって形成されていても良い。
さらに、遮光板80は、銅製でなくとも良い。つまり、レーザ光の通過を阻止することが可能であり、放熱性の高い材料であれば良い。
なお、本実施形態におけるレーザ加工装置1では、穴あけ加工などを行うものとしたが、レーザ溶接や切断加工等のレーザ加工を行うレーザ加工装置であっても良い。
レーザ加工装置の概略構成を示す説明図である。 レーザ加工装置に用いられる可変焦点レンズの概略構成を示す説明図である。 押圧パイプの開口内におけるレーザ光の強度の分布を照射されるレーザ径で分類したグラフである。 レーザ光が照射された時のアクチュエータ部内の温度を開口中心からの距離によって計測したグラフである。 遮光板の有無よる温度変化を調べた実験結果である。 押圧部内におけるレーザ光のレーザ強度の分布を模式的に示した模式図である。 変形例の一例を示す説明図である。
符号の説明
1…レーザ加工装置 5…レーザ出力部 10…光学部材 11…反射ミラー 12…変更レンズ 15…集光レンズ 20…被加工部材 50…可変焦点レンズ装置 55…ハウジング 60…レンズ部 61…第一透明板 62…第二透明板 63…円形リング 64…保持基板 65…動作流体 70…アクチュエータ部 71…押圧パイプ 72…圧電バイモルフ 76…支柱 80…遮光板 81…本体部 82…筒状部 83…突出部 100…レーザ光 105…温度計測部 110…制御部

Claims (8)

  1. レーザ光を出力するレーザ出力手段と、
    弾性を有した透明な薄板で形成された密閉容器に、レーザ光を透過する液体を封入することで形成され、レーザ光の経路上に配置されたレンズ部と、
    開口を有する筒状に形成された押圧部を有し、前記レンズ部でのレーザ光が照射される位置の周辺を前記押圧部で押圧して、前記レンズ部の焦点距離を変化させるアクチュエータ部と、
    前記アクチュエータ部とは非接触となる位置に配置されると共に、前記レーザ出力手段からのレーザ光を、前記押圧部の開口を介して前記レンズ部に到達させるための貫通孔が形成され、前記レーザ出力手段から出力されたレーザ光が前記アクチュエータ部に照射されることを阻止する遮光板と、
    を備え、前記遮光板の貫通孔の径は、前記押圧部の開口の径よりも小さいことを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記遮光板は、前記レーザ出力手段が出力するレーザ光の照射領域を包含する大きさ、および形状を有することを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記遮光板は、前記アクチュエータ部の外周面を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記遮光板は、前記押圧部の開口を形成する内周壁に沿って形成された筒状の部位である筒状部を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  5. 前記筒状部は、前記レンズ部と非接触となる位置に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のレーザ加工装置。
  6. 前記遮光板は、銅製であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  7. 前記遮光板の貫通孔は、前記レーザ出力手段が出力するレーザ光の照射領域よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  8. 前記遮光板の貫通孔の径は、前記レーザ出力手段が出力するレーザ光の径の3倍以上であることを特徴とする請求項7に記載のレーザ加工装置。
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