JP4709766B2 - 細胞バイオマスからポリヒドロキシアルカノエート(pha)を回収する方法 - Google Patents

細胞バイオマスからポリヒドロキシアルカノエート(pha)を回収する方法 Download PDF

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Description

本発明は、環境に攻撃的でない非ハロゲン化溶媒を利用することにより、細菌湿潤バイオマスからのポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の抽出および回収に産業上適していることが既に証明されている工程について言及する。この工程は、一般にサトウキビを用いる糖およびアルコール産業に由来する再生可能な原料およびエネルギー源を用いることにより、高純度および高分子量のポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を得ることができる。
環境に攻撃的でない工程を通して、再生可能な原料およびエネルギー源を用いることにより、生分解性および生体適合性の物質を生産する必要性が世界中の産業で現在知られている。
現代社会において、大規模なプラスチック物質の使用は技術開発の歴史に足跡を残したが、これらの物質の増大する利用は深刻な環境問題の多様化につながっている。石油化学由来のプラスチック樹脂の産業の場合、年間生産量は約2億トンである。これらの物質は、非常に自然分解されにくく、主に大都心周辺の廃棄区域に急速に蓄積する。これらの問題を鑑みて、生分解性プラスチック樹脂の開発、主として再生可能資源を使用する清浄技術を用いて生産されるものは、全世界的な注目を受けてきた。これらの事実の関連を考慮すると、これらの新規物質を使用する市場潜在力は膨大である。より大きな成功の可能性を市場にもつ、これらの生分解性生重合体の適用は、使い捨て物質などの製品、例えば、包装、化粧品および有毒な農薬の容器、医薬品などを含む。
重要な生分解性生重合体の一群はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)であり、これは多数の生物により天然で合成されるポリエステルである。文献に記載される170超の典型があり、PHAの商業的関心は、生分解性だけでなく、それらの熱機械的性質および生産費にも直接関係する。このように、PHAのあるものだけが産業上の利用を見出し、最たる典型は、PHB(ポリ−3−ヒドロキシブチレート)、PHB−V(ポリ(ヒドロキシブチレート−コ−ヒドロキシバリレート))、P4HB(ポリ(4−ヒドロキシブチレート))、P3HB4HB(ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−4−ヒドロキシブチレート))および幾つかのPHAmcl(中鎖のポリヒドロキシアルカノエート)であり、この最後の仲間の典型がPHHx(ポリヒドロキシヘキサノエート)である。
PHAの化学構造は、下記の単位:
Figure 0004709766
の反復により形成される重合体鎖として記載されうる。式中、Rは可変長のアルキル基またはアルケニル基であり、mおよびnは整数であり、上記の重合体において、Rおよびmは下記の値を想定する。
PHB:R=CH3、m=1
PHB−V:R=CH3またはCH3−CH2−、m=1
P4HB:R=H、m=2
P3HB−4HB:R=HまたはCH3、m=1または2
PHHx:R=CH3−CH2−CH2−、m=1
大半のPHAは、優良な加工のために大幅な改変を要することなく、従来の押し出しおよび射出の設備で加工されうる。例えば、食品産業用の包装物質として用いられるキャストおよび被覆用フィルム・システムにおいてこの重合体を加工することがもちろん可能である。
これらの重合体の開発段階の機能として、短期使用および軽量の個人衛生製品用の包装を生産するためにこれらを使用することが可能である。これらは、農薬、エンジン・オイル、使い捨てオムツなどの容器および包装を製造するためにも使用できる。さらに、生分解性の固有特性が必要な場合、PHAは、ゴミ袋、ゴルフのティー、魚釣り品および野外でのプラスチック物質の処理と直結する他の製品など、明確な技術および商業の局面に従って適用できる。
農産業において、PHAは、植木鉢、森林再生管(reforestation tube)、温室および被覆フィルム、ならびに主として放出制御系の栄養素、肥料、除草剤および殺虫剤に適用され得る。生物医学的応用のため、PHAは、それらの全面的な生体適合性および外来物体(strange body)の存在に対する受容生物からの小反応により、放出制御のマイクロカプセル化薬、医学的縫合および骨折用の固定ピンに使用され得る。さらに、非常に遅いが連続的で完全なインビボ生分解速度で、PHAは再吸収性人工器官用の基本的構造として適用される優れた潜在能力を提示する。
過去20年の自然科学、とりわけ生物工学の大きな発展は、PHAの商業生産において最大限に異なる天然生物または遺伝子操作された生物の使用を可能にした。内部にこれらの重合体の過剰量を生産し蓄積できる特定された細菌株の使用は本発明にとりわけ関連がある。高い細胞密度、高い細胞内重合体含量および産業プロセスと適合する収率に達することができる特定の条件下に培養して、これらの細菌株は、サトウキビ、糖蜜または加水分解セルロース抽出物などの異なる再生可能な原料を使用することができる。
米国特許第3107172号で開示されるように、成形可能な物質として(PHA可溶化剤を使用せずに)天然の細菌細胞に適用するための試みがなされてきたが、PHAの商業的応用は、ほとんどの場合、所望のプラスチックの性質を得るために十分に高い純度を要する。生重合体、特にPHAを加工するための純度の適切なレベルに達するために、抽出溶媒の利用および残余バイオマスからのPHAの回収が必須である通常必要な段階がある。
特許EPA−01455233 A2において、非PHA細胞性物質を可溶化するために酵素および/または界面活性剤を用いる、PHAを含む細胞の水性懸濁液の消化を実施するための幾つかの可能性が記載されている。この特許は、溶媒を使用する工程への見込まれる制限として、大量の溶媒を必要とするため、高い生産費がかかるという事実に言及している。それにもかかわらず、溶媒段階は、高純度の産物が望ましい場合、省くことができないと述べている。さらに、この工程で使用される酵素は比較的少量(乾燥細胞物質に関して1%)で添加されるが、この酵素は、溶媒が使用される際に起きることに反して、非常に高価でありこの工程中に回収できない。また、細胞性物質の高希釈が必要であり、これはこの工程で生成する多量の流出をもたらす。
通常提示される抽出工程は、基本的に、生重合体を含む乾燥または湿潤の細胞バイオマスを、それを可溶化する溶媒と活発な接触に曝す工程にあり、次に細胞残渣が分離される段階が続く。次いで、生重合体を含む溶液は不溶化剤の添加を受け、これは溶媒での沈降を誘導する(例えば、1991年7月16日に出願され、1993年2月24日に公開されたブラジル特許PI 9103116−8を参照せよ)。
細菌バイオマスからのPHAの抽出および回収についての文献でしばしば引用される有機溶媒による抽出工程において、利用される溶媒は、クロロホルム(特許US−3275610)、メチレン−エタノール・クロライド(US−3044942)、65から170℃の範囲内の沸点を有するクロロエタンおよびクロロプロパン、1,2−ジクロロエタンおよび1,2,3−トリクロロプロパン(特許EP−0014490 B 1およびEP2446859)などの部分ハロゲン化炭化水素である。
ジクロロメタン、ジクロロエタンおよびジクロロプロパンなどの他のハロゲン化化合物が、米国特許第4,562,245号(1985)、第4,310,684号(1982)、第4,705,604号(1987)、および欧州特許036.699(1981)およびドイツ特許239.609(1986)で引用されている。
ハロゲン化溶媒を利用するバイオマスからの生重合体の抽出および精製の工程は、環境およびヒトの健康に極めて攻撃的であるため、現在では全面的に禁止されている。従って、細胞バイオマスからの生重合体の可能な抽出剤として使用される溶媒は第一に環境に悪性でないという条件を満たすべきである。
この意味において、ブラジル特許PI9302312−0(1993年に出願され、2002年4月30日に特許付与された)は、溶媒として3炭素の長鎖アルコール又はそれらに由来するアセテートを利用する細菌バイオマスからの生重合体の抽出工程を提示している。この特許は、イソアミルアルコール(3−メチル−1−ブタノール)、アミルアセテート(もしくはアミル−酢酸エステル)およびフーゼル油、アルコール発酵の副産物として得られ、イソアミルアルコールの主成分として含む高アルコールの混合物を選り好む。この特許は、抽出剤および精製剤として単一溶媒を使用し、不溶化剤またはカウンター溶媒(counter−solvent)および/または生産性の低い非溶媒(marginal non−solvent)の利用を必要としないことにも特徴がある。PHA溶液の溶質(生重合体)の沈降は溶液の冷却により行われる。
米国特許第6,043,063号(1998年4月14日に出願され、2000年3月28日に特許付与された)、米国第6,087,471号(1998年4月14日に出願され、2000年6月11日に特許付与された)および国際特許出願WO−98/46783(1997年4月15日に出願された)は、バイオマスから生重合体を抽出するための溶媒として潜在的に使用されうる非ハロゲン化溶媒の広範な列挙を開示しているが、それらの多くは、高い費用に加えて、困難な産業上の取り扱い、毒性などの特徴を提示する。この広範な列挙では、ブラジル特許PI9302312−0で引用される溶媒も含み、生重合体との不適合性に関する問題により、または毒性、爆発性、また高費用により、少数の溶媒のみが植物または細菌のバイオマスから生重合体を抽出するために産業的に使用される潜在能を有する。さらに、1996年8月16日にブラジルで出願され、1999年7月6日に公開されたブラジル特許PI96102256は、植物または細菌のバイオマスから生重合体を抽出するために役立つ有望な溶媒として、鉱物油および植物油、とりわけ(超臨界および高価な抽出技術の)炭素ガスを含む一方で、ヒトの健康に極めて有害な化合物を含むため、さらにより選択的である。同時に、この特許は健康および環境に潜在的に有害な溶媒を回避する必要性を意図している。
生重合体は熱感受性であるため、即ち、所定の値を上回る温度が与えられると、生重合体は不可逆的に分解し、分子量が減少し、最終的に熱可塑性として特徴付けられる性質に影響を及ぼし得るため、産業的に使用される潜在能を有する溶媒の列挙はさらにより制限されることに留意することが必要である。
生重合体の抽出を促進するために選択される溶媒の産業的利用の潜在能は、その分子量に有意な変化をもたらすことなく生重合体を抽出できる適切な工程と結び付くならば、増大するであろう。とりわけ、生重合体を可溶化するために70℃を超えて加熱される必要がある溶媒の場合、処理中のこの温度に曝されたままの時間が長いほど、より分解するであろう。この事実はその熱可塑性を取り返しのつかないほど損ない得る。PHAが抽出工程中に受ける変化が少ないほど、その可能な商業的利用の範囲が広くなるであろう。
文献で教示されるように、生重合体、特にPHAの分解速度はゼロ次反応に従う(例えば、the master’s degree thesis: Berger, E., 「Elaboration des techniques de separation pour des biopolymeres d’origine bacterienne: les acides poly−β−hydroxyalcanoiques’」 Departement de Genie Chimique−Ecole Polytechnique−Universite de Montreal, Canada, 1990, pages 72−75を参照せよ)。その分子量の、温度Tにおいてさらされた時間に対する分解化dMW/dtとして、この分解を定義する方程式は:
(dMW/dt)T=k (1)
である。
式中:
kは所定温度Tでの所定溶媒の定数である。
従って、方程式(1)が0からtの時間間隔で積分される場合、
MWT=k.t+MWo (2)となる。
式中:
MWTは、所定温度Tについて溶媒中Sで抽出時間tが経過した後の生重合体の分子量であり;
MWoは、抽出にかけられる前の時間t=0でのバイオマスに含まれる生重合体の分子量であり;
kは、所定温度Tおよび溶媒Sについての比例定数である。
一例として、乾燥基準で70%のPHBを含む乾燥アルカリゲネス・ユートロファス(Alcaligenes eutrophus)の20gのバイオマスを110℃で1500gのイソアミルアルコール(工業用等級)と混合し、該バイオマスから不溶性粒子を除去するために該混合物を異なる時間の抽出および濾過にかける。得られるPHB溶液は次いで30℃まで急速に冷却しPHBの沈降を保証する。続いて、濾過され、溶媒が完全に除去されるまで、室温で風乾する。次いで、PHBは、GPC技術により(ゲル透過クロマトグラフィ)分子量評価にかけられ、線形回帰による数学的調製の後、以下の分解の方程式が得られる。
MWT=−9753.81.t+1,000,000、 R2=0.98 (3)
式中、
MWTは110℃のイソアミルアルコール抽出後のダルトンでのポリヒドロキシブチレートの分子量であり;
Tは110℃のイソアミルアルコールの抽出温度にポリヒドロキシブチレートを暴露する分の時間であり;
Rは調整の方程式と実験点の相関係数である。
従って、方程式(3)から、我々は、本来1,000,000Daの分子量を含み、110℃のイソアミルアルコール抽出にかけられるポリヒドロキシブチレートが、5分の時間で951,230Daの分子量;15分の暴露で853,692Da;30分の暴露で707,410Da;60分で414,771Da;および90分で122,230Daになるであろうことが分かる。
抽出に加えて溶媒の蒸発および乾燥などの他の操作が優れた機械的性質を有する純粋な産物を得るために必要であること、並びにこれらの操作が該物質に関する危機的状況に生重合体を何度も暴露することを考慮すると、この種類の物質を処理する固有の困難を推測することは難しくない。溶媒に加えて、該産物を熱分解しない適切な工程を有することが望ましい。
従って、例示として、米国特許第6,043,063号で述べられた溶媒及び括弧内の摂氏でのこれらの個々のPHA抽出温度が下記に列挙される:酪酸エチル(120℃)、プロピオン酸プロピル(118℃)、酢酸ブチル(120℃)、プロピオン酸ブチル(123℃)、酢酸テトラヒドロフルフリル(121℃)、プロピオン酸メチル(75℃)、ノルマル−吉草酸メチル(115℃)、1−ブタノール(116℃)、2−メチル−1−ブタノール(117℃)、3−メチル−1−ブタノール(125℃および126℃)、1−ペンタノール(125℃および126℃)、3−ペンタノール(115℃)、アミルアルコール(128℃)、1−ヘキサノール(134℃)、エチレングリコール二酢酸(137℃)、テトラヒドロフルフリルアルコール(117℃)、メチル−アミル−ケトン(120℃)、メチル−イソブチル−ケトン(115℃)、アセトフェノン(110℃)、1,2−ジアミノプロパン(115℃)、アルファ−メチルスチレン(126℃)、ジメチルスルホキシド(117℃)、プロピレンカーボネート(110℃)、1,2,3−トリメチル−ベンゼン(121℃)、ジメチルアセタミン(90℃)およびジメチル−ホルムアミド(90℃)。これらの溶媒は、生重合体の熱分解への暴露がほとんど起きない効果的な工程と結び付く場合のみ、産業上使用される潜在能を有するであろう。しかしながら、得られる物質の性質、特に産物の分子量に関する性質には言及されていない。
このPHA抽出様式の産業上の実現可能性に関する他の関連する事項として、これが高エネルギーを消費する工程であるため、産物の実現可能性が低費用の再生可能なエネルギー源の利用可能性にも密接に関係していることを心に留めるべきだということである。
上記の因子全てを考慮すると、一般に、PHAの生分解性および持続可能性の性質は、石油化学産業の伝統的な重合体より高値であることを正当化し得るが、これら価格が市場に取り込まれる可能性は非常に限られている(Braunegg G, Lefebvre G, Genser FK (1998) Polyhydroxyalkanoates, biopolyesters from renewable resources: Physiological and engineering aspects. J. Biotech. 65: 127−161)。
従って、PHAを生産する産業工程は;単純かつ効率的な生産プロトコルを用いて原料から重合体への変換において高効率を提示する微生物の株;低費用および高収率の原料;高い収率および効率で環境に攻撃的でない工程により、高純度の産物を得ることを可能にし、生重合体の元々の特徴を最大限に保持できる重合体の抽出および精製の手法;を意図すべきである。
これらの経済的観点に加えて、これは環境に優しい産物である故、その全工程は適合性でなければならない。従って、いずれの生産段階においても環境に有害な産物の使用は回避すべきである。さらに、生産工程を稼動するために使用するエネルギー源は再生可能資源に由来すべきである。もし再生非可能エネルギー資源が利用されるだけならば、低い環境への影響のプラスチックを生産することは意味をなさないであろう。この問題へのかなり興味深い取り組みは、農産業(特に糖およびアルコール産業において)により取り込まれるバイオプラスチックの完全な生産鎖を有すべきである(Nonato, R.V., Mantelatto, P.E., Rossell, C.E.V., ‘Integrated Production of Biodegradable Plastic (PHB), Sugar and Ethanol’, Appl. Microbiol. Biotechnol. 57:1−5, 2001)。
代替燃料の生産における最大の世界的な成功の一つは、ブラジルの糖およびアルコール産業であり、地球上で生産されるアルコールおよび糖の総量の約25%を占める。PROALCOOL・ブラジル計画の当初に環境に悪いイメージを提示したが、この種の産業は実際には持続可能な技術の例である。生産工程を稼動するために必要な全エネルギーは、サトウキビのバガスをボイラーで燃焼させて熱および電気エネルギーを生じさせることにより、適所に生成される。さらに、他の併合産業の工程において使用し得る超過のエネルギーが存在する。
アルコール発酵の副産物として得られる糖および糖蜜および天然溶媒などの、安価な原料の利用可能性と結びついた再生可能で安価なエネルギーは、糖およびアルコール産業をバイオプラスチック生産に理想的な発祥地にする。
従って、本発明は、サトウキビを用いる糖およびアルコール産業からの再生可能な原料およびエネルギー源を利用することにより、環境に攻撃的でない非ハロゲン化溶媒を用いて、好ましくは湿潤細菌バイオマスから、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を回収し、高純度および高分子量の産物を生産するための産業工程を実行可能にするために必要な上記で引用した特長全てを包含する。
発明の概要
本発明は、産業上実現可能であることが既に証明されている、水性懸濁液中の細胞バイオマス・スラリーの形態にて、該懸濁液の約18重量パーセントに劣らない乾燥細胞物質含量で、発酵により得られる細菌細胞バイオマスからの、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の抽出および回収の工程に関する。本発明を実施するのに可能な方法において、濃縮細胞バイオマスは、発酵培養培地の懸濁液中の細胞バイオマスをバイオマス細胞の凝集および濃縮の操作にかけることにより得られる。
本発明の方法によれば、濃縮細胞バイオマスは最初にPHA抽出段階にかけられる。この抽出段階は、溶解したPHAに富むPHA溶媒、細胞バイオマスのスラリーからの残留水、および濃縮細胞バイオマスの不溶性残渣を含む懸濁液を形成するために、PHA溶媒注入、激しい撹拌および反応器内部での急速加熱の同時操作を含む。
反応器で形成された懸濁液は、次いで、溶解したPHAに富む溶媒を回収するために、細胞バイオマスの残留不溶性残渣からの分離にかけられる。
次に、PHAに富むPHA溶媒溶液は、実質的に全ての溶解したPHAを沈降させるのに十分な温度まで急速に冷却される。
本工程はさらに下記の段階を含む:
沈降PHAの濃縮ペーストを分離するために、水及びPHA溶媒中に溶解する不純物を含むPHA溶媒中に沈降したPHAの懸濁液を冷却マイクロ濾過する段階;
濃縮PHAペーストを、脆弱で容易に剪断できる高孔隙率のPHA顆粒、残留溶媒および水を含む懸濁液を得るために適切な一定量の溶媒の一部、残留溶媒および水の蒸発を促進するために、水による洗浄、加熱および撹拌の同時操作にかける段階;
洗浄されおよび加熱されたPHA顆粒を、精製されたPHA粒子を含む懸濁液を得るために、PHA顆粒を急速に破壊する一方、残留溶媒および水を含む懸濁液に水蒸気を注入することにより残留溶媒の抽出処理するように、撹拌および剪断にかける段階;
懸濁液から精製PHA粒子を分離する段階。
見出されたPHA類の内から、産業上の利用可能性を有し本発明で使用されるものは、ポリ−3−ヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ(ヒドロキシブチレート−コ(co)−ヒドロキシバリレート)(PHBV)、並びにこれらの重合体および共重合体の混合物である。
本発明は、本発明を実施する可能な方法の一例として与えられる添付図面を参照して下記に記載される。この唯一つの図1は、本発明の方法の簡素化されたフロー・チャートである。
本発明の記載で使用される用語の定義の列挙は下記に記載される。
「アルケニル」とは、C1からCnまでの不飽和炭素鎖を意味し、nは2から約20まで変化し、この炭素鎖は直線状、分枝状、または環状であってよく、不飽和は、一不飽和、即ち炭素鎖に1つの二重結合もしくは三重結合を有してよく、または多不飽和、即ち炭素鎖に二つ以上の二重結合もしくは二つ以上の三重結合もしくはさらに一つ以上の二重結合および一つ以上の三重結合を有してよい。
「アルキル」とは、C1からCnまでの飽和炭素鎖を意味し、nは2から約20まで変化し、この炭素鎖は直線状、分枝状または環状であってよい。
「細胞バイオマス」とは、元々の、または微生物または植物をPHA生産性または高PHA生産性にするために遺伝子改変されたPHAを生産できる任意の微生物または植物に由来するバイオマスを意味する。
「含む」または「含むこと」とは、最終結果に影響を及ぼさない他の段階、または他の場面、または他の化合物、または他の成分が添加されうる又は存在しうることを意味する。この用語は、「を構成する」、「により構成される」、「本質的に・・・を構成する」、および「本質的に・・・により構成される」という用語と置換されてもよい又はこれら用語を置換してもよい。
「Da」は、重合体の分子量を測定するための単位であるダルトンを意味する。
「バイオマスからポリヒドロキシアルカノエートを抽出すること」または「バイオマスからのポリヒドロキシアルカノエートの抽出」は、単一種類のPHAを生産するバイオマスにより生産される一定のPHAを抽出すること又はPHAの抽出を意味し、さらに、PHAを生産するバイオマスが唯一種類より多くのPHAを生産する状況では、バイオマスにより生産される二種類以上のPHAを抽出すること又はPHAの抽出も意味しうる。
「粗抽出物」は、水および(細胞塊から抽出された)不純物を含む又は溶解した、PHA細胞塊から抽出されたPHAに富むPHA溶媒から構成された懸濁液、ならびにPHAが抽出された細胞バイオマスの残渣である不溶性固体により構成された懸濁液を意味する。
「ポリヒドロキシアルカノエート」および「PHA」は、下記の反復単位を包含する重合体を意味する:
Figure 0004709766
式中、Rは好ましくはHまたはアルキル基またはアルケニル基であり、mは1から4まで変化する。
「実質的に大気圧」とは、大気に近似の、即ち、大気圧と等しいが又は僅かに上下する、圧力を意味する。
「抽出反応器」は、そこでPHAを生産する細胞バイオマスからのPHA抽出操作が処理される機器を意味する。
流水(溶液または懸濁液)を「急速に冷却する」とは、他のより冷たい流水との熱交換を通じて膨張により、および/または熱交換器を用いた冷却により、数秒でこの流水(溶液または懸濁液)を冷却することを意味する。
「溶媒」とは、分子サイズまたはイオン・サイズに関して、溶媒に均一に分散した溶質の、溶液と名付けられた混合物を形成するための、溶質と名付けられた他の物質を溶解できる物質を意味する。
「PHA溶媒」はポリヒドロキシアルカノエートを溶解できる物質を意味する。
「PHA富化溶媒」または「PHA富化溶媒溶液」は、PHAを生産する細胞バイオマスから抽出されたPHAを含むPHA溶媒溶液を意味する。
「事実上ない」または「実際的にない」とは、「微量の・・・を有すること」または「微量の・・・の存在を有すること」または「取るに足りない量の・・・を有すること」または「ほとんど微量の・・・を有すること」を意味する。
本発明は、産業上実現可能であることが既に証明され、好ましくは微生物の湿潤バイオマス(水で希釈)から、環境に攻撃的でない非ハロゲン化溶媒を用いて、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の抽出および回収の方法に関する。この方法は、サトウキビを用いる糖およびアルコール産業に由来する再生可能原料およびエネルギー源を使用することにより、高純度および高分子量のポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を得ることができる。
非ハロゲン化溶媒を用いた微生物または植物のバイオマスからのPHA抽出を記載する比較的多数の刊行物が存在する。しかしながら、記載された教示を商業規模に適用しようとするとき、細胞内バイオポリマーの元々の性質が保持されている産物を得ることは非常に困難である。この性質は市販製品を作り上げる上で、もっとも時間的基礎をなすものである。この刊行物の大半において、高温での製品の熱感受性にほとんど注意が払われていないことが見受けられる。PHA抽出で使用される候補とみなされる殆んどの非ハロゲン化溶媒は、この溶質に対して低い溶解度を示し、PHAの抽出および回収のために高温、通常70℃より高い温度を要する。このような溶媒を用いて商業規模でPHA抽出を処理しようとするとき、PHAの回収に必要な時間は通常あまりにも長く、不可逆的な様式でPHAを熱分解する。従って、得られる製品は、高温での暴露時間に依存して、非常に限定された数の産業適用または他の種類の適用に限られるようになる。
本発明は、商業規模で実施される方法を提供する。この方法は、
a)その元々の性質、とりわけ、その分子量を最大限に保存するために、その分解を最小限にしながら、非ハロゲン化溶媒を用いて、高温で細胞バイオマスから抽出された大半のPHAの暴露時間を最小限にすること;
b)バイオポリマーの天然の色を保持しながら、事実上、残留溶媒はなく、生産されたPHAを脱色および精製する特定付加段階をこの方法に含む必要がない、通常99%を上回る、高純度の製品を得ること;
c)バイオマスから、通常90%を上回る、PHA回収の高いレベルを得ること;
d)糖およびアルコール産業に由来する再生可能原料およびエネルギー源を一体的に用いることにより、糖およびアルコールを生産する産業グループの利益を増加させること
を可能にするように組み合わされる。
本発明の方法は、天然の若しくは遺伝子改変された微生物若しくは植物により生産されたPHAまたは合成生産されたPHAに適用され得る。PHAは、下記の単位:
Figure 0004709766
の反復により構成される重合体である。式中、Rは可変長のアルキル基またはアルケニル基であり、mおよびnは整数であり、上記の重合体において、Rおよびmは下記の値を想定する。
PHB:R=CH3、m=1
PHB−V:R=CH3またはCH3−CH2−、m=1
P4HB:R=H、m=2
P3HB−4HB:R=HまたはCH3、m=1または2
PHHx:R=CH3−CH2−CH2−、m=1
本発明は微生物のバイオマスから回収されたPHAに適用され、好ましくはPHB(ポリ−3−ヒドロキシブチレート)、PHB−V(ポリ(ヒドロキシブチレート−コ−ヒドロキシバリレート))、P4HB(ポリ−4−ヒドロキシブチレート)、P3HB4HB(ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−4−ヒドロキシブチレート))および幾つかのPHAmcl(中鎖のポリヒドロキシアルカノエート)に適用され、この最後の仲間の典型がPHHx(ポリヒドロキシヘキサノエート)である。
非ハロゲン化溶媒の使用によるPHAを抽出する方法は、該バイオポリマーを熱分解状態に曝す時間が短い。
本発明は、図1で説明される方法に帰する。この方法は、バイオマス・スラリーを含む水性懸濁液の形態で発酵により得られ、約18重量%以上の乾燥細胞含量を有する細菌細胞バイオマスの発酵物質を使用する。
本発明に従って、細胞バイオマスから形成される濃縮スラリーは、乾燥物質の必要最小濃度に達し得る発酵から直接得ることができ、又は細胞バイオマス懸濁液を含む発酵培養培地をバイオマス細胞の凝集および濃縮の操作にかけることにより得ることができる。
本発明の好ましい形態において、この方法に供給される細胞バイオマスの水性懸濁液は、約3.0:1.0の最大値で水/発酵物質の質量比を示すように、さらに水で希釈され得る。
本発明を実施する他の方法において、発酵により得られ処理される細菌細胞バイオマスは予め熱失活され得る。
本発明を実施する他の好ましい方法において、凝集操作は、希釈細胞バイオマスを約1.5から約5.5までのpHに酸性化することにより、ならびに約7から約12までのpHに達するまでアルカリ化剤を添加することにより生じる細胞バイオマスを凝固させる段階を含み、蓄積PHAを含むバイオマス細胞の凝集操作は凝集剤を添加することにより達成される。水で希釈された細胞バイオマスの酸性化は硫酸およびリン酸の少なくとも一つにより定義される酸を添加することにより得ることができる。アルカリ化剤は水酸化カルシウムを含みうる。
本発明を実施する他の好ましい方法において、希釈細胞バイオマスの酸性化は約2.0から約3.0までのpHを得るようになされ、アルカリ化剤の添加は希釈細胞バイオマスの懸濁液のpHを約7から約12までの範囲に調整するようになされる。
凝集段階における上記要素の連続添加はリン酸カルシウムの形成を可能にし、このリン酸カルシウムはPHAを含む微生物の細胞壁と架橋を形成し、正電荷が生じ、凝集剤によりフレークになって凝集し、これらを含む液体の濃度より高い濃度を示す安定なフレークの形成に至る。
細菌細胞バイオマスの懸濁液を含む発酵培地を凝固させる段階は、7から約12までのpHに達するまで、アルカリ化剤のみを添加することによっても実施しうることが理解されるべきであり、蓄積PHAを含む細胞バイオマスの凝集は、上記のように、凝集剤を添加することにより実施される。蓄積PHAを有する細胞を含む形成されたフレークは、次いで、例えば静置デカンターまたは遠心力を用いて、例えば、この場合、遠心分離機またはデカンターを利用して、重力の作用により、発酵に由来する不純物を含む周囲の発酵液体培養培地から容易に分離される。
選択肢が遠心分離機またはデカンターを使用することである場合、清澄な流液は再び酸および塩基で処理され、凝集され、デカンテーションにかけられ、得られた濃縮スラリーは、遠心分離機またはデカンターで得られた他の部分と一緒に次の段階に送られる。
従って、バイオマスの凝集が起きる本発明の好ましい形態において、この方法は、フレークを分離して、主に色の要素および次の処理段階に不利な他の可溶性塩を除去することにより、発酵培養培地に溶解している細胞外不純物の部分的な除去を可能にする。
この方法は、さらに、安定なフレークを含み、これらを含む液体と比べて増した濃度を有する濃縮バイオマス・スラリーの形成を可能にする。
本発明の他の好ましい形態において、凝集細胞バイオマスは濃縮および洗浄の工程にかけられ、18から45%(重量/重量)、より好ましくは25から45%の範囲の濃縮バイオマス・スラリーをもたらす。
濃縮された湿潤バイオマスは、次いで、約90℃から溶媒の沸点までの温度に(実質的に大気圧で)細胞バイオマスを急速に加熱するために、ならびにPHAに富むPHA溶媒を含む液相および細胞バイオマス・スラリーの残留水;残留細胞バイオマスの不溶性残渣により定義される固相;および水およびPHA溶媒の蒸気を含む蒸気相を形成するために、反応器で激しく撹拌しながら、PHA溶媒を好ましくは加熱液体形態および蒸気形態に注入することにより、細胞内PHAの抽出にかけられる。水およびPHA溶媒蒸気は凝縮され二つの液相:PHAの抽出および回収の段階で該工程に戻る富溶媒相(rich−solvent phase);並びにその中に含まれるPHA溶媒を回収できる工程で再循環される乏溶媒相(poor−solvent phase);に分離される。
この手法は、細胞バイオマスの加熱に加えて、PHA溶媒および水から構成される二元混合物である蒸気形態のスラリーにより供給された水の大部分を除去する効果も促す。次に、蒸気相は後に凝縮されるために反応器から取り出され、抽出された細胞バイオマスの不溶性残渣に加えて、PHAに富むPHA溶媒溶液および溶媒に溶解している僅かな水から成る懸濁液が残る。
従って、一例として、使用されるPHA溶媒は、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、イソブチルアルコール、1−ブタノール、1−ペンタノール(メチル・アルコール)、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール(イソアミルアルコール)、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール(cyclehexanol)、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸(proprionate)イソブチル、酪酸(butirate)エチル、イソ酪酸イソブチル、及びこれらの混合物から成る溶媒の群より選択され得る。好ましくは、該溶媒は、イソアミルアルコール、またはイソアミルアルコールの異性体混合物であり得る。より好ましくは、イソアミルアルコールはエタノール発酵の副産物としてフーゼル油の分画から得ることができ、フーゼル油は、エタノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノールおよび水などの不純物に加えて、主としてイソアミルアルコール及びその異性体から構成される。
抽出溶媒とPHA細胞バイオマスとの接触は、これらの部分間の活発な接触を可能にし、均一な粒径の不溶性バイオマス残渣を保証するような寸法の撹拌システムにより、制御された条件下で促進される。この粒径は次の操作を可能にする。
図1で説明されるように、本明細書の好ましい形態において、本明細書で流水Fと命名され、溶媒に溶解したPHAおよび水を含む懸濁液から構成され、バイオマス不溶性残渣により、得られた流水は、次に、遠心分離要素、例えばヒドロサイクロン(hydrocyclone)に送られ、低強度の遠心力(時折、重力)が適用され、二つの流水の生成をもたらす。:一方の流水は、本明細書で流水Oと命名され、低濃度のバイオマスの残留不溶性固体を含むPHA溶液とPHA溶媒に溶解した僅かな水との懸濁液から成り、他方の流水は、本明細書で流水Uと命名され、濃縮されたバイオマス不溶性残渣を含むPHA溶液と僅かな溶解水との懸濁液を含む。遠心分離要素から流れる二つの流水の分離は、流水Uが、流水Fの約15から35%(重量/重量)であり、流水Fに元々存在する固体の約55から75%(重量/重量)を含み、さらに回収される細胞内PHAの画分を含むように、為される。本明細書に記載され、例えばヒドロサイクロンなどの静的で強力な低価格の装置で低強度の遠心力の作用の下に実施される、これらの二つの流水の分離は、PHA溶媒の爆発性および可燃性の制限の作用として不活性気体雰囲気の使用を必要とする高価格の機械遠心分離器の使用を省く。このような分離は、ここにおいて、残渣不溶性固体粒子を含む溶媒と比べてより高濃度の不溶性同体粒子を確かにする。これは、リン酸カルシウムの粒子などの重粒子が細胞内PHAを含む細胞および細胞バイオマスの構成物質に結合する初期の凝固により付与される。他の重要な作用は抽出中に均一な粒度分析分布を有する粒子を得る抽出系の能力であり、これは、低強度の遠心分離要素の利用時に非抽出細胞内PHAを含む固体の高効率な分離および濃縮を保証する。
場合により、流水Oはプレコート・フィルタでの膜マイクロ濾過または濾過の工程にかけられ得る。ここで、二つの流水が生成する:膜を透過する流水P、および膜濃縮物の流水C。流水Oの約50から90%(重量/重量)である流水Pは、不溶性固体がなく、PHA、水および僅かな灰およびPHA溶媒に溶解した色化合物を含み、約45℃以下の温度まで直ちに冷却される。流水Oの約10から50%である流水Cは、抽出されたバイオマスの残留固体濃度に関して、流水Oにおける固体の元々の含量の約2から10倍濃縮され、僅かなPHA、水、灰、およびPHA溶媒に溶解する色化合物を含む。
場合により、抽出されたバイオマスの不溶性残渣が濃縮されていて、PHAに乏しい流水Uおよび流水Cは、一緒にされ、分離工程により、例えば濾過により、PHA溶媒に溶解する残留PHAの回収工程に送られ得る。濾過流水(F1と命名)が生成し、PHA溶媒に溶解した、PHA、水、灰、色化合物を含み、本明細書でTと命名される最終のミール(end meal)は抽出されたバイオマスの残留不溶性固体を含む。
場合により、流水U、流水Cおよび液体および蒸気の形態の新しいPHA溶媒量が適切な撹拌条件で再び混合され得、前述した工程に再びかけられる新規の流水を形成する。従って、得られる末端流水(end effluent)は、抽出された細胞バイオマスの不溶性固体が濃縮されており、PHAに乏しく、最終的に、分離工程により、例えば濾過により、PHA溶媒に溶解する残留PHAの回収工程にかけられる。記載された抽出工程は、最小で約850,000Daの分子量を有するPHAを含むバイオマス・スラリーから最小で約850,000Daの分子量を提示するPHAを得るために、バイオマスに元々含まれるPHAの約95%(重量/重量)より多い量を回収でき、滞留時間が約10から20分より短いように、幾つかの段階を含む。
さらに場合により、遠心分離要素(例えばヒドロサイクロン)で行われる工程から残存する不溶性固体を含む流水Oは、膜マイクロ濾過工程にかけられることなく、不溶性固体を分離する工程に送られ得、かくして、溶媒に溶解するPHAを含み、バイオマスのいかなる不溶性固体も含まない濾過流水を得、不溶性不純物を含むミールを残存させる。従って、回収されたPHAは膜マイクロ濾過により得られる分子量より僅かに低い分子量を有する。
本発明の好ましい形態において、抽出されたバイオマスの不溶性残渣を含む粗抽出流水Fは又、遠心分離要素および膜マイクロ濾過を通過することなく、PHA溶媒に溶解するPHAの回収工程に直接送られ得る。この場合、先の選択肢に関して、PHAは同等の品質を示すが、不溶性固体の分離工程に起因して重合体の滞留時間がより長いため、分子量が僅かに減少する。
上述の流水Pおよび流水FIは、細胞バイオマスの不溶性残渣がなく、PHA溶媒に溶解されたPHA、水、灰および幾らかの色化合物を含み、およそ45℃以下の温度まで急速冷却されて、PHAの沈降を惹起し、最小で約1,000,000Daの分子量を有するPHAを含むバイオマス・スラリーから出発して、分子量が最小で約750,000Daの懸濁液を形成する。この沈降はさらに結晶胚(crystallization germ)の導入によりさらに補助され得る。
冷却による沈降により得られるPHA溶媒中のPHA懸濁液は、この溶媒に溶解する水、灰、および溶解する色化合物を含み、次いで、好ましくは微多孔性重合体膜による分離工程にかけられる。この工程により、膜に送られる約60%から90%の質量流であり、PHA溶媒、水、可溶性灰およびPHA溶媒に溶解する色化合物を含み、実質的にPHAを含まない透過流水PE;ならびに約40%から10%の供給流水であり、濃縮PHA懸濁液およびPHA溶媒に溶解する灰および色化合物の画分から成る他の流水が得られる。本発明に記載されるようなこの段階は、PHA分子量の保存に極めて好都合な条件で、気温に近い温度を用いて物理的手段(膜)による工程で約3.5から8%(重量/重量)までの濃縮にPHA懸濁液を濃縮できることに加えて、さらに、透過によって、PHA懸濁液の構成成分であった溶解不純物の約70%から90%の同時除去に至る。
PHA濃度が3.5%から810%(重量/重量)の範囲で予めPHAが濃縮された懸濁液(図1で流水Sと定義される)は、次に、選択的に複数の真空作用において大気圧で蒸発による濃縮段階にかけられる。ここで、該工程で回収され、それらに溶解するPHA溶媒を含むPHA懸濁液および希釈水流AFが同時に送られる。この希釈水は、基本的にPHA、PHA溶媒および水を含む懸濁液を得、容易に剪断され得る脆弱な凝集で高い孔隙率を示すPHA顆粒の凝集体を形成するように応じて蒸発器に送られる。この懸濁液は、次いで、蒸発と同時に、機械的剪断要素、例えば循環遠心分離ポンプで粉砕工程にかけられ、高い孔隙率で脆弱なPHA顆粒の凝集体は、PHA溶媒の蒸発工程中に十分に洗浄できる、はるかに微細なPHA粒子の懸濁液を得るために、急速に、適切に破壊される。この懸濁液は、希釈水流(AF1)に添加され、次いで、前段階で得られる懸濁液の再循環で同時に生蒸気を投入する際に、残留液体(母液)から完全に抽出されるまで、最終残留溶媒の蒸発にかけられる(回収)。蒸発中に剪断工程を反復することにより、溶媒を含まない残留液体の懸濁液において粉末になるまで、制御されたPHAの粉砕を得ることが可能である。従って、この工程の終わりに、残留液体(母液)に微細に分散したPHA粒子の懸濁液が得られ、PHAから除去され、その中に溶解した不純物をその結果含む。この懸濁液は、次に、約45℃以下に急冷し、例えば濾過により該液体から該固体を分離する工程にかけられ、PHA粒子を含む新しい水で濾過ケーキを洗浄する。
従って、蒸発、回収、冷却および濾過のこれらの最終段階は、蒸発が実施されると同時に、該媒体からPHA溶媒を枯渇させ、PHAの分子量を損なうことなく、PHA粒子を最終精製できる。さらに、穏やかな乾燥条件を使用できるために、即ち、PHAを穏やかな温度で短い滞留時間にかけるために、40から400μm、好ましくは約100から200μmの範囲で、乾燥工程に適した粒度分析分布もつ粒子を得ることができる。乾燥段階後に得られるPHAバイオポリマーは、高レベルの純度、極めて低レベルの残留溶媒、色、灰および不純物、ならびに高い全収率(即ち、元のバイオマスで含まれるPHAと比べて回収されるPHAの量が約90%(重量/重量)より高い)を示す。
実施例1.1:発酵バイオマスの不活性化
150g/lの総乾燥物質を含み、約60から75重量%のPHBを含む細菌細胞により形成される10m3のアルカリゲネス・ユートロファスの発酵バイオマス懸濁液は、4m3/時間の流速で再生熱交換器TCR1を通過し、続いて、温度を85℃まで上げるために、蒸気の直接噴射を受ける。この懸濁液は、1m3の有効体積を有する滞留容器に導かれ、該交換器TCR−1にポンプで送り返され、バイオマス懸濁液により冷却され、該懸濁液は該工程に入り、その結果加熱される。該バイオマス懸濁液は、約45℃の該工程を離れ、乾燥物質およびPHBの事実上変わらない濃度を保持する。しかしながら、細菌細胞は酵素系を不活性化されるため、蓄積PHBを分解できない。この懸濁液は、次に、凝固およびデカンテーションの工程に導かれる。
実施例1.2:発酵バイオマスの洗浄および濃縮
先に不活性化された5m3のアルカリゲネス・ユートロファスの発酵バイオマスPHBに対して、2.8から3.5のpHに達するまで、、穏やかな撹拌下の5m3の水、次いでリン酸を添加し、pH 7.0から8.0に達するまで乳状石灰を添加する。凝固したバイオマス懸濁液は、次いで、徐々に撹拌しながら、10から20ppmの陰イオン性高分子電解質が添加された後、デカンテーション用に静置される。次に、上清は取り除かれ、約10から12%の乾燥物質を含むバイオマス・スラリーが残る。得られたスラリーは、次いで、約1200kg/時間の流速で遠心分離デカンターに送られた後、さらに、凝集するのに十分な量の高分子電解質、および供給スラリー流量の約20%(重量/重量)の割合の水が添加される。浄化物質が次いで除去され、約20から25%の固体(70から75%がPHBに対応する)を含む約2400kgのスラリーを生産する。
実施例1.3.1:一段階抽出の溶媒としてイソアミルアルコールを用いるPHBの抽出および回収
25%の乾燥物質に濃縮され、1,000,000Daの分子量を有する約60から75%のPHBを含むアルカリゲネス・ユートロファスのバイオマスは、機械的に撹拌される反応器に送られ、350から450kg/時間の流速で約105℃に維持され、スラリーに含まれる過剰の水を蒸発させるのに十分な量で、約105℃に加熱された7290kg/時間のイソアミルアルコールおよび135℃のイソアミルアルコールの蒸気が添加され、約15%の水および85%のイソアミルアルコールから成る約1250kg/時間の蒸気流、ならびに、粗抽出物と称され、イソアミルアルコールに溶解したPHB(約900,000Daの分子量)、および水、および抽出されたバイオマスの不溶性残渣を含む約8000kg/時間の他の流水が生産される。この粗抽出物は次に連続してヒドロサイクロンに送られ、ここで、この流れは二つの流水に分離される:一方の水流は上部の供給された流量の約75%であり、供給された粗抽出物に元々含まれる約65%の不溶性固体を含み;他方の流れは下部の供給された流量の約25%であり、その中に元々含まれる75%の不溶性固体を含む。不溶性固体に乏しいヒドロサイクロンの上流は、次いで、6000kg/時間の流速で膜マイクロ濾過の装置ユニットに送られ、抽出されたバイオマスの残留不溶性固体が濃縮された約1500kg/時間(1/4)の流水、および抽出されたバイオマスの残留不溶性固体を含まず、800,000から880,000Daの範囲内の分子量を有するPHBに富む4500kg/時間(3/4)の透過流水を生産する。該工程の滞留時間は約3から10分である。ヒドロサイクロン(下相)および膜の不溶性固体に富む流水は、次いで、混合され、例えばプレートフィルタの濾過段階に2000kg/時間の流速で送られ、約1800kg/時間の流水が生産される。該流水は、580,000から780,000Daの分子量を有するPHBに富む懸濁液に不溶性固体を含まないPHB溶液、および約200kg/時間の抽出バイオマスの不溶性固体を含むミールである。該工程のPHB回収は、供給されたバイオマスのPHB、即ちバイオマス流および純度に依存して50から80kgのPHB/時間、と比べて95%(重量/重量)より高い。膜およびフィルタの抽出工程で得られた両濾液は、溶媒におけるPHBの沈降を保証するために、約45℃以下の温度まで急冷される。膜マイクロ濾過に由来するイソアミルアルコール中に沈降したPHBは、800,000から870,000Daの範囲の分子量を有し、従来の濾過からは580,000から780,000Daの範囲である。
場合により、イソアミルアルコール中に溶解したPHB(約900,000Daの分子量)および水および抽出バイオマスの不溶性残渣を含む約8000kg/時間の懸濁液の粗抽出流水は、例えばプレートフィルタの濾過段階に直接送られ、そこで二つの流水が得られる:580,000から780,000Daの分子量を有するPHBに富む懸濁液に不溶性固体を含まないPHB溶液である約7800kg/時間の濾過流;および約200kg/時間の抽出バイオマスの不溶性固体を含むミール。この工程で得られた濾液は、次に、溶媒におけるPHBの沈降を保証するために、約45℃以下の温度まで急冷する。イソアミルアルコール中に沈降したPHBは80,000から780,000Daの範囲の分子量を有する。
この工程のPHB回収は、供給されたバイオマスのPHB、即ちバイオマス流および純度に依存して50から80kgのPHB/時間、と比べて95%(重量/重量)より高い。
実施例1.3.2:三段階抽出の溶媒としてイソアミルアルコールを用いるPHBの抽出および回収
三反応器の直列配置において、25%乾燥物質まで濃縮され、約1,000,000Daの分子量を有する約60から75%のPHBを含むアルカリゲネス・ユートロファス・バイオマスは、まず機械的に撹拌される反応器に供給され、350から450kg/時間の流速で約105℃に維持される。第三反応器において、イソアミルアルコールが7290kg/時間の流速で供給され約105℃に加熱される。135℃のイソアミルアルコールの蒸気は、スラリーに含まれる過剰水の蒸発を保証するのに十分な量で、三回の抽出段階に供給される。この手法は、それぞれ15%の水および85%のイソアミルアルコールを含む約1250kg/時間の水蒸気およびイソアミルアルコールの総流水、ならびに第一抽出段階から流出し、粗抽出物と呼ばれ、イソアミルアルコール中に溶解したPHBおよび水および抽出バイオマスの不溶性残渣を含む約8000kg/時間の懸濁液の他の流水が生産される。第一段階に由来する粗抽出物は、次いで、ヒドロサイクロンに連続供給され、ここで、その流れは二つの流水に分離される:約75%の供給流を含み、供給された粗抽出物に元々含まれる約40%から45%の不溶性固体を含む最上流;約25%の供給流およびその中に元々含まれる約55%から60%の不溶性固体を含む底流(下部)。底流は次の段階(2)に導かれる。不溶性固体に乏しいヒドロサイクロン1の最上流は、次いで、6000kg/時間の流速で膜マイクロ濾過ユニットに送られ、抽出バイオマスの残留不溶性固体が濃縮された約2000kg/時間(1/3)の流水、および抽出バイオマスの残留不溶性固体を含まない4000kg/時間(2/3)の透過流水を生産する。ヒドロサイクロン1の底流は第二抽出段階に導かれ、ここで、ヒドロサイクロン3の最上流および膜マイクロ濾過で生成する不溶性固体が濃縮した流水を受容する。約55から65%の抽出バイオマスの不溶性固体を含むヒドロサイクロン3の底流は、次いで、例えばプレートフィルタの濾過段階に2000kg/時間の流速で送られ、約1800kg/時間の流水を生産する。該流水は、懸濁液に不溶性固体を含まないPHB溶液、および約200kg/時間の抽出バイオマスの不溶性固体を含むミールである。該工程のPHB回収は、バイオマスの供給されたPHB、即ち51から82kgのPHB/時間、と比べて98%(重量/重量)より高い。膜およびフィルタの抽出工程で得られた両濾液は、溶媒のイソアミルアルコールにおけるPHBの沈降を保証するために、約45℃以下の温度まで急冷される。
場合により、不溶性固体に乏しい約6000kg/時間のヒドロサイクロン1の最上流は、次いで、例えばプレートフィルタの濾過段階に直接送られ、そこで二つの流水が得られる:650,000から780,000Daの範囲の分子量を有するPHBに富む懸濁液に不溶性固体を含まないPHB溶液である約5800kg/時間の濾過流;および約200kg/時間の抽出バイオマスの不溶性固体を含むミール。該工程で得られる濾液は、次に、溶媒におけるPHBの沈降を保証するために、約45℃以下の温度まで急冷される。イソアミルアルコール中に沈降したPHBは650,000から780,000Daの範囲の分子量を有する。
該工程のPHB回収は、供給されたバイオマスのPHB、即ちバイオマス流および純度に依存して50から80kgのPHB/時間、と比べて95%(重量/重量)より高い。
1.3.3:溶媒として酢酸イソアミルを用いるPHBの抽出および回収
酢酸イソアミルにおけるPHBの溶解度の試験:
500mlの丸底蒸留フラスコに、28.11%の乾燥物質および1,000,000Daの分子量を有する16.09%のPHB、および250gの酢酸イソアミルを含む、31gの濃縮されたアルカリゲネス・ユートロファスのバイオマスを添加した。該懸濁液は、次に、撹拌しながら、蒸留フラスコと組み合された電気毛布を用いることにより、溶媒および水の蒸発にかけられた。こうして生成した二元蒸気は凝縮のためにストレート管冷却器(リービッヒ型)に導かれ、得られる凝縮物はエルレンマイアー容器に回収された。懸濁液は抽出温度に達するまで撹拌しながら蒸発工程に保持された。フラスコのノズルの一つに添えられフラスコ内の蒸気相と接触して維持される水銀温度計で温度が読み取られた。約14分の蒸発時間が経過した後に、抽出温度に到達し、混合物の沸点は約104℃(初期温度)から約123℃(抽出温度)まで経過し、この期間に、約70%(v/v)の酢酸イソアミルから成る約34mlの凝集物が生成され、残りの体積は濃縮バイオマスに由来する水であった。該懸濁液は、次いで、123℃の温度(抽出温度)で約10分間撹拌しながら凝縮還流型に維持された後、さらに、濾過溶媒に溶解する部分から不溶性部分を分離するために、濾紙で濾過しながら加熱した。約0.90%(w/w)の可溶化PHBを含む熱い濾過物質は、次に、PHBの沈降のため冷却され、濾過により濃縮され、溶媒を蒸発させた後、乾燥された。得られるPHBは約495,000Daの分子量を示した。試験で用いられる濃縮バイオマスの量は、利用した抽出温度の溶媒中にPHB飽和の濃度に達するために必要な量より約2.0から3.5倍多かった。従って、利用した抽出温度について溶媒(酢酸イソアミル)中での溶質(PHB)飽和の濃度が測定できた。
酢酸イソアミルにおけるPHB抽出の試験:
500mlの丸底蒸留フラスコに、28.11%の乾燥物質および約1,000,000Daの分子量を有する16.09%のPHB、および200gの酢酸イソアミルを含む、10gの濃縮されたアルカリゲネス・ユートロファスのバイオマスを添加した。該懸濁液は、次に、蒸留フラスコと組み合された電気毛布を用いることにより、溶媒および水の蒸発にかけられた。こうして生成した二元蒸気は凝縮のためにストレート管冷却器(リービッヒ型)に導かれ、得られた凝縮物はエルレンマイアー容器に回収された。この懸濁液は抽出温度に達するまで撹拌しながら蒸発工程に保持された。フラスコのノズルの一つに添えられフラスコ内の蒸気相と接触して維持される水銀温度計で温度が読み取られた。この懸濁液は、次いで、123℃の温度(抽出温度)に約10分間撹拌しながら凝縮還流型で維持された。こうして得られた物質は、次に、熱デカンテーション工程にかけられ、抽出に起因する不溶性固体残渣が溶媒に溶解したPHBから分離できた。溶解したPHBを含む溶液はPHBの沈降のために冷却され、この段階で抽出されたPHBの質量が測定された。第一段階で得られた固体残渣は、200gの酢酸イソアミルが新しく添加され、再び10分間の抽出にかけられた。三回の抽出段階になるまで、他の手法が反復された。細胞バイオマスに元々含まれる約41%のPHBが第一段階で抽出され、第二段階で13%、ならびに第三段階で8%であった。このようにして、得られたPHBは依然として730,000Daから750,000Daの範囲であった。
工業規模への外挿の実施例
28.11%の乾燥物質に濃縮され約1,000,000Daの分子量を有する16.09%のPHBを含むアルカリゲネス・ユートロファスのバイオマスは、約123℃で500kg/時間の流速で維持された機械的に撹拌される反応器に供給され、ここで、スラリーに含まれる過剰の水を蒸発させるのに十分な量で、液体および蒸気の形態で、約123℃に加熱された9,521kg/時間の酢酸イソアミルが添加され、約30%(v/v)の水および70%(v/v)の酢酸イソアミルから成る約833kg/時間の蒸気流、ならびに、粗抽出物と称され、酢酸イソアミルに溶解したPHBおよび水、および抽出されたバイオマスの不溶性残渣を含む約8,969kg/時間の他の流水が生産される。この粗抽出物は次に連続してヒドロサイクロンに送られ、ここで、この流れは二つの流水に分離される:一方の水流は上部の供給された流量の約75%であり、供給された粗抽出物に元々含まれる約35%の不溶性固体を含み;他方の流れは下部の供給された流量の約25%であり、その中に元々含まれる約65%の不溶性固体を含む。不溶性固体に乏しいヒドロサイクロンの上流は、次いで、6,891kg/時間の流速で膜マイクロ濾過ユニットに送られ、抽出されたバイオマスの残留不溶性固体が濃縮された約1,149kg/時間(1/6)の流水、および抽出されたバイオマスの残留不溶性固体を含まない5,743kg/時間(5/6)の透過流水が生産される。該工程の滞留時間は約10分である。ヒドロサイクロン(下相)および膜の不溶性固体に富む流水は、次いで、混合され、例えばプレートフィルタの濾過段階に3,446kg/時間の流速で送られ、約3,294kg/時間の流水が生産される。該流水は、不溶性固体懸濁液を含まないPHB溶液、および約151.5kg/時間の抽出バイオマスの不溶性固体を含むミールである。該工程のPHB回収は、供給されたバイオマスのPHB、即ちバイオマス流および純度に依存して70から80kgのPHB/時間、と比べて95%(重量/重量)より高い。膜およびフィルタの抽出工程で得られた両濾液は、溶媒におけるPHBの沈降を保証するために、約45℃以下の温度まで急冷される。
実施例1.3.4:溶媒として酢酸ブチルを用いるPHBの抽出および回収
酢酸ブチルにおけるPHB溶解度の試験:
28.11%の乾燥物質および1,000,000Daの分子量を有する16.09%のPHB、および250gの酢酸ブチルを含む、31gの濃縮されたアルカリゲネス・ユートロファスのバイオマスは、500mlの丸底蒸留フラスコに添加された。該懸濁液は、次に、激しく撹拌しながら、蒸留フラスコに組み合された電気毛布を用いることにより、溶媒および水の蒸発にかけられた。こうして生成した二元蒸気は凝縮のためにストレート管冷却器(リービッヒ型)に送られ、得られた凝縮物はエルレンマイアー容器に回収された。懸濁液は抽出温度に達するまで撹拌しながら蒸発工程に保持された。フラスコのノズルの一つに添えられフラスコ内の蒸気相と接触して維持される水銀温度計で温度が読み取られた。約28分の蒸発時間が経過した後に、抽出温度に到達し、混合物の沸点は約91.5℃(初期温度)から約121.5℃(抽出温度)まで経過し、この期間に、約83%(v/v)の酢酸イソアミルから成る約131mlの凝集物が生成され、残りの体積は濃縮バイオマスに由来する水であった。この懸濁液は、次いで、121.5℃の温度(抽出温度)で約10分間撹拌しながら凝縮還流型に維持された後、さらに、濾過溶媒に溶解する部分から不溶性部分を分離するために、濾紙で濾過しながら加熱した。約0.98%(w/w)の可溶化PHBを含む加熱濾過物質は、次に、PHBの沈降のため冷却され、濾過により濃縮され、溶媒が蒸発された後、乾燥された。得られたPHBは約502.000Daの分子量を示した。試験で用いられた濃縮バイオマスの量は、利用した抽出温度の溶媒中にPHB飽和の濃度を達するために必要な量より約2.0から3.5倍多かった。従って、利用した抽出温度について溶媒(酢酸イソアミル)中の溶質(PHB)飽和の濃度が測定できた。
酢酸ブチルにおけるPHB抽出の試験:
28.11%の乾燥物質および1,000,000Daの分子量を有する16.09%のPHB、および200gの酢酸ブチルを含む、10gの濃縮されたアルカリゲネス・ユートロファスのバイオマスは、500mlの丸底蒸留フラスコに添加された。該懸濁液は、次に、蒸留フラスコと組み合された電気毛布を用いることにより、溶媒および水の蒸発にかけられた。こうして生成した二元蒸気は凝縮のためにストレート管冷却器(リービッヒ型)に導かれ、得られた凝縮物はエルレンマイアー容器に回収された。この懸濁液は抽出温度に達するまで撹拌しながら蒸発工程に保持された。フラスコのノズルの一つに添えられフラスコ内の蒸気相と接触して維持される水銀温度計で温度が読み取られた。この懸濁液は、次いで、121.5℃の温度(抽出温度)に約10分間撹拌しながら凝縮還流型に維持された。こうして得られた物質は、次に、熱デカンテーション工程にかけられ、抽出に起因する不溶性固体残渣が溶媒に溶解したPHBから分離された。溶解したPHBを含む溶液はPHBの沈降のために冷却され、この段階で抽出されたPHBの質量が測定された。第一段階で得られた固体残渣は、200gの酢酸ブチルが新しく添加され、再び10分間の抽出にかけられた。三回の抽出段階になるまで、他の手法が反復された。細胞バイオマスに元々含まれる約62.5%のPHBが第一段階で抽出され、第二段階で18.5%、ならびに第三段階で7.0%であった。得られたPHBの分子量は依然として740,000Daから780,000Daの範囲であった。
工業規模への外挿の実施例
28.11%の乾燥物質に濃縮され約1,000,000Daの分子量を有する約16.09%のPHBを含むアルカリゲネス・ユートロファスのバイオマスは、約121.5℃で500kg/時間の流速で維持された機械的に撹拌される反応器に供給され、ここで、スラリーに含まれる過剰の水を蒸発させるのに十分な量で、液体および蒸気の形態で、約121.5℃で加熱された9,577kg/時間の酢酸ブチルが添加され、約17%の水および83%の酢酸ブチルから成る約1732kg/時間の蒸気流、ならびに、粗抽出物と称され、酢酸ブチルに溶解したPHBおよび水、および抽出されたバイオマスの不溶性残渣を含む懸濁液の約8,175kg/時間の他の流水が生産される。粗抽出物は次に連続してヒドロサイクロンに送られ、ここで、この流れは二つの流水に分離される:一方の水流は上部の供給された流量の約75%であり、供給された粗抽出物に元々含まれる約35%の不溶性固体を含み;他方の流れは下部の供給された流量の約25%であり、その中に元々含まれる約65%の不溶性固体を含む。不溶性固体に乏しいヒドロサイクロンの上流は、次いで、6,258kg/時間の流速で膜マイクロ濾過ユニットに送られ、抽出されたバイオマスの残留不溶性固体が濃縮された約1,043kg/時間(1/6)の流水、および抽出されたバイオマスの残留不溶性固体を含まない5,215kg/時間(5/6)の透過流水が生産される。該工程の滞留時間は約10分である。ヒドロサイクロン(下相)および膜の不溶性固体に富む流水は、次いで、混合され、例えばプレートフィルタの濾過段階に3,129kg/時間の流速で送られ、約2,978kg/時間の流水が生産される。該流水は、不溶性固体の懸濁液を含まないPHA溶液、および約151.5kg/時間の抽出バイオマスの不溶性固体を含むミールである。該工程のPHBV回収は、供給されたバイオマスのPHBV、即ちバイオマス流および純度に依存して70から80kgのPHBV/時間、と比べて95%(重量/重量)より高い。膜およびフィルタの抽出工程で得られた両濾液は、溶媒におけるPHBの沈降を保証するために、約45℃以下の温度まで急冷される。
実施例1.3.5:溶媒としてプロピオン酸プロピルを用いるPHBの抽出および回収
プロピオン酸プロピルにおけるPHB溶解度の試験:
500mlの丸底蒸留フラスコに、28.11%の乾燥物質および1,000,000Daの分子量を有する16.09%のPHB、および250gのプロピオン酸プロピルを含む、31gの濃縮されたアルカリゲネス・ユートロファスのバイオマスを添加した。該懸濁液は、次に、激しく撹拌しながら、蒸留フラスコと組み合された電気毛布を用いることにより、溶媒および水の蒸発にかけられた。こうして生成した二元蒸気は凝縮のためにストレート管冷却器(リービッヒ型)に導かれ、得られた凝縮物はエルレンマイアー容器に回収された。懸濁液は抽出温度に達するまで激しく撹拌しながら蒸発工程に保持された。フラスコのノズルの一つに添えられフラスコ内の蒸気相と接触して維持される水銀温度計で温度が読み取られた。約15分の蒸発時間が経過した後に、抽出温度に到達し、混合物の沸点は約92℃(初期温度)から約113℃(抽出温度)まで経過し、この期間に、約80%(v/v)のプロピオン酸プロピルから成る約100mlの凝集物が生成され、残りの体積は濃縮バイオマスに由来する水であった。この懸濁液は、次いで、113℃の温度(抽出温度)で約10分間激しく撹拌しながら凝縮還流型に維持され、続いて、濾過溶媒に溶解する部分から不溶性部分を分離するために、濾紙で濾過しながらさらに加熱した。約1.24%(p/p)の可溶化PHBを含む加熱濾過物質は、次に、PHBの沈降のため冷却され、濾過により濃縮され、溶媒が蒸発された後、乾燥された。得られたPHBは約430,000Daの分子量を示した。試験で用いられた濃縮バイオマスの量は、利用した抽出温度の溶媒中にPHB飽和の濃度に達するために必要な量より約2.0から3.5倍多かった。従って、利用する抽出温度について溶媒(プロピオン酸プロピル)中の溶質(PHB)飽和の濃度が測定できた。
プロピオン酸プロピルにおけるPHB抽出の試験:
500mlの丸底蒸留フラスコに、28.11%の乾燥物質および1,000,000Daの分子量を有する16.09%のPHB、および200gのプロピオン酸プロピルを含む、10gの濃縮されたアルカリゲネス・ユートロファスのバイオマスを添加した。該懸濁液は、次に、蒸留フラスコと組み合された電気毛布を用いることにより、溶媒および水の蒸発にかけられた。こうして生成した二元蒸気は凝縮のためにストレート管冷却器(リービッヒ型)に導かれ、得られた凝縮物はエルレンマイアー容器に回収された。この懸濁液は抽出温度に達するまで撹拌しながら蒸発工程に保持された。フラスコのノズルの一つに添えられフラスコ内の蒸気相と接触して維持される水銀温度計で温度が読み取られた。この懸濁液は、次いで、113℃の温度(抽出温度)で約10分間撹拌しながら凝縮還流型に維持された。こうして得られた物質は、次に、熱デカンテーション工程にかけられ、抽出に起因する不溶性固体残渣が溶媒に溶解したPHBから分離された。溶解したPHBを含む溶液はPHBの沈降のために冷却され、この段階で抽出されたPHBの質量が測定された。第一段階で得られた固体残渣は、200gのプロピオン酸プロピルが新しく添加され、再び10分間の抽出にかけられた。三回の抽出段階になるまで、他の手法が反復された。細胞バイオマスに元々含まれる約62.0%のPHBが第一段階で抽出され、第二段階で18.5%、ならびに第三段階で6.0%であった。得られたPHBの分子量は約730,000Daであった。
工業規模への外挿の実施例
28.11%の乾燥物質に濃縮され約1,000,000Daの分子量を有する約16.09%のPHBを含むアルカリゲネス・ユートロファスのバイオマスは、約113℃で500kg/時間の流速で維持された機械的に撹拌される反応器に供給され、ここで、スラリーに含まれる過剰の水を蒸発させるのに十分な量で、液体および蒸気の形態で、約113℃で加熱された7,406kg/時間の酢酸ブチルが添加され、約20%の水および80%(v/v)のプロピオン酸プロピルから成る約1,156kg/時間の蒸気流、ならびに、粗抽出物と称され、酢酸ブチルに溶解したPHBおよび水、および抽出されたバイオマスの不溶性残渣を含む懸濁液の約7,406kg/時間の他の流水が生産される。粗抽出物は次に連続してヒドロサイクロンに送られ、ここで、この流れは二つの流水に分離される:一方の水流は上部の供給された流量の約75%であり、供給された粗抽出物に元々含まれる約35%の不溶性固体を含み;他方の流れは下部の供給された流量の約25%であり、その中に元々含まれる約65%の不溶性固体を含む。不溶性固体に乏しいヒドロサイクロンの上流は、次いで、5,063kg/時間の流速で膜マイクロ濾過ユニットに送られ、抽出されたバイオマスの残留不溶性固体が濃縮された約844kg/時間(1/6)の流水、および抽出されたバイオマスの残留不溶性固体を含まない4,219kg/時間(5/6)の透過流水が生産される。該工程の滞留時間は約10分である。ヒドロサイクロン(下相)および膜の不溶性固体に富む流水は、次いで、混合され、例えばプレートフィルタの濾過段階に2,531kg/時間の流速で送られ、約2,380kg/時間の流水が生産される。該流水は、不溶性固体の懸濁液を含まないPHB溶液、および約151.5kg/時間の抽出バイオマスの不溶性固体を含むミールである。該工程のPHB回収は、供給されたバイオマスのPHBV、即ちバイオマス流および純度に依存して70から80kgのPHBV/時間、と比べて95%(重量/重量)より高い。膜およびフィルタの抽出工程で得られた両濾液は、溶媒におけるPHBの沈降を保証するために、約45℃以下の温度まで急冷される。
25%の乾燥物質に濃縮され約1,000,000Daの分子量を有する約60%から75%のPHBを含むアルカリゲネス・ユートロファスのバイオマスは、約95から105℃で500kg/時間の流速で維持された機械的に撹拌される反応器に供給され、ここで、スラリーに含まれる過剰の水を蒸発させるのに十分な量で、約130℃に加熱された8,000kg/時間のプロピオン酸プロピルおよび130℃のプロピオン酸プロピルの蒸気が添加され、約24%の水および76%のプロピオン酸プロピルから成る約1,230kg/時間の蒸気流、ならびに、粗抽出物と称され、プロピオン酸プロピルに溶解したPHBおよび水、および抽出されたバイオマスの不溶性残渣を含む懸濁液の約8,268kg/時間の他の流水が生産される。粗抽出物は次に連続してヒドロサイクロンに送られ、ここで、この流れは二つの流水に分離される:一方の水流は上部の供給された流量の約75%であり、供給された粗抽出物に元々含まれる約35%の不溶性固体を含み;他方の流れは下部の供給された流量の約25%であり、その中に元々含まれる約65%の不溶性固体を含む。不溶性固体に乏しいヒドロサイクロンの上流は、次いで、6,201kg/時間の流速で膜マイクロ濾過ユニットに送られ、抽出されたバイオマスの残留不溶性固体が濃縮された約1,034kg/時間(1/6)の流水、および抽出されたバイオマスの残留不溶性固体を含まない5,167kg/時間(5/6)の透過流水が生産される。該工程の滞留時間は約3から10分である。ヒドロサイクロン(下相)および膜の不溶性固体に富む流水は、次いで、混合され、例えばプレートフィルタの濾過段階に3,100kg/時間の流速で送られ、約2,850kg/時間の流水が生産される。該流水は、不溶性固体の懸濁液を含まないPHB溶液、および約250kg/時間の抽出バイオマスの不溶性固体を含むミールである。該工程のPHB回収は、供給されたバイオマスのPHB、即ちバイオマス流および純度に依存して70から90kgのPHB/時間、と比べて95%(重量/重量)より高い。膜およびフィルタの抽出工程で得られた両濾液は、溶媒におけるPHBの沈降を保証するために、約45℃以下の温度まで急冷される。
実施例1.3.6:一段階抽出において溶媒として1−ヘキサノールを用いるPHBの抽出および回収
ヘキサノールにおけるPHB溶解度の試験:
500mlの丸底蒸留フラスコに、28.11%の乾燥物質および1,000,000Daの分子量を有する16.09%のPHB、および250gのヘキサノールを含む、31gの濃縮されたアルカリゲネス・ユートロファスのバイオマスを添加した。該懸濁液は、次に、撹拌しながら、蒸留フラスコと組み合された電気毛布を用いることにより、溶媒および水の蒸発にかけられた。こうして生成した二元蒸気は凝縮のためにストレート管冷却器(リービッヒ型)に導かれ、得られた凝縮物はエルレンマイアー容器に回収された。懸濁液は抽出温度に達するまで激しく撹拌しながら蒸発工程に保持された。フラスコのノズルの一つに添えられフラスコ内の蒸気相と接触して維持される水銀温度計で温度が読み取られた。約15分の蒸発時間が経過した後に、抽出温度に到達し、混合物の沸点は約104℃(初期温度)から約133℃(抽出温度)まで経過し、この期間に、約44%(v/v)のヘキサノールから成る約34mlの凝集物が生成され、残りの体積は濃縮バイオマスに由来する水であった。この懸濁液は、次いで、133℃の温度(抽出温度)で約10分間激しく撹拌しながら凝縮還流型に維持され、続いて、濾過溶媒に溶解する部分から不溶性部分を分離するために、濾紙で濾過しながらさらに加熱した。約0.83%(p/p)の可溶化PHBを含む加熱濾過物質は、次に、PHBの沈降のため冷却され、濾過により濃縮され、溶媒が蒸発された後、乾燥された。得られたPHBは約430,000Daの分子量を示した。試験で用いられた濃縮バイオマスの量は、利用した抽出温度の溶媒中にPHB飽和の濃度に達するために必要な量より約2.0から3.5倍多かった。従って、利用する抽出温度について溶媒(ヘキサノール)中の溶質(PHB)飽和の濃度が測定できた。
ヘキサノールにおけるPHB抽出の試験:
500mlの丸底蒸留フラスコに、28.11%の乾燥物質および1,000,000Daの分子量を有する16.09%のPHB、および200gのヘキサノールを含む、10gの濃縮されたアルカリゲネス・ユートロファスのバイオマスを添加した。該懸濁液は、次に、蒸留フラスコと組み合された電気毛布を用いることにより、溶媒および水の蒸発にかけられた。こうして生成した二元蒸気は凝縮のためにストレート管冷却器(リービッヒ型)に導かれ、得られた凝縮物はエルレンマイアー容器に回収された。この懸濁液は抽出温度に達するまで撹拌しながら蒸発工程に保持された。フラスコのノズルの一つに添えられフラスコ内の蒸気相と接触して維持される水銀温度計で温度が読み取られた。この懸濁液は、次いで、133℃の温度(抽出温度)で約10分間撹拌しながら凝縮還流型に維持された。こうして得られた物質は、次に、熱デカンテーション工程にかけられ、抽出に起因する不溶性固体残渣が溶媒に溶解したPHBから分離された。溶解したPHBを含む溶液はPHBの沈降のために冷却され、この段階で抽出されたPHBの質量が測定された。第一段階で得られた固体残渣は、200gのヘキサノールが新しく添加され、再び10分間の抽出にかけられた。三回の抽出段階になるまで、他の手法が反復された。細胞バイオマスに元々含まれる約64.5%のPHBが第一段階で抽出され、第二段階で19.0%、ならびに第三段階で8.0%であった。こうして得られたPHBの分子量は530,000Daから680,000Daの範囲内であった。
工業規模への外挿の実施例
28.11%の乾燥物質に濃縮され約1,000,000Daの分子量を有する約16.09%のPHBを含むアルカリゲネス・ユートロファスのバイオマスは、約133℃で500kg/時間の流速で維持された機械的に撹拌される反応器に供給され、ここで、スラリーに含まれる過剰の水を蒸発させるのに十分な量で、液体および蒸気の形態で、約133℃で加熱された10,019kg/時間のヘキサノールが添加され、約20%の水および60%(w/w)のヘキサノールから成る約542.6kg/時間の蒸気流、ならびに、粗抽出物と称され、ヘキサノールに溶解したPHBおよび水、および抽出されたバイオマスの不溶性残渣を含む懸濁液の約9,997kg/時間の他の流水が生産される。粗抽出物は次に連続してヒドロサイクロンに送られ、ここで、この流れは二つの流水に分離される:一方の水流は上部の供給された流量の約75%であり、供給された粗抽出物に元々含まれる約35%の不溶性固体を含み;他方の流れは下部の供給された流量の約25%であり、その中に元々含まれる約65%の不溶性固体を含む。不溶性固体に乏しいヒドロサイクロンの上流は、次いで、7,482kg/時間の流速で膜マイクロ濾過ユニットに送られ、抽出されたバイオマスの残留不溶性固体が濃縮された約1,247kg/時間(1/6)の流水、および抽出されたバイオマスの残留不溶性固体を含まない6,235kg/時間(5/6)の透過流水が生産される。該工程の滞留時間は約10分である。ヒドロサイクロン(下相)および膜の不溶性固体に富む流水は、次いで、混合され、例えばプレートフィルタの濾過段階に3,741kg/時間の流速で送られ、約3,90kg/時間の流水が生産される。該流水は、不溶性固体の懸濁液を含まないPHB溶液、および約151.5kg/時間の抽出バイオマスの不溶性固体を含むミールである。該工程のPHB回収は、供給されたバイオマスのPHBV、即ちバイオマス流および純度に依存して70から80kgのPHBV/時間、と比べて95%(重量/重量)より高い。膜およびフィルタの抽出工程で得られた両濾液は、溶媒におけるPHBの沈降を保証するために、約45℃以下の温度まで急冷される。
実施例1.5:脆弱で容易に剪断できる高い孔隙率の顆粒凝集体を得るためのPHBを含むイソアミルアルコール懸濁液の部分溶媒蒸発および洗浄
4から10%のPHBを含むイソアミルアルコールおよび水の溶液のPHB懸濁液は、500から1000kg/時間の流速で溶解され、抽出および精製の工程で回収されたイソアミルアルコールを含む水流とともに、1,000kg/時間の流速で真空蒸発器に供給された。該混合物は、次に連続して、蒸発による溶媒除去と同時に、溶媒、水およびPHB顆粒の凝集体を含む懸濁液を得るために、直接蒸気注入により蒸発にかけられる。該顆粒は連続して該システムの循環ポンプに設置された機械装置により剪断される。この工程に起因する物質は、水およびその中に溶解するイソアミルアルコールで微細に分割されたPHB粒子の懸濁液である。イソアミルアルコールは、PHB粒子を含む4から20%(重量/重量)の懸濁液の濃度を備えたシステムから連続的に得られ、溶媒抽出の次段階へ送られる。
実施例1.6:産物の同時洗浄および粉砕を伴う微細に分割されたPHB粒子の懸濁液からのイソアミルアルコール(溶媒)の抽出
実施例1.5で例示されたように得られた微細に分割されたPHB粒子の懸濁液は、2から20%の固体を含み、1000kg/時間の流速で溶媒抽出(ストリッピング)の撹拌反応器に送られ、ここで、若干の水と一緒に、水に溶解したイソアミルアルコールが除去されるまで、水と同様、蒸気が直接接触するようにされ、該水は該システムの流出する蒸気相を形成する。残留イソアミルアルコールの蒸発と同時に及び連続して、PHB粒子の懸濁水は実施例1.5に記載する装置と同様な装置により更なる剪断工程にかけられる。溶媒抽出工程の完了時に、5から20%の固体を含む懸濁液の濃度で、微細に分割され、実質的に純粋で、溶媒を含まないPHBの懸濁水が得られる。この懸濁液は、次いで、冷却され、濾過段階に導かれ、そこで実質的に乾燥した約50から80%の湿度のPHBミールが得られる。
図1は、本発明の方法の簡素化されたフロー・チャートである。

Claims (36)

  1. 細菌の細胞バイオマスからポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を回収する方法であって、前記バイオマスは、発酵により得られ、水性懸濁液中の、18重量%以上の乾燥細胞含量を有する細胞バイオマス・スラリーの形態であり、
    i)前記細胞バイオマスの壁の破壊および前記バイオマス中に含まれるPHAの溶解を生じさせるために、ならびに溶解PHAに富むPHA溶媒、前記細胞バイオマス・スラリーからの残存する水および濃縮細胞バイオマスの不溶性残渣を含む懸濁液を形成するために、PHA溶媒の注入、激しい撹拌、および反応器内部における迅速な加熱の同時操作に濃縮細胞バイオマス・スラリーをかける段階;
    ii)溶解PHAに富む前記溶媒を残留細胞バイオマスの不溶性残渣から回収するために、前記反応器中に形成された懸濁液を分離段階にかける段階;
    iii)PHAに富むPHA溶媒溶液を、溶解PHAの全てを沈降させるために十分な温度まで急冷する段階;
    iv)沈降PHAの濃縮ペーストを分離するために、PHA溶媒中に沈降し、かつ水およびPHA溶媒中に溶解する不純物を含むPHA懸濁液を冷却マイクロ濾過する段階
    v)濃縮PHAペーストを、脆弱で容易に剪断できる高孔隙率のPHA顆粒、残留溶媒および水を含む懸濁液を得るために適切な一定量の溶媒の蒸発を促進するために、水による洗浄、加熱および撹拌の同時操作にかける段階;
    vi)洗浄されおよび加熱されたPHA顆粒を、精製されたPHA粒子を含む懸濁液を得るために、PHA顆粒を急速に破壊する一方、残留溶媒および水を含む懸濁液に水蒸気を注入することにより残留溶媒の抽出処理するように、撹拌および剪断にかける段階;および
    vii)前記懸濁液から精製されたPHA粒子を分離する段階
    を含み、
    該PHA溶媒が非ハロゲン化溶媒であることを特徴とする前記方法。
  2. 使用される該PHA溶媒が、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、イソブチルアルコール、1−ブタノール、1−ペンタノール(アミルアルコール)、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール(イソアミルアルコール)、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、酪酸エチル、イソ酪酸イソブチル、及びこれら溶媒の混合物から成る溶媒の群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 使用される溶媒が、イソアミルアルコール、またはイソアミルアルコールの異性体の混合物であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. イソアミルアルコールがエタノール発酵の副産物としてのフーゼル油を分画することにより得られ、前記フーゼル油が、不純物に加えて、イソアミルアルコール及びその異性体から構成されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. PHAが、ポリ−3−ヒドロキシブチレート(PHB)、ポリヒドロキシブチレート−コ(co)−ヒドロキシバリレート(PHBV)、並びにこれらの重合体および共重合体の混合物から成る群より選択されることを特徴とする、請求項1又は4に記載の方法。
  6. PHAが主要原料としてサトウキビから抽出された糖を使用してPHAを生合成できる微生物を用いた細菌発酵により生産され、前記工程に必要な熱エネルギーおよび電気エネルギーを生産するために用いられる主要なエネルギー源がサトウキビのバガスであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 発酵により得られ処理される細菌細胞バイオマスが予め熱不活性化されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  8. 濃縮細胞バイオマス・スラリーに溶媒を注入する段階が、大気圧において90°から溶媒の沸点の温度まで細胞バイオマスを加熱するために、および、PHAに富む該PHA溶媒および細胞バイオマス・スラリーからの残存する水を含む液相、残留細胞バイオマスの不溶性残渣により定義される固相ならびに水および該PHA溶媒の蒸気を含む蒸気相を形成するために、液体の該PHA溶媒および蒸気の形態の該PHA溶媒を注入する操作を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. 反応器の内部から蒸気相を抜き出す追加段階を含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. PHAペーストが細胞破壊の段階およびPHA溶解の段階中に反応器から抜き出された蒸気相の凝縮に由来する水流で洗浄されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 濃縮細胞バイオマス・スラリーが、細胞バイオマス懸濁液を含む発酵培養培地を細胞バイオマスの凝集および濃縮の操作にかけることにより得られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  12. 発酵培養培地の懸濁液中における細胞バイオマスが、3.0:1.0までの発酵物質:水の質量比を提供するように、さらに水で希釈されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 凝集操作が、1.5から5.5までのpHに細胞バイオマスを酸性化することにより、並びに7から12までのpHに達するまでアルカリ化剤を添加することにより達成される、細胞バイオマスを凝固させる段階を含み、蓄積PHAを含む細胞バイオマスの凝集操作が凝集剤の添加により実施されることを特徴とする、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 希釈細胞バイオマスの酸性化が硫酸および燐酸の少なくとも一つにより定義される酸を添加することにより行われることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. アルカリ化剤が水酸化カルシウムを含むことを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  16. 2.0から3.0までのpHを得るように酸性化が実施され、希釈細胞バイオマスの懸濁液のpHを7から12の範囲に調整するようにアルカリ化剤の添加が為されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  17. 凝集操作が7から12までのpHに達するまでアルカリ化剤を添加することにより細胞バイオマスを凝固させる段階を含み、蓄積PHAを含む細胞バイオマスの凝集が凝集剤の添加により達成されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  18. アルカリ化剤が水酸化カルシウムを含むことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  19. 凝集バイオマス細胞の濃縮がデカンテーションおよび遠心分離の操作の少なくとも一つにより達成されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  20. 凝集発酵培養培地の懸濁液中における細胞バイオマス・スラリーが、水による洗浄に、および乾燥細胞バイオマスの18重量%から45重量%、または25重量%から45重量%の範囲の濃縮にかけられることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  21. 細胞バイオマス・スラリーを洗浄および濃縮する段階が前記スラリーを水流および遠心力の作用に同時にかけることにより達成されることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
  22. 細胞バイオマス・スラリーに注入されるPHA溶媒が加熱されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  23. 反応器内部に形成された懸濁液に含まれる残留バイオマスの不溶性残渣から、該PHA溶媒に溶解したPHAに富む溶媒を分離する段階が、膜マイクロ濾過およびプレコート・フィルタの濾過の操作の少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  24. 反応器内部に形成された懸濁液に含まれる残留バイオマスの不溶性残渣から、該PHA溶媒に溶解したPHAに富む溶媒を分離する段階が、低強度の遠心力の作用により前記懸濁液を分離にかける段階を含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  25. PHA溶媒に溶解したPHAに富む溶媒から反応器内部に形成された懸濁液に含まれる残留バイオマスの不溶性残渣を分離する段階で用いられる低強度の遠心力により、ヒドロサイクロンを用いて低濃度の前記残渣を含む懸濁液および前記残渣を濃縮した他の懸濁液を生産し、得ることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
  26. ヒドロサイクロンを離れる、バイオマス不溶性残渣の低濃度の懸濁液が、冷却段階にかけられる前に前記残渣を完全に除去するため、迅速に追加の分離段階にかけられることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
  27. 追加の分離段階が、不溶性残渣を含まず該PHA溶媒に溶解したPHAに富む溶媒を生産するために、ならびにバイオマス不溶性残渣が濃縮されていて、該PHA溶媒に溶解したPHA画分、水、灰、および該PHA溶媒に溶解した着色化合物を含む懸濁液を生産するために、膜マイクロ濾過により達成されることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
  28. 細胞バイオマスの不溶性残渣が濃縮されている懸濁液が、バイオマス不溶性残渣を含むミール、および、不溶性残渣を含まず迅速に冷却段階にかけられる、PHA溶媒に溶解したPHAの濾過溶液を生産するために、濾過段階にかけられることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
  29. 不溶性残渣を含まず該PHA溶媒に溶解したPHAの濾過溶液が、マイクロ濾過において送られる60から90%(w/w)質量流の懸濁液に相当し、細胞バイオマスの残渣を濃縮した懸濁液がマイクロ濾過において送られる10から%(w/w)の前記質量流の懸濁液に相当することを特徴とする、請求項27に記載の方法。
  30. ヒドロサイクロンを離れるバイオマス不溶性残渣が濃縮されている懸濁液が、冷却段階にかけられる前に、バイオマス不溶性残渣を分離するために、濾過段階にかけられることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
  31. 該PHA溶媒に沈降したPHA懸濁液を冷却マイクロ濾過する段階が、3.5%から8.0%w/wまでのPHAの濃度のPHAペーストを生産するために実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  32. PHA溶媒に乏しい残留溶媒および水を含む懸濁液から分離されたPHA粒子を乾燥する最終段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  33. 工程のいくつかの段階において生成された水蒸気および該PHA溶媒蒸気が凝縮されて二つの液相、一方はPHA溶媒に富み、かつPHAの抽出および回収の段階における工程(vi)に戻る液相、他方はPHA溶媒に乏しい液相であって、該液相中に含まれる該PHA溶媒を回収できるように工程(i)に再循環される液相、に分離されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  34. 発酵細胞バイオマスを加熱する段階、前記細胞バイオマスの細胞壁を破壊する段階および前記バイオマスに含まれるPHAを溶解する段階が、最小で1,000,000Daの分子量を有するPHAを含むバイオマスから、最小で850.000Daの分子量を有するPHAが得られるのに十分に短い合計時間で実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  35. 分離および冷却の段階が最小で750.000Daの分子量を有するPHAが得られるのに十分に短い時間で達成されることを特徴とする、請求項34に記載の方法。
  36. 乾燥後、段階(vi)で得られたPHA顆粒が、40から400μmまでの範囲、又は100から200μmまでの範囲の平均粒径を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
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