JP4707731B2 - アイソレータ、それを用いた高周波発振器、高周波送受信器およびレーダ装置 - Google Patents

アイソレータ、それを用いた高周波発振器、高周波送受信器およびレーダ装置 Download PDF

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本発明は、ミリ波集積回路やミリ波レーダモジュール等に用いられる高周波信号用のアイソレータに関するものであり、詳細には、サーキュレータの入出力用の伝送線路の1つに無反射終端器が接続されているサーキュレータ型のアイソレータにおいて、アイソレーション特性を改善することができるアイソレータ、それを用いた高周波発振器および高周波送受信器に関するものである。
また本発明は、非放射性誘電体線路型のミリ波集積回路,ミリ波レーダモジュール等に組み込まれ、高周波ダイオードを用いてミリ波信号を発生させる高周波発振器、およびそれを用いた非放射性誘電体線路型の高周波送受信器に関するものである。
また本発明は、上記高周波送受信器を具備するレーダ装置に関するものである。
従来から、ミリ波集積回路やミリ波レーダモジュール等に組み込まれて使用される高周波信号用のアイソレータとして、サーキュレータの入出力用の伝送線路の一つに無反射終端器が接続されているサーキュレータ型のアイソレータが知られており、このようなサーキュレータ型のアイソレータの従来例は、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されているアイソレータは、例えば、図12にその例を模式的な平面図で示すように、高周波信号を伝送する第1、第2および第3の伝送線路14,15,16が磁性体17の周縁部に放射状に接続され、一つの接続部から入力された高周波信号を隣接する他の接続部の一方より出力するサーキュレータの一つの接続部に一端が接続された第3の伝送線路16の他端に無反射終端器18が接続されているアイソレータにおいて、この第3の伝送線路16の線路長を、(2n+1)/4・λg(nは整数,λgは高周波信号の第3の伝送線路16内での波長)とする構成である。
このような従来のアイソレータによれば、第1の伝送線路14から入力した高周波信号を第2の伝送線路15から出力させる一方、第2の伝送線路15の出力端側で反射した高周波信号の一部を第3の伝送線路16に入力し、この高周波信号の一部を無反射終端器18で終端し、この第2の伝送線路15の出力端側で反射した高周波信号の一部が第1の伝送線路14の入力端側に漏洩しないように動作する際に、無反射終端器18で終端しきれずに反射して第3の伝送線路16から第1の伝送線路14に漏洩する高周波信号と、第2の伝送線路15の出力端側で反射して第2の伝送線路15から第1の伝送線路14に漏洩する一部の高周波信号とを干渉させることにより、第2の伝送線路15の出力端側で反射して第1の伝送線路14の入力端側に漏洩する高周波信号をより大きく減衰させることができ、アイソレーション特性を良好にすることができるというものである。
一方、従来、マイクロ波やミリ波の高周波信号を伝送させるためには金属導波管が多く用いられてきたが、近年の高周波モジュールの小型化の要求により、誘電体線路を高周波信号の導波路として用いた高周波モジュールが開発されている。中でも、高周波信号の伝送損失の少ない非放射性誘電体線路(NonRadiativeDielectric Waveguideで、以下、N
RDガイドともいう。)が注目されている。
このNRDガイドの基本構成を図11に部分破断斜視図で示す。同図に示すように、所定
の間隔aをもって平行配置された平行平板導体11,12の間に、断面形状が長方形等の矩形状の誘電体線路13を配置した構成であり、この間隔aが高周波信号の波長λに対してa≦λ/2であれば、外部から誘電体線路13へのノイズの侵入をなくし、かつ外部への高周波信号の放射をなくして、誘電体線路13中で高周波信号を効率良く伝搬させることができる。なお、高周波信号の波長λは使用周波数における空気中(自由空間)での波長である。
このようなNRDガイドに組み込まれる、高周波発振器の従来例を図13,図14に斜視図で示す。図13は高周波発振器の従来例を示す斜視図、図14は高周波発振器用の可変容量ダイオード(バラクタダイオード)を設けた配線基板の斜視図である。なお、図13,図14において、平行平板導体は図示していない。この高周波発振器は、ガンダイオードとバラクタダイオードとを組み合わせて使用することにより、周波数変調された高周波信号を発振するものであり、このような高周波発振器を用いた高周波送受信器やミリ波レーダモジュール等が開発されている。図15に、従来の高周波発振器をミリ波信号発振部102として組み込んで構成したミリ波レーダモジュールの例を平面図で示す。
図13に示す高周波発振器は電圧制御発振器VとサーキュレータEとから構成される。まず、図13に示す高周波発振器の構成要素である電圧制御発振器Vは、次に説明する構成である。図13,図14において、82はガンダイオード83を設置(マウント)するための略直方体の金属ブロック等の金属部材、83はミリ波を発振する高周波ダイオードの1種であるガンダイオード、84は金属部材82の一側面に設置され、ガンダイオード83にバイアス電圧を供給するとともに高周波信号の漏れを防ぐローパスフィルタとして機能するチョーク型バイアス供給線路84aを形成した配線基板、85はチョーク型バイアス供給線路84aとガンダイオード83の上部導体とを接続する金属箔リボン等の帯状導体、86は誘電体基体に共振用の金属ストリップ線路86aを設けた金属ストリップ共振器、87は金属ストリップ共振器86により共振した高周波信号をミリ波信号発振部外へ導く誘電体線路である。
さらに、誘電体線路87の中途には、周波数変調用ダイオードであって可変容量ダイオードの1種であるバラクタダイオード80を実装した配線基板88を設置している。このバラクタダイオード80のバイアス電圧印加方向は、誘電体線路87での高周波信号の伝搬方向に垂直かつ平行平板導体の主面に平行な方向(電界方向)とされている。また、バラクタダイオード80のバイアス電圧印加方向は、誘電体線路87中を伝搬するLSM01モードの高周波信号の電界方向と合致しており、これにより高周波信号とバラクタダイオード80とを電磁結合させ、バイアス電圧を制御することによりバラクタダイオード80の静電容量を変化させることで、高周波信号の周波数を制御できる。また、89はバラクタダイオード80と誘電体線路87とのインピーダンス整合をとるための高比誘電率の誘電体板である。
また、図14に示すように、配線基板88の一主面には第2のチョーク型バイアス供給線路90が形成され、第2のチョーク型バイアス供給線路90の中途にバラクタダイオード80が配置される。第2のチョーク型バイアス供給線路90のバラクタダイオード80との接続部には、接続用の電極81が形成されている。
そして、ガンダイオード83から発振された高周波信号は、金属ストリップ共振器86を通して誘電体線路87に導出される。次に、高周波信号の一部はバラクタダイオード80部で反射されてガンダイオード83側へ戻る。この反射信号がバラクタダイオード80の静電容量の変化に伴って変化し、発振周波数が変化する。
次に、図13に示す高周波変調器の構成要素であるサーキュレータEは、平行平板導体に平行に配設された2枚のフェライト板91a,91bの周縁部に所定間隔で配置され、かつそれぞれミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部92aと第2の接続部92bと第3の接続部92cとを有し、第1の接続部92aに誘電体線路87の一端が、第2の接続部92bに誘電体線路93の一端が、第3の接続部92cに誘電体線路94の一端がそれぞれ接続され、誘電体線路87の他端から入力されたミリ波信号がフェライト板91a,91bの面内で反時計回りに隣接する誘電体線路93の他端である出力端93aより出力され、この出力の一部が反射されて戻って出力端93aから入力され、フェライト板91a,91bの面内で反時計回りに隣接する誘電体線路94の一端に入力されて他端より出力される構成である。
そして、図13に示す高周波変調器は電圧制御発振器VとサーキュレータEとが誘電体線路87で接続され、誘電体線路94の他端に無反射終端器95が接続されて構成されている。電圧制御発振器Vによって発生されたミリ波信号はサーキュレータEの第1の接続部92aから第2の接続部92bへ伝送され、出力端93aからミリ波発振出力として取り出される。この構成において、サーキュレータEおよび無反射終端器95がアイソレータとして動作して、電圧制御発振器Vのミリ波発振出力が電圧制御発振器Vに戻らないように、電圧制御発振器Vと出力端93aとをアイソレートし、電圧制御発振器Vが安定に発振するように動作する。このような高周波発振器に関する技術は、例えば特許文献2〜5に開示されている。
また、図15に示すミリ波レーダモジュールはFMCW(Frequency Modulation Continuous Waves)方式のものであり、その動作原理は以下のようなものである。図13に示すような高周波発振器からなるミリ波信号発振部102の変調信号入力用の端子に、電圧振幅の時間変化が三角波,正弦波等となる入力信号を入力し、その出力信号を周波数変調し、ミリ波信号発振部102の出力周波数偏移を三角波,正弦波等になるように偏移させる。そして、送受信アンテナ106より出力信号(送信波)を放射した場合、送受信用アンテナ106の前方にターゲットが存在すると、電波の伝搬速度の往復分の時間差を伴って、ターゲットから反射波(受信波)が戻ってくる。このとき、ミキサー110の出力側の中間周波出力端子には、送信波と受信波との周波数差に対応した中間周波信号が出力される。
この中間周波出力端子の出力の出力周波数等の周波数成分を解析することで、Fif=4R・fm・Δf/c(Fif:IF(Intermediate Frequency:中間周波数)出力周波数であり、R:距離,fm:変調周波数,Δf:周波数偏移幅,c:光速である。)という関係式からターゲットまでの距離を求めることができる。
このような高周波発振器を用いたミリ波レーダモジュールに関する技術は、例えば特許文献6〜8に開示されている。
また、従来のレーダ装置およびそれを搭載したレーダ装置搭載車両の例は、例えば、特許文献9に開示されている。
特開平7−235808号公報 特開平6−188633号公報 特開平6−177650号公報 特開平6−177649号公報 特開平6−97735号公報 特開平6−174824号公報 特開平10−22864号公報 特開平10−224257号公報 特開2003−35768号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている従来のアイソレータでは、主に無反射終端器18で高周波信号が反射する際に、実際には、高周波信号の位相の進み方が変化するために、このような位相の変化がないという前提のもとで第3の伝送線路16の線路長をアイソレーション特性が良好となるように上記の設定としたのでは、第1の伝送線路14に漏洩する上記2つの高周波信号が逆位相からずれて合波されることとなるので、第2の伝送線路15の出力端側で反射して第1の伝送線路14の入力端側に漏洩する高周波信号を十分に減衰させることができないという問題点があった。
本発明は従来の技術における以上のような改善が望まれる問題点を解決すべく案出されたものであり、その目的は、サーキュレータの入出力用の伝送線路の1つに無反射終端器が接続されているサーキュレータ型のアイソレータにおいて、アイソレーション特性が改善されたアイソレータを提供することにある。
また、図13に示すような従来の高周波発振器は、図7に高周波変調器の構成要素であるサーキュレータ1段のアイソレーション特性をグラフで示すように、アイソレーションが高くとれる周波数帯域幅が狭く、アイソレーションを例えば30dB以上といった所定値以上に大きくとれる領域で高周波発振器を安定に発振させるためには、発振する周波数帯域が限られる(例えば、図7の例では1GHz未満である。)という問題点があった。
また、従来の高周波発振器をミリ波レーダモジュール等に組み込んで使用する場合には、ミリ波レーダモジュールは温度変化が激しい自動車のエンジンルーム等に搭載されることとなるが、高周波発振器の発振周波数は温度に依存するため、環境温度によりサーキュレータのアイソレーションがとれない周波数で高周波発振器がミリ波発振出力してレーダ探知性能が劣化することがあるという問題点があった。
また、従来のミリ波レーダモジュールにおいて、ミリ波発振出力をさらにパルス変調して、ノイズの少ないミリ波送受信を行ないたいという場合には、従来の高周波発振器では、パルス変調器からパルス状のミリ波信号が高周波発振器に戻ることによって、さらに強い発振不安定要因が電圧制御発振器に加わることとなり、サーキュレータのアイソレーションが不足するという問題点もあった。
また、これらの問題点に対して、本出願人が特開2003−218609号公報において提案したような2段構成のサーキュレータを用いて同様の高周波発振器を構成する解決手段が考えられるが、この技術においても、所定値以上のアイソレーションが確保される周波数帯域幅をさらに広いものとしたいという、さらに改善が望まれている点があった。
本発明は上記事情に鑑みて完成されたものであり、その目的は、所定値以上のアイソレーションが確保される周波数帯域幅を広くとることができて、安定に発振する周波数帯域幅を広くすることができ、また、高周波発振器の周波数特性が使用環境温度に左右されても安定に動作させることができる高周波発振器およびそれを用いた高周波送受信器を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、そのような高性能な高周波送受信器を具備するレーダ装置を提供することにある。
本発明の第1のアイソレータは、高周波信号を伝送する第1、第2および第3の伝送線路が磁性体の周縁部に放射状にそれぞれ第1、第2および第3の接続部で接続され、一つの前記接続部から入力された前記高周波信号を隣接する他の前記接続部の一方より出力するサーキュレータに、前記第3の接続部に一端が接続された前記第3の伝送線路の他端に無反射終端器が接続されてなるアイソレータにおいて、前記第3の伝送線路の線路長を、前記第3の伝送線路を通って前記無反射終端器で反射して戻って前記第1の伝送線路に漏洩した一部の高周波信号をWaとし、前記第2の伝送線路から前記サーキュレータを介して前記第1の伝送線路に漏洩した他の一部の高周波信号をWbとし、これらWaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N+1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定したことを特徴とするものである。
本発明の第2のアイソレータは、高周波信号を伝送する第1、第2および第3の伝送線路が磁性体の周縁部に放射状にそれぞれ第1、第2および第3の接続部で接続され、一つの前記接続部から入力された前記高周波信号を隣接する他の前記接続部の一方より出力する第1および第2のサーキュレータが、前記第1のサーキュレータの前記第2の伝送線路が前記第2のサーキュレータの前記第1の伝送線路を兼ねることによって接続されて設けられているとともに、それぞれの前記第3の接続部に一端が接続された前記第3の伝送線路の他端に無反射終端器が接続されてなるアイソレータにおいて、前記第1のサーキュレータの前記第1の伝送線路から前記第2の伝送線路へ透過する前記高周波信号と前記第2の伝送線路から前記前記第1の伝送線路へ透過する高周波信号とのアイソレーション特性の周波数依存性と、前記第2のサーキュレータの前記第1の伝送線路から前記第2の伝送線路へ透過する前記高周波信号と前記第2の伝送線路から前記第1の伝送線路へ透過する高周波信号とのアイソレーション特性の周波数依存性とが異なることを特徴とするものである。
また、本発明の第2のアイソレータは、上記構成において、前記第1および第2のサーキュレータは、それぞれ前記第3の伝送線路の線路長を、前記第3の伝送線路を通って前記無反射終端器で反射して戻って前記第1の伝送線路に漏洩した一部の高周波信号をWaとし、前記第2の伝送線路から前記サーキュレータを介して前記第1の伝送線路に漏洩した他の一部の高周波信号をWbとし、これらWaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N+1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定したことを特徴とするものである。
本発明の第1の高周波発振器は、高周波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間に、この平行平板導体の内面に互いに対向させて配置された2枚のフェライト板と、この2枚のフェライト板に対して略放射状に配置された、高周波信号を入力する入力用誘電体線路、先端部に無反射終端器が設けられた終端用誘電体線路および前記入力用誘電体線路に入力された高周波信号を出力する出力用誘電体線路をそれぞれ具備した第1および第2のサーキュレータが接続されて設けられており、この第1および第2のサーキュレータは、前記第1のサーキュレータの前記出力用誘電体線路が前記第2のサーキュレータの前記入力用誘電体線路を兼ねることによって接続されているとともに前記第1のサーキュレータの前記入力用誘電体線路の前記高周波信号が入力される入力端に電圧制御発振器が接続されており、前記第1のサーキュレータの前記入力用誘電体線路から前記出力用誘電体線路へ透過する前記高周波信号と前記出力用誘電体線路から前記入力用誘電体線路へ透過する高周波信号とのアイソレーション特性の周波数依存性と、前記第2のサーキュレータの前記入力用誘電体線路から前記出力用誘電体線路へ透過する前記高周波信号と前記出力用誘電体線路から前記入力用誘電体線路へ透過する高周波信号とのアイソレーション特性の周波数依存性とが異なることを特徴とするものである。
また、本発明の第1の高周波発振器は、上記構成において、前記周波数依存性は、前記第1のサーキュレータと第2のサーキュレータとの前記2枚のフェライト板の間隔および寸法の少なくとも一方を異ならせることによって調整されていることを特徴とするものである。
本発明の第2の高周波発振器は、上記本発明の第1および第2のいずれかのアイソレー
タと、このアイソレータの入力端に接続された、高周波信号を発生させる電圧制御発振器とを具備することを特徴とするものである。
本発明の第1の高周波送受信器は、
ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置された平行平板導体間に、
第1の誘電体線路に付設され、高周波発振器から出力されたミリ波信号を前記第1の誘電体線路に出力するミリ波信号発振部と、
前記第1の誘電体線路の途中に介在し、前記ミリ波信号をパルス化して送信用のミリ波信号として前記第1の誘電体線路から出力させるパルス変調器と、
前記第1の誘電体線路に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは前記第1の誘電体線路に一端が接合されて、前記送信用のミリ波信号の一部をミキサー側へ伝搬させる第2の誘電体線路と、
前記平行平板導体に平行に配設されたフェライト板の周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部と第2の接続部と第3の接続部とを有し、一つの前記接続部から入力された前記ミリ波信号を前記フェライト板の面内で時計回りまたは反時計回りに隣接する他の前記接続部より出力するサーキュレータであって、前記第1の誘電体線路の前記ミリ波信号の出力端に前記第1の接続部が接続されるサーキュレータと、
このサーキュレータの前記第2の接続部に接続され、前記送信用のミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送受信アンテナを有する第3の誘電体線路と、
前記サーキュレータの前記第3の接続部に接続され、前記送受信アンテナで受信されて前記第3の誘電体線路を伝搬し前記第3の接続部から出力された受信波をミキサーへ伝搬させる第4の誘電体線路と、
前記第2の誘電体線路の中途と前記第4の誘電体線路の中途とを電磁結合するように近接させるかまたは接合させて成り、前記送信用のミリ波信号の一部と前記受信波とを混合して中間周波信号を発生させるミキサーと、
前記第2の誘電体線路の前記ミキサーと反対側の端部に接続された無反射終端器とを具備しており、
前記ミリ波信号発振部の前記高周波発振器が上記いずれかの構成の本発明の第1の高周波発振器であることを特徴とするものである。
また、本発明の第2の高周波送受信器は、
ミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置された平行平板導体間に、
第1の誘電体線路に付設され、高周波発振器から出力されたミリ波信号を前記第1の誘電体線路に出力するミリ波信号発振部と、
前記第1の誘電体線路の途中に介在し、前記ミリ波信号をパルス化して送信用のミリ波信号として前記第1の誘電体線路から出力させるパルス変調器と、
前記第1の誘電体線路に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは前記第1の誘電体線路に一端が接合されて、前記送信用のミリ波信号の一部をミキサー側へ伝搬させる第2の誘電体線路と、
前記平行平板導体に平行に配設されたフェライト板の周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部と第2の接続部と第3の接続部とを有し、一つの前記接続部から入力された前記ミリ波信号を前記フェライト板の面内で時計回りまたは反時計回りに隣接する他の前記接続部より出力するサーキュレータであって、前記第1の誘電体線路の前記ミリ波信号の出力端に前記第1の接続部が接続されるサーキュレータと、
このサーキュレータの前記第2の接続部に接続され、前記送信用のミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送信アンテナを有する第3の誘電体線路と、
先端部に受信アンテナ、他端部にミキサーが設けられた第4の誘電体線路と、
前記サーキュレータの前記第3の接続部に接続され、前記送信アンテナで受信混入した
ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に設けられた無反射終端器で前記ミリ波信号を減衰させる第5の誘電体線路と、
前記第2の誘電体線路の中途と前記第4の誘電体線路の中途とを電磁結合するように近接させるかまたは接合させて成り、前記送信用のミリ波信号の一部と前記受信波とを混合して中間周波信号を発生させるミキサーと、
前記第2の誘電体線路の前記ミキサーの反対側の端部に接続された無反射終端器とを具備しており、
前記ミリ波信号発振部の前記高周波発振器が上記いずれかの構成の本発明の第1の高周波発振器であることを特徴とするものである。
本発明の第3の高周波送受信器は、上記本発明の第2の高周波発振器と、この高周波発振器の出力端側に接続された、前記高周波信号を分岐して一方の出力端と他方の出力端とに出力する分岐器と、前記一方の出力端に接続された、この一方の出力端に分岐された高周波信号を変調して送信用高周波信号を出力する変調器と、磁性体の周囲に第1の端子,第2の端子および第3の端子を有し、この順に一つの前記端子から入力された高周波信号を隣接する次の前記端子より出力する、前記変調器の出力が前記第1の端子に入力されるサーキュレータと、このサーキュレータの前記第2の端子に接続された送受信アンテナと、前記分岐器の前記他方の出力端と前記サーキュレータの前記第3の端子との間に接続された、前記他方の出力端に分岐された高周波信号と前記送受信アンテナで受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサーとを具備することを特徴とするものである。
本発明の第4の高周波送受信器は、上記本発明の第2の高周波発振器と、この高周波発振器の出力端側に接続された、前記高周波信号を分岐して一方の出力端と他方の出力端とに出力する分岐器と、前記一方の出力端に接続された、この一方の出力端に分岐された高周波信号を変調して送信用高周波信号を出力する変調器と、この変調器の出力端に一端が接続された、前記一端側から他端側へ前記送信用高周波信号を透過させるアイソレータと、このアイソレータに接続された送信アンテナと、前記分岐器の前記他方の出力端側に接続された受信アンテナと、前記分岐器の前記他方の出力端と前記受信アンテナとの間に接続された、前記他方の出力端に分岐された高周波信号と前記送受信アンテナで受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサーとを具備することを特徴とするものである。
本発明のレーダ装置は、上記各構成の本発明の第1乃至第4のいずれかの高周波送受信器と、この高周波送受信器から出力される前記中間周波信号を処理して探知対象物までの距離情報を検出する距離情報検出器とを具備することを特徴とするものである。
本発明のレーダ装置搭載車両は、上記構成の本発明のレーダ装置を備え、このレーダ装置を探知対象物の検出に用いることを特徴とするものである。
本発明のレーダ装置搭載小型船舶は、上記構成の本発明のレーダ装置を備え、このレーダ装置を探知対象物の検出に用いることを特徴とするものである。
本発明の第1のアイソレータによれば、高周波信号を伝送する第1、第2および第3の伝送線路が磁性体の周縁部に放射状にそれぞれ第1、第2および第3の接続部で接続され、一つの前記接続部から入力された前記高周波信号を隣接する他の前記接続部の一方より出力するサーキュレータに、前記第3の接続部に一端が接続された前記第3の伝送線路の他端に無反射終端器が接続されてなるアイソレータにおいて、前記第3の伝送線路の線路長を、前記第3の伝送線路を通って前記無反射終端器で反射して戻って前記第1の伝送線
路に漏洩した一部の高周波信号をWaとし、前記第2の伝送線路から前記サーキュレータを介して前記第1の伝送線路に漏洩した他の一部の高周波信号をWbとし、これらWaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N+1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定したことから、WaとWbとの位相差δがδ=(2N+1)・πとなるため、無反射終端器で高周波信号が反射する際に高周波信号の位相の進み方が変化するのに対しても、第1の伝送線路に漏洩する上記2つの一部の高周波信号を確実に互いに丁度逆位相にして、効果的に互いが打ち消し合うようにすることができるので、アイソレーション特性を良好にすることができるものとなる。
本発明の第2のアイソレータによれば、高周波信号を伝送する第1、第2および第3の伝送線路が磁性体の周縁部に放射状にそれぞれ第1、第2および第3の接続部で接続され、一つの前記接続部から入力された前記高周波信号を隣接する他の前記接続部の一方より出力する第1および第2のサーキュレータが、前記第1のサーキュレータの前記第2の伝送線路が前記第2のサーキュレータの前記第1の伝送線路を兼ねることによって接続されて設けられているとともに、それぞれの前記第3の接続部に一端が接続された前記第3の伝送線路の他端に無反射終端器が接続されてなるアイソレータにおいて、前記第1のサーキュレータの前記第1の伝送線路から前記第2の伝送線路へ透過する前記高周波信号と前記第2の伝送線路から前記前記第1の伝送線路へ透過する高周波信号とのアイソレーション特性の周波数依存性と、前記第2のサーキュレータの前記第1の伝送線路から前記第2の伝送線路へ透過する前記高周波信号と前記第2の伝送線路から前記第1の伝送線路へ透過する高周波信号とのアイソレーション特性の周波数依存性とが異なることから、特定の周波数のみに偏ることなくアイソレーションをとることができるため、第1および第2のサーキュレータが最大アイソレーションをとる周波数をそれぞれ異なる値に設定して、所定値以上のアイソレーションが確保される周波数帯域幅を、第1および第2のサーキュレータが最大アイソレーションをとる周波数を同じに設定する場合に比べて広くすることができるものとなる。
また、本発明の第2のアイソレータによれば、上記構成において、前記第1および第2のサーキュレータは、それぞれ前記第3の伝送線路の線路長を、前記第3の伝送線路を通って前記無反射終端器で反射して戻って前記第1の伝送線路に漏洩した一部の高周波信号をWaとし、前記第2の伝送線路から前記サーキュレータを介して前記第1の伝送線路に漏洩した他の一部の高周波信号をWbとし、これらWaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N+1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定したときには、WaとWbとの位相差δがδ=(2N+1)・πとなるため、無反射終端器で高周波信号が反射する際に高周波信号の位相の進み方が変化するのに対しても、第1の伝送線路に漏洩する上記2つの一部の高周波信号を確実に互いに丁度逆位相にして、効果的に互いが打ち消し合うようにすることができるので、アイソレーション特性を良好にすることができるものとなる。
本発明の第1の高周波発振器によれば、上記構成により、第1のサーキュレータの入力用誘電体線路から出力用誘電体線路へ透過する高周波信号と出力用誘電体線路から入力用誘電体線路へ透過する高周波信号とのアイソレーション特性の周波数依存性と、第2のサーキュレータの入力用誘電体線路から出力用誘電体線路へ透過する高周波信号と出力用誘電体線路から入力用誘電体線路へ透過する高周波信号とのアイソレーション特性の周波数依存性とが異なるものとされていることから、特定の周波数のみに偏ることなくアイソレーションをとることができるため、第1および第2のサーキュレータが最大アイソレーションをとる周波数をそれぞれ異なる値に設定して、所定値以上のアイソレーションが確保される周波数帯域幅を、第1および第2のサーキュレータが最大アイソレーションをとる周波数を同じに設定する場合に比べて広くすることができるので、広い周波数範囲で高周波発振器へ戻ってくるミリ波信号を十分に抑制することができ、安定に発振させることが
できるものとなる。また、動作周波数範囲を限定する場合には、第1および第2のサーキュレータが最大アイソレーションをとる周波数を同じに設定する場合に比べて、その動作周波数範囲において、特定の周波数のみに偏ることなくアイソレーションをとることができるので、確保すべきアイソレーションの所定値を高く設定することができ、高周波発振器へ戻ってくるミリ波信号がパルス状である等の発振不安定要因が加わる場合にも、安定に発振させることができるものとなる。
また、本発明の第1の高周波発振器によれば、周波数依存性は、第1のサーキュレータと第2のサーキュレータとの2枚のフェライト板の間隔および寸法の少なくとも一方を異ならせることによって調整されているときには、例えば入力用誘電体線路あるいは出力用誘電体線路の寸法や伝送特性を調整する場合のように各サーキュレータの入力用誘電体線路から出力用誘電体線路への透過特性を悪化させることがなく、その透過特性を良好に維持しつつアイソレーションを調整できるため、第1および第2のサーキュレータが最大アイソレーションをとる周波数をそれぞれ異なる値に容易かつ確実に設定して、所定値以上のアイソレーションが確保される周波数帯域幅を、第1および第2のサーキュレータが最大アイソレーションをとる周波数を同じに設定する場合に比べて広くすることができるので、高周波発振器へ戻ってくるミリ波信号が広い周波数範囲で十分に抑制されて、さらに入力用誘電体線路から出力用誘電体線路への透過特性が良好であることによって、より安定に発振させることができるものとなる。また、動作周波数範囲を限定する場合には、その動作周波数範囲において、組立て時の位置ずれによる特性変動要因を排除しながら特定の周波数のみに偏ることなくアイソレーションを微調整できるので、確保すべきアイソレーションの所定値を高く設定することができ、高周波発振器へ戻ってくるミリ波信号がパルス状である等の発振不安定要因が加わる場合にも、より安定に発振させることができるものとなる。
また、組立後にも、同様の方法で組立て上の特性変動要因を排除しながらフェライト板を別のものに容易に交換することができることから、組立後であってもフェライト板を交換することによってアイソレーション特性の変更や調整を容易に行なえるものとなる。
本発明の第2の高周波発振器によれば、上記第1および第2のいずれかのアイソレータと、このアイソレータの入力端に接続された、高周波信号を発生させる電圧制御発振器とを具備することから、アイソレータが良好なアイソレーション特性を有しているため、アイソレータが、電圧制御発振器に戻ってくる不安定な高周波信号を十分に減衰させるので、良好な発振出力で安定に高周波信号を発生させることができるものとなる。
そして、本発明の第1および第2の高周波送受信器によれば、ミリ波信号発振部の高周波発振器が以上のような本発明の第1の高周波発振器であることから、使用環境温度によって高周波発振器の発振周波数が変化したときにも、高周波発振器へ戻ってくるミリ波信号が十分に抑制されて良好な発振状態が維持されるので、使用環境温度が変化しても安定に動作させることができる高性能のものとなる。また、ミリ波発振出力をさらにパルス変調等する場合にも安定に動作させることができ、ミリ波レーダ等に適用したときのレーダ探知精度や識別確度を高めることができる高性能のものとなる。
本発明の第3の高周波送受信器によれば、上記本発明の第2の高周波発振器と、この高周波発振器の出力端側に接続された、前記高周波信号を分岐して一方の出力端と他方の出力端とに出力する分岐器と、前記一方の出力端に接続された、この一方の出力端に分岐された高周波信号を変調して送信用高周波信号を出力する変調器と、磁性体の周囲に第1の端子,第2の端子および第3の端子を有し、この順に一つの前記端子から入力された高周波信号を隣接する次の前記端子より出力する、前記変調器の出力が前記第1の端子に入力されるサーキュレータと、このサーキュレータの前記第2の端子に接続された送受信アン
テナと、前記分岐器の前記他方の出力端と前記サーキュレータの前記第3の端子との間に接続された、前記他方の出力端に分岐された高周波信号と前記送受信アンテナで受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサーとを具備することから、高周波発振器が、各構成要素で反射して高周波発振器に戻ってくる、伝送距離が異なるために様々な位相や強度を有する高周波信号があっても、良好な発振出力で安定に高周波信号を出力するので、受信側で識別しやすい高周波信号を送信することができる高性能のものとなる。
本発明の第4の高周波送受信器によれば、上記本発明の第2の高周波発振器と、この高周波発振器の出力端側に接続された、前記高周波信号を分岐して一方の出力端と他方の出力端とに出力する分岐器と、前記一方の出力端に接続された、この一方の出力端に分岐された高周波信号を変調して送信用高周波信号を出力する変調器と、この変調器の出力端に一端が接続された、前記一端側から他端側へ前記送信用高周波信号を透過させるアイソレータと、このアイソレータに接続された送信アンテナと、前記分岐器の前記他方の出力端側に接続された受信アンテナと、前記分岐器の前記他方の出力端と前記受信アンテナとの間に接続された、前記他方の出力端に分岐された高周波信号と前記送受信アンテナで受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサーとを具備することから、送受別体のアンテナを有する高周波送受信器においても、高周波発振器が、各構成要素で反射して高周波発振器に戻ってくる、伝送距離が異なるために様々な位相や強度を有する高周波信号があっても、良好な発振出力で安定に高周波信号を出力するので、受信側で識別しやすい高周波信号を送信することができる高性能のものとなる。
本発明のレーダ装置によれば、上記各構成の本発明の第1乃至第4のいずれかの高周波送受信器と、この高周波送受信器から出力される前記中間周波信号を処理して探知対象物までの距離情報を検出する距離情報検出器とを具備することから、高周波送受信器の性能が高く、また安定しているため、速く確実に探知対象物を探知することができるとともに至近距離や遠方の探知対象物をも確実に探知することができるレーダ装置となる。
本発明のレーダ装置搭載車両によれば、上記構成の本発明のレーダ装置を備え、このレーダ装置を探知対象物の検出に用いることから、レーダ装置が速く確実に探知対象物である他の車両や障害物等を探知することができるため、例えばそれらを回避するための急激な挙動を車両に起こさせることなく、車両の適切な制御や運転者への適切な警告をすることができるレーダ装置搭載車両となる。
本発明のレーダ装置搭載小型船舶によれば、上記構成の本発明のレーダ装置を備え、このレーダ装置を探知対象物の検出に用いることから、レーダ装置が速く確実に探知対象物である他の小型船舶障害物等を探知することができるため、例えばそれらを回避するための急激な挙動を小型船舶に起こさせることなく、小型船舶の適切な制御や操縦者への適切な警告をすることができるレーダ装置搭載小型船舶となる。
初めに、本発明の第1のアイソレータについて、図面を参照しつつ、以下に詳細に説明する。
図1は本発明の第1のアイソレータの実施の形態の一例を示す模式的な平面図である。また、図11は非放射性誘電体線路の基本的な構成を示す模式的な部分破断斜視図である。また、図2は図1に示すアイソレータの例におけるアイソレーション特性の位相差δによる依存性を示す線図である。図1において、1,2および3は伝送線路としての誘電体線路であり、それぞれ第1、第2および第3の誘電体線路である。また、4は磁性体としてのフェライト板、5は無反射終端器、4a,4bおよび4cは、それぞれ第1、第2および第3の接続部である。また、WaおよびWbは、それぞれ第2の誘電体線路2から第1の誘電体線路1に漏洩する高周波信号および第3の誘電体線路3から第1の誘電体線路1に漏洩する高周波信号を示している。また、図11において、11,12は平行平板導体、13は誘電体線路である。
図1に示す例のアイソレータは、高周波信号を伝送する第1の誘電体線路1、第2の誘電体線路2および第3の誘電体線路3がフェライト板4の周縁部に放射状にそれぞれ第1の接続部4a、第2の接続部4bおよび第3の接続部4cで接続され、一つの接続部から入力された高周波信号を隣接する他の接続部の一方より出力するサーキュレータに、第3の接続部4cに一端が接続された第3の誘電体線路3の他端に無反射終端器5が接続されてなるアイソレータにおいて、この第3の誘電体線路3の線路長を、伝送される高周波信号のうち第3の誘電体線路3を通って無反射終端器5で反射して戻って、第3の接続部4cからサーキュレータ(フェライト板4)を介して、第1の接続部4aから第1の誘電体線路1に漏洩した一部の高周波信号をWaとし、第2の伝送線路2から、第2の接続部4bからサーキュレータ(フェライト板4)を介して、第1の接続部4aから第1の誘電体線路1に漏洩した他の一部の高周波信号をWbとし、これらWaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N+1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定した構成である。
この構成において、詳細には、第1の誘電体線路1、第2の誘電体線路2および第3の誘電体線路3は、図11に示す非放射性誘電体線路の構成要素である誘電体線路13に相当するものであり、これら第1、第2および第3の誘電体線路1,2,3は、それぞれ非放射性誘電体線路による第1、第2および第3の伝送線路として機能するものである。
この非放射性誘電体線路の基本的な構成は、図11に部分破断斜視図で示すように、所定の間隔aをもって平行に配置された平行平板導体11,12間に、断面が矩形状の誘電体線路13を、間隔aを高周波信号の波長λに対してa≦λ/2として配置したものである。これにより、外部から誘電体線路13へのノイズの侵入をなくし、かつ外部への高周波信号の放射をなくして、誘電体線路13中により高周波信号をほとんど損失なく伝搬させることができる。なお、波長λは使用周波数における空気中(自由空間)での高周波信号の波長である。
図1に平面図で示す本発明の第1のアイソレータの例は、第1、第2および第3の伝送線路として非放射性誘電体線路を用いた場合の例を示しており、高周波信号の波長の2分の1以下の間隔の平行平板導体(図1においては図示していない。)間に、第1、第2および第3の誘電体線路1,2,3ならびにフェライト板4および無反射終端器5が挟まれているものである。
なお、本発明の第1のアイソレータにおいては、第1、第2および第3の伝送線路として、このような誘電体線路の他に、ストリップ線路,マイクロストリップ線路,コプレーナ線路,グランド付きコプレーナ線路,スロット線路,導波管,誘電体導波管等を用いてもよい。
図1に示す本発明の第1のアイソレータの例では、従来のアイソレータと同様に、第1の誘電体線路1に入力した高周波信号を第1の接続部4aから入力し隣接する第2の接続部4bより出力して第2の誘電体線路2から出力させる一方、第2の誘電体線路2の出力端側で反射したその高周波信号の一部は、第2の誘電体線路2を戻って第2の接続部4bから入力され隣接する第3の接続部4cより出力して第3の誘電体線路3に入力され、第3の誘電体線路3の他端に接続された無反射終端器5で終端されることによって、第2の誘電体線路2から第1の誘電体線路1には高周波信号が漏洩されないように動作する。し
かしながら、無反射終端器5が接続されている第3の誘電体線路3の線路長の設定が従来とは異なり、本発明の第1のアイソレータにおいては、この第3の誘電体線路3の線路長を上記のように、δ=(2N+1)・πとなるような設定としたことから、第2の誘電体線路2から第1の誘電体線路1に漏洩する高周波信号と、第3の誘電体線路3から第1の誘電体線路1に漏洩する高周波信号とを、無反射終端器5で高周波信号が反射する際に高周波信号の位相の進み方が変化するのに対しても、確実に丁度逆位相にすることができ、効果的にこれらを弱め合うように干渉させて互いが打ち消し合うようにすることができるので、アイソレーション特性を良好にすることができる。
図2は、このアイソレーション特性の位相差δによる依存性を線図で示しており、横軸および縦軸はそれぞれ位相差(単位:ラジアン)およびアイソレーション(単位なし)であり、実線の特性曲線がアイソレーション特性の位相差δによる依存性を示している。ここで、アイソレーションとは、入力される高周波信号の強度(単位:ワット(W))に対する出力端側から入力端側に戻ってきた高周波信号の強度を比で表した量である。このアイソレーションが小さいほどアイソレーション特性としては良好である。
図1に示す本発明の第1のアイソレータの例のアイソレーション特性は、図2に線図で示すように、A・cosδ(Aは比例係数であり、実数である。)に従ってアイソレーションが変化し、第2の誘電体線路2から第2の接続部4b,フェライト板4および第3の接続部4cを介して第3の誘電体線路3に漏洩し、第3の誘電体線路3を通って無反射終端器5で反射して戻って第3の接続部4c,フェライト板4および第1の接続部4aを介して第1の誘電体線路1に漏洩した高周波信号Waと、第2の誘電体線路2の他端側である出力端側で反射して第2の誘電体線路2から第2の接続部4b,フェライト板4および第1の接続部4aを介して第1の誘電体線路1に漏洩した高周波信号Wbとの中心周波数における位相差δが、±π,±3π,・・・,(2N+1)・π(ただし、Nは整数である。)であるときに、アイソレーションが最も小さくなる特性である。
ここで、高周波信号が第2の接続部4bから第1の接続部4aに漏洩する際の位相の変化と、高周波信号が第3の接続部4cから第1の接続部4aに漏洩する際の位相の変化とが同じであり、さらに、高周波信号が無反射終端器5で反射するときにその高周波信号の位相が変化しないとすれば、第2の誘電体線路2から第3の誘電体線路3に漏洩し第3の誘電体線路3を通って無反射終端器5で反射して戻って第1の誘電体線路1に漏洩する高周波信号と、第2の誘電体線路2から第1の誘電体線路1に漏洩する高周波信号との位相差は、第3の誘電体線路3を往復する間の高周波信号の位相変化に等しくなり、このときには、第3の誘電体線路3の線路長が、(2n+1)/4・λg(nは整数,λgは高周波信号の第3の誘電体線路3内での波長)であれば、第2の誘電体線路2から第3の誘電体線路3を経て第1の誘電体線路1に漏洩する高周波信号と、第2の誘電体線路2から第2の接続部4b,フェライト板4および第1の接続部4aを介して第1の誘電体線路1に漏洩する高周波信号との位相差を丁度逆位相にすることができる。
ところが、実際には、ほとんどの場合に、高周波信号が無反射終端器5で反射するときにその高周波信号の位相は変化する。この理由は、無反射終端器5は、通常は、理想的な特性からずれており、反射係数のリアクタンス成分によって、高周波信号が反射するときにその高周波信号の位相を進めたりあるいは遅らせたりするからである。
また、実際には、高周波信号が第2の誘電体線路2から第2の接続部4b,フェライト板4および第1の接続部4aを介して第1の誘電体線路1に漏洩する際の位相の変化と、高周波信号が第3の誘電体線路3から第3の接続部4c,フェライト板4および第1の接続部4aを介して第1の誘電体線路1に漏洩する際の位相の変化とが異なるということも起こり得る。この理由は、それら位相の変化が、例えば、フェライト板4を中心に放射状
に配置されている第1の誘電体線路1、第2の誘電体線路2および第3の誘電体線路3のそれぞれのなす角度が、配置のずれ等により異なってしまうことがあるからである。
従って、実際にはこのように異なる2つの経路において第3の誘電体線路3の線路長以外の要因によって発生する高周波信号の位相差に対応する長さLを、第3の誘電体線路3の線路長に対して補正すれば、それら異なる2つの経路である第2の誘電体線路2から第3の誘電体線路3に漏洩し第3の誘電体線路3を通って無反射終端器5で反射して戻って第1の誘電体線路1に漏洩する高周波信号と、第2の誘電体線路2から第1の誘電体線路1に漏洩する高周波信号との位相差を丁度逆位相にすることができる。これには、第3の誘電体線路3の線路長を、(2n+1)/4・λgから補正した(2n+1)/4・λg+Lに設定すればよい。
本発明の第1のアイソレータにおいては、Lの内訳に対応するそれぞれの位相変化を個々に測定して、それらを合算してLを求めた上で最終的に(2n+1)/4・λg+Lを求める替わりに、より簡便な方法として、位相差δを測定し、この位相差δがδ=(2N+1)・πとなるように第3の誘電体線路3の線路長を設定する。具体的には、第3の誘電体線路3の線路長を設定するには、次のようにすればよい。
初めに、第3の誘電体線路3の線路長を、(2n+1)/4・λgに設定し、第1の誘電体線路1の入力端(他端)と第2の誘電体線路2の出力端(他端)とにそれぞれネットワークアナライザの試験端子を接続し、第2の誘電体線路2から第1の誘電体線路1に透過する高周波信号の透過特性を測定する。次に、第3の誘電体線路3の線路長を初めに設定した長さから変化させた長さとし、その長さが異なっているいくつかについて、第2の誘電体線路2から第1の誘電体線路1に透過する高周波信号の透過特性を同じ方法で測定する。そして、縦軸をこの透過特性とし、横軸を第3の誘電体線路3の線路長として、図2に示すような線図上にこの透過特性の測定値をプロットし、このプロット上に重なるように、A・cosθの近似曲線を描き、この曲線の極小値から、位相差δがδ=(2N+1)・πとなる第3の誘電体線路3の線路長(2n+1)/4・λg+Lを読みとればよい。このようにすれば、第2の誘電体線路2から第3の誘電体線路3に漏洩し第3の誘電体線路3を通って無反射終端器5で反射して戻って第1の誘電体線路1に漏洩する高周波信号と、第2の誘電体線路2から第1の誘電体線路1に漏洩する高周波信号との位相差を、確実に、丁度逆位相とすることができる。これにより、アイソレーション特性を従来よりも良好とすることができる。
次に、本発明の第1のアイソレータの構成要素について詳細に説明する。本発明の第1のアイソレータにおいて、第1、第2および第3の誘電体線路1,2,3の材質には、四フッ化エチレン,ポリスチレン等の樹脂、または低比誘電率のコーディエライト(2MgO・2Al・5SiO)セラミックス,アルミナ(Al)セラミックス,ガラスセラミックス等のセラミックスが好ましく、これらはミリ波帯域において低損失である。
また、第1、第2および第3の誘電体線路1,2,3の断面形状は基本的には矩形状であるが、矩形の角部をまるめた形状であってもよく、高周波信号の伝送に使用される種々の断面形状のものを使用することができる。
また、フェライト板4の材質には、フェライトの中でも、例えばミリ波信号に対しては、亜鉛・ニッケル・鉄酸化物(ZnNiFe)が好適である。
また、フェライト板4の形状は、通常は円板状とされるが、その他、平面形状が正多角形状であってもよい。その場合は、接続される誘電体線路の本数をn本(nは3以上の整数)とすると、その平面形状は正m角形(mは3以上のnより大きい整数)とするのがよい。
また、無反射終端器5は、第3の誘電体線路3の他端に対して、両側の側面(図示していない平行平板導体の内面と対向しない面)の上下端部に、膜状の抵抗体または電波吸収体を付着させて構成すればよい。その際、抵抗体の材質としては、ニッケルクロム合金またはカーボンが好適である。また、電波吸収体の材質としては、パーマロイまたはセンダストが好適である。これらの材質を用いれば、効率良く高周波信号を減衰させることができる。また、これら以外の材質で、高周波信号を減衰させることができるものを用いても構わない。
また、平行平板導体(平板導体)の材質には、高い電気伝導度および良好な加工性等の点で、Cu,Al,Fe,Ag,Au,Pt,SUS(ステンレススチール),真鍮(Cu−Zn合金)等の導体板が好適である。あるいは、セラミックス,樹脂等から成る絶縁板の表面にこれらの導体層を形成したものでもよい。
かくして、本発明の第1のアイソレータによれば、アイソレーション特性が改善された高周波信号用のサーキュレータ型のアイソレータを提供することができるものとなる。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。例えば、第2の誘電体線路2から第2の接続部4b,フェライト板4および第1の接続部4aを介して第1の誘電体線路1に漏洩する高周波信号の強度と、第3の誘電体線路3から第3の接続部4c,フェライト板4および第1の接続部4aを介して第1の誘電体線路1に漏洩する高周波信号の強度とが同程度となるように、無反射終端器5の抵抗値を第3の誘電体線路3の特性インピーダンスからずらしてもよい。この場合には、第1の誘電体線路1に漏洩する互いに逆位相である2つの高周波信号が互いに同じ強さとなり、より効果的に互いを打ち消し合うので、さらにアイソレーション特性が良好なものとなる。
次に、本発明の第2のアイソレータについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図3は、本発明の第2のアイソレータの実施の形態の一例を示す模式的な平面図である。図3において、205,206は磁性体としてのフェライト板、207,208はそれぞれ第1の伝送線路としてのマイクロストリップ線路、209,210はそれぞれ第2の伝送線路としてのマイクロストリップ線路、211,212はそれぞれ第3の伝送線路としてのマイクロストリップ線路、213,214は接地導体、215,216はそれぞれ無反射終端器としての終端抵抗である。
本発明の第2のアイソレータの実施の形態の一例は、図3に平面図で示すように、高周波信号を伝送する第1の伝送線路としてのマイクロストリップ線路207,208、第2の伝送線路としてのマイクロストリップ線路209,210および第3の伝送線路としてのマイクロストリップ線路211,212が、磁性体としてのフェライト板205,206の周縁部に放射状にそれぞれ第1の接続部205a,206a、第2の接続部205b,206bおよび第3の接続部205c,206cで接続され、一つの接続部から入力された高周波信号を隣接する他の接続部の一方より出力する第1および第2のサーキュレータC1,C2が、第1のサーキュレータC1の第2のマイクロストリップ線路209が第2のサーキュレータC2の第1のマイクロストリップ線路208を兼ねることによって接続されて設けられているとともに、第1および第2のサーキュレータC1,C2のそれぞれの第3の接続部205c,206cに一端が接続された第3のマイクロストリップ線路211,212の他端に無反射終端器としての終端抵抗215,216が接続されてなるアイソレータにおいて、第1のサーキュレータC1の第1のマイクロストリップ線路207から第2のマイクロストリップ線路209へ透過する高周波信号と第2のマイクロストリップ線路209から第1のマイクロストリップ線路207へ透過する高周波信号とのアイソレーション特性の周波数依存性と、第2のサーキュレータC2の第1のマイクロストリップ線路208から第2のマイクロストリップ線路210へ透過する高周波信号と第2のマイクロストリップ線路210から第1のマイクロストリップ線路208へ透過する高周波信号とのアイソレーション特性の周波数依存性とが異なる構成である。
ただし、第1および第2のサーキュレータC1,C2において、高周波信号は、それぞれ第1のマイクロストリップ線路207,208から第2のマイクロストリップ線路209,210へ、第2のマイクロストリップ線路209,210から第3のマイクロストリップ線路211,212へ、第3のマイクロストリップ線路211,212から第1のマイクロストリップ線路207,208への順に、順方向(この例では上から反時計回りの方向)に伝送されるようにしている。また、これら第1および第2のサーキュレータC1,C2を接続してなるアイソレータとしては、第1のサーキュレータC1の第1のマイクロストリップ線路207の入力端207aに入力された高周波信号を、第2のサーキュレータC2の第2のマイクロストリップ線路210の出力端210aから出力させるようにしている。
この構成において、各マイクロストリップ線路207〜212は、誘電体基板(図示せず)の表面に形成されたストリップ導体と、その誘電体基板の裏面に形成された接地導体(図示せず)から成るものとし、この接地導体と接地導体213,214とをその誘電体基板を貫通する貫通導体(図示せず)で接続するとともに、終端抵抗215,216をこの接地導体213,214と第3のマイクロストリップ線路211,212のストリップ導体の端部との間に接続すればよい。また、各マイクロストリップ線路207〜212は、その誘電体基板の誘電率や厚さまたはそのストリップ導体の幅を調整することによって、予め例えば50Ω等の所定の特性インピーダンスに設定し、終端抵抗215,216の抵抗値をこの特性インピーダンスに整合するような抵抗値とすればよい。
また、各マイクロストリップ線路207〜212の誘電体基板に使用する材質は、抵抗率が高くて誘電正接の低い石英,サファイヤ,セラミックス,エポキシ,ガラスエポキシ,四フッ化エチレン等が好適である。また、アイソレータをマイクロ波モノリシック集積回路(MMIC;Microwave Monolithic Integrated Circuits)上の回路要素の1つとして形成する場合には、その誘電体基板の代わりに例えば砒化ガリウム(GaAs)等のIII−V族化合物半導体基板を用いればよい。また、各マイクロストリップ線路207〜212のストリップ導体や接地導体の材質は、導電性に優れた金属である、例えば銅(Cu),金(Au),銀(Ag),チタン(Ti),アルミニウム(Al)等を用いればよい。また、終端抵抗215,216には、例えば窒化タンタル(TaN)から成る薄膜抵抗等を好適に用いることができる。このようにすれば、第3のマイクロストリップ線路211,212に伝送される高周波信号を、終端抵抗215,216で反射しないように良好に終端することができる。
また、フェライト板205,206は、放射状に配置されている各マイクロストリップ線路207〜212のストリップ導体の端部で囲まれる領域の中央に載置すればよい。そして、上記アイソレーション特性の周波数依存性を第1のサーキュレータC1と第2のサーキュレータC2とで異なるようにするには、この2つのフェライト板205,206で、材質,大きさ,厚さまたは形状が異なるものとすればよい。フェライト板205,206の材質としては、フェライトの中でも、例えば、亜鉛・ニッケル・鉄酸化物(ZnNiFe)が好適である。また、フェライト板205,206の形状は、円板状もしくは平面形状(平面視した形状)が正多角形状であるようにすればよい。平面形状が正多角形状の場合には、接続される伝送線路の本数が3本であるので、その平面形状は正三角形または正m角形(mは3以上の整数)とすればよい。このようにすれば、各マイクロストリップ線路207〜212の伝送特性には影響を与えることなく、アイソレーション特性の周波数依存性のみを制御することができる。
なお、この方法の他にも、第1のサーキュレータC1と第2のサーキュレータC2とで各マイクロストリップ線路207〜212のストリップ導体の幅を異なるものとしても構わないが、この場合には、各マイクロストリップ線路207〜212のうちそのストリップ導体の幅が異なるものの特性インピーダンスが変わり、高周波信号の伝送特性が変化することを考慮する必要がある。
また、上記構成において、好ましくは、それぞれ第3のマイクロストリップ線路211,212の線路長を、第3のマイクロストリップ線路211,212を通って終端抵抗215,216で反射して戻って第1のマイクロストリップ線路207,208に漏洩した一部の高周波信号をWaとし、第2のマイクロストリップ線路209,210から第1および第2のサーキュレータC1,C2を介して第1のマイクロストリップ線路207,208に漏洩した他の一部の高周波信号をWbとし、これらWaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N+1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定するとよい。
このように設定するには、第2のサーキュレータC2の第2のマイクロストリップ線路210の出力端210aから第1のサーキュレータC2の第1のマイクロストリップ線路207の入力端207aに透過する高周波信号の透過特性S21が最も小さくなるように第3のマイクロストリップ線路211,212の線路長を調整すればよい。
また、上記構成において、好ましくは、第1および第2のサーキュレータC1,C2は、第1のサーキュレータC1の第2のマイクロストリップ線路209が第2のサーキュレータC2の第1のマイクロストリップ線路208を兼ねることによって接続されるようにするとよい。
このように構成した図3に示すアイソレータは、次のように動作する。入力端207aに入力した高周波信号は、第1のサーキュレータC1の第1のマイクロストリップ線路207,第2のマイクロストリップ線路209(第2のサーキュレータC2の第1のマイクロストリップ線路208)および第2のサーキュレータC2の第2のマイクロストリップ線路210を順に通って、出力端210aから出力される。そして、逆に、出力端210aに外部から反射等によって戻ってきて入力された高周波信号は、第1のサーキュレータC1の第2のマイクロストリップ線路209(第2のサーキュレータC2の第1のマイクロストリップ線路208)に、第2のサーキュレータC2を介して、一部が終端抵抗216で反射して第3のマイクロストリップ線路212から、他の一部が第2のマイクロストリップ線路210から、それぞれWa,WbであるWa,Wbとして入力され、さらに、この第2のマイクロストリップ線路209(第1のマイクロストリップ線路208)に入力された高周波信号は、第2のマイクロストリップ線路209(第1のマイクロストリップ線路208)に、第1のサーキュレータC1を介して、一部が終端抵抗215で反射して第3のマイクロストリップ線路211から、他の一部が第2のマイクロストリップ線路209(第1のマイクロストリップ線路208)から、それぞれWa,WbであるWa,Wbとして入力される。
その際、上記構成により、Wa+Wbの周波数依存性とWa+Wbの周波数依存性とが異なることとされているため、Wa+Wbが小さくなる周波数帯域幅とWa+Wbが小さくなる周波数帯域幅との異なる2つの減衰特性の組合せから、入力端207a側に戻る高周波信号を広い周波数帯域で抑制することができるので、所定値以上のアイソレーションが確保される周波数帯域幅を広くすることができる。
また、さらには、終端抵抗215,216で高周波信号が反射する際のその高周波信号の位相の変化に関わりなく、WaとWbとが、丁度逆位相となって効果的に弱め合って合波されるとともに、WaとWbとが、丁度逆位相となって効果的に弱め合って合波されるので、さらにアイソレーションを高くすることができる。
従って、図3に平面図で示す本発明の第2のアイソレータの実施の形態の一例は、上記構成とすることから、特定の周波数のみに偏ることなくアイソレーションをとることができるため、第1および第2のサーキュレータC1,C2が最大アイソレーションをとる周波数をそれぞれ異なる値に設定して、所定値以上のアイソレーションが確保される周波数帯域幅を、第1および第2のサーキュレータC1,C2が最大アイソレーションをとる周波数を同じに設定する場合に比べて広くすることができる。
また、それぞれ第3のマイクロストリップ線路211,212の線路長を、第3のマイクロストリップ線路211,212を通って終端抵抗215,216で反射して戻って第1のマイクロストリップ線路207,208に漏洩した一部の高周波信号をWaとし、第2のマイクロストリップ線路209,210から第1および第2のサーキュレータC1,C2を介して第1のマイクロストリップ線路207,208に漏洩した他の一部の高周波信号をWbとし、これらWaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N+1)・πとなるように設定したときには、WaとWbとの位相差δがδ=(2N+1)・πとなるため、終端抵抗215,216で高周波信号が反射する際に高周波信号の位相の進み方が変化するのに対しても、第1のマイクロストリップ線路207,208に漏洩する上記2つの一部の高周波信号を確実に互いに丁度逆位相にして、効果的に互いが打ち消し合うようにすることができるので、アイソレーション特性を良好にすることができる。
また、第1および第2のサーキュレータC1,C2は、第1のサーキュレータC1の第2のマイクロストリップ線路209が第2のサーキュレータC2の第1のマイクロストリップ線路208を兼ねることによって接続されているときには、アイソレータを小型に構成することできる。
なお、本発明の第2のアイソレータにおいては、第1、第2および第3の伝送線路として、このようなマイクロストリップ線路の他に、ストリップ線路,コプレーナ線路,グランド付きコプレーナ線路,スロット線路,導波管,誘電体導波管等を用いてもよい。
次に、本発明の第1の高周波発振器ならびに本発明の第1および第2の高周波送受信器について、高周波発振器としてのミリ波発振器およびそれを用いた高周波送受信器としてのミリ波レーダモジュールを例にとって以下に詳細に説明する。
図4は本発明の第1の高周波発振器の実施の形態の一例であるミリ波発振器Oを示す平面図である。また、図5および図6は、それぞれ本発明の第1および第2の高周波送受信器の実施の形態の一例であるミリ波レーダモジュールR1およびR2を示す平面図である。
まず、本発明の第1の高周波発振器の実施の形態の一例であるミリ波発振器Oの主な構成とその動作について説明する。図4において、ミリ波発振器Oはミリ波信号Wの波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体20(他方は図示を省略する。)の間に、平行平板導体20の内面に互いに対向させて配置された2枚のフェライト板21a,21b(21bは21aの下側に配置されている。)と、2枚のフェライト板21a,21bに対して放射状に配置された、ミリ波信号Wを入力する入力用誘電体線路22、先端部に無反射終端器23が設けられた終端用誘電体線路24および入力用誘電体線路22に入力されたミリ波信号Wを出力する出力用誘電体線路25aを備えた第1のサーキュレータAと、同様に、平行平板導体20の内面に互いに対向させて配置された2枚のフェライト板26a,26b(26bは26aの下側に配置されている。)と、2枚のフェライト板26a,26bに対して略放射状に配置された、ミリ波信号Wを入力する入力用誘電体線路25b、先端部に無反射終端器27が設けられた終端用誘電体線路28および入力用誘電体線路25bに入力されたミリ波信号を出力する出力用誘電体線路29を備えた第2のサーキュレータBとが接続されて設けられており、第1のサーキュレータAと第2のサーキュレータBとは、出力用誘電体線路25aが入力用誘電体線路25bを兼ねている入力兼出力用誘電体線路25によって接続されている。また、入力用誘電体線路22のミリ波信号Wが入力される入力端22aには電圧制御発振器30が接続されており、第1のサーキュレータAの入力用誘電体線路22から出力用誘電体線路25aへ透過するミリ波信号W12とそれに対して逆方向に、すなわち出力用誘電体線路25aから入力用誘電体線路22へ透過するミリ波信号W21とのアイソレーション特性の周波数依存性と、第2のサーキュレータBの入力用誘電体線路25bから出力用誘電体線路29へ透過するミリ波信号W23とそれに逆方向に、すなわち出力用誘電体線路29から入力用誘電体線路25bへ透過するミリ波信号W32とのアイソレーション特性の周波数依存性とが異なっている構成である。なお、出力用誘電体線路25aは入力用誘電体線路25bを兼ねており、以後、同一のものとして、入力兼出力用誘電体線路25と説明する場合がある。また、図4において、フェライト板21b,26bは、それぞれ、フェライト板21a,26aの下側にそれらと平行に配置されている。
本発明の高周波発振器におけるアイソレーション特性とは、この実施の形態の一例においては、次式の第1のサーキュレータAのアイソレーションIまたは第2のサーキュレータBのアイソレーションIで示されるように定義される。
=−10・log(P21/P12
=−10・log(P32/P23
ただし、P21,P12,P32,P23は、それぞれミリ波信号W21,W12,W32,W23のパワーである。
図4に示す高周波発振器の構成において、電圧制御発振器30は図13に示した電圧制御発振器Vと同様の構成である。また、サーキュレータAの2枚のフェライト板21a,21bおよびサーキュレータBの2枚のフェライト板26a,26bは平行平板導体20の内面に対してその主面が平行にかつ同心状に対向配置されるが、平行平板導体20の内面にそれらの主面が接していてもよく、また平行平板導体20の内面から所定の間隔をあけて設置してもよい。なお、図4に示す例では、2枚のフェライト板21a,21bまたは2枚のフェライト板26a,26bの主面と入力用誘電体線路22,25b、出力用誘電体線路25a,29および終端用誘電体線路24,28の主面とは面一とされ、それらは平行平板導体20の内面に接した状態である。これらフェライト板21a,21b,26a,26bの形状は、通常は円板状とされるが、その他、平面形状が正多角形である板状の正多角柱形状であってもよい。その場合は、接続される誘電体線路の本数が3本であるので、その平面形状は正m角形(mは3以上の整数)とするのがよい。
また、入力用誘電体線路22,25b、出力用誘電体線路25a,29および終端用誘電体線路24,28の材料は、四フッ化エチレン,ポリスチレン等の樹脂、または低比誘電率のコーディエライト(2MgO・2Al・5SiO)セラミックス,アルミナ(Al)セラミックス,ガラスセラミックス等のセラミックスが好ましく、これらは高周波帯域において低損失である。
また、NRDガイド用の平行平板導体20は、高い電気伝導度および良好な加工性等の点で、Cu,Al,Fe,Ag,Au,Pt,SUS(ステンレススチール),真鍮(Cu−Zn合金)等の導体板が好適である。あるいは、セラミックス,樹脂等から成る絶縁板の表面にこれらの導体層を形成したものでもよい。
また、入力兼出力用誘電体線路25の線路長は、第1のサーキュレータAと入力用誘電体線路22との接続部で、直接反射したミリ波信号と、第1のサーキュレータAと第2のサーキュレータBとの間で多重反射したミリ波信号とが逆位相で合波する長さに設定することが好ましい。これにより、第1のサーキュレータAと第2のサーキュレータBとの間で多重反射したミリ波信号が入力用誘電体線路22へ漏洩するのを抑制でき、2段型のサーキュレータの全体のアイソレーションが良好なものとなる。
本発明の第1の高周波発振器の実施の形態の一例であるミリ波発振器Oの主な動作は次の通りである。ミリ波発振器Oは、最初に、電圧制御発振器30によって発生されたミリ波信号Wが、第1のサーキュレータAの入力用誘電体線路22を伝搬し、出力用誘電体線路25aからミリ波信号Wとして出力される。次に、そのミリ波信号Wが、第2のサーキュレータBの入力用誘電体線路25bを伝搬し、出力用誘電体線路29からミリ波信号Wとして出力される。そして最後に、ミリ波発振出力として、出力用誘電体線路29の出力端29aから取り出される。このとき、出力端29aに接続された他のミリ波回路から、ミリ波発振出力の一部が反射されて戻り、出力端29aから再びミリ波発振器Oに、戻りミリ波信号として入力される。この戻りミリ波信号は、出力用誘電体線路29,25aから、それぞれ終端用誘電体線路28,24へ導かれて、無反射終端器27,23で大半が吸収され、終端される。しかしながら、出力用誘電体線路29から入力用誘電体線路22へ直接漏洩するか、無反射終端器27,23で終端しきれずに、一部が反射されて再度終端用誘電体線路27,23を伝搬して入力用誘電体線路22へ漏洩するか、もしくはこれら両方の経路から漏洩するかして戻った戻りミリ波信号の一部が、極わずかながら電圧制御発振器30に入力される。
この戻りミリ波信号の一部によって、それが極わずかであっても、電圧制御発振器30の正常な発振を妨げることがあるので、これが動作周波数帯域において所定値以上に減衰されるように、アイソレーションIまたはアイソレーションIが最大となる周波数を調整する。すなわち、アイソレーションIの周波数依存性とアイソレーションIの周波数依存性とを、所定値以上のアイソレーションが確保される周波数帯域が動作周波数帯域を最も広くカバーするように調整する。
本発明の第1の高周波発振器においては、アイソレーションIの周波数依存性とアイソレーションIの周波数依存性とが異なるように設定する。これによって、それらの合成アイソレーションであるアイソレーションI+Iが所定値以上となる周波数帯域幅を、アイソレーションIの周波数依存性とアイソレーションIの周波数依存性とが同じである場合よりも広くすることができるため、広い周波数範囲で電圧制御発振器30を安定に発振させることができ、ミリ波発振器Oが安定に動作するものとなる。
また、本発明の高周波発振器において、所定値以上とは、例えば2つのサーキュレータで合わせて30dB以上という値である。この値が30dB未満では、アイソレーションが小さいため、例えば、高出力で発振させる場合等において、十分に戻りミリ波信号が抑制されず、ミリ波発振器の発振が不安定になり、これをミリ波レーダモジュールに組み込んだ場合にレーダ探知ができなかったり、誤検知が生じたりする可能性がある。
次に、本発明の第1の高周波発振器の実施の形態の一例であるミリ波発振器Oのさらに詳細な構成とその動作について説明する。
本発明の高周波発振器でいう高周波帯域は、数10〜数100GHz帯域のマイクロ波帯域およびミリ波帯域に相当し、例えば30GHz以上、特に50GHz以上、さらには70GHz以上の高周波帯域が好適である。特に、76〜77GHzが好ましく、この場合、本発明の高周波発振器を動作周波数が76〜77GHz程度である自動車用のミリ波レーダモジュール等の高周波送受信器に用いた場合に、高周波発振器の発振周波数が温度等で変化しても広い帯域で高周波信号の高い透過特性が得られるものとなる。
また、アイソレーションIの周波数依存性とアイソレーションIの周波数依存性とが異なるように設定する手段としては、具体的には、2枚のフェライト板21a,21bの間隔および寸法の少なくとも一方と、それらに対応する2枚のフェライト板26a,26bの間隔および寸法の少なくとも一方とを異なる設定とし、入力用誘電体線路22,25bのフェライト板21a,21b側の端部と出力用誘電体線路25a,29のフェライト板21a,21b側の端部と終端用誘電体線路24,28のフェライト板21a,21b側の端部とで囲まれる領域の中心と、フェライト板21a,21bの中心とを位置合わせして、フェライト板21a,21b,26a,26bを取り付けるとよい。これにより、フェライト板21a,21b,26a,26bの位置決めは1点のみの位置合わせで行なうことができるので容易であり、また、フェライト板21a,21b,26a,26bを正確な位置に取り付けることによって、組立て時の位置ずれによる特性変動要因を排除しながら周波数依存性を決めることができ、しかも、入力用誘電体線路22,25bから出力用誘電体線路25a,29への透過特性を悪化させることなく周波数依存性の設定および調整を行なえるため、周波数依存性の微妙な調整を容易かつ確実に行なうことができ、第1のサーキュレータAおよび第2のサーキュレータBが最大アイソレーションをとる周波数をそれぞれ異なる値に設定して、所定値以上のアイソレーションが確保される周波数帯域幅を、第1のおよび第2のサーキュレータが最大アイソレーションをとる周波数を同じに設定する場合に比べて容易かつ確実に広くすることができるので、広い周波数範囲で高周波発振器へ戻ってくるミリ波信号が十分に抑制されて、安定に発振させることができるものとなる。また、動作周波数範囲を限定する場合には、第1および第2のサーキュレータが最大アイソレーションをとる周波数を同じに設定する場合に比べて、確保すべきアイソレーションの所定値を高く設定できる効果が、組立て時の位置ずれによる特性変動要因が加わる場合よりもさらに大きくなり、高周波発振器へ戻ってくるミリ波信号がパルス状である等の発振不安定要因が加わる場合にも、より安定に発振させることができるものとなる。
また、組立て後にも、同様の方法で組立て上の特性変動要因を抑えながらフェライト板21a,21b,26a,26bを別のものに容易に交換することができることから、組立て後であってもフェライト板21a,21b,26a,26bを交換することによってアイソレーション特性の変更や調整を容易に行なえるものとなる。
また、アイソレーションIの周波数依存性とアイソレーションIの周波数依存性とが異なるように設定する別の手段として、ミリ波発振器Oにおいて、フェライト板21a,21bとフェライト板26a,26bとの材質または磁化を異なるものとしてもよい。この場合には、単独で上記と同様の調整を行なう以外に、この手段を上記とともに周波数依存性の調整を行なう補助的調整手段として用いることができる。この別の手段は、例えば、フェライト板21a,21bの寸法または配置間隔を調整して、サーキュレータAまたはサーキュレータBのいずれかのアイソレーション特性を周波数軸に平行にシフトさせたときの動作周波数範囲におけるアイソレーションの劣化を補正するといったことにも用いることができる。
また、アイソレーションIの周波数依存性とアイソレーションIの周波数依存性とが異なるように設定するさらに別の手段として、ミリ波発振器Oにおいて、入力用誘電体線路22,25bおよび出力用誘電体線路25a,29のいずれかの寸法または材質を異なるものとしてもよい。
なお、アイソレーションIの周波数依存性とアイソレーションIの周波数依存性とが異なるように設定するときには、一つの条件を単独で変えてアイソレーション特性を周波数軸に平行にシフトさせると、アイソレーションが周波数帯域全体にわたって悪化する場合があるので、このような場合には、上記の複数の条件を適宜組み合わせて設定するとよい。
次に、本発明の第1および第2の高周波送受信器としてのミリ波レーダモジュールについて実施の形態の例を以下に説明する。
図5および図6は本発明の第1および第2の高周波送受信器としてのミリ波レーダモジュールR1,R2について実施の形態の一例をそれぞれ示すものであり、図5は送信アンテナと受信アンテナとが一体化されたものの平面図、図6は送信アンテナと受信アンテナとが独立したものの平面図である。
図5に示すミリ波レーダモジュールR1は、送信用のミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置された平行平板導体(他方は図示を省略する。)40間に、第1の誘電体線路41に付設され、高周波ダイオードから出力された高周波信号を周波数変調するとともにミリ波信号として第1の誘電体線路41を伝搬させるミリ波信号発振部42と、第1の誘電体線路41の途中に介在し、そのミリ波信号をパルス化して送信用のミリ波信号として第1の誘電体線路41から出力させるパルス変調器43と、第1の誘電体線路41に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは第1の誘電体線路41に一端が接合されて、第1の誘電体線路41に入力されたミリ波信号の一部をミキサー51側へ伝搬させる第2の誘電体線路44とが設けられている。
また、平行平板導体40に平行に配設されたフェライト板45a,45b(45bは45aの下側に配置されている。)の周縁部に所定間隔で配置され、かつそれぞれミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部46aと第2の接続部46bと第3の接続部46cとを有し、それら接続部のいずれか一つから入力されたミリ波信号をフェライト板45a,45bの面内で時計回りまたは反時計回りに隣接する他の接続部より出力するサーキュレータCであって、第1の誘電体線路41のミリ波信号の出力端に第1の接続部46aが接続されるサーキュレータCと、サーキュレータCの第2の接続部46bに接続され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送受信アンテナ47を有する第3の誘電体線路48と、サーキュレータCの第3の接続部46cに接続され、送受信アンテナ47で受信されて第3の誘電体線路48を伝搬し第3の接続部46cから出力された受信波をミキサーの検波部49へ伝搬させる第4の誘電体線路50と、第2の誘電体線路44の中途と第4の誘電体線路50の中途とを電磁結合するように近接させるかまたは接合させて成り、第2の誘電体線路44から入力されたミリ波信号と第4の誘電体線路50から入力されたミリ波信号とを混合して中間周波信号を発生させるミキサー51と、第2の誘電体線路44のミキサー51の反対側の端部に接続された無反射終端器52とが設けられている。
そして、この本発明の第1の高周波送受信器の実施の形態の一例であるミリ波レーダモジュールR1は、ミリ波信号発振部42が本発明の高周波発振器である図4に示したミリ波発振器Oで構成されている。
また、本発明の第2の高周波送受信器としてのミリ波レーダモジュールについての実施の形態の一例として、送信アンテナと受信アンテナとを独立させた図6に平面図で示すタイプがある。
図6に示すミリ波レーダモジュールR2は、送信用のミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置された平行平板導体(他方は図示を省略する。)60間に、第1の誘電体線路61に付設され、高周波ダイオードから出力された高周波信号を周波数変調するとともにミリ波信号として第1の誘電体線路61を伝搬させるミリ波信号発振部62と、第1の誘電体線路61の途中に介在し、そのミリ波信号をパルス化して送信用のミリ波信号として第1の誘電体線路61から出力させるパルス変調器63と、第1の誘電体線路61に一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは第1の誘電体線路61に一端が接合されて、第1の誘電体線路61に入力されたミリ波信号の一部をミキサー74側へ伝搬させる第2の誘電体線路64とが設けられている。
また、平行平板導体60に平行に配設されたフェライト板65a,65b(65bは65aの下側に配置されている。)の周縁部に所定間隔で配置され、かつそれぞれミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部66aと第2の接続部66bと第3の接続部66cとを有し、それら接続部のいずれか一つから入力されたミリ波信号をフェライト板65a,65bの面内で時計回りまたは反時計回りに隣接する他の前記接続部より出力するサーキュレータDであって、第1の誘電体線路61のミリ波信号の出力端に第1の接続部66aが接続されるサーキュレータDと、サーキュレータDの第2の接続部66bに接続され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送信アンテナ67を有する第3の誘電体線路68と、先端部に受信アンテナ69、他端部にミキサーの検波部70が設けられた第4の誘電体線路71と、サーキュレータDの第3の接続部66cに接続され、送信アンテナ67で受信混入したミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に設けられた無反射終端器72でミリ波信号を減衰させる第5の誘電体線路73と、第2の誘電体線路64の中途と第4の誘電体線路71の中途とを電磁結合するように近接させるかまたは接合させて成り、第2の誘電体線路64から入力されたミリ波信号と第4の誘電体線路71から入力されたミリ波信号とを混合して中間周波信号を発生させるミキサー74と、第2の誘電体線路64のミキサー74の反対側の端部に接続された無反射終端器75とが設けられている。
そして、この本発明の第2の高周波送受信器の実施の形態の一例であるミリ波レーダモジュールR2は、ミリ波信号発振部62が本発明の高周波発振器である図4に示したミリ波発振器Oで構成されている。
これらミリ波レーダモジュールR1,R2は、次に説明するように、目標物を探知するレーダとして動作する。まず、ミリ波信号発振部42,62で発生させた送信用のミリ波信号をさらにパルス変調器43,63でパルス変調した後、送受信アンテナ47または送信アンテナ67から目標物に向けて送信する。次に、目標物で反射したミリ波信号を送受信アンテナ47または送信アンテナ69で受信し、その受信したミリ波信号と、パルス変調する前の送信用のミリ波信号とをミキサー51,74で混合(ミキシング)して、中間周波出力を得る。この中間周波出力に適当な演算処理を施すことによって、目標物までの距離を得ることができる。
これらミリ波レーダモジュールR1,R2は、いわゆるFMパルス方式のミリ波レーダを構成しているけれども、ミリ波レーダモジュールのミリ波信号発振部に本発明の第1の高周波発振器を用いているので、パルス変調器からミリ波信号発振部にパルス状の戻りミリ波信号が入力されても、ミリ波信号発振部から発生されるミリ波信号の広い周波数範囲において、パルス状の戻りミリ波信号が十分に減衰される、すなわち、ミリ波信号発振部のアイソレーションが高いので、ミリ波信号発振部の発振周波数の変動が大きくても、あるいは環境温度によるその変動が大きくても、または送信出力が高くても、ノイズの少ない安定なミリ波送信を確実に行なうことができるものとなる。
また、これらミリ波レーダモジュールR1,R2によれば、パルス変調器を構成要素に含まない方式においても、ミリ波信号発振部に入力される戻りミリ波信号が十分に減衰されるので、すなわち、ミリ波信号発振部のアイソレーションが高いので、送信出力が高くても安定なミリ波送信を行なうことができ、例えば目標物が遠方にあってもそれに対するミリ波送受信を確実に行なうことができるものとなる。
これら本発明の第1および第2の高周波送受信器およびそれに用いられる本発明の第1の高周波発振器において重要なことは、アイソレーションIの周波数依存性とアイソレーションIの周波数依存性とが異なるように設定することにあり、これによって、それらの合成アイソレーションであるアイソレーションI+Iが所定値以上となる周波数帯域幅を、アイソレーションIの周波数依存性とアイソレーションIの周波数依存性とが同じである場合よりも広くすることができることにある。次に、実施例において、このことについて説明する。
図4に示すミリ波発振器Oを以下のようにして構成した。まず、平行平板導体20として厚さ6mmの2枚のAl板を間隔a=1.8mmとして配置し、それらの間に、直径が2mmであり、厚さが後述するtmmである2枚のフェライト板21a,21bの一方を上側平板導体、他方を下側平板導体にそれぞれ密着させ、その中心軸同士が同じ直線上にあって互いに対向するように配置した。そして、フェライト板21a,21bの周囲に、放射状に、断面形状が1.8mm(高さ)×0.8mm(幅)の矩形状であり、比誘電率が4.8のコージェライトセラミックスから成る入力用誘電体線路22、終端用誘電体線路24および入力兼出力用誘電体線路25を配置し、第1のサーキュレータAを構成した。この第1のサーキュレータAにおいて、入力用誘電体線路22、終端用誘電体線路24および入力兼出力用誘電体線路25は、それぞれ隣り合う線路同士がなす角度を120度とし、時計回り方向に隣り合う線路同士がアイソレートされるようにフェライト板21a,21bの磁界の向きを設定した。
また同様に、平行平板導体20の間に、直径が2mmであり、厚さが後述するtmmである2枚のフェライト板26a,26bの一方を上側平板導体、他方を下側平板導体にそれぞれ密着させ、その中心軸同士が同じ直線上にあって互いに対向するように配置した。そして、フェライト板26a,26bの周囲に、放射状に、断面形状が1.8mm(高さ)×0.8mm(幅)の矩形状であり、比誘電率が4.8のコージェライトセラミックスから成る入力兼出力用誘電体線路25、終端用誘電体線路28および出力用誘電体線路29を配置し、第2のサーキュレータBを構成した。この第2のサーキュレータBにおいて、入力兼出力用誘電体線路25、終端用誘電体線路28および出力用誘電体線路29は、それぞれ隣り合う線路同士がなす角度を120度とし、時計回り方向に隣り合う線路同士がアイソレートされるようにフェライト板21a,21bの磁界の向きを設定した。
なお、フェライト板21a,21b,26a,26bには、比誘電率が13.5であり、飽和磁化が3,300G(ガウス)(JIS C2561直流磁気測定による磁束密度Bm)である同じ材質のものを使用した。そして、第1のサーキュレータAと第2のサーキュレータBとを入力兼出力用誘電体線路25で接続し、無反射終端用線路24,28のフェライト板21a,26a側と反対側の端部に無反射終端器23,27をそれぞれ接続した。
このようにして構成したミリ波発振器Oの構成要素であるサーキュレータについて、2種類のサンプルを用意した。その1つを本発明の実施例としてサンプル(イ)とし、もう1つをその比較例としてサンプル(ロ)として、サンプル(イ)ではアイソレーションIの周波数依存性とアイソレーションIの周波数依存性とが異なる設定とし、サンプル(ロ)ではアイソレーションIの周波数依存性とアイソレーションIの周波数依存性とが同じ設定とした。具体的には、サンプル(ロ)では、フェライト板21a,21bおよびフェライト板26a,26bの厚みをともにt=0.234mmとし、サンプル(イ)では、フェライト板21a,21bの厚みのみサンプル(ロ)と同じt=0.234mmとした上で、フェライト板26a,26bの厚みはサンプル(ロ)とは異なるt=0.231mmとした。また、サンプル(イ)と(ロ)とはフェライト板の厚み以外の他の条件を全て同じとした。
そして、サンプル(イ)および(ロ)について、サーキュレータ2段のアイソレーション特性(アイソレーションI+I)を測定した。また、サンプル(イ)について、第1のサーキュレータAと第2のサーキュレータBとを接続する前に、それらそれぞれの単独の(サーキュレータ1段の)アイソレーション特性(アイソレーションI,I)を測定した。そのうち、フェライト板21a,21bまたはフェライト板26a,26bの厚みがt=0.234mmであるものをサンプル(ハ)とし、フェライト板26a,26bの厚みがt=0.231mmであるものをサンプル(ニ)とした。
なお、アイソレーション特性の測定には、ミリ波帯用のネットワークアナライザを用い、サンプル(イ),(ロ)では、入力端22aと出力端29aとの間の75〜80GHzのアイソレーションI+Iを、入力端22aおよび出力端29aのそれぞれにネットワークアナライザのポート1およびポート2を接続して測定を行なった。また、サンプル(ハ),(ニ)では、入力用誘電体線路22,25bの入力端と出力用誘電体線路25a,29の出力端との間の75〜80GHzにおけるアイソレーションI,Iを、その入力端および出力端のそれぞれにネットワークアナライザのポート1およびポート2を接続して測定を行なった。その結果を図7のグラフに示した。
図7はミリ波発振器Oを構成する第1のサーキュレータAまたは第2サーキュレータBの1段のアイソレーション特性を示したグラフであり、横軸は周波数(単位:GHz)、縦軸はアイソレーションのゲイン(単位:dB)を表し、×のプロットはサンプル(ハ)のアイソレーション特性の代表的な実測値を示しており、*のプロットはサンプル(ニ)のアイソレーション特性の代表的な実測値を示している。また、図8はミリ波発振器Oを構成する第1のサーキュレータAおよび第2サーキュレータBの2段のアイソレーション特性を示しており、横軸および縦軸は図7と同様であり、実線の特性曲線はサンプル(イ)のアイソレーション特性の代表的な実測値を示しており、破線の特性曲線はサンプル(ロ)のアイソレーション特性の代表的な実測値を示している。
図7に示したサンプル(ハ),(ニ)の測定結果から、第1のサーキュレータAのフェライト板21a,21bの厚みと第2のサーキュレータBのフェライト板26a,26bの厚みとを異なる設定としたことによって、第1のサーキュレータAのアイソレーションIの周波数依存性と第2サーキュレータBのアイソレーションIの周波数依存性とが異なることが分かる。すなわち、サンプル(ハ)では、アイソレーションの極大値をとる周波数が75.9GHzになっているのに対して、サンプル(ニ)では、アイソレーションの極大値をとる周波数が77.4GHzになっており、各プロットの描く特性曲線も異なっていて、周波数依存性が異なっている。
また、図8に示したサンプル(イ),(ロ)の測定結果から、アイソレーションIの周波数依存性とアイソレーションIの周波数依存性とが異なるように設定することによって、それらの合成アイソレーションであるアイソレーションI+Iが30dB以上となる周波数帯域幅が、アイソレーションIの周波数依存性とアイソレーションIの周波数依存性とが同じである場合よりも広くなっていることが分かる。すなわち、アイソレーションIの周波数依存性とアイソレーションIの周波数依存性とが同じであるサンプル(ロ)では、アイソレーションI+Iが30dB以上となる周波数帯域幅が3.6GHzであったのに対して、アイソレーションIの周波数依存性とアイソレーションIの周波数依存性とが異なっているサンプル(イ)では、アイソレーションI+Iが30dB以上となる周波数帯域幅が4.0GHzとなっており、アイソレーションの所定値として定めた30dB以上のアイソレーションがとれる周波数帯域幅を広げられることが確認できた。
次に、サンプル(イ),(ロ)の入力端22aに、図5および図6に示すような電圧制御発振器Vを接続して、2種類のミリ波発振器を構成した。
そして、サンプル(イ),(ロ)が組み込まれたミリ波発振器を用いて、図5に示すようなミリ波レーダモジュールを構成し、ミリ波送受信テストを行なった。このとき、サンプル(イ)が組み込まれたミリ波レーダモジュールでは、動作中心周波数を77.2GHzに設定し、77.2GHzを中心に±2GHzの範囲でミリ波発振器の発振周波数を変化させて、ミリ波レーダモジュールを動作させた。また、サンプル(ロ)が組み込まれたミリ波レーダモジュールでは、動作中心周波数を76.9GHzに設定し、76.9GHzを中心に±2GHzの範囲でミリ波発振器の発振周波数を変化させて、ミリ波レーダモジュールを動作させた。
このように、2種類のミリ波レーダモジュールを、ほぼ同じ動作中心周波数において同じ周波数帯域幅で動作させたところ、サンプル(イ)が組み込まれたものでは安定にミリ波送受信を行なうことができたが、サンプル(ロ)が組み込まれたものでは、ミリ波発振器の発振が不安定となり、良好なミリ波送受信を行なうことができないことがあった。また、サンプル(ロ)が組み込まれたものでは、動作周波数範囲においてアイソレーションI+Iが30dBよりも最大で3dB下回ることがあったのに対して、サンプル(イ)が組み込まれたものでは、動作周波数範囲においてアイソレーションI+Iが常に30dB以上となって、安定にミリ波送受信を行なえることが確認できた。
かくして、本発明の第1および第2の高周波送受信器の実施の形態の例としてのミリ波レーダモジュールR1,R2は、高いアイソレーションを有する本発明の高周波発振器を有することによって高性能のものとなり、また、より広い帯域幅で電圧制御発振器と送受信アンテナ側もしくは送信アンテナ側とのアイソレーション特性が改善され、その結果、ミリ波信号発振部の発振周波数の変動が大きくても、あるいは環境温度によるその変動が大きくても、または送信出力が高くても、安定なミリ波送受信を確実に行なうことができるものとなる。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。例えば、本発明の第1の高周波発振器において、2枚のフェライト板と入力用誘電体線路,出力用誘電体線路とで構成される第1および第2のサーキュレータの代わりのものとして、ファラデー回転型アイソレータ、共鳴吸収型アイソレータまたは電界変位型アイソレータを2段組み合わせて用いてもよく、その場合には、サーキュレータのように一端に無反射終端器を接続するような必要はなく、部品点数が少なくなり、組立てが容易となる。また、同様の機能を2端子で実現でき、小型に構成できるものとなる。
また、フェライト板21a,26aとフェライト板21b,26bとを、入力用誘電体線路22、入力兼出力用誘電体線路25、終端用誘電体線路24,28および出力用誘電体線路29の端面に接合された支持体を介することによって、その支持体により規制される一定間隔で取り付ける構成としてもよく、その場合には、支持体の寸法や誘電率を調整することによってもアイソレーションI,Iの周波数依存性を調整することができるものとなる。
次に、本発明の第2の高周波発振器ならびに本発明の第3および第4の高周波送受信器について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図9は本発明の第3の高周波送受信器の実施の形態の一例を示す模式的なブロック回路図である。また、図10は本発明の第4の高周波送受信器の実施の形態の一例を示す模式的なブロック回路図である。図9および図10において、231は高周波発振器、232は分岐器、232aは入力端、232bは一方の出力端、232cは他方の出力端、233は変調器、234はサーキュレータ、234aは入力端、234bは一方の出力端、234cは他方の出力端、235は送受信アンテナ、236はミキサー、237はスイッチ、238はアイソレータ、239は送信アンテナ、240は受信アンテナである。
本発明の第2の高周波発振器の実施の形態の一例は、上記本発明の第1および第2のいずれかのアイソレータ232と、このアイソレータ232の入力端232aに接続された電圧制御発振器(VCO)231とを備えた構成である。
このようなアイソレータ232と電圧制御発振器231との接続は、なるべく接続損失が小さくなるように、電圧制御発振器231の形態に応じて、適切な形態の接続用の伝送線路を選定し、その接続用の伝送線路を介して接続すればよい。例えば、MMICで構成された電圧制御発振器231の場合には、マイクロストリップ線路やコプレーナ線路等の平面型の伝送線路が好適である。また、アイソレータ232を構成する伝送線路にも、その平面型の伝送線路と同じ伝送線路を用いればよい。また、ピル型のガンダイオード発振器の場合には、接続用の伝送線路としては、導波管もしくは誘電体導波管が好適であり、アイソレータ232を構成する伝送線路には、導波管もしくは誘電体導波管の他、非放射性誘電体線路が好適である。アイソレータ232の伝送線路として非放射性誘電体線路を用いる場合には、非放射性誘電体線路の平板導体の一方に対して、非放射性誘電体線路の誘電体線路のLSMモードの定在波の電界が強い箇所に、貫通孔を設け、この貫通孔に導波管もしくは誘電体導波管の一端を接続するとともに、この導波管もしくは誘電体導波管の他端にピル型のガンダイオード発振器を接続すればよい。
本発明の第2の高周波発振器の実施の形態の一例は、上記構成とすることから、アイソレータが良好なアイソレーション特性を有しているため、アイソレータが、電圧制御発振器に戻ってくる不安定な高周波信号を十分に減衰させるので、良好な発振出力で安定に高周波信号を発生させることができる。
次に、本発明の第3の高周波送受信器の実施の形態の一例は、図9にブロック回路図で示すように、高周波信号を発生させる高周波発振器231と、この高周波発振器231に接続された、その高周波信号を分岐して一方の出力端232bと他方の出力端232cとに出力する分岐器232と、一方の出力端232bに接続された、その高周波信号の一部を変調して送信用高周波信号として出力する変調器233と、磁性体の周囲に第1の端子234aと第2の端子234bと第3の端子234cとを有し、この順に一つの端子から入力された高周波信号を隣接する次の端子より出力する、変調器233の出力端に第1の端子234aが接続されたサーキュレータ234と、このサーキュレータ234の第2の端子234bに接続された、その送信用高周波信号を送信するとともに探知対象物で反射して戻ってきた高周波信号を受信する送受信アンテナ235と、他方の出力端232cとサーキュレータ234の第3の端子234cとの間に接続された、他方の出力端232cに出力された高周波信号と、送受信アンテナ235で受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサー236とを備えおり、高周波発振器231は、上記本発明の第2の高周波発振器の実施の一例とする構成である。
また、上記構成に対して、好ましくは、ミキサー236の出力端には、外部からの開閉制御信号に応じて中間周波信号を開閉(スイッチング)するスイッチ237を設けるとよい。
このような図9に示す高周波送受信器は、従来の高周波送受信器と同様に動作するが、高周波発振器231が備えているアイソレータが、高いアイソレーションで、変調器233側もしくはミキサー236側から戻ってくる高周波信号を減衰させるため、変調器233でパルス変調された送信用の高周波信号の一部が、サーキュレータ234、送受信アンテナ235、ミキサー236またはその他で反射し、その反射した高周波信号が、様々な位相や強度で高周波発振器231に戻ってきたとしても、高周波発振器231は良好な発振出力で安定に高周波信号を発生させることができるので、受信側で識別しやすい高周波信号を送信することができる。
また、ミキサー236の出力端に、外部からの開閉制御信号に応じて中間周波信号を開閉
(スイッチング)するスイッチ237を設けたときには、サーキュレータ234のアイソレーションの不足等で、サーキュレータ234の入力端234aから他方の出力端234cに送信用の高周波信号の一部が漏洩したとしても、この漏洩した高周波信号に対する中間周波信号を出力させないように、スイッチ237が、そのような中間周波信号を遮断するように動作させることができるので、受信すべき高周波信号を一層受信側で識別しやすくすることができる。
また、本発明の第4の高周波送受信器の実施の形態の一例は、図10にブロック回路図で示すように、高周波信号を発生させる高周波発振器231と、この高周波発振器231に接続された、その高周波信号を分岐して一方の出力端232bと他方の出力端232cとに出力する分岐器232と、一方の出力端232bに接続された、その高周波信号の一部を変調して送信用高周波信号として出力する変調器233と、この変調器233の出力端に一端が接続された、一端側から他端側へその送信用高周波信号を透過させるアイソレータ238と、このアイソレータ238に接続された、その送信用高周波信号を送信する送信アンテナ239と、分岐器232の他方の出力端232c側に接続された受信アンテナ240と、他方の出力端232cと受信アンテナ240との間に接続された、他方の出力端232cに出力された高周波信号と、受信アンテナ240で受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサー236とを備えており、高周波発振器231は、上記本発明の第2の高周波発振器の実施の一例とする構成である。
また、上記構成に対して、好ましくは、ミキサー236の出力端には、外部からの開閉制御信号に応じて中間周波信号を開閉(スイッチング)するスイッチ237を設けるとよい。
このような図10に示す高周波送受信器は、図9に示す高周波送受信器と同様に、高周波発振器231が備えているアイソレータが、高いアイソレーションで、変調器233側もしくはミキサー236側から戻ってくる高周波信号を減衰させるため、変調器233でパルス変調された送信用の高周波信号の一部が、送信アンテナ235またはその他で反射し、その反射した高周波信号が、様々な位相や強度で高周波発振器231に戻ってきたとしても、高周波発振器231は良好な発振出力で安定に高周波信号を発生させることができるので、受信側で識別しやすい高周波信号を送信することができる。
また、変調器233と送信アンテナ239との間に接続されたアイソレータは、変調器233に様々な位相や強度で戻ってくる高周波信号を減衰させ、変調器233を安定に動作させる働きをする。
また、ミキサー236の出力端に、外部からの開閉制御信号に応じて中間周波信号を開閉(スイッチング)するスイッチ237を設けたときには、送信アンテナ239と受信アンテナ240との間のアイソレーションの不足等で、受信アンテナ240に送信用の高周波信号の一部が漏洩したとしても、この漏洩した高周波信号に対する中間周波信号を出力させないように、スイッチ237が、そのような中間周波信号を遮断するように動作させることができるので、受信すべき高周波信号を一層受信側で識別しやすくすることができる。
なお、本発明においては、高周波信号として使用する周波数帯域は、ミリ波帯の他にも、マイクロ波帯またはそれ以下の周波数帯にも有効である。
次に、本発明のレーダ装置ならびにそれを搭載したレーダ装置搭載車両およびレーダ装置搭載小型船舶について説明する。
本発明のレーダ装置は、上記本発明の第1乃至第4のいずれかの高周波送受信器と、この高周波送受信器から出力される中間周波信号を処理して探知対象物までの距離情報を検出する距離情報検出器とを具備している構成である。
本発明のレーダ装置は、上記構成としたことから、高周波送受信器が、受信側で識別しやすい良好な高周波信号を送信するため、速く確実に探知対象物を探知することができるとともに至近距離や遠方の探知対象物をも確実に探知することができるレーダ装置を提供することができる。
また、本発明のレーダ装置搭載車両は、上記本発明のレーダ装置を備え、このレーダ装置を探知対象物の検出に用いる構成である。
本発明のレーダ装置搭載車両は、このような構成としたことから、従来のレーダ装置搭載車両と同様に、レーダ装置で検出された距離情報に基づいて車両の挙動を制御したり、運転者に例えば路上の障害物や他の車両等を探知したことを音,光もしくは振動で警告したりすることができるが、本発明のレーダ装置搭載車両においては、探知対象物である路上の障害物や他の車両等をレーダ装置が早く確実に探知するため、急激な挙動を車両に起こさせることなく、車両の適切な制御や運転者への適切な警告をすることができる。
なお、本発明のレーダ装置搭載車両は、具体的には、汽車,電車,自動車等旅客や貨物を輸送するための車はもちろんのこと、自転車,原動機付き自転車,遊園地の乗り物,ゴルフ場のカート等にも用いることができる。
また、本発明のレーダ装置搭載小型船舶は、上記本発明のレーダ装置を備え、このレーダ装置を探知対象物の検出に用いる構成である。
本発明のレーダ装置搭載小型船舶は、このような構成としたことから、従来のレーダ装置搭載車両と同様に、小型船舶において、レーダ装置で検出された距離情報に基づいて小型船舶の挙動を制御したり、操縦者に例えば暗礁等の障害物,他の船舶もしくは他の小型船舶等を探知したことを音,光もしくは振動で警告したりするように動作するが、本発明のレーダ装置搭載小型船舶においては、探知対象物である暗礁等の障害物,他の船舶もしくは他の小型船舶等をレーダ装置が早く確実に探知するため、急激な挙動を小型船舶に起こさせることなく、小型船舶の適切な制御や操縦者への適切な警告をすることができる。
なお、本発明のレーダ装置搭載小型船舶は、具体的には、小型船舶の免許もしくは免許なしで操縦することができる船舶であって、総トン数20トン未満の船舶である手漕ぎボート,ディンギー,水上オートバイ,船外機搭載の小型バスボート,船外機搭載のインフレータブルボート(ゴムボート),漁船,遊漁船,作業船,屋形船,トーイングボート,スポーツボート,フィッシングボート,ヨット,外洋ヨット,クルーザーまたは総トン数20トン以上のプレジャーボートに用いることができる。
かくして、本発明によれば、サーキュレータの入出力用の伝送線路の1つに無反射終端器が接続されているサーキュレータ型のアイソレータにおいて、アイソレーション特性が改善されたアイソレータを提供することができる。
また、本発明によれば、所定値以上のアイソレーションが確保される周波数帯域幅を広くとることができて、安定に発振する周波数帯域幅を広くすることができ、また、高周波発振器の周波数特性が使用環境温度に左右されても安定に動作させることができる高周波発振器およびそれを用いた高性能な高周波送受信器を提供することができる。
さらに、本発明によれば、そのような高性能な高周波送受信器を具備するレーダ装置ならびにそのレーダ装置を搭載したレーダ装置搭載車両およびレーダ装置搭載小型船舶を提供することができる。
本発明の第1のアイソレータの実施の形態の一例を示す模式的な平面図である。 図1に示すアイソレータの例におけるアイソレーション特性の位相差δによる依存性を示す線図である。 本発明の第2のアイソレータの実施の形態の一例を示す模式的な平面図である。 本発明の第1の高周波発振器の実施の形態の一例としてのミリ波発振器Oを示す平面図である。 本発明の第1の高周波送受信器の実施の形態の一例としてのミリ波レーダモジュールR1を示す平面図である。 本発明の第2の高周波送受信器の実施の形態の一例としてのミリ波レーダモジュールR2を示す平面図である。 サーキュレータ1段のアイソレーション特性の代表的な実測値を示すグラフである。 本発明の第1の高周波発振器に用いられるサーキュレータ2段のアイソレーション特性およびその比較用としてのサーキュレータ2段のアイソレーション特性の代表的な実測値を示すグラフである。 本発明の第3の高周波送受信器の実施の形態の一例を示す模式的なブロック回路図である。 本発明の第4の高周波送受信器の実施の形態の一例を示す模式的なブロック回路図である。 非放射性誘電体線路の基本的な構成を示す模式的な部分破断斜視図である。 従来のアイソレータの例を示す模式的な平面図である。 従来の高周波発振器の例を示す斜視図である。 図13の高周波発振器用のバラクタダイオードを設けた配線基板の例を示す斜視図である。 従来の高周波発振器を組み込んで構成したミリ波レーダモジュールの例を示す平面図である。
符号の説明
1:第1の誘電体線路
2:第2の誘電体線路
3:第3の誘電体線路
4:フェライト板
4a:第1の接続部
4b:第2の接続部
4c:第3の接続部
5:無反射終端器
20:平行平板導体
21a,21b,26a,26b:フェライト板
22,25b:入力用誘電体線路
22a:入力端(入力用誘電体線路)
23,27:無反射終端器
24,28:終端用誘電体線路
25a,29:出力用誘電体線路
29a:出力端(出力用誘電体線路)
25:入力兼出力用誘電体線路(入力用誘電体線路25bと出力用誘電体線路25aとを兼ねている。)
30:電圧制御発振器
40,60:平行平板導体
41,61:第1の誘電体線路
42,62:ミリ波信号発振部
43,63:パルス変調器
44,64:第2の誘電体線路
45a,45b,65a,65b:フェライト板
46a,66a:第1の接続部
46b,66b:第2の接続部
46c,66c:第3の接続部
47:送受信アンテナ
48,68:第3の誘電体線路
49,70:ミキサーの検波部
50,71:第4の誘電体線路
51,74:ミキサー
52,72,75:無反射終端器
67:送信アンテナ
69:受信アンテナ
73:第5の誘電体線路
205,206:フェライト板
207,208:第1のマイクロストリップ線路(第1の伝送線路)
209,210:第2のマイクロストリップ線路(第2の伝送線路)
211,212:第3のマイクロストリップ線路(第3の伝送線路)
207a:入力端
212a:出力端
213,214:接地導体
215,216:終端抵抗
231:高周波発振器
232:分岐器
232a:入力端
232b:一方の出力端
232c:他方の出力端
233:変調器
234:サーキュレータ
234a:入力端
234b:一方の出力端
234c:他方の出力端
235:送受信アンテナ
236:ミキサー
237:スイッチ
238:アイソレータ
239:送信アンテナ
240:受信アンテナ
A:第1のサーキュレータ
B:第2のサーキュレータ
C,D:サーキュレータ(ミリ波レーダモジュール用)
C1,C2:サーキュレータ
,W,W:ミリ波信号
O:ミリ波発振器
R1,R2:ミリ波レーダモジュール

Claims (6)

  1. 高周波信号を伝送する第1、第2および第3の伝送線路が磁性体の周縁部に放射状にそれぞれ第1、第2および第3の接続部で接続され、一つの前記接続部から入力された前記高周波信号を隣接する他の前記接続部の一方より出力する第1および第2のサーキュレータが、前記第1のサーキュレータの前記第2の伝送線路が前記第2のサーキュレータの前記第1の伝送線路を兼ねることによって接続されて設けられているとともに、それぞれの前記第3の接続部に一端が接続された前記第3の伝送線路の他端に無反射終端器が接続されてなるアイソレータであって、前記第1のサーキュレータの前記第1の伝送線路から前記第2の伝送線路へ透過する前記高周波信号と前記第2の伝送線路から前記前記第1の伝送線路へ透過する高周波信号とのアイソレーション特性の周波数依存性と、前記第2のサーキュレータの前記第1の伝送線路から前記第2の伝送線路へ透過する前記高周波信号と前記第2の伝送線路から前記第1の伝送線路へ透過する高周波信号とのアイソレーション特性の周波数依存性とが異なるアイソレータ。
  2. 前記第1および第2のサーキュレータは、それぞれ前記第3の伝送線路の線路長を、前記第3の伝送線路を通って前記無反射終端器で反射して戻って前記第1の伝送線路に漏洩した一部の高周波信号をWaとし、前記第2の伝送線路から前記サーキュレータを介して前記第1の伝送線路に漏洩した他の一部の高周波信号をWbとし、これらWaとWbとの中心周波数における位相差をδとしたときに、δ=(2N+1)・π(ただし、Nは整数である。)となるように設定した請求項1記載のアイソレータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のアイソレータと、
    前記アイソレータの入力端に接続され、高周波信号を発生させる電圧制御発振器と、を具備する高周波発振器。
  4. 請求項3記載の高周波発振器と、
    前記高周波発振器の出力端側に接続され、前記高周波信号を分岐して一方の出力端と他方の出力端とに出力する分岐器と、
    前記一方の出力端に接続され、この一方の出力端に分岐された高周波信号を変調して送信用高周波信号を出力する変調器と、
    磁性体の周囲に第1の端子,第2の端子および第3の端子を有し、この順に一つの前記端子から入力された高周波信号を隣接する次の前記端子より出力する、前記変調器の出力が前記第1の端子に入力されるサーキュレータと、
    前記サーキュレータの前記第2の端子に接続された送受信アンテナと、
    前記分岐器の前記他方の出力端と前記サーキュレータの前記第3の端子との間に接続され、前記他方の出力端に分岐された高周波信号と前記送受信アンテナで受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサーと、を具備する高周波送受信器。
  5. 請求項3記載の高周波発振器と、
    前記高周波発振器の出力端側に接続され、前記高周波信号を分岐して一方の出力端と他方の出力端とに出力する分岐器と、
    前記一方の出力端に接続され、この一方の出力端に分岐された高周波信号を変調して送信用高周波信号を出力する変調器と、
    前記変調器の出力端に一端が接続され、前記一端側から他端側へ前記送信用高周波信号を透過させるアイソレータと、
    前記アイソレータに接続された送信アンテナと、
    前記分岐器の前記他方の出力端側に接続された受信アンテナと、
    前記分岐器の前記他方の出力端と前記受信アンテナとの間に接続され、前記他方の出力端に分岐された高周波信号と前記送受信アンテナで受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサーと、を具備する高周波送受信器。
  6. 請求項4または請求項5に記載の高周波送受信器と、
    前記高周波送受信器から出力される前記中間周波信号を処理して探知対象物までの距離情報を検出する距離情報検出器と、を具備するレーダ装置。
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