JP2006128810A - 減衰器ならびにそれを用いた高周波送受信器、レーダ装置、レーダ装置搭載車両およびレーダ装置搭載小型船舶 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高周波送受信器用に好適な、実用的であって簡単かつ緻密に減衰量を調整することができる減衰器を提供すること。
【解決手段】 高周波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置された平板導体1,2間に高周波信号を伝搬させる誘電体線路3が配置されているとともに、平板導体2の内面に誘電体線路3の一部に対向する凹部4が形成されており、この凹部4は、平板導体2に形成された貫通孔5と、この貫通孔5を塞ぐ導体部材6とで形成されている減衰器である。誘電体線路3を伝播する電磁波が凹部4へと漏れ出し、凹部4がスタブのように定在波を形成するような働きをするため、凹部4の深さを変えることにより、入力端3aから出力端3b側を見た反射係数を連続的に変化させることができるので、凹部4の深さを変えるだけで簡単に、減衰量を所望の条件に合うように連続的に変化させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 高周波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置された平板導体1,2間に高周波信号を伝搬させる誘電体線路3が配置されているとともに、平板導体2の内面に誘電体線路3の一部に対向する凹部4が形成されており、この凹部4は、平板導体2に形成された貫通孔5と、この貫通孔5を塞ぐ導体部材6とで形成されている減衰器である。誘電体線路3を伝播する電磁波が凹部4へと漏れ出し、凹部4がスタブのように定在波を形成するような働きをするため、凹部4の深さを変えることにより、入力端3aから出力端3b側を見た反射係数を連続的に変化させることができるので、凹部4の深さを変えるだけで簡単に、減衰量を所望の条件に合うように連続的に変化させることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車載レーダ装置等で用いられるミリ波集積回路等に組み込まれ、高周波信号の伝送用として用いられる減衰器において、減衰器が組み込まれる高周波送受信器等のモジュールの筐体の外側から減衰量を調整することができ、しかも減衰量を小さくするときには透過損失を小さくすることができる減衰器ならびにそれを用いた高周波送受信器、レーダ装置、レーダ装置搭載車両およびレーダ装置搭載小型船舶に関するものである。
従来から、特にミリ波帯(30GHz〜300GHz)の高周波信号を伝送する高周波用伝送線路として、非放射性誘電体線路(NonRadiative Dielectric Waveguide、以下、NRDガイドともいう。)が広く知られている。この非放射性誘電体線路を用いて構成した従来の減衰器は、例えば特許文献1〜特許文献6に開示されている。
なお、非放射性誘電体線路の基本的構成は、図12に部分破断斜視図で示すように、所定の間隔aをもって平行に配置された平板導体51,52間に、断面が矩形状の誘電体線路53を、間隔aを高周波信号の波長λに対してa≦λ/2として配置したものである。これにより、外部から誘電体線路53へのノイズの侵入をなくし、かつ外部への高周波信号の放射をなくして、誘電体線路53中により高周波信号をほとんど損失なく伝搬させることができる。なお、波長λは使用周波数における空気中(自由空間)での高周波信号の波長である。
特許文献1〜特許文献6に開示されている従来の減衰器のうち、例えば、特許文献1に開示されている従来の減衰器においては、非放射性誘電体線路の誘電体線路の近くに平板導体に対向する方向から見てテーパ状の電波吸収体を併設している。
また、特許文献2に開示されている従来の減衰器においては、第1および第2の誘電体線路の中途を電磁結合するように近接させた非放射性誘電体線路型の方向性結合器において、第1および第2の誘電体線路の一方に終端抵抗を接続し、その終端抵抗が接続された誘電体線路を他方の誘電体線路に対して相対的に平行に移動する手段を設けている。
また、特許文献3〜特許文献6には、誘電体線路の中途かまたは端部に誘電体線路を伝搬する高周波信号を減衰させる減衰領域を設けている点において、同様の技術が開示されている。
また、従来の高周波送受信器の例は、例えば、特許文献7および特許文献8に開示されている。
また、従来のレーダ装置およびそれを搭載したレーダ装置搭載車両の例は、例えば、特許文献9に開示されている。
特開平6−45809号公報
特開2000−22411号公報
特開2000−114815号公報
特開2000−114816号公報
特開2001−16003号公報
特開2003−289205号公報
特開平7−77576号公報
特開2000−258525号公報
特開2003−35768号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献3〜特許文献6に開示されているような従来の減衰器では、いずれも、誘電体線路および高周波信号を減衰する減衰領域を設けた誘電体線路を平板導体間に挟んで固定した後には、平板導体を取り外す以外にそれらを取り替えることはできないから、平板導体を取り外さずに減衰量を変えることができないので、減衰器を高周波回路の一部に組み込んだ後に減衰量を変化させて調整する目的には用いにくいという問題点があった。
また、特許文献2に開示されているような従来の減衰器では、相対的に平行に移動させる誘電体線路は、平板導体間に挟み込んだ後に平板導体の内面との隙間を導電性部材等で埋めるかまたはその隙間を一定にすることが難しいため、減衰器を透過する高周波信号の透過特性が不安定になることがあるので、減衰器を高周波回路の一部に組み込んだ後に減衰量を調整する目的には、やはり用いにくいところがあるという問題点があった。また、第1および第2の誘電体線路が近接して対向する部分が、第1および第2の誘電体線路を相互に平行移動する際に、精度良く平行度を維持したり対向する部分の距離を一定に維持したりすることが機械的に難しいため、減衰量の調整中に減衰量が滑らかに変化しなくて調整が難しかったり手間がかかったりするといった問題点や、第1および第2の誘電体線路が近接して対向する部分が、それらを平行移動することにより対向しない状態から対向する状態に移行する過渡的な状態において、減衰量が急激に変わりやすくなり、小さい減衰量での減衰量の調整が難しいという問題点があった。
また、従来の減衰器では、減衰器を高周波回路の一部に組み込んだ後にその高周波回路を動作させた状態で減衰量の調整を行なうこと(以下、動的なチューニングと言う。)が難しいという問題点もあった。
また、従来の減衰器を用いた高周波送受信器では、減衰器を高周波送受信器に組み込んだ後に、減衰量を調整したりその調整した状態を安定に維持したりすることが難しかったため、減衰器を高周波送受信器に組み込んだ後に、例えば高周波発振器の発振出力や高周波信号を伝送する高周波回路の透過特性等に応じて減衰量を調整してその調整された状態を安定に維持することにより、高周波送受信器の送信出力を所定の範囲に調整してその調整された状態を安定に維持することが難しいという問題点があった。
また、このような高周波送受信器を用いたレーダ装置では、例えば高周波送受信器の送信出力が強くなりすぎたり弱くなりすぎたりして、周囲の無線通信等に悪影響を及ぼしたり、または誤探知を起こしやすくなったり探知することができる探知対象物までの距離が短くなったりすることがあるために、安定した送受信性能が得られにくいという問題点があった。
また、このようなレーダ装置を搭載した車両や小型船舶では、探知対象物をレーダ装置で探知することによってその情報に基づいて回避や制動等の適切な挙動をとることが行なわれているが、レーダ装置が誤探知を起こしたり探知することができる探知対象物までの距離が短くなったり、探知対象物の探知が遅れるために、その探知の後にそれら車両や小型船舶に急激な挙動を起こさせたりしてしまうことがあるという問題点があった。
本発明は上記のような従来の技術における問題点を解決すべく案出されたものであり、その目的は、減衰器が組み込まれる高周波送受信器等のモジュールに対して、実用的であって簡単かつ緻密に、そのモジュールの筐体の外側から減衰量の調整や動的なチューニングを行なうことができ、しかも、減衰量の調整範囲が大きくて、かつ小さい減衰量での透過損失を小さくすることができる減衰器ならびにそれを用いた高周波送受信器、レーダ装置、レーダ装置搭載車両およびレーダ装置搭載小型船舶を提供することにある。
本発明の減衰器は、高周波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置された平板導体間に前記高周波信号を伝搬させる誘電体線路が配置されているとともに、前記平板導体の少なくとも一方の内面に前記誘電体線路の一部に対向する凹部が形成されており、該凹部は、前記平板導体に形成された貫通孔と、該貫通孔を塞ぐ導体部材または抵抗体部材とで形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の減衰器は、上記構成において、前記誘電体線路に前記凹部で反射した高周波信号を減衰させるアイソレータが接続されていることを特徴とするものである。
また、本発明の減衰器は、上記各構成において、前記凹部は、開口の形状が前記誘電体線路に沿った長方形状であることを特徴とするものである。
また、本発明の減衰器は、上記各構成において、前記凹部は、開口の形状が円形状であることを特徴とするものである。
また、本発明の減衰器は、上記各構成において、前記凹部は、その中央部が前記誘電体線路の中央部に対向していることを特徴とするものである。
本発明の第1の高周波送受信器は、高周波信号を発生する高周波発振器と、この高周波発振器に第1の高周波用伝送線路で接続された、前記高周波信号を分岐して一方の出力端に送信用高周波信号として出力し、他方の出力端にローカル信号として出力する分岐器と、磁性体の周囲に第1の端子,第2の端子および第3の端子を有し、この順に一つの端子から入力された高周波信号を隣接する次の端子より出力する、前記分岐器の前記一方の出力端に第2の高周波用伝送線路で前記第1の端子が接続されたサーキュレータと、このサーキュレータの前記第2の端子に第3の高周波用伝送線路で接続された送受信アンテナと、前記分岐器の前記他方の出力端と前記サーキュレータの前記第3の端子との間に第4および第5の高周波用伝送線路で接続された、前記他方の出力端に出力された前記ローカル信号と前記送受信アンテナで受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサーとを具備しており、前記第1乃至第5の高周波用伝送線路の少なくとも1つに上記いずれかの本発明の減衰器が接続されていることを特徴とするものである。
本発明の第2の高周波送受信器は、高周波信号を発生する高周波発振器と、この高周波発振器に第1の高周波用伝送線路で接続された、前記高周波信号を分岐して一方の出力端に送信用高周波信号として出力し、他方の出力端にローカル信号として出力する分岐器と、この分岐器の前記一方の出力端に入力端が第2の高周波用伝送線路で接続された、出力端側に前記送信用高周波信号を出力するアイソレータと、このアイソレータの前記出力端に第3の高周波用伝送線路で接続された、前記送信用高周波信号を送信する送信アンテナと、前記分岐器の前記他方の出力端側に第4の高周波用伝送線路で接続された受信アンテナと、この受信アンテナと前記分岐器の前記他方の出力端との間に前記第4の高周波用伝送線路および第5の高周波用伝送線路で接続された、前記他方の出力端に出力されたローカル信号と前記受信アンテナで受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサーとを具備しており、前記第1乃至第5の高周波用伝送線路の少なくとも1つに上記いずれかの本発明の減衰器が接続されていることを特徴とするものである。
本発明のレーダ装置は、上記本発明の第1および第2のいずれかの高周波送受信器と、この高周波送受信器から出力される前記中間周波信号を処理して探知対象物までの距離情報を検出する距離情報検出器とを具備することを特徴とするものである。
本発明のレーダ装置搭載車両は、上記構成の本発明のレーダ装置を備え、このレーダ装置を探知対象物の検出に用いることを特徴とするものである。
本発明のレーダ装置搭載小型船舶は、上記構成の本発明のレーダ装置を備え、このレーダ装置を探知対象物の検出に用いることを特徴とするものである。
本発明の減衰器によれば、高周波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置された平板導体間に前記高周波信号を伝搬させる誘電体線路が配置されているとともに、前記平板導体の少なくとも一方の内面に前記誘電体線路の一部に対向する凹部が形成されており、該凹部は、前記平板導体に形成された貫通孔と、該貫通孔を塞ぐ導体部材または抵抗体部材とで形成されていることから、誘電体線路を伝播する高周波信号である電磁波の一部が、平板導体の内面に形成された、誘電体線路の一部に対向する凹部へと漏れ出し、その凹部を伝播した後、その凹部の底部を形成し貫通孔を塞いでいる導体部材または抵抗体部材で反射して、その凹部がスタブのように定在波を形成するような働きをするため、その凹部の底部までの深さに応じて、誘電体線路の入力端側からその凹部も含めて出力端側を見た反射係数を連続的に変化させることができる。また、凹部の底部までの深さがスタブの電気長に対応するようなパラメータとなるので、その深さとそれに応じた反射係数の変化による特性インピーダンスの変化との関係を容易に予測することができる。そして、貫通孔を塞ぐ導体部材または抵抗体部材が、貫通孔内でその位置を変えることにより凹部の底部までの深さを変化させてその凹部の反射係数を変化させる働きをし、また、その貫通孔を塞いでいる導体部材または抵抗体部材は、平板導体の外側から引っ張ったり押し込んだりする等の何らかの操作により、その位置を連続的かつ可逆的に変えるようにすることができるため、平板導体の外側から操作してその凹部の反射係数を連続的かつ可逆的に変化させることができるので、減衰器の組み立て中や組み立て後または減衰器を高周波回路モジュールに組み込んだ後においても簡単かつ緻密に反射係数を調整することによって減衰器の入力側から出力側に透過する高周波信号の減衰量を調整することができ、また、動的な減衰量の調整をもすることができる減衰器となる。また、誘電体線路の一部に減衰領域を設ける従来の減衰器と比較して、そのような減衰領域を設けないようにもすることができるため、反射係数を0(ゼロ)に近くすることが容易であるので、損失が小さくて調整範囲が大きい減衰器となる。
また、本発明の減衰器によれば、上記構成において、前記誘電体線路に前記凹部で反射した高周波信号を減衰させるアイソレータが接続されているときには、アイソレータが、凹部で反射して入力側に戻る高周波信号を減衰するため、凹部から入力側に反射して戻る高周波信号がその入力側に接続される高周波発振器等の高周波回路要素に悪影響を及ぼすことが大幅に抑制される減衰器となる。
また、本発明の減衰器によれば、上記各構成において、前記凹部が、開口の形状が前記誘電体線路に沿った長方形状であるときには、平板導体間に配置された誘電体線路においては通常LSMモードで伝送される高周波信号が、その凹部の開口において、矩形導波管のTEm0(mは自然数)モードに類似した電磁界の分布を良好に誘起することができるため、その凹部へ電磁波であるその高周波信号を効率的かつ安定に導くことができるので、反射係数を効率的かつ安定に変化させることができ、大きい調整範囲で安定に減衰量を調整することができる減衰器となる。また、凹部の開口の形状が長方形状であれば、性質のよく知られた矩形導波管と同様にその凹部を取り扱うことができるため、特性を予測しやすくなるので反射係数による減衰量の制御性に優れた減衰器となる。
また、本発明の減衰器によれば、上記構成において、前記凹部が、開口の形状が円形状であるときには、平板導体間に配置された誘電体線路においては通常LSMモードで伝送される高周波信号が、その凹部の開口において、円形導波管の基本モードであるTE11モードに類似した電磁界の分布を良好に誘起することができるため、その凹部へ電磁波であるその高周波信号を効率的かつ安定に導くことができるので、反射係数を効率的かつ安定に変化させることができ、大きい調整範囲で安定に減衰量を調整することができる減衰器となる。また、凹部の開口の形状が円形状であれば、性質のよく知られた円形導波管と同様にその凹部を取り扱うことができるため、特性を予測しやすくなるので反射係数による減衰量の制御性に優れた減衰器となる。
また、本発明の減衰器によれば、上記構成において、前記凹部が、その中央部が前記誘電体線路の中央部に対向しているときには、誘電体線路を伝搬する高周波信号とその凹部を伝搬する高周波信号との結合効率が良好となるため、電磁波である高周波信号を効率よくその凹部へ導くことが可能となるので、反射係数による減衰量の調整の範囲を大きくとることができる減衰器となる。
本発明の第1の高周波送受信器によれば、高周波信号を発生する高周波発振器と、この高周波発振器に第1の高周波用伝送線路で接続された、前記高周波信号を分岐して一方の出力端に送信用高周波信号として出力し、他方の出力端にローカル信号として出力する分岐器と、磁性体の周囲に第1の端子,第2の端子および第3の端子を有し、この順に一つの端子から入力された高周波信号を隣接する次の端子より出力する、前記分岐器の前記一方の出力端に第2の高周波用伝送線路で前記第1の端子が接続されたサーキュレータと、このサーキュレータの前記第2の端子に第3の高周波用伝送線路で接続された送受信アンテナと、前記分岐器の前記他方の出力端と前記サーキュレータの前記第3の端子との間に第4および第5の高周波用伝送線路で接続された、前記他方の出力端に出力された前記ローカル信号と前記送受信アンテナで受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサーとを具備しており、前記第1乃至第5の高周波用伝送線路の少なくとも1つに上記いずれかの本発明の減衰器が接続されていることから、高周波用伝送線路に接続されている減衰器が、減衰器が高周波送受信器の一部として組み込まれた後に、減衰器の入出力間を透過する高周波信号の透過係数を変化させることにより、減衰器の入出力間で高周波信号の強度を調整することができ、また、減衰器の入出力間で高周波信号を大きく減衰させるべきときには大きく減衰させ、ほとんど減衰させないでおくべきときには非常に小さい透過損失で透過させるため、高周波送受信器の内部で使用される高周波信号の強度や高周波送受信器から外部に出力される送信用高周波信号の強度が適切なものとなるように調整することができるので、安定した送受信性能を有する高性能な高周波送受信器となる。
本発明の第2の高周波送受信器によれば、高周波信号を発生する高周波発振器と、この高周波発振器に第1の高周波用伝送線路で接続された、前記高周波信号を分岐して一方の出力端に送信用高周波信号として出力し、他方の出力端にローカル信号として出力する分岐器と、該分岐器の前記一方の出力端に入力端が第2の高周波用伝送線路で接続された、出力端側に前記送信用高周波信号を出力するアイソレータと、このアイソレータの前記出力端に第3の高周波用伝送線路で接続された、前記送信用高周波信号を送信する送信アンテナと、前記分岐器の前記他方の出力端側に第4の高周波用伝送線路で接続された受信アンテナと、この受信アンテナと前記分岐器の前記他方の出力端との間に前記第4の高周波用伝送線路および第5の高周波用伝送線路で接続された、前記他方の出力端に出力されたローカル信号と前記受信アンテナで受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサーとを具備しており、前記第1乃至第5の高周波用伝送線路の少なくとも1つに上記いずれかの本発明の減衰器が接続されていることから、送受別体のアンテナを用いた高周波送受信器においても、高周波用伝送線路に接続されている減衰器が、減衰器が高周波送受信器の一部として組み込まれた後に、減衰器の入出力間を透過する高周波信号の透過係数を変化させることにより、減衰器の入出力間で高周波信号の強度を調整することができ、また、減衰器の入出力間で高周波信号を大きく減衰させるべきときには大きく減衰させ、ほとんど減衰させないでおくべきときには非常に小さい透過損失で透過させるため、高周波送受信器の内部で使用される高周波信号の強度や高周波送受信器から外部に出力される送信用高周波信号の強度が適切なものとなるように調整することができるので、安定した送受信性能を有する高性能な高周波送受信器となる。
本発明のレーダ装置によれば、上記本発明の第1および第2のいずれかの高周波送受信器と、この高周波送受信器から出力される前記中間周波信号を処理して探知対象物までの距離情報を検出する距離情報検出器とを具備することから、高周波送受信器の送受信性能が高いため、早く確実に探知対象物を探知することができるとともに遠方の探知対象物をも探知することができるレーダ装置となる。
本発明のレーダ装置搭載車両によれば、上記本発明のレーダ装置を備え、このレーダ装置を探知対象物の検出に用いることから、レーダ装置が早く確実に探知対象物である他の車両を探知するため、急激な挙動を車両に起こさせることなく、車両の適切な制御や運転者への適切な警告をすることができるレーダ装置搭載車両となる。
本発明のレーダ装置搭載船舶によれば、上記本発明のレーダ装置を備え、このレーダ装置を探知対象物の検出に用いることから、レーダ装置が早く確実に探知対象物である他の小型船舶を探知するため、急激な挙動を小型船舶に起こさせることなく、小型船舶の適切な制御や操縦者への適切な警告をすることができるレーダ装置搭載小型船舶となる。
本発明の減衰器、それを用いた第1および第2の高周波送受信器、それを具備したレーダ装置ならびにそれを搭載したレーダ装置搭載車両およびレーダ装置搭載小型船舶について、以下に詳細に説明する。
図1(a)および(b)は、それぞれ本発明の減衰器の実施の形態の一例を示す模式的な斜視図およびその要部断面図である。また、図2は、本発明の減衰器の実施の形態の他の例を示す模式的な部分破断平面図である。また、図3(a)〜(f)は、それぞれ本発明の減衰器の実施の形態の例における凹部の開口の形状の例を示す模式的な平面図である。また、図4(a)および(b)は、それぞれ本発明の減衰器の実施の形態の例における誘電体線路に対する凹部の配置の例を示す模式的な平面図である。また、図5および図6は、それぞれ本発明の第1の高周波送受信器の実施の形態の一例を示す模式的なブロック回路図および平面図である。また、図7および図8は、それぞれ本発明の第2の高周波送受信器の実施の形態の一例を示す模式的なブロック回路図および平面図である。また、図9および図10は、それぞれ本発明の第1および第2の高周波送受信器の実施の形態の他の例を模式的に示すブロック回路図である。また、図11は本発明のレーダ装置の実施の形態の一例を模式的に示すブロック回路図である。
図1〜図4において、1,2は平板導体、3は誘電体線路、3aおよび3bはそれぞれ誘電体線路3の入力端および出力端、4は凹部、4aは凹部4の開口、4bは凹部4の底部、5は貫通孔、6は導体部材または抵抗体部材、7はフェライト板、8,9,10は誘電体線路、10aは無反射終端器である。
また、図5〜図11において、11は高周波発振器、12は分岐器、13は変調器、14はサーキュレータ、15は送受信アンテナ、16はミキサー、17はスイッチ、18はアイソレータ、18aおよび18bはそれぞれアイソレータ18の入力端および出力端、19は送信アンテナ、20は受信アンテナ、21,31は平板導体、22,32は第1の誘電体線路、23,33は第2の誘電体線路、24,34は第3の誘電体線路、25,35は第4の誘電体線路、36は第5の誘電体線路、27,37は磁性体としてのフェライト板、14a,27a,37aは第1の端子、14b,27b,37bは第2の端子、14c,27c,37cは第3の端子、24a,35a,36aは無反射終端器である。なお、図6および図8において上側の平板導体は図示していない。
まず、本発明の減衰器について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に示す本発明の減衰器の実施の形態の一例は、高周波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置された平板導体1,2間に高周波信号を伝搬させる誘電体線路3が配置されており、平板導体1,2の少なくとも一方(この例では上側の平板導体2)の内面に誘電体線路3の一部に対向する凹部4が形成されており、この凹部4は、平板導体2に形成された貫通孔5と、この貫通孔5を塞ぐ導体部材(または抵抗体部材)6とで形成されている構成である。
上記構成において、具体的には、凹部4は、内側が中空である導体壁で囲まれる管状とされている貫通孔5の一方端(誘電体線路3と反対側)が導体部材6で塞がれて底部4bとなっており、他方端(誘電体線路3側)が開口4aとして開いている。これにより、貫通孔5と導体部材6とは、凹部4を構成している。
また、凹部4は、内側が中空であるかもしくは一部に誘電体が詰まっている、導体壁で囲まれる管状の一端が開口4aとして誘電体線路3側に開いており、他端が底部4bとして導体部材6による導体壁(または抵抗体部材6による抵抗体壁)で塞がれているようなものとしており、導波管のように機能するような開口4aの形状や幅としている。これにより、凹部4は、導波管のように導体で囲まれる領域に電磁波を閉じ込めて伝搬させ、導体(または抵抗体)であるその底部4bで短絡終端して反射する働きをする。凹部4に、このような働きをさせるには、通常の導波管の設計と同様に、例えば電磁界シミュレーション等を行なって、開口4aの形状や幅を適当なものとすればよい。開口4aの形状は、通常は、後述するように、性質がよく知られている長方形状や円形状とすればよいが、これら以外であっても構わない。このようにすれば、凹部4に高周波信号を所望の伝送モードで伝搬させることができ、底部4bで反射させることができる。
また、誘電体線路3に対して凹部4を形成する位置は、誘電体線路3側の電磁界と凹部4側の電磁界との重畳(重なり)積分が最大となるような位置、すなわち平板導体1または平板導体2の誘電体線路3が対向する位置であって、凹部4の中央部と凹部4が対向する誘電体線路3の中央部とが凹部4の底部4b側から見てできるだけ一致するようにすればよい。凹部4がそのような位置からややずれていても構わないが、それら中央部が凹部4の底部4b側から見て一致していれば、高周波信号を誘電体線路3から凹部4に最も効率良く伝搬させることができる。
そして、全体としては、誘電体線路3の入力端3aから入力された高周波信号の一部は、誘電体線路3から、開口4aの少なくとも一部分が誘電体線路3に対向する部位から凹部4に入射して、凹部4を伝搬し、凹部4の底部4bでほぼ全反射した後、逆の経路で誘電体線路3の入力端3aに戻り、定在波を形成するように動作する。その際、誘電体線路3の入力端3aから出力端3b側を見た反射係数は、その戻ってくる高周波信号の位相に依存することとなる。また、その位相は、誘電体線路3の入力端3aから凹部4の開口4aが対向する部位までの電気長または凹部4の開口4aが誘電体線路3に接する部位から凹部4の底部4bまで(凹部4の深さに対応する。)の電気長の変化に応じて変化するため、誘電体線路3の入力端3aから出力端3b側を見た反射係数は、凹部4の配置と凹部4の深さとを変化させることにより連続的に制御することができる。
本発明の減衰器によれば、凹部4がこのように機能するので、誘電体線路3の入力端3aから見た反射係数を変化させて誘電体線路3の入力端3aから出力端3bに透過する高周波信号の透過係数を変化させることによって、誘電体線路3の入力端3aから出力端3bに透過する高周波信号の減衰量を調整することができる。この減衰量は、誘電体線路3の入力端3aから見たインピーダンスが誘電体線路3の入力端3aに接続される高周波用伝送線路または高周波回路要素の特性インピーダンスに整合するときには、誘電体線路3の入力端3aから見た反射係数が0(ゼロ)となるから、入力端3aから出力端3bに高周波信号をほとんど損失なく透過することができ、その反射係数を0よりも大きくて1以下の範囲で変化させるときには、その反射係数の大きさに応じて大きい調整範囲で減衰量を調整することができる。
なお、このような凹部4の働きは、スタブによるインピーダンス整合と同様のものであり、その一般的な理論に従って凹部4を設計すれば、凹部4により反射係数の調整を確実に行なうことができる。
また、凹部4の底部4bに相当する部位が、平板導体2とは別体である導体部材(または抵抗体部材)6で形成されるため、平板導体2の作製後でも凹部4の深さを、平板導体2に設けられている貫通孔5を塞ぐ導体部材6の位置を変えることによって変化させることができるので、減衰器の組み立て中や組み立て後または減衰器を高周波回路モジュールに組み込んだ後においても、簡単かつ緻密に反射係数を調整することによって減衰器の入力端3aから出力端bに透過する高周波信号の減衰量を調整することができる。このように減衰量を調整するには、貫通孔5に導体部材6をぴったりと適度な摩擦で挿入して、平板導体2の外側から引っ張ったり押し込んだりするようにすればよい。また、貫通孔5にねじ溝を形成しておいて、その貫通孔5に導体部材6を適度な摩擦でねじ込むようにしてもよい。このようにすれば、簡単に精度良く凹部4の深さを連続的かつ可逆的に調整することができる。
図1に示す本発明の減衰器の実施の形態の例によれば、上記構成とすることから、誘電体線路3を伝播する高周波信号である電磁波の一部が、平板導体2の内面に形成された、誘電体線路3に対向する凹部4へと漏れ出し、その凹部4を伝播した後、その凹部4の底部4bを形成し貫通孔5を塞いでいる導体部材(または抵抗体部材)6で反射し、その凹部4がスタブのように定在波を形成するような働きをするため、その凹部4の底部4bまでの深さに応じて、誘電体線路3の入力端3aからその凹部4も含めて出力端3b側を見た反射係数を連続的に変化させることができ、また、凹部4の深さが、スタブの電気長に対応するようなパラメータとなるので、その深さとそれに応じた反射係数の変化による減衰量の変化との関係を容易に予測することができる。そして、貫通孔5を塞ぐ導体部材(または抵抗体部材)6が、貫通孔5内でその位置を変えることにより凹部4の深さを変化させてその凹部4の反射係数を変化させる働きをし、また、その貫通孔5を塞いでいる導体部材(または抵抗体部材)6は平板導体2の外側から引っ張ったり押し込んだりする等の何らかの操作によりその位置を連続的かつ可逆的に変えることができるため、平板導体2の外側から操作してその凹部4の反射係数を連続的かつ可逆的に変化させることができるので、減衰器の組み立て中や組み立て後または減衰器を高周波回路モジュールに組み込んだ後においても、簡単かつ緻密に反射係数を調整することによって減衰器の入力端3aから出力端3bに透過する高周波信号の減衰量を調整することができ、また、動的なチューニングをもすることができる。なお、動的なチューニングとは、ここでは減衰器を組み込んだ高周波回路を動作させた状態で減衰量の調整を行なうことを言っている。
また、誘電体線路の一部に減衰領域を設ける従来の減衰器と比較して減衰領域を設けないようにすることができるため、反射係数を0(ゼロ)に近くすることが容易であるので、損失が小さくて調整範囲が大きい減衰器となる。また、導体部材6の代わりに抵抗体部材で貫通孔5を塞いでもよく、この場合には、凹部4から入力端3a側への高周波信号の反射を少なくしつつ所望の減衰量が得られるものとなる。
このように、凹部4の深さを変えるだけで簡単に減衰量を所望の条件に合うように連続的に変化させることができるので、実用的であって簡単かつ緻密に減衰量を調整することができる。
次に、図2に示す本発明の減衰器の実施の形態の他の例は、図1に示す例に対して、誘電体線路3に凹部4で反射した高周波信号を減衰させるアイソレータが接続されている構成である。なお、図2において、凹部4は貫通孔5に導体部材6を挿入する前の状態を示している。
この構成において、アイソレータは、具体的には、平板導体1,2の内面に互いに対向させて2枚のフェライト板7が配置され、この2枚のフェライト板7に対して放射状に高周波信号を入出力する3本の誘電体線路8,9,10が配置されているサーキュレータの誘電体線路10の端部に無反射終端器10aが接続されているようなものである。このようなアイソレータの出力用である誘電体線路9に減衰器の入力端3aを接続すればよい。なお、このようなアイソレータは入力用である誘電体線路8側から出力用である誘電体線路9側の方向に高周波信号を通しやすくて、その逆方向には高周波信号を通しにくくなるように用いることは言うまでもない。
図2に示す本発明の減衰器の実施の形態の他の例によれば、上記構成とすることから、図1に示す例の減衰器と同様の作用効果を有する上に、アイソレータが、凹部4から入力端3aに反射して戻る高周波信号を、入力端3aに接続された誘電体線路9から誘電体線路10に2枚のフェライト板7を介して透過させ、誘電体線路10の端部に接続された無反射終端器10aで減衰するため、凹部4に対して入力側である入力端3a側に反射して戻る高周波信号が、凹部4に対して入力側である入力端3a側に接続される高周波発振器等の高周波回路要素に悪影響を及ぼすことが大幅に抑制されるといった作用効果を有するものとなる。
次に、本発明の減衰器は、さらに詳細には、次のように構成すればよい。
図1および図2に示す本発明の減衰器の実施の形態の例において、好ましくは、凹部4は、開口4aの形状を誘電体線路3に沿った長方形状とするとよい。ここで、凹部4の開口4aの形状が長方形状とは、凹部4の穴が見える方向から見た凹部4の断面形状が長方形状となっているということであり、その断面形状は、任意の断面で相似形とするか、もしくは好ましくは同じ形状(立体的には凹部4が直方体状であることに対応する。)とすればよい。また、長方形状とは、例えば図3(a),(b),(c)に平面図でそれぞれ示すように、理想的な長方形に加えてその辺に若干の歪みや小さな凹凸が多少あるものも、あるいは角部が丸みを有しているものも含んでいるということであり、そのようなものでも高周波信号の伝搬に支障ない程度であれば構わない。また、そのような若干の歪みや小さな凹凸は任意の断面で異なる位置にあっても構わない。しかしながら、そのようなものがなるべく少ない理想的な直方体に近い形状の方が、凹部4に最も良好に高周波信号を伝搬させることができるのでよい。
また、凹部4は、できるだけ誘電体線路3に沿わせた方がよい。すなわち、長方形状の長辺が誘電体線路3の延長方向に並んでおり、図3(a)に示すように、理想的には、開口4aの長方形の長辺が、誘電体線路3の凹部4が対向している部分における誘電体線路3の延長方向の接線に平行であるようにするとよい。
このようにすれば、誘電体線路3の凹部4が対向する部分において、誘電体線路3をLSMモードで伝搬する高周波信号である電磁波が、矩形導波管のTEm0(mは自然数)モードに類似した電磁界の分布を良好に誘起することができるため、その凹部4へ電磁波であるその高周波信号を効率的かつ安定に導くことができるので、凹部4によって誘電体線路3の反射係数を効率的かつ安定に変化させることができ、大きい調整範囲で安定に減衰量を調整することができる。また、凹部4の開口4aの形状が長方形状であれば、性質のよく知られた矩形導波管と同様にその凹部4を取り扱うことができるため、特性を予測しやすくなるので反射係数による減衰量の制御性に優れたものとなる。
また、図1および図2に示す本発明の減衰器の例において、好ましくは、凹部4は、開口4aの形状を円形状としてもよい。ここで、凹部4の開口4aの形状が円形状とは、凹部4の穴が見える方向から見た凹部4の断面形状が円形状となっているということであり、その断面形状は、任意の断面で相似形とするかもしくは好ましくは同じ形状(立体的には凹部4が円柱状であることに対応する。)とすればよい。また、円形状とは、例えば図3(d),(e),(f)に平面図でそれぞれ示すように、理想的な円形に加えてその円周に若干の歪みや小さな凹凸が多少あるものも含んでいるということであり、そのようなものでも高周波信号の伝搬に支障ない程度であれば構わない。また、そのような若干の歪みや小さな凹凸は任意の断面で異なる位置にあっても構わない。しかしながら、そのようなものがなるべく少ない理想的な円柱に近い形状の方が、凹部4に最も良好に高周波信号を伝搬させることができるのでよい。また、このような開口4aが円形状の凹部4は、できるだけその中心を誘電体線路3の中心に合わせた方がよい。
このようにすれば、誘電体線路3の凹部4が対向する部分において、誘電体線路3をLSMモードで伝搬する高周波信号である電磁波が、円形導波管の基本モードであるTE11モードに類似した電磁界の分布を良好に誘起することができるため、その凹部4へ電磁波であるその高周波信号を効率的かつ安定に導くことができるので、凹部4によって誘電体線路3の反射係数を効率的かつ安定に変化させることができ、大きい調整範囲で安定に減衰量を調整することができる。また、凹部4の開口4aの形状が円形状であれば、性質のよく知られた円形導波管と同様にその凹部4を取り扱うことができるため、特性を予測しやすくなるので反射係数による減衰量の制御性に優れたものとなる。
また、凹部4の開口4aの形状が円形状であれば、凹部4を貫通孔5および導体部材6で形成する場合に、貫通孔5を雌ねじとし導体部材6を雄ねじとして深さの微調整を行ないやすいねじ構造の凹部4を構成しやすいという利点がある。
また、図1および図2に示す本発明の減衰器の実施の形態の例において、好ましくは前述のように、凹部4は、図4(b)に平面図で示すようにその開口4aの中央部を誘電体線路3の中央部からずらせて配置するのではなく、図4(a)に平面図で示すように、開口4aの中央部が誘電体線路3の中央部に対向しているとよい。このようにすれば、誘電体線路3を伝搬する高周波信号と凹部4を伝搬する高周波信号との結合効率が良好となるため、電磁波である高周波信号を効率よくその凹部4へ導くことが可能となるので、誘電体線路3に対する反射係数の調整の範囲を大きくとることができ、減衰量の調整範囲を大きくすることができる。
また、図1および図2に示す本発明の減衰器の実施の形態の例において、凹部4の開口4aの形状が長方形状である場合には、好ましくは、長方形状の長辺の長さを誘電体線路3を伝播する電磁波の管内波長の0.4から0.6倍の長さとするとよい。また、凹部4の開口4aの形状が円形状である場合には、円形状の直径を誘電体線路3を伝播する電磁波の管内波長の0.5から0.6倍の長さとするとよい。このようにすれば、誘電体線路3を伝播する電磁波が凹部4においては導波管の高次モードとして伝播し得ないために、モード変換による損失を抑えることができる。また導波管としての凹部4の遮断周波数は、誘電体線路3を伝播する電磁波の周波数よりも十分に低くなるために、基本モードとしての伝送損失も低く抑えることができることから、減衰量を極力小さくすべきときに低損失にすることができる。
次に、本発明の減衰器の各構成要素についてさらに詳細に説明する。本発明において、誘電体線路3,8,9,10の材料は、四フッ化エチレン,ポリスチレン等の樹脂、または低比誘電率のコーディエライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)セラミックス,アルミナ(Al2O3)セラミックス,ガラスセラミックス等のセラミックスが好ましく、これらはミリ波帯域において低損失である。
また、誘電体線路3,8,9,10の断面形状は基本的には矩形状であるが、矩形の角部をまるめた形状であってもよく、高周波信号の伝送に使用される種々の断面形状のものを使用することができる。
また、フェライト板7の材質には、フェライトの中でも、例えばミリ波信号に対しては、亜鉛・ニッケル・鉄酸化物(ZnaNibFecOx)が好適である。
また、フェライト板7の形状は、通常は円板状とされるが、その他、平面形状が正多角形状であってもよい。その場合は、接続される誘電体線路の本数をn本(nは3以上の整数)とすると、その平面形状は正m角形(mは3以上のnより大きい整数)とするのがよい。
また、平板導体1,2および導体部材6には、高い電気伝導度および良好な加工性等の点で、銅,アルミニウム,鉄(Fe),銀(Ag),金(Au),白金(Pt),SUS(ステンレススチール),真鍮(Cu−Zn合金)等の金属から成る導体板が好適である。あるいは、セラミックス,樹脂等から成る絶縁板の表面にこれらの金属から成る導体層を形成したものでもよい。
また、無反射終端器10aは、誘電体線路10の端部に対して、両側の側面(図示していない平板導体の内面と対向しない面)の上下端部に、膜状の抵抗体または電波吸収体を付着させて構成すればよい。その際、抵抗体の材質としては、ニッケルクロム合金またはカーボンが好適である。また、電波吸収体の材質としては、パーマロイまたはセンダストが好適である。これらの材質を用いれば、効率良く高周波信号を減衰させることができる。また、これら以外の材質で、高周波信号を減衰させることができるものを用いても構わない。
また、平板導体1,2に設けられる凹部4の一部に誘電体を詰める場合には、その誘電体の材料は、誘電体線路3等と同様のものを用いればよい。
なお、本発明の減衰器は、特にミリ波帯の高周波信号を減衰させるのに好適に用いることができるものであるが、高周波信号の周波数がそれよりも低い例えばマイクロ波帯であっても有効に用いることができる。
次に、本発明の第1および第2の高周波送受信器について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図5および図6にそれぞれブロック回路図および平面図で示す本発明の第1の高周波送受信器の実施の形態の一例は、高周波信号を発生する高周波発振器11と、この高周波発振器11に第1の高周波用伝送線路で接続された、その高周波信号を分岐して一方の出力端12bに送信用高周波信号RFとして出力し、他方の出力端12cにローカル信号LOとして出力する分岐器12と、磁性体としてのフェライト板27の周囲に第1の端子27a,第2の端子27bおよび第3の端子27cを有し、この順に一つの端子から入力された高周波信号を隣接する次の端子より出力する、分岐器12の一方の出力端12bに第2の高周波用伝送線路で第1の端子14aが接続されたサーキュレータ14と、このサーキュレータ14の第2の端子14bに第3の高周波用伝送線路で接続された送受信アンテナ15と、分岐器12の他方の出力端12cとサーキュレータ14の第3の端子14cとの間に第4および第5の高周波用伝送線路で接続された、他方の出力端12cに出力されたローカル信号LOと送受信アンテナ15で受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサー16とを具備しており、第1〜第5の高周波用伝送線路の少なくとも1つ(この例では第2の高周波用伝送線路)に上記各構成の本発明のいずれかの減衰器A(この例では図2に示した例)が接続されている構成である。
この構成により、FMCW方式のレーダ装置に対応する高周波送受信器とすることができる。なお、これら第1および第2,第3,第4,第5の高周波用伝送線路は、図6においては、それぞれ第1の誘電体線路22,第2の誘電体線路23,第3の誘電体線路24,第4の誘電体線路25に対応している。また、第1の端子14a,第2の端子14bおよび第3の端子14cは、図6において、それぞれ第1の端子27a,第2の端子27bおよび第3の端子27cに対応している。また、図6において、分岐器12は、第1の誘電体線路22と第3の誘電体線路24とを電磁結合するように近接させたところで構成されており、第1の誘電体線路22のその近接させたところから高周波発振器11側の部分が第1の高周波用伝送線路に対応しており、第1の誘電体線路22のその他の部分が第2の高周波用伝送線路に対応している。また、第3の誘電体線路24の高周波発振器11側の端部には無反射終端器24aが接続されている。また、図6において、21は下側の平板導体である。
なお、図6には第2の高周波用伝送線路に接続される減衰器Aの具体的な構成を図示していないが、減衰器Aを構成する凹部4は、下側の平板導体21に対向する図示していない上側の平版導体の第1の誘電体線路22に対向する部分の第1の誘電体線路22に第3の誘電体線路24が近接するところからサーキュレータ14寄りに設ければよい。
また、上記構成に対して、図9に図5と同様のブロック回路図で示すように、第2の高周波用伝送線路の途中に挿入されて分岐器12の一方の出力端12bとサーキュレータ14の第1の端子14aとの間に接続された、分岐器12の一方の出力端12bから出力された高周波信号を変調して送信用高周波信号としてサーキュレータ14の第1の端子14aに出力する変調器13を備えるものとして、FMパルス方式のレーダ装置に対応する高周波送受信器としてもよい。
図5および図6にそれぞれブロック回路図および平面図で示す本発明の第1の高周波送受信器の実施の形態の一例によれば、上記構成とすることから、第2の高周波用伝送線路に接続されている減衰器が、減衰器が高周波送受信器の一部として組み込まれた後に、減衰器の入出力間を透過する高周波信号の透過係数を変化させることにより、減衰器の入出力間で高周波信号の強度を調整することができ、また、減衰器の入出力間で高周波信号を大きく減衰させるべきときには大きく減衰させ、ほとんど減衰させないでおくべきときには非常に小さい透過損失で透過させるため、高周波送受信器の内部で使用される高周波信号の強度や高周波送受信器から外部に出力される送信用高周波信号の強度が適切なものとなるように調整することができるので、安定した送受信性能を有する高性能なものとなる。なお、この例のように減衰器が第2の高周波用伝送線路に接続されているときには、ローカル信号や受信用信号(送受信アンテナ15からミキサー16に入射する高周波信号)を変化させることなく送信用信号の出力のみを調整することができる点で好ましい。
なお、図9に示す本発明の第1の高周波送受信器の実施の形態の他の例においても同様の作用効果を有するものとなる。図9に示す例では、第2の高周波用伝送線路の途中に挿入されて分岐器12の一方の出力端12bとサーキュレータ14の第1の端子14aとの間に接続された、分岐器12の一方の出力端12bから出力された高周波信号を変調して送信用高周波信号としてサーキュレータ14の第1の端子14aに出力する変調器13を備えるものとしている。この場合には、周波数変調(FM変調)された送信用高周波信号を変調器13でさらにパルス変調することにより、高周波送受信器をレーダ装置として用いるときに、FM変調のみの場合と比べて探知対象部までの距離と探知対象物の速度とを一意的に精度良く求められるようになるため、例えば複数の探知対象物があってもそれぞれを探知しやすくすることができる等の利点がある。
次に、図7および図8にそれぞれブロック回路図および平面図で示す本発明の第2の高周波送受信器の実施の形態の一例は、高周波信号を発生する高周波発振器11と、この高周波発振器11に第1の高周波用伝送線路で接続された、高周波信号を分岐して一方の出力端12bに送信用高周波信号RFとして出力し、他方の出力端12cにローカル信号LOとして出力する分岐器12と、この分岐器12の一方の出力端12bに入力端18aが第2の高周波用伝送線路で接続された、出力端18b側に送信用高周波信号RFを出力するアイソレータ18と、このアイソレータ18の出力端18bに第3の高周波用伝送線路で接続された、送信用高周波信号RFを送信する送信アンテナ19と、分岐器12の他方の出力端12c側に第4の高周波用伝送線路で接続された受信アンテナ20と、受信アンテナ20と分岐器12の他方の出力端12cとの間に第4および第5の高周波用伝送線路で接続された、他方の出力端12cに出力されたローカル信号LOと受信アンテナ20で受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサー16とを具備しており、第1〜第5の高周波用伝送線路の少なくとも1つ(この例では第1の高周波用伝送線路)に上記各構成の本発明のいずれかの減衰器A(この例では図2に示した例)が接続されている構成である。
この構成により、FMCW方式のレーダ装置に対応する高周波送受信器とすることができる。なお、第1および第2,第3,第4,第5の高周波用伝送線路は、図8においては、それぞれ第1の誘電体線路32,第2の誘電体線路33,第3の誘電体線路34,第4の誘電体線路35に対応している。なお、図8において、分岐器12は、第1の誘電体線路32と第4の誘電体線路35とを電磁結合するように近接させたところで構成されており、第1の誘電体線路32のその近接させたところから高周波発振器11側の部分が第1の高周波用伝送線路に対応しており、第1の誘電体線路32のその他の部分が第2の高周波用伝送線路に対応している。また、アイソレータ18は、磁性体としてのフェライト板37の周囲に第1の端子37a,第2の端子37bおよび第3の端子37cを有し、この順に一つの端子から入力された高周波信号を隣接する次の端子より出力するサーキュレータの第3の端子37cに、一端に無反射終端器36aが接続された第5の誘電体線路36の他端を接続して構成されている。なお、第1の端子37aおよび第2の端子37bはそれぞれアイソレータ18の入力端18aおよび出力端18bに対応している。また、第4の誘電体線路35の高周波発振器11側の端部には無反射終端器35aが接続されている。
なお、図8には第2の高周波用伝送線路に接続される減衰器Aの具体的な構成を図示していないが、減衰器Aを構成する凹部4は、下側の平板導体31に対向する図示していない上側の平版導体の第1の誘電体線路32に対向する部分の第1の誘電体線路32に第4の誘電体線路35が近接するところからアイソレータ18寄りに設ければよい。
また、上記構成に対して、図10に図7と同様のブロック回路図で示すように、第2の高周波用伝送線路の途中に挿入されて分岐器12の一方の出力端12bとアイソレータ18の入力端18aとの間に接続された、分岐器12の一方の出力端12bから出力された高周波信号を変調して送信用高周波信号としてアイソレータ18の入力端18aに出力する変調器13を備えるものとして、FMパルス方式のレーダ装置に対応する高周波送受信器としてもよい。
図7および図8にそれぞれブロック回路図および平面図で示す本発明の第2の高周波送受信器の実施の形態の一例によれば、上記構成とすることから、送受別体のアンテナを用いた高周波送受信器においても、第2の高周波用伝送線路に接続されている減衰器が、減衰器が高周波送受信器の一部として組み込まれた後に、減衰器の入出力間を透過する高周波信号の透過係数を変化させることにより、減衰器の入出力間で高周波信号の強度を調整することができ、また、減衰器の入出力間で高周波信号を大きく減衰させるべきときには大きく減衰させ、ほとんど減衰させないでおくべきときには非常に小さい透過損失で透過させるため、高周波送受信器の内部で使用される高周波信号の強度や高周波送受信器から外部に出力される送信用高周波信号の強度が適切なものとなるように調整することができるので、安定した送受信性能を有する高性能なものとなる。なお、この例のように減衰器が第2の高周波用伝送線路に接続されているときには、ローカル信号や受信用信号(送受信アンテナ15からミキサー16に入射する高周波信号)を変化させることなく送信用信号の出力のみを調整することができる点で好ましい。
なお、図10に示す本発明の第2の高周波送受信器の実施の形態の他の例においても同様の作用効果を有するものとなる。図10に示す例では、第2の高周波用伝送線路の途中に挿入されて分岐器12の一方の出力端12bとアイソレータ18の入力端18aとの間に接続された、分岐器12の一方の出力端12bから出力された高周波信号を変調して送信用高周波信号としてアイソレータ18の入力端18aに出力する変調器13を備えるものとしている。この場合には、周波数変調(FM変調)された送信用高周波信号を変調器13でさらにパルス変調することにより、高周波送受信器をレーダ装置として用いるときに、FM変調のみの場合と比べて探知対象部までの距離と探知対象物の速度とを一意的に精度良く求められるようになるため、例えば複数の探知対象物があってもそれぞれを探知しやすくすることができる等の利点がある。
本発明の第1および第2の高周波送受信器においては、図5および図7に示すように、ミキサー16の出力端に、中間周波信号を適当なタイミングで遮断するCMOS等の半導体集積回路素子等から成るスイッチ17を接続してもよい。この場合には、ノイズが含まれていて受信する必要のない中間周波信号を遮断し、受信性能を高めることができる高周波送受信器となる。
次に、本発明のレーダ装置ならびにそれを搭載したレーダ装置搭載車両およびレーダ装置搭載小型船舶について説明する。
図11にブロック回路図で示す本発明のレーダ装置は、上記本発明の第1および第2のいずれか(この例では第1)の高周波送受信器と、この高周波送受信器から出力される前記中間周波信号を処理して探知対象物までの距離情報を検出する距離情報検出器100とを備えている構成である。本発明のレーダ装置は、このような構成とすることから、高周波送受信器の送受信性能が高くて安定しているため、誤探知を起こしにくくて、早く確実に探知対象物を探知することができるとともに遠方の探知対象物をも探知することができるレーダ装置となる。
そして、このような本発明のレーダ装置は、車両や小型船舶に搭載して、探知対象物として他の車両や小型船舶あるいは障害物等を探知し、それらとの衝突を回避する等の目的で使用することができる。このような目的に本発明のレーダ装置を使用すれば、レーダ装置が誤探知を起こしにくくて、速く確実に他の車両や小型船舶あるいは障害物等を探知することができるので、車両や小型船舶に急激な挙動を起こさせることなく安全にそれらとの衝突を回避することができる。また、探知に用いる高周波信号の送信出力が安定しているため、所定の最大出力を超えない範囲で送信出力を大きくすることができるので、安定に探知をしつつ、そのレーダ装置で使用する周波数に近接する周波数を使用する周囲の他の通信に対して通信障害等を与えにくくすることができる。
なお、本発明のレーダ装置を搭載して使用することができる車両としては、汽車,電車,自動車等旅客や貨物を輸送するための車,自転車,原動機付き自転車,遊園地の乗り物,ゴルフ場のカート等がある。また、本発明のレーダ装置を搭載して使用することができる小型船舶としては、小型船舶の免許もしくは免許なしで操縦することができる船舶であって、総トン数20トン未満の船舶である手漕ぎボート,ディンギー,水上オートバイ,船外機搭載の小型バスボート,船外機搭載のインフレータブルボート(ゴムボート),漁船,遊漁船,作業船,屋形船,トーイングボート,スポーツボート,フィッシングボート,ヨット,外洋ヨット,クルーザーまたは総トン数20トン以上のプレジャーボート等がある。
かくして、本発明によれば、減衰器が組み込まれる高周波送受信器等のモジュールにおいて、実用的であって簡単かつ緻密に、そのモジュールの筐体の外側から減衰量の調整や動的なチューニングを行なうことができ、しかも、減衰量の調整範囲が大きくて、かつ小さい減衰量での透過損失を小さくすることができる減衰器ならびにそれを用いた高周波送受信器、レーダ装置、レーダ装置搭載車両およびレーダ装置搭載小型船舶を提供することができる。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行なうことは何等差し支えない。例えば、本発明の減衰器において、導体部材6の平板導体2の外側に位置する端部に貫通孔5に挿入される部分の太さよりも太いストッパ部を設けたものとしてもよい。この場合には、導体部材6を貫通孔5に挿入する際に、ストッパ部が導体部材6を所定の位置で位置決めして止める働きをするとともに平板導体2に密着して導体部材6の固定位置を安定に保持する働きをするため、ストッパ部が平板導体2に密着するまで導体部材6を貫通孔5に挿入してストッパ部を平板導体2に接着等するといった簡単な方法で確実に所定の反射係数に調整してその状態を維持することができるので、さらに簡単かつ確実に誘電体線路3の反射係数による減衰量の調整や動的なチューニングを行なうことができるものとなる。また、上記のようなストッパ部を設けた長さが異なる複数の導体部材6を、高周波信号の波長の1/4等の所定の間隔で配置された複数の貫通孔5のそれぞれに挿入するものとしてもよい。この場合には、上記の作用効果に加えて減衰量をさらに緻密に制御することができるものとなる。
1,2:平板導体
3:誘電体線路
3a:入力端
3b:出力端
4:凹部
4a:開口
4b:底部
5:貫通孔
6:導体部材(抵抗体部材)
7:フェライト板
8:誘電体線路
9:誘電体線路
10:誘電体線路
10a:無反射終端器
11:高周波発振器
12:分岐器
12a:入力端
12b:一方の出力端
12c:他方の出力端
13:変調器
14:サーキュレータ
14a:第1の端子
14b:第2の端子
14c:第3の端子
15:送受信アンテナ
16:ミキサー
17:スイッチ
18:アイソレータ
18a:入力端
18b:出力端
19:送信アンテナ
20:受信アンテナ
21,31:平板導体(下側)
22,32:第1の誘電体線路
23,33:第2の誘電体線路
24,34:第3の誘電体線路
24a:無反射終端器
25,35:第4の誘電体線路
35a:無反射終端器
36:第5の誘電体線路
36a:無反射終端器
27,37:フェライト板
A:減衰器
3:誘電体線路
3a:入力端
3b:出力端
4:凹部
4a:開口
4b:底部
5:貫通孔
6:導体部材(抵抗体部材)
7:フェライト板
8:誘電体線路
9:誘電体線路
10:誘電体線路
10a:無反射終端器
11:高周波発振器
12:分岐器
12a:入力端
12b:一方の出力端
12c:他方の出力端
13:変調器
14:サーキュレータ
14a:第1の端子
14b:第2の端子
14c:第3の端子
15:送受信アンテナ
16:ミキサー
17:スイッチ
18:アイソレータ
18a:入力端
18b:出力端
19:送信アンテナ
20:受信アンテナ
21,31:平板導体(下側)
22,32:第1の誘電体線路
23,33:第2の誘電体線路
24,34:第3の誘電体線路
24a:無反射終端器
25,35:第4の誘電体線路
35a:無反射終端器
36:第5の誘電体線路
36a:無反射終端器
27,37:フェライト板
A:減衰器
Claims (10)
- 高周波信号の波長の2分の1以下の間隔で平行に配置された平板導体間に前記高周波信号を伝搬させる誘電体線路が配置されているとともに、前記平板導体の少なくとも一方の内面に前記誘電体線路の一部に対向する凹部が形成されており、該凹部は、前記平板導体に形成された貫通孔と、該貫通孔を塞ぐ導体部材または抵抗体部材とで形成されていることを特徴とする減衰器。
- 前記誘電体線路に前記凹部で反射した高周波信号を減衰させるアイソレータが接続されていることを特徴とする請求項1記載の減衰器。
- 前記凹部は、開口の形状が前記誘電体線路に沿った長方形状であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の減衰器。
- 前記凹部は、開口の形状が円形状であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の減衰器。
- 前記凹部は、その中央部が前記誘電体線路の中央部に対向していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の減衰器。
- 高周波信号を発生する高周波発振器と、該高周波発振器に第1の高周波用伝送線路で接続された、前記高周波信号を分岐して一方の出力端に送信用高周波信号として出力し、他方の出力端にローカル信号として出力する分岐器と、磁性体の周囲に第1の端子,第2の端子および第3の端子を有し、この順に一つの端子から入力された高周波信号を隣接する次の端子より出力する、前記分岐器の前記一方の出力端に第2の高周波用伝送線路で前記第1の端子が接続されたサーキュレータと、該サーキュレータの前記第2の端子に第3の高周波用伝送線路で接続された送受信アンテナと、前記分岐器の前記他方の出力端と前記サーキュレータの前記第3の端子との間に第4および第5の高周波用伝送線路で接続された、前記他方の出力端に出力された前記ローカル信号と前記送受信アンテナで受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサーとを具備しており、前記第1乃至第5の高周波用伝送線路の少なくとも1つに請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の減衰器が接続されていることを特徴とする高周波送受信器。
- 高周波信号を発生する高周波発振器と、該高周波発振器に第1の高周波用伝送線路で接続された、前記高周波信号を分岐して一方の出力端に送信用高周波信号として出力し、他方の出力端にローカル信号として出力する分岐器と、該分岐器の前記一方の出力端に入力端が第2の高周波用伝送線路で接続された、出力端側に前記送信用高周波信号を出力するアイソレータと、該アイソレータの前記出力端に第3の高周波用伝送線路で接続された、前記送信用高周波信号を送信する送信アンテナと、前記分岐器の前記他方の出力端側に第4の高周波用伝送線路で接続された受信アンテナと、該受信アンテナと前記分岐器の前記他方の出力端との間に前記第4の高周波用伝送線路および第5の高周波用伝送線路で接続された、前記他方の出力端に出力されたローカル信号と前記受信アンテナで受信した高周波信号とを混合して中間周波信号を出力するミキサーとを具備しており、前記第1乃至第5の高周波用伝送線路の少なくとも1つに請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の減衰器が接続されていることを特徴とする高周波送受信器。
- 請求項6または請求項7記載の高周波送受信器と、この高周波送受信器から出力される前記中間周波信号を処理して探知対象物までの距離情報を検出する距離情報検出器とを具備することを特徴とするレーダ装置。
- 請求項8記載のレーダ装置を備え、このレーダ装置を探知対象物の検出に用いることを特徴とするレーダ装置搭載車両。
- 請求項8記載のレーダ装置を備え、このレーダ装置を探知対象物の検出に用いることを特徴とするレーダ装置搭載小型船舶。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004311246A JP2006128810A (ja) | 2004-10-26 | 2004-10-26 | 減衰器ならびにそれを用いた高周波送受信器、レーダ装置、レーダ装置搭載車両およびレーダ装置搭載小型船舶 |
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JP2004311246A JP2006128810A (ja) | 2004-10-26 | 2004-10-26 | 減衰器ならびにそれを用いた高周波送受信器、レーダ装置、レーダ装置搭載車両およびレーダ装置搭載小型船舶 |
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JP2004311246A Pending JP2006128810A (ja) | 2004-10-26 | 2004-10-26 | 減衰器ならびにそれを用いた高周波送受信器、レーダ装置、レーダ装置搭載車両およびレーダ装置搭載小型船舶 |
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CN117878556A (zh) * | 2024-03-11 | 2024-04-12 | 东南大学 | 一种反射式波导可调衰减器 |
-
2004
- 2004-10-26 JP JP2004311246A patent/JP2006128810A/ja active Pending
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CN117878556B (zh) * | 2024-03-11 | 2024-05-24 | 东南大学 | 一种反射式波导可调衰减器 |
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