JP4707506B2 - 構造部材のき裂検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、位相シフトディジタルホログラフィ法により求められた変位データから歪データを得るとともに当該歪データを用いて構造部材のき裂を検出する方法に関する。
従来、構造部材の表面に生じたき裂を検出する場合、液体浸透探傷法、磁粉探傷法、超音波探傷法などの非破壊検査法により、その位置、大きさなどが計測されていた。また、き裂の深さについては、超音波探傷法により計測されていた。
具体的には、液体浸透探傷法は、探傷液を被検査物に塗布した後、紫外線を照射する方法であり(特許文献1参照)、また磁粉探傷法は、強磁性体を磁化しておき、構造部材すなわち被検査物のき裂部分に生じる磁気の漏れを検出する方法であり(特許文献2参照)、さらに超音波探傷法は、被検査物に超音波を照射したときの入射波に対する透過波の歪みを検出する方法である(特許文献3参照)。
特開2003−156452 特開2003−28755 特開2004−340807
上述した液体浸透探傷法にてき裂を検出する場合、被検査物表面への探傷用液体の塗布作業および除去作業を必要とし、また磁粉探傷法にてき裂を検出する場合、磁化された強磁性体を設置する必要があり、例えば大型構造物表面に生じたき裂を広範囲に亘って検出する場合には、適していないという問題がある。
さらに、超音波探傷法は、やはり、一度に検出し得る範囲が限られている上に、計測に際しては高度な技術を必要とするため、計測者の熟練度により誤差が発生するなどの問題があった。
そこで、本発明は、被検査物である構造部材表面への塗布作業を必要としないとともに広範囲に亘ってき裂を検出し得る構造部材のき裂検出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る構造部材のき裂検出方法は、位相シフトディジタルホログラフィにより求められた変位データから歪データを得るとともに当該歪データを用いて構造部材に生じたき裂を検出する方法であって、
歪値が変動する線状部およびこの線状部に隣接するとともに歪値が当該線状部から十分に離れた領域での平均歪値より小さい半楕円形状の範囲で示される歪緩和領域の存在によりき裂の有無を検出するき裂検出ステップを
具備した方法である。
また、請求項2に係る構造部材のき裂検出方法は、請求項1に記載のき裂検出方法におけるき裂検出ステップにて検出された歪緩和領域の線状部と平行な長さに基づきき裂の長さを検出するき裂長さ検出ステップを
具備した方法である。
また、請求項3に係る構造部材のき裂検出方法は、請求項1または2に記載のき裂検出方法の歪緩和領域におけるき裂長手方向と直交する幅方向での歪値が、線状部から十分に離れた平均歪値に対して所定割合となる境界部の当該線状部からの距離を求める領域距離検出ステップと、
予め求められた歪緩和領域距離と構造部材の厚さに対するき裂深さの比との関係を示すグラフに基づき、上記領域距離検出ステップで求められた境界部までの距離に対応する厚さに対する深さの比を求めた後、この比に基づき構造部材の厚さからき裂深さを求めるき裂深さ検出ステップと
を具備した方法である。
さらに、請求項4に係る構造部材のき裂検出方法は、請求項1または2に記載のき裂検出方法の線状部から半楕円形状の歪緩和領域の軸半径を伸ばしてその領域を拡大していく際に、この軸半径に係る領域内での平均歪値が、線状部から十分に離れた領域での平均歪値に対して所定割合となる境界部の当該線状部までの軸半径距離を求める領域距離検出ステップと、
予め求められた歪緩和領域の軸半径距離と構造部材の厚さに対するき裂深さの比との関係を示すグラフに基づき、上記領域距離検出ステップで求められ軸半径距離に対応する厚さに対する深さの比を求めた後、この比に基づき構造部材の厚さからき裂深さを求めるき裂深さ検出ステップと
を具備した方法である。
上記き裂検出方法によると、位相シフトデジタルホログラフィ法を用いて、構造部材表面に生じている歪の値を広範囲に亘って検出するとともに、得られた歪データから、周辺の歪値と大きく異なっている線状部、若しくはこれに隣接するとともに歪値が平均値より小さい歪緩和領域の有無、または当該歪緩和領域に基づきき裂の幅および深さを求めるようにしたので、例えば液体浸透探傷法のように、き裂を検出する際に必要となる被検査物表面への探傷用液体の塗布および除去作業などが不要となり、また磁粉探傷法のように、磁化された強磁性体を設置する必要もないため、被検査物が大型の構造部材表面である場合など広範囲でのき裂の検出に適している。さらに、超音波探傷法などで必要となる計測者の熟練度を必要としないなどの利点も有している。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態に係る構造部材のき裂検出方法を、図面に基づき説明する。
本実施の形態においては、図1に示すように、矩形状の鋼板1,1同士を、溶接により接合した溶接継手部2近傍に発生するき裂(破線にて示す)3を検出する場合について説明する。なお、この場合、塗装は行われていないものとする。
そして、本実施の形態に係るき裂検出方法は、溶接継手部2およびこの付近の鋼板1の表面に生じている歪の値、すなわち歪分布データ(歪データ)を用いて行うもので、またこの歪分布データについては、位相シフトデジタルホログラフィ法により計測された変位データを距離で微分することにより得られる。
まず、この位相シフトデジタルホログラフィ法(以下、デジタルホログラフィ法という)を簡単に説明しておく。詳しくは、例えば「日本実験力学会講演論文集(2005年度年次講演会)」の第108頁〜第112頁を参照のこと。
このデジタルホログラフィ法は、被計測物体の変位を三次元で且つ高精度でもって計測する方法で、通常は、一方向から光を照射して面外方向の変位を計測するが、本実施の形態では、2光束を用いるとともに左右両側から同じ入射角度で入射させてその反射光をCCDカメラで撮影し、それぞれの入射光について変位によって生じた位相分布を求め、そして左右入射光における位相分布の差を求めることで面内変位を表わす位相分布を、また和を求めることで面外変位を表わす位相分布を得るようにしたものである。これら位相分布から変位が求められる。
このデジタルホログラフィ法を用いた計測装置の概略構成を、図2に基づき説明しておく。
この計測装置は、He−Neレーザ光(半導体レーザによるレーザ光を用いてもよい)Rを出射するレーザ照射器21と、このレーザ照射器21から出射されたレーザ光を2つに分割して参照光Rrを得るための第1ビームスプリッタ22と、この第1ビームスプリッタ22からのレーザ光をさらに2つに分割して2つのレーザ光Ra,Rbを得るための第2ビームスプリッタ23と、この第2ビームスプリッタ23にて分割された2つのレーザ光を被計測物体20に左右から導くためのミラー24と、被計測物体20からの反射光を撮影するCCDカメラ25と、上記第1ビームスプリッタ22からの参照光の位相をシフトさせるPZTステージ(ピエゾステージ)26と、このPZTステージ26にて位相がシフトされた参照光Rrを被計測物体20からCCDカメラ25への反射光上に導くためのハーフミラー27、ミラー28およびハーフミラー29とから構成されている。なお、レーザ照射器21からのレーザ出射光路の途中には、スペーシャルフィルタ31およびレンズ32が配置されるとともに、参照光Rrの照射経路の途中には、NDフィルター(減光用フィルター)33が配置されている。
この計測装置により、レーザ照射器21から照射されたHe−Neレーザ光は、第2ビームスプリッタ23にて2つに分割されるとともに被計測物体20の左右から同じ入射角度で入射されてそれぞれの反射光がCCDカメラ25に入射され、且つ同時に、第1ビームスプリッタ22にて分割された参照光がそれぞれ一緒にCCDカメラ25に入射されて、撮影されることになる。
ここで、簡単に、計測方法について説明しておく。
すなわち、レーザ照射器21から出射されて第2ビームスプリッタ23で分割されたレーザ光Ra,Rbを被計測物体20に照射するとともに、第1ビームスプリッタ22で分割された参照光RrをPZTステージ26にて1/4波長ずつ4回シフトさせながら照射させ、その反射光をCCDカメラ25で撮影する。これらの手順を、被計測物体20における変位前と変位後(具体的には、荷重付加前と荷重付加後)とで行う。
図3の(a)に変位前における右側からの光束による再生画像を示し、(b)に変位前後における位相差の分布データを示す。
図4の(a)に変位前における左側からの光束による再生画像を示し、(b)に変位前後における位相差の分布データを示す。
図5に左右の2光束で得られた位相差分布データ[図3の(b)と図4の(b)]の差および和から求められたX方向とZ方向の位相分布データを示す。(a)はX方向のデータ、(b)はZ方向のデータである。
このようにして得られた位相分布データに、入射角度と波長に応じた係数を掛けることで、X方向とZ方向の変位をそれぞれ求めることができる。
そして、本発明に係るき裂検出方法においては、上記各変位を微分して得られる歪分布データが用いられる。
ここで、上記デジタルホログラフィ法に基づき得られた構造部材である鋼板1,1同士の溶接継手部2およびその近傍に発生した歪分布データの一例を示す画像(以下、歪分布画像と称す)を、図6に示しておく。
そして、本発明に係るき裂検出方法はこの歪分布画像を用いて行うものであり、以下、き裂検出方法について説明する。
まず、歪分布画像を示す図6において、溶接継手部2の近傍にて歪の値(以下、歪値ともいう)が大きく変化している箇所、言い換えれば、異常な値を示している箇所を見つける。ここでは、溶接継手部2の縁部である直線状部(線状部の一例)4において歪値が大きく出ており、この直線状部4を検出する。
そして、この直線状部4に隣接するとともに当該直線状部4から十分に離れた位置でしかもその近傍での歪の値が均一である歪正常領域Aでの平均歪値より小さい歪値を示す半楕円形状の歪緩和領域B[歪値の程度;B(1)>B(2)>B(3)]の有無(存在)により、き裂3を検出する(き裂検出ステップ)。
このように、歪値が異常な直線状部4およびこれに隣接する歪緩和領域Bに基づきき裂3を検出し得る理由は、き裂が存在すると、き裂の内部はその周囲に比べて歪値が明らかに異なる直線状部4が現れることになり、しかもその歪値は異常な値[鋼板に生じている平均歪値に対して、高い場合(引張側)と、低い場合(圧縮側)とがある]を示すことになる。したがって、直線状部4と歪緩和領域Bとの存在により、き裂3の発生およびその位置を明確に知ることができる。
さらに、直線状部4に隣接して現れた歪緩和領域Bの大きさ、正確には、き裂3の長手方向である長さおよびき裂の長手方向と直交する方向での距離(以下、幅という)を知ることにより、き裂3の長さと深さとを知ることができる。
この理由としては、き裂3の長さおよび深さに応じて歪緩和領域Bの大きさ(長さと幅)が変化する。すなわち、直線状部4の少なくとも歪緩和領域Bの長さに対応する距離がき裂の長さを示している。これは、き裂の部分では開口部となり、その表面においては、歪が発生しないため、少なくとも、き裂に対応する部分は、歪値が低下した緩和領域となるからである。
また、き裂3が深くなれば、その影響により、き裂の長手方向と直交する方向での距離である緩和領域Bの幅が大きくなるため、緩和領域Bの幅を知ることにより、き裂3の深さを知ることができる。
詳しく説明すれば、き裂3の存在により、その部分での力の伝達が断ち切られることによって歪が緩和されることになり、き裂3が構造部材である鋼板1の厚さ(以下、板厚という)方向で貫通していない場合には、き裂の下側を回り込んだ力が表面側に伝達されることによってこの歪緩和領域Bが終了することになる。したがって、板厚に対してき裂の深さが大きいほど、歪緩和領域Bの幅が大きくなる。
ところで、本発明者等は、実験により、歪緩和領域Bの幅と、板厚に対するき裂深さの比αとが、例えば図7に示すように、比例関係すなわち直線Cで表わされることを突き止め、この比例関係を用いることにより、歪緩和領域Bの幅からき裂深さを求めるようにしたものである。図7に示したデータ、すなわち直線Cは、構造部材の材質がSM材などの鋼板の場合を示している。
したがって、歪分布画像上で歪緩和領域Bの幅を計測することで、板厚に対するき裂深さとの比αを推定することができ、この比αに板厚を掛けることによりき裂深さが求められることになる。
なお、上述した歪緩和領域Bについては、半楕円形状として説明したが、この半楕円形状には、円形状も含むとともに、図6においては、長手方向の距離よりも幅方向の距離が長い楕円形状を示したが、逆に、長手方向の距離が幅方向の距離よりも長い楕円形状になることもある。
上述した事項を踏まえて、き裂を検出した後、き裂の長さおよび深さを求める方法について説明する。
すなわち、歪緩和領域Bの存在が認められると(き裂検出ステップ)、歪緩和領域Bでの直線状部4と平行な長さを求めて、き裂長さを検出する(き裂長さ検出ステップ)。
次に、上記歪緩和領域Bの長さ中央位置における幅方向での歪値が、直線状部4から十分に離れた歪正常領域Aにおける平均歪値に対して所定割合(歪値のばらつき程度にもよるが、例えば10〜30%程度の範囲とされ、ここでは、10%とする。なお、歪値のばらつきが少ない方が、割合としては、低い値が用いられる。)となる歪緩和領域Bの境界部までの距離x(図6に示す)を求める(領域距離検出ステップ)。なお、図8に歪緩和領域Bの長さ中央位置における幅方向での歪値のグラフを示しておく。
次に、予め求められた歪緩和領域Bの幅と板厚に対するき裂深さの比αとの関係を示す図7のグラフから、上記求められた境界部までの距離である幅に対応する深さの比αを求める。
そして、この比αに鋼板1の厚さを掛けることにより、き裂深さを求める(き裂深さ検出ステップ)。
このように、位相シフトデジタルホログラフィ法により求められた変位データから得られる歪分布データを用いて、構造部材表面に生じている歪の値を広範囲に亘って検出するとともに、得られた歪分布データすなわち歪分布画像から、周辺の歪値と大きく異なっている直線状部4およびこれに隣接するとともに当該直線状部4から十分に離れた歪正常領域Aでの平均歪値より小さい歪値である歪緩和領域Bの有無、並びに歪緩和領域Bに基づきき裂3の幅および深さを求めるようにしたので、例えば液体浸透探傷法のように、き裂を検出する際に必要となる被検査物表面への探傷用液体の塗布および除去作業などが不要となり、また磁粉探傷法のように、磁化された強磁性体を設置する必要もないため、被検査物が大型の構造部材表面など広範囲でのき裂の検出に適している。さらに、超音波探傷法などで必要となる計測者の熟練度を必要としないなどの利点も有している。
ところで、上記実施の形態においては、き裂3の深さを求める際に必要となる歪緩和領域Bの幅を求めるのに、当該歪緩和領域Bの長さの中央位置における歪値を用いるとともに、この限界となる歪値を、直線状部4から十分に離れた平均歪値の10%としたが、例えば歪緩和領域B内での平均歪値(面積についての平均歪値)が、十分に離れた平均歪値の所定割合となるようにしてもよい。
すなわち、図9に示すように、直線状部4から半楕円形状の歪緩和領域Bの幅方向の軸半径aを伸ばしてその領域を拡大していった際に、当該軸半径aに係る領域内での平均歪値が、直線状部4から十分に離れた領域での平均歪値に対して所定割合以下(この場合も、歪値のばらつき程度に応じて、例えば20〜40%程度の範囲とされ、ここでは30%とする。なお、歪値のばらつきが少ない方が、割合としては、低い値が用いられる。)となる境界部までの軸半径距離(幅)を求める領域距離検出ステップと、予め求められている歪緩和領域Bの幅と板厚に対するき裂深さの比αとの関係を示すグラフに基づき、上記領域距離検出ステップで求められた境界部までの軸半径距離に対応する深さの比αを求めた後、この比αに基づき板厚からき裂深さを求めるき裂深さ検出ステップとを具備したものである。
このようなステップを用いることにより、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
また、上記実施の形態および図9にて説明したものについては、塗装をしていない場合について説明したが、塗装をしている場合、すなわち塗膜が存在する場合でも、上述した実施の形態と同様に、歪値の大きい部分を検出することができる。なお、塗膜が介在する分だけ、歪値は少し小さくなるとともに、歪値が異常を示している範囲が広がることになる。
さらに、上記実施の形態においては、位相シフトデジタルホログラフィ法により求められた変位データから構造部材表面の歪値を求めるとともに、この歪値に基づき、き裂の有無、その長さおよび深さを検出するようにしたが、歪値が大きい箇所に着目することにより、応力集中箇所を容易に検出することができる。
例えば、図10に示すように、鋼板11同士(図面では一方しか示していない)の溶接継手部12の縁部に沿って、歪値が非常に大きい直線状部14が検出されており、この部分に、応力集中が発生していることが分かる。
また、溶接継手部12の適当箇所(例えば、b位置)での直線状部14に直交する断面での歪の値について、本発明の検出方法と歪ゲージにより検出した結果を、図11に示しておく。なお、図11において、本発明の検出方法による場合を実線で、また歪ゲージによる場合を黒い丸印で示す。
図11は、横軸に溶接止端(縁部)からの位置(距離)を示し、縦軸にその位置での歪の値を示すもので、このグラフから分かるように、溶接止端近傍では、殆ど、歪ゲージでは計測することができないが、本発明の歪検出方法による場合には、大きい値を示していることが分かり、従来の検出方法では計測できなかった部分についても、位相シフトデジタルホログラフィ法に基づき得られた歪分布データから明確にその歪値を検出することができる。
また、図10は塗装をしていない場合を示しており、勿論、上述したように、塗装をしている場合(塗膜が存在する場合)でも、歪値の大きい部分を検出することができる。
本発明の実施の形態に係るき裂検出方法を適用する構造部材における溶接継手部の平面図である。 同き裂検出方法にて用いられるデジタルホログラフィ法を実施するための計測装置の概略構成を示すブロック図である。 同き裂検出方法にて用いられるデジタルホログラフィ法を説明するための右側からの再生画像で、(a)は変位前の画像、(b)は変位前後における位相差分布データを示す画像である。 同き裂検出方法にて用いられるデジタルホログラフィ法を説明するための左側からの再生画像で、(a)は変位前の画像、(b)は変位前後における位相差分布データを示す画像である。 同左右の変位前後における位相差分布データの差および和から得られた位相分布データを示す画像で、(a)はX方向のデータ、(b)はZ方向のデータである。 同実施の形態に係るき裂検出方法を説明するための溶接継手部における概略歪分布画像である。 同実施の形態に係るき裂検出方法を説明するための歪緩和領域の幅と板厚に対するき裂深さの比との関係を示すグラフである。 同実施の形態における歪緩和領域の幅中央位置での歪値を示すグラフである。 同き裂検出方法の変形例を示す溶接継手部における概略歪分布画像である。 同き裂検出方法を用いて応力集中箇所を検出するための溶接継手部における概略歪分布画像である。 同溶接継手部における溶接止端からの位置(距離)での歪の値を示すグラフである。
符号の説明
A 歪正常領域
B 歪緩和領域
1 鋼板
2 溶接継手部
3 き裂
4 直線状部

Claims (4)

  1. 位相シフトディジタルホログラフィ法により求められた変位データから歪データを得るとともに当該歪データを用いて構造部材に生じたき裂を検出する方法であって、
    歪値が変動する線状部およびこの線状部に隣接するとともに歪値が当該線状部から十分に離れた領域での平均歪値より小さい半楕円形状の範囲で示される歪緩和領域の存在によりき裂の有無を検出するき裂検出ステップを具備した
    ことを特徴とする構造部材のき裂検出方法。
  2. き裂検出ステップにて検出された歪緩和領域の線状部と平行な長さに基づきき裂の長さを検出するき裂長さ検出ステップを具備した
    ことを特徴とする請求項1に記載の構造部材のき裂検出方法。
  3. 歪緩和領域におけるき裂長手方向と直交する幅方向での歪値が、線状部から十分に離れた平均歪値に対して所定割合となる境界部の当該線状部からの距離を求める領域距離検出ステップと、
    予め求められた歪緩和領域距離と構造部材の厚さに対するき裂深さの比との関係を示すグラフに基づき、上記領域距離検出ステップで求められた境界部までの距離に対応する厚さに対する深さの比を求めた後、この比に基づき構造部材の厚さからき裂深さを求めるき裂深さ検出ステップと
    を具備したことを特徴とする請求項1または2に記載の構造部材のき裂検出方法。
  4. 線状部から半楕円形状の歪緩和領域の軸半径を伸ばしてその領域を拡大していく際に、この軸半径に係る領域内での平均歪値が、線状部から十分に離れた領域での平均歪値に対して所定割合となる境界部の当該線状部までの軸半径距離を求める領域距離検出ステップと、
    予め求められた歪緩和領域の軸半径距離と構造部材の厚さに対するき裂深さの比との関係を示すグラフに基づき、上記領域距離検出ステップで求められ軸半径距離に対応する厚さに対する深さの比を求めた後、この比に基づき構造部材の厚さからき裂深さを求めるき裂深さ検出ステップと
    を具備したことを特徴とする請求項1または2に記載の構造部材のき裂検出方法。
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