JP4707501B2 - 放熱基板およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、放熱基板およびそれを用いた半導体装置に関する。
半導体素子は、IC、LSI、ダイオード、半導体レーザ素子、発光ダイオード、熱電素子など様々なものが開発されている。近年、各半導体素子は高出力、高容量化、高集積化が進められており、これに伴い半導体素子の発熱量は増大する方向にある。このため、半導体素子を実装するための放熱基板の開発は従来から行われていた。
放熱基板に求められる特性としては、熱伝導率、半導体素子との接合性(接合強度、TCT特性)、軽量化の要否、製造性(コスト、作り易さ)などが挙げられる。熱伝導率は高いほど放熱性が上がる。半導体素子との接合性は、半導体素子との常温時の接合強度のみならず、TCT特性のように加熱・冷却の繰り返しにおいても優れた接合強度が求められている。また、軽量化については、軽いほど良いとされている。また、軽量であれば製造する際の運搬も機械化が可能であることから好ましい。また、製造性については、放熱基板の材質のコスト、製造方法のコスト、製造工程数、サイズ変更の容易さ、ハンドリング性など様々なものが挙げられる。
従来の放熱基板としては、例えば、窒化アルミニウム基板や窒化珪素基板のようなセラミックス基板や、銅板やアルミニウム板などの金属板を用いたものが開発されている。
セラミックス基板は、最も熱伝導率が高い窒化アルミニウム(AlN)基板であっても200〜250W/m・K程度であり、熱伝導率という点では必ずしも満足するものではなかった。
一方、銅板やアルミニウム板で構成されたものは熱伝導率300W/m・K以上の高熱伝導率が得られるものの、熱膨張係数が半導体素子を構成するシリコン(Si)と異なることからTCT特性は悪かった。
このような熱膨張差の問題を解決するために特開2004−6946号公報(特許文献1)では、タングステン(またはモリブデン)の多孔質体に銅を含浸させることにより銅タングステン含浸材を作製したり、タングステン粉末と銅粉末を混合して焼結することにより銅タングステン焼結材を作製して放熱基板として使用することが試みられていた。
一方、特開2004−249589号公報(特許文献2)には、モリブデン箔と銅箔を交互に7層以上積層した銅モリブデンクラッド材を放熱基板として用いることが試みられている。
特開2004−6946号公報 特開2004−249589号公報
上記のように高融点金属(タングステンまたはモリブデン)と銅の組合せからなる放熱基板は、含浸型、焼結型、クラッド型のいずれかであった。いずれも高融点金属と銅の体積比を制御することにより熱膨張係数をシリコンに近づけることが可能となりTCT特性が向上することが確認されている。
しかしながら、いずれの型も熱伝導率が200W/m・K程度のものしか得られていなかった。理化学辞典を参照すると、タングステンの熱伝導率(室温)は178W/m・K(線膨張係数は0.045×10−4/K)、モリブデンは138W/m・K(線膨張係数は0.051×10−4/K)、銅は398W/m・K(線膨張係数は0.162×10−4/K)、シリコンは148W/m・K(線膨張係数は0.0415×10−4/K)である。
つまり、銅の熱伝導率は398W/m・Kと非常に高いにも関わらず、熱伝導率200W/m・K程度の放熱基板しか得られていなかったのである。これは熱膨張率をシリコンに近づけようとするあまりに高融点金属の割合が増えてしまったためである。従来の半導体素子であれば熱伝導率200W/m・K程度あれば充分であったが、より高出力化、より高容量化、より高集積化が進んでいることを鑑みると、放熱基板にも更なる高熱伝導化が求められている。
また、従来の含浸型や焼結型は成形または焼結のための金型が必要であり、放熱基板のサイズに合わせて金型を用意しなければならず、必ずしも製造性が良いとは言えなかった。また、クラッド型については量産性は良いものの、高融点金属の薄板を圧延しなければならないため設備の大型化は避けられなかった。
また、含浸型、焼結型、クラッド型のいずれも熱膨張係数を調整するために高融点金属の割合を増やしていることから放熱基板の重量も重くなる傾向にあった。放熱基板の重量が重くなると、それを搭載する半導体装置、さらにはパソコン等の電子機器の重量も重くなる。また、放熱基板および半導体装置が重くなると製造ライン上でのハンドリング性が悪くなり、真空吸着などによる搬送が難しくなる。
以上のように従来の高融点金属と銅を組合せた放熱基板は熱伝導率が200W/m・K程度のものしかなく、単位体積当たりの重量も重く、製造性も必ずしも良いとは言えなかった。
このような状況を鑑み、本発明では高融点金属と銅を組合せた放熱基板において、熱伝導率250W/m・K以上のものを実現することを可能とするものである。また、軽量化、製造性の向上をも為し得ることを可能とする放熱基板を見出したものである。
本発明は上記のような課題を解決するためのものであり、銅基板上に、ニッケル薄膜、さらにその上に高融点金属薄膜を設け、かつ熱伝導率が250W/m・K以上であることを特徴とする放熱基板である。
また、前記高融点金属がタングステン、モリブデンの少なくとも1種の金属または合金からなることが好ましい。また、前記ニッケル薄膜および前記高融点金属薄膜の膜厚が、それぞれ平均膜厚1〜50μmであることが好ましい。また、熱伝導率を300W/m・K以上にすることも可能である。また、前記銅基板の板厚が1mm以上であることが好ましい。
また、前記銅基板と前記ニッケル薄膜の接合界面には、銅とニッケルの固溶体が存在することが好ましい。また、接合界面に存在する銅とニッケルの固溶体の面積率が任意の断面において50%以上であることが好ましい。
また、前記ニッケル薄膜と前記高融点金属薄膜の接合界面には、ニッケルと高融点金属の固溶体が存在することが好ましい。また、接合界面に存在するニッケルと高融点金属の固溶体の面積率が任意の断面において50%以上であることが好ましい。
また、上記のような放熱基板上に半導体素子を搭載した半導体装置に好適である。
本発明の放熱基板は、熱伝導率250W/m・K以上と優れた熱伝導率を有している。また、熱膨張係数もシリコンと近いことから半導体素子の接合部のTCT特性も優れており、かつ軽量化も可能である。
図1に本発明の放熱基板の一例を示す断面図を示した。図中、1は放熱基板、2は銅基板、3はニッケル薄膜、4は高融点金属薄膜である。本発明の放熱基板は、銅基板2上に、ニッケル薄膜3、さらにその上に高融点金属薄膜4を有する構造である。
まず、銅基板は、純銅または銅を主成分とする合金からなる板材である。縦横サイズに任意である。厚さについては0.5mm以上、さらには1mm以上が好ましい。銅基板の厚さが0.5mm以上であると放熱基板の熱伝導率を250W/m・K以上にし易い。さらに銅基板の厚さを1mm以上と厚くすることにより放熱基板の熱伝導率を300W/m・K以上と高くすることができる。銅基板の厚さの上限については5mm以下が好ましい。熱伝導率を上げるという点に関して言えば銅基板が厚い方が良いが、銅基板が厚すぎると熱膨張係数が大きくなる(シリコンとの差が大きくなる)ことから好ましくない。従って、銅基板の厚さは0.5〜5mm、好ましくは1〜3mmである。
次に、この銅基板上にニッケル薄膜および高融点金属薄膜を設けることとする。ニッケル薄膜および高融点金属薄膜は、スパッタ法、蒸着法、メッキ法、CVD法、溶射法など様々な方法により成膜された膜である(つまり、圧延により薄板化されたものを積層したクラッド材ではない)。
ニッケル薄膜としては、ニッケルまたはニッケルを主成分とする合金が挙げられる。また、高融点金属薄膜は、タングステン、モリブデン、レニウム、チタン、ジルコニウム、ハニフウム、クロム、ニオブ、タンタル、バナジウムが挙げられ、これら金属単体またはこれら金属単体を主成分とする合金が挙げられる。特に、好ましくはタングステン、モリブデンである。このように、ニッケルおよび高融点金属を薄膜という形態で具備させていることから、必要以上に重量を増加させることがなく、軽量化を図ることができる。
また、銅基板上にニッケル薄膜、さらにその上に高融点金属薄膜を設けると、銅とニッケル、ニッケルと高融点金属(特にタングステンやモリブデン)との濡れ性が良いことから接合強度の高い放熱基板が得られる。
また、銅基板上に、ニッケル薄膜および高融点金属薄膜を介して半導体素子を搭載することから、半導体素子搭載面においては熱膨張係数が半導体素子に近似するためTCT特性を向上させることができる。
ニッケル薄膜の膜厚は任意であるが、好ましくは平均膜厚1〜50μmである。また、高融点金属薄膜の膜厚についても任意であるが、好ましくは平均膜厚1〜50μmである。平均膜厚が1μm未満では設ける効果が小さく熱膨張率をシリコンに近似させることが難しい。一方、50μmを越えると、熱膨張係数をシリコンに近似させる効果がそれ以上得られないだけでなく、スパッタ法等の成膜技術で厚い薄膜を設けるのはコストアップの要因にもなり好ましくない。より、好ましくは平均膜厚10〜40μmである。
また、ニッケル薄膜および高融点金属薄膜の面積は、銅基板の表面の面積≧ニッケル薄膜の面積≧高融点金属薄膜の面積の関係を満たしていれば良い。そのため、銅基板表面にベタ膜状にニッケル薄膜および高融点金属薄膜を設けても良いし、パターン形状に設けても良い。また、ニッケル薄膜をベタ膜状に形成し、半導体素子を搭載する部分のみに高融点金属薄膜を設ける形態であってもよい(図2参照)。
以上のような構成により、熱伝導率250W/m・K以上、接合強度およびTCT特性の優れた放熱基板を提供することが可能となる。
さらに、接合強度およびTCT特性を向上させるためには、以下の構成が挙げられる。具体的には、銅基板とニッケル薄膜の接合界面に銅とニッケルの固溶体を形成することである。これら銅とニッケルの固溶体は接合界面の面積率で50%以上あることが好ましい。
また、ニッケル薄膜と高融点金属薄膜の接合界面においてもニッケルと高融点金属の固溶体が存在することが好ましく、さらに好ましくは接合界面の面積率で50%以上存在することが好ましい。
このような銅とニッケル、ニッケルと高融点金属の固溶体が存在すると放熱基板において「銅基板/銅とニッケルの固溶体/ニッケル/ニッケルと高融点金属の固溶体/高融点金属」の層構造が形成されることになり、実質的に熱膨張率が傾斜した構造とすることができる。熱膨張率が傾斜した構造のため、高融点金属薄膜と銅基板の熱膨張差を緩和できることから、よりTCT特性を向上させることができる。また、固溶体が形成されることから銅基板とニッケル薄膜、ニッケル薄膜と高融点金属薄膜の各層間において各元素が相互拡散した状態となり、各薄膜の接合強度も向上させることができる。
また、熱膨張率が傾斜した構造であるためTCT特性も向上させることができる。特に「銅基板/銅とニッケルの固溶体/ニッケル/ニッケルと高融点金属の固溶体/高融点金属」の層構造が全面に形成されることによってTCT特性をより向上させることができる。
銅とニッケルの固溶体、ニッケルと高融点金属の固溶体は各接合界面において少量でも存在すれば接合強度が向上するが、接合界面において面積率10%以上存在することが好ましい。さらに好ましくは50%以上である。また、50%以上存在すれば前述の層構造を形成できるので熱膨張率の傾斜構造を為し得ることができる。また、熱膨張率の傾斜構造の効果をより得るためには固溶体の存在率を面積比で80%以上、さらには100%とすることが好ましい。80%以上とすることにより前述の「銅基板/銅とニッケルの固溶体/ニッケル/ニッケルと高融点金属の固溶体/高融点金属」の層構造が全面に形成されることになるのでTCT特性をさらに向上させることができる。つまり、銅とニッケル、ニッケルと高融点金属の接合界面において固溶体の層を形成させることにより、接合強度のみならずTCT特性をも向上させることが可能となるのである。
なお、各接合界面における固溶体の面積比率の測定は、任意の断面において、横方向30μmのEPMAを測定し、接合界面における固溶体の存在比率を面積率で求める。この作業を少なくとも3箇所について行い、その平均値を面積率とするものとする。
以上のような構成を具備する放熱基板は、各薄膜の接合強度がさらに向上し、熱膨張率の傾斜構造を有していることから、さらにTCT特性を向上させることができる。
このような放熱基板は、基板上に半導体素子を搭載する半導体装置に好適である。半導体素子の搭載には、ろう材による接合、樹脂接着剤による接合など任意の方法により搭載できる。
また、搭載する半導体素子についても1個でもよいし、2個以上(複数個)設けてもよい。また、半導体素子以外にもインダクターなどの各種素子を搭載してもよい。本発明の放熱基板は、銅基板をベースにし、かつ熱膨張率を制御していることから、複数の半導体素子、または半導体素子と各種素子を搭載したマルチチップ型モジュール用の放熱基板にも適用可能である。従って、本発明の半導体装置は、半導体素子を1個搭載したものから、複数個の半導体素子、半導体素子と各種素子を搭載したものなど様々な形態を含むものとする。また、放熱基板の素子搭載面の形状は、四角形(正方形、長方形)に限らず、多角形、円形(真円、楕円)、L字、H字など様々な形状で使用することができる。また、必要に応じ、段差や溝を設けてもよい。
次に製造方法について説明する。本発明の放熱基板の製造方法は特に限定されるものではないが、一例として次のような方法が挙げられる。
まず、銅基板を用意する。このとき銅基板の形状は、最終製品のサイズに予め加工されたものであってもよいし、大型の銅基板を用意し多数個取りを行ってもよい。また、銅基板としては熱伝導率300W/m・K以上のものを用意することが好ましい。
次に、ニッケル薄膜を成膜する。成膜方法は、スパッタ法、蒸着法、メッキ法、CVD法、溶射法など様々な方法が適用可能である。ニッケル薄膜を成膜する際、銅基板上にゴミや酸化膜が存在すると、銅とニッケルの固溶体が形成され難いので、必要に応じ、洗浄やエッチングによりゴミや酸化膜を除去することが好ましい。
次に、高融点金属薄膜を成膜する。成膜方法は、スパッタ法、蒸着法、メッキ法、CVD法、溶射法など様々な方法が適用可能である。高融点金属薄膜を設ける成膜方法はニッケル薄膜と同じ成膜方法であることが好ましい。ニッケル薄膜と高融点金属薄膜が同じ成膜方法であれば、同一の反応室で成膜することにより製造装置の小型化を図ることができる。また、ベルトコンベア方式または枚葉式であれば機械的に連続搬送が可能となり量産化を図ることができる。本発明の放熱基板は銅基板をベースとしているので軽量化されているので機械搬送の際にも装置への負担は少ない。
次に、銅とニッケルの固溶体、ニッケルと高融点金属の固溶体を形成するために熱処理を行うことが好ましい。単に成膜工程の熱によっても、面積率5%未満の固溶体が形成されることもあるが、面積率10%以上を得るには高融点金属薄膜形成後の放熱基板を200〜600℃で加熱することが好ましい。また、10分以上加熱することにより面積率50%以上の固溶体を形成することができる。また、20分以上加熱することにより面積率80%以上、30〜60分加熱することにより面積率100%の固溶体を形成することができる。また、必要に応じ、放熱基板に押圧力を加えながら加熱を行ってもよい。
(実施例1〜7)
熱伝導率370W/m・Kの銅基板(縦30mm×横50mm×厚さ2mm)を用意し、ニッケル薄膜、高融点金属薄膜を表1に示す条件でスパッタ法により形成した。その後、200〜600℃で10〜60分間加熱することにより、実施例1〜7にかかる放熱基板を作製した。
(比較例1)
モリブデン多孔質材に銅を含浸させることにより、モリブデン:銅の体積比を2:1にした含浸材であり、サイズを縦30mm×横50mm×厚さ2mmとした。
(比較例2)
タングステン多孔質材に銅を含浸させることにより、タングステン:銅の体積比率を2:1にした含浸材であり、サイズを縦30mm×横50mm×厚さ2mmとした。
(比較例3)
モリブデン箔と銅箔を交互に8層積層・圧延したクラッド材であり、モリブデン:銅の体積比率を2:1とし、サイズを縦30mm×横50mm×厚さ2mmとした。
(比較例4)
高融点金属薄膜を設けない以外は実施例1と同様の放熱基板を作製した。
(比較例5)
ニッケル薄膜を設けない以外は実施例1と同様の放熱基板を作製した。
上記のような実施例および比較例にかかる放熱基板に対し、熱伝導率、熱膨張係数、重量を測定した。その結果を表2に示す。熱伝導率は高融点金属薄膜側からレーザフラッシュ法により測定した。
Figure 0004707501
Figure 0004707501
表2から分かる通り、本実施例にかかる放熱基板は熱伝導率が250W/m・K以上であり、比較例にかかる含浸材およびクラッド材と比べて熱膨張係数が同等であるにも関わらず高い熱伝導率を得ることができた。また、実施例の方が薄膜の厚さ分サイズが大きいにも関わらず重量は軽くすることができた。
(実施例1A〜7A、比較例4A〜5A)
実施例1〜7、比較例4〜5の放熱基板を用い各放熱基板の薄膜の接合強度を求めた。接合強度はスコッチテープ法により求めた。具体的にはスコッチテープを薄膜全面を覆うように貼り付け、そのテープを剥がした際に残存する薄膜の面積率が50%未満を×、50〜80%未満を△、80〜95%未満を○、95〜100%を◎として測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0004707501
表3から分かる通り、比較例4AのようにNi薄膜を介さないものは接合強度が弱かった。これは銅とタングステンの濡れ性が悪いためであると考えられる。
一方、実施例にかかる放熱基板は、固溶体の面積率が5%未満の実施例1A以外はいずれも50%以上と高い接合強度が得られた。また、銅とニッケルの固溶体およびニッケルと高融点金属の固溶体の面積率が高いほど接合強度が高いことが分かった。
(実施例1B〜7B、比較例1B〜5B)
次に、実施例1〜7、比較例1〜5の放熱基板上に、Ag系ろう材を用いて半導体素子(チップサイズ:縦5mm×横5mm×厚さ3mm)を搭載することにより半導体装置を作製した。各半導体装置に対してTCT特性を測定した。具体的には、120℃→常温→−25℃→常温を1サイクルとし、半導体素子の剥がれが確認できるサイクル数が、200サイクル未満を×、200〜350サイクルを△、350〜500サイクル未満を○、500サイクルに到達しても剥がれが確認できなかったものを◎として表示した。その結果を表4に示す。
Figure 0004707501
表4から分かる通り、実施例2B〜7Bはいずれも従来品(比較例1B〜3B)と同等もしくはそれ以上のTCT特性を有することが分かった。実施例1Bは、固溶体の割合が5%未満と少ないことから熱膨張率の傾斜構造が不十分であるためTCT特性がやや劣ったものと考えられる。
本発明の放熱基板の一例を示す断面図である。 本発明の放熱基板の他の一例を示す断面図である。
符号の説明
1…放熱基板
2…銅基板
3…Ni薄膜
4…高融点金属薄膜

Claims (9)

  1. 銅基板上に、ニッケル薄膜、さらにその上に高融点金属薄膜を設け、かつ熱伝導率が250W/m・K以上であり、前記ニッケル薄膜および前記高融点金属薄膜の膜厚が、それぞれ平均膜厚1〜50μmであることを特徴とする放熱基板。
  2. 前記高融点金属がタングステン、モリブデンの少なくとも1種の金属または合金からなることを特徴とする請求項1記載の放熱基板。
  3. 熱伝導率が300W/m・K以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれか1項に記載の放熱基板。
  4. 前記銅基板の板厚が1mm以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の放熱基板。
  5. 前記銅基板と前記ニッケル薄膜の接合界面には、銅とニッケルの固溶体が存在することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の放熱基板。
  6. 接合界面に存在する銅とニッケルの固溶体の面積率が任意の断面において50%以上であることを特徴とする請求項5に記載の放熱基板。
  7. 前記ニッケル薄膜と前記高融点金属薄膜の接合界面には、ニッケルと高融点金属の固溶体が存在することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の放熱基板。
  8. 接合界面に存在するニッケルと高融点金属の固溶体の面積率が任意の断面において50%以上であることを特徴とする請求項7に記載の放熱基板。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の放熱基板上に半導体素子を搭載したことを特徴とする半導体装置。
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