JP4707347B2 - 樹脂材料を含む組成物、樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法、三次元構造体の製造方法、及び三次元構造体 - Google Patents

樹脂材料を含む組成物、樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法、三次元構造体の製造方法、及び三次元構造体 Download PDF

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本発明の一つの態様は、樹脂材料を含む組成物、樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法、三次元構造体の製造方法、及び三次元構造体の少なくとも一つに関する。
近年、金型に形成されたナノオーダーの超精密の凹凸形状をレジストなどの樹脂を含む他の材料に直接プレスして、金型に形成された超精密形状を、レジストなどの樹脂を含む他の部材に転写するナノプリントと呼ばれる技術が開発されてきている(例えば、電子情報通信学会論文誌 C Vol.J85−C No.9 pp.793−802 2002年9月(非特許文献1参照)。ナノプリントは、電子線描画などを利用するフォトリソグラフィー法と比較して操作が容易であるため、樹脂の形状を所望の形状に加工する時間を短縮することができ、形状を転写する際の真空設備が不要である点で設備費が安価であり、材料費が安価であり、製品の量産性に優れるという利点を有する。
このようなナノプリントを用いた樹脂成形品の製造方法の一例として、金型にUV硬化型樹脂を塗布し、金型及び転写基板をUV硬化型樹脂を介して面合わせし、金型及び転写基板を加圧した状態で、マスクを介してUV光を照射すると共に露光領域を移動させる方法も開示されている(例えば、特開2003−291159号公報(特許文献1参照)。ここで、UV硬化型樹脂は、硬化すると同時に収縮するが、樹脂の未硬化部から収縮した体積分に相当する量の樹脂が樹脂の硬化部に供給され、樹脂の収縮による樹脂の形状の変形を抑制することができる。
また、所望の形状を有する(屈折面及び反射面のような)光学面を備えた光学素子の製造方法として、その所望の形状を反転した形状を有する面を備えた光学素子の母型に有機材料を堆積させて、所望の形状を有する光学面を備えた有機材料の層を形成し、この有機材料の層の母型と反対側の平面にUV硬化樹脂を塗布してガラス基板を接着し、UV硬化樹脂に紫外線を照射してUV硬化樹脂を硬化させて、有機材料の層とガラス基板を接着させ、光学素子の母型から有機材料の層を剥がして、所望の形状を有する光学面を備えた光学素子を製造する方法が開示されている(例えば、特開平2−42401号公報(特許文献2参照)。
この光学素子の製造方法によれば、上記の有機材料として樹脂自体及び接着剤などの樹脂組成物(樹脂のモノマー及びオリゴマーのような樹脂材料を含む組成物)を用いて、所望の形状を有する光学面を備えた樹脂組成物の層を、ガラス及びプラスチックのような平坦な透明部材の表面に形成し、樹脂組成物の層を透明部材の表面に密着させながら、樹脂組成物を硬化させることができる。また、光学ガラスレンズの表面に非球面形状の接着剤層を形成する方法も、基本的には、上記の光学素子の製造方法と同用である。
このようにして光学素子を製造するためには、樹脂組成物の層を形成する工程において、母型及び透明部材に挟まれた樹脂組成物が、樹脂組成物の層を母型及び透明部材で挟み込む圧力によって、容易に変形する性質、すなわちチキソ性(チキソトロピー)を有することが要求される。なお、チキソ性(チキソトロピー)とは、ここでは、母型と透明部材との間に挟まれた樹脂組成物に圧力を加えた際における樹脂組成物の流動性を意味する。言い換えれば、樹脂組成物が、光学面の(球面、非球面、フレネル面、バイナリー面及びキノフォーム面を含む)様々な所望の形状を反転した母型の面の形状に合わせて、流動することが必要である。しかしながら、現在まで、十分なチキソ性を備えた樹脂組成物は、まだ開発されていない。よって、光学素子の製造者は、既存の樹脂組成物の材料から使用可能な材料を選定しているのが現状であるが、樹脂組成物の選定可能な範囲は、極めて狭く、工業的に大きな問題がある。
さらに、光学素子の量産化にあたって、光学素子の製造工程における加工時間を短縮するためには、樹脂組成物に母型の形状を転写する工程における基板及び母型の加圧時間を短縮することが必要である。この基板及び母型の加圧時間を短縮するためには、基板及び母型を加圧する際の圧力を増加させるか、又は樹脂組成物の粘度を減少させることが常套手段である。
ここで、基板及び母型を加圧する際の圧力を増加させると、基板及び母型を加圧する時間を短縮することができるだけでなく、樹脂組成物に転写される形状の精度も向上させることができる。しかしながら、加圧装置が大規模になってしまう点、及び圧力の増加による型の形状が破壊される可能性がある点で望ましくない。
一方、樹脂組成物の粘度を減少させるためには、樹脂組成物に含まれる樹脂の粘度を調整するための粘度調整剤、いわゆるレジューサーを樹脂組成物に混合する。しかしながら、レジューサーは、樹脂組成物に含まれる樹脂材料と反応して、樹脂の架橋構造(架橋基の末端など)にレジューサーが取り込まれて樹脂と一体化することになる。図1は、二つの基板の間で樹脂材料を含む樹脂組成物を硬化させて得られる樹脂の模式図であり、(a)は、樹脂材料のみからなる樹脂組成物を硬化させて得られる樹脂の模式図であり、(b)は、樹脂材料及びレジューサーを含む樹脂組成物を硬化させて得られる樹脂の模式図である。図1(a)に示すように、例えばシリコン基板10及び石英基板20のような二つの基板の間で、樹脂のモノマー及びオリゴマーなどの樹脂材料の分子30を重合させることで、架橋した樹脂が得られる。図1(b)に示すように、樹脂組成物が、樹脂組成物の粘度を調整するレジューサーを含む場合には、樹脂材料の分子30が重合して得られる樹脂とレジューサーの分子40とが反応し、樹脂の架橋構造に、レジューサーの分子40が組み込まれてしまう。このように、レジューサーは、樹脂の架橋構造に組み込まれるため、レジューサーを含む樹脂組成物から形成される樹脂の特性(例えば、熱膨張率、硬度、接着強度、屈折率、耐プラズマ性など)は、レジューサーを含まない樹脂組成物から形成される樹脂の本来の特性とは異なってしまう。すなわち、図1(a)に示す樹脂材料のみからなる樹脂組成物を硬化させて得られる樹脂の特性と図1(b)に示す樹脂材料及びレジューサーを含む樹脂組成物を硬化させて得られる樹脂の特性とは、樹脂の架橋構造に組み込まれたレジューサーの分子40の有無によって、異なることになる。これにより、樹脂組成物に混合するレジューサーの種類及び量に依存して、形成される樹脂の特性は、変動してしまうことになる。特に、ナノインプリントでレジューサーを使用する場合には、樹脂組成物から形成される樹脂の特性の変化が、製品の性能に大きな影響を及ぼす可能性がある。これに対して、樹脂組成物の粘度を調整すると共に樹脂組成物の特性を維持することができるように、樹脂組成物及びレジューサーの配合を調整することは、実際には非常に困難である。
また、レジューサーによって調整できる樹脂の粘度変化の範囲にも限界があり、ナノインプリントにおけるプレス速度の増加に応じた樹脂の超低粘度化を実現することは困難であった。
よって、光学素子の製造方法に関して、光学特性及び(温度や湿度の変化などに対する)耐環境性等の樹脂の特性を変動させることなく、樹脂組成物のチキソ性(流動性)を、すなわち、樹脂組成物の粘度を制御することが要求される。
特開2003−291159号公報 特開平2−42401号公報 電子情報通信学会論文誌 C Vol.J85−C No.9 pp.793−802 2002年9月
発明の第の目的は、三次元構造体の製造方法を提供することである。
本発明の第の目的は、三次元構造体を提供することである。
本発明の第一の態様は、三次元形状の表面を備えた型の前記三次元形状の表面に、樹脂材料及び前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物を塗布する工程、及び前記組成物における前記樹脂材料を重合させて、前記樹脂を含む前記三次元形状の反転形状を備えた三次元構造体を得る工程を含む、三次元構造体の製造方法において、前記樹脂材料は、アクリル酸エステル、エポキシ樹脂のモノマー、フッ素化アクリル樹脂のモノマー、及びエポキシアクリルオリゴマーからなる群より選択されると共に、前記樹脂材料が、アクリル酸エステルである場合には、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、メチルエチルケトン及び酢酸エチルからなる群より選択され、前記樹脂材料が、エポキシ樹脂のモノマー又はエポキシアクリルオリゴマーである場合には、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、トルエン及びアセトンからなる群より選択され、前記樹脂材料が、フッ素化アクリル樹脂のモノマーである場合には、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、トルエン及び酢酸エチルからなる群より選択されると共に、前記型に塗布された前記組成物の層に含まれる前記樹脂材料を局所的に重合させることを特徴とする、三次元構造体の製造方法である。
本発明の第二の態様は、三次元形状の表面を備えた型の前記三次元形状の表面に、樹脂材料及び前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物を塗布する工程、及び前記組成物における前記樹脂材料を重合させて、前記樹脂を含む前記三次元形状の反転形状を備えた三次元構造体を得る工程を含む、三次元構造体の製造方法において、前記樹脂材料は、アクリル酸エステル、エポキシ樹脂のモノマー、フッ素化アクリル樹脂のモノマー、及びエポキシアクリルオリゴマーからなる群より選択されると共に、前記樹脂材料が、アクリル酸エステルである場合には、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、メチルエチルケトン及び酢酸エチルからなる群より選択され、前記樹脂材料が、エポキシ樹脂のモノマー又はエポキシアクリルオリゴマーである場合には、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、トルエン及びアセトンからなる群より選択され、前記樹脂材料が、フッ素化アクリル樹脂のモノマーである場合には、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、トルエン及び酢酸エチルからなる群より選択されると共に、前記三次元構造体に含まれる前記樹脂と反応しない物質を減圧によって前記三次元構造体から除去する工程を含むことを特徴とする、三次元構造体の製造方法である。
本発明の第三の態様は、本発明の第一の態様又は本発明の第二の態様である三次元構造体の製造方法によって製造されることを特徴とする、三次元構造体である。
本発明の第四の態様は、三次元形状の表面を備えた型の前記三次元形状の表面に、樹脂材料及び前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物を塗布する工程、前記組成物における前記樹脂材料を重合させて、前記樹脂を含む前記三次元形状の反転形状を備えた樹脂構造体を得る工程、基板を前記樹脂構造体に接合させる工程、前記樹脂構造体を前記型から離型する工程、及び前記樹脂構造体を用いて前記基板をエッチングすることによって、前記三次元形状の反転形状を前記基板に転写して、三次元構造体を得る工程を含む、三次元構造体の製造方法において、前記樹脂材料は、アクリル酸エステル、エポキシ樹脂のモノマー、フッ素化アクリル樹脂のモノマー、及びエポキシアクリルオリゴマーからなる群より選択されると共に、前記樹脂材料が、アクリル酸エステルである場合には、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、メチルエチルケトン及び酢酸エチルからなる群より選択され、前記樹脂材料が、エポキシ樹脂のモノマー又はエポキシアクリルオリゴマーである場合には、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、トルエン及びアセトンからなる群より選択され、前記樹脂材料が、フッ素化アクリル樹脂のモノマーである場合には、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、トルエン及び酢酸エチルからなる群より選択されることを特徴とする、三次元構造体の製造方法である。
本発明の第五の態様は、本発明の第四の態様である三次元構造体の製造方法によって製造されることを特徴とする、三次元構造体である。
本発明の第一の態様、本発明の第二の態様、及び本発明の第の態様の少なくとも一つによれば、三次元構造体の製造方法を提供することが可能になる。
本発明の第の態様及び本発明の第の態様の少なくとも一つによれば、三次元構造体を提供することが可能になる。
本発明の実施形態は、樹脂材料を含む組成物、樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法、三次元構造体の製造方法、及び三次元構造体に関する。
本発明の実施形態は、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化が抑制されると同時に樹脂材料を含む組成物の特性を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物を提供することを目的とする。
また、本発明の実施形態は、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化を抑制すると同時に樹脂材料を含む組成物の特性を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明の実施形態は、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化が抑制されると同時に樹脂材料を含む組成物の特性を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物を用いた三次元構造体の製造方法及び該三次元構造体の製造方法によって製造される三次元構造体を提供することを目的とする。
本発明の第一の実施形態は、樹脂材料を含む組成物において、樹脂材料及び前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含むことを特徴とする樹脂材料を含む組成物である
本発明の第一の実施形態によれば、樹脂材料及び前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含むので、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化が抑制されると同時に樹脂材料を含む組成物の特性を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物を提供することができる。
本発明の第二の実施形態は、本発明の第一の実施形態の樹脂材料を含む組成物において、前記樹脂と反応しない物質は、粘度を調整する物質であることを特徴とする樹脂材料を含む組成物である
本発明の第二の実施形態によれば、前記樹脂と反応しない物質は、粘度を調整する物質であるので、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化が抑制されると同時に樹脂材料を含む組成物の粘度を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物を提供することができる。
本発明の第三の実施形態は、樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法において、樹脂材料を含む組成物に、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を混合して、前記組成物の特性を調整することを特徴とする樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法である
本発明の第三の実施形態によれば、樹脂材料を含む組成物に、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を混合して、前記組成物の特性を調整するので、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化を抑制すると同時に樹脂材料を含む組成物の特性を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法を提供することができる。
本発明の第四の実施形態は、本発明の第三の実施形態の樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法において、前記樹脂と反応しない物質は、前記組成物の粘度を調整する物質であることを特徴とする樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法である
本発明の第四の実施形態によれば、前記樹脂と反応しない物質は、前記組成物の粘度を調整する物質であるので、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化を抑制すると同時に樹脂材料を含む組成物の粘度を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法を提供することができる。
本発明の第五の実施形態は、三次元構造体の製造方法において、三次元形状の表面を備えた型の前記三次元形状の表面に、樹脂材料及び前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物を塗布する工程、及び前記組成物における前記樹脂材料を重合させて、前記樹脂を含む前記三次元形状の反転形状を備えた三次元構造体を得る工程を含むことを特徴とする三次元構造体の製造方法である
本発明の第五の実施形態によれば、三次元形状の表面を備えた型の前記三次元形状の表面に、樹脂材料及び前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物を塗布する工程、及び前記組成物における前記樹脂材料を重合させて、前記樹脂を含む前記三次元形状の反転形状を備えた三次元構造体を得る工程を含むので、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化が抑制されると同時に樹脂材料を含む組成物の特性を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物を用いた三次元構造体の製造方法を提供することができる。
本発明の第六の実施形態は、本発明の第五の実施形態の三次元構造体の製造方法において、前記型に塗布された前記組成物の層に含まれる前記樹脂材料を局所的に重合させることを特徴とする三次元構造体の製造方法である。なお、本発明の実施形態において、「樹脂材料を局所的に重合させる」とは、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物の層に含まれる樹脂材料を重合させる際に、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質が、樹脂材料を重合させて得られる樹脂に完全に又は実質的に残留しないように、樹脂材料を重合させることができるような組成物の層の部分において、樹脂材料を重合させることを意味する。
本発明の第六の実施形態によれば、前記型に塗布された前記組成物の層に含まれる前記樹脂材料を局所的に重合させるので、樹脂材料を重合させて樹脂を得ると同時に、樹脂と反応しない物質を十分に除去することができる。
本発明の第七の実施形態は、本発明の第六の実施形態の三次元構造体の製造方法において、前記型に塗布された前記組成物の層における複数の局所的な領域に含まれる前記樹脂材料を、前記局所的な領域毎に、局所的に重合させることを特徴とする三次元構造体の製造方法である
本発明の第七の実施形態によれば、前記型に塗布された前記組成物の層における複数の局所的な領域に含まれる前記樹脂材料を、前記局所的な領域毎に、局所的に重合させるので、樹脂材料及び前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物の層における複数の局所的な領域において、樹脂材料を重合させて樹脂を得ると同時に、樹脂と反応しない物質を十分に除去することができる。なお、本発明の実施形態において、「局所的な領域」とは、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物の層に含まれる樹脂材料を重合させる際に、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質が、樹脂材料を重合させて得られる樹脂に完全に又は実質的に残留しないように、樹脂材料を重合させることができるような組成物の層の領域を意味する。
本発明の第八の実施形態は、本発明の第五の実施形態から第七の実施形態までうちいずれか一に記載の三次元構造体の製造方法において、前記三次元構造体に含まれる前記樹脂と反応しない物質を減圧によって前記三次元構造体から除去する工程を含むことを特徴とする三次元構造体の製造方法である
本発明の第八の実施形態によれば、前記三次元構造体に含まれる前記樹脂と反応しない物質を減圧によって前記三次元構造体から除去する工程を含むので、樹脂と反応しない物質をより効率的に除去することができる。
本発明の第九の実施形態は、三次元構造体において、本発明の第五の実施形態から第八の実施形態までうちいずれか一に記載の三次元構造体の製造方法によって製造されることを特徴とする三次元構造体である
本発明の第九の実施形態によれば、本発明の第五の実施形態から第八の実施形態までうちいずれか一に記載の三次元構造体の製造方法によって製造されるので、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化が抑制されると同時に樹脂材料を含む組成物の特性を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物を用いた三次元構造体の製造方法によって製造される三次元構造体を提供することができる。
本発明の第十の実施形態は、三次元構造体の製造方法によれば、三次元形状の表面を備えた型の前記三次元形状の表面に、樹脂材料及び前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物を塗布する工程、前記組成物における前記樹脂材料を重合させて、前記樹脂を含む前記三次元形状の反転形状を備えた樹脂構造体を得る工程、基板を前記樹脂構造体に接合させる工程、前記樹脂構造体を前記型から離型する工程、及び前記樹脂構造体を用いて前記基板をエッチングすることによって、前記三次元形状の反転形状を前記基板に転写して、三次元構造体を得る工程を含むことを特徴とする三次元構造体の製造方法である
本発明の第十の実施形態によれば、三次元形状の表面を備えた型の前記三次元形状の表面に、樹脂材料及び前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物を塗布する工程、前記組成物における前記樹脂材料を重合させて、前記樹脂を含む前記三次元形状の反転形状を備えた樹脂構造体を得る工程、基板を前記樹脂構造体に接合させる工程、前記樹脂構造体を前記型から離型する工程、及び前記樹脂構造体を用いて前記基板をエッチングすることによって、前記三次元形状の反転形状を前記基板に転写して、三次元構造体を得る工程を含むので、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化が抑制されると同時に樹脂材料を含む組成物の特性を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物を用いた三次元構造体の製造方法を提供することができる。
本発明の第十一の実施形態は、本発明の第十の実施形態の三次元構造体の製造方法において、前記型に塗布された前記組成物の層に含まれる前記樹脂材料を局所的に重合させることを特徴とする三次元構造体の製造方法である。なお、本発明の実施形態において、「樹脂材料を局所的に重合させる」とは、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物の層に含まれる樹脂材料を重合させる際に、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質が、樹脂材料を重合させて得られる樹脂に完全に又は実質的に残留しないように、樹脂材料を重合させることができるような組成物の層の部分において、樹脂材料を重合させることを意味する。
本発明の第十一の実施形態によれば、前記型に塗布された前記組成物の層に含まれる前記樹脂材料を局所的に重合させるので、樹脂材料を重合させて樹脂を得ると同時に、樹脂と反応しない物質を十分に除去することができる。
本発明の第十二の実施形態は、本発明の第十一の実施形態の三次元構造体の製造方法において、前記型に塗布された前記組成物の層における複数の局所的な領域に含まれる前記樹脂材料を、前記局所的な領域毎に、局所的に重合させることを特徴とする三次元構造体の製造方法である
本発明の第十二の実施形態によれば、前記型に塗布された前記組成物の層における複数の局所的な領域に含まれる前記樹脂材料を、前記局所的な領域毎に、局所的に重合させるので、樹脂材料及び前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物の層における複数の局所的な領域において、樹脂材料を重合させて樹脂を得ると同時に、樹脂と反応しない物質を十分に除去することができる。なお、本発明の実施形態において、「局所的な領域」とは、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物の層に含まれる樹脂材料を重合させる際に、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質が、樹脂材料を重合させて得られる樹脂に完全に又は実質的に残留しないように、樹脂材料を重合させることができるような組成物の層の領域を意味する。
本発明の第十三の実施形態は、本発明の第十の実施形態から第十二の実施形態までうちいずれか一に記載の三次元構造体の製造方法において、前記三次元構造体に含まれる前記樹脂と反応しない物質を減圧によって前記三次元構造体から除去する工程を含むことを特徴とする三次元構造体の製造方法である
本発明の第十三の実施形態によれば、前記三次元構造体に含まれる前記樹脂と反応しない物質を減圧によって前記三次元構造体から除去する工程を含むので、樹脂と反応しない物質をより効率的に除去することができる。
本発明の第十四の実施形態は、三次元構造体において、本発明の第十の実施形態から第十三の実施形態までうちいずれか一に記載の三次元構造体の製造方法によって製造されることを特徴とする三次元構造体である
本発明の第十四の実施形態によれば、本発明の第十の実施形態から第十三の実施形態までうちいずれか一に記載の三次元構造体の製造方法によって製造されるので、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化が抑制されると同時に樹脂材料を含む組成物の特性を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物を用いた三次元構造体の製造方法によって製造される三次元構造体を提供することができる。
本発明の実施形態によれば、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化が抑制されると同時に樹脂材料を含む組成物の特性を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物を提供することができる。
また、本発明の実施形態によれば、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化を抑制すると同時に樹脂材料を含む組成物の特性を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法を提供することができる。
さらに、本発明の実施形態によれば、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化が抑制されると同時に樹脂材料を含む組成物の特性を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物を用いた三次元構造体の製造方法及び該三次元構造体の製造方法によって製造される三次元構造体を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態(実施形態)を図面と共に説明する。
まず、本発明の実施形態による樹脂材料を含む組成物及び樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法を説明する。
本発明の実施形態による樹脂材料を含む組成物は、樹脂材料及び前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む。
本発明の実施形態による樹脂材料を含む組成物において、樹脂材料は、重合体である樹脂を得るための材料であり、樹脂の単量体(モノマー)及び樹脂のオリゴマーを含む。本発明の実施形態による樹脂材料を含む組成物に含まれる樹脂材料は、通常、主剤と呼ばれる。また、樹脂材料を重合させて得られる樹脂は、光硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂を含む。よって、樹脂材料は、光硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂の単量体(モノマー)及びオリゴマーを含む。主剤としては、例えば、アクリル酸エステル、エポキシ樹脂のモノマー、フッ素化アクリル樹脂のモノマー、及びエポキシアクリル樹脂のオリゴマーなどが挙げられる。樹脂材料の重合は、樹脂材料を重合させて得られる樹脂が、光硬化性樹脂である場合には、樹脂材料を含む組成物に紫外線などの光を照射することで行われ、樹脂材料を重合させて得られる樹脂が、熱硬化性樹脂である場合には、樹脂材料を含む組成物を加熱することによって行われる。
また、本発明の実施形態による樹脂材料を含む組成物は、樹脂材料以外に、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応する物質を含んでもよく、このような樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応する樹脂材料以外の物質は、通常、副剤と呼ばれる。すなわち、副剤は、樹脂材料を重合させて樹脂を得る際に、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と結合する。例えば、副剤は、樹脂材料を重合させて得られる樹脂を架橋する架橋構造に組み込まれてもよい。副剤としては、樹脂材料の重合に関する反応開始剤、樹脂材料を含む組成物の粘度を増加させる増粘剤、樹脂材料を溶解させると共に樹脂材料を含む組成物の粘度を減少させる溶剤などであって、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応する物質である。ただし、本発明の実施形態による樹脂材料を含む組成物は、樹脂材料を含む組成物の粘度を減少させると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応する物質(レジューサー)を含まない。
さらに、本発明の実施形態による樹脂材料を含む組成物は、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む。樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、樹脂材料である主剤及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応する樹脂材料以外の物質である副剤と異なる物質である。樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、樹脂材料に依存するが、樹脂材料と混合する共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質であればよい。このような樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質としては、樹脂材料を溶解すると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない有機溶剤などが挙げられる。具体的には、樹脂材料がアクリル酸エステルである場合には、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質としてメチルエチルケトン及び酢酸エチルなどの少なくとも一つを用いることができる。樹脂材料がエポキシ樹脂のモノマーである場合には、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質としてトルエン及びアセトンなどの少なくとも一つを用いることができる。樹脂材料がフッ素化アクリル樹脂のモノマーである場合には、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質としてトルエン及び酢酸エチルなどの少なくとも一つを用いることができる。樹脂材料がエポキシアクリルオリゴマーである場合には、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質としてトルエン及びアセトンなどの少なくとも一つを用いることができる。
なお、本発明の実施形態による樹脂材料を含む組成物を、後述する三次元構造体の製造方法に用いる場合には、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質の分子は、樹脂材料の分子間を容易に移動することができるものであることが好ましい。樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質の分子が、樹脂材料の分子間を容易に移動することができるためには、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質の溶解度パラメータ(SP値)を、樹脂材料の溶解度パラメータと近くする、及び/又は樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質として、樹脂材料の分子間における移動に関して立体障害が小さくなるような大きさ及び構造を有する分子の物質を選択する。
このように、樹脂材料を含む組成物に、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含めることによって、本発明の実施形態による樹脂材料を含む組成物の特性を調整することができる。すなわち、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む樹脂材料を含む組成物の特性を、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含まない(樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を除いて同じ組成を有する)樹脂材料を含む組成物の特性に対して変化させることができる。
また、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、樹脂材料を重合させて樹脂を得る際に、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と結合せず、樹脂材料を重合させて得られる樹脂を架橋する架橋構造に組み込まれることもない。このため、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、樹脂材料を重合させて樹脂を得た後に、樹脂材料を重合させて得られた樹脂と分離することができる。よって、樹脂材料を重合させて樹脂を得た後に、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を、樹脂材料を重合させて得られた樹脂から分離すれば、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む、樹脂材料を含む組成物から得られた樹脂は、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含まない(すなわち、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を除いて同じ組成を有する)樹脂材料を含む組成物から得られる樹脂と同一になる。これにより、本発明の実施形態による樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む樹脂材料を含む組成物から得られる樹脂の特性は、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含まない(樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を除いて同じ組成を有する)樹脂材料を含む組成物から得られる樹脂の特性と一致することになる。
よって、本発明の実施形態による樹脂材料を含む樹脂組成物によれば、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化が抑制されると同時に樹脂材料を含む組成物の特性を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物を提供することができる。
本発明の実施形態による樹脂材料を含む組成物は、例えば、接着剤及び塗装材料等に用いられる。
なお、樹脂材料を含む組成物は、樹脂材料である主剤及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含み、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応する樹脂材料以外の物質である副剤は、予め樹脂材料を含む組成物に混合されてあってもよく、樹脂材料を含む組成物に添加されてもよい。
また、本発明の実施形態による樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法においては、樹脂材料を含む組成物に、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を混合して、樹脂材料を含む組成物の特性を調整する。このように、本発明の実施形態による樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法によれば、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化を抑制すると同時に樹脂材料を含む組成物の特性を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法を提供することができる。
ここで、樹脂材料を含む組成物は、樹脂材料である主剤を含み、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応する樹脂材料以外の物質である副剤は、予め樹脂材料を含む組成物に混合されてあってもよく、樹脂材料を含む組成物に添加されてもよい。(樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、樹脂材料を含む組成物に添加される。)
本発明の実施形態による樹脂材料を含む組成物及び樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法において、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、樹脂材料を含む組成物の粘度を調整する物質であってもよい。本発明の実施形態による樹脂材料を含む組成物及び樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法において、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質が、樹脂材料を含む組成物の粘度を調整する物質である場合には、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化が抑制されると同時に樹脂材料を含む組成物の粘度を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物及びその特性の調整方法を提供することができる。
すなわち、樹脂材料を含む組成物は、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない、樹脂材料を含む組成物の粘度を調整する物質を含む。
このように、樹脂材料を含む組成物に、樹脂材料を含む組成物の粘度を調整すると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含めることによって、本発明の実施形態による樹脂材料を含む組成物の粘度を調整することができる。すなわち、樹脂材料を含む組成物の粘度を調整すると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む、樹脂材料を含む組成物の粘度を、樹脂材料を含む組成物の粘度を調整すると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含まない(樹脂材料を含む組成物の粘度を調整すると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を除いて同じ組成を有する)樹脂材料を含む組成物の粘度に対して変化させることができる。
また、樹脂材料を含む組成物の粘度を調整すると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、樹脂材料を重合させて樹脂を得る際に、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と結合せず、樹脂材料を重合させて得られる樹脂を架橋する架橋構造に組み込まれることもない。このため、樹脂材料を含む組成物の粘度を調整すると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、樹脂材料を重合させて樹脂を得た後に、樹脂材料を重合させて得られた樹脂と分離することができる。よって、樹脂材料を重合させて樹脂を得た後に、樹脂材料を含む組成物の粘度を調整すると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を、樹脂材料を重合させて得られた樹脂から分離すれば、樹脂材料を含む組成物の粘度を調整すると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む、樹脂材料を含む組成物から得られた樹脂は、樹脂材料を含む組成物の粘度を調整すると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含まない(すなわち、樹脂材料を含む組成物の粘度を調整すると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を除いて同じ組成を有する)樹脂材料を含む組成物から得られる樹脂と同一になる。これにより、本発明の実施形態による樹脂材料を含む組成物の粘度を調整すると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む、樹脂材料を含む組成物から得られる樹脂の粘度は、樹脂材料を含む組成物の粘度を調整すると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含まない(樹脂材料を含む組成物の粘度を調整すると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を除いて同じ組成を有する)樹脂材料を含む組成物から得られる樹脂の粘度と一致することになる。
本発明の実施形態において、樹脂材料を含む組成物の粘度を調整する物質は、樹脂材料を含む組成物の粘度を低下させる(樹脂材料を含む組成物よりも低い粘度を有する)物質であってもよい。樹脂材料を含む組成物の粘度を低減すると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質としては、樹脂材料を溶解させることができ、樹脂材料を含む組成物の粘度を低減すると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない有機溶剤が挙げられる。なお、樹脂材料を含む組成物の粘度を低減すると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、樹脂材料に依存する。具体的には、樹脂材料がアクリル酸エステルである場合には、メチルエチルケトン及び酢酸エチルなどの少なくとも一つを用いることができる。樹脂材料がエポキシ樹脂のモノマーである場合には、トルエン及びアセトンなどの少なくとも一つを用いることができる。樹脂材料がフッ素化アクリル樹脂のモノマーである場合には、トルエン及び酢酸エチルなどの少なくとも一つを用いることができる。樹脂材料がエポキシアクリルオリゴマーである場合には、トルエン及びアセトンなどの少なくとも一つを用いることができる。このような脂材料を含む組成物の粘度を低減すると共に樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を、樹脂材料を含む組成物に含めることによって、本発明の実施形態による樹脂材料を含む組成物の粘度を低下させることができる。
次に、本発明の実施形態による三次元構造体の製造方法及び三次元構造体を説明する。
本発明の実施形態による三次元構造体の製造方法における第一の実施形態は、三次元形状の表面を備えた型の三次元形状の表面に、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物を塗布する工程、及び樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物における樹脂材料を重合させて、樹脂材料を重合させて得られる樹脂を含む三次元形状の反転形状を備えた三次元構造体を得る工程を含む。
また、本発明の実施形態による三次元構造体の製造方法における第二の実施形態は、三次元形状の表面を備えた型の三次元形状の表面に、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物を塗布する工程、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物における樹脂材料を重合させて、樹脂材料を重合させて得られる樹脂を含む三次元形状の反転形状を備えた樹脂構造体を得る工程、基板を、三次元形状の反転形状を備えた樹脂構造体に接合させる工程、三次元形状の反転形状を備えた樹脂構造体を型から離型する工程、及び三次元形状の反転形状を備えた樹脂構造体を用いて基板をエッチングすることによって、三次元形状の反転形状を基板に転写して、三次元構造体を得る工程を含む。
また、本発明の実施形態による三次元構造体は、本発明の実施形態による三次元構造体の製造方法によって製造される三次元構造体である。本発明の実施形態による三次元構造体は、三次元形状を表面に備えた任意の三次元構造体であり得るが、本発明の実施形態による三次元構造体としては、例えば、球面レンズ、非球面レンズ、マイクロレンズアレイ、波長板、及び偏光分離素子などの光学部品が挙げられる。例えば、本発明の実施形態による三次元構造体は、一定の間隔及び一定の深さを有する互いに平行な複数の溝が一定の間隔で設けられた形状であるライン・アンド・スペース形状の光学部品である。このようなライン・アンド・スペース形状を有する光学部品は、溝の間隔が比較的広い場合には、光の屈折及び干渉により特定波長の光の強度を高める波長板であり、溝の間隔が比較的狭い場合には、互いに垂直な振動面を有する偏光成分の一方を透過させる(と共に偏光成分の他方を吸収又は反射する)偏光分離素子である。
本発明の実施形態による三次元構造体の製造方法においては、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物を用いて、三次元構造体を製造する。樹脂材料を含む組成物に、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含めることで、樹脂材料を含む組成物の(粘度などの)特性を調整することができる。一方、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、樹脂材料を重合させて得られる樹脂に取り込まれず、樹脂材料を重合させて得られる樹脂から分離され得るので、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性は、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質によって、変動しない。このように、本発明の実施形態による三次元構造体及びその製造方法によれば、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化が抑制されると同時に樹脂材料を含む組成物の特性を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物を用いた三次元構造体及びその製造方法を提供することができる。
特に、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質が、樹脂材料を含む組成物の粘度を減少させる物質である場合には、樹脂材料を含む組成物の粘度が、減少することで、型及び基板によって容易に樹脂材料を含む組成物を加圧及び変形することができる。このため、本発明の実施形態による三次元構造体の製造方法において、型及び基板によって樹脂材料を含む組成物を挟み込む時間を大幅に短縮することができる。また、樹脂材料を含む組成物の流動性が向上することによって、樹脂材料を含む組成物が、型の三次元形状に容易に合致し、型の三次元形状を反転させた形状を、樹脂材料を重合させて得られる樹脂に、高精度に転写することが可能となる。
本発明の実施形態による三次元構造体の製造方法において、三次元形状の表面を備えた型は、最終製品における所望の三次元形状を反転した(所望の形状と反対の凹凸を有する)形状を備えた表面を有する型であり、三次元形状の表面を備えた金型を使用することができる。三次元形状の表面を備えた金型は、最終製品における所望の三次元形状を反転した(所望の形状と反対の凹凸を有する)形状を備えた表面を有するマザー金型(母金型、第一金型)であってもよく、最終製品における所望の三次元形状の表面を備えたマザー金型を基にして最終製品における所望の三次元形状を反転した(所望の形状と反対の凹凸を有する)形状を備えた表面を有するシスター金型(第二金型)であってもよい。
本発明の実施形態による三次元構造体の製造方法における第一の実施形態で得られる三次元構造体は、三次元形状の表面を備えた型から離型させた、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物から得られる樹脂の三次元構造体であってもよい。この場合には、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物から得られる樹脂の三次元構造体を支持する基板は、必ずしも必要ではない。しかしながら、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物から得られる樹脂の三次元構造体を基板上に設けてもよい。基板の材料としては、石英、パイレックス(登録商標)、及びテンパックス(登録商標)のようなガラス材料、プラスチック材料、並びにSi(シリコン)、(GaAl)As、及びPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの半導体材料が挙げられる。この場合には、型に塗布された樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物を基板で覆い、型及び基板によって挟まれた樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物における樹脂材料を重合させて樹脂の三次元構造体を得た後に、基板上に得られた樹脂の三次元構造体を型から離型してもよい。ここで、樹脂材料を重合させて得られる樹脂が、光硬化性樹脂である場合には、紫外線などの光を照射して光硬化性樹脂の樹脂材料を重合させるので、型及び基板の少なくとも一方は、紫外線などの光を透過する材料であることが必要である。よって、基板の材料としては、ガラス材料又はプラスチック材料であることが好ましい。また、樹脂材料を重合させて得られる樹脂が、熱硬化性樹脂である場合には、加熱して熱硬化性樹脂の樹脂材料を重合させるため、基板は、熱による変形が少ないガラス材料又は半導体材料などが好ましい。樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物から得られる樹脂の三次元構造体を単独で得る場合には、同様にして、得られた樹脂の三次元構造体を基板及び型から取り除けばよい。
本発明の実施形態による三次元構造体の製造方法における第二の実施形態においては、基板をエッチングするため、基板の材料は、エッチングすることが可能な材料である。エッチングは、ドライエッチングであることが好ましいため、基板も、石英などのガラス、Si、(GaAl)As、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などのドライエッチング可能な材料であることが好ましい。なお、光硬化性樹脂を用いるときには、基板は、ガラスなどのような光硬化性樹脂を硬化させることが可能な光を透過させる材料で形成される。
なお、所望の三次元形状を備えた樹脂構造体を用いて基板をドライエッチングする際に、ドライエッチングは、樹脂構造体の一部が、エッチングされた基板上に残留した状態で終了することもある。この場合には、エッチングされた基板上に残留した樹脂構造体を選択的に除去するために、例えば、半導体製造技術におけるCAROS(キャロス)洗浄及びOドライエッチング法を用いてもよい。
また、本発明の実施形態による三次元構造体の製造方法における第二の実施形態においては、エッチングにウェットエッチングを用いることも可能である。まず、基板上に残留した樹脂構造体の薄い層の部分を、樹脂構造体の樹脂のみに反応するガスを用いたエッチングで除去して、基板の表面を露出させる。次に、所望の三次元形状を備えた樹脂構造体をマスクとして、基板をKOH又はTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)などの溶液を用いてウェットエッチングする。最後に、基板を溶解させず樹脂構造体の樹脂のみを溶解させる溶剤(硫酸及び過酸化水素水の混合物、並びに有機溶剤など)で、ウェットエッチングされた基板に残留した樹脂構造体の樹脂を除去する。
図2(a)〜(e)は、本発明の実施形態による三次元構造体の製造方法を説明する図である。本発明の実施形態による三次元構造体の製造方法は、いわゆるナノプリント技術を利用している。まず、図2(a)に示すように、離型処理された微細な三次元形状を備えた表面を有する型としてのシリコン基板10の表面に、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物としての紫外線硬化型樹脂のモノマー及び紫外線硬化型樹脂と反応しない溶剤を含む樹脂組成物60を塗布し、樹脂組成物60に(製品)基板としての石英基板20を押し当てる。これにより、シリコン基板10の微細な三次元形状を反転させた形状が、樹脂組成物60の層に転写される。次に、図2(b)に示すように、石英基板20の樹脂組成物60と接する側と反対側から均一な紫外線80を照射して、紫外線硬化型樹脂のモノマー及び紫外線硬化型樹脂と反応しない溶剤を含む樹脂組成物60の層を光硬化させる。紫外線80は、石英基板20を介して樹脂組成物60の層に局所的に照射され、樹脂組成物60に含まれる紫外線硬化型樹脂のモノマーは、樹脂組成物60の層において局所的に重合する。このようにして、樹脂組成物60に含まれる紫外線硬化型樹脂のモノマーが重合して、紫外線硬化型樹脂の樹脂構造体70が形成される。また、樹脂組成物60に含まれる紫外線硬化型樹脂と反応しない溶剤は、除去される。そして、樹脂構造体70は、シリコン基板10の微細な三次元形状を反転させた所望の三次元形状を有する。次に、図2(c)に示すように、樹脂構造体70を石英基板20に接合したまま、樹脂構造体70をからしリコン基板20を剥離する。得られた石英基板20を備えた樹脂構造体70を本発明の実施形態による三次元構造体として利用してもよい。また、図2(d)に示すように、図2(c)に示す石英基板20を備えた樹脂構造体70から石英基板20を剥離して得られる樹脂構造体70を本発明の実施形態による三次元構造体として利用してもよい。さらに、図2(e)に示すように、図2(c)に示す樹脂構造体70を備えた石英基板20をドライエッチングすることによって、樹脂構造体70が有する所望の微細な三次元形状を、石英基板20へ転写する。これにより、樹脂構造体70が有する微細な三次元形状と同一である所望の三次元形状を有するエッチングされた石英基板20が得られる。この所望の三次元形状を有するエッチングされた石英基板20を本発明の実施形態による三次元構造体として利用してもよい。
本発明の実施形態による三次元構造体の製造方法において、型に塗布された樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物の層に含まれる樹脂材料を局所的に重合させる。本発明の実施形態において、「樹脂材料を局所的に重合させる」とは、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物の層に含まれる樹脂材料を重合させる際に、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質が、樹脂材料を重合させて得られる樹脂に完全に又は実質的に残留しないように、樹脂材料を重合させることができるような組成物の層の部分において、樹脂材料を重合させることを意味する。なお、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質が、樹脂材料を重合させて得られる樹脂に実質的に残留しないとは、樹脂材料を重合させて得られる樹脂に残留する樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質の量が、得られる三次元構造体の形状に影響を与えない程度に少ないことを意味する。樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物の層に含まれる樹脂材料を局所的に重合させることによって、組成物の層における樹脂材料を局所的に重合させる部分では、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質が、その部分の周囲に移動し、代わりに周囲の樹脂材料が、その部分に移動する。すなわち、組成物の層における樹脂材料を局所的に重合させる部分では、樹脂材料及び脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質の交換が起こる。そして、組成物の層における樹脂材料を局所的に重合させた部分では、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質が残留することなく、樹脂材料を重合させて得られた樹脂が存在するようになる。このように、型に塗布された樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物の層に含まれる樹脂材料を局所的に重合させることによって、樹脂材料を重合させて樹脂を得ると同時に、樹脂と反応しない物質を十分に除去することができる。
本発明の実施形態による三次元構造体の製造方法において、型に塗布された樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物の層における複数の局所的な領域に含まれる樹脂材料を、局所的な領域毎に、局所的に重合させる。本明細書及び特許請求の範囲において、「局所的な領域」とは、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物の層に含まれる樹脂材料を重合させる際に、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質が、樹脂材料を重合させて得られる樹脂に完全に又は実質的に残留しないように、樹脂材料を重合させることができるような組成物の層の領域を意味する。ここで、複数の局所的な領域は、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物の層における樹脂材料が重合させられる部分を任意に区分することによって得られる複数の領域であり、互いに隣接した(連続的な)複数の上記の局所的な領域であってもよく、互いに離間した(離散的な)上記の局所的な領域であってもよい。また、「樹脂材料を」「局所的に重合させる」ことは、上述したとおりである。そして、複数の局所的な領域の各々において、樹脂材料を局所的に重合させることで、組成物の層における樹脂材料が重合させられる部分の全体にわたって、樹脂材料を重合させることができる。すなわち、組成物の層における複数の局所的な領域にわたって樹脂材料を局所的に重合させることを順次繰り返すことによって、組成物の層における複数の局所的な領域に含まれる樹脂材料の全てを重合させることができる。その際、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を、局所的な領域毎に排除することができ、結果として、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を、組成物の層における樹脂材料を重合させるべき領域の全体から排除することができる。これにより、組成物の層における樹脂材料を重合させるべき領域においては、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質が残留することなく、樹脂材料を重合させることが可能となる。よって、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物の層における複数の局所的な領域において、樹脂材料を重合させて樹脂を得ると同時に、樹脂と反応しない物質を十分に除去することができる。
例えば、樹脂材料が光硬化性樹脂の単量体である場合には、光硬化性樹脂を硬化させることが可能な波長及び強度の光を、光硬化性樹脂の単量体及び光硬化性樹脂と反応しない物質を含む組成物の層における所望の局所的な領域に照射して、組成物の層における光硬化性樹脂の単量体を重合させるべき部分の全体にわたって、光を走査すると共に光硬化性樹脂の単量体を重合させることができる。このとき、光硬化性樹脂と反応しない物質は、組成物の層における光硬化性樹脂の単量体を重合させるべき部分の全体から排除される。樹脂材料が熱硬化性樹脂である場合には、光硬化性樹脂を硬化させることが可能な波長及び強度の光を照射する代わりに、熱硬化性樹脂を硬化させることが可能な量の熱を加えればよい。
図3は、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物の層に含まれる樹脂材料を全体的に又は局所的に重合させる場合の組成物の層を説明する模式図であり、(a)は、組成物の層に含まれる樹脂材料を全体的に重合させる場合を示し、(b)は、組成物の層に含まれる樹脂材料を局所的に重合させる場合を示す。
図3(a)に示すように、離型処理された微細な三次元形状を備えた表面を有する型としてのシリコン基板10及び(製品)基板としての石英基板20の間に樹脂材料の分子30及び樹脂材料の分子30を重合させて得られる樹脂と反応しない物質としての樹脂と反応しない溶剤の分子50を含む組成物が挟まれている。ここで、樹脂材料の分子30が、紫外線硬化型樹脂のモノマーであるとすれば、樹脂材料の分子30及び樹脂と反応しない溶剤の分子50を含む組成物に、石英基板20側から紫外線80を照射することで、樹脂材料の分子30を重合させることができる。このとき、樹脂材料の分子30及び樹脂と反応しない溶剤の分子50を含む組成物における樹脂材料の分子30を重合させるべき領域の全体に一度に紫外線80を照射すると、樹脂材料の分子30が重合すると共に、樹脂と反応しない溶剤の分子50は、局所的に凝集する。図3(a)においては、石英基板20に表面に樹脂材料の分子30を重合させて得られる樹脂と密着するようなカップリング処理をしてある。よって、樹脂材料の分子30を重合させて得られる樹脂と密着するようなカップリング処理をしていない、樹脂材料の分子30を重合させて得られる樹脂との密着性が低いシリコン基板10の表面側に、樹脂と反応しない溶剤の分子50が移動して、局所的に凝集する。その結果、樹脂材料の分子30を重合させて得られる樹脂は、樹脂と反応しない溶剤の分子50の存在によって、シリコン基板10の表面側に空隙が形成されてしまう。
これに対して、図3(b)に示すように、本発明の実施形態による三次元構造体の製造方法においては、離型処理された微細な三次元形状を備えた表面を有する型としてのシリコン基板10及び(製品)基板としての石英基板20の間に樹脂材料の分子30及び樹脂材料の分子30を重合させて得られる樹脂と反応しない物質としての樹脂と反応しない溶剤の分子50を含む組成物が挟まれている。ここで、樹脂材料の分子30が、紫外線硬化型樹脂のモノマーであるとすれば、樹脂材料の分子30及び樹脂と反応しない溶剤の分子50を含む組成物に、石英基板20側から紫外線80を照射することで、樹脂材料の分子30を重合させることができる。このとき、樹脂材料の分子30及び樹脂と反応しない溶剤の分子50を含む組成物における樹脂材料の分子30を重合させるべき領域の一部に紫外線80を局所的に十分に照射する。図3(b)においては、樹脂材料の分子30及び樹脂と反応しない溶剤の分子50を含む組成物における樹脂材料の分子30を重合させるべき領域の一端から他端へ順次紫外線80を照射する。すなわち、紫外線80の照射位置を連続的に変位させて、樹脂材料の分子30及び樹脂と反応しない溶剤の分子50を含む組成物における樹脂材料の分子30を重合させるべき領域の全体を紫外線80で走査している。このようにして、樹脂材料の分子30及び樹脂と反応しない溶剤の分子50を含む組成物における樹脂材料の分子30を重合させるべき領域の紫外線80を照射した部分で、樹脂材料の分子30を十分に重合させる。また、樹脂材料の分子30及び樹脂と反応しない溶剤の分子50を含む組成物における樹脂材料の分子30を重合させるべき領域の紫外線80を照射した部分では、樹脂材料の分子30が局所的に重合することで、樹脂と反応しない溶剤の分子50は、樹脂材料の分子30を重合させるべき領域の紫外線80を照射した部分から紫外線80を照射していない部分へ移動する。より詳しくは、樹脂材料の分子30を重合させるべき領域の紫外線80を照射した部分の近傍で、樹脂材料の分子30及び樹脂と反応しない溶剤の分子50の間で位置の交換が起こる。よって、樹脂材料の分子30を重合させるべき領域の紫外線80を照射した部分においては、樹脂と反応しない溶剤の分子50が局所的に残留することなく、樹脂材料の分子30を重合させて、樹脂材料の分子30から得られる樹脂が存在することになる。このようにして、樹脂材料の分子30を重合させるべき領域にわたって、局所的に紫外線80を照射するとともに紫外線80の照射位置を移動させることによって、樹脂と反応しない溶剤の分子50を残留させることなく、樹脂材料の分子30を重合させることができる。その結果、樹脂材料の分子30を重合させるべき領域にわたって、空隙が存在しない樹脂構造体を得ることができる。
本発明の実施形態による三次元構造体の製造方法は、好ましくは、三次元構造体に含まれる樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を減圧によって三次元構造体から除去する工程を含む。三次元構造体に含まれる樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を減圧によって三次元構造体から除去する工程を含むことによって、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質をより効率的に除去することができる。
三次元構造体に含まれる樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を減圧によって三次元構造体から除去する工程は、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物における樹脂材料を重合させた後に行われる。また、三次元構造体に含まれる樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を減圧によって三次元構造体から除去する工程は、樹脂材料を重合させて得られる樹脂を含む樹脂構造体を型又は基板から剥離される前に行われる。樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、三次元構造体の周囲の空気を減圧することで、三次元構造体から抜き取られ、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質が、樹脂材料を重合させて得られる樹脂を含む樹脂構造体、並びに型及び基板の樹脂構造体と接触する面に残留することを低減又は防止することができる。また、三次元構造体の周囲の空気を減圧することで、三次元構造体から、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質をより短時間で且つより十分に除去することができる。
さらに、三次元構造体の周囲の空気を減圧することなく、樹脂構造体から型を剥離すると、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質が、型の樹脂構造体側の表面に残留していた場合、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質が、空気中の水分を吸着し、吸着された水分に伴ってさらに空気中のチリを吸着して、型の樹脂構造体側の表面に空気中の水分及びチリが付着することがある。これに対して、三次元構造体の周囲の空気を減圧すると、樹脂構造体が、型及び基板の間に挟まれた状態で、三次元構造体から、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を取り除くことができるので、空気中の水分及びチリなどが、三次元構造体に侵入することを防止することもできる。よって、樹脂構造体から型を剥離しても、型の樹脂構造体側の表面に空気中の水分及びチリが付着することを低減することができる。
例えば、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質が有機溶剤である場合には、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質である有機溶剤は、三次元構造体の周囲の空気を減圧することで容易に蒸発する。このため、三次元構造体の周囲の空気を減圧することで、樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質である有機溶剤を三次元構造体から容易に除去することができる。また、有機溶剤が吸湿性である場合には、三次元構造体の周囲の空気を減圧することなく樹脂構造体から型を剥離すると、型の樹脂構造体側の表面に有機溶剤が残留していた場合、空気中の水分及びチリが型に付着する可能性が高いが、三次元構造体の周囲の空気を減圧することで、空気中の水分及びチリが型に付着することを低減することができる。
本実施例においては、マザー金型の形状を反転したライン・アンド・スペースの形状を樹脂への転写し、ライン・アンド・スペースの形状をドライエッチングによって製品基盤へ転写することによって、ライン・アンド・スペースの形状を備えた光学製品を得る工程を説明する。
(1)マザー金型の製作
0.1μmの電子線描画用レジスト層が予め塗布された直径100mmのシリコン基板を用意し、EB(電子線)描画装置を使用して、所定の条件下でレジスト層の20mm×20mmの範囲にライン・アンド・スペース形状を描画した。ライン・アンド・スペース形状が描画されたレジスト層を現像及びリンスすることで、線幅50nm、間隔50nm、深さ150nmのライン・アンド・スペース形状の溝を形成した。得られたライン・アンド・スペース形状のレジストをマスクとして、シリコン基板をドライエッチングし、ライン・アンド・スペース形状を備えたマザー金型を製作した。マザー金型の表面を、硫酸及びHの混合液で洗浄(キャロス洗浄)した。
(2)製品基板の表面処理
製品基板として石英ガラス基板を使用した。まず、樹脂を製品基盤へ密着させる際に、製品基板及び樹脂間の密着性を向上させるために、製品基板の表面をカップリング剤でシランカップリング処理した。具体的には、市販のカップリング処理剤(信越シリコーン製、KBM503)を水に溶解させ、カップリング処理剤の水溶液を製品基盤の表面に塗布し、製品基盤の表面に設けられたカップリング処理剤の層を加熱することで、カップリング処理剤の層を硬化させる。その後、カップリング処理剤の層を有機溶剤で洗浄し、カップリング処理剤の一分子層のみを基板上に残留させる。次に、Oガスの流れに対してエキシマ光を照射してOを発生させ、製品の基板表面に残留する有機物質を酸化して、有機物質の酸化物を除去した(エキシマ洗浄)。
(3)マザー金型の形状の樹脂への転写(ナノプリント)
(3−1)マザー金型及び製品基板への樹脂の塗布
まず、樹脂吐出装置にマザー金型をセットし、マザー金型における転写したい部分に、紫外線硬化型樹脂(GRANDIC RC 8790(大日本インキ株式会社の製品))及びアセトンを4:1の割合で混合した混合物を0.3mgずつ塗布した。
次に、樹脂吐出装置に製品基板をセットし、製品基板における転写しようとする領域に、紫外線硬化型樹脂(GRANDIC RC 8790(大日本インキ株式会社の製品))及びアセトンを4:1の割合で混合した混合物を0.3mgずつ塗布した。
ここで、紫外線硬化型樹脂(GRANDIC RC 8790(大日本インキ株式会社の製品)の粘度は、130センチポイズ(CP)程度であるのに対して、紫外線硬化型樹脂及びアセトンを4:1の割合で混合した混合物の粘度は、10CP前後であり、紫外線硬化型樹脂にアセトンを加えることで、紫外線硬化型樹脂の粘度を低下させた。
(3−2)面合わせ
次に、樹脂を塗布したマザー金型の樹脂層上に、樹脂を塗布した製品基板を載せて、マザー金型及び製品基板を、互いの樹脂層を介して面合わせした。このとき、樹脂層における転写領域に空気が入り込まないように注意した。
(3−3)加圧
次に、面合わせしたマザー金型及び製品基板を互いに押し付けるように、自動加圧機を用いて、マザー金型及び製品基板を加圧した。
(3−4)仮硬化
次に、マザー金型及び製品基板の間に挟み込まれた樹脂を仮硬化させた。すなわち、樹脂を完全に硬化するエネルギーの70%程度のエネルギーを樹脂に与え、樹脂にある程度の硬化度を付与した。より詳しくは、製品基板側から樹脂層の小さい範囲を露光し、露光の位置を少しずつ移動させて、マザー金型に形成された形状に従って仮硬化させた。このように、製品基板側から樹脂層の小さい範囲を露光し、露光の位置を少しずつ移動させることで、樹脂のモノマー及びアセトンの位置交換を引き起こし、アセトンが凝集する位置を、樹脂層におけるライン・アンド・スペース形状を形成する範囲の外へ偏移させた。これにより、アセトンを、硬化した樹脂の架橋構造に組み込むことなく、樹脂層におけるライン・アンド・スペース形状を形成する範囲から分離することができた。
(3−5)本硬化
次に、仮硬化させた樹脂に対して短時間で一度に露光し、樹脂を完全に硬化させた。これにより、樹脂に十分なエッチング耐性を付与することができた。また、樹脂は、硬化によって収縮した。これにより、マザー金型からの樹脂の離型を容易にすることができた。
(3−6)離型
次に、マザー金型及び製品基板の組みを、製品基板側を上にして離型治具に設置し、製品基板を金型から剥がした。これにより、マザー金型に樹脂が残らずに、マザー金型から樹脂を伴った製品基板を剥離することができた。マザー金型の表面には、樹脂から分離したアセトンが凝集して残ったが、先の仮硬化において樹脂層の小さい範囲を露光し、露光の位置を少しずつ移動させたことで、マザー金型のライン・アンド・スペースの反転形状が形成された部分以外の位置にアセトンが残留した。これにより、製品基板上の樹脂層に金型のライン・アンド・スペースの反転形状が転写され、製品基板上にライン・アンド・スペース形状を備えた樹脂層が形成された。なお、剥がされたマザー金型は、繰り返し使用のために、洗浄した。
(4)ドライエッチングによる製品基板の加工
(4−1)ダミー処理
樹脂層が付着してないダミー基板をチャンバーに設置した後、チャンバー内を4.0×10−4Torr以下に排気した。なお、ダミー基板は、特に限定されるものではないが、例えば、製品基板と同じもので、樹脂層の付着していないものである。その後、RIE(反応性イオンエッチング)装置の上部電極の出力を1250Wに設定し、下部電極の無線周波数(RF)の出力を50Wに設定し、CHFガスを17sccmで供給して、5分間ダミー基板をドライエッチングした。このダミー処理を実施することで、チャンバー内の雰囲気を、製品基板を処理するガス(CHFガス)にした。
(4−2)ドライエッチング
次に、チャンバーからダミー基板を取り出し、ライン・アンド・スペース形状が形成された樹脂層が付着した製品基板をチャンバー内に設置した後、チャンバー内を4.0×10−4Torr以下に排気した。その後、RIE装置の上部電極の出力を1250Wに設定し、下部電極のRF出力を300Wに設定し、CHFを17sccmで供給して、ライン・アンド・スペース形状が形成された樹脂層が付着した製品基板を15秒間ドライエッチングした。このドライエッチングにより、製品基板をライン・アンド・スペース形状の樹脂層をマスクとしてエッチングしたが、このドライエッチングは、ライン・アンド・スペース形状にエッチングされた製品基板上に、樹脂層のラインパターンの位置に樹脂の薄い層が残った状態で、終了した。
(4−3)洗浄
次に、樹脂の薄い層が残ったライン・アンド・スペース形状にエッチングされた製品基板にOアッシング処理を施し、さらにHSO及びHの混合液で6分間洗浄を行い、ライン・アンド・スペース形状にエッチングされた製品基板に残っていた樹脂層を除去した。
以上の工程により、マザー金型としてのシリコン基板に形成したライン・アンド・スペース形状を反転した高精度の微細形状を、製品基板としての石英ガラス基板へ転写して、ライン・アンド・スペース形状を備えた石英ガラスの製品を製造することができた。このようなライン・アンド・スペース形状を備えた石英ガラス製品は、四分の一波長板及び偏光板のような光学部品として用いることができる。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を具体的に説明してきたが、本発明は、これらの実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、これら本発明の実施の形態及び実施例を、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、変更又は変形することができる。
[付記]
付記(1):
樹脂材料及び前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含むことを特徴とする樹脂材料を含む組成物。
付記(2):
前記樹脂と反応しない物質は、粘度を調整する物質であることを特徴とする、付記(1)に記載の樹脂材料を含む組成物。
付記(3):
樹脂材料を含む組成物に、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を混合して、前記組成物の特性を調整することを特徴とする樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法。
付記(4):
前記樹脂と反応しない物質は、前記組成物の粘度を調整する物質であることを特徴とする、付記(3)に記載の樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法。
付記(5):
三次元形状の表面を備えた型の前記三次元形状の表面に、樹脂材料及び前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物を塗布する工程、及び
前記組成物における前記樹脂材料を重合させて、前記樹脂を含む前記三次元形状の反転形状を備えた三次元構造体を得る工程
を含むことを特徴とする三次元構造体の製造方法。
付記(6):
前記型に塗布された前記組成物の層に含まれる前記樹脂材料を局所的に重合させることを特徴とする、付記(5)に記載の三次元構造体の製造方法。
付記(7):
前記型に塗布された前記組成物の層における複数の局所的な領域に含まれる前記樹脂材料を、前記局所的な領域毎に、局所的に重合させることを特徴とする、付記(6)に記載の三次元構造体の製造方法。
付記(8):
前記三次元構造体に含まれる前記樹脂と反応しない物質を減圧によって前記三次元構造体から除去する工程を含むことを特徴とする、付記(5)乃至(7)のいずれか一つに記載の三次元構造体の製造方法。
付記(9):
付記(5)乃至(8)のいずれか一つに記載の三次元構造体の製造方法によって製造されることを特徴とする三次元構造体。
付記(10):
三次元形状の表面を備えた型の前記三次元形状の表面に、樹脂材料及び前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物を塗布する工程、
前記組成物における前記樹脂材料を重合させて、前記樹脂を含む前記三次元形状の反転形状を備えた樹脂構造体を得る工程、
基板を前記樹脂構造体に接合させる工程、
前記樹脂構造体を前記型から離型する工程、及び
前記樹脂構造体を用いて前記基板をエッチングすることによって、前記三次元形状の反転形状を前記基板に転写して、三次元構造体を得る工程を含むことを特徴とする三次元構造体の製造方法。
付記(11):
前記型に塗布された前記組成物の層に含まれる前記樹脂材料を局所的に重合させることを特徴とする、付記(10)に記載の三次元構造体の製造方法。
付記(12):
前記型に塗布された前記組成物の層における複数の局所的な領域に含まれる前記樹脂材料を、前記局所的な領域毎に、局所的に重合させることを特徴とする、付記(11)に記載の三次元構造体の製造方法。
付記(13):
前記三次元構造体に含まれる前記樹脂と反応しない物質を減圧によって前記三次元構造体から除去する工程を含むことを特徴とする、付記(10)乃至(12)のいずれか一つに記載の三次元構造体の製造方法。
付記(14):
付記(10)乃至(13)のいずれか一つに記載の三次元構造体の製造方法によって製造されることを特徴とする三次元構造体。
本発明の実施形態は、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化が抑制されると同時に樹脂材料を含む組成物の特性を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物に適用することができる。
また、本発明の実施形態によれば、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化を抑制すると同時に樹脂材料を含む組成物の特性を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物の特性の調整方法に適用することができる。
さらに、本発明の実施形態によれば、樹脂材料を重合させて得られる樹脂の特性の変化が抑制されると同時に樹脂材料を含む組成物の特性を調整することが可能な樹脂材料を含む組成物を用いた三次元構造体の製造方法及び該三次元構造体の製造方法によって製造される三次元構造体に適用することができる。
図1は、二つの基板の間で樹脂材料を含む樹脂組成物を硬化させて得られる樹脂の模式図であり、図1(a)は、樹脂材料のみからなる樹脂組成物を硬化させて得られる樹脂の模式図であり、図1(b)は、樹脂材料及びレジューサーを含む樹脂組成物を硬化させて得られる樹脂の模式図である。 図2(a)〜(e)は、本発明の実施形態による三次元構造体の製造方法を説明する図である。 図3は、樹脂材料及び樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物の層に含まれる樹脂材料を全体的に又は局所的に重合させる場合の組成物の層を説明する模式図であり、図3(a)は、組成物の層に含まれる樹脂材料を全体的に重合させる場合を示し、図3(b)は、組成物の層に含まれる樹脂材料を局所的に重合させる場合を示す。
10 シリコン基板
20 石英基板
30 樹脂材料の分子
40 レジューサーの分子
50 樹脂と反応しない溶剤の分子
60 樹脂組成物
70 樹脂構造体
80 紫外線

Claims (11)

  1. 三次元形状の表面を備えた型の前記三次元形状の表面に、樹脂材料及び前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物を塗布する工程、及び
    前記組成物における前記樹脂材料を重合させて、前記樹脂を含む前記三次元形状の反転形状を備えた三次元構造体を得る工程
    を含む、三次元構造体の製造方法において、
    前記樹脂材料は、アクリル酸エステル、エポキシ樹脂のモノマー、フッ素化アクリル樹脂のモノマー、及びエポキシアクリルオリゴマーからなる群より選択されると共に、
    前記樹脂材料が、アクリル酸エステルである場合には、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、メチルエチルケトン及び酢酸エチルからなる群より選択され、
    前記樹脂材料が、エポキシ樹脂のモノマー又はエポキシアクリルオリゴマーである場合には、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、トルエン及びアセトンからなる群より選択され、
    前記樹脂材料が、フッ素化アクリル樹脂のモノマーである場合には、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、トルエン及び酢酸エチルからなる群より選択されると共に、
    前記型に塗布された前記組成物の層に含まれる前記樹脂材料を局所的に重合させることを特徴とする、三次元構造体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の三次元構造体の製造方法において、
    前記型に塗布された前記組成物の層における複数の局所的な領域に含まれる前記樹脂材料を、前記局所的な領域毎に、局所的に重合させることを特徴とする、三次元構造体の製造方法。
  3. 三次元形状の表面を備えた型の前記三次元形状の表面に、樹脂材料及び前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物を塗布する工程、及び
    前記組成物における前記樹脂材料を重合させて、前記樹脂を含む前記三次元形状の反転形状を備えた三次元構造体を得る工程
    を含む、三次元構造体の製造方法において、
    前記樹脂材料は、アクリル酸エステル、エポキシ樹脂のモノマー、フッ素化アクリル樹脂のモノマー、及びエポキシアクリルオリゴマーからなる群より選択されると共に、
    前記樹脂材料が、アクリル酸エステルである場合には、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、メチルエチルケトン及び酢酸エチルからなる群より選択され、
    前記樹脂材料が、エポキシ樹脂のモノマー又はエポキシアクリルオリゴマーである場合には、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、トルエン及びアセトンからなる群より選択され、
    前記樹脂材料が、フッ素化アクリル樹脂のモノマーである場合には、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、トルエン及び酢酸エチルからなる群より選択されると共に、
    前記三次元構造体に含まれる前記樹脂と反応しない物質を減圧によって前記三次元構造体から除去する工程を含むことを特徴とする、三次元構造体の製造方法。
  4. 請求項3に記載の三次元構造体の製造方法において、
    前記型に塗布された前記組成物の層に含まれる前記樹脂材料を局所的に重合させることを特徴とする、三次元構造体の製造方法。
  5. 請求項4に記載の三次元構造体の製造方法において、
    前記型に塗布された前記組成物の層における複数の局所的な領域に含まれる前記樹脂材料を、前記局所的な領域毎に、局所的に重合させることを特徴とする、三次元構造体の製造方法。
  6. 請求項1から5までのうちいずれか一項に記載の三次元構造体の製造方法によって製造されることを特徴とする、三次元構造体。
  7. 三次元形状の表面を備えた型の前記三次元形状の表面に、樹脂材料及び前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質を含む組成物を塗布する工程、
    前記組成物における前記樹脂材料を重合させて、前記樹脂を含む前記三次元形状の反転形状を備えた樹脂構造体を得る工程、
    基板を前記樹脂構造体に接合させる工程、
    前記樹脂構造体を前記型から離型する工程、及び
    前記樹脂構造体を用いて前記基板をエッチングすることによって、前記三次元形状の反転形状を前記基板に転写して、三次元構造体を得る工程
    を含む、三次元構造体の製造方法において、
    前記樹脂材料は、アクリル酸エステル、エポキシ樹脂のモノマー、フッ素化アクリル樹脂のモノマー、及びエポキシアクリルオリゴマーからなる群より選択されると共に、
    前記樹脂材料が、アクリル酸エステルである場合には、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、メチルエチルケトン及び酢酸エチルからなる群より選択され、
    前記樹脂材料が、エポキシ樹脂のモノマー又はエポキシアクリルオリゴマーである場合には、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、トルエン及びアセトンからなる群より選択され、
    前記樹脂材料が、フッ素化アクリル樹脂のモノマーである場合には、前記樹脂材料を重合させて得られる樹脂と反応しない物質は、トルエン及び酢酸エチルからなる群より選択される
    ことを特徴とする、三次元構造体の製造方法。
  8. 請求項7に記載の三次元構造体の製造方法において、
    前記型に塗布された前記組成物の層に含まれる前記樹脂材料を局所的に重合させることを特徴とする、三次元構造体の製造方法。
  9. 請求項8に記載の三次元構造体の製造方法において、
    前記型に塗布された前記組成物の層における複数の局所的な領域に含まれる前記樹脂材料を、前記局所的な領域毎に、局所的に重合させることを特徴とする、三次元構造体の製造方法。
  10. 請求項7から9までのうちいずれか一項に記載の三次元構造体の製造方法において、
    前記三次元構造体に含まれる前記樹脂と反応しない物質を減圧によって前記三次元構造体から除去する工程を含むことを特徴とする、三次元構造体の製造方法。
  11. 請求項7から10までのうちいずれか一項に記載の三次元構造体の製造方法によって製造されることを特徴とする、三次元構造体。
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