図1〜図30は本発明に係る遊技機の一実施の形態を示す図であり、本発明の遊技機をパチンコ遊技機に適用した例を示している。
まず、構成を説明する。図1において、パチンコ遊技機1は、本体枠2と、本体枠2に組み込まれた遊技盤10(図2参照)と、本体枠2に回動軸5を介して回動自在に設けられ、遊技盤10と略同面積のガラス部材3を備えた前面扉4と、本体枠2の下方に設けられた上皿6および下皿7と、下皿7の右側に設けられた発射ハンドル8とを備えている。
発射ハンドル8は本体枠2に対して回動自在に設けられており、遊技者によって発射ハンドル8が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。また、発射ハンドル8の裏側には、発射モータ(図示せず)が設けられている。
また、発射ハンドル8の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられており、このタッチセンサが触接されたときには、遊技者により発射ハンドル8が把持されたことが検出されるようになっている。
そして、発射ハンドル8が遊技者によって把持されて時計回り方向に回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿6に貯留された遊技球が遊技盤10に順次発射される。
なお、発射ハンドル8に設けられるタッチセンサは、遊技者によって発射ハンドル8が把持されたことを判別できるものであれば良く、光学的に検出するものや、熱により検出するもの等、センサの種類を問わない。
また、本体枠2の上方にはスピーカ51L、51Rが設けられており、このスピーカ51L、51Rは遊技に関する種々の情報を音声、音楽等によって出力するようになっている。
図2に示すように遊技盤10の前面には複数の障害釘(図示せず)が打ち込まれており、発射された遊技球は、遊技盤10上に設けられたガイドレール11に案内されて遊技盤10の上部に移動した後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤10の下方に向かって落下する。このように、ガイドレール11に囲まれ、遊技球が転動可能な領域を遊技領域10aと称する。
遊技盤10の前面の略中央には表示手段としての液晶表示装置12が設けられており、液晶表示装置12は表示領域12aを備え、この表示領域12aにはそれぞれ識別情報が可変表示されたり、遊技に関連する演出画像が表示される。なお、遊技盤10の全面、すなわち、遊技領域10aを液晶表示装置12の表示領域12aとしても良い。
また、液晶表示装置12によって表示される識別情報は、特別図柄ゲームにおいて装飾図柄を構成するものである。これらの識別情報は、数字や記号等からなる図柄であり、数字の図柄の場合には例えば、"0"から"9"までの数字を用いる。
ここで、「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。
また、「可変表示」は、特別図柄ゲームの結果として識別情報が表示される「導出表示」を行うことができる。また、変動表示が開始されてから導出表示されるまでを1回の可変表示と称する。また、液晶表示装置12には複数の図柄列、例えば、3列の識別情報が可変表示される。
この液晶表示装置12では複数列の識別情報の導出表示が行われ、導出表示された複数列の識別情報の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに"0"〜"9"の何れかの数字が全て揃った状態で導出表示される態様)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することになる。
また、この大当りとなる停止態様を構成する識別情報"0"〜"9"は、全て確変図柄であり、"0"〜"9"の何れの識別情報が揃った停止態様となると、「確変大当り」となる。
「確変大当り」とは、大当り遊技状態が終了した後の一般遊技状態において、大当りの発生確率が高い状態となり、後述する特別図柄ゲームの転落抽選に当選するまで大当りの抽選確率を高確率にする特別図柄高確率遊技状態に移行する遊技状態であり、特別図柄高確率遊技状態では特別図柄短縮変動状態(以下、時短遊技状態という)に同時に移行する。この所定回数の詳細は後述する。
なお、時短遊技状態とは、大当りの遊技状態の終了後に所定変動回数だけ識別情報が短い時間で変動表示を終了し、後述する普通図柄表示器16の「○」のみが点灯したときに、後述する羽根部材23a、23bが通常遊技時よりも長い時間開放されて持ち玉を減らすことなく遊技を進めることができる遊技状態をいう。
また、時短遊技状態は、大当りの遊技状態の終了後に大当りが発生しない状態で識別情報が所定回数だけ変動表示を行ったときに終了し、この時短遊技状態は特別図柄高確率遊技状態から通常遊技状態に転落した後も、識別情報が所定回数だけ変動するまで継続する。
なお、本実施の形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置12を採用したが、これに限らず、他の態様であっても良く、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであっても良い。
また、本実施の形態では、表示手段として液晶表示装置12を採用したが、これに限らず、別の態様であっても良く、例えば、ドラム、ベルト、リール等を表示手段として採用しても良い。
また、遊技盤10の上方には特別図柄始動記憶表示器13が設けられており、この特別図柄始動記憶表示器13は4つの保留ランプ13a〜13dから構成されている。また、保留ランプ13bと保留ランプ13cの間には普通図柄ゲームにおける普通図柄始動記憶表示器14が設けられており、普通図柄始動記憶表示器14は4つの保留ランプ14a〜14dから構成されている。
保留ランプ13bと保留ランプ13cの間には特別図柄表示器15が設けられている。この特別図柄表示器15は、7セグ表示が可能な表示器であり、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示を行うものである。
この特別図柄表示器15における特別図柄は、一列の図柄列で構成されているが、これに限らず、例えば、複数の図柄列で構成されていても良い。この特別図柄は、数字や記号等からなる図柄であり、本実施の形態においては、"0"〜"9"、"−"の記号を用いる。
また、この特別図柄表示器15において、特別図柄の導出表示が行われ、導出表示された特別図柄が特定の表示態様(例えば、"0"〜"9"の何れかが導出表示される態様、所謂「大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、上述したように特別図柄高確率遊技状態および時短遊技状態に移行する。
また、導出表示された特別図柄が非特定の表示態様(例えば、"−"が導出表示される態様、所謂「はずれ態様」)、になった場合には、大当り遊技状態に移行しない。すなわち、導出表示された特別図柄が特定の停止態様になったときにのみ大当り遊技状態に移行する。また、大当り遊技状態中におけるラウンド制御の上限ラウンド数が15ラウンドとなる。
また、液晶表示装置12には、特別図柄表示器15における特別図柄の可変表示に合わせて、複数の図柄列に対応する装飾図柄が可変表示される。すなわち、液晶表示装置12は、複数の図柄列(表示列)のそれぞれにおいて装飾図柄の可変表示を行う。
これら複数の図柄列において装飾図柄の導出表示が行われ、特別図柄表示器15における特別図柄の可変表示の結果が特定の表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが特定の組合せ(例えば、複数の図柄列のそれぞれに"0"〜"9"の何れかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「大当り表示態様」)となり、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、上述した特別図柄高確率遊技状態および時短遊技状態に移行することになる。
また、特別図柄表示器15の右隣には普通図柄表示器16が設けられており、この普通図柄表示器16は数字や記号等の普通図柄からなる情報であり、本実施の形態では"○"、"×"の記号から普通図柄が構成され、"○"の記号を表示するランプ16aと、"×"の記号を表示するランプ16bを備えている。
また、遊技盤10の右上部にはラウンド数表示器17が設けられており、このラウンド数表示器17は後述する大入賞口の開放回数を表示する。
また、液晶表示装置12の両側には、通過ゲート(通過領域)18が設けられている。この通過ゲート18は、その近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、普通図柄表示器16a、16bの普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示を停止する。
この普通図柄が所定の図柄、例えば"○"として停止表示されたときには、第2始動口(始動入賞口)23の左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物)23a、23bが閉鎖状態から開放状態となり、第2始動口23に遊技球が入り易くなる。また、羽根部材23a、23bを開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材23a、23bを閉鎖状態として、第2始動口23に遊技球が入り難くなるようにする。
また、遊技盤10の下左側および下右側の遊技領域には遊技球の一般入賞口21が設けられており、一般入賞口21に入賞した遊技球は一般入賞口スイッチ102(図3参照)によって検出される。また、一般入賞口21の近傍の遊技領域には、入賞領域としての大入賞口22および大入賞口22に対して開閉自在なシャッタ22aが設けられている。
上述したように、液晶表示装置12における識別情報の組合せが特定の表示態様である場合には、識別情報の可変表示に基づいて遊技状態が大当り遊技状態に移行され、このシャッタ22aが遊技球を受け入れ易い開放状態となるように駆動される。
また、この大入賞口22には、カウントスイッチ101(図3参照)が設けられた遊技球の通過領域を備えており、通過領域を遊技球が所定個数(例えば9個)通過するか、または、所定時間(例えば28秒)が経過するまでシャッタ22aが開放状態に駆動される。
すなわち、開放状態において大入賞口22への所定数の遊技球の入賞または所定時間の経過の何れかの条件が成立すると、大入賞口22を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態にする。
また、液晶表示装置12の下方には、第1始動口スイッチ104(図3参照)を有する第1始動口(始動入賞口)19が設けられている。この第1始動口19に遊技球が入賞した場合に特別図柄表示器15における特別図柄ゲームが開始され、複数列の識別情報を変動表示する変動表示状態に移行する。なお、特別図柄ゲームに関しては液晶表示装置12によって特別図柄を変動表示させるようにしても良い。
また、第1始動口19の下方の入賞領域には第2始動口スイッチ105(図3参照)を有する第2始動口23が設けられている。この第2始動口23に遊技球が入賞した場合にも第1始動口19に遊技球が入賞したときと同様に特別図柄表示器15における特別図柄ゲームが開始され、複数列の識別情報を変動表示する変動表示状態に移行する。
ここで、所定の可変表示開始条件とは、本実施の形態においては、第1始動口19または第2始動口23に遊技球が入賞したことを主な条件とする。また、その他にも、識別情報が導出表示されていることを条件ともする。すなわち、所定の可変表示開始条件が成立する毎に識別情報の可変表示を行うことになる。
また、特別図柄表示器15における特別図柄ゲームにおいて、識別情報の変動表示中に遊技球が第1始動口19または第2始動口23に入賞したことを条件(所定の可変表示保留条件)として、第1始動口19または第2始動口23への遊技球の入賞に基づく識別情報の可変表示の実行(開始)が保留される。
そして、所定の可変表示保留条件が成立した場合には、変動表示中の識別情報が導出表示される等の所定の可変表示開始条件が成立するまで、識別情報の可変表示の実行(開始)が保留されることになる。
識別情報の可変表示の実行が保留されている状態で、識別情報が導出表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示の実行が開始される。また、識別情報が導出表示された場合に実行される識別情報の可変表示の実行は1回分である。
例えば、識別情報の可変表示の実行が3回分保留されている状態で、識別情報が導出表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示のうち1回分が実行され、残りの2回分は保留される。
第1始動口19または第2始動口23への遊技球の入賞に基づく識別情報の可変表示の実行が保留される場合は、識別情報の可変表示が後から実行できるように始動記憶情報を、所定数(例えば、4つ)を上限に、後述するメインRAM34(図3参照)に記憶する。
このような始動記憶情報を記憶することによって、第1始動口19または第2始動口23への遊技球の入賞に基づく識別情報の可変表示が保留されるとともに、識別情報の可変表示の結果を決定するための情報が記憶される。
なお、第1始動口19または第2始動口23への遊技球の入賞に基づく識別情報の可変表示の実行が保留される場合に、メインRAM34に記録される情報を始動記憶情報という。
また、一般に、これらの始動記憶情報の数(所謂、「始動記憶数」)、すなわち保留されている識別情報の可変表示の実行回数は、特別図柄始動記憶表示器13に備えられた保留ランプ13a〜13dの点灯(発光)、消灯(消光)によって表示される。
また、上述した第1始動口19、第2始動口23、一般入賞口21および大入賞口22における通過領域および一般領域に遊技球が入賞または通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿6または下皿7に払出される。
特別図柄始動記憶表示器13は、表示オブジェクト(発光体)としての保留ランプ13a〜13dを備えており、保留ランプ13a〜13dの各々は1個のLED(発光ダイオード)ランプで構成されている。
この保留ランプ13a〜13dは、特別図柄表示器15における特別図柄ゲームにおいて、識別情報の変動表示中に遊技球が第1始動口19または第2始動口23に入賞して、始動記憶数が1つ増える場合(識別情報の可変表示の結果を決定するための始動記憶情報がメインRAM34に記憶される場合)、左から右に順番にそれぞれ1つずつ点灯して行く。
すなわち、1番左に位置する保留ランプ13aが点灯していない場合、特別図柄表示器15における特別図柄ゲームにおいて、識別情報の変動表示中に遊技球が第1始動口19または第2始動口23に入賞して、始動記憶数が1つ増える場合に保留ランプ13aがまず点灯し、次いで保留ランプ13b、保留ランプ13cの順に点灯し、保留ランプ13dが最後に点灯する。
また、保留される識別情報の可変表示の実行回数には各々上限が設定されており、本実施の形態においては、識別情報の可変表示の実行回数は各々4回が保留される。なお、識別情報の可変表示の実行が両方とも上限を設定することなく保留されるように構成しても良い。
図3は、パチンコ遊技機1の制御回路を示すブロック図である。
遊技制御手段としての主制御回路31は、制御手段であるメインCPU32、メインROM(読み出し専用メモリ)33、メインRAM(読み書き可能メモリ)34等を備えており、主制御回路31は、遊技の進行を制御する。
メインCPU32には、メインROM33、メインRAM34等が接続されており、メインROM33に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU32は、後述する各種の手段として機能することになる。
メインROM33には、メインCPU32によりパチンコ遊技機1の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブルや、演出を選択する際に参照される演出条件選択テーブル(遊技態様テーブルを含む)等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラム、テーブルについては後述する。
メインCPU32は、第1始動口19または第2始動口23に遊技球が入賞したことを条件として、大当り判定テーブルに基づいて乱数抽選を行い、大当り遊技状態に移行するか否かを決定し、大当り遊技状態と判定した場合に、通常遊技状態から大当り遊技状態に移行させ、大当り遊技状態を制御するようになっている。
図4は特別図柄遊技抽選テーブルを示す図であり、この特別図柄遊技抽選テーブルは大当り判定テーブルを含んでいる。大当り判定テーブルは、詳細しないが所定の乱数範囲の大当り用乱数値を備えており、通常遊技状態では大当りの抽選確率が1/199になるように大当り当選用の乱数値とはずれ当選用の乱数値が割り振られた低確率判定テーブルを含んでいる。
また、高確率状態(確変遊技状態)では大当りの抽選確率が1/190になるように大当り当選用の乱数値とはずれ当選用の乱数値が割り振られた高確率判定テーブルを含んでいる。但し、通常遊技状態の抽選確率と確変遊技状態の抽選確率は近似した値となっており、確変遊技状態で通常遊技状態に比べて大当りに当選する確率が少しだけ高くなる。本実施の形態では、メインCPU32が大当り抽選手段を構成している。
また、メインCPU32は、識別情報が停止態様で停止して大当りが発生したときに、遊技状態を大当り遊技状態に移行し、大当り遊技状態終了後の遊技状態を、特別図柄ゲームの転落抽選に当選するまで、大当り抽選確率を高確率にする特別図柄高確率遊技状態に移行するとともに、識別情報の変動表示時間を短縮させる時短遊技の制御を行う。
メインCPU32は、特別図柄高確率遊技状態中において、図4に示す高確率状態の大当り判定テーブルを参照して、大当りの抽選を行う。本実施の形態では、メインCPU32が特別図柄遊技状態移行手段を構成している。
また、メインROM33に記憶された特別図柄遊技抽選テーブルには、特別図柄転落判定テーブルが含まれており、この特別図柄転落判定テーブルは、詳細しないが所定の乱数範囲の転落判定用乱数値を備えている。この転落判定用乱数値は、転落率が1/333になるように転落当選の乱数値とはずれ当選用の乱数値が割り振られている。
メインCPU32は、遊技状態が特別図柄高確率遊技状態および時短遊技状態にあるときに、識別情報の変動毎に図8に示す普通図柄転落判定テーブルを参照して転落抽選を行い、転落に当選すると、高確率から通常確率に抽選確率を転落させるようになっている。本実施の形態では、メインCPU32が特別図柄転落抽選手段を構成している。
なお、本実施の形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体としてメインROM33を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であっても良く、例えば、ハードディスク装置、CD−ROMおよびDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていても良い。
また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードしてメインRAM34等に記録されるものでも良い。さらに、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていても良い。
また、本実施の形態においては、メインCPU32、メインROM33およびメインRAM34を別々に設けたが、これらが一体となっているワンチップマイコンを使用しても良い。
メインRAM34は、メインCPU32の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM34に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
メインRAM34には、制御状態フラグ、普通図柄制御状態フラグ、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、はずれ図柄決定用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、時短変動回数カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、特別図柄ゲームにおける始動記憶数を示すデータ、普通図柄ゲームにおける始動記憶数を示すデータ等が存在する出力に関する変数等が位置付けられている。また、メインRAM34には、後述する副制御回路41にコマンドを供給するためのデータ、変数等も位置付けられている。
制御状態フラグは、特別図柄ゲームの制御状態を示すものである。普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの制御状態を示すものである。
大当り判定用乱数カウンタは、特別図柄ゲームの当否を判定するためのものである。大当り図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄ゲームの結果を当選と判定した場合に、導出表示される識別情報を決定するためのものである。
はずれ図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄ゲームの結果を当選と判定しなかった場合に、導出表示する識別情報を決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、識別情報の変動表示パターンを決定するためのものである。
これらのカウンタは、メインCPU32により順次"1"増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU32の各種の機能を実行することになる。
なお、本実施の形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU32が、乱数カウンタを"1"増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成しても良い。また、はずれではあるが、リーチとするか否かを判定するためのリーチ判定用乱数カウンタを設けても良い。
待ち時間タイマは、主制御回路31と副制御回路41とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、シャッタ22aを駆動させ、大入賞口22を開放する時間を計測するためのものである。なお、本実施の形態におけるタイマは、メインRAM34において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPU等自体がタイマを備えていても良い。
大入賞口開放回数カウンタは、大当り遊技状態における大入賞口22の開放回数(所謂、「ラウンド数」)を示すものである。また、大入賞口入賞カウンタは、1ラウンド中に大入賞口22に入賞し、カウントスイッチ101を通過した遊技球の数を示すものである。
時短変動回数カウンタは、大当り遊技状態終了後の識別情報の変動回数をカウントするものであり、大当り遊技状態の終了後に所定変動回数だけセットされ、識別情報が変動する毎にカウンタ値が"1"減算されるようになっている。
また、始動記憶数を示すデータは、第1始動口19または第2始動口23に遊技球が入賞したが、識別情報の変動表示が実行できないときに、当該変動表示を保留するが、その保留されている識別情報の変動回数(始動記憶数を含む)を示すものである。また、メインRAM34には、特別図柄記憶領域および普通図柄記憶領域が位置付けられ、記憶されている。
特別図柄記憶領域は、特別図柄表示器15による特別図柄ゲームにおける1回の可変表示に対応する大当り判定用乱数値、大当り図柄用乱数値、クリアデータ等のデータが記憶されており、特別図柄記憶領域(0)〜特別図柄記憶領域(4)がある。
特別図柄記憶領域(0)には、今現在実行されている可変表示に対応するデータが記憶されている。また、特別図柄記憶領域(1)〜特別図柄記憶領域(4)には、現在実行されている可変表示が終了した後に実行される可変表示に対応するデータ(始動記憶情報)が記憶されている。
すなわち、特別図柄記憶領域(0)〜特別図柄記憶領域(4)の全てのデータがクリアデータである場合には、現在の可変表示が実行されず、可変表示を実行するための保留も行われていないことになる。
また、現在の識別情報の可変表示が終了した場合には、特別図柄記憶領域(1)〜特別図柄記憶領域(4)の各々のデータを、特別図柄記憶領域(0)〜特別図柄記憶領域(3)にシフトし、特別図柄記憶領域(4)にクリアデータを記憶する。これによって、特別図柄記憶領域の更新が行われる。
なお、本実施の形態においては、メインCPU32の一時記憶領域としてメインRAM34を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であれば良い。
また、主制御回路31は、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路35、ランプ制御回路36、副制御回路41に対してコマンドを供給するためのコマンド出力ポート37を備えている。また、これらの初期リセット回路35、ランプ制御回路36、コマンド出力ポート37は、メインCPU32に接続されている。
また、主制御回路31には、各種の装置が接続されており、例えば、カウントスイッチ101、一般入賞口スイッチ102、通過ゲートスイッチ103、第1始動口スイッチ104、第2始動口スイッチ105、可動部材ソレノイド106、大入賞口ソレノイド107、バックアップクリアスイッチ108等が接続されている。
カウントスイッチ101は、大入賞口22における通過領域に設けられており、この通過領域を遊技球が通過した場合に、所定の検出信号を主制御回路31に供給する。
一般入賞口スイッチ102は、一般入賞口21に設けられており、この一般入賞口スイッチ102は、一般入賞口21を遊技球が通過した場合に、所定の検出信号を主制御回路31に供給する。
通過ゲートスイッチ103は、通過ゲート18に設けられており、通過ゲートスイッチ103は、通過ゲート18を遊技球が通過したことを検出して所定の検出信号を主制御回路31に供給する。
第1始動口スイッチ104は、第1始動口19に設けられており、この第1始動口スイッチ104は、第1始動口19に遊技球が入賞した場合に、所定の検出信号を主制御回路31に供給する。
第2始動口スイッチ105は、第2始動口23に設けられており、この第2始動口スイッチ105は、第2始動口23に遊技球が入賞した場合に、所定の検出信号を主制御回路31に供給する。
可動部材ソレノイド106は、リンク部材(図示せず)を介して図2に示す羽根部材23a、23bに接続されており、メインCPU32から供給される駆動信号に応じて、羽根部材23a、23bを開放状態または閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド107は、図2に示すシャッタ22aに接続されており、メインCPU32から供給される駆動信号に応じて、シャッタ22aを駆動させ、大入賞口22を開放状態または閉鎖状態とする。
バックアップクリアスイッチ108は、パチンコ遊技機1に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
ランプ制御回路36には、特別図柄始動記憶表示器13、普通図柄始動記憶表示器14、特別図柄表示器15、普通図柄表示器16、ラウンド数表示器17が接続されており、ランプ制御回路36はメインCPU32からの駆動信号に基づいて特別図柄始動記憶表示器13、普通図柄始動記憶表示器14、特別図柄表示器15、普通図柄表示器16、ラウンド数表示器17の点灯表示制御を行う。
本実施の形態では、第1始動口19または第2始動口23に遊技球が入賞したときに、メインCPU32は、図4に示す特別図柄遊技抽選テーブルを参照し、通常遊技状態の大当り確率または高確率遊技状態の大当り確率に基づいて大当りの抽選を行い、この抽選結果に基づいてランプ制御回路36を制御することにより、特別図柄表示器15に表示される特別図柄の変動表示および停止表示を行うようになっている。本実施の形態では、ランプ制御回路36および特別図柄表示器15が特別図柄変動表示手段を構成している。
また、主制御回路31には、払出制御回路61が接続されており、この払出制御回路61には、遊技球の払出しを行う払出装置65が接続されている。また、主制御回路31には、発射制御回路62が接続されており、この発射制御回路62には遊技球の発射を行う発射装置67および発射ハンドル8が接続されている。
また、前面扉4の下部には球貸し操作パネル63が設けられており、この球貸し操作パネル63はパチンコ遊技機1に隣接して設けられたカードユニット64に接続されている。
カードユニット64にはプリペイドカード(あるいは現金)が投入されるようになっており、球貸し操作パネル63の操作に応じて一定の金額に相当する遊技球の払出信号を払出制御回路61に送信する。払出制御回路61はカードユニット64からの払出信号が入力されると、払出装置65に一定の数の遊技球を払出させる。
また、発射制御回路62は、発射装置67に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。なお、球貸し操作パネル63はカードの引き出し操作(または現金の払い戻し操作)も行う。
また、発射装置67には、上述した発射モータ、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられており、発射ハンドル8が遊技者によって把持され、かつ、時計回り方向に回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿6に貯留された遊技球が発射モータにより遊技領域10aに順次発射される。
また、メインCPU32は、通過ゲート18を遊技球が通過したときに通過ゲートスイッチ103からの検出情報に基づいて所定の抽選確率で普通図柄の当りの判定を行うようになっており、抽選結果に応じて可動部材ソレノイド106を駆動することにより、羽根部材23a、23bを開放状態および閉鎖状態の間で可変制御する。
本実施の形態では、メインCPU32が普通図柄当り抽選手段を構成しており、メインCPU32は、普通図柄の抽選結果が当選の場合に可動部材ソレノイド106を駆動して羽根部材23a、23bを所定時間開放状態に可変制御する。また、本実施の形態では、メインCPU32および可動部材ソレノイド106が羽根部材制御手段を構成している。
また、メインCPU32は、通過ゲート18を遊技球が通過したときに、ランプ制御回路36を駆動することにより、普通図柄表示器16を制御して普通図柄の変動表示および停止表示を行うようになっている。
具体的には、メインCPU32は、通過ゲート18を遊技球が通過したときに抽選を行い、この抽選中にランプ制御回路36を駆動して普通図柄表示器16により普通図柄を変動表示させ、抽選結果が出たときにランプ制御回路36を制御して普通図柄表示器16により普通図柄を変動停止させる。
メインCPU32は、普通図柄表示器16の普通図柄が変動停止したタイミングで可変部材ソレノイド106を駆動して羽根部材23a、23bを開放する。本実施の形態では、ランプ制御回路36および普通図柄表示器16が普通図柄変動表示手段を構成している。
一方、メインROM33には、図5に示すような普通図柄変動時間設定テーブルが記憶されており、この普通図柄変動時間設定テーブルは遊技状態とその遊技状態中の普通図柄表示器16の普通図柄の変動時間とが関連付けられている。
図5において、普通図柄変動時間設定テーブルは、通常遊技状態のような低確率時および大当り時(大当り遊技状態中)には、普通図柄の変動時間が30秒に設定されている。また、高確率時や時短遊技状態のように普通図柄の変動時間が短縮される変動時間短縮機能作動時には、普通図柄の変動時間が4秒に設定されている。
したがって、メインCPU32は、この普通図柄変動時間設定テーブルに基づいて各遊技状態中においてランプ制御回路36を制御することにより、普通図柄表示器16の普通図柄の変動時間を制御する。
また、メインROM33には、図6に示すような普通電動役物開放時間設定テーブルが記憶されており、この普通電動役物開放時間設定テーブルは遊技状態とその遊技状態中の羽根部材23a、23bの開放時間および開放回数とが関連付けられている。
図6において、普通電動役物開放時間設定テーブルは、通常遊技状態のような低確率時および大当り時(大当り遊技状態中)には、羽根部材23a、23bの開放時間が0.3秒で開放回数が1回に設定されている。また、高確率時や時短遊技状態のように識別情報の変動時間短縮機能動作時には、羽根部材23a、23bの開放時間が1.8秒で開放回数が3回に設定されている。
メインCPU32は、上記各遊技状態中に、遊技球が通過ゲート18を通過したときに、普通電動役物開放時間設定テーブルに基づいて羽根部材23a、23bを可変制御する。
本実施の形態では、特別図柄ゲームにおける遊技状態が特別図柄高確率遊技状態および時短遊技状態に移行したときに、メインCPU32は、普通図柄ゲームの抽選確率を通常確率から高確率に設定した後、普通図柄の変動表示時間を短縮するとともに、羽根部材23a、23bを開放状態とする時間を延長する普通図柄高確率遊技状態に移行するようになっており、メインCPU32が普通図柄遊技状態移行手段を構成している。
ここで、遊技球が第1始動口19に入賞した場合には、賞球数が"3球"に設定され、遊技球が大入賞口22に入賞した場合には、賞球数が"15球"に設定され、遊技球が一般入賞口21に入賞した場合には、賞球数が"12球"に設定されている。メインCPU32は、各入賞口に遊技球が入賞したときに、払出制御装置61を制御して払出装置65から払出される賞球数を決定するようになっている。
図7は、メインROM33には、図7に示す時短遊技回数振分テーブルが記憶されている。この時短遊技回数振分テーブルは、導出表示された複数列の識別情報の組合せが特定の表示態様となったときの識別情報の種類に応じて、大当り遊技状態終了後の時短遊技回数(識別情報の所定の変動回数)が振り分けられている。
具体的には、"3"、"7"の識別情報が揃ったときの時短遊技回数は、10%の抽選確率で"30回"に、20%の抽選確率で"60回"に、70%の抽選確率で"90回"に振り分けられるようになっている。
また、"1"、"5"、"9"の識別情報が揃ったときの時短遊技回数は、30%の抽選確率で"30回"に、50%の抽選確率で"60回"に、20%の抽選確率で"90回"に振り分けられるようになっている。
また、"2"、"4"、"6"、"8"の識別情報が揃ったときの時短遊技回数は、40%の抽選確率で"30回"に、40%の抽選確率で"60回"に、20%の抽選確率で"90回"に振り分けられるようになっている。
また、メインCPU32は、図4に示す高確率判定テーブルを参照して大当りの抽選を行い、大当りに当選したときには、この時短遊技回数振分テーブルを参照して、時間遊技回数の上限値を"30回"、"60回"、"90回"の何れかの時短遊技回数に振り分けるようになっている。
また、メインCPU32は、図4に示す低確率判定テーブルを参照して大当りの抽選を行い、大当りに当選したときには、この時間遊技回数の上限値を"無制限"に設定して、次回の大当りが発生するまで、あるいは特別図柄の高確率遊技状態が通常遊技状態に転落するまで時短遊技を行えるようにする。本実施の形態では、メインCPU32およびメインROM33が変動回数設定手段を構成している。
なお、無制限を上限値と表現しているのは、実際には、次回の大当りが発生するまで、あるいは特別図柄の高確率が転落するまで時短遊技を行うことができることから、実質的には有限値であるとも言える。また、無制限とする場合には、仮に"10000回"等の数値に置き換えても良い。
一方、メインCPU32は、普通図柄ゲームの高確率遊技状態から通常遊技状態への移行を図8に示す普通図柄転落判定テーブルに記憶された普通図柄転落抽選確率で決定するようになっており、普通図柄転落抽選手段を構成している。
図8に示す普通図柄転落判定テーブルは、メインROM33に記憶されており、普通図柄転落判定テーブルには、普通図柄高確率遊技状態から通常遊技状態に転落させる転落確率として、普通図柄高確率状態転落確率、普通図柄時短遊技状態転落確率、役物開放延長状態転落確率が設定されている。
普通図柄高確率状態転落確率は、詳細しないが所定の乱数範囲の普通図柄高確率転落判定用乱数値を備えており、転落の抽選確率が1/15になるように普通図柄高確率転落当選用の乱数値とはずれ当選用の乱数値が割り振られている。このため、普通図柄高確率状態が転落に当選すると、普通図柄ゲームにおける遊技状態が高確率遊技状態から通常遊技状態に抽選確率が移行する。
時短遊技状態転落確率は、詳細しないが所定の乱数範囲の普通図柄時短遊技状態転落判定用乱数値を備えており、転落の抽選確率が1/15になるように普通図柄時短遊技状態転落当選用の乱数値とはずれ当選用の乱数値が割り振られている。このため、この普通図柄時短遊技状態が転落に当選すると、普通図柄の変動表示時間を短縮した状態から通常の変動表示時間に移行する。
役物開放延長状態転落確率は、詳細しないが所定の乱数範囲の役物開放延長状態転落判定用乱数値を備えており、転落の抽選確率が1/15になるように役物開放延長状態転落当選用の乱数値とはずれ当選用の乱数値が割り振られている。このため、この役物開放延長状態が転落に当選すると、羽根部材23a、23bの開放時間が延長した状態から通常開放時間(短い開放時間)に移行する。
すなわち、本実施の形態では、普通図柄ゲームの高確率遊技状態から通常遊技状態への移行するための転落抽選を、特別図柄の変動表示毎に行い、転落抽選の判定を普通図柄高確率状態転落確率、時短遊技状態転落確率、役物開放延長状態転落確率毎に独立して行うようになっている。
なお、本実施の形態では、メインCPU32は、特別図柄ゲームにおける時短遊技状態中に、識別情報が"30回"、"60回"、"90回"と振り分けられた回数だけ変動を終了した後に普通図柄の転落抽選を行うようになっており、この転落抽選を普通図柄当り抽選、普通図柄の変動表示の制御および羽根部材23a、23bの開放制御の全てが転落するまで継続する。
したがって、特別図柄ゲームにおける時短遊技状態中に、識別情報が"30回"、"60回"、"90回"のそれぞれ変動表示を終了するまでは、すなわち、時短遊技状態が終了するまでは、普通図柄の表示制御と羽根部材23a、23bの開閉制御は高確率状態に維持され、普通図柄ゲームの高確率遊技状態から通常遊技状態への移行は行われない。
なお、メインCPU32は、特別図柄ゲームの高確率遊技中に特別図柄ゲームが通常遊技状態に転落した場合であっても、特別図柄ゲームの時短遊技は識別情報が"30回"、"60回"、"90回"変動表示するまで継続して行われるようになっている。
また、普通電動役物開放時間設定テーブル、普通図柄変動時間設定テーブル、特別図柄遊技抽選テーブル、普通図柄転落判定テーブル、時短遊技回数振分テーブルはメインROM33ではなく、メインRAM34に記憶しても良い。
また、コマンド出力ポート37には、副制御回路41が接続されている。この副制御回路41は、サブCPU42、プログラムROM43、液晶表示装置12の表示制御を行う表示制御回路45、スピーカ51L、51Rから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路50および装飾ランプ54の制御を行うランプ制御回路53を備え、主制御回路31からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、装飾ランプ54は図示していないが、前面扉4に設けられている。
サブCPU42にはプログラムROM43、ワークRAM44等が接続されており、サブCPU42は、このプログラムROM43に記憶されたプログラムに従って各種の処理を実行する機能を有する。
特に、サブCPU42は、主制御回路31から供給される各種のコマンドに従って副制御回路41の制御を行う。サブCPU42は、後述する各種の手段として機能することになる。
プログラムROM43には、サブCPU42によりパチンコ遊技機1の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、演出に関する決定を行うためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラムについては後述する。
なお、本実施の形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段としてプログラムROM43を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であっても良く、例えば、ハードディスク装置、CD−ROMおよびDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていても良い。
ワークRAM44は、サブCPU42の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等各種の変数等が位置付けられている。
なお、本実施の形態においては、サブCPU42の一時記憶領域としてワークRAM44を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であれば良い。
表示制御回路45は、画像データROM46、VDP(Video Display Processor)47、D/A変換回路48およびVRAM(ビデオラム)49を備えている。
画像データROM46には、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の液晶表示装置12に表示される各種の画像データが記憶されており、これらの各種画像データはサブCPU42から供給される画像表示命令に応じて読み出される。
VDP47は、サブCPU42で設定されたパラメータに応じて画像データROM46内の各種画像データを読み出して液晶表示装置12に表示すべき画像データを生成する。
サブCPU42は、メインCPU32からの送信された導出図柄指定コマンドに基づいて表示制御回路45を制御し、特別図柄表示器15における特別図柄の可変表示に合わせて液晶表示装置12によって装飾図柄の変動表示および停止表示を行うようになっている。本実施の形態では、表示制御回路45および液晶表示装置12が特別図柄変動表示手段を構成している。
D/A変換回路48は、VDP47で生成された画像データをD/A変換して液晶表示装置12に表示する。また、VRAM49は、VDP47で画像を形成するときの一時記憶手段として用いられる。
また、音声制御回路50は、音声に関する制御を行う音源IC(図示せず)、各種の音声データを記憶する音声データROM(図示せず)等から構成されている。音声制御回路50は、サブCPU42から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。
また、音声制御回路50は、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号を増幅させ、スピーカ51L、51Rから音声を発生させる。
ランプ制御回路53は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路(図示せず)、複数種類のランプ装飾パターン等が記憶されている装飾データROM(図示せず)等から構成されており、サブCPU42から供給される命令に基づいて、装飾ランプ54の発光制御を行う。
次に、パチンコ遊技機1で実行される処理を図9〜図30のフローチャートに基づいて説明する。なお、図9〜図30はメインCPU32によって実行される制御プログラムであり、この制御プログラムはメインRAM34に記憶されている。
図9に示すメイン処理では、まず、メインCPU32は、バックアップ復帰か否かを判別し(ステップS1)、バックアップ復帰でないものと判断した場合には、電断復帰処理を実行する(ステップS2)。
この電断復帰処理は、電断時におけるバックアップデータを復帰させる処理を行うものであり、メインCPU32は、電断復帰処理が終了すると、電断時アドレスに復帰する。なお、電断復帰後には、低確率判定テーブルがセットされ、低確率で大当りの判定が行われることになる。
また、メインCPU32は、ステップS1でバックアップ復帰と判断した場合には、メインRAM34やワークRAM44等の作業領域の初期化等を行う初期化処理を実行した後(ステップS3)、割込禁止を実行する(ステップS4)。
次いで、メインCPU32は、大当り判定用初期値乱数カウンタの大当り判定用乱数カウンタの初期値(スタート開始乱数値)を更新する等の初期値更新処理を実行した後(ステップS5)、割込許可を行う(ステップS6)。なお、大当り判定用乱数初期値カウンタは、大当り判定用乱数値が最大の乱数値に更新されたときに、スタート開始乱数値を決定するものである。
次いで、メインCPU32は、割込を許可してから6ms経過したか否かを判別し(ステップS7)、6ms経過していないものと判断した場合には、ステップS4に戻り、6ms経過したものと判断した場合には、主制御回路31と副制御回路41との同期を取るための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する大入賞口22の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等の各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS8)。
次いで、メインCPU32は、詳しくは図11を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、識別情報に関する特別図柄制御処理を実行した後(ステップS9)、詳しくは図22を用いて後述するが、普通図柄ゲームの進行に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS10)。ステップS10の処理において、メインCPU32は、普通図柄制御状態フラグに基づいて、普通図柄ゲームにおける当り判定等を実行する。
次いで、メインCPU32はランプ制御回路36を制御して特別図柄表示器15、普通図柄表示器16およびラウンド数表示器17を制御する図柄表示装置制御処理を実行した後(ステップS11)、遊技状態に応じてホールコンピュータ等の外部機器に信号を出力する遊技情報データ生成処理を実行する(ステップS12)。
この遊技情報データ生成処理では、大当りが発生したことを示す大当りコマンド、大当り遊技の終了後の遊技状態が通常遊技であることを示す時短コマンド、確変遊技であることを示す確変コマンド等の遊技状態コマンドを外部機器に送信するものであり、外部機器は遊技状態コマンドに応じて各パチンコ遊技機1の遊技状態を把握することができる。
次いで、メインCPU32は、ランプ制御回路36を制御して特別図柄始動記憶表示器13や普通図柄始動記憶表示器14の表示データを更新する図柄保留個数データ生成処理を実行した後(ステップS13)、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号を可動部材ソレノイド106、大入賞口ソレノイド107、発射モータ等に出力するポート出力処理を実行する(ステップS14)。
次いで、メインCPU32は、第1始動口19、第2始動口23または大入賞口22に遊技球が入賞したことを示すコマンドを出力する入賞口関連コマンド制御処理を実行した後(ステップS15)、始動記憶数が変化した場合に(保留球が消化された場合)、始動記憶数表示コマンドを送信する記憶・遊技状態コマンド制御処理を実行する(ステップS16)。
この記憶・遊技状態コマンド制御処理では、例えば、始動記憶数が"3"から"2"になった場合に始動記憶数が"2"であることを示す始動記憶数表示コマンドを送信する。
次いで、メインCPU32は、各種のコマンドを副制御回路41や外部機器に送信するコマンド出力制御処理を実行した後(ステップS17)、払出装置65に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出制御回路61に送信する等の払出処理を実行する(ステップS18)。
このメイン処理においては、ステップS3の初期化処理が終了した後、ステップS4からステップS18の処理を繰り返し実行することになる。
また、メインCPU32は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、タイマ割込処理を実行する場合があり、図示しないリセット用クロックパルス発生回路から所定の周期(例えば2ms)毎に発生されるクロックパルスに応じて、図10に示すタイマ割込処理を実行する。
図10はタイマ割込み処理を示すフローチャートである。図10において、最初に、メインCPU32は、レジスタを退避させた後(ステップS21)、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を"1"増加するように乱数更新処理を実行する(ステップS22)。
次いで、メインCPU32は、第1始動口19および第2始動口23、通過ゲート18、一般入賞口21、大入賞口22等の遊技球の入賞または通過を検知するスイッチ入力処理を実行した後(ステップS23)、レジスタを復帰させる(ステップS24)。スイッチ入力処理は、後述するように図28に基づいて詳述する。このレジスタ復帰処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスに復帰し、メイン処理を実行させる。
図28はスイッチ入力処理のフローチャートである。図28において、メインCPU32は、賞球関連スイッチチェック処理を実行する(ステップS351)。この処理において、メインCPU32は、賞球に関連するスイッチであるカウントスイッチ101、一般入賞口スイッチ102、第1始動口スイッチ104および第2始動口スイッチ105等の各種のセンサより、所定の検出信号が供給されているかを検出する。
そして、これら所定の信号の検出処理を行ったメインCPU32は、信号を供給したセンサに応じて、賞球の数を決定し、メインRAM34に記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS352に処理を移す。
ステップS352においては、特別図柄関連スイッチ入力処理を実行する。詳しくは図29を用いて後述するが、この特別図柄関連スイッチ入力処理では、特別図柄としての識別情報に関連する第1始動口スイッチ104および第2始動口スイッチ105等より所定の信号が供給されているかを検出する。これら所定の信号の検出処理を行ったメインCPU32は、後述するような処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS353に処理を移す。
ステップS353においては、普通図柄関連スイッチ入力処理を実行する。詳しくは図30を用いて後述するが、この普通図柄関連スイッチ入力処理では、通過ゲートスイッチ103が所定の検出信号をメインCPU32に供給する。これら所定の信号を受け取ったメインCPU32は、普通図柄の始動記憶等の処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
図29は図28のステップS352で実行される特別図柄関連スイッチ入力処理を示すフローチャートである。
図29において、メインCPU32は、カウントスイッチ101の入力があるか否かを判別し(ステップS361)、カウントスイッチ101の入力がある場合には 大入賞口22に入賞があるものと判断してステップS362に進み、カウントスイッチ101の入力がない場合には大入賞口22に入賞がないものと判断してステップS364進む。
ステップS362では、メインCPU32は、カウントスイッチ検出時処理を実行した後、カウントスイッチ入力フラグを"オン"にした後(ステップS363)、第1始動口スイッチ104または第2始動口スイッチ105に入力があるか否かを判別する(ステップS364)。
ステップS364で第1始動口スイッチ104または第2始動口スイッチ105に入力がある場合には、メインCPU32は、第1始動口19または第2始動口23に入賞があるものと判断して始動口スイッチ検出時処理を実行した後(ステップS365)、本サブルーチンを終了する。
図30は図28のステップS353において実行される普通図柄関連スイッチ入力処理のフローチャートである。
図30において、まず、メインCPU32は、通過ゲートスイッチ103からの検出信号に基づいて特定領域である通過ゲート18を遊技球が通過したか否かを判別する(ステップS371)。
メインCPU32は、ステップS101で通過ゲート18を通過したものと判断した場合には、メインRAM34の普通図柄記憶領域に記憶された普通図柄の記憶数が"4個"以上であるか否かを判別し(ステップS372)、普通図柄の記憶数が"4個"以上であれば、本サブルーチンを終了する。
また、メインCPU32は、ステップS372で普通図柄の記憶数が"4個"以上でないものと判断した場合には、羽根部材23a、23bを開放する抽選を行うための普通図柄当否乱数値を抽出した後(ステップS373)、抽出した乱数値をメインRAM34に記憶する(ステップS374)。
次いで、メインCPU32は、普通図柄記憶指定コマンドをメインRAM34にセットした後(ステップS375)、本サブルーチンを終了する。
図11は図9のステップS9において実行される特別図柄制御処理である。
図11において、特別図柄制御処理では、メインCPU32は、常に制御状態フラグをロードする処理を実行し、後述するステップS51〜ステップS58において、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS51〜ステップS58における処理の何れかを実行可能にするものである。
これに加えて、メインCPU32は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行することになる。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することとなる。勿論、所定の周期でタイマ割込処理も実行する。
まず、ステップS51においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図12を用いて後述するが、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、始動記憶数のチェックを行い、始動記憶数がある場合に、大当り判定、識別情報の可変表示パターンの決定を行う。
また、メインCPU32は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された可変表示パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。
すなわち、今回決定された可変表示パターンに対応する変動時間を経過した後、ステップS51の処理を実行するように設定するのである。一方、始動記憶数がない場合には、デモ画面が表示される。この処理が終了した場合には、ステップS52に処理を移す。
ステップS52においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。詳しくは図13を用いて後述するが、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)である場合には、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットしてステップS53の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS53に処理を移す。
ステップS53においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。詳しくは図14を用いて後述するが、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。
メインCPU32は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、ステップS54の処理を実行するように設定するのである。
一方、メインCPU32は、大当りではない場合に、はずれであるか否かを判断し、はずれであるものと判断した場合には、特別図柄ゲームの終了を示す値(07)を制御状態フラグにセットしてステップS54の処理を実行する。
ステップS54においては、大当り開始インターバル管理処理を実行する。詳しくは図15を用いて後述するが、メインCPU32は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)である場合には、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば28秒)を大入賞口開放時間タイマにセットしてステップS56の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS55に処理を移す。
ステップS55においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。詳しくは図16を用いて後述するが、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(05)である場合に、大入賞口22の開放に関する制御を行い、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットし、ステップS56の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS56に処理を移す。
ステップS56においては、大入賞口開放中処理を実行する。詳しくは図17を用いて後述するが、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが"9"以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが"0"である)という条件の何れかを満たすか否かを判断し、この条件を満たすときに、大当り終了インターバルを示す値(06)を制御状態フラグにセットし、この条件を満たさないときに、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。
メインCPU32は、大当り終了インターバルを示す値(06)を制御状態フラグにセットすると、ステップS57の処理を実行するように設定し、または、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(05)を制御状態フラグにセットしてステップS55の処理を実行するように設定し、この処理が終了すると、ステップS57に処理を移す。
ステップS57においては、大当り終了インターバル処理を実行する。詳しくは図18を用いて後述するが、メインCPU32は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(06)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07)を制御状態フラグにセットする。すなわち、ステップS58の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS58に処理を移す。
ステップS58においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。詳しくは図19を用いて説明するが、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(07)である場合に、ステップS55の処理を実行するように設定して、特別図柄制御処理を終了する。
図12は図11のステップS51において実行される特別図柄記憶チェック処理のフローチャートである。
図12において、まず、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判定を行い(ステップS71)、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるものと判断した場合には、ステップS72に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値でないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS72において、メインCPU32は、始動記憶数が"0"以上であるか否かの判定を行い、始動記憶数を示すデータが"0"以上でないものと判断した場合には、保留球がないものと判断してステップS73に処理を移し、始動記憶数を示すデータが"0"以上であるものと判断した場合には、保留球があるものと判断してステップS74に処理を移す。
また、ステップS73においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、デモ表示を行わせるために副制御回路41にデモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM34に記憶する。これによって、液晶表示装置12において、デモ画面の表示が実行されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
また、ステップS74においては、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU32は、特別図柄変動時間管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移す。
ステップS75においては、始動記憶数を示すデータを"1"減算するようにメインRAM34の記憶領域を更新する。また、メインCPU32は、特別図柄記憶領域(1)〜特別図柄記憶領域(4)のデータのそれぞれを、特別図柄記憶領域(0)〜特別図柄記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行する。
次いで、メインCPU32は、図20に示す大当り判定処理を実行する(ステップS76)。この処理において、メインCPU32は、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、大当り判定テーブルとを参照する。
すなわち、メインCPU32は、遊技領域に設けられた第1始動口19または第2始動口23を遊技球が通過したことを条件に、識別情報の可変表示の結果に基づく大当り遊技状態に移行させるか否かを判定した後、ステップS77に処理を移す。
ステップS77では、メインCPU32は、図21に示す普通図柄転落判定処理を実行する。この普通図柄転落判定処理は、普通図柄ゲームの高確率遊技状態から通常遊技状態への移行を判定する処理である。
次いで、メインCPU32は、大当りまたははずれに当選したときの特別図柄を決定する特別図柄決定処理を実行して(ステップS78)、ステップS79に処理を移す。
ステップS79では、メインCPU32は、可変表示パターン決定処理を実行する。この可変表示パターン決定処理において、メインCPU32は、演出条件選択用乱数カウンタから演出条件選択用乱数値を抽出し、ステップS78で決定した特別図柄に対応する可変表示パターンを決定し、メインRAM34の記憶領域に記憶する。このように記憶された可変表示パターンを示すデータは、図9のステップS17の処理により、主制御回路31のメインCPU32から副制御回路41のサブCPU42に可変表示パターン指定コマンドとして供給される。
副制御回路41のサブCPU42は、受信した可変表示パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS80に処理を移す。
ステップS80では、メインCPU32は、今回の可変表示に用いられたメインRAM34の特別図柄記憶領域(0)をクリアする処理を実行し、この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
図13は図11のステップS52において実行される特別図柄変動時間管理処理のフローチャートである。
図13において、まず、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であるか否かを判別し(ステップS81)、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値であるものと判断した場合には、ステップS82に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値でないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS82においては、メインCPU32は、待ち時間タイマが"0"であるか否かを判別し、待ち時間タイマが"0"であるものと判断した場合には、変動時間が経過したものと判断して特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットするとともに、図柄停止コマンドをセットする(ステップS83)。
次いで、メインCPU32は、確定後待ち時間(例えば750ms)を待ち時間タイマにセットして(ステップS84)、本サブルーチンを終了する。
図14は図11のステップS53において実行される特別図柄表示時間管理処理のフローチャートである。
図14において、まず、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であるか否かの判定を行い(ステップS91)、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値であるものと判断した場合には、ステップS92に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値でないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS92においては、メインCPU32は、待ち時間タイマが"0"であるか否かを判別し、待ち時間タイマが"0"でないものと判断した場合には、確定後待ち時間が経過していないものと判断して本サブルーチンを終了し、待ち時間タイマが"0"であるものと判断した場合には、確定後待ち時間が経過したものと判断し、大当りか否かの判定を行う(ステップS93)。
メインCPU32は、ステップS93で大当りであるものと判断した場合には、遊技状態フラグが高確率フラグであるか否かを判別し(ステップS94)、遊技状態フラグが高確率フラグであるものと判断した場合には、時短遊技回数決定用フラグを"1"に設定し(ステップS96)、遊技状態フラグが高確率フラグでないものと判断した場合には、時短遊技回数決定用フラグを"0"、すなわち、"無制限"に設定する(ステップS95)。この場合には、時短変動回数カウンタの減算は行わない。
次いで、メインCPU32は、メインRAM34の記憶領域に記憶された大当り判定フラグ、大入賞開放回数カウンタ、遊技状態フラグ、時短フラグおよび時短遊技状態変動回数カウンタをそれぞれクリアした後(ステップS97)、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットする(ステップS98)。
次いで、メインCPU32は、大当り開始インターバルに対応する待ち時間(例えば、5秒)を待ち時間タイマにセットした後(ステップS99)、大当り開始コマンドをメインRAM34の記憶領域にセットする(ステップS100)。
次いで、メインCPU32は、大入賞口開放回数の上限値データとして、大当りであれば、"15ラウンド"にセットした後(ステップS101)、大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグを"15ラウンド"にセットして(ステップS102)、本サブルーチンを終了する。
一方、メインCPU32は、ステップS93で大当りと判断しなかった場合には、メインRAM34の記憶領域に記憶された転落フラグが"1"にセットされているか否かを判別し(ステップS104)、この値が"1"であるものと判断した場合には、ステップS103に進み、"1"でないものと判断した場合には本サブルーチンを終了する。
ステップS105では、メインCPU32は、特別図柄ゲームにおいて、高確率遊技状態から通常遊技状態に転落したものと判断して、メインRAM34の記憶領域に遊技状態フラグとして低確率フラグをセットするとともに、遊技状態コマンドとして低確率コマンドをセットし、さらに、転落フラグをクリアして本サブルーチンを終了する。
図15は図11のステップS54において実行される大当り開始インターバル管理処理のフローチャートである。
図15において、まず、メインCPU32は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であるか否かの判別を行い(ステップS111)、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値であるものと判断した場合には、ステップS112に処理を移し、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値でないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS112おいては、メインCPU32は、待ち時間タイマが "0"であるか否かの判別を行い、待ち時間タイマが"0"であるものと判断した場合には、ステップS113に処理を移し、待ち時間タイマが"0"でないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS113においては、メインCPU32は、メインRAM34の記憶領域に大入賞口開放中表示コマンドとして"1ラウンド"をセットした後、ステップS114に進んで大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。
次いで、メインCPU32は、大入賞口入賞カウンタの値をクリアした後(ステップS115)、大入賞口開放時間として待ち時間タイマをメインRAM34の記憶領域にセットする(ステップS116)。この待ち時間タイマは、大当りの場合には"28秒"にセットされる。次いで、メインCPU32は、メインRAM34の記憶領域に大入賞口開放中データをセットして(ステップS117)、本サブルーチンを終了する。
図16は図11のステップS55において実行される大入賞口再開放待ち時間管理処理のフローチャートである。
図16において、まず、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(05)であるか否かを判別し(ステップS121)、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値でないものと判断した場合に、本サブルーチンを終了し、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値であるものと判断した場合には、待ち時間タイマが"0"であるか否かを判別する(ステップS122)。
メインCPU32は、待ち時間タイマが"0"でないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了し、待ち時間タイマが"0"であるものと判断した場合には、メインRAM34の記憶領域に記憶された大入賞口開放回数カウンタを"1"増加させる(ステップS123)。
次いで、メインCPU32は、メインRAM34に記憶された大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数カウンタの上限値よりも大きいか否かを判別し、すなわち、大当り遊技状態の最終ラウンド(15ラウンド)であるか否かを判断する(ステップS124)。
メインCPU32は、ステップS124で大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数カウンタの上限値よりも小さいものと判断した場合には、ステップS125に処理を移し、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数カウンタの上限値よりも大きいものと判断した場合には、ステップS126に処理を移す。
ステップS125では、メインCPU32は、メインRAM34の記憶領域に、大入賞口開放中表示コマンドとして現在実行中のラウンド数(Xラウンド)をコマンドデータとしてセットしてステップS127に進む。
一方、S126においては、メインCPU32は、メインRAM34の記憶領域に大入賞口開放中表示コマンドとして最終ラウンド数をコマンドデータとしてセットしてステップS127に進む。
ステップS127では、メインCPU32は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。次いで、メインCPU32は、メインRAM34の記憶領域に記憶された大入賞口入賞カウンタの値をクリアする(ステップS128)。
次いで、メインCPU32は、大入賞口開放時間としての待ち時間タイマをセットする(ステップS129)。この待ち時間タイマは、大当りの場合には"28秒"にセットされる。次いで、メインCPU32は、メインRAM34の記憶領域に大入賞口開放中データをセットして(ステップS130)、本サブルーチンを終了する。
図17は図11のステップS56において実行される大入賞口開放中処理のフローチャートである。
図17において、まず、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)であるか否かを判別し(ステップS131)、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値を示す値でないものと判断した場合に、本サブルーチンを終了し、大入賞口開放中を示す値であるものと判断した場合には、メインRAM34の記憶領域に記憶された大入賞口入賞カウンタの値が"9"以上であるか否かを判別する(ステップS132)。
メインCPU32は、大入賞口入賞カウンタの値が"9"以上であるものと判断した場合には、ステップS134に処理を移し、大入賞口入賞カウンタの値が"9"以上でないものと判断した場合には、待ち時間タイマが"0"であるか否かを判別する(ステップS133)。
メインCPU32は、待ち時間タイマが"0"でないものと判断した場合には、大入賞口22に入賞した遊技球の数が"9"個以下であり、シャッタ22aの待ち時間タイマの値が閉鎖時間に到達していないものと判断して本サブルーチンを終了する。
ステップS134では、メインCPU32は、大入賞口22に入賞した遊技球の数が"9"個以上であり、待ち時間タイマの値がシャッタ22aの閉鎖時間に到達したものと判断して、メインRAM34の記憶領域に大入賞口閉鎖データをセットする。
次いで、メインCPU32は、メインRAM34に記憶された大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数カウンタの上限値よりも大きいか否かを判断し(ステップS135)、大入賞口開放回数カウンタ値が大入賞口開放回数カウンタの上限値よりも大きいものと判断した場合には、ステップS136に処理を移し、大入賞口開放回数カウンタ値が大入賞口開放回数カウンタの上限値よりも小さいものと判断した場合に、ステップS139に処理を移す。
ステップS136では、待ち時間タイマに大当り終了インターバル表示時間として"5秒"の待ち時間をセットする。
次いで、メインCPU32は、大当り終了インターバルを示す値(06)を制御状態フラグにセットした後(ステップS137)、メインRAM34の記憶領域に大当り終了表示コマンドをセットして(ステップS138)、本サブルーチンを終了する。
一方、メインCPU32は、ステップS139で 待ち時間タイマにラウンド間インターバル表示時間として"2秒"の待ち時間をセットする。次いで、メインCPU32大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(05)を制御状態フラグにセットした後(ステップS140)、メインRAM34の記憶領域にラウンド間表示コマンドをセットして(ステップS141)、本サブルーチンを終了する。
図18は図11のステップS57において実行される大当り終了インターバル処理のフローチャートである。
図18において、まず、メインCPU32は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(06)であるか否かの判定を行い(ステップS151)、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値であるものと判断した場合には、ステップS152に処理を移し、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値でないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS152においては、メインCPU32は、待ち時間タイマが "0"であるか否かの判定を行い、待ち時間タイマが"0"であるものと判断した場合には、ステップS153に処理を移し、待ち時間タイマが"0"でないものと判断しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS153においては、メインCPU32は、大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグをクリアした後、特別図柄ゲーム終了を示す値(07)を制御状態フラグにセットする(ステップS154)。
次いで、メインCPU32は、遊技状態フラグとして高確率フラグをメインRAM34の記憶領域にセットした後(ステップS155)、遊技状態コマンドとして確変コマンドおよび時短コマンドをメインRAM34の記憶領域にセットする(ステップS156)。
次いで、メインCPU32は、時短遊技回数決定用フラグが"1"であるか否かを判別し(ステップS157)、時短遊技回数決定用フラグが"1"であるものと判断した場合には、ステップS159に進み、時短遊技回数決定用フラグが"1"でないものと判断した場合には、ステップS158に進む。
ステップS159では、メインCPU32は、図7に示す時短遊技回数振分テーブルを参照して、時短遊技回数の抽選を行い、当選した時間遊技回数の値(所定の値)をメインRAM34の時短変動回数カウンタにセットした後、時短フラグをセットして(ステップS160)、本サブルーチンを終了する。
また、ステップS158では、メインCPU32は、時短無制限フラグをセットした後、本サブルーチンを終了する。この結果、大当り遊技状態の終了後の高確率遊技状態において実行される時短遊技回数が決定する。
図19は図11のステップS58において実行される特別図柄ゲーム終了処理のフローチャートである。
図19において、まず、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(07)であるか否かを判別し(ステップS171)、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値であるものと判断した場合には、ステップS172に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値でないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS172では、メインCPU32は、メインRAM34の記憶領域に記憶された大当りフラグの値をクリアするとともに、特別図柄記憶チェックを示す値(00)を制御状態フラグにセットして本サブルーチンを終了する。
図20は図12のステップS76で実行される大当り判定処理のフローチャートである。
図20において、まず、メインCPU32は、遊技状態フラグが高確率フラグであるか否かを判別し(ステップS181)、高確率フラグであるものと判断した場合にはステップS184に進み、高確率フラグでないものと判断した場合にはステップS182に進む。
ステップS182では、メインCPU32は、図4に示す低確率テーブルを参照して1/199の抽選確率で大当りの抽選を行い、大当りに当選したか否かを判別する(ステップS183)。
メインCPU32は、ステップS183で大当りに当選したものと判断した場合には、ステップS186に処理を移し、大当りに当選していないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
また、ステップS184では、メインCPU32は、図4に示す高確率テーブルを参照して1/190の抽選確率で大当りの抽選を行い、大当りに当選したか否かを判別する(ステップS185)。
メインCPU32は、ステップS185で大当りに当選したものと判断した場合には、ステップS186に処理を移し、大当りに当選していないものと判断した場合には、ステップS187に処理を移す。
メインCPU32は、ステップS186でメインRAM34の記憶領域に大当りフラグをセットした後、本サブルーチンを終了する。また、メインCPU32は、ステップS187で図4に示す特別図柄転落判定テーブルを参照して1/333の抽選確率で転落判定処理を行い、転落の可否を判定する(ステップS188)。
メインCPU32は、ステップS188で転落に当選しないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了し、転落に当選したものと判断した場合には、メインRAM34の記憶領域に転落フラグをセットする(ステップS189)。この転落フラグは図14のステップS104で参照される。
図21は図12のステップS77で実行される普通図柄転落判定処理のフローチャートである。
図21において、まず、メインCPU32は、メインRAM34の記憶領域に普通図柄転落判定フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS191)、普通図柄転落判定フラグがセットされていないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了し、普通図柄転落判定フラグがセットされているものと判断した場合には、図8に示す普通図柄転落判定テーブルを参照して、普通図柄転落判定を行う(ステップS192)。
次いで、メインCPU32は、転落判定に当選した普通図柄機能があるか否か、すなわち、普通図柄高確率状態の転落に当選したか、普通図柄時短遊技状態の転落に当選したか、あるいは役物開放延長状態の転落に当選したのかを判別し(ステップS193)、当選した普通図柄機能がない場合には、本サブルーチンを終了する。
また、メインCPU32は、転落判定に当選した普通図柄機能があるものと判断した場合には、転落判定に当選した普通図柄機能の転落処理を行う(ステップS194)。この転落処理は、転落した普通図柄機能に対応する普通図柄高確率フラグ、時短遊技フラグ、普通図柄役物開放延長フラグを"オフ"にする。
次いで、メインCPU32は、全ての普通図柄機能が転落したか否かを判別し(ステップS195)、全ての普通図柄機能に転落していないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了し、全ての普通図柄機能に転落したものと判断した場合には、普通図柄転落判定フラグをクリアする。
図22は図9のステップS10において実行される普通図柄制御処理である。
図22において、まず、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS201)。この処理において、メインCPU32は、普通図柄制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
なお、後述するステップS202〜ステップS206において、メインCPU32は、後述するように、普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判別することになる。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS202〜ステップS206における処理の何れかを実行可能にするものである。
また、それに加えて、メインCPU32は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。勿論、所定の周期でタイマ割込処理も実行する。
ステップS202においては、普通図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図23を用いて後述するが、メインCPU32は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、始動記憶数のチェックを行い、始動記憶数がある場合に、大当り判定、普通図柄の変動パターンの決定を行う。
また、メインCPU32は、普通図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、ステップS203の処理を実行するように設定するのである。
ステップS203においては、普通図柄変動時間管理処理を実行する。普通図柄変動時間管理処理では、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間管理を示す値(01)であり、メインCPU32は、変動時間が経過した場合に、普通図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば0.5秒)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、確定後待ち時間が経過した後、ステップS204の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
ステップS204においては、普通図柄表示時間管理処理を実行する。詳しくは図25を用いて後述するが、この処理において、メインCPU32は、制御状態フラグが普通図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判別する。
メインCPU32は、当りである場合に、普通電動役物開放処理を示す値(03)を制御状態フラグにセットして、ステップS205の処理を実行するように設定し、当りではない場合に、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)をセットして、ステップS206の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS205に移行する。
ステップS205においては、普通電動役物開放処理を実行する。詳しくは図26を用いて後述するが、この普通電動役物開放処理では、メインCPU32は、普通図柄制御状態フラグが普通電動役開放を示す値(03)である場合に、普通電動役物入賞カウンタが"4"以上であるという条件、開放上限時間を経過した(普通電動役物開放時間タイマが"0"である)という条件の何れかを満たすか否かを判別する。
メインCPU32は、何れかの条件を満たした場合に、羽根部材23a、23bを閉鎖させるために、メインRAM34に位置付けられた変数を更新する。メインCPU32は、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)を普通図柄制御状態フラグにセットする。
ステップS206においては、普通図柄ゲーム終了処理を実行する。詳しくは図27を用いて後述するが、この普通図柄ゲーム終了処理では、メインCPU32は、普通図柄制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(04)である場合に、特別図柄記憶チェックを示す値(00)を普通図柄制御状態フラグにセットして普通図柄制御処理を終了する。上述したように、普通図柄制御状態フラグをセットすることにより、普通図柄ゲームが実行されることになる。
図23は図22のステップS202において実行される普通図柄記憶チェック処理のフローチャートである。
図23において、まず、メインCPU32は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判別を行い(ステップS211)、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値であるものと判断した場合には、ステップS212に処理を移し、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値でないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
そして、ステップS212においては、メインCPU32は、始動記憶数、すなわち、保留個数が"0"であるか否かの判別を行い、保留個数を示すデータが"0"であるものと判断した場合には、ステップS214に処理を移し、保留個数を示すデータが"0"でないものと判断した場合には、ステップS213に処理を移す。
ステップS214においては、普通図柄デモ表示処理を実行する。この普通図柄デモ表示処理において、メインCPU32は、デモ表示を行わせるために普通図柄表示器16にデモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM34に記憶する。これによって、普通図柄表示器16において、デモ表示が実行されることになる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
また、ステップS213においては、メインRAM34の記憶領域の普通図柄高確率フラグが"オン"であるか否かを判別し、この判別結果が"YES"の場合にはステップS215に処理を移し、"NO"の場合にはステップS216に処理を移す。このステップS213では、普通図柄高確率状態の転落に当選した場合に普通図柄の大当り抽選確率が通常確率状態に転落するのである。
但し、特別図柄の時短遊技状態中には、普通図柄高確率フラグは"オン"になっているので、この判定結果は必ず"YES"になる。そして、特別図柄の時短遊技状態が終了、すなわち、振り分けられた時短遊技回数"30回"、"60回"または"90回"が終了したときに、普通図柄高確率フラグは転落を示す"オフ"になる可能性がある。
ステップS215では、高確率状態普通図柄判定処理を行う。この高確率状態普通図柄判定処理では、メインCPU32は、ステップS213で普通図柄高確率フラグが"オン"になっていることから特別図柄ゲームの時短遊技状態中であるものと判断し、遊技球が通過ゲート18を通過したときに取得した普通図柄当り判定用乱数値を普通図柄当り乱数値と比較し、1/1.01の高い確率に設定された抽選確率で普通図柄の当り判定処理を行う。
また、ステップS216では、通常確率状態普通図柄判定処理を行う。この通常確率状態普通図柄判定処理では、メインCPU32は、ステップS213で普通図柄高確率フラグが"オフ"になっている場合でも、特別図柄ゲームの時短遊技状態中に普通図柄高確率転落抽選に当選して普通図柄高確率フラグが"オフ"になっていることもあるので、遊技球が通過ゲート18を通過したときに取得した普通図柄当り判定用乱数値を普通図柄当り乱数値と比較し、通常遊技状態の普通図柄の当り抽選確率と同じ1/128に設定された抽選確率で普通図柄の当り判定処理を行う。
なお、高確率の抽選確率と通常遊技状態の通常確率は、メインROM33に記憶された普通当り判定テーブルによって設定されており、大当りの抽選確率がそれぞれ1/1.01または1/128になるように大当り当選用の乱数値とはずれ当選用の乱数値が割り振られている。
ステップS215またはステップS216の処理が終了すると、メインCPU32は、メインRAM34の記憶領域の時短遊技フラグが"オン"であるか否かを判別し(ステップS217)、時短遊技フラグが"オン"であるものと判断した場合には、ステップS218に進み、時短遊技フラグが"オン"でないものと判断した場合には、ステップS219に進む。
但し、特別図柄の時短遊技状態中には、時短遊技フラグは"オン"になっているので、この判定結果は必ず"YES"になる。そして、特別図柄の時短遊技状態が終了、すなわち、振り分けられた時短遊技回数"30回"、"60回"または"90回"が終了したときに、普通図柄高確率フラグは転落を示す"オフ"になる可能性がある。
ステップS218では、メインCPU32は、5.1秒変動パターンコマンドデータ普通図柄待ち時間タイマを、"5.1秒"にセットした後、普通図柄変動時間管理を示す値(01)を普通図柄制御状態フラグにセットする(ステップS220)。
また、ステップS219では、メインCPU32は、30秒変動パターンコマンドデータ普通図柄待ち時間タイマを、"30秒"にセットした後、ステップS220に進む。すなわち、ステップS217では、普通図柄時短遊技状態から転落した場合に、普通図柄の変動時間が30秒に延長されるのである。ステップS220の処理が終了すると、メインCPU32は、今回の変動に用いられた記憶領域をクリアして(ステップS221)、本サブルーチンを終了する。
図24は図22のステップS203において実行される普通図柄表示時間管理処理のフローチャートである。
図24において、まず、メインCPU32は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間管理を示す値(01)であるか否かの判別を行い(ステップS231)、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間管理を示す値であるものと判断した場合には、ステップS232に処理を移し、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間管理を示す値でないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS232では、メインCPU32は、普通図柄待ち時間タイマが"0"であるか否かを判別し、普通図柄待ち時間タイマが"0"でない場合には、本サブルーチンを終了し、普通図柄待ち時間タイマが"0"である場合には、普通図柄表示時間管理を示す値(02)を普通図柄制御状態フラグにセットする(ステップS233)。
次いで、メインCPU32は、確定後待ち時間(0.5s)を普通図柄待ち時間タイマにセットして(ステップS234)、本サブルーチンを終了する。
図25は図22のステップS204において実行される普通図柄表示時間管理処理のフローチャートである。
図25において、まず、メインCPU32は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間管理を示す値(02)であるか否かの判別を行い(ステップS241)、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間管理を示す値であるものと判断した場合には、ステップS242に進み、普通図柄表示時間管理を示す値でないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS242では、メインCPU32は、普通図柄待ち時間タイマが"0"であるか否かを判別し、普通図柄待ち時間タイマが"0"でない場合には、本サブルーチンを終了し、普通図柄待ち時間タイマが"0"である場合には、当りフラグ(77)が設定されているか否かを判別する(ステップS243)。
メインCPU32は、当りフラグ(77)が設定されていないものと判断した場合には、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)を普通図柄制御状態フラグにセットして(ステップS244)、本サブルーチンを終了し、当りフラグ(77)が設定されているものと判断した場合には、ステップS245に進む。
ステップS245では、メインCPU32は、普通図柄役物開放延長フラグが"オン"に設定されているか否かを判別し、この判別結果が"YES"の場合には、ステップS246に進み、この判別結果が"NO"の場合にはステップS249に進む。
但し、特別図柄の時短遊技状態中には、普通図柄役物開放延長フラグは"オン"になっているので、この判定結果は必ず"YES"になる。そして、特別図柄の時短遊技状態が終了、すなわち、振り分けられた時短遊技回数"30回"、"60回"または"90回"が終了したときに、普通図柄高確率フラグは転落を示す"オフ"になる可能性がある。
ステップS246では、メインCPU32は、確変・時短時普通電動役物開放設定の処理を実行する。確変・時短時普通電動役物開放設定の処理は、図6に示す普通電動役物開放時間設定テーブルから普通電動役物である羽根部材23a、23bの開放時間と開放回数として"1.8秒×3回"を抽出してメインRAM34にセットする。
次いで、メインCPU32は、普通電動開放時間タイマを"6.7秒"にセットした後(ステップS247)、普通図柄制御状態制御フラグに普通電動役物開放を示す値(03)をセットして(ステップS248)本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS249では、メインCPU32は、通常時普通電動役物開放設定の処理を実行する。通常時普通電動役物開放設定の処理は、図6に示す普通電動役物開放時間設定テーブルから羽根部材23a、23bの開放時間と開放回数として"0.3秒×1回"を抽出してメインRAM34にセットする。
次いで、メインCPU32は、普通電動開放時間タイマを"0.3秒"にセットした後(ステップS250)、ステップS248に進む。すなわち、ステップS245では、役物開放延長状態が転落した場合に、羽根部材23a、23bの開放時間が短くなるのである。
この結果、時短遊技状態中に通過ゲート18に遊技球が入賞し、普通図柄の当り抽選に当選すると、羽根部材23a、23bが"1.8秒×3回"で開放するように設定され、第2始動口23に遊技球が入賞する機会が増大する。
図26は図22のステップS205において実行される普通電動役物開放処理のフローチャートである。
図26において、まず、メインCPU32は、普通図柄制御状態フラグが普通電動役物開放を示す値(03)であるか否かの判別を行い(ステップS261)、普通図柄制御状態フラグが普通電動役物開放を示す値であるものと判断した場合には、ステップS262に進み、普通電動役物開放を示す値でないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS262では、メインCPU32は、普通電動役物入賞カウンタが"4個"以上であるか否かを判別し、この判別結果が"YES"の場合には、ステップS264に進み、この判別結果が"NO"の場合には、ステップS263に進む。
ステップS263では、メインCPU32は、普通電動役物開放時間タイマが"0"であるか否かを判別し、この判別結果が"YES"の場合にはステップS264に進み、この判別結果が"NO"であれば、本サブルーチンを終了する。
ステップS264では、メインCPU32は、普通図柄制御状態フラグに普通図柄ゲーム終了を示す値(04)をセットした後、普通電動役物の閉鎖設定を行って(ステップS265)、本サブルーチンを終了する。ステップS265では、可動部材ソレノイド106の駆動を停止して羽根部材23a、23bを閉鎖状態に移行する。
図27は図11のステップS206において実行される普通図柄ゲーム終了処理のフローチャートである。
図27において、メインCPU32は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了を示す値(04)であるか否かの判別を行い(ステップS271)、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了を示す値であるものと判断した場合には、ステップS272に処理を移し、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了を示す値でないものと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
そして、ステップS272においては、保留個数を"1"減算した後、メインRAM34の普通図柄記憶領域(1)から普通図柄記憶領域(4)の各々のデータを、普通図柄記憶領域(0)から普通図柄記憶領域(3)にシフトする(ステップS273)。
次いで、メインCPU32は、普通図柄記憶領域のデータ(4)にクリアデータをセットする(ステップS274)。このステップS273、ステップS274の処理によって普通図柄記憶領域の更新が行われる。
次いで、メインCPU32は、普通図柄制御状態フラグとして普通図柄記憶チェックを示す値(00)を普通図柄制御状態フラグにセットして(ステップS275)、本サブルーチンを終了する。
このように本実施の形態では、特別図柄短縮変動(時短遊技状態)に移行されたときに、普通図柄高確率遊技状態に移行し、普通図柄高確率遊技状態に移行後に、普通図柄高確率遊技状態から通常状態に移行する転落抽選を、普通図柄高確率状態転落確率、時短遊技状態転落確率、役物開放延長状態転落確率毎に行うようにしたので、例えば、役物開放延長状態が転落に当選することにより、羽根部材23a、23bの開放状態が通常開放時間(短い開放時間)になっている状態でも、普通図柄高確率状態から普通図柄低確率に転落に当選しないと、普通図柄高確率遊技状態が維持されるので、遊技者に特別図柄が通常遊技状態に転落したか否かを察知され難くすることができる。このため、出玉を抑えつつ遊技者に遊技を継続させることができ、パチンコ遊技機1の稼働率が低下してしまうのを防止することができる。
また、本実施の形態では、高確率で大当りが発生した場合には、特別図柄の短縮変動回数(時短遊技回数)の上限値を"30回"、"60回"、"90回"に振り分け、通常確率で大当りが発生した場合には、特別図柄の短縮変動回数(時短遊技回数)の上限値を振り分け変動回数の上限値よりも多い上限値、すなわち、無制限に設定したので、通常確率で大当りが発生したときには、時短遊技状態中に次回の大当りに当選する機会を増大させることができ、一定のハマリ(特別図柄の変動回数が多く、大当りに当選しない)を救済することができる。
具体的には、前回の大当りからの特別図柄変動回数が多いハマリ状態では、転落抽選によって大当り確率が通常確率に転落している可能性が高いが、このような通常確率で発生した大当りには、特別図柄の変動回数の上限値が高確率で発生した大当りよりも有利なものに設定されるので、ハマリ状態の救済を図ることができるのである。なお、通常確率で大当りが発生した場合には、時短遊技回数の上限値を無制限ではなく、例えば、"333回"や"555回"等に設定するようにしても良い。
また、本実施の形態では、大当りの抽選確率を高確率と通常確率の2つの抽選確率に設定し、この抽選確率を近似する値にしたので、大当り遊技状態の終了後の時短遊技状態では、通常確率で大当りに当選した方が多くの時短遊技回数を獲得することができるため、高確率で大当りに当選した場合に比べて遜色のない有利な遊技状態を獲得することができる。
このため、通常確率で時短遊技を行う場合に一定のハマリを救済することができるため、遊技者に遊技の継続を促すことができ、パチンコ遊技機1の稼働率が低下してしまうのをより一層防止することができる。
また、本実施の形態では、普通図柄の転落抽選を、特別図柄が振り分けられた所定の回数、すなわち、"30回"、"60回"あるいは"90回"の変動を終了した後に行うようにしたので、規定時短遊技回数が終了したときに普通図柄高確率遊技状態が終了してしまうのを防止することができる。このため、遊技者に遊技の継続を促すことができ、遊技機の稼働率が低下してしまうのをより一層防止することができる。
また、本実施の形態では、普通図柄の転落抽選を、普通図柄高確率状態転落確率、時短遊技状態転落確率、役物開放延長状態転落確率毎に行って全てが転落抽選に当選するまで継続するようにしたので、規定時短遊技回数が終了したときに、例えば、役物開放延長状態が転落に当選することにより、羽根部材23a、23bの開放状態が通常開放時間(短い開放時間)になっている状態でも、普通図柄高確率状態から普通図柄低確率に転落に当選しないと、普通図柄高確率遊技状態が維持され、また、普通図柄の時短遊技が転落に当選しないと、普通図柄の変動表示時間の短縮状態が維持されるので、規定時短遊技回数の終了後に、遊技者の運により、普通図柄の転落抽選に当選しないような状態を長期に亘って継続させることが可能になる。このため、遊技者に遊技の継続を促すことができ、パチンコ遊技機の稼働率が低下してしまうのをより一層防止することができる。