JP4705469B2 - 抗bambi抗体、及びそれを含有する大腸癌及び肝臓癌の診断剤又は治療剤 - Google Patents
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Description
また、大腸癌の発生にはAPC、RAS、p53等の遺伝子が関係していることが判明している。しかしながら、大腸癌を特異的に検出する、実用性に耐える遺伝子診断法はまだ確立されていない。
更に、大腸癌治療のうち化学療法では癌遺伝子の転写阻害やDNA切断等の癌細胞に細胞毒性を持つアルキル化薬や代謝拮抗薬等が検討されてきたが、これらの薬剤は、癌細胞だけに選択的に作用せず、正常細胞にも影響を及ぼし、副作用の問題がある。
大腸癌は最も発症頻度の高い腫瘍の1種で、日本でも近年、患者が増加しており、今後さらに増加すると予想されている。そこで、本発明は、大腸癌を適確に診断、治療できる、診断薬および治療薬を提供することを課題としている。
Wntシグナルは、細胞内シグナル伝達系で、例えば胚発生では、初期の体軸形成や原腸陥入に伴う細胞運動からその後の器官形成に至るまで、形づくりの多くの場面で多彩な働きをしている。さらに成体でも細胞の増殖・分化の制御に重要な役割を果たしており、Wntシグナル伝達経路の制御機構が破綻することにより該経路が恒常的に活性化されることが、細胞の癌化に重要な働きを担っていることが明らかとなっている。Wntシグナル伝達経路が活性化すると、β−カテニン(β−catenin)が細胞内に蓄積され、β−cateninがTCF/LEFファミリーの転写因子と相互作用することで、サイクリンD(cyclin D)、c−mycなどの細胞増殖に重要な役割を果たす標的遺伝子の発現を活性化する。種々の腫瘍細胞において、β−cateninの蓄積が観察される。Wntシグナルが存在しないと、β−cateninは、アキシン(Axin)、GSK−3β、及び腫瘍抑制APCと相互作用し、β−cateninはGSK−3βの作用でリン酸化され、細胞内で分解される。図1にWntシグナル伝達系の概要図を示している。
ところが、大腸癌では、Wntシグナル伝達経路の構成因子APC、β−catenin、Axinに変異が生じることによりβ−cateninの分解が低下している。さらに、Axinの変異は肝臓癌で、β−cateninの変異は皮膚癌、肝臓癌、卵巣癌などでも見出されている。蓄積したβ−cateninは転写因子TCF/LEFと複合体を形成し標的遺伝子の転写を異常に活性化することにより細胞の癌化を引き起こすと考えられる。したがって、β−catenin/TCF複合体の標的遺伝子を明らかにすることは、癌化の機構を明らかにするために極めて重要である。
そこで、本発明者らは、既に、β−cateninに結合してTCF/LEFとの複合体形成を阻害することによりWntシグナル伝達経路を負に制御する新規因子を探索し、ICAT遺伝子を見出している(Tago et al.Gene & Development Vol.14,p.1741−1749)。
Wntシグナル伝達経路の異常亢進が腫瘍の発症に重要であることから、Wntシグナルを抑制するICATは腫瘍の発症を制御できる可能性があると期待されている。実際、本発明者らはアデノウイルスを用いてICATを癌細胞に発現して増殖抑制効果を検討することにより、ICATがWntシグナルに異常のある(APC、β−catenin、Axinの変異)大腸癌、肝癌の増殖を特異的に阻害することを見出している。他方、ICATは、正常細胞や他の機構で癌化した癌細胞には増殖抑制効果を示さない(Cancer Research Vol.62,3322−3326)。つまり、ICATは、Wntシグナル伝達経路の異常により亢進した転写活性化を抑制することで、大腸癌細胞の増殖を抑制していると考えられる。
ここで、Wntシグナル系の相互作用を以下に表1としてまとめた。
なお、本明細書中で、APCはAdenomatosis Polyposis Coli遺伝子、DshはDishevelled、GSK−3βはグリコーゲンシンターゼキナーゼ−3β(glycogen synthase kinase−3β)、TCFはT細胞特異的転写因子(T cell−specific transcription factor)、FzはFrizzledホモログをそれぞれ意味する。
更に、本発明者らは、癌細胞の増殖に重要なWntシグナルによって転写活性化される遺伝子は、癌細胞の増殖を抑制するための標的遺伝子となりうると考え、Wntシグナルを負に制御するICATを大腸癌細胞に作用させたときに転写が抑制される遺伝子の同定を試みた。そこで、Wntシグナル伝達経路が恒常的に活性化されている大腸癌細胞株SW48細胞をcDNAサブトラクションDNAチップを用いてICATの作用で発現の低下する遺伝子を探索したところ、BAMBI遺伝子が単離された。
BAMBI(BMP and activin membrane bound inhibitor,BMP:Bone morphogenetic protein)は、最初アフリカツメガエル(Xenopus)から分離された推定260アミノ酸(hBAMBIにつき配列番号1参照)からなる膜貫通型タンパク質で、細胞外ドメインがTGF−β受容体Iの細胞外ドメインと類似するが、TGF−β受容体Iとは異なり細胞内領域にセリン/スレオニンキナーゼドメインは有していない。アフリカツメガエルの胚においては、BMP4の発現に引き続いてBAMBIの発現が起こり、BAMBIはBMP4により、その発現が制御されていると考えられている(Nature 401,480−485)。ヒトBAMBIは、1996年にクローニングされた(「NMA」と命名されていた:Int.J.Cancer 65,460−465,1996)。
また、BAMBIは、TGF−β受容体Iとヘテロ二量体を形成し、更にTGF−β受容体IIと相互作用し、正常な細胞中ではTGF−β受容体IとTGF−β受容体IIが複合体を形成するところ、BAMBIが同複合体の形成を妨げることにより、TGF−βシグナル伝達系を阻害すると考えられている(図2参照)。
TGF−βは、多くの上皮細胞の増殖抑制に関与するというユニークな生物活性をもつサイトカインである。TGF−βは、TGF−β受容体IIに結合してTGF−β受容体II分子内のセリン・スレオニンキナーゼ活性を亢進させ、該キナーゼによりTGF−β受容体Iがリン酸化される。リン酸化をうけたTGF−β受容体Iは、Smad2、Smad3と結合して、リン酸化により活性の亢進したTGF−β受容体I分子内セリン・スレオニンキナーゼがSmad2およびSmad3をリン酸化する。リン酸化を受けたSmad2とSmad3がSmad4と複合体を形成して核内へ移行し、標的遺伝子の転写活性化を誘導する。多くの大腸癌細胞では、TGF−β受容体II、Smad2および/またはSmad4の変異が見出されており、これらの細胞では、TGF−βによる増殖抑制がかからないことが分かっている。
TGFβシグナル伝達とSmadの関係を以下の表2にまとめる。
そこで、本発明者らは、BAMBIに対する抗体、及びBAMBIプライマーまたはプローブを作成することにより、大腸癌及び肝臓癌を検出し診断できることを見出し、更に、BAMBIに対する抗体及びBAMBIをコードする遺伝子もとに作成したsiRNAを用いることにより、大腸癌及び肝臓癌の治療ができることを見出し、本発明を完成させたものである。
したがって、本発明は、次に示すような抗体、抗体の製造方法、大腸癌または肝臓癌診断薬、大腸癌または肝臓癌治療薬等を提供する。
1.配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチド、または配列番号1のアミノ配列に1または複数個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたポリペプチドを認識する抗体。
2.配列番号1のポリペプチドを特異的に認識する前記(1)に記載の抗体。
3.配列番号1のアミノ酸配列における連続する50アミノ酸残基以上を有するポリペプチドを認識する前記(1)に記載の抗体。
4.配列番号1のアミノ酸配列における45〜147番及び/又は177〜241番の領域のアミノ酸残基を有するポリペプチドを認識する前記(3)に記載の抗体。
5.モノクローナル抗体である前記(1)に記載の抗体。
6.前記(1)に記載の抗体を産生する形質転換細胞を培養する工程、および該細胞が産生する抗体を採取する工程を含む抗体の製造方法。
7.前記(1)〜(6)のいずれかに記載の抗体を含む、大腸癌または肝臓癌診断剤。
8.前記(1)〜(6)のいずれかに記載の抗体を含む、大腸癌または肝臓癌治療剤。
9.配列番号2の塩基配列を有する遺伝子の任意の15塩基以上からなるプライマーを含む、大腸癌または肝臓癌診断剤。
10.配列番号2の塩基配列を有する遺伝子断片を含むプローブを含む、大腸癌または肝臓癌診断剤。
11.配列番号2の塩基配列を有する遺伝子の連続する15〜30塩基に対応し、かつRNA干渉を生ずる二重鎖RNAを含む、大腸癌または肝臓癌治療剤。
12.上記の連続する15〜30塩基の配列が、CCACTCTGGCACCACCATA(配列番号3)、CAGATGCTCTCCCGTTTGC(配列番号4)、またはCTGCTGTCTGACCTGTGAT(配列番号5)である、前記(11)記載の大腸癌または肝臓癌治療剤。
図2は、TGFβ受容体I及びTGFβ受容体IIとBAMBIとの相互作用を示す概略図である。
図3は、TCF−4DNA結合領域の電気泳動移動度シフトアッセイの結果である。イントロン1に存在するTCF−4結合配列5カ所を合成し(TBE1−5)放射能標識してGST−TCFと結合するかどうかをゲルシフトアッセイにより検証した。その結果、TBE1−5はGST−TCFと特異的に結合し、GSTとは結合しないこと、反応液中に大過剰の非放射能標識TBE1−5が存在するとGST−TCF4の結合が検出できなくなること、変異を導入したTBE1−5にはこのような効果がないことが確認された。
図4は、大腸癌細胞株SW48細胞にアデノウイルスベクターを用い、ICAT、TCF−4ドミナントネガティブ変異体を発現させ、RNAを抽出し、BAMBIやβ−ACTINに対する特異的プライマーを用い準定量的RT−PCR分析を行った結果であり、BAMBIの発現はβ−catenin−TCFを介した転写活性化によって抑制された。
図5は、β−catenin−TCFを介した転写活性化によるBAMBIの発現変化について検討した結果である。左側は、SW48細胞にアデノウイルスを用いてICAT、TCF−4ドミナントネガティブ変異体を発現させ、抗BAMBI−N末端抗体、抗α−Tublin抗体を用いて、細胞抽出液のイムノブロッティングを行った結果である。また、Total RNAを抽出し、BAMBIやG3PDH特異的プローブを用いてノーザンブロットを行った。右側は、COS−1細胞にアデノウイルスを用いてβ−catenin−S33Yを発現させ、細胞抽出液を調製し、抗BANBI−N末端抗体あるいは抗α−Tublin抗体を用いたイミノブロッティングを行った結果である。
図6は、β−catenin−TCF−を介したBAMBIプロモーターの転写活性化について検討した結果である。BAMBIプロモーターのβ−cateninを介した活性化に対するTCF−4とICATのドミナントネガティブ変異体の作用を検討した。COS−1細胞にルシフェラーゼレポータープラスミド(pTOP−tk−lucifaraseまたは−575−luc)をトランスフェクトし、ルシフェラーゼ活性を測定した。
図7は、大腸癌におけるBAMBIの発現について、抗β−catenin抗体、抗BAMBI−N末端抗体とC末端抗体を用いてヒト大腸癌組織と周辺の非癌組織の二重染色を行って調べた結果である。
図8は、準定量的RT−PCRにより調べた大腸癌組織および肝臓癌組織におけるBAMBIの発現を示す。準定量的RT−PCRにより、BAMBIとAXINの発現量を調べた(N,非癌組織;T,癌組織)。
図9は、BAMBIはTGF−βによる増殖抑制効果の阻害を示す。図に示したプラスミドをDC−145細胞にトランスフェクトし、TGF−β存在下あるいは非存在下に400μg/mlジェネティシン含有培地で3週間培養しコロニーフォーメーションアッセイを行った結果である。
図10は、BAMBIによるTGF−βを介した転写の活性化を示す。ルシフェラーゼレポーター遺伝子の上流にPAI−1プロモーターのTGF−β応答配列を含むp3TP−luxレポーターを使い、DU145細胞におけるTGF−βを介した転写活性化へのBAMBI−GFPの作用を調べた結果である。
図11は、抗BAMBIアミノ末端ラビットポリクローナル抗体(200倍希釈)及び抗BAMBIマウスモノクローナル抗体6G(10倍希釈、100倍希釈)がBAMBIタンパク質を認識することを実証する、ウエスタンブロッティングの結果を示す図である。
本発明に係る「抗体」は、抗原であるBAMBIタンパク質を認識する(あるいは結合し得る)抗体分子全体又はその断片を意味し、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよい。本明細書中、「BAMBIタンパク質」は、配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチド、又は配列番号1のアミノ配列に1または複数個(例えば、1〜30個、1〜20個、1〜10個、1〜5個、1〜2個から選択)のアミノ酸が欠失、置換または付加されたポリペプチド、又はこれらの断片(例えば、アミノ酸残基を10〜70個、20〜60個、30〜50個含む断片)を意味する。本発明の抗体は、抗体変異体を含む。「抗体変異体」とは、元の抗体から1またそれ以上(例えば、1〜30個、1〜20個、1〜10個、1〜5個、1〜2個から選択)のアミノ酸残基が改変された、抗体の変異体をいう。アミノ酸配列がどのように改変されたとしても元となった抗体と同様にBAMBIタンパク質を特異的に認識することができれば、本発明の範囲内に含まれる。このような変異体は、抗体の重鎖若しくは軽鎖の可変ドメインのアミノ酸配列と少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、そして、最も好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列相同性または類似性を有するアミノ酸配列と100%よりも少ない配列相同性、または類似性を有する。
また、本発明の抗体は、ヒト抗体、ヒト型化抗体、キメラ抗体、および抗体断片(例えば、Fab、F(ab’)2、及びFv)を含む。上記「ヒト型化抗体」とはマウス等のヒトにとって異種の抗体を改変して、H鎖とL鎖の相補性決定部以外の一次構造をヒトの抗体の対応する一次構造で置き換えた抗体を言う。「キメラ抗体」とは、異種抗体由来のFab領域とFc領域とを有する抗体を意味する。
本発明において、「抗体断片」とは、全長抗体の一部を指し、一般に、抗原結合領域または可変領域のことである。例えば、抗体断片にはFab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片が含まれる。抗体のパパイン消化により、Fab断片と呼ばれる、それぞれ1つの抗原結合部位を有する2つの同じ抗原結合断片、及び、残りの容易に結晶化するために「Fc」と呼ばれる断片が生じる。また、ペプシン消化により2つの抗原結合部位を有し、抗原を交差結合し得るF(ab’)2断片、及び、残りの別な断片(pFc’と呼ばれる)が得られる。その他の断片としては、diabody(diabodies)、線状抗体、一本鎖抗体分子、及び抗体断片より形成された多特異性抗体が含まれる。
ここで、「Fv」断片は最小の抗体断片であり、完全な抗原認識部位と結合部位を含む。この領域は1つの重鎖及び軽鎖の可変ドメインが非共有結合により強く連結されたダイマーである(VH−VLダイマー)。各可変ドメインの3つのCDRが相互作用し、VH−VLダイマーの表面に抗原結合部位を形成する。6つのCDRは、抗体に抗原結合部位を付与するものである。しかしながら、1つの可変ドメイン(または、抗原に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)であっても、全結合部位よりは低い親和性ではあるが、抗原を認識し結合する能力を有する。
また、Fab断片(F(ab)とも呼ばれる)はさらに、軽鎖の定常ドメイン、及び、重鎖の細胞の定常ドメイン(CH1)を含む。Fab’断片はFab断片と、抗体のヒンジ領域からの1またはそれ以上のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端由来の数個の残基を付加的に有する点で異なる。本発明の抗体は、種々の方法のいずれかによって製造することができる。
なお、本明細書において、上記のようなBAMBIタンパク質に対する抗体を「抗BAMBI抗体」と称する。
以下、抗BAMBI抗体の調製方法について説明する。
(1)抗原の調整:
本発明の抗BAMBI抗体の調製に用いる免疫原として、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたは、配列番号1記載のポリペプチドの複数のアミノ酸を欠失、付加、置換させたポリペプチドを挙げることができる。もちろん、配列番号1のアミノ酸配列を有するhBAMBIタンパク質以外にも、他の種のBAMBIタンパク質を免疫原として用いることもできる。更に、BAMBIのエピトープ部位が含まれた断片を用いることもでき、例えば、hBAMBIのアミノ酸45〜147番の領域とアミノ酸177〜241番の領域とを含む断片を挙げることができる。本発明の抗体の製造のために用いられる免疫原としては、マウス、ヒト等の細胞から精製された天然型のBAMBIタンパク質でもよいし、遺伝子工学的に生産されたBABMIタンパク質又はその断片でもよい。また、本発明の抗体の製造にもちいる免疫原は、そのアミノ酸配列を指定することにより市販のタンパク質合成装置を用いて合成することもできる。
(2)モノクローナル抗体の作製
(i)抗体産生細胞の採取
前記のようにして作製したタンパク質又はペプチドを抗原として、哺乳動物、例えばラット、マウス、ウサギなどに投与する。抗原の動物1匹当たりの投与量は、アジュバントを用いないときは0.1〜100mgであり、アジュバントを用いるときは1〜100μgである。アジュバントとしては、フロイント完全アジュバント(FCA)、フロイント不完全アジュバント(FIA)、水酸化アルミニウムアジュバント等が挙げられる。免疫は、主として静脈内、皮下又は腹腔内等に注入することにより行われる。また、免疫の間隔は特に限定されず、数日から数週間間隔、好ましくは2〜5週間間隔で、1〜10回、好ましくは2〜5回免疫を行う。そして、最終の免疫日から1〜60日後、好ましくは1〜14日後に抗体産生細胞を採集する。抗体産生細胞としては、脾臓細胞、リンパ節細胞、末梢血細胞等が挙げられるが、脾臓細胞又は局所リンパ節細胞が好ましい。
(ii)細胞融合
ハイブリドーマを得るため、抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合を行う。抗体産生細胞と融合させるミエローマ細胞として、マウスなどの動物の一般に入手可能な株化細胞を使用することができる。使用する細胞株としては、薬剤選択性を有し、未融合の状態ではHAT選択培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジンを含む)で生存できず、抗体産生細胞と融合した状態でのみ生存できる性質を有するものが好ましい。ミエローマ細胞としては、例えばX63Ag.8.653、NSI/1−Ag4−1、NSO/1などのマウスミエローマ細胞株、YB2/0などのラットミエローマ細胞株が挙げられる。
次に、上記ミエローマ細胞と抗体産生細胞とを細胞融合させる。細胞融合は、血清を含まないDMEM、RPMI−1640培地などの動物細胞培養用培地中で、1×106〜1×107個/mlの抗体産生細胞と2×105〜2×106個/mlのミエローマ細胞とを混合し(抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞比2:1〜3:1が好ましい)、細胞融合促進剤存在のもとで融合反応を行う。細胞融合促進剤として、平均分子量1000〜6000ダルトンのポリエチレングリコール等を使用することができる。また、電気刺激(例えばエレクトロポレーション)を利用した市販の細胞融合装置を用いて抗体産生細胞とミエローマ細胞とを融合させることもできる。
(iii)ハイブリドーマの選別及びクローニング
細胞融合処理後の細胞から目的とするハイブリドーマを選別する。その方法として、細胞懸濁液を例えばウシ胎児血清含有RPMI−1640培地などで適当に希釈後、マイクロタイタープレート上に3×105個/well程度まき、各ウエルに選択培地を加え、以後適当に選択培地を交換して培養を行う。その結果、選択培地で培養開始後、14日前後から生育してくる細胞をハイブリドーマとして得ることができる。
次に、増殖してきたハイブリドーマの培養上清中に、BAMBIタンパク質に反応する抗体が存在するか否かをスクリーニングする。ハイブリドーマのスクリーニングは、通常の方法に従えばよく、特に限定されるものではない。例えば、ハイブリドーマとして生育したウエルに含まれる培養上清の一部を採集し、酵素免疫測定法、放射性免疫測定法等によってスクリーニングすることができる。融合細胞のクローニングは、限界希釈法等により行う。そして、最終的に、BAMBIタンパク質に特異的に結合するモノクローナル抗体を産生する細胞であるハイブリドーマを樹立する。
(iv)モノクローナル抗体の採取
樹立したハイブリドーマからモノクローナル抗体を採取する方法として、通常の細胞培養法又は腹水形成法等を採用することができる。細胞培養法においては、ハイブリドーマを10%ウシ胎児血清含有RPMI−1640培地、MEM培地又は無血清培地等の動物細胞培養培地中で、通常の培養条件(例えば37℃、5% CO2濃度)で7〜14日間培養し、その培養上清から抗体を取得する。腹水形成法の場合は、ミエローマ細胞由来の哺乳動物と同種系動物の腹腔内にハイブリドーマを約1×107個投与し、ハイブリドーマを大量に増殖させる。そして、1〜2週間後に腹水を採取する。上記抗体の採取方法において抗体の精製が必要とされる場合は、硫安塩析法、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過、アフィニティークロマトグラフィーなどの公知の方法を適宜選択して、又はこれらを組み合わせることにより精製することができる。
(3)BAMBIタンパク質に対するポリクローナル抗体の作製
前記の通り調製された抗原を哺乳動物、例えばラット、マウス、ウサギなどに投与する。抗原の動物1匹当たりの投与量は、アジュバントを用いないときは0.1〜100mgであり、アジュバントを用いるときは10〜1000μgである。アジュバントとしては、フロイント完全アジュバント(FCA)、フロイント不完全アジュバント(FIA)、水酸化アルミニウムアジュバント等が挙げられる。免疫は、主として静脈内、皮下又は腹腔内等に注入することにより行われる。また、免疫の間隔は特に限定されず、数日から数週間間隔、好ましくは2〜5週間間隔で、1〜10回、好ましくは2〜5回免疫を行う。そして、最終の免疫日から6〜60日後に、酵素免疫測定法(ELISA(enzume−linked immunosorbent assy)又はEIA(enzyme immunoassay))、放射性免疫測定法(RIA;radioimmuno assay)等で抗体価を測定し、最大の抗体価を示した日に採血し、抗血清を得る。
次いで、抗血清中のポリクローナル抗体を、BAMBIタンパク質で固定されたアフィニティカラムにかけてBAMBIタンパク質と反応する抗体(カラム吸着画分)を採取する。BAMBIタンパク質に対する抗血清中のポリクローナル抗体の反応性はELISA法などで測定することができる。
なお、ヒト型化抗体は、免疫原(抗原)をヒト抗体産生トランスジェニック非ヒト哺乳動物に免疫し、既存の一般的な抗体産生方法によって取得することができる。用いるヒト型化抗体産生非ヒト哺乳動物、特にヒト型化抗体産生トランスジェニックマウスの作製方法は公知である(Nature Genetics 7:13−21(1994);Nature Genetics 15:146−156(1997);特表平4−504365号公報;特表平7−509137号公報;国際出願公開WO94/25585号公報;Nature 368:856−859(1994);特表平6−500233号公報等)。
2.大腸癌または肝臓ガン治療剤
さらに、抗BAMBI抗体は、抗体医薬として用いることもできる。本発明の治療剤として用いる抗体としては、例えば、好ましくはヒトキメラ抗体またはヒト化抗体を用いることができる。本発明の治療剤は、抗BAMBI抗体を有効成分として含有するもので、大腸癌または肝臓癌の治療(または予防)に有効である。本発明の治療剤は患者(ヒトあるいは非ヒト動物)に応じて、投与量、剤型、投与方法を適宜選択することが出来る。例えば、本発明の治療剤は、経口、非経口、局所その他の適当な経路で投与することができる。一般に有効成分である抗体の投与量は、1日あたり約1mgから約3000mg、好ましくは、5mmgから2000mgの間であるが、患者の体重および症状や個々の投与経路によって変動し得る。治療する患者の薬物に対する感受性の差異、薬剤の処方の仕方、投与期間および投与間隔によっても投与量に変動が生じてくるので、場合によっては前記範囲の下限より低い投与量が適当なこともある。
本発明の抗体は、単独または薬学的あるいは薬剤学的に許容される担体または希釈剤と共に投与することができ、またその投与は1回または数回に分けて行うことができる。より具体的に述べると、本発明の治療剤は、たとえば各種の薬剤学的に許容される不活性担体と併用して錠剤、カプセル、粉末剤、噴霧剤、水性懸濁液、注射液、エリキシル、シロップ等の形態とすることができる。これらの担体には、固体希釈剤または賦形剤、無菌水性媒体、各種の非毒性有機溶媒等が含まれる。一般に本発明の治療上有効な抗体は、上記のような形態で約5重量%から70重量%の濃度範囲で投与される。経口投与の場合、微晶質セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸ジカリウム、グリシンのような種々の賦形剤を、澱粉、アルギン酸やある種のケイ酸複塩のような種々の崩壊剤、ポリビニルピロリドン、蔗糖、ゼラチン、アラビアゴムのような顆粒形成結合剤と共に使用することができる。また、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク等の滑沢剤も錠剤形成に非常に有効である。経口投与用として水性懸濁液および/またはエリキシルにしたい場合、必要であれば乳化剤および/または懸濁化剤も併用し、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン等、およびそれらを組み合わせた希釈剤と共に使用することができる。非経口投与の場合、本発明の有効成分をゴマ油または落花生油のいずれかに溶解するか、あるいはプロピレングリコール水溶液に溶解した溶液を使用することができる。水溶液は必要に応じて適宜に緩衝し(好適にはpH8以上)、液体希釈剤をまず等張にする必要がある。このような水溶液は静脈内注射に適し、油性溶液は関節内注射、筋肉注射および皮下注射に適する。
3.本発明の抗BAMBI抗体を含有する診断剤
本発明の抗BAMBI抗体、特にモノクローナル抗体は、BAMBIタンパク質の検出及び定量ができるので大腸癌又は肝臓癌の診断に用いることができる。この抗体を用いて大腸癌又は肝臓癌の診断をする方法は、例えば、(a)本発明のモノクローナル抗体またはその断片と試料とを反応させる工程;及び(b)工程(1)で形成した抗原抗体複合体と、検出のための標識抗体とを反応させる工程を含む。本発明の診断剤を用いる診断方法は、抗体を用いるアッセイ、即ち免疫アッセイであれば、いずれの方法でもよく、例えば、酵素免疫測定法(ELISA)、蛍光免疫測定法、放射免疫測定法(RIA)、発光免疫測定法、酵素抗体法、蛍光抗体法、免疫比濁法、ラテックス凝集反応、ラテックス比濁法、赤血球凝集反応、粒子凝集反応又はウエスタンブロット法等が挙げられる。
本発明の検出及び/又は定量法に供される試料としては、血液、血清、血漿、リンパ球培養上清、尿、髄液、唾液、汗、腹水、羊水、又は細胞あるいは臓器の抽出液等、BAMBIタンパク質が含まれる可能性のある生体試料であれば特に限定されない。本発明の検出及び/又は定量法を酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、放射免疫測定法又は発光免疫測定法等の標識抗体を用いた免疫測定法により実施する場合には、サンドイッチ法又は競合法により行うこともでき、サンドイッチ法の場合には固相化抗体及び標識抗体のうち少なくとも1種が本発明のモノクローナル抗体であればよい。
標識抗体とは、標識物質で標識された抗体を意味し、これらの標識抗体は、試料(例えば、血漿等の体液試料、培養上清あるいは遠心上清等)中に含まれる抗原(即ち、エボラウイルスの核タンパク質)を検出または定量するために用いることができる。本発明で用いることができる標識物質は、抗体にに物理的結合又は化学的結合等により結合させることによりそれらの存在を検出可能にするものであれば特に限定されない。標識物質の具体例としては、酵素、蛍光物質、化学発光物質、ビオチン、アビジンあるいは放射性同位体等が挙げられ、より具体的には、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、アルコール脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、ペニシリナーゼ、カタラーゼ、アポグルコースオキシダーゼ、ウレアーゼ、ルシフェラーゼ若しくはアセチルコリンエステラーゼ等の酵素、フルオレスセインイソチオシアネート、フィコビリタンパク、希土類金属キレート、ダンシルクロライド若しくはテトラメチルローダミンイソチオシアネート等の蛍光物質、3H、14C、125I若しくは131I等の放射性同位体、ビオチン、アビジン、または化学発光物質が挙げられる。標識物質と抗体との結合法は、グルタルアルデヒド法、マレイミド法、ピリジルジスルフィド法又は過ヨウ素酸法等の公知の方法を用いることができる。
ここで、放射性同位体及び蛍光物質は単独で検出可能なシグナルをもたらすことができるが、酵素、化学発光物質、ビオチン及びアビジンは、単独では検出可能なシグナルをもたらすことができないため、さらに1種以上の他の物質と反応することにより検出可能なシグナルを生じる。例えば、酵素の場合には少なくとも基質が必要であり、酵素活性を測定する方法(比色法、蛍光法、生物発光法あるいは化学発光法等)に依存して種々の基質が用いられる。また、ビオチンの場合には少なくともアビジンあるいは酵素修飾アビジンを反応させるのが一般的である。必要に応じてさらに該基質に依存する種々の発色物質が用いられる。
固定化抗体は、試料(例えば、血漿等の体液試料、培養上清あるいは遠心上清等)中に含まれる抗原を検出、定量、分離または精製するために用いることができる。抗体を固定化するのに使用できる不溶性担体としては、例えば、(1)ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂あるいはナイロン樹脂等からなるプラスチックや、ガラス等に代表されるような水に不溶性の物質からなるプレート、試験管若しくはチューブ等の内容積を有するもの、ビーズ、ボール、フィルター、あるいはメンブレン等、並びに(2)セルロース系担体、アガロース系担体、ポリアクリルアミド系担体、デキストラン系担体、ポリスチレン系担体、ポリビニルアルコール系担体、ポリアミノ酸系担体あるいは多孔性シリカ系担体等のようなアフィニティークロマトグラフィーに用いられる不溶性担体を挙げることができる。
4.本発明の抗BAMBI抗体を用いる大腸癌又は肝臓癌診断用キット
本発明の診断用キットは、本発明の抗BAMBI抗体、好ましくはモノクローナル抗体を含むものである。ここで用いる抗体は、上記した固定化抗体とや標識抗体でもよい。例えば、本発明の抗体を一次抗体として使用する場合、本発明のキットには、抗原抗体結合反応により形成された複合体を検出するための二次抗体を含めてもよい。本発明のキットには、該キットを効率的かつ簡便に利用できるようにするために、これら抗体以外に種々の補助剤を含めてもよい。補助剤としては、例えば固体状の二次抗体を溶解させるための溶解剤、不溶化担体を洗浄するために使用される洗浄剤、抗体の標識物質として酵素を使用した場合に酵素活性を測定するための基質、その反応停止剤などの免疫学的測定試薬のキットとして通常使用されるものが挙げられる。
本発明は、さらに、BAMBIをコードする遺伝子をもとに設計したプライマーを用いて、PCR法、RT−PCR法等の核酸増幅法を用いて、BAMBImRNAを検出することによる、大腸癌・肝臓癌の診断剤・診断方法、更には、BAMBIをコードする遺伝子の断片をもとに設計したプローブを含む診断剤・診断法を包含する。
本発明で用いるプライマーとしては、例えば、配列番号2記載の塩基配列中、連続する15塩基以上、好ましくは、20塩基以上50塩基以下のプライマーを用いることができる。プライマーセットとして、好ましくは、フォワードプライマーとリバースプライマーの間の距離が500塩基以下となるように設計することができる。必要に応じて、プライマーには、標的であるBAMBI遺伝子と相補的でない配列部分を含めることも可能であり、また、例えば、タグ配列を付加することもできる。
本発明で用いるプローブとしては、BAMBIに特徴的な配列を含むBAMBI遺伝子断片、好適には、塩基長50〜150bpのものを用いる。プローブは、例えば、放射性標識として32Pで標識することができる。また、必要に応じ、プローブを蛍光標識、発光標識または酵素標識等することもできる。当業者であれば、用いた標識物質に適切な検出方法で、BAMBI遺伝子を検出することができる。更に、プローブをビオチン化したものを用いることもでき、これをアビジン蛍光色素で処理し蛍光検出する方法も可能である。
5.二重鎖RNAを含有する大腸癌又は肝臓癌治療剤等
更に、本発明には、RNA干渉(RNAi)により、BAMBIのmRNAを特異的に分解することによる大腸癌または肝臓癌の治療剤が含まれる。特に好適には、21〜25塩基長のRNA干渉を生ずる二重鎖RNA、例えば、dsRNA(double strand RNA)、siRNA(small interfering RNA)又はshRNA(short hairpin RNA)が好ましく用いられ、リポソームなどの送達システムにより所望の部位に局所送達させることも可能であり、また上記二重鎖RNAが生成されるようなベクターを用いてこれを局所発現させることができる。このような二重鎖RNAはBAMBIの発現を抑えるリサーチツールとしても利用できる。このような二重鎖RNA(dsRNA、siRNA又はshRNA)の調製方法、使用方法などは、多くの文献から公知である(特表2002−516062号;米国公開許第2002/086356A号;Nature Genetics,24(2),Feb.,180−183;Genesis,26(4),April,240−244;Nature,Spe.21,407:6802,319−20;Genes & Dev.,Vol.16,(8),Apr.16,948−958;Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,99(8),16 Apr.,5515−5520;Science,296(5567),19 Apr.,550−553;Proc Natl.Acad.Sci.USA,Apr.30,99:9,6047−6052;Nature Biotechnology,Vol.20(5),May,497−500;Nature Biotechnology,Vol.20(5),May,500−508;Nucleic Acids Res.,May 15,30:10,e46等参照)。
更に、本発明の抗BAMBI抗体は、大腸癌・肝臓癌細胞への薬物輸送システムとしても利用することができる。例えば、抗BAMBI抗体に薬剤封入体を結合した、抗BAMBI抗体−薬剤封入体複合体を用いることができる。薬剤としては、抗癌性低分子薬剤や、高分子毒素を使用でき、MTX、アドリアマイシン、ジフテリアトキシン、リシン等を挙げ得ることができる。
[参考例1]
hBAMBI、β−catenin発現アデノウイルスベクター、hBAMBI発現ベクターの調製
(1)プラスミドと組換えウイルスの構築
hBAMBI−ルシフェラーゼレポータープラスミドの構築のため、プロモーター領域、エクソン、イントロンの全長を含むヒトBACクローンRPCI−13−43N24をBACPAC Resourcesから購入した。最長の7.3kbの構築物またはその欠失変異体構築物は、pGL3−プロモーター・ベクター(Promega)中にある適当な制限酵素切断部位内にそれぞれのDNA断片をクローニングして作製した。
TCF/LEF結合配列の点変異体はPyrobest DNAポリメラーゼ(TAKARA)を用いて標準的なPCR法により作製した。プライマーは以下のものを使用した。(置換した塩基は下線で記載されている):
pTOP−tk−ルシフェラーゼとpFOP−tk−ルシフェラーゼはV.Korinek and H.Clevers(University Medical Center,Utrecht,The Netherlands)より提供を受けた。mycタグを付加したIcatとLacZを導入したアデノウイルスは既述の方法で作製した(Sekiya et al.Cancer Res.62,3322−3326(2002))。33位のセリンをチロシンに置換した安定型β−cateninを発現するアデノウイルスベクターは、pAdenoXTM発現システム(Clontech)を使い、製品添付のマニュアルに従って作製した。GFP−融合全長hBAMBI発現ベクターであるpEGFP−N3−hBAMBIはpEGFP−N3ベクター(Clontech)にRT−PCR産物をクローニングすることにより作製した。詳細には、ヒト大腸癌細胞SW48より抽出したtotal RNAに対し逆転写を行い、hBAMBIのORF全長を増幅するためのプライマー5’−CATGAATTCCGCCACCATGGATCGCCACTCCAGCTAC−3’(配列番号16)および5’−CATCTCGAGTACGAACACCAGCAACCCGTGC−3’(配列番号17)を用いてPCRにより増幅し、全長hBAMBIを得た。該増幅産物には両末端にEcoRI切断部位とXhoI切断部位が付加されているので、それらを制限酵素処理し、pEGFP−N3ベクター(Clontech)のマルチクローニングサイトのEcoRI、SalIサイトに挿入し、pEGFP−N3−hBAMBIを構築した。このpEGFP−N3−hBAMBI構築物はhBAMBI遺伝子とGFP遺伝子がインフレームで連結されており、これをほ乳動物細胞で発現させると、カルボキシ末端にGFPタンパク質の付加された全長hBAMBIタンパク質を発現する。
hBAMBI(hBAMBIDN)のアミノ酸20〜131番の欠損した欠失変異体についても同様にGFP発現ベクターを構築した。
[参考例2]
GST−TCF4融合タンパク質の調製
電気泳動移動度シフト分析(EMSA)
GST−TCF4融合タンパク質は、以下のプライマーを用いて、ヒトTCF4の265番〜496番のアミノ酸をコードする配列のPCR産物を用いて作製した:
PCR産物をpGEX−5X−1(Pharmacia)にクローニングした。GST及びGST−TCF4は大腸菌DH−5α株から精製した。DNA結合アッセイは既出の方法に従って行った(Tago et al.Gene & Development Vol.14,p.1741−1749)。
使用したプローブはそれぞれ以下のような組み合わせでアニーリングさせた:
変異型hBAMBI−ルシフェラーゼ構築物の作製に使用したオリゴヌクレオチドを、変異型競合分子として使用した。
[参考例3]
細胞及び病理サンプルの調製
全ての細胞は単層で適切な培地を用いて培養した。COS−1、DU−145、HepG2、Alexander細胞はDMEM培地(NISSUI)、SW48、SW480細胞はLeibovit’s L−15培地(SIGMA)、HCT116細胞はMcCoy’s 5A培地(SIGMA)にそれぞれ10%ウシ胎児血清(JCS)を添加して培養した。全ての細胞は37℃に設定したインキュベーター内で5%CO2保湿条件下で培養した。癌組織や対照の非癌組織サンプルは患者のインフォームドコンセントを得た上で、外科手術の際に摘出した。
[参考例4]
大腸癌細胞株SW48にアデノウイルスベクターを用いてICATやDN−TCF4を発現させ、準定量的RT−PCRまたはイムノブロットによりmRNAまたはタンパク質の発現量の変化を測定した。
更に、β−catenin S33Yは、β−cateninの33番目のセリン残基がチロシン残基に置換されたもので、活性型変異β−cateninである。かかる変異は大腸癌細胞で認められている。これを293細胞にアデノウイルスを用いて発現させ、BAMBIの発現量を測定した。
(1)準定量的RT−PCR
総RNAは、NucleoSpin(MACHEREY−NAGEL)を用いて抽出した。総RNA(1レーンあたり20μg)をホルムアルデヒド含有1%アガロースゲルを用いて電気泳動を行い、Hybond−N+(Amersham Pharmacia Biotech)に転写した。対象の遺伝子特有の32P−標識cDNAプローブをハイブリダイズさせ、AS1500(FUJI FILM)で検出した。図4に結果を示している。
(2)イムノブロッティング
イムノブロッティングは前述の方法で行った(Matsumine et al.1996)。そして、(1)ICATはBAMBIの発現を抑制する、(2)TCF4のドミナントネガティブ変異体(DN−TCF4)もBAMBIの発現を抑制する、さらに、(3)活性型変異β−cateninの作用によりBAMBIの発現は亢進する、ということを見出した。図5に結果を示す。
[参考例5]
<BAMBIプロモーターの解析>
BAMBIプロモーターをルシフェラーゼに連結したレポーター構築物を作成し、ルシフェラーゼアッセイによりプロモーター活性を測定した。
(1)ルシフェラーゼレポーターアッセイ
BAMBIプロモーターのβ−cateninを介した活性化に対するTCF−4とICATのドミナントネガティブ変異体の作用を、COS−1細胞にルシフェラーゼレポータープラスミド(pTOP−tk−lucifaraseまたは−575−luc)をトランスフェクトしてルシフェラーゼ活性を測定することにより、検討した。
細胞はトランスフェクション18時間前に12ウェルディッシュに播いた。トランスフェクションはLipofectamin PLUS(Invitrogen)を用いて製品添付のプロトコルに従って行った。ルシフェラーゼアッセイはDual−Luciferase Reporter Assay System(Promega)を用いて製品添付のプロトコル従って行った。
その結果、(1)BAMBIプロモーターはβ−catenin S33Yにより活性化され、DC−TCF4およびICATにより不活性化されることが見出された。図6に結果を示す。
(1)抗BAMBI抗体の調製
N末端及びC末端に対する抗体は、hBAMBIのアミノ酸45〜147番の領域とアミノ酸177〜241番の領域をそれぞれ含むGST融合タンパク質を大腸菌で発現させたものを、ウサギ(ニュージーランドホワイト種)に免疫し、免疫後の血清を抗原を用いアフィニティ精製することにより作製した。β−cateninに対するマウスモノクローナル抗体は、Transduction Laboratoriesから購入した。α−tubulinに対するマウスモノクローナル抗体はOncogeneTMから購入した。
(2)抗BAMBI抗体を用いた免疫組織化学法(Immunohistochemical analysis)
パラフィン包埋組織切片の免疫染色は標準の方法で行った。概略は、キシレンで切片の脱パラフィンを行い、特級エタノール/蒸留水により水和した。クエン酸バッファー(pH6.0)にスライドガラスをいれ、15分間超音波処理してから、標識抗原とともに4℃で一晩、インキュベートした。染色パターンはRITC標識抗マウス抗体およびFITC標識抗ウサギ抗体を使ってそれぞれ可視化した。切片は共焦点顕微鏡で観察し写真撮影した。
その結果、BAMBIの発現は大腸癌で高く、正常部で低いことが見出された。図7に結果を示す。
大腸癌18症例、肝臓癌10症例につきRT−PCRでBAMBIの発現を検討した。総RNAは癌組織と対照の非癌組織からNucleoSpin(MACHEREY−NAGEL)を用いて抽出した。第1鎖cDNAはランダムヘキサマーとSuperscript II逆転写酵素(Invitrogen)を使って合成した。PTC−2000 Peltier Thermal Cycler(MJ Research)を用いてPCRには、各種サンプルのcDNA1μlをそれぞれの反応で使用した。PCRに用いたプライマーは、以下の通りである:
PCR条件は最初の熱変性94℃3分に続いて、94℃30秒、62℃30秒、72℃30秒のサイクルを、hBAMBIについては30サイクル、Axin2については32サイクル、β−ACTINについては23サイクル実施した。全てのPCR反応は反応液25μl、開始時の熱変性は94℃3分間で行い、続いて94℃30秒、62℃30秒、72℃1分のサイクルで増幅反応を行った。PCR産物は1%アガロースゲルで電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色で検出した。
その結果、大腸癌18例中13例で、肝臓癌では10例中3例でBAMBIの発現亢進がみられた。図8に結果を示す。
コロニー形成アッセイは次のように行った。DU145細胞は、播種1日前にLipofectamine2000(Invitrogen)を用いて製品添付のプロトコルに従って、対象のプラスミドでトランスフェクトした。細胞(5×105細胞)は10cmディッシュに播き、400mg/mlG418(GIBCO)で選択し、1ng/mlTGF−β1添加または非添加の状態で培養した。培地交換とTGF−β1刺激は5日おきに行った。播種3週間後、コロニーは、メチレンブルーで染色するか、次の実験に用いるために単離した。
その結果、Du145細胞の増殖はTGF−βの作用により強く抑制されたが、BAMBIを発現するとTGF−βによる増殖抑制が阻害されること、BAMBIを発現しているDu145細胞はTGF−βシグナルに感受性が高く、標的遺伝子の転写活性化が亢進することが分かった。図9に結果を示す。
抗体としては、抗BAMBIアミノ末端ラビットポリクローナル抗体(200倍希釈)、抗BAMBIマウスモノクローナル抗体6G(10倍希釈、100倍希釈)を使用した。抗BAMBIアミノ末端ラビットポリクローナル抗体及び抗BAMBIマウスモノクローナル6Gは次のようにして作製した。
(抗BAMBIアミノ末端ラビットポリクローナル抗体の作製)
抗BAMBI−N末抗体の作製にはGST融合型hBAMBI aa45−147、抗BAMBI−C末抗体の作製にはaa177−241 500mgをそれぞれADJUVANT COMPLETE FREUND(DIFCO)と混合し、それぞれ2匹ずつのニュージーランドホワイト種のウサギ皮内に注射することにより初回免疫を行った。その後、2週間おきに、抗BAMBI−N末抗体の作製にはGST融合型hBAMBI aa45−147,抗BAMBI−C末抗体の作成にはaa177−241 200mgをそれぞれADJUVANT INCOMPLETE FREUND(DIFCO)と混合し、ウサギ皮内に注射することにより追加免疫を行った。約5回の追加免疫の後、ウサギの耳動脈から約50mlの血液を採血し、37℃で2時間インキュベーションした後、4℃でオーバーナイトのインキュベーションを行った。翌日、3000rpm、4℃で10分間遠心を行った後、上清を分注し、これを抗BAMBI抗血清とした。抗血清は、まずGSTとビーズを結合させた粒子を充填したカラムに通すことにより、GSTと結合する抗体を除去した。続いて、抗原をビーズに結合させた粒子を充填したカラムに通すことにより、抗原に特異的に結合する抗体をカラムに吸着させた。その後、吸着した抗体を溶出し、これを抗BAMBIポリクローナル抗体とした。
(抗BAMBIマウスモノクローナル6Gの作製)
_BALB/Cマウス3匹にGST融合型hBAMBI aa45−147を、初回200μg、以後2週間おきに50μgを2回、背部皮下に免疫した。アジュバントは、初回フロイント完全アジュバント(FCA)、以後フロイント不完全アジュバント(FIA)を抗原と1:1で混合して免疫した。尾静脈採血して血清を採取し、最も血清力価の高い個体について、最終免疫日から25日後屠殺し脾臓細胞を採取した。ミエローマ細胞はP3U1(P3X63 Ag8U.1)を用い、脾細胞:ミエローマ細胞=5:1で混合し、Polyethylene glycol Solution Hybri−Max,50%(W/V)(SIGMA)を用いて細胞融合した。マイクロタイタープレート上に2×105個(脾細胞)/wellでまき、HAT Media Supplement(50×)Hybri−Max(SIGMA)により抗体産生ハイブリドーマを得た。スクリーニングは、融合後11日目に、培養上清の一部を採集し、GSTあるいはGST融合型hBAMBI aa45−147を固相化したEIAプレートを用いてELISAを行い、GST融合型hBAMBI aa45−147にのみ反応するwellを選択した。クローニングは限界希釈法により計3回行った。そして、最終的に、BAMBIタンパク質に特異的に結合するモノクローナル抗体を産生する細胞であるハイブリドーマを樹立した。ハイブリドーマを10%ウシ胎児血清含有RPMI−1640培地中で26日間培養し、その培養上清から抗BAMBIモノクローナル抗体を取得した。
ウエスタンブロッティングの結果を図11に示す。図11に示されるように、抗BAMBIマウスモノクローナル抗体6Gは、BAMBIタンパク質を特異的に認識したことが分かる。
本発明は、抗BAMBI抗体、またはBAMBI遺伝子を基にした二本鎖RNAを用いたRNA干渉を利用し、従来困難であった大腸癌または肝臓癌の治療を可能とするものである。特に、BAMBIにより、TGF−βの増殖抑制効果が低下していた場合、本発明の治療剤により、増殖抑制効果の改善が期待できるものである。
Claims (3)
- 配列番号1のアミノ酸配列における45〜147番又は177〜241番の領域のアミノ酸残基を有するポリペプチドを認識するモノクローナル抗体を含む、大腸癌または肝臓癌診断剤。
- 配列番号30及び配列番号31に示す塩基配列からなるプライマーを含む、大腸癌または肝臓癌診断剤。
- 配列番号2の塩基配列を有する遺伝子断片を含むプローブを含む、大腸癌または肝臓癌診断剤。
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