以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明による情報閲覧装置の一実施形態を示すブロック図であって、1はCPU(Central Processing Unit:中央処理ユニット)、2は表示部、3は入力部、4はディスクドライブ、5はハードディスク、6はチューナ、7はカメラ読取部、8はインターネット通信部、9はリモコン入力部、10はEPG(Electronic Program Guide:電子番組ガイド)領域、11はライブラリ、12はファイル、12aはファイル12の紹介情報、12bはファイル12のコンテンツである。
同図において、この実施形態の情報閲覧装置は、TV番組の受信やCD(Compact Disk),DVD(Digital Versatile Disc)などのディスクからのデータの取り込み、携帯型カメラからのデータの取り込み、パソコンなどの機能を備えたものである。この情報閲覧装置では、入力部3でのキーボードやマウスの操作により、あるいは後述するリモコンの操作による指令信号がリモコン入力部9から入力されることにより、CPU1が各部の制御や各種処理を行なう。
TV番組や音声番組のデータはチューナ6で受信され、表示部2で表示される。また、入力部3やリモコンの操作により、受信されたTV番組や音声放送番組のデータはハードディスク5に録画,記録することができ、夫々がハードディスク5で1つのファイルとしてフォルダに保存される。また、録画予約がなされているTV番組も、その予約日時になると、チューナ6で受信され、ハードディスク5で1つのファイルとしてフォルダに保存される。また、TV番組のデータと同時に(即ち、TV信号の垂直帰線期間などに付加されて)受信される番組情報は、ハードディスク5のEPG領域10に保存される。
また、カメラ読取部7が設けられており、これに携帯型カメラ(ビデオカメラやデジタルのスチルカメラなど)を直接接続し、この携帯型カメラに内蔵されているカード状メモリに記録されている画像データ(動画データや静止画データ)を読み取ることもできるし、また、このカード状メモリを携帯型カメラから抜き取り、これをカメラ読取部7に装着することにより、このカード状メモリに記録されている画像データを読み取ることもできる。この読み取られた画像データは、ハードディスク5に1つのファイルとしてフォルダに保存される。さらに、カメラ付きの携帯電話機で撮影して内蔵のメモリに記録した画像データ(写真)も、カメラ読取部7から読み取ることができ、同様にして、ハードディスク5に1つのファイルとしてフォルダに保存される。
さらに、通信部8はインターネット通信をするためのものであり、インターネットを介してこの通信部8で取得したインターネットデータも、ハードディスク5で1つのファイルとしてフォルダに保存され、ディスクドライブ4でCDやDVDから取得した画像データや音声データも、ハードディスク5で1つのファイルとしてフォルダに保存される。
以上のフォルダがハードディスク5でライブラリ11に登録されると、そのフォルダに保存されているファイルが情報閲覧のために利用できるようになる。ライブラリ11に登録済みのフォルダに保存されているファイル12はその紹介情報12aとコンテンツ12bとから構成されている。コンテンツ12bは動画データや静止画データ,写真,音声データなどといったデータ自体のことであって、紹介情報12aはファイル名とファイル12の案内のためのコメントとサムネイルとから構成されている。紹介情報12aのファイル名はコンテンツ12bに付加された識別子(図示せず)と対応付けられており、これにより、紹介情報12aと該当するコンテンツ12bとが対応付けられている。
紹介情報12aにおけるサムネイルは、そのファイル名に対応するコンテンツ12bの代表となる画像を縮小したものであり、後述するサムネイル画面に表示されるものである。ライブラリ11のフォルダに保存されない放送中のTV番組や音声放送番組に対しても、ファイル名とコメントとサムネイルとからなる紹介情報12aが作成され、これがファイル12としてライブラリ11に登録されているフォルダに保存される。放送中のTV番組のファイル12でのサムネイルは、このTV番組の現時点での画像を縮小したものである。
なお、紹介情報12aにおけるサムネイルは、必ずしもコンテンツ12bの一部の画像である必要はなく、そのコンテンツを表わすものであればよい。例えば、絵,記号,文字やこれらの組み合わせのもの、または、アイコンであってもよい。この実施形態においては、これらを、総称して、「サムネイル」という。
ハードディスク5のライブラリ11では、各ファイルがカテゴリに区分されて保存される。カテゴリはコンテンツの種別を表わすものであって、放送中のTV番組や音声番組のコンテンツが割り当てられるカテゴリ「オンエア番組」,未放送のTV番組や音声番組が割り当てられるカテゴリ「未聴取番組」,録画されたTV番組のコンテンツやDVDなどの記録媒体から取得したコンテンツが割り当てられるカテゴリ「録画」,録画や録音をしたものの、まだ視聴していないコンテンツが割り当てられるカテゴリ「未視聴録画」,携帯型カメラやカメラ付き携帯電話機から取得した静止画データや写真などのコンテンツが割り当てられるカテゴリ「写真・静止画」,音声番組の録音データやCDなどから取得した音声のコンテンツが割り当てられるカテゴリ「音声」,インターネットを介して取得したインターネットデータからなるコンテンツが割り当てられるカテゴリ「リンク集」などがある。また、上記のカテゴリのみに限るものではなく、例えば、カメラ付き携帯電話機から取得した写真データであっても、異なる夫々のアルバムに区分する場合もあるが、夫々のアルバムを別々のカテゴリとすることも可能である。
ライブラリ11に登録されたフォルダに保存されるファイル12では、その紹介情報12a内にカテゴリ情報も含まれており、これにより、ファイル12が属するカテゴリが識別される。カテゴリ「オンエア番組」に区分される放送中のTV番組や音声番組では、ライブラリ11に紹介情報12aのみが保存されるが、この紹介情報12aに「オンエア番組」を示すカテゴリ情報が含まれている。
図2は図1に示す情報閲覧装置に用いられるリモコン13の一具体例の概略構成図であって、14Uは上方向キー、14Dは下方向キー、14Rは右方向キー、14Lは左方向キー、15は決定キー、16は送信部である。
同図において、リモコン13には、図1に示す情報閲覧装置の各種操作を行なうための操作キーが設けられているが、その1つとして、決定キー15の周りに、方向キーとしての上方向キー14Uと下方向キー14Dと右方向キー14Rと左方向キー14Lとが設けられている。これら方向キー14U,14D,14R,14Lや決定キー15は、情報閲覧装置がライブラリ11に保存されているファイル12を検索するモードにあるときには、後述するように、表示部2でのサムネイル画面の表示制御機能を備えるものである。
ここで、上記のように図示を省略しているが、リモコン13には、これら方向キー14U,14D,14R,14Lや決定キー15以外にも、情報閲覧装置の各種操作を行なうための操作キー(例えば、電源音/オフキー,TV番組などのチャンネル選択キー(テンキーなど),音量調整キー,録画・再生に関するキー,メニューキーなど)が設けられており、リモコン13でのかかる操作キーのいずれかを操作すると、かかる操作に応じた指令が送信部16から赤外線情報として図1に示すリモコン入力部9に送信される。情報閲覧装置では、かかる赤外線情報を受信すると、CPU1がその指令に応じた各部の制御や所定の処理を行ない、この指令に応じた動作を行なう。
図2に示すリモコン13において、上記のメニューキーを操作すると、図示しないが、図1における表示部2の表示画面にメニュー画面が表示され、このメニュー画面から情報閲覧装置で設定可能の各種のモードを選択することができる。メニュー画面からのモードの選択は、リモコン13での方向キー14U,14D,14R,14Lや決定キー15の操作によって行なわれるが、このモードの1つとして、情報閲覧モードが選択されると、表示部2の表示画面に3D(3次元)のサムネイル画面が表示され、リモコン13での方向キー14U,14D,14R,14Lや決定キー15を操作することにより、所望のコンテンツを検索することができる。
次に、この情報閲覧装置の実施形態での情報閲覧モードについて説明する。
図3(a)〜(c)は図1における表示部2の表示画面に表示されるサムネイル画面の一具体例を示す図であって、2aは表示画面、20はサムネイル画面、21AU,21AD,21BU,21BD,21CU,21CD,21DU,21DDはカテゴリ毎のサムネイル、22はカレンダ表示部、23はカテゴリ名表示部、24はフォーカス、25は属性情報表示部である。
図3(a)〜(c)において、表示部2の表示画面2aに表示されるサムネイル画面20は、表示画面2aの水平方向(X軸方向)をサムネイルの配列方向とし、奥行き方向(Z軸方向)をカテゴリの配列方向とする3D表示がなされる。かかるサムネイルは、図1におけるライブラリ11でのファイル12の紹介情報12aから読み取られたものであって、カテゴリ毎に区分され、同じカテゴリのサムネイルはX軸方向に配列されて表示される。
上記のように、カテゴリとしては、「オンエア番組」や「未聴取番組」,「録画」,「写真・静止画」,「未視聴録画」,「音声」,「リンク集」などがあるが、これらカテゴリ「オンエア番組」,「録画」,「写真・静止画」,「音声」,「リンク集」はライブラリ11でのフォルダに保存されているファイルの紹介情報12aから取得したサムネイルを用いてサムネイル画面20に表示するが、カテゴリ「未聴取番組」については、EPG領域10から各番組の情報を取得し、これをサムネイルとして表示する。
サムネイル画面20では、同じカテゴリのサムネイルが上下2列に表示される。上下のサムネイルの列の表示領域の間はカレンダ表示部22をなしており、このカレンダ表示部22に現在の日時や曜日が表示される。また、このカレンダ表示部22のX軸方向中央部にカテゴリ名表示部23が設けられており、これにZ軸方向で最も手前側に表示されるカテゴリ(このように、最も手前側にサムネイルの列が表示されるカテゴリを、以下、階層が最上位のカテゴリといい、奥側に表示されるカテゴリほど階層が下位になるものとする)の名称が表示される。さらに、最上位のカテゴリの上側のサムネイル列のサムネイル,下側のサムネイル列のサムネイル及びカテゴリ名表示部23のいずれか1つを指定するための枠状のフォーカス24が設けられている。
さらに詳細に説明すると、サムネイル21AU,21ADの列はカテゴリAのサムネイルであり(なお、ここでは、このカテゴリを「写真・静止画」としている)、Z軸方向にこのカテゴリAのサムネイル21AU,21ADの列の次に配列されるサムネイル21BU,21BDの列は次の階層のカテゴリBのサムネイルであり、さらに次に配列されるサムネイル21CU,21CDの列はさらに次に下位の階層のカテゴリCのサムネイルであり、さらに次に配列されるサムネイル21DU,21DDの列はさらに次に下位の階層のカテゴリDのサムネイルである。ここでは、4階層のカテゴリA〜Dのサムネイルが表示されるものとしており、サムネイル21DU,21DDのカテゴリDは最下位の階層のカテゴリである。但し、この場合の階層とは、実際にサムネイル画面20で表示されているカテゴリについていうものであって、後述するように、かかるカテゴリのZ軸方向の配列の前後関係は変わるものであって、このように前後方向の配列関係が変化しても、最も手前側にサムネイルが表示されるカテゴリが最上位の階層のカテゴリといい、最も奥にサムネイルが表示されるカテゴリが最下位の階層のカテゴリということになる。
この3D表示のサムネイル画面では、Z軸方向に奥の方に表示される(即ち、階層が低い)カテゴリほどサムネイルは小さくなるように表示され、かつ視点が表示画面2aのX,Y軸方向の中心点にあるようにしている。このため、上側に配置されたサムネイルは、下位の階層のカテゴリのサムネイルの下側の部分が表示されて、奥行きがあるように表示される。
ここで、各カテゴリでは、図4に示すように、同じ大きさ,形状の上側のサムネイル21Uと下側のサムネイル21Dとの上下2列のサムネイルが、同数ずつ上下揃えて配列されたものであって、かかるサムネイルの配列をレイヤ26という。また、各カテゴリのレイヤ26A,26B,26C,26Dは、図5に示すように、Z軸方向に等間隔に配列されるものであり、かかるレイヤの配列を視点27からZ軸方向に見たときに見える3D画像が図3に示すサムネイル画面20である。なお、図5では、カテゴリBが最上位のカテゴリとなるが、この最上位のカテゴリのレイヤ26Bの位置をホームポジション(基準位置)28という。
さらに、具体的に示すと、図6に示すように、同じ大きさのレイヤ26A,26B,26C,26DをZ軸方向に等間隔で配列し、この配列を最前列のレイヤ26Aの手前側の視点27から見た場合、レイヤ26Aに対する視野29Aがレイヤ26Aの一部のみを含むものとすると、レイヤ26Bに対する視野29Bはこのレイヤ26Bをほぼ含む広さとなり、レイヤ26Cに対する視野29Cはこのレイヤ26Cに対してさらに広くなり、レイヤ26Dに対する視野29Dはこのレイヤ26Dに対してさらに広くなる。このように視点27からZ軸方向に見た様子を画面表示すると、これら視野29A〜29Dを表示画面2aの大きさにして表示することになり、このため、視点27から離れるレイヤほど小さく見えて図3に示すような表示状態となるのである。
図3(a)に戻って、この図3(a)はフォーカス24がカテゴリAの上側のサムネイル21AUに重なった状態を示している(以下では、かかるサムネイル21AUの状態を「サムネイル21AUがフォーカスされている」という。これ以外についても同様である)。このように、フォーカスされたサムネイル21AUは指定されていることになる。つまり、図3(a)は最上位の階層のカテゴリAのサムネイル21AUがフォーカスされて指定されている状態を示すものである。また、フォーカスされたサムネイル21AUでは、その下側にこのサムネイル21AUのコンテンツを紹介するタイトルなどの属性情報を表わす属性情報表示部25が表示される。
このフォーカス24は上下方向、即ち、Y軸方向に変更可能であり、リモコン13(図2)での上方向キー14Uと下方向キー14Dとの操作によって上下方向に位置を変更できる。いま、図3(a)に示すフォーカスの状態でリモコン13の下方向キー14Dを1回操作すると、図3(b)に示すように、これまでフォーカスしていたサムネイル21AUの下側にあるカテゴリ名表示部23にフォーカス24が移動し、このカテゴリ名表示部23がフォーカスされて指定された状態となる。図3(b)に示す状態で、さらに、リモコン13の下方向キー14Dを1回操作すると、図3(c)に示すように、これまでフォーカスしていたカテゴリ名表示部23の下側にあるカテゴリAのサムネイル21ADにフォーカス24が移動し、このサムネイル21ADがフォーカスされて指定された状態となる。このサムネイル21ADがフォーカスされると、このサムネイル21ADの上側にこのサムネイル21ADのコンテンツを紹介するタイトルなどの属性情報を表わす属性情報表示部25が表示される。
また、図3(c)に示す状態でリモコン13の上方向キー14Uを1回操作すると、図3(b)に示すように、このサムネイル21ADの上側のカテゴリ名表示部23にフォーカス24が移動してカテゴリ名表示部23がフォーカスされて指定された状態となり、さらに、リモコン13の上方向キー14Uを1回操作すると、このカテゴリ名表示部23の上側のカテゴリAのサムネイル21AUにフォーカス24が移動し、このサムネイル21AUがフォーカスされて指定された状態となる。これとともに、このサムネイル21AUの下側にその属性情報表示部25が表示される。
このようにして、リモコン13の上方向キー14Uまたは下方向キー14Dを操作する毎にフォーカス24を上下方向に移動させることができ、最上位のカテゴリAの上側のサムネイル21AUや下側のサムネイル21ADを指定することができ、また、カテゴリ名表示部23をフォーカスすることができる。
以上のようにサムネイル21AUまたは21ADがフォーカスされて指定された状態で図2に示す決定キー15を操作すると、この指定されているサムネイル21AUまたは21ADが選択設定されたことになり、これにより、この選択されたサムネイル21AUまたは21ADに該当するコンテンツが表示画面2aで表示されるようになる。選択されたサムネイル21AUまたは21ADのコンテンツが図1に示すハードディスク5のライブラリ11に登録されているフォルダに保存されたファイル12のコンテンツ12bである場合には、これがライブラリ11から読み取られて表示部2の表示画面2aに表示されることになる。また、サムネイル21AUまたは21ADがカテゴリ「オンエア番組」のサムネイルであって、そのコンテンツが放送中のTV番組の番組内容である場合には、図1におけるチューナ6で受信されるこのTV番組の番組内容がそのままコンテンツとして表示画面2aに表示されることになる。
なお、サムネイルがフォーカス24によってフォーカスされるのは、このサムネイルが最上位の階層のカテゴリのサムネイルであるときであり、フォーカスされているときに、選択されて該当するコンテンツを表示させることが可能となるものである。
また、図3(a),(c)に示すように、カテゴリのサムネイルがフォーカスされているときには、図2に示すリモコン13の右方向キー14Rまたは左方向キー14Lを操作することにより、サムネイル21(なお、サムネイル21AU,21AD,……,21DU,21DDをまとめて言う場合、このように、サムネイル21という)の列をX軸方向、即ち、右方向または左方向にスクロールさせることができる。このスクロール、即ち、X軸方向のスクロールが行なわれると、表示される先頭のサムネイルは表示画面2aから外れていく。これとともに、反対側から新たなサムネイルが現われて表示されるようになるが、フォーカス24は同じサムネイルの列上に表示されており、これにより、フォーカス24によってフォーカスされるサムネイルが順次1つずつ移っていく。このようにして、希望するコンテンツのサムネイルを探し出してフォーカスし、選択することができる。
この場合、レイヤは概念的にエンドレス状のものであり、図7(a)に示すように、矢印Xで示す左方向にレイヤ26がスクロールしている場合には、図面上先頭となるサムネイル21U,21Dは、破線矢印で示すように、サムネイル21の列の最後尾に移動する。また、図7(b)に示すように、矢印Xで示す右方向にレイヤ26がスクロールしている場合には、図面上先頭となるサムネイル21U,21Dは、破線矢印で示すように、サムネイル21の列の最後尾に移動する。
このようにして、X軸方向にスクロールするサムネイル21の列は、このスクロールが途切れない限り、繰り返し表示されることになる。
図3(b)に示すカテゴリ名表示部23がフォーカスされた状態で予め決められた時間T0が経過すると、サムネイル画面20のZ軸方向へのスクロールが行なわれる。
図8はかかるZ軸方向のスクロールを示す図である。
図8(a)は図3(b)に示す状態と同じ状態を示すものであって、かかる状態で予め決められた時間T0が経過すると、サムネイル画面20、従って、各カテゴリでのサムネイル21AU,21AD,21BU,21BD,21CU,21CD,21DU,21DDの夫々の配列が、X軸方向のスクロールなしに、Z軸に沿って手前側に向かって自動スクロールする(これを、Z軸方向のスクロールという)。ここで、予め決められた時間T0とは、例えば、1秒程度であり、時間T0の経過を待ってスクロールさせるのは、上下方向のサムネイルへフォーカスを移動させる動作中にZ軸方向へのスクロールが始まるのを防ぐためである。また、Z軸方向のスクロールの方向(奥から手前側へまたは手前側から奥へ)は、前回のZ軸方向のスクロールの方向に応じて決定される。前回のスクロールの方向の記録がない(初回など)場合には、奥から手前方向にスクロールする。図8では、奥から手前側の方向にスクロールし、サムネイルが近づいてくる状態を示す。この場合、上記のように、視点が表示画面2aの中心にあるから、上側に配列される各カテゴリのサムネイルAU,21BU,21CU,21DUは手前側に移動しながら上の方に移動するように表示され、また、下側に配列される各カテゴリのサムネイル21AD,21BD,21CD,21DDは手前側に移動しながら上の方に移動するように表示され、図8(b)に示す状態となる。
そして、図8(b)に示す状態からも、さらに、Z軸方向のスクロールが進み、最上位の階層にあったカテゴリA(この場合、カテゴリ「写真・静止画」)のサムネイル21AU,21ADはサムネイル画面20からはみ出して表示されなくなる。そして、図8(c)に示すように、次のカテゴリB(この場合、カテゴリ「音声」)が最上位の階層のカテゴリとなり、カテゴリ表示部23で表示されるカテゴリ名称も、最上位の階層のカテゴリが移るとともに、この新たな最上位の階層のカテゴリの名称に変わる。これとともに、新たなカテゴリEのサムネイル21EU,21EDの配列が、最下位の階層のカテゴリのサムネイルとして、Z軸方向の視点から最も離れた位置に追加表示される。
Z軸方向のスクロールが逆方向の場合には、各カテゴリは手前側から奥の方にZ軸方向のスクロールをすることになり、新たなカテゴリが手前側から現われて最上位の階層のカテゴリとなり、最下位の階層のカテゴリが表示されなくなる。
このように、図3(b)のように、カテゴリ名表示部23がフォーカスされた状態にある限り、かかるZ軸方向のスクロールが継続し、最上位の階層のカテゴリが変わっていく。奥から手前側のZ軸方向のスクロールでは、図9(a)に示すように、視点27よりも手前側となったカテゴリAのレイヤ26Aは、破線矢印で示すように、これまでの最下位の階層であったカテゴリDのレイヤ26Dの後に配列され、次のカテゴリBのレイヤ26Bが最上位の階層のサムネイルとなり、右方向キー14Rが操作されている限り、このZ軸方向のスクロールが続行してエンドレスに各カテゴリが表示されることになる。手前側から奥へのZ軸方向のスクロール場合も同様であり、図9(b)に示すように、上記とは逆向きのZ軸方向にスクロールが行なわれ、最下位の階層のカテゴリAのレイヤ26Aは、破線矢印で示すように、これまでの最上位の階層であったカテゴリBのレイヤ26Bの前に配列されて最上位の階層のカテゴリとなり、エンドレスに各カテゴリが表示されることになる。
Z軸方向の自動スクロール中に、図2に示すリモコン13の右方向キー14Rを操作すると、その時点でフォーカスされているレイヤの1つ下位(奥)のレイヤをフォーカスエリア内に移動させ、その後は奥から手前側に自動スクロールする。また、Z軸方向の自動スクロール中、図2に示すリモコン13の左方向キー14Lを操作すると、その時点でフォーカスされているレイヤを奥に移動させ、当該レイヤよりさらに手前側にあるレイヤをフォーカス内に移動させる。その後は手前側から奥に自動スクロールする。
このようにして、自動スクロールとリモコン13の右方向キー14Rまたは左方向キー14Lの操作によるZ軸方向のスクロールにより、所望とするカテゴリを選択することができる。このカテゴリの選択は、カテゴリ名表示部23で最も手前側にサムネイルが表示される最上位の階層のカテゴリの名称が表示されるから、このカテゴリ名表示部23の表示内容から希望するカテゴリが選択されたか否かを確認することができる。なお、上記の記載では、カテゴリ名表示部23がフォーカスされた状態で予め決められた時間T0を経過した後に、Z軸方向の自動スクロールが行なわれることを説明したが、自動スクロールによらず、図2に示すリモコン13の右方向キー14Rまたは左方向キー14Lの操作により、奥から手前側へのスクロールまたは手前側から奥へのスクロールを行なわせるようにしてもよい。操作者は、リモコン13の操作により、所望のタイミングで所望の量のスクロールを行なわせることができる。
さらに、自動スクロールは、Z軸方向だけではなく、X軸方向にも行なうことができる。サムネイル画面20が表示された状態で、予め決められた時間T0経過しても、リモコン13による操作がない場合には、X軸方向のスクロールとZ軸方向のスクロールとが一定時間毎に交互に行なわれる状態(以下、これを自動スクロール状態という)に切り替わり、かかる自動スクロール状態でリモコン13の上方向キー14Uまたは下方向キー14Dが操作すると、自動スクロール状態が解除され、フォーカス24が上下方向に移動する。なお、自動スクロール状態では、X軸方向の自動スクロールは予め決められた一方向のスクロールであり、Z軸方向の自動スクロールも予め決められた一方向のスクロールである。
また、サムネイルがフォーカスされた状態で自動スクロールが行なわれているときに、リモコン14の決定キー16が操作されると、このフォーカスされているサムネイルが選択され、これに該当するコンテンツの表示状態となる。この自動スクロール状態が解除された状態(以下、自動スクロール解除状態という)は、上記の予め決められた時間T0継続する。この自動スクロール解除状態にあるときに、リモコン13の右方向キー15Rまたは左方向キー15Lを操作すると、上記のように、その操作毎にX,Z軸方向のスクロールが行なわれるが、かかる操作をしなくなってから上記の予め決められた時間T0経過すると、上記の自動スクロール状態に切り替わる。
さらに、カテゴリ名表示部23(図8)は、固定レイヤのものであって、この固定レイヤはホームポジション28(図5)に位置付けられている。従って、各カテゴリのレイヤ26がZ軸方向にスクロールしても、このカテゴリ名表示部23は一定の位置に表示されることになる。
次に、サムネイルがX軸方向のどのような位置にあるときにフォーカスされるのか、また、カテゴリのレイヤがZ軸方向のどのような位置にあるときに、カテゴリ名表示部23にそのカテゴリ名称が表示されるのかについて説明する。
図10はフォーカスされるレイヤを示す図であって、30はフォーカスエリアであり、前出図面に対応する部分には同一符号を付けている。
同図において、各カテゴリのレイヤ26A,26B,26C,……が配列される3D座標空間内にフォーカスエリア30が設定されている。このフォーカスエリアを横切る位置にあるレイヤ(ここでは、レイヤ26A)のカテゴリAが最上位の階層のカテゴリであり、かかるカテゴリAでのこのフォーカスエリア30に含まれるサムネイルがフォーカスされる。また、かかるカテゴリAについて、カテゴリ名表示欄23が割り当てられてフォーカスされるし、これにこのカテゴリAのカテゴリ名称が表示される。
フォーカスエリア30は、図11(a)に示すように、X軸方向の幅がW、Y軸方向の高さH、Z軸方向の奥行きDの直方体状をなしており、高さHはレイヤ26の高さhよりも高く、レイヤ26の高さh全体がこのフォーカスエリア26を貫通している。
このフォーカスエリア30の幅Wは、図11(b)に示すように、
W=Lx−δx ……(1)
但し、Lx=サムネイル21のX軸方向の間隔
δx=X軸方向にサムネイル21が移動するときの最小移動距離
で表わされる。サムネイル21のX軸方向の移動は、厳密には、表示画面2aの画素間隔の整数倍単位で間欠的に行なわれるが、この最小移動距離とは、この間欠移動での1回の移動距離をいう。
また、フォーカスエリア30の奥行きDは、図11(c)に示すように、
D=Lz−δz ……(2)
但し、Lz=カテゴリのレイヤ26のZ軸方向の間隔
δz=Z軸方向にレイヤ26が移動するときの最小移動距離
で表わされる。レイヤ26のZ軸方向の移動も、厳密には、細かい距離ずつ間欠的に行なわれるが、この最小移動距離とは、この間欠移動での1回の移動距離をいう。
図12はレイヤ26のX軸方向の自動スクロールでのフォーカスされるサムネイルの切り替わり過程を示す図である。ここでは、サムネイル21の中心点がフォーカスエリア30内にあるとき、このサムネイル21がフォーカスされるものとする。また、一連のサムネイル21をサムネイルA,B,Cとしている。
図12(a)はレイヤ26のサムネイルBがフォーカスエリア30内にある状態を示すものであり、このレイヤ26は矢印で示すX軸方向にスクロールしている。このときには、このサムネイルBがフォーカス24によってフォーカスされている。
図12(b)は図12(a)に示す状態からある時間経過し、サムネイルBの先端部分がフォーカスエリア30からはみ出した状態を示している。しかし、この状態では、サムネイルBの中心点は、まだ、フォーカスエリア30内に存在しており、このため、このサムネイルBがフォーカスされている。また、このフォーカスエリア30のX軸方向の幅Wは上記式(1)で表わされるから、このときには、次のサムネイルCの中心点はフォーカスエリア30から外れている。
レイヤ26がさらにX軸方向に移動し、図12(c)に示すように、サムネイルBの中心点がフォーカスエリア30から出ると、次のサムネイルCの中心点がフォーカスエリア30内には入り込むことになり、フォーカス24がサムネイルBからサムネイルCに移り、このサムネイルCがフォーカスされることになる。
このようにして、フォーカスエリア30のX軸方向の幅Wを上記式(1)に示すように設定することにより、最上位の階層のカテゴリのレイヤ26での1つのサムネイル21のみがフォーカスされることになる。
図13は自動スクロール状態でのリモコン13の方向キー14R,14Lの操作によるサムネイル21のフォーカスを示す図である。
図13(a)はサムネイルBがフォーカスエリア30内にあって、このサムネイルBがフォーカス24によってフォーカスされている状態を示す。かかる状態でリモコン13の右方向キー14Rを操作すると、図13(b)に示すように、レイヤは矢印で示す左方向にスクロールし(これは、相対的にフォーカス30がレイヤに対して右方向に移動したことになる)、次のサムネイルCがフォーカスエリア30内に入り込んでこのサムネイルCがフォーカスされるとともに、レイヤは左方向へ自動スクロールすることになる。このとき、新たにフォーカスされたサムネイルCが、左方向の自動スクロールで最も長い時間フォーカスされるように、フォーカスエリア30の右端に中心点が来る位置にスクロールされる。
また、図13(a)に示す状態でリモコン13の左方向キー14Lを操作すると、図13(c)に示すように、レイヤは矢印で示す右方向にスクロールし(これは、相対的にフォーカス30がレイヤに対して左方向に移動したことになる)、次のサムネイルAがフォーカスエリア30内には入り込んでこのサムネイルAがフォーカスされるとともに、レイヤは右方向へ自動スクロールすることになる。このとき、新たにフォーカスされたサムネイルAが、右方向の自動スクロールで最も長い時間フォーカスされるように、フォーカスエリア30の左端に中心点が来る位置にスクロールされる。
このようにして、リモコン13の右方向キー14R,左方向キー14Lを操作することにより、所望とするサムネイル21を探し出してフォーカスさせることができ、コンテンツの検索を容易に行なうことができる。
なお、図11(b),図12,図13に示す具体例では、サムネイル21の中心がフォーカスエリア30内にあるとき、そのサムネイルをフォーカスするようにしたが、これに限らず、サムネイル21の移動方向に見た先頭の辺など他の部分がフォーカスエリア30内にあるとき、そのサムネイルをフォーカスするようにしてもよい。
図14はレイヤ26A,26B,26C,……のZ軸方向のスクロールでのフォーカスされるレイヤ26の切り替わり過程を示す図である。ここでは、レイヤ26がフォーカスエリア30内にあるとき、このレイヤ26のサムネイルがフォーカスされるものとする。
図14において、フォーカスエリア30のZ軸方向の位置は、ホームポジション(基準位置)28を含むように設定される。即ち、図14(a)に示すように、このフォーカスエリア30は、その長さD1の部分がホームポジション28よりも手前側(図面上左側)にあり、残りの長さD2(=奥行きD−D1)の部分がホームポジション28よりも後ろ側にあるように、位置付けられている。ここで、D1<D2とし、ホームポジョン28の後ろ側の部分よりも手前側の方が短くなるようにしている。
図14(a)はレイヤ26Aがホームポジション28上に位置している状態を示すものであって、これはレイヤ26でX軸方向の自動スクロールやリモコン13の操作によるX軸方向のスクロールが行なわれるときの状態である。このときのレイヤ26Aのサムネイルの1つが図12で説明したようにフォーカスされ、また、このレイヤ26Aのカテゴリ名称がカテゴリ名表示部23で表示される。また、フォーカスエリア30の奥行きが上記式(2)のように設定されていることから、フォーカスエリア30には、1つのレイヤ26のみが含まれる。
Z軸方向のスクロールでは、レイヤ26A,26B,26C,……が等間隔を保ちながらZ軸方向(この場合には、図面上、左方向)に移動し、図14(b)に示すように、レイヤ26Aはフォーカスエリア30内でホームポジション28から離れていく。これとともに、次のレイヤ26Bがフォーカスエリア30に近づいてくるが、フォーカスエリア30が上記式(2)で表わす奥行きDを有することから、フォーカスエリア30には達しない。
そのままZ軸方向のスクロールが継続すると、図14(c)に示すように、レイヤ26Aがフォーカスエリア30から排出されるが、これとともに、次のレイヤ26Bがフォーカスエリア30に入り込み、そのサムネイルの一つがフォーカス可能な状態となり、また、カテゴリ名表示部23では、レイヤ26Aのカテゴリ名称の表示からレイヤ26Bのカテゴリ名称の表示へと切り替わる。
さらに、Z軸方向のスクロールが継続すると、図14(d)に示すように、レイヤ26Bはフォーカスエリア30内をZ軸方向に移動し、フォーカスエリア30内に存在する限り、このレイヤ26Bはフォーカス可能な状態にあり、そのカテゴリ名称がカテゴリ名表示部23に表示されている。
なお、図14(c)に示す状態で、リモコン13の上方向キー14Uまたは下方向キー14Dの操作により、カテゴリ名表示部23をフォーカスしていたフォーカス24がこのレイヤ26Bのサムネイルに移ると、このレイヤ26Bはホームポジション28上に固定される。
以下同様にして、Z軸方向のスクロールが続いている限り、レイヤ26が順番にフォーカスエリア30内に入って、フォーカス可能な状態になり、カテゴリ名表示部23でそのカテゴリ名称の表示に切り替わる。
以上の具体例は、フォーカスエリア30の設定位置が固定されているものとしたが、次に、フォーカスエリア30が移動する場合の具体例を説明する。
図15はフォーカスエリア30の設定位置が固定されない場合の自動スクロール状態でのフォーカスの切り替えの過程を示す図であって、前出図面に対応する部分には同一符号を付けている。
図15(a)はフォーカスエリア30内にサムネイルBが存在し、このサムネイルBがフォーカスされている状態を示す。このとき、レイヤ26が矢印で示すX軸方向にスクロールしているものとすると、サムネイルBのX軸方向の移動とともに、フォーカスエリア30もこのサムネイルBと同じ速度で同じ方向に移動する。従って、サムネイルBは、この移動中、フォーカスエリア30内に存在しながら移動する。
かかるX軸方向のスクロールが継続すると、図15(b)に示すように、フォーカスエリア30の左辺は表示画面2aの表示領域の左辺部に達し、その位置でフォーカスエリア30は停止し、その位置に固定される。しかし、レイヤ26は同じX軸方向にスクロールを継続するものとすると、サムネイルBはさらにX軸方向に移動し、図15(c)に示すように、フォーカスエリア30から外れていく。そして、これとともに、次のサムネイルCがフォーカスエリア30内には入り込んでいき、図15(d)に示すように、このサムネイルCがフォーカスされることになる。
なお、Z軸方向の自動スクロールからX軸方向の自動スクロールに切り替わったときには、フォーカスエリア30は、図15において、右端の位置にあり、X軸方向のスクロールとともに、上記のように、左方に移動する。
図16はフォーカスエリア30の設定位置が固定されない場合の非自動スクロール状態でのフォーカスの切り替えの過程を示す図であって、前出図面に対応する部分には同一符号を付けている。
図16(a)はフォーカスエリア30内にサムネイルBが存在し、このサムネイルBがフォーカスされている状態を示す。このとき、レイヤ26は停止している。
かかる状態でリモコン13の右方向キー14Rを操作すると、図16(b)に示すように、フォーカスエリア30がサムネイル1個分右方に移動し、右隣のサムネイルCをフォーカスする。また、図16(a)に示す状態でリモコン13の左方向キー14Lを操作すると、図16(c)に示すように、フォーカスエリア30はサムネイル1個分左方に移動し左隣のサムネイルAをフォーカスする。
図16(c)に示す状態は、フォーカスエリア30がサムネイル画面20の左端にある状態であり、かかる状態で、さらに、リモコン13の左方向キー14Lを操作しても、フォーカスエリア30は左方に移動することはできない。しかし、その代わり、図16(d)に示すように、レイヤ26が反対の右方向に移動し、左側から新たなサムネイル21が現われてくる。従って、そのまま左方向キー14Lを操作し続けると、レイヤ26は右方にスクロールし続け、左から順に新たなサムネイル21が現われてくる。この左辺側から新たに現われるサムネイルは直ちにフォーカスエリア30に入り込んでフォーカスされることになる。
また、図示しないが、フォーカスエリア30をサムネイル画面20の右端に移動させてリモコン13の右方向キー14Rを操作し続けた場合も同様であり、レイヤ26が左方向にスクロールして右側から現われるサムネイル21をフォーカスさせることができる。
このようにして、非自動スクロール状態においても、リモコン13の右方向キー14R,左方向キー14Lを操作することにより、所望とするサムネイル21を指定・選択し、所望とするコンテンツを表示させることができる。
なお、以上では、リモコン13(図2)の上下方向キー14U,14Dと左右方向キー14R,14Lを操作するものとしたが、図1における入力部3のキーボードに設けられている同様の操作キーを用いることもできることはいうまでもない。