JP4702298B2 - 生体分子の解析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固相担体上に固定化した生体分子の機能や状態を解析する方法に関する。
従来、固相担体に生体分子を固定化して、固相上で分析や診断を行ったり、固相上で生体成分の機能を研究したりすることが行われている。
固相上で生体分子の分析や機能研究するには、蛍光色素や放射性元素などのプローブを付加して可視化することで、定性的なあるいは定量的な分析を行うのが通常である。タンパク質などの生体分子にプローブを導入する方法としては、主に、(1)生体分子中の官能基との間に直接化学結合を形成する、(2)目的の生体分子に特異的な抗体を用いた抗原抗体反応による、(3)遺伝子操作技術を用いて目的の生体分子内に直接プローブとなるタンパク質構造を導入する、などの方法がある(非特許文献1)。
一方、近年では、固相表面に生体内の組織体や複合タンパク質を自己組織化により再構築し、輸送やすべり運動など複雑な機能や現象の解析も試みられるようになってきている(特許文献1)。
Gruber,H. J., Hahn, C. D., Kada, G, Riener, C.K., Harms, G.S., Ahrer, W., Dax, T., G.,Knaus, H-G. Anomolous florescence enhancement of Cy3 and Cy3.5 versus anomalousfluoresnce loss of Cy5 and Cy7 upon covalent linking to IgG and noncovalentbinding to Avidin. Bioconjugate Chem.11, 696-704(2000) 特開2006-322889
従来の固相上の分析や診断では、例えば、DNA間のハイブリダイゼーションなど固相に固定化した生体分子と他の分子との単純な相互作用を評価する場合が多かった。また、相互作用の有無やその結果だけを評価していた。このため、可視化のために生体分子に導入したプローブによって生体分子の生理活性を損なわれる可能性については大きな問題となっていなかった。
これに対し、固相に固定化した複合体などの生体分子の機能を評価する場合、生体分子に導入したプローブが生体分子の活性を損なってしまい、他の分子との相互作用の発現に障害を及ぼすことがあることがわかった。すなわち、従来の可視化手法を用いた場合、生体分子の種類や評価しようとする機能の種類によっては、可視化後において機能を発現しなくなることがあることがわかった。
一方、固相上に固定化した生体分子の機能の評価を有効なものとするには、機能上の評価のみならず、当該機能の発現に係わる、固相に固定化した生体分子の配列や配向などの情報や固定化量を把握することが重要である。しかしながら、これまでは機能評価が主体であり、固相における生体分子の固定状態や固定化量の解析はほとんど行われていなかった。また、既に固相に固定化した生体分子の固定状態や固定化量を、固定化前に生体分子に予め導入したプローブを用いることなく取得するには、煩雑な操作が必要であった。
そこで、本発明は、固相上に固定化した生体分子の機能への悪影響を抑制した状態で当該機能を発現させることのできる生体分子の解析方法並びに当該解析方法に適した固相担体及び固相体を提供することを一つの目的とする。また、本発明は、固相に固定化した生体分子の固定状態に関する情報を取得するのに適した生体分子の解析方法並びに当該解析方法に適した固相担体及び固相体を提供することを他の一つの目的とする。さらに、本発明は、固相上に固定化した生体分子の機能と固相上での固定状態との双方についての情報を取得するのに適した解析方法及び当該解析方法に適した固相体を提供することを他の一つの目的とする。
本発明によれば、生体分子の解析方法であって、生体分子が固相担体に固定化された固相体を準備する工程と、前記固相担体表面における前記生体分子の機能を解析する第1の解析工程と、前記第1の解析工程後に前記固相体上の前記生体分子の固定状態を解析する第2の解析工程と、を備える、方法が提供される。
本解析方法は、前記生体分子と他の分子との相互作用を解析する前記第1の解析工程を備えることができる。この第1の解析工程は、前記他の分子の運動を観察することを含むことができる。
また、本解析方法は、固定化した前記生体分子と前記他の分子との相互作用の時間的変化を解析することを含む前記第1の解析工程を備えることができる。
さらに、本解析方法は、前記生体分子を可視化することを含む前記第2の解析工程を備えていてもよい。この態様において、前記生体分子を蛍光染色して可視化してもよい。
また、本解析方法は、前記固相体上における前記生体分子の配列状態及び/又は前記生体分子の配向状態を解析する前記第2の解析工程を備えていてもよい。さらに、本解析方法は、前記固相体上における前記生体分子の量を測定する第2の解析工程を備えていてもよい。
本解析方法は、前記生体分子が光応答性層に光照射により固定された固相体を準備する前記準備工程を備えていてもよい。
本解析方法は、さらに、第2の解析工程後に前記固相担体から前記生体分子を回収する工程を備えることもできる。
本発明によれば、生体分子の解析方法であって、生体分子が固相担体に固定化された固相体を準備する工程と、前記固相体表面における前記生体分子の機能を解析する第1の解析工程と、前記固相担体から前記生体分子を回収する工程と、を備える、方法も提供される。
本発明によれば、生体分子の解析用固相担体であって、前記生体分子を固定化するための光応答性層を備え、上記いずれかに記載の生体分子の解析方法に用いる固相担体が提供される。
さらに、本発明によれば、生体分子の解析用固相体であって、前記生体分子が固定化された光応答性層を備え、上記いずれかに記載の生体分子の解析方法に用いる固相体が提供される。
本発明の生体分子の解析方法は、生体分子が固相担体に固定化された固相体を準備する工程と、前記固相担体表面における前記生体分子の機能を解析する第1の解析工程と、前記第1の解析工程後に前記固相体上の前記生体分子の固定状態を解析する第2の解析工程と、を備えることができる。
本解析方法によれば、生体分子の機能を解析する第1の解析工程の後に、固相担体上の生体分子の固定状態を解析するため、第1の解析工程に先だって、固相担体上に固定した生体分子に蛍光色素などのプローブを導入するなどして固定状態を解析するための可視化能を付与しておく必要がない。したがって、第1の解析工程では、生体分子を可視化などのためのプローブ等の障害を受けることなくその機能を発揮させることができる。また、生体分子の機能を発現させた後で、生体分子の固定状態を解析するため、容易にかつ確実に生体分子の固定状態を解析することができる。したがって、本解析方法によれば、固相担体上に固定化した生体分子の機能とその固相担体上での固定状態(例えば、固定化量や固定化形態等)との双方を確実に取得し解析することができる。
本発明の固相担体及び固相体は、いずれも生体分子を光照射により固定化するための光応答性層を備えることができる。本発明の固相担体及び固相体は、こうした光応答性層を生体分子の固定化層とし、共有結合などの化学的結合や物理的吸着力によらないで生体分子が固定化されており、生体分子の固定化に伴う変性や悪影響が抑制又は回避されている、したがって、第1の解析工程では、生体分子の機能が損なわれにくくなっているため、固相担体に固定化されていても本来の機能の状態に近い状態で他の分子との相互作用などの機能を検出できる。また、光応答性層表面では、生体成分を固定化するための汎用性の官能基や物理的吸着性の付与が抑制又は回避されているため、こうした表面特性によって引き起こされる生体分子の可視化の妨害を抑制する手段(例えば、官能基のキャッピングや表面のブロッキングなどが挙げられる。)を取ることなく、生体分子のみを効率的に検出することができる。
本発明は、以上のとおり、生体分子の解析方法、生体分子解析用固相担体及び生体分子解析用固相体に関している。以下、本発明の実施の形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1には、本発明の生体分子の解析方法のフローの一例を示し、図2には、固相体の一例を示し、図3には、固相体の作製工程の一例を示し、図4には、第1の解析工程の一例を示し、図5には、第2の解析工程の一例を示す。また、図6〜図9には、生体分子の回収工程を備える本発明の解析方法の工程例を示す。
(生体分子の解析方法)
本発明の生体分子の解析方法は、図1に示すように、生体分子が固相担体に固定化された固相体を準備する工程と、前記固相体表面における前記生体分子の機能を解析する第1の解析工程と、前記第1の解析工程後に、前記固相体上の前記生体分子の固定状態を解析する第2の解析工程を備えることができる。以下、これらの各工程について順次説明する。
(生体分子が固定化された固相体の準備工程)
(生体分子)
本発明が解析対象とする生体分子は、一分子のみを意味するものではなく、二分子以上からなる同種分子の集合体であってもよいし、異種分子との複合体であってもよい。さらに、多数の同種又は異種の分子から構成される、例えば自己組織体などの組織体であってもよい。
生体分子としては、特に限定しないで、動物、植物、微生物、ウイルス等生物体に存在する、生物体が生産する又は生物体が代謝する天然由来の分子、これらを人工的に改変した分子であってもよいし、天然分子に依存しないで人工的に設計した分子であってもよい。また、生物から採取した分子のみならず、人工的に本来的にその分子が存在する生物体以外の生物において生産させた分子のみならず、生物体外で人工的に化学合成又は酵素等によって合成した分子であってもよい。
生体分子としては、典型的には、タンパク質、核酸、糖類、脂質、骨形成材料などの生体材料、各種の生物細胞及びその一部、組織及び生物体自体などの生物材料が挙げられる。また、生体分子は、固相に固定化されるのに際して、他の有機材料及び/又は無機材料等と複合化されていてもよい。
なお、タンパク質とは、任意のサイズ、構造、または機能の、タンパク質、ポリペプチド、およびオリゴペプチドを含んでいる。タンパク質としては、例えば、各種タンパク質、酵素、抗原、抗体、レクチン又は細胞膜レセプターが挙げられる。また、抗体は、天然の又は全体的若しくは部分的に合成的に産生された免疫グロブリンを意味する。特異的結合能を保持するその全ての誘導体も包含される。核酸は、1本鎖であっても、2本鎖であってもよい。人工及び天然を問わず、DNA、RNA、DNA/RNAハイブリッド、DNA-RNAキメラ及び塩基やその他の修飾体を含んでいてもよい。さらにその鎖長も特に限定しない。
なお、後述するように、生体分子を固相担体に光固定化する場合には、生体分子は、1mm以下であることが好ましく、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下、とりわけ好ましくは10μm以下のサイズのものを対象とすることができる。また、生体分子は、好ましくは1nm以上の大きさである。
(固相担体)
生体分子は、固相担体上に固定化されている。図2に、こうした固相体の一例として、生体分子20を固相担体6に固定化した固相体10を示す。固相担体6は、一般に、生体分子20を固定化するための表面処理又は表層(以下、単に表層4という。)を備えることが多く、そうした表層4は、生体分子20を固定化する手法に応じた特性を備えている。こうした表層4としては、例えば、カルボキシル基、アミノ基など反応性のある官能基あるいはリシンなどの荷電性の基が結合されて形成されていたり、プラスチックなどによる高疎水性が付与されていたりする。
生体分子20が固相担体6の表面に固定化される形態は、上記のような表層4を利用した共有結合などの化学結合、疎水結合、水素結合、静電的結合等による吸着など、特に限定されない。しかしながら、固定化する生体分子20の機能維持及び固定化した生体分子20の検出を考慮すると、光照射によって光応答性層に生体分子20を固定化する光固定化であることが好ましい。
光固定化のための固相担体6は、光応答性層5それ自体によって構成されていてもよいし、図3(a)に示すように、光応答性層5が適当な担体2上に担持されたものであってもよい。担体2は、適当な支持体を備えており、支持体のみから構成されていてもよいし、光応答性層5を形成するための適当な下地層などの層を備えていてもよい。
(光応答性層)
光応答性層5は、生体分子20を光固定化により固定するために用いる層である。ここで、光固定とは、光応答性成分を含有する光応答性層5の表面に配した生体分子20に光照射して光応答性層5の表面において光異性化ないしは光変形を生じさせて固定することをいう。光応答性層5は、特に限定されないが、例えば、図3(a)に示すような固相担体6を得る場合には、担体2の表面にスピンコート、ディップコート、インクジェット、ロールを用いた方法など既存の方法により光応答性材料を供給して膜化すればよい。
光応答性層5は、光応答性成分を含有すること及び光による分子構造の変化等により結果として形状変形(以下、光変形ともいう。)を生じるように構成されている(光変形材料ともいう。)ことが好ましい。本明細書において光変形とは、通常のマクロな意味での形状変化のほか、分子レベルでの運動による生体分子と光固定化材料表面との絡み合いになどによる変形も含む。このような変形の中には、変形量や変形形態の問題から通常の観察手段によっては明瞭に観察できないものもある。光変形は、光応答性成分が光固定化材料中に存在することにより、光照射時に、例えば、光応答性層5のマトリックス6若しくは光応答性成分の体積、密度、自由体積などが変化することにより誘起されることにより生じると考えられる。
(光応答性成分)
光応答性層5に含まれる光応答性成分は、光により分子構造の変化又は分子配列の変化を生じる成分である。光により分子構造の変化が生じる現象は、フォトクロミズムと一般にいわれている。本発明で用いる光応答性成分としては、一般にフォトクロミック化合物といわれる化合物を用いることができるが、なかでも、光異性化を生じる化合物を用いることが好ましい。なお、光異性化等の分子構造変化を伴って又は光異性化等の分子構造変化を伴わないで光誘起配向、光会合等の分子配列の変化(特に異方的な変化)を生じる化合物も、光応答性層5を構成することができる限り本発明の光応答性成分として用いることができる。
光応答性成分としては、こうした光固定にこれまで用いられてきている各種成分を用いることができる。光応答性成分のフォトクロミック材料としては、アゾ系化合物、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、ジアリールエテン系化合物、フルギド系化合物などを用いることができる。また、光応答性成分としては、例えば、トランス−シス光異性化を生じる光異性化化合物等があり、例えば、アゾ系化合物、スチルベン系化合物、アゾメチン系化合物などを例示できる。
光応答性成分としては、アゾ基(−N=N−)を有する色素構造を有する化合物(アゾ化合物)であることが好ましい。アゾ化合物は、光照射等によりシス−トランス異性化を起こし、この異性化による分子レベルの運動が光応答性層4を可塑化させて変形を容易にする。なかでも、アミノアゾベンゼンやその誘導体の構造を持つアミノ型アゾベンゼン化合物が好ましい。アミノ型アゾベンゼン化合物は、典型的には、式(1)で表すことができる。式(1)中、Xは、水素原子又は電子吸引性置換基などの各種置換基を表し、好ましくは水素原子を表す。
X部分が水素であるアミノ型アゾベンゼンは、電子吸引性置換基を備えるものよりも吸収スペクトルが短波長側にシフトする傾向があるため、効果的に自家蛍光を抑制でき、より短波長での蛍光検出における感度を上昇できる。このため、特に蛍光検出を目的とするプロテインチップ用等の光固定化基板材料として有用である。また、これにより、特にCy3などの短波長での蛍光標識についての検出感度を向上させることができる。この結果、より広い波長範囲で高感度に蛍光標識を検出することができ、複数の蛍光標識を同等の感度で検出できる蛍光検出用チップを提供できる。また、例えば、式(2)及び式(3)に示すように、アゾベンゼン骨格の一方のベンゼン環に電子吸引性置換基(−CN、−NO)が、他方に電子供与性置換基(−NR)が結合したものも、光照射中にシス−トランスの異性化を繰り返し大きな光応答性層4の可塑化作用を有すると考えられるため好ましい。
式(1)〜(3)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、置換基を表す。式(1)〜(3)において、置換基は、アルキル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、アリール基、アリル基、アルキルエステル基、アルキルエーテル基、アルキルアミノ基、アルキルアミド基、イソシアネート基、エポキシ基等を例示することができる。特に、R及びRにおける前記置換基の一方が、末端に重合性の二重結合等を有するアクリル酸やメタクリル酸等のアクリル系化合物及びその他の二重結合性成分であるときには、式(1)〜(3)は、二重結合性モノマーを表すことができるほか、前記二重結合性成分に由来する重合基を備える光応答性ポリマーを表す。また、R及びRにおける前記置換基の一方が、イソシアネート基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基等の重縮合あるいは重付加性の重合性成分であるときは、式(1)〜(3)は、重合性モノマーを表すほか、前記重合性成分に由来する重合基を備える光応答性モノマーを表す。アゾ化合物である光応答性成分は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
その他、本発明において使用可能な光応答性成分又は光応答性成分を含有する光応答性層4としては、特開2003−329682号公報、特開2004−93996号公報及び特開2004−251801号公報に記載の担体や光固定化材料を用いることができる。また、本明細書には、特開2003−329682号公報、特開2004−93996号公報、特開2004−251801号公報、特開2006−233004号公報及び特開2006−321719号公報の明細書に記載されるすべての事項が引用により取り込まれるものとする。
光応答性層5は、光応答性成分を保持するマトリックスを有することができる。光応答性成分は、光応答性層5のマトリックスに分散される別個の成分として光応答性層5に含まれていてもよいし、光応答性層5のマトリックスを構成する1種又は2種以上のマトリックス材料に共有結合などの化学的結合を介して連結されてその一部となっていてもよい。
光応答性層5の加工性、可塑性を確保する観点からは、マトリックスは、単量体ユニット中に光応答性成分を含有する高分子材料であるほか、光応答性成分を分散保持する高分子材料であることが好ましい。マトリックスが高分子材料を含む場合には、式(1)等において、R1又はR2が重合基への連結基である場合などのように、光応答性成分は、高分子材料の一部(主鎖、側鎖あるいは修飾基)に含まれて存在することが好ましい。
マトリックスを構成する高分子材料としては、特に限定しないで、各種の熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを用いることができる。こうした高分子材料は、光応答性成分等の共重合による導入性を考慮して使用されることが好ましい。したがって、例えば、(1)エチレン性モノマーなど二重結合を含有する重合性体の重合体であるアクリル系ポリマー、メタクリル系モノマー、ビニル系ポリマー、スチレン系ポリマー、(2)重合性官能基の重縮合により得られるアミド系ポリマー、エステル系ポリマー、(3)ウレタン系ポリマー、ウレア系ポリマーなど付加重合性ポリマーが挙げられる。これらのなかでも、アクリル系ポリマー、メタクリル系ポリマー及びアクリル−メタクリル系コポリマーを好ましく用いることができる。これらのポリマーは、抗体等のタンパク質を固定化する際の比特異的吸着が少ないため、抗体チップなどにおいてバックグラウンドシグナルを抑制できるため、高感度測定が可能となる。
式(1)〜(3)などのアゾ化合物系の光応答性成分は二重結合性のモノマーとして、ホモポリマー又はMMA等の二重結合性モノマーとのコポリマーとして使用することが好ましい。
光応答性層5の三次元形態は特に限定しない。フィルム状体、シート状体、板状体の他、球状、不定形状、針状、棒状、薄片状等の各種の粒子形態を取ることもできる。さらに、光応答性層5は、図3(a)に示すように、基板や粒子などの適当な担体2の一部又はその表面に対して固定されていてもよい。担体2としては、ガラス、シリコン、金などの無機材料、高分子材料などの有機材料であってもよい。
光応答性層5は、それ自体適度な剛性を持って分析に適した固相担体6に構成されていてもよいが、適当な担体2の表面に直接又は担体2上の適当な下地層を介して備えられていてもよい。下地層は、担体2と光応答性層5との密着性を向上させるものであることが好ましい。
光応答性層5の厚み及び固相担体6の厚みは特に限定しない。基板状の担体2上に光応答性層5が備えられる場合には、少なくとも10nm以上であることが好ましい。10nm以上であれば、所望の部分に欠陥なく光固定化材料薄膜を作製することが容易になる。支持体8や下地層10上への薄膜状の光応答性層5の作製は、スピンコート、ディップコート、インクジェット、ロールを用いた方法など既存の方法を使用することができる。
生体分子20が光応答性層5に固定化された状態とは、光応答性層5に生体分子20が直接固定化されている場合だけでなく、生体分子20の固定化を妨げない限り、生体分子20と光応答性層5との間に化合物が介在されて固定化された場合も包含している。例えば、こうした化合物としては界面活性剤などが挙げられる。生体分子20に対してこれらの介在性化合物が十分に小さければ(薄ければ)、光照射によって光応答性層5に生体分子20は固定化される。
また、生体分子20が光照射により光応答性層5に固定化された状態とは、例えば、生体分子20が光応答性層5に固定されているその表面変形形状や表面の分子配列や異性化の状態から把握することができる。こうした表面状態は、例えば、AFMによる観察により確認することができる。また、表面にタンパク質などを固定化したかどうかは、固定したタンパク質と各種タンパク質との反応を行うことによっても把握することができる。
光照射による生体分子20の光応答性層5への固定化メカニズムは必ずしも明らかではなく本発明を拘束するものではないが、以下のように考えられる。すなわち、光照射により生体分子20の周囲に発生する電場に依存して光応答性層5において生じる生体分子20の形状に沿った変形など生体分子20の形状に依存した何らかの変形による生体分子20に対する支持効果、生体分子20と光応答性層5の表面との接触面積の増大によるファンデルワールス力等の付着力の増加効果等によるものではないかと考えられる。こうした固定化の結果、生体分子20が抗体などの機能を備える場合であっても、その機能性が良好に維持されていると考えられる。
なお、生体分子20が光固定化された固相体10は、例えば、次のようにして得ることができる。まず、図3(a)に示すように、光応答性層5を備える担体6を準備する。次に、図3(b)に示すように、光応答性層5に対して生体分子20を供給する。生体分子20を光応答性層5の表面に供給する方法は特に限定しないが、液状媒体を介して液状媒体に溶解又は懸濁させた状態で適用することが好ましい。液状媒体中に浸漬した光応答性層5の表面に対して生体分子20を容易に展開させることができ、生体分子20たるタンパク質、細胞、微生物の機能維持や生存に最適の液状媒体中で固定化を行うことができるからである。
なお、液状媒体として、水又は水を主媒体とする組成液が特に好ましい。水を主媒体とする組成液としては、緩衝液、pHを調整した緩衝液、細胞や微生物の栄養分を溶解させた液等が挙げられる。また、液状媒体は、生体分子20と光応答性層5との相互作用を高めるようなものを選択することもできる。例えば、液状媒体のpH、電解質濃度、極性などを調整することにより相互作用を高めることができる。こうした液状媒体としては、水、水と相溶性のある有機溶媒である水性溶媒、非水性溶媒を単独であるいは組み合わせるなどして、光応答性層5及び生体分子20の種類に応じて適切なものを選択することができる。また、光応答性層5と生体分子20との相互作用を高めるための上記した液性を付与するのに必要な成分を添加してもよい。さらに、例えば、界面活性剤が液状媒体に添加されていてもよい。界面活性剤が液状媒体に含有されていることで、生体分子20の分散性が向上し、生体分子20そのものの表面状態を利用しやすくなる。
生体分子20は、その個体ごとにバラバラに配置・固定化される態様、多数の生体分子20が特定の分布パターンに従って配置・固定化される態様、自己組織化(例えば、結晶化など)する性質を持つ生体分子20においては、多数の微小物体を自己組織化した状態において光固定化材料の表面に配置させ、固定化する態様等がある。生体分子20のパターニングには、従来公知の各種の印刷法(インクジェットなど)を用いることができる。パターニングの一例としては、生体分子20のスポットをアレイ状に供給するパターンが挙げられる。また、光応答性層5の所定部位への生体分子20の配置には、レーザートラッピング(ただし、配置のみに用いる場合には、光応答性成分が反応しない波長域を用いる)を利用することもできる。さらに、自己組織化は、光応答性層5への供給に先立って行ってもよいし、光応答性層5の表面で行うようにしてもよい。
生体分子20を光応答性層5に供給するのに際し、生体分子20を配向させることができる。配向性を付与するには、生体分子20と光応答性層5とが方向性のある相互作用する必要があるが、こうした相互作用を発揮できる成分を生体分子20及び/又は光応答性層5に保持させるようにしておくことが好ましい。生体分子20と光応答性層5との相互作用は、静電的相互作用、親水性相互作用、疎水性相互作用、水素結合等であるが、こうした相互作用を効果的に発現させるために、適宜熱などの熱力学的パラメータを付与したり変化させたりすることもできる。また、液状媒体を乾燥により除去してもよい。生体分子20と光応答性層5との相互作用は、必要に応じて時間をかけて行う。特に限定しないが、例えば、数秒から数十分以上とすることができる。
(光固定化)
次に、図3(c)に示すように、光応答性層5上の生体分子20に光照射することにより、生体分子20を光応答性層5に固定(光固定)することができる。
光固定ではエネルギーの低い可視光の照射によっても固定が可能であるので生体分子20への障害を抑制又は回避した固定が可能である。このため、固定化される生体分子20がタンパク質などの生体材料の場合には、その立体構造や良好な活性を維持して固定化することができる。
光照射による光固定化工程は、生体分子20の供給と同時に光固定化工程を実施してもよい。なお、光応答性層5表面の生体分子20への光照射は、液状媒体が存在する状態で実施することもできるし、液状媒体が存在しない状態で行うこともできる。
光固定のための光照射の方法は特に限定しない。各種の伝播光、近接場光又はエバネッセント光などの任意の光が生体分子20の存在する光応答性層5の表面又はその近傍に到達するように照射すればよい。さらに、光照射は公知の手法を用いて光応答性層5上の一部に対して選択的に行うこともできる。例えば、光応答性層5に対する照射光の照射領域あるいは照射強度に一定の分布を与えることにより、1種又は2種以上の多数の微小物体をそれぞれ異なる特定の分布パターンに従って固定化することができる。照射光の照射領域あるいは照射強度に一定の分布を与える手段として、フォトマスクの利用及び/又は干渉光の使用が挙げられる。この方法により、生体分子20の固定化領域が回路等を形成するように固定化を行うことができる。
また、光応答性層5の表面に対する生体分子20の光固定化には、レーザートラッピングを利用することもできる。すなわち、光応答性層5の光応答性成分が反応する波長の光を集光して照射すると、集光された部分に生体分子20が捉えられ、その位置で光応答性層5の表面に固定化される。なお、既に説明したように光応答性層5の光応答性成分が反応しない波長の光で微小物体をレーザートラッピングし、その後、光応答性成分が反応する波長の光で微小物体を固定化することも可能である。
光固定に用いる波長域は、光応答性成分において分子構造又は分子配列の変化を生じさせる波長域であればよい。こうした波長域に関する情報は、各種の入手可能な光応答性成分について容易に取得できるか又は使用に際して確認することができる。
なお、光固定のための光照射については、特開2003−329682号公報、特開2004−93996号公報及び特開2004−251801号公報に既に記載される照射光や光照射方法を採用することができる。光固定化については、特開2003−329682号公報、特開2004−93996号公報及び特開2004−251801号公報において本出願人が開示しており、これらの方法を本発明における光固定化についても適用することができる。
(洗浄)
次に生体分子20を光応答性層5に光固定した後は、光応答性層5の洗浄工程を実施することができる。洗浄工程を実施した固相体10は、そのままあるいはさらなる加工や修飾を施すことにより各種用途のデバイスとして用いることができるようになる(図3(d))。
以上のようにして、準備した生体分子20が固定化された固相体10においては、生体分子20は、その固相担体6上での固定状態を解析するためのプローブが導入されていないことが好ましい。プローブによっては、第1の解析工程における生体分子20の機能を損なわないものもあるが、本発明においては、こうしたプローブは第2の解析工程において生体分子20に導入されることが好ましい。なお、プローブについては第2の解析工程について詳述する。
(第1の解析工程)
次に、固相体2上に固定化された生体分子20に対する第1の解析工程を実施する。第1の解析工程は、生体分子20の機能を検出する工程である。本解析方法においては、生体分子20の固定状態を解析可能な可視化のためのプローブを生体分子20に付与することなく、例えば、生体分子20を固相担体6に無標識で固定化したり、あるいは固定化後に何ら生体分子20の標識操作等の可視化のための処理を行ったりすることなく、生体分子20の機能を検出する工程を実施する。このため、生体分子20が本来的に有する機能を妨げる要素が低減された状態で、生体分子20の機能を検出することができるようになっている。また、生体分子20が光固定化により光応答性層5に固定化されている場合には、固定化による生体分子20の機能への悪影響を一層低減させることができるとともに、光応答性層5表面に固定化のための官能基や吸着特性が付与されていないことからも、生体分子20の機能への影響が低減されている。同時に、後段における生体分子20の検出についての悪影響も低減又は回避されている。
本発明において、生体分子の機能とは、当該生体分子が有する機能の全てを包含することができる。生物体における当該機能の意義が既知である未知であるかは問わない。生体分子の機能としては、例えば、他の成分との相互作用である各種反応や環境など外部因子に対する応答能などが含まれる。
生体分子20の機能の解析は、生体分子20に外部から化学的作用及び/又は物理的な作用を付与し、生体分子20における変化等を検出したり、生体分子20と相互作用する他の分子を供給し、その相互作用を検出したりすることにより可能である。生体分子20の機能の解析は、他の分子を供給してその他の分子との相互作用を検出することによるのが好ましい。こうした相互作用の検出によれば、より本来的な生体分子20の機能を解析することになるとともに、生体分子20の機能を高感度に検出できると考えられる。なお、生体分子20に対して他の分子を供給するときには、他の分子には必要に応じて蛍光標識、酵素標識、化学標識などの可視化のためのプローブを導入しておくことができる。
なお、ここでいう相互作用とは、例えば、静電的結合性相互作用、イオン結合性相互作用、水素結合性相互作用、疎水性相互作用、親水性相互作用等が挙げられる。また、例えば、リガンドと該リガンドに対するレセプター間における相互作用、特定のアミノ酸配列や構造を有するタンパク質とこのタンパク質と親和性を有するタンパク質などの物質との間の相互作用、酵素と該酵素に対する基質との相互作用、抗原と該抗原に対する抗体との相互作用、特定塩基配列を有する核酸又は修飾核酸と、該核酸又は修飾核酸の特定塩基配列に対して相補的な塩基配列を有する核酸又は修飾核酸との相互作用、細胞又はその表面(レセプターやチャンネル等を含む。)と細胞又はその表面との相互作用、細胞又はその表面とタンパク質、核酸、糖類、脂質等との相互作用等を挙げることができる。
生体分子20の機能の解析にあたっては、例えば、塩濃度、pH、温度等の環境条件に関する外部因子を変化させて、生体分子20の構造変化等を検出してもよい。また、生体分子20が酵素、基質又は補酵素であるときには、酵素反応に必要な他の分子を供給して酵素反応を実施してもよいし、生体分子20が抗体又は抗原であるときには、他の分子として抗原又は抗体を供給して抗原抗体反応を実施してもよい。生体分子20がDNA又はRNAのときには、他の分子としてこれら又はこれらの一部とハイブリダイズするDNAやRNA等を供給してハイブリダイゼーション反応を実施してもよい。なお、生体分子20の他の分子を供給するのにあたって、環境条件を付また、生体分子20の機能の検出にあたっては、他の分子を供給するほか上記外部因子を変化させることを組み合わせてもよい。
生体分子20の機能を検出する方法としては、構造変化や相互作用そのものを表面プラズモン共鳴(Surface
Plasmon Resonance;SPR)、水晶発振子マイクロバランス(QCM)を用いることができる。なお、こうした検出法を用いるのに際し、金基板など特殊な固相担体を用いる必要がある場合、こうした材料の固相担体表面に生体分子20の固定化用の相(例えば、光固定化を用いる場合には光応答性層)を固定化した固相担体を用いることができる。
SPRによれば、生体分子20に結合した他の分子の固有の誘電率変化により固相担体6表面での反応をモニタリングすることができる。生体分子20と他の分子との特異的結合反応と、固相担体6への結合量をリアルタイムに検出することができる。したがって、結合速度、吸着速度の解析、結合量や結合定数の決定にも有用である。また、QCMによれば、水晶発振子の電極上への物質の付着により振動数が変化することを利用して物質の吸着量を測定することができる。このためQCMによれば、他の分子の結合の絶対量をナノグラムレベル程度で検出できるとともに、経時変化から結合や解離のダイナミクスを求めることができる。したがって、核酸、タンパク質、糖鎖、脂質等の生体高分子上での反応や認識、レセプター分子への薬物などのシグナル分子の結合の検出に有用である。こうした検出方法を用いる場合には、生体分子20に標識等が付加されていたりするとその機能の検出が著しく損なわれるおそれがある。また、固相担体6の表面に生体分子20の固定化のための官能基等が露出されていたりあるいはそれらがキャッピング又はブロッキングされていたりすることで、その機能の検出が損なわれるおそれがある。
第1の解析工程は、生体分子20と他の分子との相互作用に基づく他の分子の運動を観察して運動に関する情報を取得する工程とすることもできる。例えば、図4に示すように、生体分子20がアクチン、ミオシン、微小管及びキネシンなどの運動に関連するタンパク質であるとき、他の分子として、固定化した生体分子20と相互作用するタンパク質を他の分子(例えば、アクチンを生体分子20として固定化した場合には、他の分子としてはミオシンとする。)として供給して運動を生じさせて、生体分子20の機能を他の分子の運動として検出してもよい。こうした運動に関する情報の取得には、生体分子20と相互作用する他の分子をビーズ等の実態顕微鏡下において視認可能な物体に固定化し、当該物体の運動を他の分子の運動として実体顕微鏡下で観察するほか、他の分子を蛍光標識等で標識しておき、落射蛍光顕微鏡などの蛍光顕微鏡で観察することができる。また、全反射照明蛍光顕微鏡を用いることもできる。全反射照明蛍光顕微鏡によれば、異なる屈折率をもつ2種類の物質の界面で光を全反射させた際に発生するエバネッセント光を利用することで固相表面のごく近傍における励起により生じる蛍光現象の観察を行うことができるため、高感度な分子検出が可能となる。
第1の解析工程での検出対象は、構造変化や相互作用そのものでなくとも、これらの結果物あるいは結果によって得られる状態を検出してもよい。例えば、抗原抗体反応には、蛍光標識やその他二次抗体を利用して酵素による発色反応が利用できる。また、ハイブリダイゼーション反応には、蛍光標識した他の分子やインターカラントなどを用いることができる。酵素反応には、基質又は生成物の濃度変化等を発色反応等酵素反応の種類に応じた検出方法で測定すればよい。こうした相互作用を検出するには、生体分子20と他の分子との組み合わせに応じて、公知の標識又は検出方法を、単独又は2種類以上を組み合わせることができる。
(第2の解析工程)
第2の解析工程は、固相担体6上に固定化され、機能解析後の生体分子20の固定状態を解析する工程とすることができる。第2の解析工程は、第1の解析工程を経た後に実施する。本解析方法によれば、生体分子20の機能を解析した後に、機能解析後の生体分子20の固定状態を解析するため、生体分子20自身の解析のための処理によって生体分子20の機能を損なうことがない。また、生体分子20を検出するのにあたって、生体分子20の機能維持を考慮することなく生体分子20を検出する手法を採用できる。
さらに、生体分子20が光応答性層5に光固定化により固定されている場合には、光応答性層5には、生体分子20との結合導入のための官能基や吸着特性が付与されていないため、これら官能基や吸着特性の存在によって生体分子20の検出が妨げられないと同時にこれらの悪影響を排除するためのキャッピングやブロッキング等の操作を行う必要がない。加えて、抗原抗体反応のような特異性の高い反応に基づく可視化試薬を用いなくとも容易に生体分子を可視化することができる。
第2の解析工程は、生体分子20が外部因子に対する応答能や構造変化など、他の分子と結合等の相互作用をしていない状態であれば、第1の解析工程後のままの状態で生体分子20の固定状態を検出する工程を実施することができる。また、第1の解析工程において、生体分子20が他の分子と結合等している場合には、他の分子と生体分子20との相互作用を解除し、他の分子を生体分子20から分離後に生体分子20を測定することができる。なお、他の分子のほか、生体分子20の機能検出のために用いられるその他の成分が生体分子20の検出に差し支えがある限りこれらを排除することが好ましい。
生体分子20が光応答性層5に光固定化により固定されている場合には、生体分子20と他の分子との相互作用を解除するのが容易である。すなわち、生体分子20は光固定化という生体分子20と他の分子との相互作用とは大きく異なる作用で光応答性層5に固定化されているため、生体分子20と他の分子との間の相互作用(典型的には、水素結合、疎水結合等)を解除する処理を行っても、生体分子20の光応答性層5への固定状態は容易に維持されるからである。
第2の解析工程では、生体分子20の固定状態を解析可能なプローブを生体分子20に導入してその固定状態を解析することが好ましい。特に、生体分子20を可視化して生体分子20の固定状態を検出することが好ましい。可視化することにより、固相担体6上における固定状態をより容易に検出することができるようになる。また、生体分子20が光応答性層5に光固定化されている場合には、固相担体6の表面特性によって使用できる標識試薬の種類が制限されにくいため可視化に適している。加えて、生体分子20が、生体分子20の固定化のための官能基等を有していないか少ない光応答性層5に光固定化されている場合には、汎用性の高い蛍光試薬などの可視化試薬を用いる場合であっても、複雑な前処理を省略することができる。
生体分子20を可視化してその固定状態を解析可能なプローブとしては、従来公知の各種標識等を使用できる。生体分子20の種類によって多様な可視化手法及び試薬を適宜選択すればよい。例えば、タンパク質については、fluorescein、rhodamine, Cy dye等の化学合成剤とphycoerythrin等のような蛍光タンパク質が挙げられる。また、生体分子20が核酸の場合には、公知の核酸用蛍光染色用色素を用いることができる。さらに、生体分子20が細胞や細胞の一部やオルガネラの場合には、そのような細胞や器官、成分の各種公知のイメージング試薬を用いることができる。
第2の解析工程で検出する、生体分子20の固定状態としては、生体分子20の固相担体6上における配列状態及び配向状態が挙げられる。生体分子20の配列状態には、固相担体6上における生体分子20の固定化された位置、二次元的な形態及び三次元的形態が含まれる。図5に示すように、複数の生体分子20が自己組織化により固相担体6上に構成する形態も、配列状態に含まれる。また、生体分子20の配向状態とは、異方性を有する生体分子20が固相担体6上において有する方向性を意味している。配列状態及び配向状態の一方を検出してもよいし、双方を同時に又は別個に(逐次的に)検出してもよい。こうした固定状態を解析するには生体分子20を可視化することが好ましい。また、こうした固定状態を解析するには、蛍光色素で染色した後、蛍光顕微鏡等で観察することができる。
また、生体分子20の固定状態は、固相担体6上における生体分子20の量であってもよい。固相担体6上の生体分子20の量を解析するには、生体分子20を蛍光色素等で可視化して定量することが好ましい。
さらに、生体分子20の固定状態としては、生体分子20又はその一部の固相担体6上における上記機能以外の化学的な特性や組成又は物理的な特性であってもよい。生体分子20が複合材料であったり、細胞又はオルガネラ等であるとき、こうした細胞、その表層、オルガネラ、これらに含まれる成分を各種のイメージング試薬などの染色試薬により可視化することで、試薬の用途に応じて各種の成分や特性を測定することができる。
第2の解析工程によれば、第1の解析工程で行った生体分子20の機能解析後において、当該生体分子20の固定状態について解析することができるため、生体分子20の機能とより一層密接に関連して生体分子20の固定状態についての情報を得ることができ、生体分子20の機能解析や性能向上に有用である。特に、タンパク質や細胞など生体分子20の固相担体6への固定化に際しては、固定化工程の微細な条件変動によって生体分子20の固定状態が大きく変動する可能性がある。したがって、生体分子20の固定状態についての情報を、生体分子20の機能の解析毎に取得することは、生体分子20の機能解析や性能向上のために重要である。例えば、生体分子20の固定化を、複数の生体分子の自己組織化を伴って行う場合など、固定化の条件によって生体分子20の配向状態や配列状態が変化しやすい場合などには、本解析方法は有効である。また、本解析方法は、固相担体6上における配向状態や配列状態が生体分子20の機能に重要な役割を果たす場合においても有効である。
(生体分子の回収工程)
本解析方法は、図6に示すように、第2の解析工程後に、さらに、生体分子20の回収工程を備えることができる。回収工程は、生体分子20の固相担体6から脱固定化して生体分子20を回収する工程である。回収工程を実施することで、生体分子20を再利用することができるほか、固相担体6とは別個の状態でさらに生体分子20について解析することができる。したがって、図7に示すように、回収工程後において、第3の解析工程として、固相担体6から脱固定した生体分子20の解析工程を実施することができる。
生体分子20を固相担体6から脱固定するには、例えば、生体分子20と固相担体6とを固定する結合を切断する必要がある。共有結合による固定の場合には、当該共有結合に特異性の高い試薬で切断し、吸着による固定の場合には、当該吸着作用を奏しないような環境にすることができる。生体分子20が光応答性層5に固定化されている場合には、溶液中で光照射することにより、あるいは場合によっては光照射をしながらせん断力をかけることにより容易に脱固定化することができるため、容易に固相担体6と分離して生体分子20を回収できる。なお、生体分子20の回収にあたっては、第1の解析工程で付与した他の分子等も同時に生体分子20から分離されていることが好ましい。
第3の解析工程は、特に限定しないが、例えば、生体分子20の量を定量する工程とすることができる。固相担体6から定量的に生体分子20を脱固定化し回収した場合には、回収した生体分子20を定量することで第2の解析工程における機能解析に寄与した生体分子20の量を知ることができる。
また、第3の解析工程は、回収した生体分子20を染色試薬等により可視化するなどして、生体分子20又はその一部の上記機能やそれ以外の化学的な特性や組成又は物理的な特性を解析してもよい。染色された生体分子20又はその一部や成分を検出することで、固定化されていた生体分子20の上記特性に関する情報を得ることができる。さらに、染色した生体分子20をフローサイトメトリー等で分離し解析してもよい。また、生体分子20が生細胞などの場合には、培養等を伴う解析工程を実施してもよい。
本発明の解析方法は、図8に示すように、生体分子20が固定化された固相担体を準備する工程と、生体分子の機能を解析する第1の解析工程と、前記生体分子を前記固相担体から脱固定化して回収する工程と、を備えることもできる。この場合には、第2の解析工程を実施しない。この解析方法によっても、生体分子20に対する標識や標識のための前処理による悪影響を受けることなく生体分子20の機能を解析することができるというメリットがある。
また、回収工程後に、先と同様に第3の解析工程を実施してもよい(図9参照)。回収工程後において、生体分子20について生体分子20の定量、化学的及び/又は物理的特性並びに機能や活性等を解析することで、生体分子20の固相担体6上での機能に関連付けして、生体分子20を評価し固定化や自己組織化を評価することができる。
(生体分子の解析用固相担体)
本発明の生体分子の解析用固相担体は、生体分子を固定化するための光応答性層を備えることができる。本発明の固相担体は、典型的には、図3(c)に示すように、光応答性層5を備える固相担体6の形態を取ることができるが、これに限定するものではない。光応答性層5や担体2及び固相担体6自体については既に説明したような各種態様を取ることができる。本固相担体は、上記した本発明の生体分子の解析方法に用いることができる。すなわち、これらの解析方法における固相体準備工程に好ましく用いることができる。本発明の固相担体によれば、生体分子20を光応答性層5に固定化した固相体を得ることができ、これにより、本発明の解析方法において上記した各種の利点を得ることができる。
(生体分子の解析用固相体)
本発明の生体分子の解析用固相担体は、生体分子20が固定化された光応答性層5を備えることができる。本発明の固相担体は、典型的には、図3(d)に示すように、生体分子20が固定化された光応答性層5を備える固相体10の形態を取ることができるが、これに限定するものではない。光応答性層5や担体2及び固相担体6自体については既に説明したような各種態様を取ることができる。本固相体は、上記した本発明の生体分子の解析方法に用いることができる。すなわち、これらの解析方法における固相体準備工程に好ましく用いることができる。本発明の固相担体によれば、生体分子20を光応答性層5に固定化した固相体を得ることができ、これにより、本発明の解析方法において上記した各種の利点を得ることができる。
以下、本発明を、具体例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(未標識アクチンフィラメントを固定した基板上での蛍光標識ミオシンの動きの観察および後染色によるアクチンフィラメント像の観察)
まず、以下の式に示すCN系アゾポリマーを光応答性成分として用いて、カバーガラススライド(松浪硝子)にスピンコートし、アゾポリマーの薄膜を形成して、光固定化用の固相担体とした。また、生体分子として、G-actin(Actin protein, skeletal muscle、Cytoskelton社)を、Actin Polymerization Buffer(Cytoskelton社)及びPhalloidin(Alexis Biochemicals社)を用いて重合して作製したアクチンフィラメントを作製した。
(固相体準備工程)
アクチンフィラメント溶液(0.5mg/ml)を固相担体上のアゾポリマー層に20μl滴下し、上から20μmのギャップスライドガラス(松浪硝子)を被せた.これを乾燥しないようにReaction
chamber内に入れ、30分間光照射(20mW/cm)を行った。次に、PBS緩衝液中でギャップスライドガラスを外し、さらにPBS緩衝液の入った容器内に入れ、ローテータ上で5分間洗浄した。PBS緩衝液を替えながら2回繰り返した後、軽くMilliQ(Millipore社製)で表面を流し窒素ガスを吹き付けて乾燥した。
(第1の解析工程)
アクチンフィラメントを固定した領域の上から、ガスケット(CoverWell
perfusion chamber gasket、Molecular probes社)を装着し、セル内部にCy3で標識したミオシン(skeletal muscle、Prozyme,Inc.社)を溶解した緩衝溶液(各種イオン(KCl、MgCl、CaCl)等を含む)を注入した。このセルにATPを2mMとなる様に添加して、全反射型蛍光顕微鏡でミオシンの運動を観察することができた。
(第2の解析工程)
(染色工程)
セル内のミオシン溶液をPBS緩衝液で数回置換した後、PBS緩衝液中でガスケットを外し、さらにPBS緩衝液の入った容器内に入れ、ローテータ上で5分間洗浄した.PBS緩衝液を変えながら2回繰り返した後、軽くMilliQで表面を流し窒素ガスを吹き付けて乾燥した。その後、蛍光染色試薬(Cy5
Mono−Reactive Dye(5foil packs each containing sufficient dried dye to label 1mg
of protein、Amersham社)のMilliQ溶液(1包装100μlのMilliQ水に溶かしたもの)をさらにMilliQ(PBS緩衝液でも良い)で40倍程度に希釈したものを、アクチンフィラメントを固定した領域の近くに滴下し、その上からギャップカバーガラスを被せて蒸発しないように容器内に入れ、暗所で30分間反応させた。
ギャップカバーガラスを被せたまま上記のスライドガラスを容器から取り出し、そのまま界面活性剤(Tween20)を0.01%含んだPBS緩衝液中に入れてカバーガラスを外した。次に、スライドガラスを界面活性剤(Tween20)0.01%含有のPBS緩衝液の入った容器内に入れ、ローテータ上で5分間洗浄した.PBS緩衝液を新しいものに変えながらこの操作2回繰り返した後、軽くMilliQで表面を流し、窒素ガスを吹き付けて乾燥した。
図10に示すように、蛍光顕微鏡を用いてアクチンフィラメントを固定した領域の表面のアクチンの固定化状態を観察することができた。
アクチンフィラメント溶液の濃度を0.1mg/mlとする以外は実施例1の「固相体準備工程」と同様の方法を用いて、固相担体上にアクチンフィラメントを光固定化して、実施例1の「第1の観察工程」と同様にアクチン表面でのミオシンの運動観察を行った。さらに実施例1の「染色工程」で固相体表面のアクチンフィラメントを染色し、固定状態の観察を行った。その結果、ミオシンの運動性は実施例1とは異なり、異なった動きのパターンがみられた。その後、実施例1の「第2の観察工程」と同様にして表面のアクチンの固定状態の観察を行ったところ、表面のアクチンの固定状態が実施例1と相違しており、アクチンの固定量がミオシンの運動のパターンに影響を与えていることが示された。
(比較例)
(Cy5標識したアクチンフィラメントおよびCy3標識したMyosinを用いた運動観察)
(固相体準備工程)
Cy5標識したアクチンフィラメント溶液(0.5mg/ml)を実施例1と同様にして作製した固相担体上に20μl滴下し、上から20μmのギャップスライドガラス(松浪硝子)を被せた.これを乾燥しないようにReaction
chamber内に入れ、30分間光照射(20mW/cm)を行った。PBS緩衝液中でギャップスライドガラスを外し、さらにPBS緩衝液の入ったビーカー中で5分間撹拌して洗浄した.PBS緩衝液を変えながら2回繰り返した後、軽くMilliQで表面を流し窒素ガスを吹き付けて乾燥した.
(第1の解析工程)
Cy5標識アクチンフィラメントを固定した領域の上から、実施例1と同様にしてガスケット全反射型蛍光顕微鏡でCy3標識ミオシンの運動を観察した。その結果、固相担体表面のアクチンフィラメントに溶液中のミオシンが多数吸着して動かなくなる様子がみられ、運動は観察されなかった。
以上の結果から、固相担体上に固定化したアクチンフィラメントとミオシンの相互作用によるミオシンの運動を観察するには、アクチンフィラメントに蛍光色素が導入されていないことが必要であることがわかった。
本発明の生体分子の解析方法のフローの一例を示す図。 本発明の固相体の一例を示す図。 生体分子の解析用固相体の作製方法の一例を示す図。 生体分子の解析方法の第1の解析工程の一例を示す図。 生体分子の解析方法の第2の解析工程で検出する生体分子の固定状態に含まれる配列状態の一例を示す図。下段図面は生体分子の固相担体上での配列状態の平面形態を示し、上段図面は下段図面において示す線部における生体分子の配列状態の断面形態を示す。 本発明の生体分子の解析方法のフローの他の一例を示す図。 本発明の生体分子の解析方法のフローの他の一例を示す図。 本発明の生体分子の解析方法のフローの他の一例を示す図。 本発明の生体分子の解析方法のフローの他の一例を示す図。 実施例1におけるアクチンフィラメントの観察結果を示す図。
符号の説明
2 担体、4 表層、5 光応答性層、6 固相担体、10 固相体、20 生体分子。

Claims (13)

  1. 生体分子の解析方法であって、
    生体分子が固相担体に固定化された固相体を準備する工程と、
    前記固相担体表面における前記生体分子の機能を解析する第1の解析工程と、
    前記第1の解析工程後に前記固相担体上の前記生体分子の固定状態を解析する第2の解析工程と、
    を備える、方法。
  2. 前記第1の解析工程は、前記生体分子と他の分子との相互作用を解析する工程である、請求項1に記載の解析方法。
  3. 前記第1の解析工程は、前記他の分子の運動を観察することを含む工程である、請求項2に記載の解析方法。
  4. 前記第1の解析工程は、固定化した前記生体分子と前記他の分子との相互作用の時間的変化を解析することを含む工程である、請求項2に記載の解析方法。
  5. 前記第1の解析工程は、前記他の分子を可視化することを含む工程である、請求項3又は4に記載の解析方法。
  6. 前記第2の解析工程は、前記生体分子を可視化することを含む工程である、請求項1〜5のいずれかに記載の解析方法。
  7. 前記第2の解析工程は、前記生体分子に蛍光染色して可視化することを含む工程である、請求項6に記載の解析方法。
  8. 前記第2の解析工程は、前記固相担体上における前記生体分子の配列状態及び/又は前記生体分子の配向状態を解析する工程である、請求項1〜7のいずれかに記載の解析方法。
  9. 前記第2の解析工程は、前記固相担体上における前記生体分子の量を測定する工程である、請求項1〜8のいずれかに記載の解析方法。
  10. 生体分子の解析方法であって、
    生体分子が固相担体に固定化された固相体を準備する工程と、
    前記固相担体表面における前記生体分子の機能を前記生体分子に可視化した又は可視化される他の分子を供給して解析する第1の解析工程と、
    前記第1の解析工程後に前記固相担体上の前記生体分子を可視化してその固定状態を解析する第2の解析工程と、
    を備える、方法。
  11. 前記第2の解析工程は、前記固相担体上における前記生体分子の量を測定する工程である、請求項1〜10のいずれかに記載の解析方法。
  12. 前記第2の解析工程後に前記固相担体から前記生体分子を回収する工程を備える、請求項1〜11のいずれかに記載の解析方法。
  13. 前記準備工程は、前記生体分子が光応答性層に光照射により固定された固相体を準備する工程である、請求項1〜12のいずれかに記載の解析方法。
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