JP4701719B2 - 点灯装置、照明装置、及び照明器具 - Google Patents

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Description

本発明は、周囲の明るさを検出して照明負荷を制御する点灯装置と、この点灯装置と照明負荷とを備えた照明装置と、この照明装置を装着する本体とを備えた照明器具に関する。
従来から、周囲の明るさを検出し、周囲の明るさが規定値以下になると照明負荷を点灯させるようにした点灯装置が提供されている。そして、この周囲の明るさを検出する受光素子(光導電セル)として、CdS(硫化カドミウム)やCdS・Se(硫化カドミウムセレン)、Cd・Se(セレン化カドミウム)などのCd(カドミウム)を含んだ光導電セルが使われてきた。しかしながら、CdSなどはCdを含有しているため、CdSあるいはCdSを組み込んだ機器などを廃棄処分する場合に、環境への影響が問題になる。
そこで、特開2000−100579号公報においては、環境への影響を少なくするため、CdSに代えて、人の視感度特性に近い分光感度特性を有するとともに、複数の太陽電池から構成される光起電力素子を用いた自動点滅器が開示されている。この自動点滅器においては、光起電力素子を構成する太陽電池のセルの個数を変化させることによって、光起電力素子の出力電圧を変化させ、照明負荷を点灯させる際の明るさの規定値を容易に可変することができる。
また、特開平10−270178号公報においては、周囲の明るさを検出する検出分解能が適した状態になるように、入射光量に応じて、素子出力を増幅する回路の増幅率を可変させたり、素子の受光量を可変させたり、あるいは素子の受光角度を可変させたりして、素子の感度を調整している。そして、素子の感度を調整することによって、精度よく周囲の明るさを検出することができる照明装置を提供している。
特にフォトIC(フォトセンサモジュール)ダイオードやフォトダイオード、フォトトランジスタ及びフォトダーリントントランジスタは、入射光量に対してリニアな出力特性である、すなわち、外光の変化に対して略直線的に変化する電圧を出力するので、低照度から高照度まで広い照度範囲を精度よく検出するには、特開平10−270178号公報に開示の方法は有効である。
特開2000−100579号公報 特開平10−270178号公報
CdS光導電セルが用いられた既存の照明装置において、環境への配慮のために、CdS光導電セルに代えて、たとえば、上述した太陽電池のセルに変更する場合、CdSに代わる太陽電池のセルのコストが高いばかりか、大幅な回路設計変更が必要となる。また、CdSと太陽電池で構成される光起電力素子との構造の違いから、周囲の明るさを検出する受光面の構造設計にも影響を与え、照明装置の大型化につながる場合もある。
さらに、既存の照明装置がCdS光導電セルと分圧用抵抗の直列回路の中点から生成される電圧信号を周囲の明るさ検出信号とする回路で構成されている場合において、環境への配慮のため、CdS光導電セルに代えて、Si(シリコン)材料を使用したフォトICダイオードなどの受光素子を用いる場合、特開平10−270178号公報に開示のもののように入射光量に応じて、素子の感度を調整する機能を別途追加しなければならない。
なぜなら、図6(a)に示すように、CdSで構成された周囲の明るさ検出信号(照度センサ信号)は、入射光量に対して徐々に出力が飽和する対数関数的な出力特性であるのに対し、同じく図5(a)に示すようにSi材料を使用したフォトICダイオードなどの受光素子で構成された検出信号(照度センサ信号)は、入射光量に対してリニアな出力特性であるため、単純な素子変更だけでは出力特性にずれが生じてしまうからである。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、CdS光導電セルを用いることなく、CdS光導電セルと略同等な光特性を持つ回路を簡単な構成で実現した点灯装置と、この点灯装置と照明負荷とを備えた照明装置と、この照明装置を装着する本体とを備えた照明器具と、を提供することにある。
請求項1に記載の点灯装置は、少なくとも外光の明るさに応じた電圧を発生する第1の光起電力素子と第1の光起電力素子に直列に接続される第1のインピーダンス素子とを有し直列回路の中点からの電圧を周囲の明るさを反映する信号として出力する照度センサ部と、照度センサ部の出力信号を受けて照明負荷へ制御信号を出力する制御部と、を備えた点灯装置において、第1の光起電力素子は、外光の変化に対して略直線的に変化する電圧を出力するものであって、第1の光起電力素子と並列に少なくとも1つの第2のインピーダンス素子を接続し、第2のインピーダンス素子と直列に、第1の光起電力素子が発生する電圧の温度依存性を補正する感温素子をさらに接続したことを特徴とする。
請求項2に記載の点灯装置は、請求項1に記載の点灯装置において、第1のインピーダンス素子、第1の光起電力素子、及び外光の変化に対して曲線状に変化する電圧を出力する第2の光起電力素子は、それぞれリード線を有するとともに、第1のインピーダンス素子のリード線を第1の光起電力素子のリード線に接続し、第1の光起電力素子のリード線は、リード線に対応するプリント基板上のリード線挿入穴に挿入可能であり、該リード線挿入穴には、第1の光起電力素子に代えて、第2の光起電力素子のリード線が挿入可能であることを特徴とする。
請求項に記載の照明装置は、請求項1又は2のいずれかに記載の点灯装置と、点灯装置から電力が供給される照明負荷と、を備えたことを特徴とする。
請求項に記載の照明器具は、請求項に記載の照明装置と、照明装置を装着する器具本体と、を備えたことを特徴とする。
なお、本明細書において、インダクタやコンデンサなどの電気部品の接続態様について言及するとき、用語「接続」は、2つ、あるいはそれ以上の電気部品の間に、追加の部品を含み得る導電路が存在するものとする。たとえば、インダクタンスの一端がコンデンサの一端と接続されるという場合、インダクタンスとコンデンサとの間に、本発明の作用効果に実質的に関係ない他の電気部品が接続されていても、インダクタンスの一端がコンデンサの一端に接続されているというものとする。
また、用語「略直線的に変化する」とは、照度などに反映される外光の変化に対して、第1の光起電力素子の発生する電圧が実質的に比例関係にあればよいことを意味する。特に、Cdを含む光起電力素子の発生する電圧との関係において、外光―発生電圧の特性曲線の任意の2点での(発生電圧の変化量)/(外光の変化量)の値の差が、Cdを含む光起電力素子よりも第1の光起電力素子の方が小さい場合も、第1の光起電力素子は、外光の変化に対して略直線的に変化する電圧を出力するというものとする。
さらに、用語「照明負荷を制御する」とは、電源回路部が出力する電流や電圧、又は点灯回路部が出力する電流や電圧を増減させることによって、照明負荷を実質的に消灯させたり、照明負荷に供給する電力を増減させる、すなわち、調光させたり、あるいは、照明負荷を間歇発振させる制御を含むものとする。
以上、請求項1に記載の点灯装置においては、第1の光起電力素子として、外光の変化に対して略直線的に変化する電圧を出力するものを使用し、この第1の光起電力素子と並列に少なくとも1つの第2のインピーダンス素子を接続し、第2のインピーダンス素子と直列に、第1の光起電力素子が発生する電圧の温度依存性を補正する感温素子をさらに接続しているので、特に外光の明るさが暗い領域において、外光の変化に対して、第1の光起電力素子と第1のインピーダンス素子とから構成される直列回路の中点から出力される電圧値を大きくすることができる。また、第1の光起電力素子の周囲温度の変化に影響を受けることなく、外光の明るさが暗い領域において、直列回路の中点から出力される電圧値を上昇補正することができる。
また、請求項2に記載の点灯装置においては、第1の光起電力素子に対応するリード線挿入穴には、第1の光起電力素子に代えて、外光の変化に対して曲線状に変化する電圧を出力する第2の光起電力素子が挿入可能であるので、一対の同一のリード線挿入穴で2つの特性の異なる素子に対応することができ、プリント基板の共用化を図ることができる。
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施の形態を図1から図7までを参照して説明する。図1は本実施の形態の回路図を示しており、図2は本実施の形態の照明装置の斜視図を示している。また、図3は照度センサ部にCdS光導電セルを用いている場合の回路図を示しており、図4は本実施の形態の変形例を示している。さらに、図5は本実施の形態の動作を表すタイミングチャートを示しており、図6は照度センサ部にフォトICダイオード及びCdS光導電セルをそれぞれ用いた場合の外光―発生電圧の特性図を示している。さらにまた、図7はフォトICダイオードとCdS光導電セルとの交換が可能なプリント基板の断面を示している。
以下、各部の構成を説明する。
本発明の点灯装置10は、交流電源12を入力として、点灯回路部14に直流電圧を出力する電源回路部13と、電源回路部13からの直流電圧を高周波電力に変換して照明負荷2に供給する点灯回路部14と、点灯回路部14を制御する制御部3と、人間などの検知対象の有無を検知して該検知信号を制御部3に送信する人体センサ部15と、外光の明るさを検出して、該検出信号を制御部3に送信する照度センサ部1と、を備えている。
この点灯装置10の構成をさらに、詳しく説明する。
電源回路部13は、点灯回路部14に印加する直流電源電圧を生成するものであり、全波整流回路(図示しない)や、昇圧チョッパ回路(図示しない)などを備え、AC100V、又は200Vなどの商用の交流電源12からの交流電圧を整流し、整流された電圧を昇圧している。なお、交流電源12の大きさに応じて、昇圧チョッパ回路の代わりに、降圧チョッパ回路、あるいは昇降圧チョッパ回路、昇圧チョッパ回路と降圧チョッパ回路とを直列に接続した回路を用いてもよい。また、この電源回路部13は、IPD(インテリジェントパワーデバイス)降圧回路(図示しない)を備え、IPD降圧回路は、電源回路部13の400V程度の出力電圧を、たとえば、15Vの直流電圧Vddに変換している。このようなIPD降圧回路としては、たとえば、松下電器産業株式会社製のスイッチング電源用MIPシリーズを用いればよい。
点灯回路部14は、照明負荷2に高周波の電力を供給するものであり、本実施の形態では、ハーフブリッジ形のインバータ回路(図示しない)を用いている。しかしながら、点灯回路部14は、電源回路部13からの直流電圧を異なる高周波の電圧(略20kHz〜略200kHzの一定の周期を持った電圧)に変換するものであれば、いかなるものでもよい。たとえば、フルブリッジ形、一石形、並列形、プッシュプル形などの任意のインバータ回路でよい。
照明負荷2は、本発明の光源となるものであり、本実施の形態においては、電球型の蛍光灯を用いている。しかしながら、照明負荷2は、白熱灯や、一般照明用の蛍光灯や、殺菌灯、カラー照明用の蛍光灯、熱陰極形蛍光灯、冷陰極形蛍光灯だけではなく、放電現象に起因して発光する全ての発光手段を含む概念である。また、形状も主にダウンライトの器具に用いられるコンパクト型のものでもよい。
人体センサ部15は、人体の存在を検知し、該検知信号を制御部3に出力するものであり、照明負荷2とともに、1つの器具本体11に収納保持されている。また、図2に示す器具本体11は室内の床面から、たとえば、1.5m程度の高さの位置で壁面などに固定されている。このような人体センサ部15として本実施の形態では、人体が発する微弱な赤外線(7〜20μm程度の波長)を検出する焦電型センサを用いている。
制御部3は、人体センサ部15や照度センサ部1からの信号を受けて、照明負荷2を点灯制御する制御信号を点灯回路部14に送信するものである。この制御部3は、マイクロコンピュータ3a(以下、マイコンという。)などから構成され、そのメモリに格納された動作プログラムに従い、点灯回路部14などを駆動制御する。このようなマイコン3aとして、たとえば、STマイクロエレクトロニクス社製のST72Gシリーズを用いればよい。なお、マイコン3aの制御内容については後述する。
また、マイコン3aの一方のA/Dポートには、照度センサ部1からの電圧制御信号が、抵抗3R1及びコンデンサ3C1によって平滑され、入力されている。さらに、照明負荷2を点灯させるかどうかの明るさのレベルをロータリボリューム3bにて設定(以下、ロータリボリューム3bにて設定されるレベルを点灯開始照度設定値という。)し、該点灯開始照度設定値が、抵抗3R2及びコンデンサ3C2を介して、他方のマイコン3aのA/Dポートに入力されている。このとき、マイコン3aの他方のA/Dポートには、電源回路部13が有するIPD降圧回路からの電圧を最大電圧Vddとして、フィルタ回路である抵抗3R2及びコンデンサ3C2を介して、0〜Vddの電圧信号として入力される。
照度センサ部1は、周囲の明るさを反映する信号を制御部3に出力するものであり、少なくとも外光の明るさに応じた電圧を発生する第1の光起電力素子1aと第1の光起電力素子1aに直列に接続される第1のインピーダンス素子1bとを有し、さらに、第1の光起電力素子1aと並列に少なくとも1つの第2のインピーダンス素子1cが接続されている。そして、光が照射されることによって、この第1の光起電力素子1aと第1のインピーダンス素子1bとの直列回路の中点1dに生じる電圧が、周囲の明るさを反映する信号として、制御部3に送信される。
なお、本実施の形態では、第1の光起電力素子1aとして、外光の明るさに応じた電圧を発生し、かつ、外光の変化に対して略直線的に変化する電圧を出力するフォトICダイオードを用いているが、第1の光起電力素子1aとしては、図4(a)に示すようにフォトトランジスタ1eであってもよいし、図4(b)に示すようにフォトダーリントントランジスタ1fであってもよい。また、本実施の形態においては、第1のインピーダンス素子1b及び第2のインピーダンス素子1cとして、抵抗を用いているが、第1のインピーダンス素子1b及び第2のインピーダンス素子1cとしては、インピーダンス成分を有する素子であれば、他の素子でも構わない。
そして、電源回路部13、点灯回路部14、人体センサ部15、制御部3、及び照度センサ部1によって、点灯装置10が構成されており、この点灯装置10は、図2に示すように、器具本体11の内部に収納されている。また、この点灯装置10と点灯装置10から電力が供給される照明負荷2によって照明装置が構成されている。さらに、器具本体11は照明器具12の一部を構成しており、この照明器具12は、下方に開口部を有する円筒状であって、照明負荷2の周囲を囲っているアクリル製のカバー16と、器具本体11とから構成されている。なお、器具本体11の下方の人体や床の照度などを検出できるように、室内の底面を臨む位置に人体センサ部15及び照度センサ部1がそれぞれ設けられている。
つぎに、照度センサ部1の機能について説明する。
図3に示すように、まず、照度センサ部1がCdS光導電セル1gを用いて構成されている場合を考える。この場合、CdS光導電セル1gと第1のインピーダンス素子1bとの直列回路が直流電圧Vddと回路グランド(この回路グランドには、ロータリボリューム3bなども接続されており、点灯装置を構成する各電子部品の共通線となる。)との間に接続され、入射光量により変化するCdS光導電セル1gの抵抗値と、第1のインピーダンス素子1bとの分圧による電圧信号が制御部3内のマイコン3aの一方のA/Dポートに、照度センサ部1の出力信号電圧(以下、照度センサ信号と呼ぶ)として入力される。一方、照明負荷2を点灯させるかどうかの明るさの点灯開始照度設定値をロータリボリューム3bにて設定し、マイコン3aの他方のA/Dポートに0〜Vddの電圧信号として入力している。
この動作を図5に示すタイミングチャートにて説明する。照明負荷2が消灯している状態において、人体センサ部15にて検知された出力信号がマイコン3aに入力されたとき、照度センサ信号が点灯開始照度設定値よりも高ければ(図5のa及びb点)、マイコン3aにより消灯制御と判断され、照明負荷2は消灯のままとなる。図5のc点時のように、人体センサ部15にて検知された出力信号がマイコン3aに入力されたとき、照度センサ信号が点灯開始照度設定値よりも低ければ、マイコン3aは照明負荷2を点灯させると判断し、制御部3より出力される点灯制御信号を受けた点灯回路部14によって照明負荷2が所定時間点灯される。ロータリボリューム3bによる点灯開始照度の設定範囲は、CdS光導電セル1gで構成された照度センサ信号の出力特性を考慮し、約5〜100ルクスに設定されている。
つぎに、図1に示すように、CdS光導電セル1gをフォトICダイオードである第1の光起電力素子1aと抵抗である第2のインピーダンス素子1cとの並列接続に置き代えた場合を考える。照度センサ信号はフォトICダイオード1aへの入射光量により出力電流が変化し、第1のインピーダンス素子1bにより電圧信号に変換されてマイコン3aのA/Dポートに入力される。低照度時になるとフォトICダイオード1aの出力電流が減少することによって、照度センサ信号が小さくなる。図6(a)は、フォトICダイオード1aと並列に第2のインピーダンス素子1cである抵抗が接続されていない場合の照度センサ信号の出力を示しており、
図6(b)は、フォトICダイオード1aと並列に抵抗1cが接続されている場合の照度センサ信号の出力を示している。なお、この抵抗1cの値は抵抗1bの値よりも大きく設定している。
ここで、CdS光導電セル1gを単にフォトICダイオード1aに置き換えても、図6(a)に示すように、特に周囲の明るさが暗い場合に、フォトICダイオード1aの照度センサ信号がCdS光導電セル1gのそれよりも小さいために、CdS光導電セル1gと同等の出力特性とはならない。そこで、フォトICダイオード1aと並列に抵抗1cを接続し、フォトICダイオード1aの見かけ上の抵抗値を小さくする。すなわち、抵抗1bに印可される電圧を大きくし、図6(b)に示すように、周囲の明るさが暗い領域における照度センサ信号を上昇補正してやる。このように、抵抗1bによって、フォトICダイオード1aの照度センサ信号を上昇補正してやると、CdS光導電セル1gの照度センサ信号と略同等の特性に近似することができる。
なお、抵抗1cの値が抵抗1bの値に比べて小さすぎる場合、フォトICダイオード1aと並列に抵抗1cを接続しても、フォトICダイオード1aの見かけ上の抵抗値は余り変化しない。したがって、周囲の明るさが暗い場合における照度センサ信号を上昇補正することができない。そこで、抵抗1cの定数は、抵抗1c>抵抗1b×10に設定しておくことが望ましい。
また、図7は、抵抗1cが並列接続されたフォトICダイオード1aのリード線7と、CdS光導電セル1gのリード線7と、のどちらのリード線7でも挿入可能な一対のリード線挿入穴9を有するプリント基板8の断面図を示している。ここで、抵抗1cは、CdS光導電セル1gとフォトICダイオード1aとが交換された場合にも、照度センサ信号の出力電圧値が略同等となるように定数を適宜設定している。そして、このフォトICダイオード1a、又はCdS光導電セル1gには、図7に示すように、一対の下斜め向きであって、横方向に広がろうとするリード線7が設けられている。
このフォトICダイオード1a又はCdS光導電セル1gをリード線挿入穴9に挿入するには、まず、フォトICダイオード1a又はCdS光導電セル1gのリード線7を1対の断面逆く字状であって、弾性分岐部材である金属片17の外方向に広がる、逆く字状の略先端部分に係合させる。つぎに、上方からフォトICダイオード1a又はCdS光導電セル1gを押圧していくと、金属片17は、互いに弾力により付勢され、外側に広がろうとするフォトICダイオード1aのリード線7と弾性係合しながら滑り降り、逆く字状の頂点の方向に向かい、頂点に至る。なぜなら、逆く字状の頂点に至るまでに、金属片17が次第に狭くなっているからである。そして、さらに押圧していくと、リード線7は金属片17の頂点を超え、リード線挿入穴9に挿入され、横方向に広がろうとするリード線7が金属片17を押圧するので、フォトICダイオード1aはしっかりと固定されることとなる。このとき、リード線7の任意の部分は、金属片17の逆く字状の頂点と接触する。
すなわち、この逆く字状の金属片17は、フォトICダイオード1a又はCdS光導電セル1gをリード線挿入穴9に導くためのガイド機能を果たしている。なお、金属片17は、銅もしくは他の適当な弾性導体の導電材料で作る。
このように、リード線挿入穴9に、逆く字状の金属片17を設けておくと、フォトICダイオード1a又はCdS光導電セル1gをプリント基板8に着脱する際のリード線7の破損も回避することができる。そして、リード線挿入穴9や金属片17を以上のような構成にしておくと、同一の一対のリード線挿入穴9で2つの異なる素子に対応することができ、両者を簡単に交換することができる。したがって、開発当初は、点灯装置10のコストダウンのためにCdS光導電セル1gを採用していたが、環境問題が生じたために、フォトICダイオード1aなどに変更する必要が生じた場合でも、CdS光導電セル1gをリード線挿入穴9から引き抜き、代わりに、フォトICダイオード1aを挿入するだけで、簡単に両者を交換することができる。しかも、フォトICダイオード1aのリード線7には、抵抗1cが半田などで並列接続されているので、CdS光導電セル1gをフォトICダイオード1aに交換した場合に特性が変化することもない。
また、フォトICダイオード1aとCdS光導電セル1gとの形状を同一端子数であって、パッケージが、たとえば、トップビューパッケージとして、受光面が同一となるようプリント基板8の表面に実装してもよい。そして抵抗1cとして面実装部品を採用し、フォトICダイオード1aが使用される場合にのみ、抵抗1cをフォトICダイオード1aと並列接続になるようにプリント基板8の裏面に実装する。そして、CdS光導電セル1gが実装されている場合には、抵抗1cを未実装とする。このようにしても、抵抗1bによって、フォトICダイオード1aの照度センサ信号を上昇補正することができ、フォトICダイオード1aの照度センサ信号をCdS光導電セル1gの照度センサ信号と略同等の特性に近似することができる。
以上、本実施の形態によれば、環境問題でCdS光導電セルが使えなくなった場合においても、CdS光導電セルと略同等な光特性を持つ回路を簡単な構成で実現することができ、CdS光導電セルを容易に交換することができる。
(実施例2)
以下、本発明の第2の実施の形態を図8及び図9を参照して説明する。図8は本実施の形態の回路図を示しており、図9は本実施の形態の変形例を示している。ここで、第1の実施の形態と同一構成には同一符号を付すことにより説明を省略する。
本実施の形態の特徴は、第1の光起電力素子1eであるフォトトランジスタと並列に、第2のインピーダンス素子1cである抵抗と感温素子1hであるPTCサーミスタとの直列回路を接続したことである。フォトトランジスタ1eは安価だが、照度センサ信号の温度依存性が大きく、高温時には出力電流が増大する特性がある。したがって、抵抗1bに流れる電流も増大し、抵抗1bにかかる電圧が上昇する。そこで、この抵抗1bにかかる電圧上昇を相殺するために、高温時には抵抗値が増大する特性を持つPTCサーミスタ1hを用いるのである。PTCサーミスタ1hを用いることで、直列回路の中点1dの電圧を周囲温度の変動に関らず、略一定にすることができる。PTCサーミスタ1hとして、本実施の形態では、Ta(周囲温度)=略65℃で動作するものを用いている。感温素子1hとして、その他、温度上昇に応じて抵抗値が増加する特性のもの、たとえば、松下電器産業株式会社製の感温抵抗ERSシリーズを用いてもよい。
このように感温素子1hを用いると、周囲温度の影響を受けることなく、周囲の明るさが暗い場合における照度センサ信号を上昇補正することができ、照度センサ信号を上昇補正すると、CdS光導電セル1gの照度センサ信号と略同等の特性に近似することができる。
なお、図8における本実施の形態では、第1の光起電力素子1eとして、フォトトランジスタを用いたが、第1の光起電力素子1eとして、図9に示すようにフォトダーリントントランジスタ1fを用いてもよい。
また、図7に示したようにフォトトランジスタ1eに、PTCサーミスタ1hと抵抗1cとの直列回路を接続し、CdS光導電セル1gと交換可能にしてもよいし、PTCサーミスタ1hと抵抗1cとに面実装部品を採用し、これらのプリント基板8の裏面に実装してもよい。さらに、面実装タイプのPTCサーミスタ1hに代えて、面実装タイプの感温抵抗1hを用いてもよい。
なお、本実施の形態で特に言及していない作用・効果などは、第1の実施の形態と同様である。
第1の実施の形態に係る点灯装置を示す回路図である。 第1の実施の形態に係る照明器具を示す斜視図である。 照度センサ部にCdS光導電セルを用いている場合を示す回路図である。 第1の実施の形態に係る点灯装置の変形例を示す回路図である。 第1の実施の形態の動作を表すタイミングチャートである。 照度センサ部にフォトICダイオード及びCdS光導電セルをそれぞれ用いた場合の外光―発生電圧を示す特性図である。 フォトICダイオードとCdS光導電セルとの交換が可能なプリント基板の断面を示す断面図である。 第2の実施の形態に係る点灯装置を示す回路図である。 第2の実施の形態に係る点灯装置の変形例を示す回路図である。
符号の説明
1a、1e、1f 第1の光起電力素子
1b 第1のインピーダンス素子
1d 直列回路の中点
1 照度センサ部
2 照明負荷
3 制御部
1c 第2のインピーダンス素子
7 リード線
8 プリント基板
9 リード線挿入穴
1h 感温素子
10 点灯装置
11 器具本体
12 照明器具

Claims (4)

  1. 少なくとも外光の明るさに応じた電圧を発生する第1の光起電力素子と第1の光起電力素子に直列に接続される第1のインピーダンス素子とを有し直列回路の中点からの電圧を周囲の明るさを反映する信号として出力する照度センサ部と、照度センサ部の出力信号を受けて照明負荷へ制御信号を出力する制御部と、を備えた点灯装置において、第1の光起電力素子は、外光の変化に対して略直線的に変化する電圧を出力するものであって、第1の光起電力素子と並列に少なくとも1つの第2のインピーダンス素子を接続し、第2のインピーダンス素子と直列に、第1の光起電力素子が発生する電圧の温度依存性を補正する感温素子をさらに接続したことを特徴とする点灯装置。
  2. 第1のインピーダンス素子、第1の光起電力素子、及び外光の変化に対して曲線状に変化する電圧を出力する第2の光起電力素子は、それぞれリード線を有するとともに、第1のインピーダンス素子のリード線を第1の光起電力素子のリード線に接続し、第1の光起電力素子のリード線は、リード線に対応するプリント基板上のリード線挿入穴に挿入可能であり、該リード線挿入穴には、第1の光起電力素子に代えて、第2の光起電力素子のリード線が挿入可能であることを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載の点灯装置と、点灯装置から電力が供給される照明負荷と、を備えたことを特徴とする照明装置。
  4. 請求項3に記載の照明装置と、照明装置を装着する器具本体と、を備えたことを特徴とする照明器具。
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