JP4698853B2 - エアフィルタのリーク検査方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製薬工場の無菌製剤製造室や半導体工場などで使われているクリーンルームに取り付けられている超高性能エアフィルタ(HEPAフィルタ)の漏れを検査するリーク検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ISO CD14644-3(1998), 米国の規格IEST-RP-CC006.2では、高性能エアーフィルタのリーク検査において、リークカウントの期待値より許容観測値を統計的に決めて、リーク判定を行う方法が示されている。
【0003】
また、特公平3-50210号公報では、粒子検出器(フォトメータ)の吸引プローブをモータにてX−Y方向に駆動させ、リークを検出するとその位置でプローブを停止させたり、画面上にリーク位置を表示させたりする方法が示されている。
【0004】
しかしながら、ISO、IESTのリーク検査方法では次のような課題がある。
【0005】
(1)試験時間を最短にするには、許容観測値Kaを小さな値に設定するのがよい。しかし一方では、リークのない正常部のカウント期待値と、リーク部の観測値との両者のカウント値が近い場合、許容観測値Kaを大きな値に設定していないので正常なのかリークなのか判定が困難になり、その判定のため再測定時間が長くなってしまう。このことを考慮したKaの最適値の決め方が示されていない。
【0006】
(2)合格と判定がつかない部分の合否判定方法が、プローブを静止させて3回測定を行い1回でも期待値を越えたら不合格と判定するという方法を採用しており、統計的な信頼性が低く、リークを合格と判定してしまう可能性がある。
【0007】
また、特公平3-50210号公報では、プローブを動かしながらリーク位置を検出しているため次のような課題がある。
【0008】
次の理由によって、リークしている個所の位置を正確に特定できないため、後でリークを補修する際に再度、手でプローブを走査してリーク位置を見つけねばならず作業性に劣る。
【0009】
(i)プローブよりサンプリングされた粒子が、検出器に検出されるまでのタイムラグを考慮しておらず、実際のプローブ停止位置とリーク位置は異なる。また、サンプリングチューブの内径のバラツキや粒子検出器の吸引流量のバラツキによっても、検出位置に誤差が生じてしまう。
【0010】
(ii)プローブ上端とフィルタ面との間隔は数cmほど離れているため、その間の微小な渦などの影響により、漏れた粒子の流れ筋が脈動してしまい、判定基準近傍の小さな漏れの位置を正確に検出することが難しい。
【0011】
(iii)粒子検出器からのデータをRS232Cなどデジタル信号にてコンピュタが受けて合否判定する場合、信号出力はリアルタイムではなく1秒間隔など間欠出力となるため、リーク位置を正確に特定できない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、正常部からの透過粒子のカウントがリーク部からの漏れ粒子のカウントと誤認される確率を一定の信頼度にて小さくすることができ、誤判定によるリーク検査時間の増加を最小にできる、エアフィルタのリーク検査方法を提供することにある。(請求項1及び2)
本発明の他の目的は、走査テストにて合格と判定できなかった部分の合否判定を、一定の統計的な信頼性のもとに最短時間で行うことが可能となる、エアフィルタのリーク検査方法を提供することにある。(請求項3及び4)
本発明のさらに他の目的は、エアフィルタのリークの位置を正確に特定するエアフィルタのリーク検査方法を提供することにある。(請求項5)
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、正常部からのカウントによる誤判定の確率と速度Sとの兼ね合いによって決まる検査所要時間Ttを、Kaをパラメータとして計算することにより、検査所要時間Ttを最短に、及び/またはフィルタ上流の粒子濃度を下げフィルタの目詰まりを最小にするリーク検査方法に関する。
【0014】
請求項1に記載のリーク検査方法は、
エアフィルタの上流側に、濃度Cの粒子を供給し、エアフィルタの下流面に沿って、パーテイクルカウンタの吸引プローブを速度Sにて走査させ、粒子の漏れ(リーク)を検出するエアフィルタのリーク検査方法であって、
リーク部の許容漏れ率をP、該吸引プローブの走査方向の幅をDとして、該吸引プローブの速度Sと該エアフィルタの上流側に供給する粒子の濃度Cとの関係式として次式(1)を適用し、
S=F×C×P×D/N ・・・式(1)
(ただし、式中、Nはパーテイクルカウンタによる最大許容リークのT秒間のカウント期待値、Fはパーテイクルカウンタの単位時間あたりの吸引流量、T=D/Sである。)
母集団の区間推定に関する統計原理を用いて、カウント期待値Nに対する複数の信頼区間の各々に、該カウント値の小さい信頼区間から昇順に、0以上の整数値であるパラメータKaを許容観測値として対応付けるとともに、各信頼区間の上限限界(UCL)を求め(ただし、このUCLは、最大許容リークのカウント期待値Nとする)、
上式(1)と該パラメータKaより該吸引プローブの速度Sを求める条件設定ステップと、
該条件設定ステップにて求めた該吸引プローブの速度Sにて該吸引プローブを走査して該パラメータKaに対応する信頼区間の上限限界(UCL)を越えるカウント値がなければ合格と判定しながらリーク検査を行う検査ステップとを含み、
該条件設定ステップは、
(ア)リークのない正常部の粒子の透過率Fsを求める工程、
(イ)該正常部の粒子の透過率Fsと該リーク部の許容漏れ率Pとの比率に応じて決まる、該パラメータKaとフィルタ1台あたりのリーク検査所要時間Ttとの関数に基づいて、パラメータKaを0から順に1ずつ増やし、フィルタ1台あたりのリーク検査所要時間Ttを計算し、Ttが増加に転じた一つ手前のKaを採用する工程、および
(ウ)このKaの値から対応するカウント期待値Nを求め、式(1)を満足するように、S及び/又はCの値を調整する工程を含み、
該検査ステップでは、
(エ)これらのS及び/又はCにてリーク検査を行うものである。
【0015】
以上より、正常部からの透過粒子のカウントがリーク部からの漏れ粒子のカウントと誤認される確率を一定の信頼度にて小さくすることができ、誤判定によるリーク検査時間の増加を最小にできる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、正常部からのカウントとリークからのカウントの差を十分確保することにより、誤判定の頻度を必要十分なだけ減らし、統計的に試験時間を最短に及び/またはフィルタ上流の粒子濃度を下げフィルタの目詰まりを最小にする他のリーク検査方法に関する。
【0017】
請求項2に記載のエアフィルタのリーク検査方法は、
エアフィルタの上流側に、濃度Cの粒子を供給し、エアフィルタの下流面に沿って、パーテイクルカウンタの吸引プローブを速度Sにて走査させ、粒子の漏れ(リーク)を検出するエアフィルタのリーク検査方法であって、
リーク部の許容漏れ率をP、該吸引プローブの走査方向の幅をDとして、該吸引プローブの速度Sと該エアフィルタの上流側に供給する粒子の濃度Cとの関係式として次式(1)を適用し、
S=F×C×P×D/N ・・・式(1)
(ただし、式中、Nはパーテイクルカウンタによる最大許容リークのT秒間のカウント期待値、Fはパーテイクルカウンタの単位時間あたりの吸引流量、T=D/Sであり、Nはカウント期待値である。)
母集団の区間推定に関する統計原理を用いて、カウント期待値Nに対する複数の信頼区間の各々に、該カウント値の小さい信頼区間から昇順に、0以上の整数値であるパラメータKaを許容観測値として対応付けるとともに、各信頼区間の上限限界(UCL)を求め(ただし、このUCLは、最大許容リークのカウント期待値Nとする)、
上式(1)と該パラメータKaより該吸引プローブの速度Sを求める条件設定ステップと、
該条件設定ステップにて求めた該吸引プローブの速度Sにて該吸引プローブを走査して該パラメータKaに対応する信頼区間の上限限界(UCL)を越えるカウント値がなければ合格と判定しながらリーク検査を行う検査ステップとを含み、
該条件設定ステップは、
(ア)リークのない正常部の粒子の透過率Fsを求める工程、
(イ)該正常部の粒子の透過率Fsから、リークのない正常部のカウント期待値Mを求める工程、(なお、透過率より先にカウント値が求まるので、例えば、1分測定してQ個であれば、M=Q×T/60と直接に求まるので、この(ア)工程はなくてもよい。)
(ウ)一定の信頼度にて該パラメータKaの出現する確率が一定値以下である、母集団の信頼区間における比較期待値Lを統計的に求める工程、
(エ)MとLの大小を比較し、MがLよりも小さい場合には、Nの値を維持し、MがLよりも大きい場合、MがLよりも小さくなるまでNの値を大きくする工程、および
(オ)該MとLとの比較の結果得られたNの値が式(1)を満足するように、S及び/又はCの値を調整する工程を含み、
該検査ステップでは、
(カ)これらの新しいS及び/又はCにてリーク検査を行うものである。
【0018】
請求項2の発明により、正常部からの透過粒子のカウントがリーク部からの漏れ粒子のカウントと誤認される確率を一定の信頼度にて小さくすることができ、誤判定によるリーク検査時間の増加を最小にできるスキャン速度及び/又はフィルタ上流側濃度を設定することが可能となる。
【0019】
請求項3の発明は、リーク検査を行った結果、合格と判定されなかった部分の合否判定を統計的手法にて最短時間で行う方法に関する。
【0020】
請求項3に記載のエアフィルタのリーク検査方法は、
エアフィルタの上流側に、濃度Cの粒子を供給し、エアフィルタの下流面に沿って、パーテイクルカウンタの吸引プローブを速度Sにて走査させ、粒子の漏れ(リーク)を検出するエアフィルタのリーク検査方法であって、
リーク部の許容漏れ率をP、該吸引プローブの走査方向の幅をDとして、該吸引プローブの速度Sと該エアフィルタの上流側に供給する粒子の濃度Cとの関係式として次式(1)を適用し、
S=F×C×P×D/N ・・・式(1)
(ただし、式中、Nはパーテイクルカウンタによる最大許容リークのT秒間のカウント期待値、Fはパーテイクルカウンタの単位時間あたりの吸引流量、T=D/Sであり、Nはカウント期待値である。)
母集団の区間推定に関する統計原理を用いて、カウント期待値Nに対する複数の信頼区間の各々に、該カウント値の小さい信頼区間から昇順に、0以上の整数値であるパラメータKaを許容観測値として対応付けるとともに、各信頼区間の上限限界(UCL)を求め(ただし、このUCLは、最大許容リークのカウント期待値Nとする)、
上式(1)と該パラメータKaより該吸引プローブの速度Sを求める条件設定ステップと、
該条件設定ステップにて求めた該吸引プローブの速度Sにて該吸引プローブを走査して該パラメータKaに対応する信頼区間の上限限界(UCL)を越えるカウント値がなければ合格と判定しながらリーク検査を行う検査ステップと、
該検査ステップで合格と判定されなかった場所に対して再度リーク検査を行う再検査ステップとを含み、
該再検査ステップは、
(ア)該吸引プローブを合格と判定されなかった場所に停止させる工程、
(イ)静止位置で一定時間(Ts秒)測定した場合の最大許容リークカウント期待値Aを次式(2)にて求める工程(ただし、符号の定義は式(1)と同じである。)、
A=F×C×P×Ts ・・・式(2)
(ウ)静止位置でのTs秒間のカウント値の測定を行い、得られた実測カウント値をBとし、母集団の区間推定に関する統計原理を用いて、該実測カウンタ値Bより、信頼区間の上限限界(UCLb)と下限限界(LCLb)を求め、
A≧UCLbであれば、その場所は合格と判定し、A≦LCLbであれば、その場所は不合格と判定し、UCLb>A>LCLbであれば、Ts秒を更に延長し、合格か不合格か判定できるまで繰り返し同様な判定を継続する工程、および
(エ)設定時間を過ぎても合否いずれにも判定が出来ない場合には、安全をみて不合格と判定する工程を含むものである。
【0021】
請求項3の発明により、走査テストにて合格と判定できなかった部分の合否判定を、一定の統計的な信頼性のもとに最短時間で行うことが可能となる。
【0022】
請求項4に記載の発明は、リーク検査を行った結果、合格と判定されなかった部分の静止再測定を時間間隔法を用いた逐次検定法を用いて最短時間で行う他の方法に関する。
【0023】
請求項4に記載のエアフィルタのリーク検査方法は、
エアフィルタの上流側に、濃度Cの粒子を供給し、エアフィルタの下流面に沿って、パーテイクルカウンタの吸引プローブを速度Sにて走査させ、粒子の漏れ(リーク)を検出するエアフィルタのリーク検査方法であって、
リーク部の許容漏れ率をP、吸引プローブの走査方向の幅をDとして、該吸引プローブの速度Sと該エアフィルタの上流側に供給する粒子の濃度Cとの関係式として次式(1)を適用し、
S=F×C×P×D/N ・・・式(1)
(ただし、式中、Nはパーテイクルカウンタによる最大許容リークのT秒間のカウント期待値、Fはパーテイクルカウンタの単位時間あたりの吸引流量、T=D/Sであり、Nはカウント期待値である。)
母集団の区間推定に関する統計原理を用いて、カウント期待値Nに対する複数の信頼区間の各々に、該カウント値の小さい信頼区間から昇順に、0以上の整数値であるパラメータKaを許容観測値として対応付けるとともに、各信頼区間の上限限界(UCL)を求め(ただし、このUCLは、最大許容リークのカウント期待値Nとする)、
上式(1)と該パラメータKaより該吸引プローブの速度Sを求める条件設定ステップと、
該条件設定ステップにて求めた該吸引プローブの速度Sにて該吸引プローブを走査して該パラメータKaに対応する信頼区間の上限限界(UCL)を越えるカウント値がなければ合格と判定しながらリーク検査を行う検査ステップと、
該検査ステップで合格と判定されなかった場所に対して再度リーク検査を行う再検査ステップとを含み、
該再検査ステップは、
(ア)該吸引プローブを合格と判定されなかった場所に停止させる工程、
(イ)静止位置にて、観測カウント値がB(初期値0以上)となるまでの時間(Tb)を測定するとともに、観測カウンタ値Bより、信頼区間の上限限界(UCLb)を求める工程、
(ウ)判定基準時間Tjを次式にて求める工程、
Tj=UCLb/(C×P×F) ・・・式(3)
(エ)Tb≧Tjであれば、その部分は合格と判定する工程、
(オ)静止位置にて、観測カウント値がC(初期値4以上)となるまでの時間(Tc)を測定するとともに、観測カウンタ値Cより、信頼区間の下限限界(LCLc)を求める工程、
(カ)判定基準時間Tkを次式にて求める工程、
Tk=LCLc/(C×P×F) ・・・式(4)
(キ)Tc≦Tkであれば、その部分は不合格と判定する工程、
(ク)上の操作にて合否判定ができなかった場合、B及びCのカウント値を1増やして再度該時間TbまたはTcを測定し合否判定を行う工程、
(ケ)判定できるまで、これを継続する工程、
(コ)設定時間を過ぎても合否いずれにも判定が出来ない場合には、安全をみて不合格と判定する工程を含むものである。
【0024】
請求項4の発明により、走査テストにて合格と判定できなかった部分の合否判定を、一定の統計的な信頼性のもとに最短時間で行うことが可能となる。
【0025】
請求項5の方法は、走査テストにて合格と判定されなかった部分の位置を、正確に特定する方法に関する。
【0026】
請求項5に記載のエアフィルタのリーク検査方法は、
エアフィルタの上流側に、濃度Cの粒子を供給し、エアフィルタの下流面に沿って、パーテイクルカウンタの吸引プローブを速度Sにて走査させ、粒子の漏れ(リーク)を検出するエアフィルタのリーク検査方法であって、
リーク部の許容漏れ率をP、該吸引プローブの走査方向の幅をDとして、該吸引プローブの速度Sと該エアフィルタの上流側に供給する粒子の濃度Cとの関係式として次式(1)を適用し、
S=F×C×P×D/N …式(1)
(ただし、式中、Nはパーテイクルカウンタによる最大許容リークのT秒間のカウント期待値、Fはパーテイクルカウンタの単位時間あたりの吸引流量、T=D/Sであり、Nはカウント期待値である。)
母集団の区間推定に関する統計原理を用いて、カウント期待値Nに対する複数の信頼区間の各々に、該カウント値の小さい信頼区間から昇順に、0以上の整数値であるパラメータKaを許容観測値として対応付けるとともに、各信頼区間の上限限界(UCL)を求め(ただし、このUCLは、最大許容リークのカウント期待値Nとする)、
上式(1)と該パラメータKaより該吸引プローブの速度Sを求める条件設定ステップと、
該条件設定ステップにて求めた該吸引プローブの速度Sにて該吸引プローブを走査して該パラメータKaに対応する信頼区間の上限限界(UCL)を越えるカウント値がなければ合格と判定しながらリーク検査を行う検査ステップと、
該検査ステップで合格と判定されなかった場所に対して再度リーク検査を行う再検査ステップとを含み、
該再検査ステップは、
(ア)走査中に合格と判定されなかった部分を検出した際の位置座標を、制御装置のメモリに記録する工程、
(イ)該吸引プローブを、該メモリに記録した位置座標より、該位置座標を該吸引プローブが通過したタイミングから、該合格と判定されなかった部分を検出したタイミングまでのタイムラグに応じた距離だけ戻した予測検出位置に停止させる工程、
(ウ)その予測検出位置にて再度合否判定を行う工程、
(エ)次に1プローブ幅分だけ該吸引プローブを移動させ、その位置で該吸引プローブを停止させ、再度合否判定を行う工程、
(オ)これを繰り返しながら該吸引プローブの位置をメモリした座標位置より数プローブ幅分前方まで順次前進させる工程を含むものである。
【0027】
請求項5の発明により、走査テストにて合格と判定されなかった部分の位置を正確に特定することが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の方法で使用するクリーンルーム用エアフィルタのリーク検査装置1を図1に示す。
【0029】
このリーク検査装置1は、エアフィルタ10が内部に配設され下方が開口するフィルタ収納ケース11の吹き出し口に着脱可能に取り付けられるものである。フィルタ収納ケース11は、通常、クリーンルーム等の天井裏に配設され、天井裏から送気用ファンまたはブースを通してフィルタ10に空気が送られ、清浄空気が吹き出し口より室内へ供給される。
【0030】
リーク検査装置1は、X−Y方向へ走査可能なプローブ18を有する自動走査機19と、フィルタ10の上流側の気体をチューブを介してサンプリングし、該気体内の粒子数を測定するカウンタ21と、自動走査機19に連結されフィルタ10の下流側の気体をチューブを介してサンプリングし、該気体内の粒子数を測定するカウンタ22と、プローブ18の走査を制御するパソコン等の制御装置23と、を備えている。
【0031】
自動走査機19は、四角枠状の枠体25と、該枠体25の対向する2辺に沿って移動可能なフレーム26と、該フレーム26に取り付けられフレーム26上を往復移動可能なプローブ18と、を有している。通常、この枠体25はフィルタ10よりやや大きいサイズに設定され、フィルタ10下面全面にプローブ18を走査できるようになっている。
【0032】
自動走査機19をフィルタ下面に取り付けた後、フィルタ10下流側の気体に含まれる粒子数がカウンタ22および制御装置23を用いて計測される。
【0033】
次に、上記のリーク検査装置を用いたリーク検査方法の一例を説明する。
【0034】
具体的に説明すると次の通りである。
【0035】
リーク検査におけるプローブの走査速度SはISO案によれば、次式で求められる。
【0036】
S=F×C×P×D/N …式(1)
ただし、式中、Nはパーテイクルカウンタによる最大許容リークのT秒間のカウント期待値とする。Fはパーテイクルカウンタの単位時間あたりの吸引流量とする。T=D/Sである。尚、速度Sの上限は8cm/sと規定されている。
【0037】
ISOでは、期待値Nと許容観測値Kaについて、下のような表が与えられている。スキャン速度を決めようとする場合、まず、F,P,およびDを決定し、Cを測定する。
【0038】
【表1】
(ここではISO案に記載の統計表を引用しているが、これに限定されるものではなく、ポアソン分布に基づく信頼区間表などを用いてもよい)
次に許容観測値Kaの値を決め(通常は、0か1)それに対応する期待値Nを表より決定する。以上より、Sを決定することができる。
【0039】
Nの値は、次のようにしても決めることができる。観測値Kがポアソン分布であると仮定すると、統計の公式により、UCL=0.5χ2[0.5ε;2(K+1)]となる。ただし、χ2[0.5ε;2(K+1)]は、自由度2(K+1)で下側確率0.5εに対するカイ2乗分布のパーセント点である。また、同様にLCL=0.5χ2[1-0.5ε;2K]となる。ただし、χ2[1-0.5ε;2K]は自由度2Kで上側確率1−0.5εに対するカイ2乗分布のパーセント点である。有意水準εの値は小さいほどリークを見落とす確率は下がるが、それにより期待値が大きくなるためスキャン速度が遅くなってしまう。通常はε=0.05に設定する。UCL=Nとすると、許容観測値Kaに対するNの値を決定できる。また、決定したNに対し、不合格観測値をRとすると、 N=LCL=0.5χ2[1-0.5ε;2R]を満足するRを求めることにより、Rも決定できる。
【0040】
リーク検査においては、リークのない正常部からも粒子が透過してくる。この正常部からの透過率をFsとする。Fsが、リーク部の許容漏れ率Pに近い場合、すなわち、P/Fsが1に近い場合、正常部から透過してきた粒子をリークの漏れと誤判定してしまう可能性が高くなる。この確率は次のように評価できる。T秒間の最大許容リークのカウント期待値Nより、正常部の計数期待値Nsは次式で求められる。Ns=N×Fs/P。正常部からのカウント観測値がリーク部の許容観測値Kaを越える確率Gは、ホ゜アソン分布の公式より、次式で求められる。
【0041】
【数1】
よって、フィルタ1台あたりのリーク検査所要時間Ttは次式の方程式を解くことにより求められる。
【0042】
Tt[min.]=(単純スキャン所要時間)+(リーク誤判定による再測定によるロス時間)
=(全スキャン距離)[cm]/(S[cm/s]×60 [s/min])
+(G[-]×60[s/min]/T[s])×Tt[min]×Te[s]/60[s/min] ・・・式(6)
ただし、S:スキャン速度、T:判定時間=プローブ幅/スキャン速度、Te:再測定時間、全スキャン距離を840cm(66cm×66cmのエリアを 57mm幅のプローブにて1mmずつ重ねてスキャン)、Ka=1の時にS=5cm/s、プローブ幅を1cm、Te=1secとし、P/Fsと所要時間Ttの関係をKaをハ゜ラメータとしてク゛ラフ化すると図2の結果となる。
【0043】
図2から、P/Fsが20以上の場合(エアフィルタの場合、通常10〜20)はKa=1とすればよいことがわかる。また、20以下の場合にはKaをさらに大きくする必要のあることが分かる。Kaをパラメータとして式(6)から検査所要時間Ttを計算し、最短のTtを実現するKaを見い出すのが請求項1の方 法である。
【0044】
次に、請求項2の方法について述べる。
【0045】
実際のリーク検査においては、以上のような計算をいちいち行うのは大変なので、次のような簡易方法で適切なKaを選定することができる。正常部のカウントを実測するか、または、フィルタ単体の効率検査結果より、正常部の透過率を求め(必ずしも必要ではないが)、リーク検査試験条件下での正常部のカウント期待値Mをまず求める。
【0046】
一方、Kaより最大許容リークのカウント期待値N=UCL=0.5χ2[0.5ε;2(K+1)]を決める。また、正常部からのカウント期待値をLCL=0.5χ2[1-0.5ε;2Ka]=Lとする。Lの式での有意水準εの値は、安全を見て0.01程度に設定する。MがLよりも小さければ、正常部のカウント観測値が リーク許容観測値Kaを越える確率は非常に低いと言えるので、そのままリーク検査を行うことが可能である。一方、MがLよりも大きければ、正常部のカウント観測値がリーク許容観測値Kaを越えることが頻発し、再測定によりテスト時間が増大する可能性が高い。これを模式的に示したのが図4である。このような場合、Nの値を大きくしてKaの値を大きくすればLの値を大きくすることができる。(ただし、スキャン速度Sは小さくなる。しかし、図2で検討したように、P/Fsが100以下の場合には、トータルの所要時間は短くなる場合がある。)一方、Mは一定なので、M<Lの条件にすることができる。
【0047】
以上の方法により、統計的に一定な有意水準のもとで、最短時間でスキャンテストを行うことが可能となる。スキャンテストの結果、合格とも不合格とも判定できない「疑惑部分」、すなわち、許容観測値Kaを越えるが不合格観測値Rを越えない個所が検出されることになる。このような疑惑部分の最短時間での一定の有意水準に基づく判定方法を考案したので次に説明する。
【0048】
まず、プローブを疑惑部分に正確に停止させる必要がある。そのため、請求項5で述べたように、疑惑の検出された瞬間にプローブを停止させ、その位置から吸引チューブのタイムラグ時間分プラス数プローブ幅分、プローブを逆戻りさせる。その位置にプローブを停止させ、請求項3および請求項4で述べる判定を行う。次に、プローブを1プローブ幅分だけ前進させ、再び判定を行う。これを繰り返しながらプローブの位置を順次前進させることにより、疑惑部分の正確な位置にて判定を行うことができる。
【0049】
疑惑点を静止位置で一定時間(Ts)測定した場合のカウント期待値Aは次式で求められる。
【0050】
A=(フィルタ上流濃度)×(粒子検出器の吸引量)×(許容リーク率)×(測定時間)=C×F×P×Ts …式(7)
実際に静止位置で測定して得られた観測カウント値をBとする。前述と同様に、BのUCLとLCLを求める。AがUCLよりも大きければ、観測値Bの母集団の平均値はAを越える確率は有意水準εにて「ない」と言えるので、合格と判定する。逆に、AがLCLよりも小さければ、観測値Bの母集団の平均値はAを越える確率が有意水準εにて「ある」と言えるので、不合格と判定する。Aが、再度UCLとLCLの間の値であった場合には、測定時間Tsを延長し、累積観測カウント値にて合格か不合格か判定できるまで繰り返し同様な判定を行えばよい。ただし、いつまでも判定を続ける訳にはいかないので、一定時間が経過してもなお、合否判定の結論が出ない場合には、安全を見て、その部分は不合格と判定する。以上により、一定の有意水準のもとで、疑惑点のリークの合否判定を最短時間で行うことができる。
【0051】
疑惑点についての他の判定法について述べる。上式(7)を変形すると
Ts=A/(C × F × P) …式(8)
観測値BとBをポアソン分布と仮定し、χ2乗分布より求めた合格、および不合格計数期待値Aとの関係を下表に示す。
【0052】
【表2】
よって、式(8)と上表より、次のような判定を行うことができる。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
上のいずれかの条件に入るまで、測定を継続する。ただし、いつまでも判定を続ける訳にはいかないので、一定時間が経過してもなお、合否判定の結論が出ない場合には、安全を見て、その部分は不合格と判定する。以上により、一定の有意水準のもとで、疑惑点のリークの合否判定を最短時間で行うことができる。
【0055】
【実施例】
【0056】
【実施例】
製薬会社の動物実験施設のクリーンルームにて上記装置を用いてエアフィルタのリーク検査を実施した。
【0057】
試験条件は以下の通りである。
【0058】
【表5】
リーク試験の結果(16台のHEPAフィルタについてテスト実施)は以下の通りである。
【0059】
【表6】
リーク検査(スキャン時のコンピュータ表示例)を図3に示す。
【0060】
図3において、HEPAフィルタ面を小区画に分け、各区画の観測カウント値を表示した。合格域は白地で、疑惑域は灰色で、リーク域はハッチングで区分けされている。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果を有する。
【0062】
正常部からの透過粒子のカウントがリーク部からの漏れ粒子のカウントと誤認される確率を一定の信頼度にて小さくすることができ、誤判定によるリーク検査時間の増加を最小にできるスキャン速度及び/又はフィルタ上流側濃度を設定することが可能となる
走査テストにて合格と判定されなかった部分の位置を、正確に特定することができ、さらに、その部分の合否判定を、一定の統計的な信頼性のもとに最短時間で行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リーク検査装置の概略図である。
【図2】許容リーク率と正常部の透過率比によるリークテスト所要時間の変化を示すグラフである。
【図3】リーク試験(スキャン時のコンピュータ表示例)を示す図である。
【図4】フィルタ正常部からのカウントと、リークからのカウントの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 リーク検査装置
10 エアフィルタ
11 フィルタ収納ケース
18 プローブ
19 自動走査機
21 パーティクルカウンタ
22 パーティクルカウンタ
23 制御装置
Claims (5)
- エアフィルタの上流側に、濃度Cの粒子を供給し、エアフィルタの下流面に沿って、パーテイクルカウンタの吸引プローブを速度Sにて走査させ、粒子の漏れ(リーク)を検出するエアフィルタのリーク検査方法であって、
リーク部の許容漏れ率をP、該吸引プローブの走査方向の幅をDとして、該吸引プローブの速度Sと該エアフィルタの上流側に供給する粒子の濃度Cとの関係式として次式(1)を適用し、
S=F×C×P×D/N ・・・式(1)
(ただし、式中、Nはパーテイクルカウンタによる最大許容リークのT秒間のカウント期待値、Fはパーテイクルカウンタの単位時間あたりの吸引流量、T=D/Sである。)
母集団の区間推定に関する統計原理を用いて、カウント期待値Nに対する複数の信頼区間の各々に、該カウント値の小さい信頼区間から昇順に、0以上の整数値であるパラメータKaを許容観測値として対応付けるとともに、各信頼区間の上限限界(UCL)を求め(ただし、このUCLは、最大許容リークのカウント期待値Nとする)、
上式(1)と該パラメータKaより該吸引プローブの速度Sを求める条件設定ステップと、
該条件設定ステップにて求めた該吸引プローブの速度Sにて該吸引プローブを走査して該パラメータKaに対応する信頼区間の上限限界(UCL)を越えるカウント値がなければ合格と判定しながらリーク検査を行う検査ステップとを含み、
該条件設定ステップは、
(ア)リークのない正常部の粒子の透過率Fsを求める工程、
(イ)該正常部の粒子の透過率Fsと該リーク部の許容漏れ率Pとの比率に応じて決まる、該パラメータKaとフィルタ1台あたりのリーク検査所要時間Ttとの関数に基づいて、パラメータKaを0から順に1ずつ増やし、フィルタ1台あたりのリーク検査所要時間Ttを計算し、Ttが増加に転じた一つ手前のKaを採用する工程、および
(ウ)このKaの値から対応するカウント期待値Nを求め、式(1)を満足するように、S及び/又はCの値を調整する工程を含み、
該検査ステップでは、
(エ)これらのS及び/又はCにてリーク検査を行う、エアフィルタのリーク検査方法。 - エアフィルタの上流側に、濃度Cの粒子を供給し、エアフィルタの下流面に沿って、パーテイクルカウンタの吸引プローブを速度Sにて走査させ、粒子の漏れ(リーク)を検出するエアフィルタのリーク検査方法であって、
リーク部の許容漏れ率をP、該吸引プローブの走査方向の幅をDとして、該吸引プローブの速度Sと該エアフィルタの上流側に供給する粒子の濃度Cとの関係式として次式(1)を適用し、
S=F×C×P×D/N ・・・式(1)
(ただし、式中、Nはパーテイクルカウンタによる最大許容リークのT秒間のカウント期待値、Fはパーテイクルカウンタの単位時間あたりの吸引流量、T=D/Sであり、Nはカウント期待値である。)
母集団の区間推定に関する統計原理を用いて、カウント期待値Nに対する複数の信頼区間の各々に、該カウント値の小さい信頼区間から昇順に、0以上の整数値であるパラメータKaを許容観測値として対応付けるとともに、各信頼区間の上限限界(UCL)を求め(ただし、このUCLは、最大許容リークのカウント期待値Nとする)、
上式(1)と該パラメータKaより該吸引プローブの速度Sを求める条件設定ステップと、
該条件設定ステップにて求めた該吸引プローブの速度Sにて該吸引プローブを走査して該パラメータKaに対応する信頼区間の上限限界(UCL)を越えるカウント値がなければ合格と判定しながらリーク検査を行う検査ステップとを含み、
該条件設定ステップは、
(ア)リークのない正常部の粒子の透過率Fsを求める工程、
(イ)該正常部の粒子の透過率Fsから、リークのない正常部のカウント期待値Mを求める工程、
(ウ)一定の信頼度にて該パラメータKaの出現する確率が一定値以下である、母集団の信頼区間における比較期待値Lを統計的に求める工程、
(エ)MとLの大小を比較し、MがLよりも小さい場合には、Nの値を維持し、MがLよりも大きい場合、MがLよりも小さくなるまでNの値を大きくする工程、および
(オ)該MとLとの比較の結果得られたNの値が式(1)を満足するように、S及び/又はCの値を調整する工程を含み、
該検査ステップでは、
(カ)これらの新しいS及び/又はCにてリーク検査を行う、エアフィルタのリーク検査方法。 - エアフィルタの上流側に、濃度Cの粒子を供給し、エアフィルタの下流面に沿って、パーテイクルカウンタの吸引プローブを速度Sにて走査させ、粒子の漏れ(リーク)を検出するエアフィルタのリーク検査方法であって、
リーク部の許容漏れ率をP、該吸引プローブの走査方向の幅をDとして、該吸引プローブの速度Sと該エアフィルタの上流側に供給する粒子の濃度Cとの関係式として次式(1)を適用し、
S=F×C×P×D/N ・・・式(1)
(ただし、式中、Nはパーテイクルカウンタによる最大許容リークのT秒間のカウント期待値、Fはパーテイクルカウンタの単位時間あたりの吸引流量、T=D/Sであり、Nはカウント期待値である。)
母集団の区間推定に関する統計原理を用いて、カウント期待値Nに対する複数の信頼区間の各々に、該カウント値の小さい信頼区間から昇順に、0以上の整数値であるパラメータKaを許容観測値として対応付けるとともに、各信頼区間の上限限界(UCL)を求め(ただし、このUCLは、最大許容リークのカウント期待値Nとする)、
上式(1)と該パラメータKaより該吸引プローブの速度Sを求める条件設定ステップと、
該条件設定ステップにて求めた該吸引プローブの速度Sにて該吸引プローブを走査して該パラメータKaに対応する信頼区間の上限限界(UCL)を越えるカウント値がなければ合格と判定しながらリーク検査を行う検査ステップと、
該検査ステップで合格と判定されなかった場所に対して再度リーク検査を行う再検査ステップとを含み、
該再検査ステップは、
(ア)該吸引プローブを合格と判定されなかった場所に停止させる工程、
(イ)静止位置で一定時間(Ts秒)測定した場合の最大許容リークカウント期待値Aを次式(2)にて求める工程(ただし、符号の定義は式(1)と同じである。)、
A=F×C×P×Ts ・・・式(2)
(ウ)静止位置でのTs秒間のカウント値の測定を行い、得られた実測カウント値をBとし、母集団の区間推定に関する統計原理を用いて、該実測カウンタ値Bより、信頼区間の上限限界(UCLb)と下限限界(LCLb)を求め、
A≧UCLbであれば、その場所は合格と判定し、A≦LCLbであれば、その場所は不合格と判定し、UCLb>A>LCLbであれば、Ts秒を更に延長し、合格か不合格か判定できるまで繰り返し同様な判定を継続する工程、および
(エ)設定時間を過ぎても合否いずれにも判定が出来ない場合には、安全をみて不合格と判定する工程を含む、エアフィルタのリーク検査方法。 - エアフィルタの上流側に、濃度Cの粒子を供給し、エアフィルタの下流面に沿って、パーテイクルカウンタの吸引プローブを速度Sにて走査させ、粒子の漏れ(リーク)を検出するエアフィルタのリーク検査方法であって、
リーク部の許容漏れ率をP、吸引プローブの走査方向の幅をDとして、該吸引プローブの速度Sと該エアフィルタの上流側に供給する粒子の濃度Cとの関係式として次式(1)を適用し、
S=F×C×P×D/N …式(1)
(ただし、式中、Nはパーテイクルカウンタによる最大許容リークのT秒間のカウント期待値、Fはパーテイクルカウンタの単位時間あたりの吸引流量、T=D/Sであり、Nはカウント期待値である。)
母集団の区間推定に関する統計原理を用いて、カウント期待値Nに対する複数の信頼区間の各々に、該カウント値の小さい信頼区間から昇順に、0以上の整数値であるパラメータKaを許容観測値として対応付けるとともに、各信頼区間の上限限界(UCL)を求め(ただし、このUCLは、最大許容リークのカウント期待値Nとする)、
上式(1)と該パラメータKaより該吸引プローブの速度Sを求める条件設定ステップと、
該条件設定ステップにて求めた該吸引プローブの速度Sにて該吸引プローブを走査して該パラメータKaに対応する信頼区間の上限限界(UCL)を越えるカウント値がなければ合格と判定しながらリーク検査を行う検査ステップと、
該検査ステップで合格と判定されなかった場所に対して再度リーク検査を行う再検査ステップとを含み、
該再検査ステップは、
(ア)該吸引プローブを合格と判定されなかった場所に停止させる工程、
(イ)静止位置にて、観測カウント値がB(初期値0以上)となるまでの時間(Tb)を測定するとともに、観測カウンタ値Bより、信頼区間の上限限界(UCLb)を求める工程、
(ウ)判定基準時間Tjを次式にて求める工程、
Tj=UCLb/(C×P×F) ・・・式(3)
(エ)Tb≧Tjであれば、その部分は合格と判定する工程、
(オ)静止位置にて、観測カウント値がC(初期値4以上)となるまでの時間(Tc)を測定するとともに、観測カウンタ値Cより、信頼区間の下限限界(LCLc)を求める工程、
(カ)判定基準時間Tkを次式にて求める工程、
Tk=LCLc/(C×P×F) ・・・式(4)
(キ)Tc≦Tkであれば、その部分は不合格と判定する工程、
(ク)上の操作にて合否判定ができなかった場合、B及びCのカウント値を1増やして再度該時間TbまたはTcを測定し合否判定を行う工程、
(ケ)判定できるまで、これを継続する工程、
(コ)設定時間を過ぎても合否いずれにも判定が出来ない場合には、安全をみて不合格と判定する工程を含む、エアフィルタのリーク検査方法。 - エアフィルタの上流側に、濃度Cの粒子を供給し、エアフィルタの下流面に沿って、パーテイクルカウンタの吸引プローブを速度Sにて走査させ、粒子の漏れ(リーク)を検出するエアフィルタのリーク検査方法であって、
リーク部の許容漏れ率をP、該吸引プローブの走査方向の幅をDとして、該吸引プローブの速度Sと該エアフィルタの上流側に供給する粒子の濃度Cとの関係式として次式(1)を適用し、
S=F×C×P×D/N ・・・式(1)
(ただし、式中、Nはパーテイクルカウンタによる最大許容リークのT秒間のカウント期待値、Fはパーテイクルカウンタの単位時間あたりの吸引流量、T=D/Sであり、Nはカウント期待値である。)
母集団の区間推定に関する統計原理を用いて、カウント期待値Nに対する複数の信頼区間の各々に、該カウント値の小さい信頼区間から昇順に、0以上の整数値であるパラメータKaを許容観測値として対応付けるとともに、各信頼区間の上限限界(UCL)を求め(ただし、このUCLは、最大許容リークのカウント期待値Nとする)、
上式(1)と該パラメータKaより該吸引プローブの速度Sを求める条件設定ステップと、
該条件設定ステップにて求めた該吸引プローブの速度Sにて該吸引プローブを走査して該パラメータKaに対応する信頼区間の上限限界(UCL)を越えるカウント値がなければ合格と判定しながらリーク検査を行う検査ステップと、
該検査ステップで合格と判定されなかった場所に対して再度リーク検査を行う再検査ステップとを含み、
該再検査ステップは、
(ア)走査中に合格と判定されなかった部分を検出した際の位置座標を、制御装置のメモリに記録する工程、
(イ)該吸引プローブを、該メモリに記録した位置座標より、該位置座標を該吸引プローブが通過したタイミングから、該合格と判定されなかった部分を検出したタイミングまでのタイムラグに応じた距離だけ戻した予測検出位置に停止させる工程、
(ウ)その予測検出位置にて再度合否判定を行う工程、
(エ)次に1プローブ幅分だけ該吸引プローブを移動させ、その位置で該吸引プローブを停止させ、再度合否判定を行う工程、
(オ)これを繰り返しながら該吸引プローブの位置をメモリした座標位置より数プローブ幅分前方まで順次前進させる工程を含むエアフィルタのリーク検査方法。
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