JP4697981B2 - 強磁性形状記憶合金及びその用途 - Google Patents

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Description

本発明は強磁性形状記憶合金及びその用途に関し、特に実用温度域で磁場誘起逆変態して、磁性変化を伴って形状を回復する強磁性形状記憶合金、及びその用途に関する。
形状記憶合金はマルテンサイト変態及び逆変態に伴う顕著な形状記憶効果を有し、アクチュエータ用材料等として有用である。形状記憶合金からなるアクチュエータは通常熱駆動される(冷却によりマルテンサイト変態、加熱により逆変態する)。形状記憶合金では、一般に冷却時の変態温度より加熱時の逆変態温度の方が高い。変態温度と逆変態温度との差を温度ヒステリシスという。温度ヒステリシスが小さい熱弾性型マルテンサイト変態では、通常約5%に及ぶ大きな形状回復歪が得られる。しかし熱駆動アクチュエータは冷却過程が熱放散により律速されるため、応答速度が遅いという問題がある。
そこで磁場によりマルテンサイト相が双晶変形するNi-Co-Al系合金、Ni-Mn-Ga系合金等の強磁性形状記憶合金が注目されている。強磁性形状記憶合金は磁場誘起歪みが得られるので、応答速度が高く、アクチュエータ用材料として有望である。
特開2002-129273号は、5〜70原子%のCoと、5〜70原子%のNiと、5〜50原子%のAlとを含有し、残部が不可避的不純物からなる組成を有し、B2構造のβ相からなる単相組織、又はγ相とB2構造のβ相とからなる2相組織を有する強磁性形状記憶合金からなるアクチュエータ部品を提案している。しかしこの強磁性形状記憶合金に磁場をかけてもマルテンサイト変態温度が大幅に変化せず、実用温度域でマルテンサイト変態及び逆変態を起こさせるのが困難であるので、室温で磁気駆動型アクチュエータに用いても十分な特性が得られない。そのため、マルテンサイト相のみからなる強磁性形状記憶合金に強磁場を印加し、大きな双晶磁歪を生じさせているのが現状である。しかしこの方法には、強磁性形状記憶合金が単結晶でなければ大きな歪を取り出せないという問題がある。
特開平10-259438号は、磁場により生活環境温度で形状記憶効果を示すNi-Mn-Ga合金として、化学組成式:Ni2+X-Mn1-X-Ga[但し0.10≦X≦0.30(モル)]により表され、マルテンサイト逆変態終了温度が−20℃以上のNi-Mn-Ga合金を提案している。しかしこのNi-Mn-Ga合金は形状回復歪が十分とは言えなかった。
特開2001-279360号は、Ni-Mn-Ga合金より大きな歪みを発現できるMn系合金として、一般式:MnaTbX1-a-b(ただしTはFe、Co及びNiからなる群から選ばれた少なくとも一種であり、XはSi、Ge、Al、Sn及びGaからなる群から選ばれた少なくとも一種であり、a及びbはそれぞれ0.2≦a≦0.4及び0.2≦b≦0.4を満たす数である。)により表され、マルテンサイト変態を示すとともにその逆変態終了温度が−20℃〜300℃の範囲にあるMn系合金を提案している。しかしこのMn系合金は常磁性母相から強磁性マルテンサイト相に磁場誘起変態するので、大きな歪が得られない。
特開2001-279357号は、結晶変態の際に生じる歪み率及び変位量が大きいマグネティックシェープメモリー合金として、一般式:M12-XM2YM3Z(ここで、M1はNi及び/又はCuであり、M2はMn,Sn,Ti及びSbからなる群から選ばれた少なくとも一種であり、M3はSi,Mg,Al,Fe,Co,Ga及びInからなる群から選ばれた少なくとも一種であり、X,Y及びZはそれぞれ0<X≦0.5、0<Y≦1.5、及び0<Z≦1.5を満たす数である。)により表され、ホイスラー構造を有し、マルテンサイト変態及び磁場誘起マルテンサイト逆変態を生じるマグネティックシェープメモリー合金を提案している。この文献には磁場により形状が変化すると記載されているが、いずれの実施例でも温度変態させた後磁場誘起変態が起こっており、磁場変化のみによりマルテンサイト逆変態を起こす例は全くない。
強磁性形状記憶合金が温度変化に応じて強磁性と常磁性との間で変化することを利用した熱磁気駆動素子が提案されている。特開平10-259438号及び特開2002-129273号には、生活環境温度で磁気変態するように合金組成を最適化した強磁性形状記憶合金をアクチュエータに利用することが記載されている。しかし強磁性/常磁性間の磁気変態はエネルギー変換効率は不十分であるという問題がある。
強磁性形状記憶合金を磁気冷凍材として利用することも提案されている。磁気冷凍は、磁気熱量効果(磁性体を常磁性から強磁性に等温磁化して電子磁気スピン系の自由度の相違に起因する磁気エントロピー変化を生じさせた後、磁場を断熱的に除去すると磁性体の温度が低下する現象)を利用する。
特開2002-356748号は、常温域で比較的弱い磁場により磁気冷凍できる磁性材料として、(a) Fe、Co、Ni、Mn及びCrからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を合計で50〜96原子%含み、Si、C、Ge、Al、B、Ga及びInからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を合計で4〜43原子%含み、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を合計で4〜20原子%含む磁気冷凍用磁性材料、並びに(b) Fe、Co、Ni、Mn及びCrからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を合計で50〜80原子%含み、Sb、Bi、P及びAsからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を合計で20〜50原子%含む磁気冷凍用磁性材料を提案している。しかしこれらの磁気冷凍用磁性材料は、−40℃以下でなければ十分な磁気エントロピー変化をせず、実用的でない。従って、常温付近でも十分な磁気エントロピー変化が得られる磁気冷凍材が望まれる。
従って本発明の目的は、実用温度域で温度及び磁場の変化に応じた形状記憶特性に優れた強磁性形状記憶合金を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、かかる強磁性形状記憶合金からなる磁場駆動素子及び熱磁気駆動素子を提供することである。
本発明のさらにもう一つの目的は、上記強磁性形状記憶合金の磁場−温度特性、応力−磁気特性、応力−抵抗特性及び磁気−抵抗特性をそれぞれ利用した発熱吸熱素子(特に磁気冷凍材)、応力−磁気素子、応力−抵抗素子、及び磁気−抵抗素子を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者等は、Mnと、In、Sn及びSbからなる群から選ばれた少なくとも一種と、Co及び/又はFeとを含有するNi系合金の組成を調整することにより、実用温度域で温度及び磁場の変化に応じた形状記憶特性に優れた強磁性形状記憶合金が得られることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の第1の強磁性形状記憶合金は、Mnを25〜50原子%、In、Sn及びSbからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を合計で5〜18原子%、及びCo及び/又はFeを0.1〜15原子%含有し、残部がNi及び不可避的不純物からなることを特徴とする。この強磁性形状記憶合金は、Niを40原子%超含有するのが好ましい。
本発明の第2の強磁性形状記憶合金は、Mnを25〜50原子%、In、Sn及びSbからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を合計で5〜18原子%、Co及び/又はFeを0.1〜15原子%、及びTi、Pd、Pt、Al、Ga、Si、Ge、Pb及びBiからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を合計で0.1〜15原子%含有し、残部が40原子%超のNi及び不可避的不純物からなることを特徴とする。
本発明の第3の強磁性形状記憶合金は、Mnを25〜50原子%、In、Sn及びSbからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を合計で5〜18原子%、Co及び/又はFeを0.1〜15原子%、及びPd、Pt、Pb及びBiからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を合計で0.1〜15原子%含有し、残部がNi及び不可避的不純物からなることを特徴とする。かかる強磁性形状記憶合金は、Niを40原子%超含有するのが好ましい。
第1〜3の強磁性形状記憶合金はいずれも強磁性の母相と、常磁性、反強磁性又はフェリ磁性のマルテンサイト相を有し、母相とマルテンサイト相との磁化の差が大きい。マルテンサイト相は長周期積層構造を有するのが好ましく、これにより温度ヒステリシスが小さい可逆的な変態が可能である。第1〜3のいずれの強磁性形状記憶合金でも、例えば20 kOe以上の磁場を印加した時の母相(マルテンサイト変態開始温度で測定)とマルテンサイト相(マルテンサイト変態終了温度で測定)の磁化の差は50 emu/g以上である。また母相の電気抵抗ρpに対するマルテンサイト相の電気抵抗ρMの比ρM/ρpは2以上である。
第1〜3の強磁性形状記憶合金のいずれかを用いた本発明の磁場駆動素子は、前記強磁性形状記憶合金に磁場を印加することにより誘起される形状回復及び/又は磁性変化を利用することを特徴とする。このとき、(a) 常磁性、反強磁性又はフェリ磁性を有するマルテンサイト相状態の強磁性形状記憶合金に磁場を印加することにより、マルテンサイト相は強磁性母相にマルテンサイト逆変態、(b) 磁場誘起逆変態により母相組織となった強磁性形状記憶合金から磁場を除去することにより、母相はマルテンサイト相にマルテンサイト変態する。
本発明の熱磁気駆動素子は第1〜3の強磁性形状記憶合金のいずれかを感温磁性体として用いるもので、(a) 常磁性、反強磁性又はフェリ磁性を有するマルテンサイト相状態の前記強磁性形状記憶合金を加熱することにより誘起される強磁性母相へのマルテンサイト逆変態に伴う形状及び/又は磁性の変化、及び/又は(b) 前記母相状態の強磁性形状記憶合金を冷却することにより誘起される前記マルテンサイト相への変態に伴う形状及び/又は磁性の変化を利用することを特徴とする。
本発明の磁気冷凍材は、第1〜3の強磁性形状記憶合金のいずれかからなるものであって、常磁性、反強磁性又はフェリ磁性を有するマルテンサイト相状態の前記強磁性形状記憶合金に磁場を印加することにより誘起される強磁性母相へのマルテンサイト逆変態に伴う吸熱を利用することを特徴とする。
第1〜3の強磁性形状記憶合金のいずれかを用いた本発明の発熱吸熱素子は、(a) 強磁性母相状態の前記強磁性形状記憶合金のマルテンサイト変態に伴う発熱、及び(b) 常磁性、反強磁性又はフェリ磁性を有するマルテンサイト相状態の前記強磁性形状記憶合金のマルテンサイト逆変態に伴う吸熱を利用することを特徴とする。マルテンサイト変態は、母相状態の強磁性形状記憶合金に応力をかけるか、磁場誘起逆変態により生じた母相状態の強磁性形状記憶合金から磁場を除去することにより誘起される。またマルテンサイト逆変態は、マルテンサイト相状態の強磁性形状記憶合金に磁場を印加するか、応力誘起変態により生じたマルテンサイト相状態の強磁性形状記憶合金から応力を除くことにより誘起される。
第1〜3の強磁性形状記憶合金のいずれかを用いた本発明の応力−磁気素子は、(a) 強磁性母相状態の前記強磁性形状記憶合金に応力をかけることにより母相から常磁性、反強磁性又はフェリ磁性を有するマルテンサイト相への変態に伴う磁性変化、及び/又は(b) 応力誘起変態により生じたマルテンサイト相状態の強磁性形状記憶合金から応力を除くことにより誘起される母相への逆変態に伴う磁性変化を利用することを特徴とする。
第1〜3の強磁性形状記憶合金のいずれかを用いた本発明の応力−抵抗素子は、 (a) 強磁性母相状態の前記強磁性形状記憶合金に応力をかけることにより誘起される常磁性、反強磁性又はフェリ磁性を有するマルテンサイト相への変態に伴う電気抵抗変化、及び/又は(b) 応力誘起変態により生じたマルテンサイト相状態の強磁性形状記憶合金から応力を除くことにより誘起される母相への逆変態に伴う電気抵抗変化を利用することを特徴とする。
第1〜3の強磁性形状記憶合金のいずれかを用いた本発明の磁気抵抗素子は、(a) 常磁性、反強磁性又はフェリ磁性を有するマルテンサイト相状態の前記強磁性形状記憶合金に磁場を印加することにより誘起される強磁性母相へのマルテンサイト逆変態に伴う電気抵抗変化、及び/又は(b) 磁場誘起逆変態により生じた母相状態の強磁性形状記憶合金から磁場を除去することにより誘起されるマルテンサイト相への変態に伴う電気抵抗変化を利用することを特徴とする。
本発明の強磁性形状記憶合金は、実用温度域で優れた形状記憶特性及び磁性変化特性を有するので、実用温度域で高い応答速度及びエネルギー効率を有する磁場駆動素子、熱磁気駆動素子、発熱吸熱素子(特に磁気冷凍材)、応力−磁気素子、応力−抵抗素子及び磁気−抵抗素子が得られる。
本発明の強磁性形状記憶合金を感温磁性体として用いた熱磁気駆動素子の一例である熱磁気モータを示す斜視図である。 実施例4の強磁性形状記憶合金のマルテンサイト変態温度の磁場依存性を示すグラフである。 実施例4の強磁性形状記憶合金の磁場誘起変態を示す磁化曲線を示すグラフである。 実施例4の強磁性形状記憶合金の磁場変化に対する磁気エントロピー変化の依存性を示すグラフである。 実施例21の強磁性形状記憶合金の応力−歪み曲線を示すグラフである。 実施例22の強磁性形状記憶合金の応力−歪み曲線を示すグラフである。 実施例23の強磁性形状記憶合金の磁場誘起形状回復歪みを示すグラフである。 実施例23の強磁性形状記憶合金の別の磁場誘起形状回復歪みを示すグラフである。 実施例24の強磁性形状記憶合金の温度−電気抵抗曲線を示すグラフである。 実施例24の強磁性形状記憶合金の磁場−電気抵抗曲線を示すグラフである。 実施例25の強磁性形状記憶合金の温度−電気抵抗曲線を示すグラフである。
[1] 強磁性形状記憶合金
本発明の各態様の強磁性形状記憶合金を以下詳細に説明するが、それぞれの態様における説明は特に断りがなければ他の態様にも適用可能である。
(1) 第1の強磁性形状記憶合金
第1の強磁性形状記憶合金は、Mnを25〜50原子%、In、Sn及びSbからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を合計で5〜18原子%、及びCo及び/又はFeを0.1〜15原子%含有し、残部がNi及び不可避的不純物からなる。なお本明細書において、特段の断りがなければ各元素の含有量は合金全体を基準(100原子%)とする。
Mnは、bcc構造を有する強磁性母相の生成を促進する元素である。Mnの含有量を調節することにより、マルテンサイト変態の開始温度(Ms)及び終了温度(Mf)、マルテンサイト逆変態の開始温度(As)及び終了温度(Af)、並びにキュリー温度(Tc)を変化させることができる。Mnの添加量を25原子%未満とすると、マルテンサイト変態が生じない。一方50原子%超とすると、強磁性形状記憶合金は母相単相とならない。好ましいMnの含有量は28〜45原子%である。
In、Sn及びSbは磁気特性を向上させる元素である。これらの元素の含有量を調節することにより、Ms及びTcを変化させることができるとともに、基地組織も強化する。これらの元素の合計含有量を5原子%未満とすると、MsがTc以上になる。一方18原子%超とすると、マルテンサイト変態が生じない。これらの元素の含有量は合計で7〜16原子%であるのが好ましく、10〜16原子%であるのがより好ましい。
Co及びFeはTcを上昇させる作用を有する。これらの元素の合計含有量が15原子%を超えると合金が脆化する恐れがある。これらの元素の含有量は合計で0.5〜8原子%であるのが好ましい。
Niは形状記憶特性及び磁気特性を向上させる元素である。Ni含有量が不足すると強磁性を消失し、過剰であると形状記憶効果が発現しない。優れた形状記憶特性及び強磁性を得るために、Ni含有量は40原子%超であるのが好ましく、42原子%以上であるのがより好ましく、45原子%以上であるのが特に好ましい。
(2) 第2の強磁性形状記憶合金
第2の強磁性形状記憶合金の組成は、Ti、Pd、Pt、Al、Ga、Si、Ge、Pb及びBiからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を合計で0.1〜15原子%含有する点、及び40原子%超のNi含有量を必須とする点以外、第1の強磁性形状記憶合金と同じである。40原子%超のNiにより優れた形状記憶特性及び磁気特性が得られる。
Ti、Pd、Pt、Al、Ga、Si、Ge、Pb及びBiからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属は形状記憶特性を向上させるとともに、その含有量の調節によりMs及びTcを変化させる。中でもTi、Al、Ga、Si及びGeは、マルテンサイト相(M相)の長周期積層構造を安定化する作用を有する。またPd、Pt、Pb及びBiはM相を構成する常磁性相、反強磁性相又はフェリ磁性相、特に常磁性相又は反強磁性相を安定化する作用を有する。これらの元素の合計含有量が15原子%を超えると合金が脆化する恐れがある。これらの元素の含有量は合計で0.5〜8原子%であるのが好ましい。
(3) 第3の強磁性形状記憶合金
第3の強磁性形状記憶合金の組成は、Pd、Pt、Pb及びBiからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を合計で0.1〜15原子%含有する以外、第1の強磁性形状記憶合金と同じである。これらの元素の合計含有量は0.5〜8原子%であるのが好ましい。
[2] 強磁性形状記憶合金の製造方法
いずれの態様の強磁性形状記憶合金も、溶解鋳造、熱間加工(熱間圧延等)、及び冷間加工(冷間圧延、プレス等)、溶体化処理及び時効処理により製造する。強磁性形状記憶合金は熱間加工性及び冷間加工性に富むので、細線、板材等に成形可能である。溶解鋳造、熱間加工及び冷間加工については、一般的な形状記憶合金の場合と同じでよい。
(1) 溶体化処理
冷間加工した合金に対して、固溶化温度まで加熱し、組織を母相(bcc相)に変態させた後、急冷する溶体化処理を行う。固溶化温度は700℃以上が好ましく、750〜1,100℃がより好ましい。固溶化温度での保持時間は1分以上であれば良い。限定的ではないが、急冷速度は50℃/秒以上が好ましい。加熱後急冷することにより母相組織を有する強磁性形状記憶合金が得られるが、合金のMfが室温未満の場合、合金組織はほぼM相となる。
(2) 時効処理
溶体化処理後時効処理を行うと、合金の基地が強化されるとともに、形状記憶特性が向上するので好ましい。時効処理は100℃以上の温度で行う。100℃未満では十分な時効効果が得られない。時効処理温度の上限は限定的ではないが、700℃が好ましい。時効処理時間は、時効処理温度及び強磁性形状記憶合金の組成により異なるが、1分間以上であるのが好ましく、30分間以上であるのがより好ましい。時効処理時間の上限は、母相が析出しない限り特に制限されない。
[3] 強磁性形状記憶合金の組織
室温における強磁性形状記憶合金は、Mfが室温より低い場合はbcc構造の母相組織を有し、Mfが室温より高い場合はマルテンサイト相組織を有する。優れた磁気特性を有するために、母相はホイスラー構造を有するのが好ましい。母相及びマルテンサイト相のいずれも単相組織であるのが好ましく、単相組織は単結晶でも多結晶でも良い。単結晶の方が形状記憶特性及び磁気特性に優れている。単結晶組織を得る方法としては、例えば焼きなまし法、チョクラルスキー法等の公知の方法が挙げられる。焼きなまし法により単結晶化する場合、焼きなましは800〜1100℃の温度で処理するのが好ましい。焼きなまし処理時間は、30分間〜1週間であるのが好ましい。
強磁性形状記憶合金は、bcc構造の強磁性母相と常磁性、反強磁性又はフェリ磁性を有するマルテンサイト相との間、及び母相間で、それぞれ熱弾性型マルテンサイト変態及び逆変態を行う。M相は2M、6M、10M、14M、4O等の積層構造[各数字は最密面(〈001〉面)の積層周期を表し、Mは単斜晶を表し、Oは斜方晶を表す。以下同じ。]を有するが、温度ヒステリシスを小さくするために6M、10M、14M、4O等の長周期積層構造が好ましい。
[4] 強磁性形状記憶合金の特性
(1) 形状記憶特性
実用温度域より高いMfを有する強磁性形状記憶合金は、実用温度域でマルテンサイト相状態であるので、良好な形状記憶特性を安定的に示す。強磁性形状記憶合金の形状回復率[=100×(与歪み−残留歪み)/与歪み]は約95%以上であり、実質的に100%である。
(2) 超弾性
実用温度域より低いAfを有する強磁性形状記憶合金は、実用温度域で安定かつ良好な超弾性を示す。通常与歪みが6〜8%でも、変形解放後の形状回復率は95%以上である。
(3) 変態特性
(a) 磁場誘起逆変態特性
常磁性、反強磁性又はフェリ磁性を有するM相状態の強磁性形状記憶合金に磁場を印加すると、M相は強磁性母相にマルテンサイト逆変態し、磁場を除去するとマルテンサイト変態してM相に戻るので、二方向形状記憶効果が得られる。
強磁性形状記憶合金は、母相状態では磁場の磁気的エネルギー(ゼーマンエネルギー)を蓄えるが、M相状態では蓄えないので、母相とM相との間に大きな磁化の差がある。例えば実施例1の強磁性形状記憶合金に20 kOe(1,592 kA/m)の磁場を印加した後除去した場合、磁場誘起マルテンサイト逆変態した母相の磁化とマルテンサイト変態したマルテンサイト相の磁化との差は50 emu/g以上である。
強磁性形状記憶合金に磁場を印加すると、ゼーマンエネルギーによりMs、Mf、As及びAfが大きく低下し、M相は安定な母相に逆変態する。限定的ではないが、実用温度域(通常−150℃〜+100℃)でマルテンサイト逆変態を起こさせるには、磁場の強さは約5〜100 kOe(約398〜7,958 kA/m)であるのが好ましい。
(b) 熱弾性変態特性
強磁性形状記憶合金は熱弾性型マルテンサイト変態/逆変態を生じさせる。無磁場での強磁性形状記憶合金のMs及びAsは通常約−200℃〜約+100℃の範囲内である。またTcとMsの差は40℃以上であり、広い温度領域で強磁性母相が存在する。Msは元素の配合比(例えば、Mn、In、Sn及びSbの含有量)により調整できる。第2の強磁性形状記憶合金の場合、Ti、Fe、Co、Pd、Pt、Al、Ga、Si、Ge、Pb及びBiの含有量を調節してもよい。本発明の強磁性形状記憶合金では、マルテンサイト相は常磁性、反強磁性又はフェリ磁性を有するが、反強磁性又はフェリ磁性の場合、常磁性の場合より変態エネルギーの変換効率が高い。
(c) 応力誘起変態特性
母相状態の強磁性形状記憶合金に応力をかけるとマルテンサイト変態が起こり、応力を除くとマルテンサイト逆変態が起こる。
(4) 電気抵抗特性
強磁性形状記憶合金の電気抵抗はM相の方が母相より格段に大きい。無磁場で、母相の電気抵抗ρpに対するM相の電気抵抗ρMの比ρM/ρpは2以上である。従って、温度、磁場又は応力により誘起されたマルテンサイト変態/逆変態により電気抵抗が変化する素子が得られる。特に(Mf−100℃)以上〜Mf未満の温度で磁場を印加し、除去すると、電気抵抗が可逆的に変化する巨大磁気抵抗効果が得られる。
[5] 強磁性形状記憶合金の用途
(1) 磁場駆動素子
磁場誘起マルテンサイト逆変態する本発明の強磁性形状記憶合金を用いると、応答速度が早く出力が大きな磁場駆動マイクロアクチュエータ、磁場駆動スイッチ等の磁場駆動素子が得られる。磁場駆動素子は強磁性形状記憶合金からなる駆動体(回動体、変形体、移動体等)を具備し、磁場の印加により駆動体に生じた形状変化及び/又は磁性変化を利用するが、必ずしもこれに限定されない。パルス磁場を印加すると、磁場駆動素子の応答速度は高まる。磁場駆動素子を高応答速度で連続的に作動させるには、Mf未満の温度で使用するのが好ましい。
(2) 熱磁気駆動素子
本発明の強磁性形状記憶合金を感温磁性体として利用すると、エネルギー効率の高い熱磁気駆動素子が得られる。熱磁気駆動素子は例えば、強磁性形状記憶合金からなる駆動体(回動体、変形体、移動体等)、加熱手段(レーザー光照射装置、赤外線照射装置等)、及び磁場印加手段(永久磁石等)を具備し、加熱により駆動体に生じる磁性変化を利用して動力を発生するが、必ずしもこれに限定されない。本発明の強磁性形状記憶合金を用いる熱磁気駆動素子の例として、感温磁性体が加熱された時に永久磁石に吸着し、冷却された時に磁石から離脱する原理を利用した電流スイッチ及び流体制御弁、感温磁性体の一部を加熱して強磁性とし、そこに永久磁石を作用させて感温磁性体を駆動する熱磁気モータ等が挙げられる。これらの熱磁気駆動素子の詳細は特開平2002-129273号に記載されている。
図1は、本発明の強磁性形状記憶合金を感温磁性体として用いた熱磁気モータの一例を示す。この熱磁気モータは、使用温度において常磁性、反強磁性又はフェリ磁性を示すM相状態の強磁性形状記憶合金からなるディスク状感温磁性体1と、感温磁性体1と一体的に回転する軸2と、感温磁性体1に磁場を印加するためにその外周に沿って配置された永久磁石3と、感温磁性体1の一部を加熱するレーザーガン4とを有する。図示の例では、永久磁石3の磁極(例えばN極)より僅かに上流の位置で感温磁性体1が加熱される。加熱領域PではM相が強磁性母相に逆変態し、それ以外の領域ではM相のままであるので、加熱領域Pだけが永久磁石3の直近の磁極(N極)に吸引され、感温磁性体1は回転する。加熱領域Pの吸引を確実にするために、図1に示すように加熱領域P以外の感温磁性体1を冷却するのが好ましく、例えば感温磁性体1の下方から冷風等の冷媒を吹き付けるのが好ましい。感温磁性体1の回転数は加熱温度及び冷却温度により調整できる。
(3) 磁気冷凍材
M相状態の強磁性形状記憶合金に磁場を印加すると、吸熱を伴うマルテンサイト逆変態が生じ、実用温度域(特に常温付近〜約100℃)で大きな磁気エントロピー変化が生じる。例えば21℃で0〜90 kOe(0〜7,162 kA/m)の磁場変化に対する磁気エントロピー変化は約20 J/kgKである。このような大きな磁気吸熱効果により、冷凍能力が高い磁気冷凍材が得られる。本発明の磁気冷凍材を用いて、例えば、(a) 磁気冷凍材を充填した作業室、(b) 磁気冷凍室の近傍に配置された磁場印加用永久磁石、(c) 磁気冷凍材と熱交換される冷媒、及び(d) 冷媒を循環させる配管を具備した磁気冷凍システムが得られる。
(4) 発熱吸熱素子
本発明の強磁性形状記憶合金を用いて、マルテンサイト変態に伴う発熱を利用した発熱素子、又はマルテンサイト逆変態に伴う吸熱を利用した吸熱素子が得られる。本発明の発熱吸熱素子は、例えば自動温度制御用の素子として利用できる。発熱吸熱素子の構成自体は特に制限されず、強磁性形状記憶合金からなる発熱体及び/又は吸熱体を具備すれば良い。
(5) 応力−磁気素子
Af超の温度で応力誘起マルテンサイト変態/逆変態する強磁性形状記憶合金は、変態/逆変態に伴う磁性変化を利用して、応力−磁気素子に用いることができる。応力−磁気素子として、例えば応力の付与又は除去により生じる磁性変化を検出する歪みセンサ(応力センサ)等が挙げられる。応力−磁気素子の構成自体は特に制限されず、例えば強磁性形状記憶合金からなる検知体、及び検知体に生じた磁性変化を検出する手段(例えばピックアップコイル等の磁気センサ)を具備すればよい。


(6) 応力−抵抗素子
本発明の強磁性形状記憶合金を用いて、応力誘起マルテンサイト変態/逆変態に伴う電気抵抗変化を利用した歪みセンサ(応力センサ)等の応力−抵抗素子が得られる。応力−抵抗素子の構成自体は特に制限されず、例えば強磁性形状記憶合金からなる検知体、及び検知体に生じる電気抵抗変化を検出する手段(例えば電流計)を具備すればよい。
(7) 磁気抵抗素子
磁気抵抗効果を有する本発明の強磁性形状記憶合金は、磁場検知用の磁気抵抗素子に用いることができる。磁気抵抗素子の構成自体は特に制限されず、例えば強磁性形状記憶合金からなる素子の2点に電極を付ければよい。本発明の強磁性形状記憶合金を用いた磁気抵抗素子は、例えば磁気ヘッド等に用いることができる。
(8) 温度センサ
Msが異なる複数の強磁性形状記憶合金からなる部材に、例えばピックアップコイル等の磁気センサを取り付けると、温度変化に応じて磁性変化した強磁性形状記憶合金部材(Msが既知)を特定できるので、温度センサが得られる。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1〜20、比較例1〜4
表1に示す組成を有する各合金を高周波溶解し、急冷してインゴットとした。各インゴットから幅5mm×長さ10 mm×厚さ5mmの板状片を切り出し、900℃で1日間溶体化処理した後、水中に投入して急冷した。得られた各サンプルの物性を以下の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
(1) Tc及びMs
各サンプルから切り出した2mm×2mm×1mmの試験片に対して、Tc及びMsを走査型示差熱量計(DSC)により測定した(昇温/降温速度:10℃/分)。
(2) 結晶構造
母相及びM相の状態の各サンプルを粉末化し、600℃で歪取りを行った後、X線回折法により解析した。
(3) 磁化
各サンプルから切り出した1mm×1mm×1mmの試験片に対して、磁化を量子干渉磁束計(SQUID)により測定した(磁場:0.5〜20 kOe、昇温/降温速度:2℃/分)。
(4) 電気抵抗
各サンプルから切り出した1mm×1mm×10 mmの試験片に対して、無磁場で四端子法により電気抵抗を測定した(昇温/降温速度:2℃/分)。
Figure 0004697981
表1(続き)
Figure 0004697981
注:(1) 不可避的不純物を含む。
(2) ΔIは、20 kOeの磁場中で母相温度からM相温度に冷却したときの母相(Msで測定)とM相(Mfで測定)との磁化の差を表す。
(3) ρM及びρpはそれぞれ無磁場でのM相の電気抵抗(Mf直下で測定)及び母相の電気抵抗(Ms直上で測定)を表す。
(4) L21はホイスラー構造を表す。
(5) 2Mは二層の積層構造であり、6M、10M及び4Oは長周期積層構造である。
(6) 母相が常磁性のため、Tcが存在しない。
(7) 変態せず。
表1から明らかなように、実施例1〜20の各合金は、ホイスラー構造を有する強磁性母相と、積層構造(2M、6M、10M及び4Oのいずれか)を有する常磁性、反強磁性又はフェリ磁性のM相を有していた。Msは、無磁場でも実用温度域(−150℃〜+100℃)にあった。TcとMsの差は40℃以上であり、広い温度領域で強磁性母相が存在することが分かった。さらに20 kOeの磁場を印加した時の母相(at Ms)とマルテンサイト相(at Mf)の磁化の差は60 emu/g以上であった。実施例1〜19の合金のρM/ρpは2.5以上であり、強磁性母相から常磁性、反強磁性又はフェリ磁性のM相へのマルテンサイト変態に伴い電気抵抗が急激に増加したことが分かる。
比較例1及び4では、In、Sn及びSbからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属の合計含有量が5原子%未満であり、比較例2及び3では、上記合計含有量が18原子%超であるため、母相が常磁性となった。また比較例1及び4では、Msが実用温度域より遥かに高く、20 kOeの磁場中での磁化の差は0emu/gであった。比較例1及び4では、常磁性母相から常磁性又は反強磁性のM相に変態したので、比ρM/ρpが1.2であり、電気抵抗変化が極めて小さかった。比較例2及び3では、マルテンサイト変態が生じなかった。これから、In、Sn及びSbからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属の合計含有量を5原子%未満又は18原子%超とすると、磁気特性に優れた強磁性形状記憶合金が得られないことが分かる。
500 Oe(39.8 kA/m)、20 kOe(1,592 kA/m)及び70 kOe(5,570 kA/m)の各磁場中で、実施例4のサンプルを−40℃〜+55℃の間で冷却/加熱し、Msの磁場依存性をSQUIDにより調べた。結果を図2に示す。図2から、磁場強度を500 Oeから20 kOeにすると、Msが7℃低下し、70 kOeにすると25℃低下したことが分かる。これから、磁場の印加によりMsが変化することが分かる。また図2から、500 Oe、20 kOe及び70 kOeのいずれの磁場中でも、実用温度域でマルテンサイト変態/逆変態が起こることが分かる。
270 K(−3℃)の温度下で、実施例4のサンプル面に垂直に両方からそれぞれ0〜90 kOe(0〜7,162 kA/m)の磁場を印加し、マルテンサイト逆変態の磁場依存性をSQUIDにより調べた。結果を図3に示す。 Mf未満の温度で磁場を印加した後除去すると、M相は母相に逆変態した後M相に戻った。
実施例4のサンプルについて、275 K、285 K、291.5 K及び294 Kの各温度において測定した磁化曲線より、下記式(1):
Figure 0004697981
(ただしΔSは磁気エントロピー変化であり、Hは磁場強度であり、Iは磁化の強さであり、Tは温度(K)である。)により、各温度における0〜90 kOe(0〜7,162 kA/m)の磁場変化量ΔHに対する磁気エントロピー変化量ΔSを求めた。結果を図4に示す。図4から明らかなように、各温度において、0〜90 kOeの磁場変化に対する磁気エントロピー変化は20 J/kgK以上であった。特に18.5℃では、0〜50 kOe(0〜3,979 kA/m)の磁場変化に対して、磁気エントロピー変化は27.5 J/kgKと大きかった。
実施例21
(1) サンプルの作製
実施例5と同じ組成を有する合金を高周波溶解及び急冷することにより得られたインゴットから3mm×3mm×3mmのサンプルを切り出した。サンプルを焼きなまし法により単結晶化した後、900℃で3日間溶体化処理し、水中に投入して急冷した。サンプルの無磁場でのMsは50℃であり、Tcは104℃であった。
(2) 形状記憶試験
圧縮試験機を用い室温で7.2%の歪みまでサンプルに圧縮応力をかけた。得られた応力−歪み曲線を図5に示す。圧縮したサンプルを100℃に加熱したところ、100%の形状回復率で形状回復した。
実施例22
(1) サンプルの作製
実施例3と同じ組成を有する合金を用いた以外実施例21と同様にして、単結晶化したサンプル(無磁場でのMs:13℃、Tc:106℃)を作製した。
(2) 超弾性試験
圧縮試験機を用い室温で6.2%の歪みまでサンプルに圧縮応力をかけた。得られた応力−歪み曲線を図6に示す。この応力−歪み曲線から求めた形状回復率は99%であった。
実施例23
(1) サンプルの作製
実施例5と同じ組成を有する合金を高周波溶解及び急冷して得られたインゴットから1.5 mm×1.5 mm×2mmのサンプルを切り出し、実施例21と同様に単結晶化した。得られたサンプルの無磁場でのMsは50℃であり、Tcは104℃であった。
(2) 磁歪測定
サンプルに3%の圧縮歪みを印加した後、室温で磁場を印加し、三端子容量法により磁歪を計測した。得られた歪み−磁場曲線を図7に示す。印加磁場30 kOe(2,387 kA/m)付近からマルテンサイト逆変態に伴う形状変化が起こり、80 kOe(6,366 kA/m)印加時に2.8%の形状変化が得られた。
同じサンプルに4.5%の圧縮歪みを印加した後、室温で磁場を印加し、三端子容量法により磁歪を計測した。得られた歪み(ΔL/L)−磁場曲線を図8に示す。印加磁場40 kOe(3,183 kA/m)付近から形状変化が起こり、80 kOe(6,366 kA/m)印加時に2.5%の形状変化をした。また磁場の除去より1.1%の可逆的な形状変化をした。2回目の測定でも、磁場の印加・除去により1%の可逆的な形状変化をした。これから、このサンプルは二方向形状記憶効果を有することが分かる。
実施例24
(1) サンプルの作製
実施例21と同様にして実施例5と同じ組成を有する合金(Ni45Co5Mn36.7In13.3合金)からなるサンプル(1mm×1mm×10 mm)を単結晶化した後、400℃で1時間時効処理した。
(2) 電気抵抗試験
電気抵抗測定装置を用い、四端子法により温度変化に伴う電気抵抗変化を無磁場で測定した(昇温/降温速度:2℃/分)。結果を図9に示す。母相からM相への変態に伴い大幅に電気抵抗が増加した。
磁場強度を0kOeから80 kOe(6,366 kA/m)まで変化させ、それに伴う電気抵抗変化を、−173℃,−73℃,−33℃及び+27℃の順に温度を変えながら、四端子法により測定した。結果を図10に示す。本サンプルの無磁場での変態温度は、Ms=4℃、Mf=−22℃、As=0℃、及びAf=16℃であった。完全に母相のみからなる状態(T=27℃)では磁場を印加しても電気抵抗は変化しないが、完全にマルテンサイト相のみからなる状態(T<−22℃)では磁場を印加するとマルテンサイト相から母相への磁場誘起逆変態により電気抵抗は低下し、磁場除去により元に戻る可逆的な変化を示した。特に−33℃での測定では、磁場の印加及び除去により電気抵抗が可逆的に変化する巨大磁気抵抗効果が得られた。
実施例25
(1) サンプルの作製
実施例14と同じ組成を有する合金(Ni41Co5Mn43In11合金)を高周波溶解及び急冷して得られたインゴットから1mm×1mm×10 mmのサンプルを切り出し、900℃で20時間溶体化処理した後、空冷した。
(2) 電気抵抗試験
電気抵抗測定装置を用い、四端子法により温度変化に伴う電気抵抗変化を無磁場で測定した(昇温/降温速度:2℃/分)。結果を図11に示す。母相からM相への変態に伴い大幅に電気抵抗が増加した。

Claims (19)

  1. Mnを25〜50原子%、In、Sn及びSbからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を合計で5〜18原子%、及びCo及び/又はFeを0.1〜15原子%含有し、残部がNi及び不可避的不純物からなることを特徴とする強磁性形状記憶合金。
  2. 請求項1に記載の強磁性形状記憶合金において、Niを40原子%超含有することを特徴とする強磁性形状記憶合金。
  3. Mnを25〜50原子%、In、Sn及びSbからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を合計で5〜18原子%、Co及び/又はFeを0.1〜15原子%、及びTi、Pd、Pt、Al、Ga、Si、Ge、Pb及びBiからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を合計で0.1〜15原子%含有し、残部が40原子%超のNi及び不可避的不純物からなることを特徴とする強磁性形状記憶合金。
  4. 25〜50原子%のMnを含有し、In、Sn及びSbからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を合計で5〜18原子%含有し、Co及び/又はFeを0.1〜15原子%含有し、さらにPd、Pt、Pb及びBiからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を合計で0.1〜15原子%含有し、残部がNi及び不可避的不純物からなることを特徴とする強磁性形状記憶合金。
  5. 請求項4に記載の強磁性形状記憶合金において、Niを40原子%超含有することを特徴とする強磁性形状記憶合金。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の強磁性形状記憶合金において、母相は強磁性であり、マルテンサイト相は常磁性、反強磁性又はフェリ磁性であることを特徴とする強磁性形状記憶合金。
  7. 請求項6に記載の強磁性形状記憶合金において、前記マルテンサイト相は長周期積層構造を有することを特徴とする強磁性形状記憶合金。
  8. 請求項6又は7に記載の強磁性形状記憶合金において、20 kOe以上の磁場を印加した時のマルテンサイト変態開始温度とその終了温度での磁化の差、及びマルテンサイト逆変態開始温度とその終了温度での磁化の差が各々50 emu/g以上であることを特徴とする強磁性形状記憶合金。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の強磁性形状記憶合金において、母相の電気抵抗ρpに対するマルテンサイト相の電気抵抗ρMの比ρM/ρpが2以上であることを特徴とする強磁性形状記憶合金。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の強磁性形状記憶合金を用いた磁場駆動素子であって、常磁性、反強磁性又はフェリ磁性を有するマルテンサイト相状態の前記強磁性形状記憶合金に磁場を印加することにより誘起される強磁性母相へのマルテンサイト逆変態に伴う形状回復及び/又は磁性変化を利用することを特徴とする磁場駆動素子。
  11. 請求項10に記載の磁場駆動素子において、磁場誘起逆変態により生じた前記母相状態の強磁性形状記憶合金から磁場を除去することにより誘起される前記マルテンサイト相への変態に伴う形状変化及び/又は磁性変化を利用することを特徴とする磁場駆動素子。
  12. 請求項11に記載の磁場駆動素子において、前記形状回復及び/又は前記形状変化に伴い発生する応力を利用することを特徴とする磁場駆動素子。
  13. 請求項1〜9のいずれかに記載の強磁性形状記憶合金を感温磁性体として用いた熱磁気駆動素子であって、(a) 常磁性、反強磁性又はフェリ磁性を有するマルテンサイト相状態の前記強磁性形状記憶合金を加熱することにより誘起される強磁性母相へのマルテンサイト逆変態に伴う磁性変化、及び/又は(b) 前記母相状態の強磁性形状記憶合金を冷却することにより誘起される前記マルテンサイト相への変態に伴う磁性変化を利用することを特徴とする熱磁気駆動素子。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載の強磁性形状記憶合金からなる磁気冷凍材であって、常磁性、反強磁性又はフェリ磁性を有するマルテンサイト相状態の前記強磁性形状記憶合金に磁場を印加することにより誘起される強磁性母相へのマルテンサイト逆変態に伴う吸熱を利用することを特徴とする磁気冷凍材。
  15. 請求項1〜9のいずれかに記載の強磁性形状記憶合金を用いた発熱吸熱素子であって、(a) 強磁性母相状態の前記強磁性形状記憶合金に発生したマルテンサイト変態に伴う発熱、及び(b) 常磁性、反強磁性又はフェリ磁性を有するマルテンサイト相状態の前記強磁性形状記憶合金に発生したマルテンサイト逆変態に伴う吸熱を利用することを特徴とする発熱吸熱素子。
  16. 請求項15に記載の発熱吸熱素子において、
    (a) 前記マルテンサイト変態は、前記母相状態の強磁性形状記憶合金に応力をかけるか、磁場誘起逆変態により生じた前記母相状態の強磁性形状記憶合金から磁場を除去することにより誘起され、
    (b) 前記マルテンサイト逆変態は、前記マルテンサイト相状態の強磁性形状記憶合金に磁場を印加するか、応力誘起変態により生じた前記マルテンサイト相状態の強磁性形状記憶合金から応力を除くことにより誘起される
    ことを特徴とする発熱吸熱素子。
  17. 請求項1〜9のいずれかに記載の強磁性形状記憶合金を用いた応力−磁気素子であって、(a) 強磁性母相状態の前記強磁性形状記憶合金に応力をかけることにより誘起される常磁性、反強磁性又はフェリ磁性を有するマルテンサイト相への変態に伴う磁性変化、及び/又は(b) 応力誘起変態により生じた前記マルテンサイト相状態の強磁性形状記憶合金から応力を除くことにより誘起される前記母相への逆変態に伴う磁性変化を利用することを特徴とする応力−磁気素子。
  18. 請求項1〜9のいずれかに記載の強磁性形状記憶合金を用いた応力−抵抗素子であって、(a) 強磁性母相状態の前記強磁性形状記憶合金に応力をかけることにより誘起される常磁性、反強磁性又はフェリ磁性を有するマルテンサイト相への変態に伴う電気抵抗変化、及び/又は(b) 応力誘起変態により生じた前記マルテンサイト相状態の強磁性形状記憶合金から応力を除くことにより誘起される前記母相への逆変態に伴う電気抵抗変化を利用することを特徴とする応力−抵抗素子。
  19. 請求項1〜9のいずれかに記載の強磁性形状記憶合金を用いた磁気抵抗素子であって、(a) 常磁性、反強磁性又はフェリ磁性を有するマルテンサイト相状態の前記強磁性形状記憶合金に磁場を印加することにより誘起される強磁性母相へのマルテンサイト逆変態に伴う電気抵抗変化、及び/又は(b) 磁場誘起逆変態により生じた前記母相状態の強磁性形状記憶合金から磁場を除去することにより誘起される前記マルテンサイト相への変態に伴う電気抵抗変化を利用することを特徴とする磁気抵抗素子。
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