JP4697209B2 - 挟持装置及びこの挟持装置を有する設備 - Google Patents
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さらに、電子部品は、様々な生産設備や検査設備などを用いて生産されており、これらの設備においても、ワークにダメージを与えないように、ワークを色々な方向から微小な力で挟持することができ、かつ、信頼性、実用性及び生産性などに優れた技術が要望されている。
上記要望に応えるために、様々な技術が提案されている。
また、特許文献2には、2つの可撓性フィンガーと、これらの可撓性フィンガーを開閉させる開閉駆動手段とからなる超小型グリッパーの技術が開示されている。この開閉駆動手段は、2つの可撓性フィンガーのそれぞれに設けられた少なくとも2つの金属層からなり、この金属層は異なる熱膨張係数を有している。
さらに、特許文献3には、表面実装されたプリント配線基板上の電子部品を取り外す装置および取り外し方法の技術が開示されている。この技術では、加熱された不活性ガスを供給する取り外し具に、加熱により内側に向けて変形する変形素材が備えられている。
この波長分割多重回路は、光源の波長変化量と対応するように、バイメタルの材質、あるいは、バイメタルで構成した二辺の長さを適宜選択することにより、光源の温度に波長変化を補償することができる。
また、特許文献2の超小型グリッパーは、超小型機械部品、あるいは、生体等を掴む(把持する)ことを目的とした技術であり、量産用の汎用生産設備に用いることは、実質的に困難であった。
さらに、特許文献3の技術は、変形素材や半田などの温度制御を考慮すると、変形素材の動作が不安定となり、実用化が困難であった。
なお、二つ以上のバイメタルは、基部に固定された状態で、温度変化に応じて変形する。すなわち、本発明における平行リンク機構とは、あたかも平行リンク機構のように動作する機構(擬似的な平行リンク機構)をいう。
また、バイメタルと当接部材とが、軸支部材や可撓性を有する部材を介して、回動自在に連結されるとよい。
さらに、基部、当接部材及び二つ以上の連結部材を二組以上有し、二組以上の当接部材の挟持方向が、異なる方向であったり、あるいは、同一方向であるとよい。
また、ワークの挟持状態を解除する強制解除手段を有するとよい。
なお、本発明は、挟持装置に限定されるものではなく、たとえば、上述した挟持装置を有する設備としても有効である。
図1は、本発明の第一実施形態にかかる挟持装置を説明するための概略図であり、(a)は挟持していない状態の側面図を示しており、(b)はA−A断面図を示しており、(c)は挟持した状態の側面図を示しており、(d)はB−B断面図を示している。
図1において、本実施形態の挟持装置1は、ベースプレート11、受け板12、バイメタル13、当接部材14、軸支部材15及びセラミックヒータ16を有している。この挟持装置1は、ワークとしてベアチップ3を挟持する。また、挟持装置1は、矩形板状の断熱ブロック17を介して、エアスライダ2の下面に取り付けられている。
なお、挟持装置1が挟持するワークは、ベアチップ3に限定されるものではなく、たとえば、様々な形状の電子部品などを挟持することができる。
本実施形態では、二つの連結部材をバイメタル13としてあるので、二つのバイメタル13が、平行リンク機構の二つの原節として機能する。これにより、ベアチップ3を挟持する力(適宜、挟持力と略称する。)が、一つのバイメタル13を有する場合のほぼ二倍となる。さらに、挟持力を二つのバイメタル13によって発生させることにより、挟持力の信頼性が向上し、実用的な構成となる。
また、バイメタル13は、当接部材14の幅寸法とほぼ同じ幅寸法を有する矩形状としてあるが、この形状に限定されるものではない。すなわち、バイメタル13に使用される二つの金属材料や、バイメタル13の幅、長さ及び厚さなどは、ワークの重量などに応じて適宜設定される。
上記ピンのピッチは、固定リンクの長さと同じであり、当接部材14は、平行リンク機構の連接棒として機能する。すなわち、ベースプレート11、二つのバイメタル13及び当接部材14は、平行リンク機構(擬似的な平行リンク機構)を構成する。
また、セラミックヒータ16への通電が停止されると、バイメタル13の温度が下がり、バイメタル13がもとの直線状態(平板の状態)にもどる。そして、平行リンク機構により、当接部材14は、解除方向に移動し、当接部材14の挟持方向の端面が、ベアチップ3の側面から離れる。
なお、上記構成に限定されるものではない。たとえば、受け板12の代わりに、一対のバイメタル13、軸支部材15や当接部材14を設け、ベアチップ3を対向する当接部材14で挟持することもできる。この場合には、当接部材14がベアチップ3から離れるタイミングなどによって、ベアチップ3の位置精度が低下することもある。
また、本実施形態では、ベースプレート11の上面にセラミックヒータ16を設け、ベースプレート11を介して熱をバイメタル13に伝達する構成としてある。なお、この構成に限定されるものではなく、たとえば、バイメタル13に直接的にヒータ(図示せず)を取り付ける構成としてもよい。
なお、本実施形態では、移動手段としてエアスライダ2を用いたが、これに限定されるものではなく、電磁ソレノイドやリニアモータなどを用いてもよい。
挟持装置1は、図1(a)、(b)に示すように、エアスライダ2などにより、ベアチップ3を挟持する位置に移動される。このとき、セラミックヒータ16には通電されておらず、バイメタル13は室温である。したがって、当接部材14と受け板12の距離は、上述したように距離Lである。また、当接部材14とベアチップ3は、適度のクリアランスΔだけ離れており、受け板12とベアチップ3は、適度のクリアランスΔだけ離れている。
この際、ベアチップ3は、受け板12によって位置決めされているので、解除によってベアチップ3の位置がずれるといった不具合を回避することができ、挟持装置1としての信頼性や実用性を向上させることができる。
また、挟持装置1は、ロードセルが不要であり、構造が単純化されるので、小型化することができる。さらに、小型化されることによって、吸着ハンド(図示せず)との流用を図ることができる。
また、本実施形態の挟持装置1は、様々な応用例を有している。
次に、これらの応用例について、図面を参照して説明する。
図2は、本発明の第一実施形態の第一応用例にかかる挟持装置を説明するための、要部の概略拡大図であり、(a)は挟持していない状態の側面図を示しており、(b)は挟持した状態の側面図を示している。
本応用例は、第一実施形態の挟持装置1と比べて、軸支部材15の代わりに、当接部材14aが、可撓部142を有する点が相違する。その他の構成は、ほぼ第一実施形態と同様としてある。
当接部材14aは、樹脂製の矩形状の板部材であり、バイメタル13の下端が埋設される壁141が突設されている。壁141は、付け根の部分がくびれた可撓部142となっている。可撓部142は、可撓性を有しており、バイメタル13と当接部材14aとを回動自在に連結する。
図3は、本発明の第一実施形態の第二応用例にかかる挟持装置の冷却手段などを説明するための概略拡大側面図を示している。
本応用例は、第一実施形態の挟持装置1と比べて、バイメタル13を冷却するためのエアパイプ18や温度センサ19を有する点が相違する。その他の構成は、ほぼ第一実施形態と同様としてある。
エアパイプ18は、冷却用のエアーを吹き付けるパイプであり、電磁弁(図示せず)などと接続されている。また、温度センサ19は、バイメタル13に取り付けられており、バイメタル13の温度を測定する。図示してないが、セラミックヒータ16、温度センサ19及びエアパイプ18の電磁弁は、制御部によって制御される。
また、温度センサ19を設けることにより、バイメタル13の温度を制御できるので、ベアチップ3を挟持する力を精度よく調節することができる。
さらに、バイメタル13の温度をモニタすることができるので、ベアチップ3を挟持した状態(又は、挟持可能な状態)にあるのか、あるいは、挟持を解除した状態にあるのかなどを、制御部にて確認できる。これにより、挟持装置1の動作の信頼性を向上させることができる。
図4は、本発明の第一実施形態の第三応用例にかかる挟持装置を説明するための概略図であり、(a)は挟持していない状態の側面図を示しており、(b)はC−C断面図を示しており、(c)は挟持した状態の側面図を示しており、(d)はD−D断面図を示している。
本応用例は、第一実施形態の挟持装置1と比べて、ベースプレート11、一対のバイメタル13及び当接部材14による平行リンク機構を、直交する方向に二つ有する点が相違する。その他の構成は、ほぼ第一実施形態と同様としてある。
二つの当接部材14は、互いに直交する方向に設けられており、二つの受け板12も互いに直交する方向に設けられている。
このようにすると、ベアチップ3を二方向から挟持することができ、ベアチップ3をより確実に挟持することができる。
図5aは、本発明の第一実施形態の第四応用例にかかる挟持装置を説明するための概略拡大側面図を示している。
図5aにおいて、本応用例の挟持装置1´は、第一実施形態の挟持装置1と比べて、ベースプレート11、一対のバイメタル13及び当接部材14による平行リンク機構を、同一方向に二つ有する点が相違する。その他の構成は、ほぼ第一実施形態と同様としてある。
二つの当接部材14は、同一方向に並べて設けられており、新たに追加された平行リンク機構は、ベースプレート11´、一対のバイメタル13´及び当接部材14´を有している。当接部材14´は、ほぼ当接部材14と接するように設けられている。また、セラミックヒータ16´は、セラミックヒータ16とは別の回路によって、通電される。
図5bにおいて、挟持装置1´は、セラミックヒータ16にだけ通電されている。これにより、一対のバイメタル13が挟持方向に撓むように変形し、当接部材14がベアチップ3を挟持する。すなわち、挟持装置1´は、ベアチップ3を一対のバイメタル13による力(ほぼ50%の出力)で挟持する。
図5cにおいて、挟持装置1´は、セラミックヒータ16及びセラミックヒータ16´に通電されている。これにより、バイメタル13及びバイメタル13´が挟持方向に撓むように変形し、当接部材14´が当接部材14を押圧し、さらに、当接部材14がベアチップ3を押圧する。すなわち、挟持装置1´は、ベアチップ3を一対のバイメタル13及び一対のバイメタル13´による力(ほぼ100%の出力)で挟持する。
図6は、本発明の第二実施形態にかかる挟持装置を説明するための概略拡大側面図を示している。
図6において、本実施形態の挟持装置1bは、第一実施形態と比べて、断熱ブロック17b、セラミックヒータ16b、ベースプレート11b、バイメタル13、軸支部材15及び当接部材14がエアスライダ2に対して移動自在に設けられている点が相違する。その他の構成は、ほぼ第一実施形態と同様としてある。
また、エアスライダ2の下面にエアシリンダ保持部材41が固定されており、エアシリンダ保持部材41に埋設されたエアシリンダ4に、断熱ブロック17bが連結されている。これにより、断熱ブロック17bは、挟持方向及び解除方向に移動する。
また、受け板12は、エアシリンダ保持部材41に固定されている。その他の構成は、ほぼ第一実施形態と同様としてある。
たとえば、当接部材14の形状は、上記矩形平板状に限定されるものではなく、たとえば、電子部品などのワークに対応した形状とすることができる。
2 エアスライダ
3 ベアチップ
4 エアシリンダ
11、11´、11b ベースプレート
12 受け板
13、13´ バイメタル
14、14´、14a 当接部材
15 軸支部材
16、16´、16b セラミックヒータ
17、17b 断熱ブロック
18 エアパイプ
19 温度センサ
41 エアシリンダ保持部材
141 壁
142 可撓部
Claims (10)
- 基部と、ワークに当接する当接部材と、前記基部と当接部材とを連結する少なくとも二つ以上の連結部材とを有する挟持装置であって、
前記二つ以上の連結部材のうち、少なくとも一つの連結部材がバイメタルからなり、
前記バイメタルと当接部材とが、可撓性を有する部材を介して、回動自在に連結され、
前記バイメタルが温度変化により変形することによって、前記当接部材が挟持方向に移動して前記ワークを押圧し、前記ワークを挟持することを特徴とする挟持装置。 - 前記当接部材の挟持方向の所定の位置に、前記ワークと当接して該ワークを挟持する受け部材を有することを特徴とする請求項1に記載の挟持装置。
- 前記二つ以上の連結部材の全部をバイメタルとしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の挟持装置。
- 前記基部、当接部材及び二つ以上の連結部材が平行リンク機構を構成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の挟持装置。
- 前記バイメタルの温度を制御する温度制御手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の挟持装置。
- 前記基部、当接部材及び二つ以上の連結部材を、二組以上有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の挟持装置。
- 前記二組以上の当接部材の前記挟持方向が、異なる方向であることを特徴とする請求項6に記載の挟持装置。
- 前記二組以上の当接部材の前記挟持方向が、同一方向であることを特徴とする請求項6に記載の挟持装置。
- 前記ワークの挟持状態を解除する強制解除手段を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の挟持装置。
- ワークを挟持する挟持装置を有し、前記ワークの搭載、配列、実装、及び、検査の少なくとも一つを行う、前記挟持装置を有する設備において、
前記挟持装置を、上記請求項1〜9のいずれか一項に記載された挟持装置としたことを特徴とする挟持装置を有する設備。
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