JP4696642B2 - モータ、送風機、圧縮機及び空気調和機 - Google Patents

モータ、送風機、圧縮機及び空気調和機 Download PDF

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本発明は、回転軸を中心として相互に回転自在な電機子及び界磁子を備えるモータに係る技術に関する。
回転軸を中心として相互に回転自在な電機子及び界磁子を備えるモータとして、例えばアキシャルギャップ型のブラシレスDCモータ(以下、単に「ブラシレスモータ」という。)が知られている。一般に、アキシャルギャップ型のブラシレスモータにおいては、回転子が界磁用磁石、固定子が電機子巻線をそれぞれ有しており、これら界磁用磁石と電機子巻線とが回転軸に沿った軸方向において対向した構造が採用される。
このようなアキシャルギャップ型のブラシレスモータなど、扁平形状を特徴とするモータにおいては、軸方向における薄型化が要求される。しかしながら、上記のように界磁用磁石と電機子巻線とを軸方向に沿って対向させると、界磁用磁石及び電機子巻線の双方の軸方向の厚みが重なるため、モータの薄型化が困難となる。近年、これを解消するために、界磁用磁石と電機子巻線とを、軸方向に対向させず、軸方向に垂直な径方向において対向させる構造が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
なお、本発明に関連する技術を開示する先行技術文献として、下記の文献がある。
特開平5−344701号公報 特開昭59−216458号公報 特開昭59−516459号公報 特開平8−124736号公報 竹下隆晴、外2名,「電流推定誤差に基づくセンサレスブラシレスDCモータ制御」,電気学会論文誌D,平成7年,115巻,4号,p.420−427 竹下隆晴、外3名,「速度起電力推定に基づくセンサレス突極形ブラシレスDCモータ制御」,電気学会論文誌D,平成9年,117巻,1号,p.98−104
しかしながら、一方で、界磁用磁石と電機子巻線とが径方向において対向した構造を採用すると、モータの回転運動の際における磁路の長大化や磁路中のエアギャップ数の増加により磁気抵抗が大きくなり、その結果、効率やトルクが低下することとなる。このため、この構造を有するモータを、効率が特に重視される空気調和機の送風機などに好適に採用することができなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、モータの薄型化を達成ししつつ、モータの効率やトルクが向上できる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、第1方向(L)に沿った回転軸(21)を中心として相互に回転自在な電機子(3)及び界磁子(2)を備えるモータであって、前記電機子(3)は、前記回転軸についての径方向である第2方向(D)に沿って前記回転軸(21)から離れて配置される電機子巻線(7)、を有し、前記界磁子(2)は、各々が、前記第1方向(L)において前記電機子巻線(7)と対向する一端及び前記第1方向(L)において前記電機子巻線(7)と対向しない他端を含み、前記第2方向(D)に沿って延び、前記回転軸の周りで環状に配置される複数の第1ヨーク板(41)と、隣接する前記第1ヨーク板(41)の一方の前記他端に接合されたN極と、他方の前記他端に接合されたS極と、前記第1ヨーク板(41)に向いて開口するU形の磁路(Φ1)とを有し、前記第2方向(D)において前記電機子巻線(7)と少なくとも部分的に対向する界磁用磁石(5)と、を有する。

また、請求項2の発明は、請求項1に記載のモータにおいて、隣接する前記第1ヨーク板(41)の前記一端同士は相互に連結される。
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載のモータにおいて、隣接する前記第1ヨーク板(41)の前記他端同士は前記N極及び前記S極の境界を避けて相互に連結される。
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のモータにおいて、前記第1ヨーク板(41)は前記第2方向(D)に平行な直線状の外郭(411)を有する。
また、請求項5の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のモータにおいて、隣接する第1ヨーク板(41)同士の間幅(461)は、前記第2方向(D)に沿って前記回転軸(21)から離れるほど広い。
また、請求項6の発明は、請求項5に記載のモータにおいて、前記隣接する第1ヨーク板(41)同士の間幅(461)は、前記回転軸(21)からの距離に対して、非線形に増大する。
また、請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載のモータにおいて、前記界磁用磁石(5)は、円盤形状である。
また、請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載のモータにおいて、前記界磁用磁石(5)は、前記第1方向(L)においてN極及びS極が並ぶ永久磁石(51)の少なくとも一つと、前記第1ヨーク板(41)と反対側で前記N極と前記S極とを接合する第2ヨーク板(59)と、を含む。
また、請求項9の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載のモータにおいて、前記界磁用磁石(5)は、前記第1方向(L)においてN極及びS極が並ぶ、6面体の永久磁石(53)の少なくとも二つと、前記永久磁石(53)の前記S極及び前記N極を前記第1ヨーク板(41)と反対側で接合する第2ヨーク板(59)と、から構成される。
また、請求項10の発明は、請求項8または9に記載のモータにおいて、前記永久磁石(51,53)は、ボンド磁石である。
また、請求項11の発明は、請求項10に記載のモータにおいて、前記永久磁石(51,53)は、射出成形により前記第1ヨーク板(41)及び第2ヨーク板(59)のいずれかと一体形成される。
また、請求項12の発明は、請求項8ないし11のいずれかに記載のモータにおいて、前記第2ヨーク板(59)の前記第2方向(D)の幅は、前記永久磁石(51,53)の前記第2方向(D)の幅よりも大である。
また、請求項13の発明は、請求項8ないし12のいずれかに記載のモータにおいて、前記第2ヨーク板(59)の前記第1方向(L)の幅は、前記永久磁石(51,53)の前記第1方向(L)の幅よりも大である。
また、請求項14の発明は、請求項8ないし13のいずれかに記載のモータにおいて、前記第2ヨーク板(59)は、前記永久磁石(51,53)の互いに異なる極性が隣接する部位において、前記第1方向(L)の幅が、他の位置と比較して大である。
また、請求項15の発明は、請求項1ないし14のいずれかに記載のモータにおいて、前記電機子(3)は、前記電機子巻線(7)が配置される基板(76)、をさらに備えている。
また、請求項16の発明は、請求項15に記載のモータにおいて、前記電機子巻線(7)は、前記基板(76)の前記第1方向(L)について相互に反対側にある両面に配置される。
また、請求項17の発明は、請求項16に記載のモータにおいて、前記基板(76)の一方の面に配置された前記電機子巻線(7)と、前記基板(76)の他方の面に配置された前記電機子巻線(7)とは、前記電機子(3)を基準とした前記界磁子(2)の回転方向(R)に沿って互いにずれている。
また、請求項18の発明は、請求項15ないし17のいずれかに記載のモータにおいて、前記電機子巻線(7)は、フォトリソグラフィにより導体が形成される平面状コイルである。
また、請求項19の発明は、請求項1ないし18のいずれかに記載のモータにおいて、一の前記電機子(3)と一の前記界磁子(2)との組を一のモータセットとし、複数の前記モータセットを、前記回転軸(21)を同一として前記第1方向(L)に沿って連結した。
また、請求項20の発明は、請求項19に記載のモータにおいて、前記複数の前記モータセットにそれぞれ含まれる前記電機子巻線(7)は、前記複数の前記モータセットの相互間で、前記電機子(3)を基準とした前記界磁子(2)の回転方向(R)に沿ってずれている。
また、請求項21の発明は、請求項1ないし18のいずれかに記載のモータにおいて、前記電機子巻線(7)は、前記界磁用磁石(5)よりも前記回転軸(21)の側に配置され、2つの前記界磁子(2)を、一の前記電機子(3)を挟んで、前記回転軸(21)を同一として前記第1方向(L)に沿って連結した。
また、請求項22の発明は、請求項1ないし21のいずれかに記載のモータにおいて、前記第1ヨーク板(41)は、前記電機子巻線(7)との間でエアギャップ(74)を形成する第1平面部分(41a)と、前記第1平面部分(41a)と連結される第2平面部分(41b)とで構成され、前記第1平面部分(41a)は、前記第2平面部分(41b)よりも前記第1方向(L)において前記電機子巻線(7)側に配置される。
また、請求項23の発明は、請求項1ないし22のいずれかに記載のモータにおいて、前記電機子(3)は、前記界磁用磁石(5)の磁極位置を検出する少なくとも一の位置検出センサ(6)、をさらに備え、前記位置検出センサ(6)は、前記電機子巻線(7)の略中央部に配置される。
また、請求項24の発明は、請求項1ないし22のいずれかに記載のモータにおいて、前記電機子(3)は、前記界磁用磁石(5)の磁極位置を検出する少なくとも一の位置検出センサ(6)、をさらに備え、前記位置検出センサ(6)は、前記回転軸(21)と前記電機子巻線(7)の略中央部とを結ぶ直線(d2)に対して、前記電機子(3)を基準とした前記界磁子(2)の回転方向(R)とは逆向きにずれて配置されている。
また、請求項25の発明は、請求項23または24に記載のモータにおいて、前記位置検出センサ(6)の出力に基づいて、矩形波及び正弦波のいずれかの駆動電流を前記電機子巻線(7)に与える駆動手段(8)、をさらに備えている。
また、請求項26の発明は、請求項1ないし22のいずれかに記載のモータにおいて、前記電機子巻線(7)の誘起電圧を検出する手段と、前記誘起電圧から前記界磁用磁石(5)の磁極位置を推定する手段と、前記推定された前記界磁用磁石(5)の磁極位置に基づいた駆動電流を、前記電機子巻線(7)に与える駆動手段と、をさらに備えている。
また、請求項27の発明は、請求項26に記載のモータにおいて、前記駆動手段は、前記駆動電流の位相を前記誘起電圧の位相よりも進める。
また、請求項28の発明は、送風機であって、請求項1ないし27のいずれかに記載のモータと、前記モータにより回転駆動されるファン(91)と、を備えている。
また、請求項29の発明は、圧縮機であって、請求項1ないし27のいずれかに記載のモータと、前記モータにより回転駆動される圧縮機構(96)と、を備えている。
また、請求項30の発明は、空気調和機であって、請求項1ないし27のいずれかに記載のモータと、前記モータにより回転駆動される回転駆動機構と、を備えている。
この発明の請求項1ないし27にかかるモータによれば、電機子巻線に所定の電流を流すことにより、電機子と界磁子とは回転軸の周りで相互に回転する。例えば電機子を固定子に、界磁子を回転子に採用することにより、ブラシレスDCモータとして機能させることができる。しかも回転軸の方向において界磁用磁石と電機子巻線とが対向せず、これと垂直な第2方向において部分的に対向しているため、回転軸方向の厚みを小さくできる。その結果、モータの薄型化が可能となる。さらに、第1ヨーク板が電機子に吸引されることによるリラクタンストルクも利用できるため、モータのトルクを増大できる。
特に請求項2にかかるモータによれば、第1ヨーク板における磁束の短絡を防止しつつ、界磁子の強度を向上させ、製造工程を容易にすることができる。
特に請求項3にかかるモータによれば、第1ヨーク板における磁束の短絡を防止しつつ、界磁子の強度を向上させ、製造工程を容易にすることができる。
特に請求項4にかかるモータによれば、第1ヨーク板の互いに異なる磁極に磁化された部位の境界において、第2方向に均一の磁気抵抗を生じさせることができる。その結果、第1ヨーク板における磁束の短絡を効果的に防止できる。
特に請求項5にかかるモータによれば、隣接する第1ヨーク板同士の間幅が回転軸から離れるほど大となるため、回転時において、第1ヨーク板の磁化された部位と、電機子巻線とが重なり合う量を調整できる。これにより、電機子巻線と鎖交する磁束量を正弦波状にすることで、コギングトルクが減少できる。その結果、モータの効率が向上するとともに低騒音化できる。また、請求項6にかかるモータによれば、この効果をさらに高めることができる。
特に請求項7にかかるモータによれば、界磁用磁石が円盤形状であることから、界磁用磁石の軸方向の表面積を大きくとることができる。その結果、界磁用磁石の磁束を有効に利用でき、モータのトルク及び効率を向上できる。
特に請求項8にかかるモータによれば、第1ヨーク板に向いて開口するU形の磁路を容易に形成することができ、磁気抵抗を小さくできる。
特に請求項9にかかるモータによれば、界磁用磁石は、複数の6面体の永久磁石から構成されるため、界磁用磁石の製造コストを低下できる。
特に請求項10にかかるモータによれば、永久磁石をボンド磁石とすることで、薄型の界磁用磁石を低コストに形成でき、製造コストを低下できる。
特に請求項11にかかるモータによれば、射出形成により永久磁石が、第1ヨーク板及び第2ヨーク板のいずれかと一体形成されるため、製造が容易となり製造コストを低下できる。
特に請求項12にかかるモータによれば、第2ヨーク板における磁束の飽和を防止でき、モータのトルク及び効率を向上できる。
特に請求項13にかかるモータによれば、第2ヨーク板における磁束の飽和を防止でき、モータのトルク及び効率を向上できる。
特に請求項14にかかるモータによれば、第2ヨーク板における磁束の飽和を防止でき、モータのトルク及び効率を向上できる。
特に請求項15にかかるモータによれば、電機子巻線が基板上に配置されるため、電機子巻線の配置及び電機子巻線への配線が容易である。これにより製造コストを低下できる。
特に請求項16にかかるモータによれば、複数の電機子巻線を自由に配置できる。
特に請求項17にかかるモータによれば、基板の両側の電機子巻線が電機子を基準とした界磁子の回転方向に沿って互いにずれているため、電機子の電機子巻線に関して実質的にスキューを形成したこととなる。このため、トルクの脈動を防止でき、その結果、モータの効率が向上するとともに低騒音化できる。
特に請求項18にかかるモータによれば、電機子巻線が平面状コイルであるため、電機子巻線と基板とを一体形成でき、モータの薄型化が可能となる。
特に請求項19にかかるモータによれば、複数のモータセットが回転軸を同一として連結されるため、トルクを増加させることができる。
特に請求項20にかかるモータによれば、複数のモータセットの相互間で電機子巻線が界磁子の回転方向に沿ってずれているため、電機子の電機子巻線に関して実質的にスキューを形成したこととなる。このため、トルクの脈動を防止でき、その結果、モータの効率が向上するとともに低騒音化できる。
特に請求項21にかかるモータによれば、一の電機子に対して2つの界磁子を回転させることができ、結果、モータの薄型化、及び、トルクの増大が可能となる。
特に請求項22にかかるモータによれば、エアギャップを小とすることができ、磁気回路における磁気抵抗が小となり、モータの効率を向上できる。
特に請求項24にかかるモータによれば、位置検出センサが回転方向とは逆向きにずれて配置されるため、コイルのインダクタンスの影響による電圧の位相に対する電流の位相は遅れを解消できる。また、リラクタンストルクを有効に利用でき、モータのトルク及び効率を向上できる。
特に請求項25にかかるモータによれば、矩形波の駆動電流を与える場合は駆動手段としての構成を簡易にできる。一方、正弦波の駆動電流を与える場合は低騒音化できる。
特に請求項26にかかるモータによれば、ホール素子などの位置検出センサを設ける必要がないため、モータのさらなる薄型化が可能となる。
特に請求項27にかかるモータによれば、駆動電流の位相を誘起電圧の位相よりも進めるため、コイルのインダクタンスの影響による電圧の位相に対する電流の位相は遅れを解消できる。また、リラクタンストルクを有効に利用でき、モータのトルク及び効率を向上できる。
また、この発明の請求項28にかかる送風機によれば、薄型かつトルクを向上したモータを備えるため、小型かつ省電力の送風機とすることができる。
また、この発明の請求項29にかかる圧縮機によれば、薄型かつトルクを向上したモータを備えるため、小型かつ省電力の圧縮機とすることができる。
また、この発明の請求項30にかかる空気調和機によれば、薄型かつトルクを向上したモータを備えるため、小型かつ省電力の空気調和機とすることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る駆動システム10の基本構成を示す模式図である。図に示すように、駆動システム10は、回転駆動するブラシレスモータ1と、該ブラシレスモータ1に対して駆動電流を供給する駆動回路8とを備えている。以下、この駆動システム10について、ブラシレスモータ1、駆動回路8の順に説明する。
<1.ブラシレスモータ>
図2及び図3は、ブラシレスモータ1の主たる構成を示す図であり、図2は斜視図、図3は図2のIII−III位置から見た断面図である。これらの図に示すように、ブラシレスモータ1は、扁平形状に構成されており、主として回転軸21を中心として相互に回転自在な固定子3と回転子2とを備えている。図2では構造の視認を容易にするため、回転子2の一部を破断して示している。
以下の説明においては、回転軸21に沿った方向Lを「軸方向」といい、軸方向Lにおいて固定子3に対して回転子2が配置される側を「正側」、その反対側を「負側」とする。また、軸方向Lに垂直で回転軸21から周縁部に向かう方向Dを「径方向」、固定子3を基準として回転子2が回転する方向Rを「回転方向」という。図2では、回転方向Rを軸方向Lの正側からみて時計回りとした場合を例示している。
固定子3は、電機子巻線7及びステータヨーク板31を、軸方向Lに沿って正側からこの順に積層して備えている。
ステータヨーク板31は、円盤形状の磁性体で構成されており、円盤の中心位置には軸受32が形成されている。回転軸21は、この軸受32に対して嵌入される。これにより、回転軸21が固定子3に対して相対的に回転自在に支持されるとともに、ステータヨーク板31の平面部分が軸方向Lに直交して配置される。電機子巻線7は、回転軸21を中心とし、回転軸21から離れた一の円上に沿って配置された複数のコイル71により構成される。電機子巻線7は、回転子2に対向するように、ステータヨーク板31の軸方向Lの正側に配置される。
回転子2は、補強部材22、ロータヨーク板4及び界磁用磁石5を、軸方向Lに沿って正側からこの順に積層して備えている。円盤形状のロータヨーク板4は平面部分が軸方向Lに直交するように回転軸21に固設されており、このロータヨーク板4の正側面に補強部材22、負側面に界磁用磁石5がそれぞれ着接されている。補強部材22は、円盤形状となっており、円盤の中心位置が回転軸21の中心位置と一致するように配置されている。なお、補強部材22はロータヨーク板4の補強のために配置されるものであり、ロータヨーク板4に十分な強度があれば省略も可能である。
また、界磁用磁石5も、リング形状(中心部分に円形開口部を有する円盤形状)を有しており、円盤の中心位置が回転軸21の中心位置と一致するように配置されている。回転軸21の中心位置から界磁用磁石5の周縁部までの距離(界磁用磁石5の外径)は、回転軸21の中心位置から電機子巻線7までの最短距離よりも小とされている。そして、界磁用磁石5は、軸方向Lにおいて電機子巻線7と対向せず、かつ、径方向Dにおいて電機子巻線7と少なくとも部分的に対向するように、電機子巻線7の軸中心側(回転軸21の側)に配置される。このように界磁用磁石5と電機子巻線7とを径方向Dに重ねて配置することにより、ブラシレスモータ1の軸方向Lの厚みを小さくでき、結果、ブラシレスモータ1の薄型化が達成される。
界磁用磁石5は、複数の永久磁石51と、短絡ヨーク板59とを備えて構成されている。図4は、界磁用磁石5の構成を示す斜視図である。図に示すように、本実施の形態の界磁用磁石5は、4つの永久磁石51を備えており、これら4つの永久磁石51が回転軸21を中心とした一の円上に沿って配置されることで一のリング形状を形成している。
永久磁石51はそれぞれ、径方向Dに沿って同一サイズの2つのサブ磁石52に区分できる。サブ磁石52はそれぞれ、軸方向Lに並び相互に極性の異なる磁極を有している。そして、一の永久磁石51に含まれる2つのサブ磁石52は、軸方向Lに沿った極性の向きが互いに異なっている。つまり、一の永久磁石51としては、軸方向Lの一方側からみるとN極とS極とが並んだ状態となっている。これらの複数のサブ磁石52が、回転軸21を中心とした一の円上に沿って配置されることにより、リング状の界磁用磁石5を形成している。
これらの4つの永久磁石51の配置にあたっては、一の永久磁石51のサブ磁石52と、他の永久磁石51のサブ磁石52とが隣接するとき、それらのサブ磁石52同士の極性が互いに異なるようにされる。したがって、図4に示すように、軸方向Lの一方側からみると、N極を示すサブ磁石52とS極を示すサブ磁石52とが交互に配置された状態とされる。これらサブ磁石52同士の境界(つまり、界磁用磁石5としての極性の境界)は、径方向Dに沿って延びることとなる。つまり、これらの複数のサブ磁石52は、回転軸21の周囲において交互に磁極が異なり、かつ、異なる極性の境界が径方向Dに沿うように配置されている。なお、本実施の形態では界磁用磁石5に4つの永久磁石51が使用されているが、少なくとも1つの永久磁石51(軸方向Lに沿った極性の向きが互いに異なるサブ磁石52のペア)があればよい。
短絡ヨーク板59は、4つの永久磁石51によって形成されるリング形状と同一の内径及び外径を有するリング形状の磁性体で構成されている。この短絡ヨーク板59は、4つの永久磁石51の軸方向Lの負側面全体に着接されており、永久磁石51のN極とS極とを接合する。すなわち、短絡ヨーク板59は、軸方向Lの負側において、隣接するサブ磁石52のうちの一方のN極と他方のS極とを接合し、これらを磁気的に短絡する。
このような界磁用磁石5の軸方向Lの正側に配置されるロータヨーク板4は、複数の磁性体の部材から構成され、これら複数の部材の全体によって円盤形状が形成されている。図5及び図6は、ロータヨーク板4の構成を示す図であり、図5はロータヨーク板4の斜視図、図6は軸方向Lの正側からみたロータヨーク板4の一部を示す図である。
図に示すように、ロータヨーク板4は、回転軸21から径方向Dに伸びる非磁性体部となる8つのスリット46を備えている。これらのスリット46は、回転軸21の中心位置を基準として45度おきに放射状に形成されている。ロータヨーク板4は、これらのスリット46により、略扇状の8つのサブヨーク板41に区分される。
サブヨーク板41はそれぞれ、軸方向Lにおいて電機子巻線7と対向してエアギャップ74を形成する第1平面部分41a、及び、軸方向Lにおいて電機子巻線7と対向しない第2平面部分41bを含んでいる(図3参照。)。これらの第1平面部分41a、及び、第2平面部分41bは、同一の径方向Dに沿って延びるように配置されている。隣接するサブヨーク板41の第1平面部分41aの周縁側(回転軸21と反対側)の端部同士は、ロータヨーク板4としての強度を保持するために、相互に連結部42により連結される。また、図6に示すように、隣接するサブヨーク板41同士の間幅としてのスリット46の幅461は、径方向Dに沿って回転軸21から離れるほど広くなっている。
これらのサブヨーク板41の数と、界磁用磁石5の軸方向Lの一方側の極性数(=サブ磁石52の数)とは同一とされる。そして、一のサブヨーク板41が一の極性のみに接するように、ロータヨーク板4と界磁用磁石5とが接合される。図4では、ロータヨーク板4の軸方向Lの負側面を一点鎖線で示すことにより、ロータヨーク板4と界磁用磁石5との配置関係を示している。図4及び図6に示すように、各サブヨーク板41は、第2平面部分41bにおいて、一のサブ磁石52(つまり、一の極性)のみと接合される。したがって、隣接するサブヨーク板41のうちの一方の第2平面部分41bはN極、他方の第2平面部分41bはS極に接合される。また、8つのスリット46はそれぞれ界磁用磁石5の極性の境界に沿って配置されることとなる。
回転子2のこのような構成は、永久磁石51としてボンド磁石を採用することで比較的低コストに製造できる。すなわち、永久磁石51をボンド磁石とすることで薄型の永久磁石を容易に形成でき、また、永久磁石51としてのボンド磁石を、射出形成によりロータヨーク板4及び短絡ヨーク板59のいずれかと一体形成すれば製造が容易となる。その結果、低コストにブラシレスモータ1を製造できることとなる。
このような構成を有するブラシレスモータ1の電機子巻線7に対して、駆動回路8(図1)から所定の駆動電流を流すと、電機子巻線7の各コイル71において回転のための磁極が生じ、回転子2が固定子3に対して相対的に回転運動を行なう。
以下、このようなブラシレスモータ1の回転運動の際における磁路について説明する。図7は、界磁用磁石5の軸方向Lの負側における磁路を示す斜視図であり、図8は、界磁用磁石5の軸方向Lの正側における磁路を示す斜視図である。
図7の磁路Φ1に示すように、界磁用磁石5の軸方向Lの負側においては、一のサブ磁石52のN極から出る磁束は、短絡ヨーク板59を経由して、隣接するサブ磁石52のS極に戻る。但し、説明の簡単のため、一方に隣接したS極への磁束のみ示している。つまり、界磁用磁石5は、サブヨーク板41に向いて開口するU形の磁路Φ1を有することとなる。
一方、図8の磁路Φ2に示すように、界磁用磁石5の軸方向Lの正側においては、一のサブ磁石52のN極から出る磁束は、まず、そのサブ磁石52に接合された一のサブヨーク板41の第2平面部分41bからその第1平面部分41aに向かう。次に、当該第1平面部分41aから、軸方向Lに沿ってエアギャップ74を超え、ステータヨーク板31に向かう。次に、ステータヨーク板31内を経由した後、再び、軸方向Lに沿ってエアギャップ74を超え、上記一のサブヨーク板41に隣接する他のサブヨーク板41の第1平面部分41aに向かう。次に、そのサブヨーク板41の第1平面部分41aから第2平面部分41bに向かい、その後、上記一のサブ磁石52に隣接する他のサブ磁石52のS極に戻ることとなる。但し、説明の簡単のため、一方に隣接したS極への磁束のみ示している。
この際、スリット46は、隣接するサブヨーク板41の相互間における磁束の短絡を防止するように機能する。連結部42において磁束の短絡が生じる可能性もあるが、連結部42の断面積は微小で磁気抵抗が大となるため、連結部42における磁束の短絡はほぼ無視できる。
以上説明したように、このブラシレスモータ1においては、界磁用磁石5と電機子巻線7とが、軸方向Lにおいて対向せず、径方向Dにおいて部分的に対向しているため、軸方向Lの厚みを小さくできる。その結果、モータの薄型化が可能となる。
また、界磁用磁石5の軸方向Lの負側においては、短絡ヨーク板59の配置によりサブヨーク板41に向いて開口するU形の磁路Φ1が形成される。これにより、界磁用磁石5の軸方向Lの負側の磁路を短くすることができるため磁気抵抗を小さくでき、その結果、ブラシレスモータ1の効率を向上できる。また、回転駆動の際には、サブヨーク板41が吸引されることによるリラクタンストルクも回転に利用できるため、ブラシレスモータ1のトルクを増大できる。
また、隣接するサブヨーク板41は、周縁側の端部同士のみが相互に連結されるため、サブヨーク板41の相互間における磁束の短絡を防止することができるとともに、回転子2の強度を向上させ、製造工程を容易にすることができる。
また、界磁用磁石5がリング形状であることから、界磁用磁石5の表面積を大きくとることができる。その結果、界磁用磁石5の磁束を有効に利用でき、さらに、ブラシレスモータ1のトルク及び効率を向上できることとなる。
<2.ブラシレスモータの変形例>
ブラシレスモータ1の構造は、上記で説明した形態(以下、「代表形態」という。)に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、ブラシレスモータ1の構造として採用可能な各種の変形形態について説明する。
<2−1.連結部>
代表形態においては、図6等に示すように、隣接するサブヨーク板41を周縁側の端部で連結していたが、これらを軸中心側の端部で連結してもよい。図9は、この場合におけるロータヨーク板4の一例を示す図である。
図9に示すように、この例においては、サブヨーク板41の軸中心側に連結部43が形成される。これにより、隣接するサブヨーク板41の軸中心側の端部同士が相互に連結され、また、スリット46の周縁側の部分は開口されている。連結部43は、磁束を短絡しないように永久磁石51のN極及びS極の境界を避け、永久磁石51よりもさらに軸中心側に形成される。
このような構造を採用しても、サブヨーク板41の相互間における磁束の短絡を防止することができるとともに、回転子2の強度を向上させ、製造工程を容易にすることができる。
<2−2.スリット>
代表形態においては、図6に示すように、スリット46の幅461は、径方向Dに沿って回転軸21から離れるほど広くなっていたが、これを径方向Dによらず一定としてもよい。図10は、この場合におけるロータヨーク板4の一例を示す図である。
図10に示すように、この例においては、スリット46の幅461が径方向Dによらず一定となっている。そしてこれにより、スリット46との境界となるサブヨーク板41の外郭411は、当該スリット46の長軸方向(径方向Dに一致)に沿った中心線d1に対して平行となっている。
このような構造を採用すると、互いに異なる磁極に磁化された隣接するサブヨーク板41の相互間において、径方向Dに均一の磁気抵抗を生じさせることができる。その結果、サブヨーク板41の相互間における磁束の短絡を効果的に防止できることとなる。
また、他の例として、スリット46の幅461が、回転軸21からの距離に対して非線形に増大するようにしてもよい。図11は、この場合におけるロータヨーク板4の一例を示す図である。図11に示すように、この例においては、サブヨーク板41の外郭411が曲線状となっており、スリット46の幅461が回転軸21からの距離に対して非線形に増大している。
図6や図11に示すように、スリット46の幅461が回転軸21から離れるほど広くなる構造を採用すると、ブラシレスモータ1の回転運動の際にサブヨーク板41と電機子巻線7とが軸方向Lに重なり合う量を調整できる。このため、電機子巻線7と鎖交する磁束量を正弦波状にすることができ、これによりコギングトルクを減少できる。その結果、モータの効率が向上するとともに低騒音化できることとなる。そして、図11に示すように、スリット46の幅461が非線形に増大する構造を採用すると、この効果をさらに高めることができる。
<2−3.永久磁石>
代表形態においては、図4に示すように、界磁用磁石5に採用される永久磁石51及びサブ磁石52は、リング形状の一部をなす形状を有していたが、この形状は特に限定されない。例えば、図12に示すように、代表形態のサブ磁石52に相当する永久磁石としてそれぞれ、6面体の永久磁石53を採用してもよい。このように6面体の永久磁石53を採用すると、界磁用磁石5としての製造コストを低下できる。
図12に示す例では、8つの永久磁石53が、短絡ヨーク板59の軸方向Lの正側に配置される。そして、この状態において永久磁石53のそれぞれは、軸方向Lに並び相互に極性の異なる磁極を有している。また、軸方向Lの一方側からみるとN極を示す永久磁石53とS極を示す永久磁石53とが交互に配置され、軸方向Lの一方側において永久磁石53のN極及びS極が並ぶようにされている。
その他の構成は、代表形態と同様である。すなわち、短絡ヨーク板59は、軸方向Lの負側において、隣接する永久磁石53のうちの一方のN極と他方のS極とを接合し、これらを磁気的に短絡する。また、各サブヨーク板41は一の永久磁石53のみと接合される。もちろん、このような永久磁石53もボンド磁石で構成し、射出形成によりロータヨーク板4及び短絡ヨーク板59のいずれかと一体形成することが可能である。
なお、この例においては、界磁用磁石5に8つの永久磁石53が使用されているが、界磁用磁石5は、軸方向Lの一方側においてN極及びS極が並ぶように、少なくとも二つの永久磁石53を備えればよい。
<2−4.短絡ヨーク板>
代表形態においては、図3に示すように、界磁用磁石5において、短絡ヨーク板59の径方向Dの幅(リング形状における外径と内径との差)と永久磁石51の径方向Dの幅とは一致していたが、例えば、図13に示すように、短絡ヨーク板59の径方向Dの幅を永久磁石51の径方向Dの幅よりも大きくしてもよい。
上述したように、界磁用磁石5の軸方向Lの負側においては、サブ磁石52同士の境界(永久磁石51の互いに異なる極性が隣接する位置)に沿った短絡ヨーク板59の断面を、磁路Φ1が通過する(図7参照。)。したがって、当該断面積が磁路Φ1の形成を許容できない程度に狭いと、磁束の飽和が生じる可能性がある。これに対して図13に示す構成を採用すれば、当該断面積を広くすることができ、これにより、短絡ヨーク板59での磁束の飽和を防止でき、磁気抵抗を小さくできることとなる。
また同様に、例えば図14に示すように、短絡ヨーク板59の軸方向Lの幅を永久磁石51の軸方向Lの幅よりも大きくしてもよい。これによっても、短絡ヨーク板59での磁束の飽和を防止でき、磁気抵抗を小さくできる。また、図13の構成と図14の構成とを組合わせてもよい。
またさらに、短絡ヨーク板59において、サブ磁石52同士の境界に沿った断面を、他の位置の断面よりも広くしてもよい。図15は、このような場合における短絡ヨーク板59の一例を示す図である。図に示すように、この例の短絡ヨーク板59においては、サブ磁石52同士の境界位置に対応する部位59aは、他の部位59bと比較して、軸方向Lの幅が大きくなっている。これによれば、界磁用磁石5の重量を大きく増加させることなく、短絡ヨーク板59での磁束の飽和を防止でき、磁気抵抗を小さくできる。
<2−5.電機子巻線>
電機子巻線7は、図16及び図17に示すように基板76の表面に配置してもよい。これらの図に示すように、基板76は、例えばリング形状を有しており、円盤の中心位置が回転軸21の中心位置と一致するように、ステータヨーク板31の軸方向Lの正側面に配置される。そして、この基板76の軸方向Lの正側面に、電機子巻線7が配置される。このような構造を採用すると、電機子巻線7に含まれる複数のコイル71の配置、及び、電機子巻線7への配線が容易であることから、ブラシレスモータ1の製造コストを低下できる。
また、図18に示すように、一の基板76の軸方向Lについて相互に反対側にある両面に電機子巻線7を配置してもよい。図18の例に示す固定子3は、第1の電機子巻線7a、リング状の基板76、第2の電機子巻線7b、及び、ステータヨーク板31を、軸方向Lに沿って正側からこの順に積層して備えている。このような構造を採用すると、2つの層の電機子巻線7を自由に配置できることとなる。
例えば、図18に示す第1の電機子巻線7aを構成するコイル71aと、第2の電機子巻線7bを構成するコイル71bとを、図19に示すように、回転方向Rに沿って互いにずれて(互いの中心位置が径方向Dにおいて重ならないように)配置させることができる。このような構造を採用すると、固定子3の電機子巻線7に関して実質的にスキューを形成したこととなる。このため、回転駆動時におけるトルクの脈動を防止でき、その結果、モータの効率が向上するとともに低騒音化できる。
また、代表形態等の説明において参照した図面では、電機子巻線7のコイル71として軸方向Lに幅のあるものを図示していたが、軸方向Lに対して扁平となる平面状のプリントコイルを採用してもよい。プリントコイルは、例えば特許文献4に開示されているように、基板に対するフォトリソグラフィにより導体が形成され、これにより基板と一体形成されて平面状とされる。このような平面状のプリントコイルを基板76上に形成することで、電機子巻線7と基板76とを一体形成でき、モータのさらなる薄型化が可能となる。
<2−6.ロータヨーク板>
代表形態においては、図3等に示すように、サブヨーク板41の第1平面部分41aと第2平面部分41bとは同一の径方向Dに配置されていたが、軸方向Lに互いにずれていてもよい。図20は、この場合におけるブラシレスモータ1の一例を示す図である。
図20に示すように、この例のサブヨーク板41においては、第1平面部分41a及び第2平面部分41bはそれぞれ径方向Dに沿って伸びているが、第1平面部分41aが第2平面部分41bよりも軸方向Lの負側(電機子巻線7の側)に配置され、これらが連結部材41cにより連結されている。このような構造を採用すると、第1平面部分41aと電機子巻線7との間に形成されるエアギャップ74を小さくすることができる。したがって、磁気回路における磁気抵抗が小さくでき、モータの効率を向上できる。
<2−7.モータセットの連結>
上記で説明したいずれか一の固定子3といずれか一の回転子2との組を一のモータセットとしたとき、ブラシレスモータ1は、複数のモータセットを回転軸21を同一として軸方向Lに沿って連結した構造としてもよい。
図21及び図22は、図3に示すものと同様のモータセットを、回転軸21を同一として軸方向Lに沿って2つ連結したブラシレスモータ1の例を示す図である。これらの図に示すブラシレスモータ1においては、軸方向Lにおける回転子2と固定子3との配置関係が互いに反対となる2つモータセットが連結されている。
図21の例では2つのモータセットの固定子3同士が接合されており、図22の例では2つのモータセットの回転子2同士が接合されている。いずれの例においても、双方のモータセットにおいて一の部材で兼用できるものについては、兼用されている。例えば、図21に示すブラシレスモータ1においては、一のステータヨーク板31が双方のモータセットにおいて兼用されており、図22に示すブラシレスモータ1においては、一のロータヨーク板4が双方のモータセットにおいて兼用されている。
このようなブラシレスモータ1を回転駆動させる際には、双方のモータセットの回転子2の回転方向が同一となるように、双方のモータセットのそれぞれの電機子巻線7に駆動回路8から駆動電流が供給される。これにより、2つのモータセットのトルクが加算され、ブラシレスモータ1全体としてのトルクを増加させることができる。なお、この例では、2つモータセットを連結しているが、3以上のモータセットを連結してもよい。
また、このように複数のモータセットを連結した構造を採用する場合、複数のモータセットにそれぞれ含まれる電機子巻線7を、複数のモータセットの相互間で回転方向Rに沿ってずれて配置してもよい。例えば、図21または図22に示す例において、正側のモータセットの電機子巻線7を第1の電機子巻線7a、負側のモータセットの電機子巻線7を第2の電機子巻線7bとしたとき、第1の電機子巻線7aを構成するコイル71aと、第2の電機子巻線7bを構成するコイル71bとを、図19に示すように、回転方向Rに沿って互いにずれて配置させる。このような構成を採用しても、固定子3の電機子巻線7に関して実質的にスキューを形成したこととなるため、トルクの脈動を防止でき、その結果、モータの効率が向上するとともに低騒音化できる。
<2−8.界磁用磁石と電機子巻線との配置関係>
代表形態においては、図3等に示すように、界磁用磁石5を電機子巻線7よりも軸中心側に配置していたが、図23に示すように、界磁用磁石5を電機子巻線7よりも周縁側に配置してもよい。この場合においても、径方向Dにおいて界磁用磁石5と電機子巻線7とを少なくとも部分的に対向させて配置することにより、軸方向Lの厚みを小さくでき、モータの薄型化が可能となる。
もちろん、図23に示す固定子3と回転子2とからなるモータセットを、回転軸21を同一として軸方向Lに沿って連結することも可能である。図24は、図23に示すモータセットの2つを固定子3同士を接合して連結した構造のブラシレスモータ1を示している。図24のブラシレスモータ1においては、一のステータヨーク板31が双方のモータセットにおいて兼用されている。
なお、図24に示す構造のブラシレスモータ1では、さらに、一の電機子巻線7及びステータヨーク板31を省略することが可能である。図25は、このような場合におけるブラシレスモータ1を示す図である。図25に示すように、このブラシレスモータ1の固定子3は、一の電機子巻線7と軸受32とを備えているが、ステータヨーク板31を備えていない。そして、この一の固定子3を挟んで、2つの回転子2が回転軸21を同一として軸方向Lに沿って連結されている。
このブラシレスモータ1の回転運動の際には、界磁用磁石5の短絡ヨーク板59が配置される側においては、代表形態と同様に短絡ヨーク板59によりN極とS極とが短絡され、短絡ヨーク板59を経由する磁路が形成される。一方、界磁用磁石5の短絡ヨーク板59が配置されない側においては、二つの回転子2の相互間で磁路が形成される。すなわち、一方の回転子2の界磁用磁石5のN極から出る磁束は、まず、同一回転子2のサブヨーク板41を経由した後、固定子3の電機子巻線7が配置される部分のエアギャップを超え、他方の回転子2のサブヨーク板41に向かう。その後、他方の回転子2のサブヨーク板41を経由した後、その回転子2の界磁用磁石5のS極に戻ることとなる。このような構造を採用すれば、一の固定子3(一の電機子巻線7)に対して2つの回転子2(2つの界磁用磁石5)からの磁束が鎖交する。したがって、電機子巻線7は一つでよいため、ブラシレスモータ1の薄型化が可能である。これとともに、ブラシレスモータ1の回転駆動に利用できる磁束として2つの界磁用磁石5からのものが加算されるためトルクの増大が可能となる。
<3.駆動回路>
次に、駆動回路8について説明する(図1参照。)。以下、駆動回路8として3つの例を示すが、いずれを採用してもよい。
<3−1.矩形波駆動>
図26は、駆動回路8の構成の一例を示す図である。図に示すように、この駆動回路8は、主回路811、プリドライバ812、三相分配器813及びPWM発生器814を備え、ブラシレスモータ1の電機子巻線7に矩形波の駆動電流を与えるように構成されている。
この場合においては、ブラシレスモータ1の電機子巻線7は3相で配置されており、各相において界磁用磁石5の磁極位置を検出し、互いに120度ずつ電気角の位相が異なる3つの信号HU,HV,HWが出力され、三相分配器813に入力される。また、PWM発生器814からは、キャリア成分としての三角波あるいはのこぎり波が生成され、三相分配器813に入力される。三相分配器813では、これらの信号及び速度指令に基づいて、3相の基本波が生成され、プリドライバ812を介して主回路811に入力される。これにより、主回路811から矩形波の駆動電流がブラシレスモータ1に与えられることとなる。このような矩形波の駆動電流をブラシレスモータ1に与える駆動回路8であれば、その構成を簡易にできる。
<3−2.正弦波駆動>
図27は、駆動回路8の構成の一例を示す図である。図に示すように、この駆動回路8は、主回路821、プリドライバ822、波形生成器823、PWM発生器824、位置推定カウンタ825及び位置オフセットカウンタ826を備え、ブラシレスモータ1の電機子巻線7に正弦波の駆動電流を与えるように構成されている。
この場合においても、ブラシレスモータ1の電機子巻線7は3相で配置されており、各相における界磁用磁石5の磁極位置を検出し、互いに120度ずつ電気角の位相が異なる3つの信号HU,HV,HWが出力され、位置推定カウンタ825に入力される。
位置推定カウンタ825は、3つの信号HU,HV,HWを、電気角60度ずつのタイミングを示す信号として利用し、その電気角60度の間をカウントすることにより、界磁用磁石5の磁極位置を推定し、推定した磁極位置に応じた正弦波の基準信号を生成する。この基準信号の位相は、位相指令が入力される位置オフセットカウンタ826からの信号に基づいて修正される。
波形生成器823では、位置推定カウンタ825からの基準信号、PWM発生器824からの三角波あるいはのこぎり波、及び、速度指令に基づいて、3相の基本波が生成され、プリドライバ822を介して主回路821に入力される。これにより、主回路821から正弦波の駆動電流がブラシレスモータ1に与えられることとなる。このような正弦波の駆動電流をブラシレスモータ1に与える駆動回路8であれば、ブラシレスモータ1を低騒音に駆動できる。
なお、図26あるいは図27の構造の駆動回路8を採用する場合はいずれにおいても、ブラシレスモータ1に位置検出センサとしてのホール素子6が各相毎に配置される。そして、各相毎のホール素子6から上述の信号HU,HV,HWが出力される。一般に、ホール素子6は、図28に示すように、電機子巻線7のコイル71の略中央部に配置されるが、図29に示すように、回転軸21とコイル71の略中央部とを結ぶ径方向Dに沿った直線d2に対して回転方向Rと逆向きにずれて配置してもよい。
モータにおいては、一般に、コイルのインダクタンスの影響により電圧の位相に対して電流の位相は遅れる。しかし、図29のようにホール素子6を回転方向Rとは逆向きにずれて配置することで、このような電流の位相の遅れを解消できる。また、リラクタンストルクを有効に利用でき、モータのトルク及び効率を向上できることとなる。
<3−3.センサレス駆動>
図30は、駆動回路8の構成の一例を示す図である。図に示す駆動回路8は、電機子巻線7の誘起電圧を検出し、検出した誘起電圧から界磁用磁石5の磁極位置を推定するように構成されている。そして、駆動回路8は、推定した界磁用磁石5の磁極位置に基づいて、駆動電流をブラシレスモータ1の電機子巻線7に与えるようになっている。したがって、この駆動回路8は、ホール素子6などの位置検出センサを用いずにブラシレスモータ1を駆動するセンサレス駆動を行なうことができる。このようなセンサレス駆動の原理については、例えば、非特許文献1及び非特許文献2に開示されている。このようにセンサレス駆動を行なう駆動回路8を採用すれば、ホール素子などの位置検出センサを設ける必要がないため、モータのさらなる薄型化が可能となる。
なおこの場合、ブラシレスモータ1に与える駆動電流の位相を、検出した誘起電圧の位相よりも進めることが好ましい。このようにしても、コイルのインダクタンスの影響による電圧に対する電流の位相の遅れを解消できる。また、リラクタンストルクを有効に利用でき、モータのトルク及び効率を向上できることとなる。
<4.採用例>
以上、ブラシレスモータ1について説明したが、このブラシレスモータ1は薄型かつ高トルクであるため、各種の装置、特に空気調和機に好適に採用可能である。以下では、ブラシレスモータ1を採用した空気調和機の具体例について説明する。
<4−1.送風機>
図31は、ブラシレスモータ1を採用した送風機の構成の一例を示す断面図である。この送風機101は、空気調和機の室内機に利用される遠心送風機として構成されており、空気流路を形成する回転駆動機構としてのファン91を備えている。
このファン91は、ハブ92と、ハブ92の周縁部において円周方向に等間隔に配置された複数のブレード94と、ハブ92及びブレード94を覆うシュラウド93とから構成される。シュラウド93の中央側が送風機101の吸込口91aとなり、ブレード94の外側が送風機101の吹出口91bとなる。つまり、ファン91の回転により、吸込口91aから空気が吸い込まれ、吹出口91bから空気が吹き出される。
この送風機101では、ファン91の回転駆動手段としてブラシレスモータ1が採用されている。ファン91の回転中心部は、ブラシレスモータ1の回転軸21に固設される。このように薄型かつ高トルクのブラシレスモータ1を送風機に採用することで、小型かつ省電力の送風機を提供できる。ブラシレスモータ1の構造は、上記で説明したもののいずれであってもよい。
<4−2.圧縮機>
図32は、ブラシレスモータ1を採用したスクロール型圧縮機の構成の一例を示す断面図である。このスクロール型圧縮機102は、空気調和機の冷媒ガスの圧縮機として構成されており、固定スクロール95と、回転駆動機構としての旋回スクロール96とを備えている。
固定スクロール95、及び、旋回スクロール96はそれぞれラップを備えており、これらのラップ同士が互いに噛合するように配置される。旋回スクロール96が回転駆動すると、ラップの相互間によって形成される圧縮室97に入り込んだ冷媒ガスが圧縮される。
このスクロール型圧縮機102では、旋回スクロール96の回転駆動手段としてブラシレスモータ1が採用されている。旋回スクロール96は、ブラシレスモータ1の回転軸21の軸中心に対して偏心して固設される。このように薄型かつ高トルクのブラシレスモータ1をスクロール型圧縮機に採用することで、小型かつ省電力のスクロール型圧縮機を提供できる。ブラシレスモータ1の構造は、上記で説明したもののいずれであってもよい。また、圧縮機としてはこの実施の形態のスクロール型圧縮機構以外の圧縮機構を持つものでも良い。
駆動システムの基本構成を示す模式図である。 ブラシレスモータの構成の一例を示す斜視図である。 ブラシレスモータの構成の一例を示す断面図である。 界磁用磁石の構成の一例を示す斜視図である。 ロータヨーク板の構成の一例を示す斜視図である。 ロータヨーク板の構成の一例を示す図である。 界磁用磁石の軸方向の負側における磁路を示す図である。 界磁用磁石の軸方向の正側における磁路を示す図である。 ロータヨーク板の構成の一例を示す図である。 ロータヨーク板の構成の一例を示す図である。 ロータヨーク板の構成の一例を示す図である。 界磁用磁石の構成の一例を示す斜視図である。 ブラシレスモータの構成の一例を示す断面図である。 ブラシレスモータの構成の一例を示す断面図である。 短絡ヨーク板の構成の一例を示す図である。 ブラシレスモータの構成の一例を示す断面図である。 電機子巻線を基板の表面に配置した様子を示す図である。 ブラシレスモータの構成の一例を示す断面図である。 電機子巻線を基板の両面に配置した様子を示す図である。 ブラシレスモータの構成の一例を示す断面図である。 ブラシレスモータの構成の一例を示す断面図である。 ブラシレスモータの構成の一例を示す断面図である。 ブラシレスモータの構成の一例を示す断面図である。 ブラシレスモータの構成の一例を示す断面図である。 ブラシレスモータの構成の一例を示す断面図である。 駆動回路の構成の一例を示す図である。 駆動回路の構成の一例を示す図である。 ホール素子の配置の一例を示す図である。 ホール素子の配置の一例を示す図である。 駆動回路の構成の一例を示す図である。 ブラシレスモータを採用した送風機の構成の一例を示す断面図である。 ブラシレスモータを採用したスクロール型圧縮機の構成の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 ブラシレスモータ
2 回転子
3 固定子
4 ロータヨーク板
5 界磁用磁石
7 電機子巻線
21 回転軸
41 サブヨーク板
51 永久磁石
59 短絡ヨーク板
L 軸方向
D 径方向

Claims (30)

  1. 第1方向(L)に沿った回転軸(21)を中心として相互に回転自在な電機子(3)及び界磁子(2)を備えるモータであって、
    前記電機子(3)は、
    前記回転軸についての径方向である第2方向(D)に沿って前記回転軸(21)から離れて配置される電機子巻線(7)、
    を有し、
    前記界磁子(2)は、
    各々が、前記第1方向(L)において前記電機子巻線(7)と対向する一端及び前記第1方向(L)において前記電機子巻線(7)と対向しない他端を含み、前記第2方向(D)に沿って延び、前記回転軸の周りで環状に配置される複数の第1ヨーク板(41)と、
    隣接する前記第1ヨーク板(41)の一方の前記他端に接合されたN極と、他方の前記他端に接合されたS極と、前記第1ヨーク板(41)に向いて開口するU形の磁路(Φ1)とを有し、前記第2方向(D)において前記電機子巻線(7)と少なくとも部分的に対向する界磁用磁石(5)と、
    を有することを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載のモータにおいて、
    隣接する前記第1ヨーク板(41)の前記一端同士は相互に連結されることを特徴とするモータ。
  3. 請求項1または2に記載のモータにおいて、
    隣接する前記第1ヨーク板(41)の前記他端同士は前記N極及び前記S極の境界を避けて相互に連結されることを特徴とするモータ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のモータにおいて、
    前記第1ヨーク板(41)は前記第2方向(D)に平行な直線状の外郭(411)を有することを特徴とするモータ。
  5. 請求項1ないし3のいずれかに記載のモータにおいて、
    隣接する第1ヨーク板(41)同士の間幅(461)は、前記第2方向(D)に沿って前記回転軸(21)から離れるほど広いことを特徴とするモータ。
  6. 請求項5に記載のモータにおいて、
    前記隣接する第1ヨーク板(41)同士の間幅(461)は、前記回転軸(21)からの距離に対して、非線形に増大することを特徴とするモータ。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のモータにおいて、
    前記界磁用磁石(5)は、円盤形状であることを特徴とするモータ。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のモータにおいて、
    前記界磁用磁石(5)は、
    前記第1方向(L)においてN極及びS極が並ぶ永久磁石(51)の少なくとも一つと、
    前記第1ヨーク板(41)と反対側で前記N極と前記S極とを接合する第2ヨーク板(59)と、
    を含むことを特徴とするモータ。
  9. 請求項1ないし7のいずれかに記載のモータにおいて、
    前記界磁用磁石(5)は、
    前記第1方向(L)においてN極及びS極が並ぶ、6面体の永久磁石(53)の少なくとも二つと、
    前記永久磁石(53)の前記S極及び前記N極を前記第1ヨーク板(41)と反対側で接合する第2ヨーク板(59)と、
    から構成されることを特徴とするモータ。
  10. 請求項8または9に記載のモータにおいて、
    前記永久磁石(51,53)は、ボンド磁石であることを特徴とするモータ。
  11. 請求項10に記載のモータにおいて、
    前記永久磁石(51,53)は、射出成形により前記第1ヨーク板(41)及び第2ヨーク板(59)のいずれかと一体形成されることを特徴とするモータ。
  12. 請求項8ないし11のいずれかに記載のモータにおいて、
    前記第2ヨーク板(59)の前記第2方向(D)の幅は、前記永久磁石(51,53)の前記第2方向(D)の幅よりも大であることを特徴とするモータ。
  13. 請求項8ないし12のいずれかに記載のモータにおいて、
    前記第2ヨーク板(59)の前記第1方向(L)の幅は、前記永久磁石(51,53)の前記第1方向(L)の幅よりも大であることを特徴とするモータ。
  14. 請求項8ないし13のいずれかに記載のモータにおいて、
    前記第2ヨーク板(59)は、前記永久磁石(51,53)の互いに異なる極性が隣接する部位において、前記第1方向(L)の幅が、他の位置と比較して大であることを特徴とするモータ。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載のモータにおいて、
    前記電機子(3)は、前記電機子巻線(7)が配置される基板(76)、
    をさらに備えることを特徴とするモータ。
  16. 請求項15に記載のモータにおいて、
    前記電機子巻線(7)は、前記基板(76)の前記第1方向(L)について相互に反対側にある両面に配置されることを特徴とするモータ。
  17. 請求項16に記載のモータにおいて、
    前記基板(76)の一方の面に配置された前記電機子巻線(7)と、前記基板(76)の他方の面に配置された前記電機子巻線(7)とは、前記電機子(3)を基準とした前記界磁子(2)の回転方向(R)に沿って互いにずれていることを特徴とするモータ。
  18. 請求項15ないし17のいずれかに記載のモータにおいて、
    前記電機子巻線(7)は、フォトリソグラフィにより導体が形成される平面状コイルであることを特徴とするモータ。
  19. 請求項1ないし18のいずれかに記載のモータにおいて、
    一の前記電機子(3)と一の前記界磁子(2)との組を一のモータセットとし、
    複数の前記モータセットを、前記回転軸(21)を同一として前記第1方向(L)に沿って連結したことを特徴とするモータ。
  20. 請求項19に記載のモータにおいて、
    前記複数の前記モータセットにそれぞれ含まれる前記電機子巻線(7)は、前記複数の前記モータセットの相互間で、前記電機子(3)を基準とした前記界磁子(2)の回転方向(R)に沿ってずれていることを特徴とするモータ。
  21. 請求項1ないし18のいずれかに記載のモータにおいて、
    前記電機子巻線(7)は、前記界磁用磁石(5)よりも前記回転軸(21)の側に配置され、
    2つの前記界磁子(2)を、一の前記電機子(3)を挟んで、前記回転軸(21)を同一として前記第1方向(L)に沿って連結したことを特徴とするモータ。
  22. 請求項1ないし21のいずれかに記載のモータにおいて、
    前記第1ヨーク板(41)は、前記電機子巻線(7)との間でエアギャップ(74)を形成する第1平面部分(41a)と、前記第1平面部分(41a)と連結される第2平面部分(41b)とで構成され、
    前記第1平面部分(41a)は、前記第2平面部分(41b)よりも前記第1方向(L)において前記電機子巻線(7)側に配置されることを特徴とするモータ。
  23. 請求項1ないし22のいずれかに記載のモータにおいて、
    前記電機子(3)は、前記界磁用磁石(5)の磁極位置を検出する少なくとも一の位置検出センサ(6)、
    をさらに備え、
    前記位置検出センサ(6)は、前記電機子巻線(7)の略中央部に配置されることを特徴とするモータ。
  24. 請求項1ないし22のいずれかに記載のモータにおいて、
    前記電機子(3)は、前記界磁用磁石(5)の磁極位置を検出する少なくとも一の位置検出センサ(6)、
    をさらに備え、
    前記位置検出センサ(6)は、前記回転軸(21)と前記電機子巻線(7)の略中央部とを結ぶ直線(d1)に対して、前記電機子(3)を基準とした前記界磁子(2)の回転方向(R)とは逆向きにずれて配置されていることを特徴とするモータ。
  25. 請求項23または24に記載のモータにおいて、
    前記位置検出センサ(6)の出力に基づいて、矩形波及び正弦波のいずれかの駆動電流を前記電機子巻線(7)に与える駆動手段(8)、
    をさらに備えることを特徴とするモータ。
  26. 請求項1ないし22のいずれかに記載のモータにおいて、
    前記電機子巻線(7)の誘起電圧を検出する手段と、
    前記誘起電圧から前記界磁用磁石(5)の磁極位置を推定する手段と、
    前記推定された前記界磁用磁石(5)の磁極位置に基づいた駆動電流を、前記電機子巻線(7)に与える駆動手段と、
    をさらに備えることを特徴とするモータ。
  27. 請求項26に記載のモータにおいて、
    前記駆動手段は、前記駆動電流の位相を前記誘起電圧の位相よりも進めることを特徴とするモータ。
  28. 送風機であって、
    請求項1ないし27のいずれかに記載のモータと、
    前記モータにより回転駆動されるファン(91)と、
    を備えることを特徴とする送風機。
  29. 圧縮機であって、
    請求項1ないし27のいずれかに記載のモータと、
    前記モータにより回転駆動される圧縮機構(96)と、
    を備えることを特徴とする圧縮機。
  30. 空気調和機であって、
    請求項1ないし27のいずれかに記載のモータと、
    前記モータにより回転駆動される回転駆動機構と、
    を備えることを特徴とする空気調和機。
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