JP4696405B2 - プラズマcvd装置および磁気記録媒体の保護膜形成方法 - Google Patents

プラズマcvd装置および磁気記録媒体の保護膜形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマCVD装置および磁気記録媒体の保護膜形成方法に関し、特に、現在、コンピュータの外部記録装置として主流となっている磁性膜を具えたハードディスクドライブ(HDD)に用いられる磁気記録媒体に保護膜(記録層を形成する磁性膜をヘッドの衝撃、外界の腐食性物質などの腐食から保護する機能を有するカーボン保護膜)を形成するためのプラズマCVD装置、および当該装置を用いて当該磁気記録媒体に当該保護膜を形成する磁気記録媒体の保護膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、HDD(ハードディスクズライブ装置)に用いられる磁気記録媒体の面記録密度は、20Gbits/inまで達し、年率100%で向上している。このような磁気記録の一層の高密度化により、一層小さな磁化領域を高いSN比で読み込むためには書き込み/読み出しヘッドを記録媒体表面に一層近づけることが要求されるようになった。現在、ヘッド浮上量は50Gbits/inで15nm以下と見積もられている。そして、今後も磁気記録の高密度化に対応して磁気記録媒体とデータ書き込み/読み出しヘッドとの浮上間隔を狭くすることが求められると予想される。したがって、保護膜に関しても当然、薄膜化が必要となる。
【0003】
保護膜は、従来、スパッタ法により成膜が行われている。スパッタ法は耐久性および耐食性を有する保護膜を成膜することができるが、膜厚を8nm以下にすることは困難である。そこで、スパッタ法に代わる次世代カーボン保護膜の成膜プロセスとして、より高密度な膜が得られるというプラズマCVD法が注目され活発に研究が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プラズマCVD法による成膜を長時間連続運転すると、装置の絶縁性を保つための絶縁物にカーボン膜が成膜されてしまい、絶縁物としての役割を果たさなくなる。そして、その絶縁物に成膜されたカーボン膜が電流パスのひとつとなり、電流が流れるときにアーキングを発生させてしまう。アーキングが発生すると、媒体上にパーティクルを増加させ、良品率の低下を招くとともに、装置のメンテナンスの頻度を多くしなければならなくなり、稼働率の低下も招くという課題がある。
【0005】
上記の課題を解消するには、装置を長期稼動してもアーキングを発生させないことで、パーティクルの増加を抑制し、良品率・稼働率を上げる必要がある。そこで、本発明者らは、装置内の絶縁物の形状を改善してアーキングを抑制することで、装置を長期稼動してもパーティクルの増加を抑制できることを見出した。
【0006】
本発明の目的は、この原理にしたがってカーボン保護膜成膜時のパーティクルを減少させて上記の課題を解決したプラズマCVD装置、および当該装置を用いて磁気記録媒体にパーティクルが抑制された保護膜を形成する磁気記録媒体の保護膜形成方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明装置第1の態様では、電源装置から所定の電圧を印加されてエレクトロンを放出する電極と、前記エレクトロンと衝突するガスを閉じ込めるキャビティと、基板上に磁性層が形成された磁気記録媒体を前記キャビティ内で支持する手段とを備え、CVD法により前記磁性層上に保護膜を成膜するプラズマCVD装置において、前記キャビティ内の所定の金属部分と前記電極の間に介在する絶縁体を備え、該絶縁体は、前記所定の金属部分または前記電極と接触する部位の近傍に、前記所定の金属部分または前記電極に対して1.0〜1.5mm離間する第1空隙部および前記所定の金属部分または前記電極に対して1.5mmよりも長く離間し且つ該第1空隙部と連通する第2空隙部からなる空隙部が形成されており、前記接触する部位と前記第1空隙部の間に前記第2空隙部が位置する形態のプラズマCVD装置を実施した。
【0008】
上記第1の態様において、前記絶縁体にはさらに、前記接触する部位を挟んで前記第1空隙部および前記第2空隙部とそれぞれ対向する位置に、前記接触する部位に対して対称な形状の前記第3空隙部および前記第4空隙部が形成されていてよい
【0009】
また上記第1の態様において、前記第2空隙部は、前記1.5mmよりも長く前記所定の金属部分または前記電極から離間する離間長にわたって、前記第1空隙部の離間長である1.0〜1.5mmと同一の幅を有していてよい
【0010】
また、本発明装置の第2の態様では、電源装置から高周波電圧を印加されてエレクトロンを放出する電極と、前記エレクトロンと衝突するガスを閉じ込めるキャビティと、基板上に磁性層が形成された磁気記録媒体を前記キャビティ内で支持する手段とを備え、CVD法により前記磁性層上に保護膜を成膜するプラズマCVD装置において、前記キャビティ内の所定の金属部分と前記電極の間に介在する絶縁体を備え、該絶縁体はコの字状の断面形状を有しており、該コの字状の一方の側が前記所定の金属部分と接触し、該コの字状の別の側が前記電極と接触し、および、開口部の幅が1.0〜1.5mmである空隙部を形成されてなる形態のプラズマCVD装置を実施した。
【0011】
上記第1および第2の態様において、前記所定の金属部分はアース電位とされていてよい
【0012】
上記の目的を達成するために本発明方法では、上記第1乃至第2の態様のプラズマCVD装置を用いた磁気記録媒体の保護膜形成方法であって、前記支持する手段を用いて前記磁気記録媒体を前記キャビティ内の所定の位置で支持する第1ステップと、前記電極に前記所定の電圧または前記高周波電圧を印加して前記磁性層上に前記保護膜を成膜する第2ステップと、前記第2ステップにおいて成膜された前記保護膜上に液体潤滑層を形成する第3ステップを備えた磁気記録媒体の保護膜形成方法を実施した。
【0013】
上記各形態の本発明によれば、各請求項に記載の通りに形状改善された絶縁物を使用して磁性層上に保護膜を成膜することにより、長時間成膜を行った際にも、絶縁物に成膜されたDLC(Diamond−like Carbon)等による電流パスを形成することなく、パーティクルの原因となるアーキングが抑制される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係るプラズマCVD装置および磁気記録媒体の保護膜形成方法によって形成される磁気記録媒体は、非磁性基板上に順次積層された磁性層、カーボン保護膜、および液体潤滑層を有する。
【0015】
本発明で使用される非磁性基板は、アルミ合金、ガラス、プラスチック基板など、当業者が一般的に使用可能ないかなる非磁性基板でもよい。具体的なプラスチック基板としては、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミドなどから成る基板を使用することができる。
【0016】
基板は、2.5インチ、3インチ、3.3インチ、3.5インチ、5インチ、のいずれの大きさのディスク基板状であってもよい。また、その形態もディスク状に限らず、カード状、帯状などいかなる形態であってもよい。なお、ここで示した大きさは公称値であり、当該技術において汎用されているものであると理解されるべきである。
【0017】
本発明で使用される磁性膜は、記録層として使用できる強磁性金属を含む。具体的には、CoCrTaPt、CoCrTaPt−Cr、CoCrTaPt−SiO、CoCrTaPt−ZrO、CoCrTaPt−TiO、CoCrTaPt−Alなどを成分とする磁性膜を使用できる。
【0018】
磁性層の厚さは20nm以下とする必要があり、好ましくは10〜20nmである。磁性膜を複数用いた多層構造の記録層としてもよい。
【0019】
また、磁性層と基板の間に下地層を形成してもよい。下地層は、下地層を形成するため当業者が一般的に使用可能ないかなる成分から形成されてもよく、特に限定されない。具体的には、Cr、Cr−W、Cr−V、Cr−Mo、Cr−Si、Ni−Al、Co−Cr、Mo、W、Ptなどから形成される。
【0020】
下地層の厚さは20nm以下とする必要があり、好ましくは10〜20nmである。
【0021】
潤滑剤には、液体潤滑剤であるパーフルオロ・ポリエーテルが使用され、その中でもZ−dol(商品名、アウジモント社製)が望ましい。
【0022】
保護膜は、ヘッドによる衝撃や外界の腐食性物質などの腐食から、記録層を形成する磁性膜を保護する機能を有する。保護膜の厚さは8nm以下とする必要があり、好ましくは3〜8nmである。
【0023】
保護膜は、DLC(Diamond−like Carbon)をプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により成膜して得ることができる。プラズマCVD法とは、原料となるガスを、熱エネルギではなく、電磁気的なエネルギを加えて電子によって分解し、低温で薄膜を形成する方法である。具体的には、気相成長によって成膜成長を行うCVDに放電を行わせる装置を組み合わせた装置を用いて、プラズマCVD法による薄膜形成を行なうことができる。プラズマCVD法として、例えば、フィラメント方式イオンビーム−CVD、ホローカソード方式イオンビーム−CVD、高周波−CVD、電子ビーム励起プラズマ−CVDなどを挙げることができ、いずれの方法でDLCを成膜してもよい。
【0024】
DLCを成膜する際の原料ガスには、炭化水素系ガス、例えば、メタン(CH)、エチレン(C)、アセチレン(C)、トルエン(C)などを用いる。
【0025】
本出願人は、装置内の絶縁物の形状改善によって、記録媒体上のパーティクルを減少できることを見出した。すなわち、図1に示したように、電極面との接触部分の少なくとも一部分に最大で1.0〜1.5mmの隙間を設けた種々形状の絶縁物10a〜10dを使用してアーキングを抑制することで、記録媒体上で0.3μm以上の大きさのパーティクルが100個/(3.5インチ基板)以下となることが見出された。これら絶縁物10a〜10dは、バルク材の加工、または焼結によって作製した。
【0026】
アーキングの有無については、電流制御回路に電流計を接続してモニタリングし、15A以上の電流を検出したときにアーキングと判断した。また、保護膜表面のパーティクル数測定には光学式外観試験機を使用した。
【0027】
本発明で使用される絶縁物には、電極面との接触部分の少なくとも一部分に最大で1.0〜1.5mmの隙間を有する種々形状の間隙部15a〜15dが形成されている(図1参照)。隙間が1.0mm以下であるとカーボン膜の堆積により隙間が容易に埋まってしまい、隙間を設けていないときと同様にアーキングを発生させ、保護膜上のパーティクルを増加させてしまう。一方、隙間が1.5mm以上であるとプラズマが存在しやすい空間となってしまい、絶縁物の形状に沿ってカーボン膜が堆積してしまう。この結果アーキングを発生させ、やはり保護膜上のパーティクルを増加させることになる。
【0028】
以下、本発明に係る実施形態について詳細に説明するが、本発明はここに開示された実施形態のみに限定されるものではない。
【0029】
(実施形態1)
図2は本実施形態において用いる磁気記録媒体の一部の概略断面図である。
図2に示すように、磁気記録媒体1は、アルミ合金基板上2にNi−Pめっき3を施し、その上にスパッタ法で20nmのCr下地層4および20nmのCo磁性層5を成膜し、さらにその上に、以下に詳細に説明するフィラメント方式イオンビーム−CVDにより、エチレン(C)を原料に用いてDLC保護膜6を成膜したものである。
【0030】
図3はフィラメント方式イオンビーム−CVD装置の原理図であって、エチレンガス(C)を閉じ込めるキャビティ、磁気記録媒体をキャビティ内で所定位置に支持する手段、その他、プラズマCVD装置の周知の構成要素は図示を省略した。
【0031】
本実施形態の装置は、電力制御装置116より通電されるフィラメント110、パルス電源114より通電されるアノード電極111、支持手段(図示せず)により支持される基板113にバイアスを付与するバイアス電源115、マグネット112等を備える。
【0032】
上記構成を備えた本実施形態の装置が稼動すると、フィラメント110より発生した熱電子(エレクトロン)はアノード電圧によりアノード電極111側に引き付けられ、アノード電極111側から導入されたCガスと衝突する。このとき、プラズマを発生させる。マグネット112の磁力は、熱電子の飛行距離を長くして、ガスとの衝突回数を増加させる。プラズマ中のイオンはアノード電圧で後押しされ、さらに、予め支持されている基板113に印加された負のバイアスによって基板113に対し引き付けられる。
【0033】
図3では省略されているが、アノード電極111とマグネット112の間には絶縁物とアース電位金属が介在する。この様子を図3中、矢印A方向から示したものが図4(a)である。
【0034】
図4(a)において、400は形状変更をした絶縁物であり、アノード電極111とアース電位金属の間に介在する。ここで用いた絶縁物400は、大文字アルファベット「E」に類似の形状とされ、隙間距離dが1mmのものである。
【0035】
このような構成の装置を用いて膜厚8nmのDLC保護膜6を成膜した後、DLC保護膜6の表面に、Z−dol(商品名、アウジモント社製)を塗布して2nmの液体潤滑層を形成した。
【0036】
得られた磁気記録媒体を用いて信頼性試験をしたところ、3.5インチ基板で0.3μm以上の大きさのパーティクル数が40〜50個/面程度のものが多く、磁気ヘッドの浮上特性を示すGHT(Glide Height Test)の良品率も約90%であった。また、アーキング発生が抑制されるためにメンテナンス回数を減少できて、装置の稼働率も向上した。
【0037】
(実施形態2)
本実施形態では、実施形態1と同様に、アルミ合金基板上2に、Ni−Pめっき3を施し、その上にスパッタ法で20nmのCr下地層4および20nmのCo磁性層5を成膜した。さらにその上に、実施形態1のフィラメント方式イオンビーム−CVDに代えて、以下に詳細に説明するホローカソード方式イオンビーム−CVDにより、エチレン(C)を原料ガスに用いて磁気記録媒体1にDLC保護膜6を成膜した(図2参照)。
【0038】
図5はホローカソード方式−CVD装置の原理図であって、エチレンガス(C)を閉じ込めるキャビティ、磁気記録媒体をキャビティ内で所定位置に支持する手段、その他、プラズマCVD装置の周知の構成要素は図示を省略した。
【0039】
本実施形態の装置は、電源214により通電されるホローカソード210、アノード電極211、マグネット212等を備える。
【0040】
上記構成を備えた本実施形態の装置が稼動すると、ホローカソード210より発生した熱電子はアノード電圧によりアノード電極211側に引き付けられ、アノード電極211側から導入されたArガスと衝突し、Arを発生させ、アノード電圧により押し出されたArと衝突する。このとき、プラズマを発生させる。マグネット212の磁力は、プラズマ密度を制御する。プラズマ中のイオンはアノード電圧で予め支持されている基板213側へ押し出される。
【0041】
図5において、アース電位金属は図示を省略してあり、215および216は絶縁物であり、図中矢印D方向から見て同心円状に配置される。絶縁物215を例にとって詳細に示したものが図4(b)であり、図4(b)は図5中の破線B部分の拡大図である。図中2つある絶縁物216のうち左側について示すと、図4(b)を水平方向に反転した図となる。
【0042】
図4(b)において、アノード電極211とアース電位金属間に絶縁物215が介在する。絶縁物215は、カタカナの「コ」の字状の部分と、「コ」の字状部分の一端に垂直に連続する直線状部分からなる形状とされ、隙間距離dが1mmのものである。
【0043】
このような構成の装置を用いて膜厚8nmのDLC保護膜6を成膜した後、DLC保護膜6の表面に、Z−dol(商品名、アウジモント社製)を塗布して2nmの液体潤滑層を形成した。
【0044】
得られた磁気記録媒体を用いて信頼性試験をしたところ、3.5インチ基板で0.3μm以上の大きさのパーティクル数が40〜50個/面程度のものが多く、磁気ヘッドの浮上特性を示すGHTの良品率も約90%であった。また、アーキング発生が抑制されるためにメンテナンス回数を減少できて、装置の稼働率も向上した。
【0045】
(実施形態3)
本実施形態では、実施形態1および2と同様に、アルミ合金基板上2に、Ni−Pめっき3を施し、その上にスパッタ法で20nmのCr下地層4および20nmのCo磁性層5を成膜した。さらにその上に、実施形態1のフィラメント方式イオンビーム−CVDに代えて、以下に説明する高周波−CVDにより、エチレン(C)を原料ガスを用いてDLC保護膜6を成膜した(図2参照)。
【0046】
図6は高周波−CVD装置の原理図であって、エチレンガス(C)を閉じ込めるキャビティ、磁気記録媒体をキャビティ内で所定位置に支持する手段、その他、プラズマCVD装置の周知の構成要素は図示を省略した。
【0047】
本実施形態の装置は、高周波電源314a,bより高周波電圧を印加される高周波電極311a,bを対向配置されており、支持手段(図示せず)により支持される基板313にバイアスを付与するバイアス電源315等を備える。高周波電極311a,bはメッシュ状にガス吹き出し口を持つ。
【0048】
上記構成を備えた本実施形態の装置が稼動すると、基板313を挟んで平行に向かい合った高周波電極311間に、高周波電源314からパワーが印加される。そして、高周波電極311a,bのガス吹き出し口からエチレンガス(C)を導入し、プラズマを発生させる。プラズマ中のイオンは基板313に印加された負のバイアスにより引き付けられる。
【0049】
では省略されているが、高周波電極311a,bの図中外側には絶縁物とアース電位金属が設けられる。この様子を高周波電極311bを例に、図6中破線C部分について拡大して示したものが図4(c)である。なお、絶縁物は高周波電極311a,bの外側のどの位置に設けても良いし、各電極について複数設けても良い。
【0050】
図4(c)において、高周波電極311bとアース電位金属間に絶縁物410が介在する。絶縁物410は、カタカナの「コ」の字に類似の形状とされ、隙間距離dが1mmのものである。
【0051】
このような構成の装置を用いて膜厚8nmのDLC保護膜6を成膜した後、DLC保護膜6の表面に、Z−dol(商品名、アウジモント社製)を塗布して2nmの液体潤滑層を形成した。
【0052】
得られた磁気記録媒体を用いて信頼性試験をしたところ、3.5インチ基板で0.3μm以上の大きさのパーティクル数が40〜50個/面程度のものが多く、磁気ヘッドの浮上特性を示すGHTの良品率も約90%であった。また、アーキング発生が抑制されるためにメンテナンス回数を減少できて、装置の稼働率も向上した。
【0053】
なお、実施形態1〜3では絶縁体の隙間部が直線状で、かつ、その対向面が平行な例を実施したが、図1を参照して説明した形状でも上記各実施形態と同様の効果が得られる。
【0054】
(比較例1)
本比較例は、形状改善をしていない絶縁物(図7)を用いてカーボン保護膜の成膜を行ったものである。この絶縁物は、図7中に矢印で示すように絶縁体上に電流パスができ、アーキングが多発し、このときに成膜されたサンプルはパーティクルが多くなる。
【0055】
次に、DLC保護膜表面に、Z−dol(商品名、アウジモント社製)を塗布して2nmの液体潤滑層を形成した。
【0056】
得られた磁気記録媒体を用いて信頼性試験をしたところ、3.5インチ基板で0.3μm以上の大きさのパーティクル数が1000個/面と非常に多く、GHTの良品率は0%であった。
【0057】
【発明の効果】
本発明に係るプラズマCVD装置および磁気記録媒体の保護膜形成方法によれば、プラズマCVD法による磁気記録媒体のカーボン保護膜成膜において、装置内の絶縁物の形状を改善することにより、絶縁物に成膜されたカーボン膜が電流のパスとなることを防ぎ、アーキングの発生を抑制して、カーボン保護膜上のパーティクルを減少させ、ヘッド浮上特性の良品率を向上させることができる。さらに、カーボン膜の堆積が原因であるアーキング発生を抑制することにより、装置のメンテナンス回数を少なくすることができ、稼働率を向上させることができる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマCVD装置に適用可能な絶縁物の断面形状を示す断面図である。
【図2】本発明に適用される磁気記録媒体の断面概略図である。
【図3】フィラメント方式イオンビーム−CVD装置の原理図である。
【図4】各実施形態における絶縁物と電極の関係を示す説明図である。
【図5】ホローカソード方式イオンビーム−CVD装置の原理図である。
【図6】高周波−CVD装置の原理図である。
【図7】形状改善無し絶縁物と電極との関係と電流パスを比較のために示す説明図である。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体
2 非磁性基板(アルミ合金)
3 めっき層(Ni−Pめっき)
4 下地層(Cr)
5 磁性層(Co)
6 DLC保護膜
10a〜10d,215,216,400,410 絶縁物
15a〜15d 間隙部
110 フィラメント
111 アノード電極
112,212 マグネット
113,213,313 基板
114,214 電源
115,315 バイアス電源
116 電力制御装置
210 ホローカソード
211 アノード電極
311a,b 高周波電極
314a,b 高周波電源

Claims (6)

  1. 電源装置から所定の電圧を印加されてエレクトロンを放出する電極と、前記エレクトロンと衝突するガスを閉じ込めるキャビティと、基板上に磁性層が形成された磁気記録媒体を前記キャビティ内で支持する手段とを備え、CVD法により前記磁性層上に保護膜を成膜するプラズマCVD装置において、
    前記キャビティ内の所定の金属部分と前記電極の間に介在する絶縁体を備え、
    該絶縁体は、前記所定の金属部分または前記電極と接触する部位の近傍に、前記所定の金属部分または前記電極に対して1.0〜1.5mm離間する第1空隙部および前記所定の金属部分または前記電極に対して1.5mmよりも長く離間し且つ該第1空隙部と連通する第2空隙部からなる空隙部が形成されており、前記接触する部位と前記第1空隙部の間に前記第2空隙部が位置することを特徴とするプラズマCVD装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマCVD装置において、
    前記絶縁体にはさらに、前記接触する部位を挟んで前記第1空隙部および前記第2空隙部とそれぞれ対向する位置に、前記接触する部位に対して対称な形状の前記第3空隙部および前記第4空隙部が連通して形成されていることを特徴とするプラズマCVD装置。
  3. 請求項1または2に記載のプラズマCVD装置において、
    前記第2空隙部は、前記1.5mmよりも長く前記所定の金属部分または前記電極から離間する離間長にわたって、前記第1空隙部の離間長である1.0〜1.5mmと同一の幅を有していることを特徴とするプラズマCVD装置。
  4. 電源装置から高周波電圧を印加されてエレクトロンを放出する電極と、前記エレクトロンと衝突するガスを閉じ込めるキャビティと、基板上に磁性層が形成された磁気記録媒体を前記キャビティ内で支持する手段とを備え、CVD法により前記磁性層上に保護膜を成膜するプラズマCVD装置において、
    前記キャビティ内の所定の金属部分と前記電極の間に介在する絶縁体を備え、
    該絶縁体はコの字状の断面形状を有しており、該コの字状の一方の側が前記所定の金属部分と接触し、該コの字状の別の側が前記電極と接触し、および、開口部の幅が1.0〜1.5mmである空隙部を形成されてなることを特徴とするプラズマCVD装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のプラズマCVD装置において、前記所定の金属部分はアース電位とされることを特徴とするプラズマCVD装置。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載のプラズマCVD装置を用いた磁気記録媒体の保護膜形成方法であって、
    前記支持する手段を用いて前記磁気記録媒体を前記キャビティ内の所定の位置で支持する第1ステップと、
    前記電極に前記所定の電圧または前記高周波電圧を印加して前記磁性層上に前記保護膜を成膜する第2ステップと
    前記第2ステップにおいて成膜された前記保護膜上に液体潤滑層を形成する第3ステップ
    を備えたことを特徴とする磁気記録媒体の保護膜形成方法。
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