以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態における、信号調整装置1000の構成を示すブロック図である。図1を参照して、信号調整装置1000は、周波数分離部110を備える。
周波数分離部110は、テスト画像の1ラインの信号であるテスト信号TESSIGを受信する。なお、テスト信号TESSIGは、テスト画像のR,G,B成分のうち、たとえば、R成分の信号であるとする。
図2は、テスト画像およびテスト画像を示す信号の波形図である。図2(A)は、一例としてのテスト画像G100を示す図である。図2(A)を参照して、テスト画像G100は、たとえば、各々が同じ面積を有する、左上、右上、左下、右下の領域に分割される。テスト画像G100内の左上の領域には、縦方向に向かって、たとえば、1画素毎に、白と黒とが交互に配置される。テスト画像G100内の右上の領域(以下、テスト画像右上領域ともいう)には、横方向に向かって、たとえば、1画素毎に、白と黒とが交互に配置される。
テスト画像G100内の左下の領域は、テスト画像G100内の右上の領域と同様なので詳細な説明は繰り返さない。テスト画像G100内の右下の領域は、テスト画像G100内の左上の領域と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
テスト画像G100は、信号調整装置1000の外部に設けられた、図示しないテスト画像生成装置が生成する。テスト画像生成装置は、信号調整装置1000とアナログの信号ケーブルで接続される。テスト画像生成装置は、テスト画像G100内の上から下に向かう1ライン毎に、テスト画像G100の1ラインの信号(以下、オリジナル信号ともいう)を、信号ケーブルを介して、信号調整装置1000へ送信する。
図2(B)は、一例としてのオリジナル信号ORSIGの波形図である。図2(B)を参照して、オリジナル信号ORSIGは、テスト画像G100内の、たとえば、ラインL1の画像を示す信号の波形図である。
図2(C)は、テスト信号TESSIGの波形図である。テスト信号TESSIGは、オリジナル信号ORSIGが、前述の信号ケーブルを介して、信号調整装置1000に入力されるときの信号である。
図2(C)を参照して、前述したように、テスト画像右上領域は1画素毎に、白と黒とが交互に配置される、すなわち、高周波成分を含むので、オリジナル信号ORSIGのうちの、テスト画像右上領域に対応する部分の信号は、図2(C)に示されるように、信号ケーブルの特性により、オリジナル信号ORSIGよりも、減衰してしまう。
再び、図1を参照して、周波数分離部110は、受信した信号を、高周波成分を含む信号と、低周波成分を含む信号とに分離する機能を有する。具体的には、周波数分離部110は、受信したテスト信号TESSIGを、所定の周波数成分より大きい周波数成分を含む高周波信号HFQSIGと、所定の周波数成分以下の周波数成分を含む低周波信号LFQSIGとに分離する。テスト信号TESSIGの周波数が、たとえば、60MHzである場合、所定の周波数成分とは、たとえば、20MHzの周波数成分とする。これは、60MHzの半分の30MHz付近の信号と、15MHz以下の信号とを分離するためである。なお、所定の周波数成分は、20MHzの周波数成分に限定されることなく、他の値の周波数成分であってもよい。
図3は、信号の波形図である。図3(A)は、高周波信号HFQSIGの波形図である。図3(B)は、低周波信号LFQSIGの波形図である。
再び、図1を参照して、信号調整装置1000は、さらに、制御部120と、ゲイン調整部130A,130Bと、加算部190とを備える。
周波数分離部110は、高周波信号HFQSIGを、ゲイン調整部130Aおよび制御部120へ送信する。また、周波数分離部110は、低周波信号LFQSIGを、ゲイン調整部130Bおよび制御部120へ送信する。
制御部120は、信号調整装置1000の内部の各部に対する各種処理や、演算処理等を行なう機能を有する。制御部120は、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、その他の演算機能を有する回路のいずれであってもよい。
制御部120は、受信した高周波信号HFQSIGおよび低周波信号LFQSIGの各々の最大値を判定する。高周波信号HFQSIGの最大値とは、図3(A)の波形図における、最も大きい振幅H1の値である。低周波信号LFQSIGの最大値とは、図3(B)の波形図における、振幅H2の値である。なお、振幅H2は、低周波信号LFQSIGにおける、オーバーシュートが発生している部分を除く、振幅が安定した部分のうち、最も大きい振幅の値である。
そして、制御部120は、高周波信号HFQSIGのレベルの最大値(H1)と、低周波信号LFQSIGのレベルの最大値(H2)とを比較する。制御部120は、高周波信号HFQSIGの最大値(H1)および低周波信号LFQSIGの最大値(H2)のいずれかが大きい場合、大きいと判定した信号の最大値を、小さいと判定した信号の最大値で除算することにより、増幅度(ゲイン)を算出する。
たとえば、H1<H2の場合、制御部120は、H2/H1により、増幅度(ゲイン)を算出する。ここで、算出された増幅度は、たとえば、“1.2”であるとする。
そして、制御部120は、高周波信号HFQSIGが入力されるゲイン調整部130Aの増幅度を、“1.2”に設定する。また、制御部120は、低周波信号LFQSIGが入力されるゲイン調整部130Bの増幅度を、“1.0”に設定する。
ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの各々は、制御部120に設定された増幅度に基づいて、受信した信号を増幅させる。なお、ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの各々は、初期状態では、受信した信号を増幅せずにそのまま出力する。すなわち、ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの各々の増幅度は、初期状態では、“1.0”である。
ゲイン調整部130Aは、高周波信号HFQSIGの振幅を1.2倍にしたゲイン調整信号HFQASIGを、加算部190へ送信する。また、ゲイン調整部130Bは、低周波信号LFQSIGを、そのまま、ゲイン調整信号LFQASIGとして、加算部190へ送信する。
再び、図3を参照して、図3(C)は、ゲイン調整信号HFQASIGの波形図である。図3(D)は、ゲイン調整信号LFQASIGの波形図である。
再び、図1を参照して、加算部190は、受信したゲイン調整信号HFQASIGとゲイン調整信号LFQASIGとを加算した出力信号OUTSIGを出力する。
図4は、出力信号OUTSIGの波形図である。
次に、信号調整装置1000が、テスト信号TESSIGに基づいてゲイン調整を行なう処理(以下、ゲイン調整処理ともいう)について説明する。なお、ゲイン調整処理とは、独立して並列的に、後述する増幅度算出処理も行なわれる。
図5は、ゲイン調整処理および増幅度算出処理のフローチャートである。図5を参照して、ステップS110では、周波数分離回路110が、前述した、図示しないテスト画像生成装置から、テスト信号TESSIGを受信する。その後、ステップS120に進む。
ステップS120では、周波数分離部110が、受信したテスト信号TESSIGを、前述したように、高周波信号HFQSIGと、低周波信号LFQSIGとに分離する。なお、詳細な説明は、前述したのと同様なので繰り返さない。そして、周波数分離部110は、高周波信号HFQSIGを、ゲイン調整部130Aおよび制御部120へ送信する。また、周波数分離部110は、低周波信号LFQSIGを、ゲイン調整部130Bおよび制御部120へ送信する。その後、ステップS130に進む。
なお、ゲイン調整処理とは独立して並列的に、増幅度算出処理が行なわれる。増幅度算出処理において、ステップS180では、信号レベルの判定が行なわれる。具体的には、制御部120が、高周波信号HFQSIGおよび低周波信号LFQSIGのレベルを判定する。その後、ステップS182に進む。
ステップS182では、増幅度算出処理が行なわれる。増幅度算出処理では、制御部120が、前述したように、高周波信号HFQSIGのレベルの最大値(H1)と、低周波信号LFQSIGのレベルの最大値(H2)とを比較する。制御部120は、高周波信号HFQSIGの最大値(H1)および低周波信号LFQSIGの最大値(H2)のいずれかが大きい場合、大きいと判定した信号の最大値を、小さいと判定した信号の最大値で除算することにより、増幅度(ゲイン)を算出する。その後、ステップS184に進む。
ステップS184では、増幅度の設定が行なわれる。具体的には、制御部120が、前述したように、高周波信号HFQSIGが入力されるゲイン調整部130Aの増幅度を設定する。また、制御部120は、前述したように、低周波信号LFQSIGが入力されるゲイン調整部130Bの増幅度を設定する。その後、この増幅度算出処理は、終了する。この増幅度算出処理は、テスト信号TESSIGが入力される毎に、繰返し行なわれる。
ゲイン調整処理のステップS130では、ゲイン調整が行なわれる。具体的には、ゲイン調整部130Aが、前述したように、高周波信号HFQSIGの振幅を、前述のステップS184の処理において制御部120により設定された増幅度で増幅したゲイン調整信号HFQASIGを、加算部190へ送信する。また、ゲイン調整部130Bは、前述したように、低周波信号LFQSIGを、そのまま、ゲイン調整信号LFQASIGとして、加算部190へ送信する。その後、ステップS140に進む。
ステップS140では、加算処理が行なわれる。加算処理では、加算部190が、前述したように、受信したゲイン調整信号HFQASIGとゲイン調整信号LFQASIGとを加算した出力信号OUTSIGを出力する。その後,ステップS150に進む。
ステップS150では、制御部120により、図示しないテスト画像生成装置から、全てのテスト信号TESSIGを受信したか否かが判定される。ここで、全てのテスト信号TESSIGとは、テスト画像の全ラインの信号である。ステップS150において、YESならば、このゲイン調整処理は終了する。一方、ステップS150において、NOならば、再度、ステップS110の処理が行なわれる。
以上のゲイン調整処理および増幅度算出処理を、テスト画像のG成分、B成分に対しても、前述した処理と同様に行なうことで、テスト画像に基づくゲイン調整が終了する。
以上説明したように、本実施の形態では、ゲイン調整を行なうための信号を、各々が、異なる周波数成分を有する複数の信号に分離する。そして、複数の信号の各々毎に、増幅度を算出して、必要に応じて、対応する増幅度で信号の増幅を行なう。そして、分離した信号を加算する。
したがって、本実施の形態における、信号調整装置1000は、低周波成分を有する信号だけでなく、高周波成分を含む信号も、独立して、適切にゲイン調整を行なうことができる。その結果、高精度なゲイン調整を行なうことができるという効果を奏する。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、加算部に入力される直前の信号に基づいて、信号の増幅度を設定していなかったため、加算部により加算されたる複数の信号にそれぞれ対応する最大値が、必ずしも一致するとは限らなかった。
本実施の形態では、加算部に入力される直前の信号に基づいて、信号の増幅度を設定する信号調整装置ついて説明する。
図6は、第2の実施の形態における、信号調整装置1000Aの構成を示すブロック図である。図6を参照して、信号調整装置1000Aは、図1の信号調整装置1000と比較して、高周波信号HFQSIGおよび低周波信号LFQSIGが制御部120に入力されない点と、ゲイン調整信号HFQASIGおよびゲイン調整信号LFQASIGが、制御部120に入力される点とが異なる。それ以外は、信号調整装置1000と同様なので、詳細な説明は繰り返さない。
次に、信号調整装置1000Aの処理について説明する。
周波数分離部110には、前述したテスト画像G100の1ラインの信号であるテスト信号TESSIGが入力される。テスト信号TESSIGは、テスト画像G100のR,G,B成分のうち、たとえば、R成分の信号であるとする。
周波数分離部110は、受信したテスト信号TESSIGを、前述したように、所定の周波数成分より大きい周波数成分を含む高周波信号HFQSIGと、所定の周波数成分以下の周波数成分を含む低周波信号LFQSIGとに分離する。この場合、高周波信号HFQSIGの波形図は、たとえば、図3(A)であるとする。また、低周波信号LFQSIGの波形図は、たとえば、図3(B)であるとする。
そして、周波数分離部110は、高周波信号HFQSIGおよび低周波信号LFQSIGを、それぞれ、ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bへ送信する。ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの各々は、制御部120に設定された増幅度に基づいて、受信した信号を増幅させる。
ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの各々の増幅度は、前述したように、初期状態では、“1.0”である。したがって、ゲイン調整部130Aは、初めて高周波信号HFQSIGを受信した場合、受信した高周波信号HFQSIGを、そのまま、ゲイン調整信号HFQASIGとして、加算部190および制御部120へ送信する。
また、ゲイン調整部130Bは、初めて低周波信号LFQSIGを受信した場合、受信した低周波信号LFQSIGを、そのまま、ゲイン調整信号LFQASIGとして、加算部190および制御部120へ送信する。この場合、ゲイン調整信号HFQASIGの波形図は、たとえば、図3(A)であるとする。また、ゲイン調整信号LFQASIGの波形図は、たとえば、図3(B)であるとする。
そして、加算部190は、受信したゲイン調整信号HFQASIGとゲイン調整信号LFQASIGとを加算した出力信号OUTSIGを出力する。
また、制御部120は、受信したゲイン調整信号HFQASIGおよびゲイン調整信号LFQASIGの各々の最大値を判定する。ゲイン調整信号HFQASIGの最大値とは、図3(A)の波形図における、最も大きい振幅H1の値である。ゲイン調整信号LFQASIGの最大値とは、図3(B)の波形図における、振幅H2の値である。なお、振幅H2は、前述したように、低周波信号LFQSIGにおける、オーバーシュートが発生している部分を除く、振幅が安定した部分のうち、最も大きい振幅の値である。
そして、制御部120は、ゲイン調整信号HFQASIGのレベルの最大値(H1)と、ゲイン調整信号LFQASIGのレベルの最大値(H2)とを比較する。制御部120は、ゲイン調整信号HFQASIGの最大値(H1)およびゲイン調整信号LFQASIGの最大値(H2)のいずれかが大きい場合、大きいと判定した信号の最大値を、小さいと判定した信号の最大値で除算することにより、増幅度(ゲイン)を算出する。
たとえば、前述したように、H1<H2の場合、制御部120は、H2/H1により、増幅度(ゲイン)を算出する。ここで、算出された増幅度は、たとえば、“1.2”であるとする。
そして、制御部120は、高周波信号HFQSIGが入力されるゲイン調整部130Aの増幅度を、“1.2”に設定する。また、制御部120は、低周波信号LFQSIGが入力されるゲイン調整部130Bの増幅度を、“1.0”に設定する。
ゲイン調整部130Aは、高周波信号HFQSIGの振幅を1.2倍にしたゲイン調整信号HFQASIGを、加算部190および制御部120へ送信する。また、ゲイン調整部130Bは、低周波信号LFQSIGを、そのまま、ゲイン調整信号LFQASIGとして、加算部190および制御部120へ送信する。
この場合、ゲイン調整信号HFQASIGの波形図は、たとえば、図3(C)であるとする。また、ゲイン調整信号LFQASIGの波形図は、たとえば、図3(D)であるとする。
そして、制御部120は、再度、ゲイン調整信号HFQASIGの最大値(H1)と、ゲイン調整信号LFQASIGの最大値(H2)とを比較し、H1とH2とが一致するか否かを判定する。H1とH2とが一致していなかった場合、再度、前述したように、増幅度(ゲイン)を算出する。そして、算出した増幅度に基づいて、前述したように、ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの増幅度を設定する。以上の処理を、H1とH2とが一致するまで繰り返す。
H1とH2とが一致すると、制御部120は、ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの増幅度の変更は行なわない。すなわち、ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの増幅度が確定される。
そして、加算部190は、受信したゲイン調整信号HFQASIGとゲイン調整信号LFQASIGとを加算した出力信号OUTSIGを出力する。この場合、出力信号OUTSIGの波形図は、たとえば、図4のようになる。
次に、信号調整装置1000Aが、テスト信号TESSIGに基づいてゲイン調整を行なう処理(以下、ゲイン調整処理Aともいう)について説明する。
図7は、ゲイン調整処理Aのフローチャートである。図7を参照して、ステップS210では、周波数分離回路110が、前述した、図示しないテスト画像生成装置から、テスト信号TESSIGを受信する。その後、ステップS220に進む。
ステップS220では、周波数分離部110が、受信したテスト信号TESSIGを、前述したように、高周波信号HFQSIGと、低周波信号LFQSIGとに分離する。なお、詳細な説明は、前述したのと同様なので繰り返さない。そして、周波数分離部110は、高周波信号HFQSIGおよび低周波信号LFQSIGを、それぞれ、ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bへ送信する。その後、ステップS230に進む。
ステップS230では、ゲイン調整が行なわれる。具体的には、ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの各々が、制御部120に設定された増幅度に基づいて、受信した信号を増幅させる。ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの各々の増幅度は、前述したように、初期状態では、“1.0”である。したがって、初めて、ステップS230の処理が行なわれる場合、ゲイン調整部130Aは、受信した高周波信号HFQSIGを、そのまま、ゲイン調整信号HFQASIGとして、加算部190および制御部120へ送信する。また、ゲイン調整部130Bは、受信した低周波信号LFQSIGを、そのまま、ゲイン調整信号LFQASIGとして、加算部190および制御部120へ送信する。その後、ステップS232に進む。
ステップS232では、制御部120が、受信したゲイン調整信号HFQASIGおよびゲイン調整信号LFQASIGにそれぞれ対応する複数のレベルの最大値が一致するか否かを判定する。ゲイン調整信号HFQASIGおよびゲイン調整信号LFQASIGのレベルの最大値の説明は、前述したので、詳細な説明は繰り返さない。ステップS232において、YESならば、ステップS240に進む。一方、ステップS232において、NOならば、ステップS233に進む。
ステップS233では、信号レベルの判定が行なわれる。具体的には、制御部120が、ゲイン調整信号HFQASIGおよびゲイン調整信号LFQASIGのレベルを判定する。その後、ステップS234に進む。
ステップS234では、制御部120が、増幅度の算出を行なう。具体的には、前述したように、制御部120が、ゲイン調整信号HFQASIGの最大値(H1)およびゲイン調整信号LFQASIGの最大値(H2)のいずれかが大きい場合、大きいと判定した信号の最大値を、小さいと判定した信号の最大値で除算することにより、増幅度(ゲイン)を算出する。たとえば、前述したように、H1<H2の場合、制御部120は、H2/H1により、増幅度(ゲイン)を算出する。ここで、算出された増幅度は、たとえば、“1.2”であるとする。その後、ステップS236に進む。
ステップS236では、増幅度の設定が行なわれる。具体的には、制御部120が、高周波信号HFQSIGが入力されるゲイン調整部130Aの増幅度を、ステップS234で算出した値(たとえば、“1.2”)に設定する。また、制御部120は、低周波信号LFQSIGが入力されるゲイン調整部130Bの増幅度を、“1.0”に設定する。その後、再度、ステップS230に進む。
ステップS230では、ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの各々が、制御部120に設定された増幅度に基づいて、受信した信号を増幅させる。ステップS230の処理が行なわれるのが初めてでない場合、ゲイン調整部130Aは、高周波信号HFQSIGの振幅を、設定された増幅度(1.2)倍にしたゲイン調整信号HFQASIGを、加算部190および制御部120へ送信する。また、ゲイン調整部130Bは、低周波信号LFQSIGを、そのまま、ゲイン調整信号LFQASIGとして、加算部190および制御部120へ送信する。その後、前述のステップS232の処理が行なわれる。
すなわち、ステップS230,S232,S234,S236の処理により、受信したゲイン調整信号HFQASIGおよびゲイン調整信号LFQASIGにそれぞれ対応する複数の最大値が一致するまで、増幅度(ゲイン)の調整が行なわれる。H1とH2とが一致すると、制御部120は、ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの増幅度の変更は行なわない。すなわち、イン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの増幅度が確定される。
ステップS232において、YESと判定されると、ステップS240に進む。
ステップS240では、加算処理が行なわれる。加算処理では、加算部190が、前述したように、受信したゲイン調整信号HFQASIGとゲイン調整信号LFQASIGとを加算した出力信号OUTSIGを出力する。その後,ステップS250に進む。
ステップS250では、制御部120により、図示しないテスト画像生成装置から、全てのテスト信号TESSIGを受信したか否かが判定される。ここで、全てのテスト信号TESSIGとは、テスト画像の全ラインの信号である。ステップS250において、YESならば、このゲイン調整処理Aは終了する。一方、ステップS250において、NOならば、再度、ステップS210の処理が行なわれる。
以上のゲイン調整処理Aを、テスト画像のG成分、B成分に対しても、前述した処理と同様に行なうことで、テスト画像に基づくゲイン調整が終了する。
以上説明したように、本実施の形態では、ゲイン調整を行なうための信号を、各々が、異なる周波数成分を有する複数の信号に分離する。分離された複数の信号は、設定された増幅度で増幅され、加算される。
本実施の形態では、分離された複数の信号が加算される直前の複数の信号の各々の最大値に基づいて、複数の信号にそれぞれ対応する複数の最大値が一致するまで、増幅度(ゲイン)の調整を行なう。そして、複数の信号にそれぞれ対応する複数の最大値が一致する、複数の信号を加算する。
したがって、本実施の形態における、第1の実施の形態よりも高精度に、低周波成分を有する信号だけでなく、高周波成分を含む信号も、独立して、適切にゲイン調整を行なうことができる。その結果、第1の実施の形態よりもさらに高精度なゲイン調整を行なうことができるという効果を奏する。
<第2の実施の形態の変形例>
第2の実施の形態では、制御部120は、アナログ信号に基づいて、増幅度を設定していた。アナログ信号は、ノイズ等の影響を受けやすい。そのため、アナログ信号がノイズ等の影響を受けた場合、制御部120は、正確な増幅度を算出することができない。本実施の形態では、デジタルデータに基づいて、増幅度を設定する信号調整装置ついて説明する。
図8は、第2の実施の形態の変形例における、信号調整装置1000Bの構成を示すブロック図である。図8を参照して、信号調整装置1000Bは、図6の信号調整装置1000Aと比較して、A/D変換部140A,140Bをさらに備える点と、加算部190の代わりに加算部192を備える点とが異なる。
また、信号調整装置1000Bは、信号調整装置1000Aと比較して、高周波信号HFQSIGおよび低周波信号LFQSIGが、それぞれ、A/D変換部140AおよびA/D変換部140Bに入力される点と、A/D変換部140A,140Bの各々の出力信号が、制御部120および加算部192に入力される点とが異なる。それ以外の構成は、信号調整装置1000Aと同様なので、詳細な説明は繰り返さない。
本実施の形態では、第2の実施の形態の信号調整装置1000Aの処理と比較して、異なる処理を主に説明する。
ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの各々は、前述したように、制御部120に設定された増幅度に基づいて、受信した信号を増幅させる。ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの各々の増幅度は、前述したように、初期状態では、“1.0”である。したがって、ゲイン調整部130Aは、初めて高周波信号HFQSIGを受信した場合、受信した高周波信号HFQSIGを、そのまま、ゲイン調整信号HFQASIGとして、A/D変換部140Aへ送信する。
また、ゲイン調整部130Bは、初めて低周波信号LFQSIGを受信した場合、受信した低周波信号LFQSIGを、そのまま、ゲイン調整信号LFQASIGとして、A/D変換部140Bへ送信する。この場合、ゲイン調整信号HFQASIGの波形図は、たとえば、図3(A)であるとする。また、ゲイン調整信号LFQASIGの波形図は、たとえば、図3(B)であるとする。
A/D変換部140Aは、受信したゲイン調整信号HFQASIGを、デジタルデータを示すデジタル信号HFQDSIGに変換する。ここで、デジタル信号HFQDSIGが示すデジタルデータの値は、たとえば、“0”〜“255”の範囲の値である。たとえば、ゲイン調整信号HFQASIGが、0V〜5Vの範囲で振幅する信号であるなら、A/D変換部140Aは、ゲイン調整信号HFQASIGのn(0以上の整数)Vの値を、n/5×255により求められる値に変換したデータを示すデジタル信号HFQDSIGを生成する。たとえば、ゲイン調整信号HFQASIGの5Vの値は、デジタル信号HFQDSIGにより255として表現される。
そして、A/D変換部140Aは、デジタル信号HFQDSIGを、加算部192および制御部120へ送信する。
また、A/D変換部140Bは、A/D変換部140Aと同様に、受信したゲイン調整信号LFQASIGを、デジタルデータを示すデジタル信号LFQDSIGに変換する。そして、A/D変換部140Bは、デジタル信号LFQDSIGを、加算部192および制御部120へ送信する。
そして、加算部192は、受信したデジタル信号HFQDSIGとデジタル信号LFQDSIGとを加算した出力信号OUTSIGを出力する。なお、出力信号OUTSIGは、出力先の回路がアナログ信号を受信する回路であれば、加算部192により、デジタル信号からアナログ信号に変換された信号となる。この場合、加算部192は、D/A変換を行なう機能を有することとなる。
また、制御部120は、受信したデジタル信号HFQDSIGおよびデジタル信号LFQDSIGの各々の最大値を判定する。デジタル信号HFQDSIGの最大値とは、図3(A)の波形図における、最も大きい振幅H1に対応するデジタルデータの値(以下、データHD1ともいう)である。データHD1の値は、たとえば、230である。デジタル信号LFQDSIGの最大値とは、図3(B)の波形図における、振幅H2に対応するデジタルデータの値(以下、データHD2ともいう)である。データHD2の値は、たとえば、255である。なお、振幅H2は、前述したように、ゲイン調整信号LFQASIGにおける、オーバーシュートが発生している部分を除く、振幅が安定した部分のうち、最も大きい振幅の値である。
そして、制御部120は、データHD1の値と、データHD2の値とを比較する。制御部120は、データHD1の値およびデータHD2のいずれかが大きい場合、大きいと判定したデータの値を、小さいと判定したデータの値で除算することにより、増幅度(ゲイン)を算出する。
たとえば、前述したように、HD1<HD2の場合、制御部120は、HD2/HD1により、増幅度(ゲイン)を算出する。ここで、算出された増幅度は、たとえば、“1.2”であるとする。
そして、制御部120は、高周波信号HFQSIGが入力されるゲイン調整部130Aの増幅度を、“1.2”に設定する。また、制御部120は、低周波信号LFQSIGが入力されるゲイン調整部130Bの増幅度を、“1.0”に設定する。
ゲイン調整部130Aは、高周波信号HFQSIGの振幅を1.2倍にしたゲイン調整信号HFQASIGを、A/D変換部140Aへ送信する。また、ゲイン調整部130Bは、低周波信号LFQSIGを、そのまま、ゲイン調整信号LFQASIGとして、A/D変換部140Bへ送信する。
A/D変換部140Aは、前述した処理を行ない、デジタル信号HFQDSIGを、加算部192および制御部120へ送信する。また、A/D変換部140Bは、前述した処理を行ない、デジタル信号LFQDSIGを、加算部192および制御部120へ送信する。
そして、制御部120は、再度、データHD1と、データHD2とを比較し、H1とH2とが一致するか否かを判定する。データHD1の値とデータHD2の値とが一致していなかった場合、再度、前述したように、増幅度(ゲイン)を算出する。そして、算出した増幅度に基づいて、前述したように、ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの増幅度を設定する。以上の処理を、データHD1の値とデータHD2の値とが一致するまで繰り返す。
データHD1の値とデータHD2の値とが一致すると、制御部120は、ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの増幅度の変更は行なわない。すなわち、ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの増幅度が確定される。
そして、加算部192は、受信したデジタル信号HFQDSIGとデジタル信号LFQDSIGとを加算した出力信号OUTSIGを出力する。なお、出力信号OUTSIGは、出力先の回路がアナログ信号を受信する回路であれば、加算部192により、デジタル信号からアナログ信号に変換された信号となる。この場合、加算部192は、D/A変換を行なう機能を有することとなる。
次に、信号調整装置1000Bが、テスト信号TESSIGに基づいてゲイン調整を行なう処理(以下、ゲイン調整処理Bともいう)について説明する。
図9は、ゲイン調整処理Bのフローチャートである。図9を参照して、ステップS310では、図7のステップS210と同様な処理が行なわれるので詳細な説明は繰り返さない。その後、ステップS320に進む。
ステップS320では、前述のステップS220と同様な処理が行なわれるので詳細な説明は繰り返さない。その後、ステップS330に進む。
ステップS330では、前述のステップS230と同様な処理が行なわれるので詳細な説明は繰り返さない。その後、ステップS331に進む。
ステップS331では、A/D変換処理が行なわれる。A/D変換処理では、前述したように、A/D変換部140Aが、受信したゲイン調整信号HFQASIGを、デジタルデータを示すデジタル信号HFQDSIGに変換する。そして、A/D変換部140Aは、デジタル信号HFQDSIGを、加算部192および制御部120へ送信する。
また、A/D変換部140Bは、A/D変換部140Aと同様に、受信したゲイン調整信号LFQASIGを、デジタルデータを示すデジタル信号LFQDSIGに変換する。そして、A/D変換部140Bは、デジタル信号LFQDSIGを、加算部192および制御部120へ送信する。
ステップS332では、制御部120が、受信したデジタル信号HFQDSIGおよびデジタル信号LFQDSIGの各々の最大値を判定する。具体的には、前述した、データHD1の値と、データHD2の値とが一致するか否かを判定する。ステップS332において、YESならば、後述するステップS340に進む。一方、ステップS332において、NOならば、ステップS334に進む。
ステップS334では、制御部120が、増幅度の算出を行なう。具体的には、前述したように、制御部120が、データHD1の値およびデータHD2のいずれかが大きい場合、大きいと判定したデータの値を、小さいと判定したデータの値で除算することにより、増幅度(ゲイン)を算出する。
たとえば、前述したように、HD1<HD2の場合、制御部120は、HD2/HD1により、増幅度(ゲイン)を算出する。ここで、算出された増幅度は、たとえば、“1.2”であるとする。その後、ステップS336に進む。
ステップS336では、増幅度の設定が行なわれる。具体的には、制御部120が、高周波信号HFQSIGが入力されるゲイン調整部130Aの増幅度を、“1.2”に設定する。また、制御部120は、低周波信号LFQSIGが入力されるゲイン調整部130Bの増幅度を、“1.0”に設定する。その後、再度、ステップS330に進む。
ステップS330では、ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの各々が、制御部120に設定された増幅度に基づいて、受信した信号を増幅させる。その後、前述したステップS331,S332の処理が行なわれる。
すなわち、ステップS330,S331,S332,S334,S336の処理により、データHD1の値とデータHD2の値とが一致するまで、増幅度(ゲイン)の調整が行なわれる。データHD1の値とデータHD2の値とが一致すると、制御部120は、ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの増幅度の変更は行なわない。すなわち、ゲイン調整部130Aおよびゲイン調整部130Bの増幅度が確定される。
ステップS332において、YESと判定されると、ステップS340に進む。
ステップS340では、加算処理が行なわれる。加算処理では、加算部192が、前述したように、受信したデジタル信号HFQDSIGとデジタル信号LFQDSIGとを加算した出力信号OUTSIGを出力する。その後,ステップS350に進む。
ステップS350では、制御部120により、図示しないテスト画像生成装置から、全てのテスト信号TESSIGを受信したか否かが判定される。ここで、全てのテスト信号TESSIGとは、テスト画像の全ラインの信号である。ステップS350において、YESならば、このゲイン調整処理Bは終了する。一方、ステップS350において、NOならば、再度、ステップS310の処理が行なわれる。
以上のゲイン調整処理Bを、テスト画像のG成分、B成分に対しても、前述した処理と同様に行なうことで、テスト画像に基づくゲイン調整が終了する。
以上説明したように、本実施の形態では、デジタルデータに基づいて、増幅度を設定し、ゲイン調整を行なうので、第2の実施の形態よりもさらに高精度なゲイン調整を行なうことができるという効果を奏する。
<第3の実施の形態>
第1の実施の形態、第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例では、ゲイン調整を行なう処理を行なっていた。本実施の形態では、ゲイン調整が不要な信号調整装置ついて説明する。
図10は、第3の実施の形態における、信号調整装置1000Cの構成を示すブロック図である。図10を参照して、信号調整装置1000Cは、図1の信号調整装置1000と比較して、ゲイン調整部130A,130Bの代わりにA/D変換部142A,142Bを備える点と、加算部190の代わりに、加算部192を備える点とが異なる。それ以外の構成は、信号調整装置1000と同様なので、詳細な説明は繰り返さない。
本実施の形態では、第1の実施の形態の信号調整装置1000の処理と比較して、異なる処理を主に説明する。
周波数分離部110は、前述したように、受信したテスト信号TESSIGを、所定の周波数成分より大きい周波数成分を含む高周波信号HFQSIGと、所定の周波数成分以下の周波数成分を含む低周波信号LFQSIGとに分離する。そして、周波数分離部110は、高周波信号HFQSIGを、A/D変換部142Aおよび制御部120へ送信する。また、周波数分離部110は、低周波信号LFQSIGを、A/D変換部142Bおよび制御部120へ送信する。
A/D変換部142A,142Bは、制御部120に設定された、後述する最大電圧値に基づいて、受信した信号を、デジタルデータを示すデジタル信号に変換する。
制御部120は、前述したように、受信した高周波信号HFQSIGおよび低周波信号LFQSIGの各々の最大値を判定する。高周波信号HFQSIGの最大値とは、図3(A)の波形図における、最も大きい振幅H1の値である。以下においては、高周波信号HFQSIGの最大値を、高周波信号HFQSIGの最大電圧値ともいう。
低周波信号LFQSIGの最大値とは、図3(B)の波形図における、振幅H2の値である。なお、振幅H2は、低周波信号LFQSIGにおける、オーバーシュートが発生している部分を除く、振幅が安定した部分のうち、最も大きい振幅の値である。以下においては、低周波信号LFQSIGの最大値を、低周波信号LFQSIGの最大電圧値ともいう。
制御部120は、高周波信号HFQSIGの最大値を、たとえば、4.6Vと判定したとする。この場合、制御部120は、A/D変換部142Aに対し、デジタル変換を行なう際の最大電圧値を4.6Vに設定する。また、制御部120は、低周波信号LFQSIGの最大値を、たとえば、5.0Vと判定したとする。この場合、制御部120は、A/D変換部142Bに対し、デジタル変換を行なう際の最大電圧値を5.0Vに設定する。
A/D変換部142Aは、制御部120により設定された最大電圧値(4.6V)に基づいて、受信した高周波信号HFQSIGを、デジタルデータを示すデジタル信号HFQDSIGに変換する。ここで、デジタル信号HFQDSIGが示すデジタルデータの値は、たとえば、“0”〜“255”の範囲の値であるとする。たとえば、高周波信号HFQSIGが、0V〜5Vの範囲で振幅する信号であるなら、A/D変換部142Aは、高周波信号HFQSIGのn(0以上の整数)Vの値を、n/最大電圧値(4.6)×255により求められる値に変換したデータを示すデジタル信号HFQDSIGを生成する。たとえば、高周波信号HFQSIGの4.6Vの値は、デジタル信号HFQDSIGにより255として表現される。
そして、A/D変換部142Aは、デジタル信号HFQDSIGを、加算部192へ送信する。
A/D変換部142Bは、A/D変換部140Aと同様に、受信した低周波信号LFQSIGを、デジタルデータを示すデジタル信号LFQDSIGに変換する。そして、A/D変換部142Bは、デジタル信号LFQDSIGを、加算部192へ送信する。
そして、加算部192は、受信したデジタル信号HFQDSIGとデジタル信号LFQDSIGとを加算した出力信号OUTSIGを出力する。なお、出力信号OUTSIGは、出力先の回路がアナログ信号を受信する回路であれば、加算部192により、デジタル信号からアナログ信号に変換された信号となる。
以上の処理が、全てのテスト信号TESSIGを受信するまで行なわれる。そして、以上の処理を、テスト画像のG成分、B成分に対しても、前述した処理と同様に行なうことで、テスト画像に基づくゲイン調整が終了する。
以上説明したように、本実施の形態では、ゲイン調整を行なう回路が不要となるので、実施の形態1と同様な効果を奏するのに加え、さらに、信号調整装置のコストの低減を図ることができるという効果を奏する。
なお、第1の実施の形態、第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例、第3の実施の形態においては、周波数分離部110は、入力された信号を、周波成分に応じて、2つに分離していが、これに限定されることなく、周波数成分に応じて、3つ以上に分離しても、本発明は実現可能である。
この場合、第1の実施の形態の信号調整装置1000は、周波数分離部110により分離された信号の数に対応するゲイン調整部を設けた構成となる。また、第2の実施の形態の信号調整装置1000Aは、周波数分離部110により分離された信号の数に対応するゲイン調整部を設けた構成となる。また、第2の実施の形態の変形例の信号調整装置1000Bは、周波数分離部110により分離された信号の数に対応するゲイン調整部およびA/D変換部を設けた構成となる。また、第3の実施の形態の信号調整装置1000Cは、周波数分離部110により分離された信号の数に対応するA/D変換部を設けた構成となる。
なお、本発明の信号調整装置1000,1000A,1000B,1000Cは、たとえば、正確な色の再現性が要求される表示装置(たとえば、液晶モニタ)に内蔵される。そして、表示装置の最終的な色調整の際に、本発明の信号調整装置の処理が行なわれる。なお、本発明の信号調整装置は、表示装置等に内蔵されず、単体で動作してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
110 周波数分離部、120 制御部、130A,130B ゲイン調整部、140A,140B A/D変換部、190,192 加算部、1000,1000A,1000B,1000C 信号調整装置。