JP4693636B2 - 洗濯乾燥機 - Google Patents

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Description

この発明は、除湿機能を備えた洗濯乾燥機に関する。
従来より、洗濯乾燥機において、洗濯物の乾燥運転時に、機内を循環する高温多湿の空気を除湿するために、たとえば、機内に設けられた貯水槽に溜められた洗濯後の水を、ポンプにより汲み出して、冷却水として再利用するようにしたドラム式洗濯機が、特許文献1に提案されている。
特開2005−124626号公報
上記特許文献1のドラム式洗濯機においては、循環空気を除湿するための冷却水の供給量は、貯水槽内の水を汲み出すためのポンプの能力により調節されている。
しかし、循環空気との熱交換に必要な適量の冷却水は少量であるため、ポンプの能力では、その量に調節することは困難である。そのため、水が無駄に使用されており、循環空気との熱交換が効率良く行なわれていない。
この発明は、かかる技術背景のもとになされたものであり、乾燥運転時において、循環空気と冷却水との熱交換が効率良く行われる洗濯乾燥機を提供することを主たる目的とする。
また、この発明は、循環空気との熱交換に用いる水の使用量を削減した洗濯乾燥機を提供することを別の目的とする。
さらに、この発明は、乾燥運転に要する時間を短縮した洗濯乾燥機を提供することを別の目的とする。
請求項1記載の発明は、衣類を収容して、衣類の洗濯、脱水および乾燥を行なうための処理槽と、一端および他端がそれぞれ前記処理槽に連通されていて、乾燥運転時に、前記処理槽内の空気を一端から流出させ、循環させて、他端から流入させるための循環風路と、前記循環風路を利用して設けられ、水を溜めることができ、溜められた水の一部を前記循環風路内へ流出させるための水チャンバーを含む水冷式除湿手段と、を有し、前記水チャンバーは、前記循環風路を臨む作用面と、乾燥運転時に、水が流入される給水口と、溜まった水が流出される排水口と、前記作用面に形成され、溜まった水の一部を前記循環風路内へ流出させるためのスリットと、を有し、前記給水口および前記排水口は、いずれか一方が上方、他方が下方となるように、上下に配置され、前記スリットは、下方の口よりも上方に形成されていることを特徴とする、洗濯乾燥機である。
請求項記載の発明は、水を溜めるためのタンクと、前記タンクに溜められた水を、前記水チャンバーの給水口へ流入させ、前記水チャンバーの排水口から排出される水を、前記タンクへ戻すための水循環供給路と、を有することを特徴とする、請求項に記載の洗濯乾燥機である。
請求項記載の発明は、前記処理槽から排出される水を、前記タンクへ導くための流路を有することを特徴とする、請求項に記載の洗濯乾燥機である。
請求項記載の発明は、前記循環風路に対して、水道水を供給する手段をさらに有することを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の洗濯乾燥機である。
請求項1記載の発明によれば、乾燥運転時において、水チャンバーから、循環空気との熱交換に必要な適量の冷却水を、循環風路内へ供給できる。これにより、循環空気と冷却水との熱交換が効率良く行なわれる。
また、循環風路を臨む作用面に形成されたスリットから、循環風路内へ循環空気と熱交換するための冷却水を供給することができる。これにより、複雑な部品や装置を備える必要がなく、簡単な構成で、循環空気の熱交換に必要な適量の冷却水を、スリットを介して循環風路内へ供給することができる。
さらに、水冷式除湿手段に設けられた給水口と排水口を、上下方向に配置させ、スリットをそれらの間に位置するように設ける。これにより、スリットから循環風路内に定量の冷却水を供給することができる。
請求項記載の発明によれば、タンクに溜められた水を、冷却水として循環させる水循環供給路を設ける。これにより、循環空気と熱交換させるための冷却水を外部から供給する必要がなくなり、乾燥運転時における冷却水の量を節約することができる。
請求項記載の発明によれば、処理槽から排出される水をタンクへ導くための、流路を設ける。これにより、処理槽で使用されたすすぎ後の水を、循環空気と熱交換させるための冷却水として再利用できるため、乾燥運転時における冷却水の量を節約することができる。
請求項記載の発明によれば、循環空気と熱交換させるために、水道水を供給する手段をさらに設けることで、タンクに溜められた水と水道水とを、その性質に応じて使用することができる。これにより、乾燥運転中、循環空気の温度を下げずに除湿する必要性が大きい場合、たとえば恒率乾燥運転時においては、タンクに溜められた水を使用して冷却水の節水をすることができる。一方、循環空気を冷却させる必要性が大きい場合、たとえばクールダウン工程においては、タンクに溜められた水より低温である水道水を使用して冷却効率を向上させることにより、クールダウン工程の所要時間を短縮することができる。




以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明をする。
図1は、この発明の一実施形態に係る洗濯乾燥機1の乾燥運転時における循環空気の流れを説明する概略構成図である。
この実施形態に係る洗濯乾燥機1は、洗濯、脱水または乾燥される衣類が収容される円筒状のドラム2と、ドラム2が収容される、同じく円筒状の外槽3を有する。この発明では、ドラム2および外槽3が洗濯槽(処理槽)を構成している。
外槽3の外周面には、循環風路としての乾燥風路11が設けられ、乾燥風路11の一端は、ドラム2内の空気の流出口であり外槽3の内周面下方に設けられた出口9に接続され、他端は、ドラム2内への空気の流入口であり外槽3の内周面中央部に設けられた入口10に接続されている。そのため、乾燥風路11は外槽3内で連通しており、乾燥運転時においては、ドラム2内の空気は、乾燥風路11内に介挿されたブロア6の吸入負圧により、出口9から乾燥風路11内を移動され、入口10からドラム2へと循環されるようになっている(図1の白抜き矢印参照)。このとき、循環空気は、乾燥風路11内に介挿されたヒータ5によって加熱されるため、ドラム2内では、この高温の循環空気と衣類に含まれる水分とが熱交換されて、衣類の水分が蒸発することにより、衣類の乾燥が行なわれる。
熱交換後の循環空気は、水蒸気を多量に含む高温多湿の空気となるため、乾燥風路11の一部であり、一端が出口9に接続された水冷式除湿手段としての除湿パイプ4内において、冷却水と熱交換されることにより除湿される。
除湿パイプ4内における循環空気の除湿について、詳しく説明すると、除湿パイプ4の内周面に水チャンバー12が設けられており、水チャンバー12には、その内部への冷却水の流入口である冷却水給水口13と、流出口である冷却水排水口14が下方から順に設けられている。乾燥運転時、冷却水給水口13と冷却水排水口14を介して、後述するタンク7に溜められた水が循環されるため、水チャンバー12は冷却水でほぼ満たされた状態となっている。さらに、水チャンバー12の、除湿パイプ4の内部を臨む面にスリット15が設けられていることにより、水チャンバー12から除湿パイプ4内へと水が滴下される。そして、その水は循環空気と触れて熱交換される。
また、スリット15から滴下される冷却水の量は、供給ポンプ8の能力ではなく、スリット15の大きさで決まるため、除湿パイプ4への冷却水の供給量を容易に制御できる。
なお、除湿パイプ4について、さらに具体的な構成については、図2で説明する。
外槽3の下方には、タンク7が設けられている。タンク7には、冷却水給水管16が、その一端がタンク7内上下方向途中に開口するように接続されているため、冷却水給水管16に介挿された供給ポンプ8により、タンク7内の水を汲み出すことができる。また、タンク7上端面には、冷却水排水管17の一端が接続されている。さらに、冷却水給水管16の他端は冷却水給水口13に、冷却水排水管17の他端は冷却水排水口14に、それぞれ接続される。これにより、タンク7から汲み出された水は、冷却水給水管16を通って、冷却水給水口13から水チャンバー12内に流入した後、冷却水排水口14から流出し、冷却水排水管17を通って再びタンク7に戻るように循環されるため、乾燥運転時に外部から水道水などを供給する場合に比べて、冷却水の節水をすることができる。
図2は、除湿パイプ4の構成を具体的に示す図であって、図2(a)は左側面図、図2(b)は正面図、図2(c)は図2(b)に示す切断線B−Bに沿って除湿パイプ4を切断して矢印方向に見た断面図、図2(d)は図2(b)に示す切断線A−Aに沿って除湿パイプ4を切断して矢印方向に見た断面図である。
除湿パイプ4は、略垂直方向に延びる垂直風路21と、垂直風路21の一端に連通して、略水平方向に延びる水平風路22の一端とが接合された形状を有する。垂直風路21の他端には、図1における出口9に接続される入口開口部23が開口され、水平風路22の他端には、図1におけるブロア6の空気吸込側に接続される出口開口部24が開口されており、乾燥運転時においては、循環空気はブロア6の吸入負圧により入口開口部23から垂直風路21に流入して上方へ導かれ、出口開口部24から流出する。
そして、循環空気と熱交換させるための冷却水を供給するために、垂直風路21の右側における内側壁には、水チャンバー12が設けられている。水チャンバー12は、正面、背面、上面、底面、作用面としての左側面、および垂直風路21の右側面の一部である右側面により区画された部屋である。水チャンバー12の左側面最上部にはスリット15が設けられている。また、背面には冷却水給水口13および冷却水排水口14が、上方から冷却水排水口14、冷却水給水口13の順で設けられている。
これにより、複雑な部品や装置を備える必要がなく、簡単な構成で、循環空気の熱交換に必要な適量の冷却水を、水チャンバー12からスリット15を介して垂直風路21へ供給することができる。
水平風路22の上面中央部左寄りには、水チャンバー12とは別に、除湿パイプ4への流入口である水道水給水口25が設けられており、水道栓31(図4参照)から冷却水として水道水が供給される場合、この水道水給水口25から冷却水が流入する。
この実施形態においては、水チャンバー12は除湿パイプ4の内周壁面に設けられているが、他の構成、たとえば除湿パイプ4の壁面にスリットを設けて、水チャンバー12を垂直風路21の外周壁面に設けることもできる。また、除湿パイプ4の構成は、この実施形態に係る洗濯乾燥機1の内部構造(図示せず)に適合させものであり、この発明の効果が得られる除湿パイプ4であれば、図2に示す除湿パイプ4の構成に限定されない。たとえば、垂直風路21と水平風路22との接合角度を変えることにより、垂直風路21を鉛直面に対して傾斜させる構成等にすることもできる。
図3は、水チャンバー12における、冷却水給水口13、冷却水排水口14、およびスリット15の位置関係を示した図である。
水チャンバー12に設けられた冷却水給水口13、冷却水排水口14およびスリット15の位置関係は、たとえば、上方から冷却水給水口13→スリット15→冷却水排水口14(図3(a)参照)、冷却水排水口14→スリット15→冷却水給水口13(図3(b)参照)、スリット15→冷却水排水口14→冷却水給水口13(図3(c)参照)がある。上記した位置関係のように、冷却水給水口13と冷却水排水口14が上下に配置され、スリット15が下方に配置された口よりも上方に設けられることで、除湿パイプ4に定量の冷却水を供給することができる。
なお、この実施形態に係る洗濯乾燥機1の冷却水給水口13、冷却水排水口14およびスリット15の位置関係は、図3(c)に示す構成である。
図4は、この発明の一実施形態に係る洗濯乾燥機1内で使用される水の流れを説明するための概略構成図である。
外槽3の上方には、水道栓31が設けられており、水道栓31には、3方弁である第1切替バルブ32を介して、給水管46の一端が接続されている。そして、給水管46の他端は、外槽3の周壁面の最上部に接続され、給水管46を介して、外槽3と水道栓31は連通しているため、洗濯時に水道栓31から供給される水道水は外槽3に溜められる。
そして、外槽3に溜められた水を排出するために、外槽3の最下端部には、排水口35が形成され、その近傍に排水バルブ38が取り付けられている。そして、排水バルブ38には下方に延びる排水管36の一端が接続され、排水管36の他端は、機外の排水溝へとつながっている。排水管36の途中には第2切替バルブ39が介挿されている。また、排水管36には、排水バルブ38と第2切替バルブ39との間に、分岐管37の一端が接続されており、第2切替バルブ39を切り替えることで、排水バルブ38を通過する水を、引き続き排水管36に沿って機外へ排出するか、分岐管37へ流出させるかを選択することができる。
すなわち、排水バルブ38および第2切替バルブ39が「開」にされると、外槽3内の水が機外へ排出される。その一方で、排水バルブ38が「開」にされて第2切替バルブ39が「閉」にされると、外槽3内の水は、分岐管37へ流出する。
さらに、外槽3には、所定の高さに溢水口47が設けられ、溢水口47には、溢水管34の一端が接続されている。溢水管34の他端は、排水管36の第2切替バルブ39よりも下流側に合流されているため、外槽3内の水が溢水口47の高さ以上に達した場合、その高さ以上の水が外部に排出される。
なお、洗濯時に外槽3と連通する除湿パイプ4から洗剤泡などを含む汚濁水が、スリット15を介して水チャンバー12内に流入しないように、溢水口47はスリット15より下方に配置される。
図1で示したように外槽3の下方には、タンク7が設けられている。このタンク7は、外槽3に溜められて使用された後の水を溜めるためのものであり、密閉構造をしたタンクである。外槽3の水をタンク7に導くために、分岐管37の、排水管36に接続されている一端とは反対側の他端がタンク7内で開口している。詳しくは、分岐管37の途中には貯水バルブ40が介挿されており、分岐管37は、貯水バルブ40からは下方に延びてタンク7の上面を貫通し、分岐管37の他端がタンク7内の上下方向途中に配置されている。
そのため、外槽3の水は、前述したように、第2切替バルブ39が閉じられ、排水バルブ38および貯水バルブ40が開かれることにより、分岐管37へ流出し、タンク7内へ導かれる。そして、タンク7に溜められた水は、図1で示したように、供給ポンプ8により汲み出され、乾燥運転時の循環空気との熱交換用冷却水として使用される。
タンク7には、所定の高さにタンク水溢水口48が設けられ、タンク水溢水口48には、タンク水溢水管42の一端が接続されている。タンク水溢水管42の他端は、排水管36の第2切替バルブ39よりも下流側に合流されているため、タンク7内の水がタンク水溢水口48の高さ以上に達した場合、その高さ以上の水が外部に排出される。また、タンク7内には、タンク7内の水が所定水位に達したことを検知する水位センサ41が設けられている。
さらに、タンク7には、ドレンホース43の一端が接続されており、ドレンホース43の他端には先端開口から、タンク7内の水が漏れないようにドレンキャップ44が嵌められる。ドレンキャップ44を外すことによって、タンク7内に残った水がドレンホース43を介して排出される。
乾燥運転時における循環空気との熱交換に使用される冷却水としては、通常、前述したようにタンク7に溜められた水が循環されて使用されるが、乾燥工程終了後の衣類を冷却するクールダウン工程などでは、循環空気の温度が低ければ冷却効率が向上するため、低温である水道水を使用することによって、冷却効率を向上させ、乾燥運転全体の所要時間を短縮することができる。
そのため、この実施形態に係る洗濯乾燥機1においては、第1切替バルブ32の、給水管46側の出口とは反対側の出口には、水道水給水管45の一端が接続されている。そして、水道水給水管45の他端は水道水給水口25に接続されている。これにより、タンク7に溜められた水とは別に、乾燥運転時の冷却水として水道水を使用することができる。
なお、冷却水をタンク7内の水から水道水へと切替えるタイミングとしては、前述したクールダウン工程時のほか、たとえば、乾燥運転においてヒータ5(図1参照)がOFFにされたときや、減率乾燥時などがある。
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。また、この実施形態では、ドラム配置構造の洗濯乾燥機について説明したが、この発明は、ドラムが斜め配置、水平配置または垂直配置されたものについても適用可能であり、また、衣類乾燥機などに適用することもできる。
この発明の一実施形態に係る洗濯乾燥機1の乾燥運転時における循環空気の流れを説明する概略構成図である。 除湿パイプ4の構成を具体的に示す図である。 水チャンバー12における、冷却水給水口13、冷却水排水口14、およびスリット15の位置関係を示した図である。 この発明の一実施形態に係る洗濯乾燥機1内で使用される水の流れを説明するための概略構成図である。
符号の説明
1 洗濯乾燥機
2 ドラム
3 外槽
4 除湿パイプ
7 タンク
11 乾燥風路
12 水チャンバー
13 冷却水給水口
14 冷却水排水口
15 スリット
16 冷却水給水管
17 冷却水排水管
31 水道栓
45 水道水給水管

Claims (4)

  1. 衣類を収容して、衣類の洗濯、脱水および乾燥を行なうための処理槽と、
    一端および他端がそれぞれ前記処理槽に連通されていて、乾燥運転時に、前記処理槽内の空気を一端から流出させ、循環させて、他端から流入させるための循環風路と、
    前記循環風路を利用して設けられ、水を溜めることができ、溜められた水の一部を前記循環風路内へ流出させるための水チャンバーを含む水冷式除湿手段と、
    を有し、
    前記水チャンバーは、
    前記循環風路を臨む作用面と、
    乾燥運転時に、水が流入される給水口と、
    溜まった水が流出される排水口と、
    前記作用面に形成され、溜まった水の一部を前記循環風路内へ流出させるためのスリットと、
    を有し、
    前記給水口および前記排水口は、
    いずれか一方が上方、他方が下方となるように、上下に配置され、
    前記スリットは、下方の口よりも上方に形成されていることを特徴とする、洗濯乾燥機。
  2. 水を溜めるためのタンクと、
    前記タンクに溜められた水を、前記水チャンバーの給水口へ流入させ、前記水チャンバーの排水口から排出される水を、前記タンクへ戻すための水循環供給路と、
    を有することを特徴とする、請求項に記載の洗濯乾燥機。
  3. 前記処理槽から排出される水を、前記タンクへ導くための流路を有することを特徴とする、請求項に記載の洗濯乾燥機。
  4. 前記循環風路に対して、水道水を供給する手段をさらに有することを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の洗濯乾燥機。
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