JP4693563B2 - 心不全症候群の識別方法 - Google Patents

心不全症候群の識別方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4693563B2
JP4693563B2 JP2005270387A JP2005270387A JP4693563B2 JP 4693563 B2 JP4693563 B2 JP 4693563B2 JP 2005270387 A JP2005270387 A JP 2005270387A JP 2005270387 A JP2005270387 A JP 2005270387A JP 4693563 B2 JP4693563 B2 JP 4693563B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
serotonin
plasma
heart failure
blood
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005270387A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007078637A (ja
Inventor
祐史 廣渡
奈美 岡本
信哉 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Tokai University Educational Systems
Original Assignee
Tosoh Corp
Tokai University Educational Systems
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp, Tokai University Educational Systems filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP2005270387A priority Critical patent/JP4693563B2/ja
Publication of JP2007078637A publication Critical patent/JP2007078637A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4693563B2 publication Critical patent/JP4693563B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Description

本発明は、血液試料中のセロトニン濃度を指標として、心不全症候群患者の識別方法に関する。この方法によれば、心不全症候群患者の病態の詳細を簡易かつ高い信頼性をもって確認することができる。
心不全とは、心機能の異常によって末梢臓器組織の需要に応じた血液の供給ができなくなったり、臓器間での血液分布の不均等が生じたりした結果生じる臨床的な症候群である。心不全症候群の診断は、問診による臨床症状と心音、胸部X線、心電図、血液中のBNP(B型ナトリウム利尿ペプチド)などのスクリーニング検査により行われる(岡野嘉明著、「診療群別臨床検査のガイドライン2003〜医療の標準化に向けて〜」p.45-49、事務局編(非特許文献1);「カレント・メディカル、診断と治療」、第43版、日本語編、日経BP社、p.313-315及びp.382-393(非特許文献2))。
心不全には種々の原因があるが、その主たるものとして次のものが挙げられる。
・虚血性心疾患:冠動脈の狭窄などにより血液循環不良により生じる。
・2次性心筋症:感染症、免疫疾患などが原因となり、2次的に生じる症例。
・高血圧性心疾患:高血圧により生じる。
これらの原因の特定には、主として心エコーや心臓カテーテル検査が用いられる。また、心筋以外の障害を主体とする心疾患としては、次の3つが挙げられる。
・後天性弁膜症:弁膜の狭窄により生じる。
・先天性弁膜症:心房や心室の中壁欠損などの先天的な異常による。
・肺循環系疾患:血栓性の肺循環閉塞などにより生じる。
このように、心不全はさまざまな原因により生じ、その病態も幅広いため、より詳細な病態の情報を把握して治療方針を立てることが必要である。しかしながら、心不全の原因の特定、治療は難しく、より詳細に病態を知ることのできる方法が望まれている。
心不全の原因や状態の把握は、前述したような様々な方法により行われているが、心電図、心エコー、心臓カテーテル検査などは特別な機器が必要であり時間も要するため、例えばBNPを指標とした血液成分を測定することによる簡便な生化学的方法が望まれている。また、BNPは、循環血液量の増加や前負荷の上昇、心臓障害などに伴い、主に心臓心室から分泌されるペプチドホルモンであり、心不全の診断に重要であるが、より詳細な病態を把握するためには、BNP以外の検査の研究開発が望まれている。
我々は以前に、不安定狭心症などの冠動脈疾患において、血漿中セロトニン濃度値が健常者より高いことを報告した(特開2002−277461)。これは、これら冠動脈疾患患者は冠動脈を始め複数の部位に動脈硬化部位を有していると考えられ、この部位で血小板が活性化され、活性化された血小板からセロトニンが放出されることにより、血小板外のセロトニン量を反映する血漿中セロトニン濃度値が高くなると考えている。このように、血漿中セロトニン濃度値と動脈硬化の進展については、関連性が高い。なお、ここでいう血漿とは、血小板を含まない血漿(乏血小板血漿)をさす。しかしながら、心不全症候群は前述したように、冠動脈の狭窄や弁膜症による心機能の低下、血栓性の肺循環閉塞、高血圧などによる血液循環不良により生ずる疾患といった多岐にわたる様々な疾患を含む症候群であり、血小板の活性化との関係が必ずしも明確でない疾患も包含する。
特開2002−277461
岡野嘉明著、「診療群別臨床検査のガイドライン2003〜医療の標準化に向けて〜」p.45-49、事務局編 「カレント・メディカル、診断と治療」、第43版、日本語編、日経BP社、p.313-315及びp.382-393
本発明の課題は、血液検査に基づく簡便かつ信頼性の高い心不全症候群識別方法の提供にある。
本発明者は、心不全症候群に属する様々な疾患に罹った患者の血中セロトニンレベルを測定したところ、驚くべきことに、心不全症候群に罹った対象者においては、血中セロトニンレベルが健常者のそれと比べ、顕著に高いことを見出した。
従って、本発明は、血液試料中のセロトニン値を指標とした心不全症候群の識別方法を提供する。好ましくは、前記血液試料が血漿である。さらに好ましくは、前記血液試料はヒト血液試料である。
好適な観点において、前記心不全症候群の識別は、対象体の血液試料中のセロトニン値と健常体の血液試料中のセロトニン値とを比較し、対象体の血液試料中のセロトニン値が健常体の血液試料中のセロトニン値と比較して高いか否かを基準として判定する。
別の観点において、本発明は血液試料中のセロトニン値を指標として心不全症候群の識別を実施するためのキットも提供する。
かかるキットは、セロトニン量を測定するための手段、例えば液体クロマトグラフィー手段、またはイムノアッセイ手段を含んでよい。好ましくは、かかるキットはコントロ−ル試薬として健常体の血液試料を含む。
本発明は、心不全症候群の判定において新たな指標を提供するものである。血中セロトニン濃度値が高いとき、心不全症候群であると判定し、そしてその病態を把握するための情報を提供することが出来る。本発明により、心電図、心エコー、心臓カテーテル検査などのように特別な機器を必要とせず、信頼性の高い心不全症候群の簡易な識別が可能となる。
本発明は、血液試料中のセロトニン値を指標とした、心不全症候群の識別方法を提供する。より具体的には、上記心不全症候群の識別は、対象体の血液試料中のセロトニン値と健常体の血液試料中のセロトニン値とを比較し、対象体の血液試料中のセロトニン値が健常体の血液試料中のセロトニン値と比較して、統計学的検定により有為に高いか否かを基準として判定することができる。
心不全とは、本明細書の冒頭においても述べたとおり、心機能の異常によって末梢臓器組織の需要に応じた血液の供給ができなくなったり、臓器間での血液分布の不均等が生じたりした結果生じる臨床的な症候群である。心不全症候群の病因疾患には、心筋障害が主体となる疾患、例えば狭心症、心筋梗塞、虚血性心筋小、拡張型心筋症、拘束型心筋症、肥大型心筋症、高血圧性心筋症、心筋以外の障害が主体となる疾患、例えば僧帽弁疾患、大動脈弁疾患、三尖弁疾患、連合弁膜症、心房/心室中隔欠損、動脈管開存症、ファロー四微症、心膜・心筋炎、収縮性心膜炎、右室異形成症、肺動脈性肺高血圧症などがある(非特許文献1)。本発明は、血中のセロトニン濃度を測定することで、心電図や心臓カテーテルといっためんどうな検査を行うことなく、上記心不全症候群に網羅される疾患の簡易かつ信頼性の高い識別を可能にする。
セロトニンは主に消化管粘膜にある腸クロム親和性細胞で産生され血液中に放出される。血小板自体はセロトニンを産生しないが、血液中のセロトニンを取り込み貯蔵するため、循環血液中の血小板外のセロトニン量を反映した測定を行うには、血液試料は血小板を除いた血漿(乏血小板血漿)又は血清であることが好ましい。本発明の方法においては特に血漿中のセロトニンを指標とするのが好ましい。
また、血液試料中のセロトニン濃度を測定するに当たっては、採血を行った後に血小板中のセロトニンが血液中に放出されるのを抑制することが重要である。血小板中セロトニンの放出は、血小板の活性化(凝固)により引き起こされるから、血小板活性化の中心物質であるカルシウムイオンを捕捉した状態でセロトニン測定を実施したり、又はそのような状態で血液から血漿又は血清試料を調製することが好ましい。例えば、カルシウムイオンを捕捉し、血液の凝固を防止する抗凝固剤を採血試料に添加してよい。抗凝固剤としては、抗凝固効果が高く、取扱いや入手が容易であること以外に、採血した血液をセロトニン以外の血中成分の測定にも供することが可能であることが好ましい。かかる抗凝固剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(以下EDTAと記載する)又はクエン酸を具体的に例示できるが、クエン酸の持つ金属イオンと結合するキレート効果はEDTAに比べ弱く、血小板の活性化を完全に止められない場合があり、微量ながらセロトニンが放出される可能性があるので、特にEDTAが好ましい。
かかる特に好ましいEDTAとしては、EDTA2カリウム2水和物又はEDTA2ナトリウムが好ましく、特にEDTA2カリウム2水和物は溶解速度が速いという効果もあり、特に好ましい。溶解速度が遅いと、その溶解時、部分的にEDTA濃度が高くなるため、血小板にダメージを与える可能性が高まるからである。
抗凝固剤としてEDTAを血液に加える場合は、血液と混合後の濃度を0.0025〜0.0049mol/Lとするのが普通であるが、前記濃度となるようにEDTAを混合すると試料によっては血漿中セロトニン濃度が高くなる場合がある。これは、前記EDTA濃度では血小板の活性化が完全には抑制されず、血小板から徐々にセロトニンが放出されたことを示すものである。一方、EDTA濃度が高い場合には、浸透圧差により血小板がダメージを受け、血小板中のセロトニンが放出されることがある。従ってセロトニンの測定又は血液からの血漿試料の調製に際しては、0.0074〜0.0148mol/L、好ましくは0.008〜0.014mol/L程度となるようにEDTAを血液に混合することを例示できる。特に血液からの血漿試料の調製からセロトニンの測定までの全工程を、前記濃度のEDTA共存下で実施することが特に好ましい。
セロトニン濃度を液体クロマトグラフィー法(Hirowatari Y et al,Clin Biochem,2004,37,p191;特開2002−277461、など)やイムノアッセイ(例えば、MP BIOMEDICALS社から市販されているSerotonin ELISAキット)などの公知の方法により定量することができる。
液体クロマトグラフィー法でセロトニンを測定する場合は、通常、試料中の蛋白質を除去してから測定対象とするのが好ましい。蛋白質の除去は慣用の方法、例えば極端な酸性もしくはアルカリ性への暴露、各種変性剤、例えばトリクロロ酢酸、硫酸アンモニウム、重金属塩、有機溶媒、尿素、塩酸グアニジンの添加による変性・沈殿による除去、あるいは各種ろ過手段、例えばゲルろ過、限外ろ過などにより可能である。イムノアッセイで血漿中のセロトニン量を測定する場合には、試料中の蛋白質を除去する前処理操作を行わなくてもよい。
液体クロマトグラフィー法でセロトニンを測定する場合は、具体的には下記のとおりにして測定できる。
前処理カラムとしては、空カラムにオクタデシル基を有したシリカベースのゲルを充填したものを用いる。分離カラムとしては、空カラムにオクタデシル基を有したシリカベースのゲルを充填したものを用いる。測定試料としては、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム2水和物が例えば3.5mg/mlになるように調製された真空採血管を用い採血を行い、遠心分離(例えば、1000×G、4℃、30分)により乏血小板血漿を取得する。取得した血漿にアスコルビン酸を含んだ過塩素酸溶液を混合し、遠心分離により除蛋白を行う。除蛋白した上清試料に過塩素酸ナトリウム+エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム+酢酸ナトリウムの溶液を混合し、調整する。
前処理カラムに溶離液1(例えば、グリシン+過塩素酸ナトリウム+エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム+アジ化ナトリウム、pH3.0)を流しながら、前出した試料を注入し、試料中のセロトニン画分を前処理カラムに吸着させる。7分後に、あらかじめ溶離液2(例えば、酢酸ナトリウム+硝酸アンモニウム+エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム+アセトニトリル、pH5.4)を流しておいた分離カラムに、流路を切り替え、前処理カラムを分離カラムの前に接続する。引き続き溶離液2を流し、前処理カラムからセロトニン分画を溶出、分離カラムで溶出したセロトニン画分を分離する。分離し、分離カラムから溶出したセロトニン画分は、次の2つの反応液とオンラインで混合し、蛍光誘導体化し、蛍光検出する。2つの反応液の組成は、例えばベンジルアミン+エタノールとホウ酸+フェリシアン化カリウム+エタノール、pH8.0とすることができる。蛍光検出の波長は例えば、励起波長340〜360nm、蛍光波長470nm以上とすることができる。
本発明の測定対象は主にヒト患者であるが、そのほかの哺乳動物、例えばサル、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギなどの家畜動物、ラット、マウス、モルモットなどの実験動物など、あらゆる温血動物であってよい。
本発明のキットは、血中セロトニンを測定するための手段を含む。セロトニンの測定が液体クロマトグラフィー法による場合、当該液体クロマトグラフィーセット、例えばゲルの充填されたカラム、カラム洗浄液、カラム溶出液など、セロトニンの測定がイムノアッセイの場合、当該イムノアッセイを実施するための一式の試薬を含むものであってよい。また、コントロ−ル試薬として健常体の血液試料を含んでよく、かかるコントロ−ル試薬は複数の健常体に由来する血液試料、例えば血漿を混合したものであってよい。なお、ここでいう健常体とは、心不全症候群に罹っていない健康体を意味する。
本発明を以下の実施例でさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例の態様に限定されるものではない。
実施例1
測定方法としては、特開2001−056326号公報の方法を一部改変した液体クロマトグラフィーを用いた。すなわち、前処理カラムとしては、サイズ4.6mmID×35mmの空カラムにオクタデシル基を有したシリカベースのゲル(東ソー株式会社製)を充填したものを用いた。分離カラムとしては、サイズ4.6mmID×120mmの空カラムにオクタデシル基を有したシリカベースのゲル(東ソー株式会社製)を充填したものを用いた。測定試料としては、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム2水和物が3.5mg/mlになるように調製された真空採血管を用い採血を行い、1000×G、4℃、30分の遠心条件で乏血小板血漿を取得した。取得した血漿100μlに200mmol/L濃度のアスコルビン酸を含んだ24%過塩素酸溶液を400μl混合し、遠心分離により除蛋白を行った。除蛋白した上清試料350μlに200mmol/L過塩素酸ナトリウム+1mmol/Lエチレンジアミン4酢酸2ナトリウム+50mmol/L酢酸ナトリウムの溶液を350μl混合し調整した。
前処理カラムに溶離液1(10mmol/Lグリシン+100mmol/L過塩素酸ナトリウム+3mmol/Lエチレンジアミン4酢酸2ナトリウム+0.05%アジ化ナトリウム pH3.0)を流速1.0ml/minで流しながら、前出した試料を500μL注入し、試料中のセロトニン画分を前処理カラムに吸着させた。7分後に、あらかじめ溶離液2(10mmol/L酢酸ナトリウム+150mmol/L硝酸アンモニウム+0.3mmol/Lエチレンジアミン4酢酸2ナトリウム+2%アセトニトリル pH5.4)を流速0.7ml/minで流しておいた分離カラムに、流路を切り替え、前処理カラムを分離カラムの前に接続した。引き続き溶離液2を流し、前処理カラムからセロトニン分画を溶出、分離カラムで溶出したセロトニン画分を分離した。分離し、分離カラムから溶出したセロトニン画分は、次の2つの反応液とオンラインで混合し、90℃、2min反応させ、蛍光誘導体化し、蛍光検出した。2つの反応液の組成は、50mmol/Lベンジルアミン+50%エタノールと100mmol/Lホウ酸+5mmol/Lフェリシアン化カリウム+50%エタノール pH8.0とした。そして、2つの反応液の流速は共に0.25ml/minとし、蛍光検出の波長は励起波長340〜360nm、蛍光波長470nm以上とした。なお、カラムの洗浄は試料注入開始から、前処理カラムは18.0から18.5分までとし、分離カラムは39から40分とした。カラムの洗浄液としては、30mmol/L硝酸アンモニウム+50%アセトニトリル pH4.5とした。
東海大学付属病院の、身体の不調を訴え救急に来院した循環器領域の患者のうち、急性心筋梗塞および急性心筋梗塞の兆候である心電図においてST上昇の認められた患者を除いた患者群について、心不全の認められた群(男性3名と女性5名)、心不全の認められなかった群(男性3名と女性4名)の2群に分け比較した。また、健常人(男性34名と女性6名)とも比較した。健常人の血漿中セロトニン値の平均値は4.2pmol/mlであり、標準偏差は2.2pmol/mlであった。患者群についは、個々のデータを表に示した。表中には、血漿中セロトニン値、性別、年齢、採血部位、BNPの値、診断により鑑別された病名を明記した。そして、Student-Newman-Keulsテストによる、各群間の有為差検定を行った。心不全の認められた群と認められなかった群、心不全の認められた群と健常人の比較において、有為差(P<0.05)が確認された。これは、血漿中セロトニン濃度により、心不全患者の識別ができることを意味する。また、これらのデータは図1に、Box−whisker法により図示した。
なお、患者における心不全の有無は、問診による胸痛などの臨床症状により判別した。患者における心不全の臨床症状の確認されなかった男性67歳(不安定狭心症)、女性88歳(大動脈弁狭窄症)、男性68歳(心房細動)、女性65歳(不安定狭心症)、男性68歳(異型狭心症)の5名は入院後の検査で心臓に異常が認められるわけであるが、軽度な病態であるので心不全の臨床症状が確認できなかったのである。このような軽度の心臓の異常な病態においては、血漿中セロトニン値が高い値を示さないことがわかる。問診において心不全の臨床症状を示した患者群(心不全あり群)では、健常者に比べても心不全なし群に比べても、血漿中セロトニン値が有意に高い値を示した。これらのことから、心不全の病態が重くなるにつれて、血漿中セロトニン値は、より高い値を示すと言える。
また、2つの患者群において、BNPと血漿中セロトニン濃度の関連を調べた。図2に示すように、関連性は確認されず、BNPとは異なる指標となることがわかる。
Figure 0004693563
心不全の認められた群、心不全の認められなかった群、及び、健常者の血漿中セロトニン値を比較した図。 救急患者症例のBNPと血漿中セロトニン値との比較。

Claims (5)

  1. 心筋梗塞を罹患していない対象体の血漿中のセロトニン値と健常体の血漿中のセロトニン値とを比較し、心筋梗塞を罹患していない対象体の血漿中のセロトニン値が健常体の血漿中のセロトニン値と比較して高いか否かを基準として判定する、心筋梗塞を除く心不全症候群の識別方法。
  2. 前記血漿がヒト血漿である、請求項1記載の方法。
  3. 心筋梗塞を罹患していない対象体の血漿中のセロトニン値と健常体の血漿中のセロトニン値とを比較し、心筋梗塞を罹患していない対象体の血漿中のセロトニン値が健常体の血漿中のセロトニン値と比較して高いか否かを基準として判定することで、心筋梗塞を除く心不全症候群の識別を実施するためのキットであって、コントロール試薬として、健常体の血漿を含む、前記キット
  4. セロトニン量を測定するための液体クロマトグラフィー手段を含む、請求項3記載のキット。
  5. 前記血漿がヒト血漿である、請求項3又は4記載のキット。
JP2005270387A 2005-09-16 2005-09-16 心不全症候群の識別方法 Expired - Fee Related JP4693563B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005270387A JP4693563B2 (ja) 2005-09-16 2005-09-16 心不全症候群の識別方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005270387A JP4693563B2 (ja) 2005-09-16 2005-09-16 心不全症候群の識別方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007078637A JP2007078637A (ja) 2007-03-29
JP4693563B2 true JP4693563B2 (ja) 2011-06-01

Family

ID=37939111

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005270387A Expired - Fee Related JP4693563B2 (ja) 2005-09-16 2005-09-16 心不全症候群の識別方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4693563B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6185464B2 (ja) * 2011-07-28 2017-08-23 メタノミクス ゲーエムベーハー 被験体における心不全を診断及びモニタリングするための手段及び方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002277461A (ja) * 2000-08-18 2002-09-25 Tosoh Corp 血管内皮障害の診断マーカー
JP2004309133A (ja) * 2003-02-19 2004-11-04 Tosoh Corp 冠動脈攣縮型狭心症の識別方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002277461A (ja) * 2000-08-18 2002-09-25 Tosoh Corp 血管内皮障害の診断マーカー
JP2004309133A (ja) * 2003-02-19 2004-11-04 Tosoh Corp 冠動脈攣縮型狭心症の識別方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007078637A (ja) 2007-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Basile et al. Renal ischemic injury results in permanent damage to peritubular capillaries and influences long-term function
Suzuki et al. Screening for cardiac dysfunction in asymptomatic patients by measuring B-type natriuretic peptide levels
Farris et al. Cell-specific pathways supporting persistent fibrosis in heart failure
JP6859334B2 (ja) 手術前に測定した際にakiのリスクを予測するためのigfbp7
JP5916130B2 (ja) 病気の重症度の検査方法
Park et al. Remote ischemic preconditioning in hemodialysis: a pilot study
JP4693563B2 (ja) 心不全症候群の識別方法
Kręcki et al. Original article Novel atherogenesis markers for identification of patients with a multivessel coronary artery disease
JP4686933B2 (ja) 血管内皮障害の推定方法
Alkhiary et al. Serum Concentrations of interleukin-33 and its soluble receptor sST2 in patients with persistent atrial fibrillation
JP2012506558A5 (ja)
WO2017056498A1 (ja) 糖尿病性腎症の判定マーカー
Sztefko NT-proBNP: a biomarker with new potential application
RU2781411C1 (ru) Способ неинвазивной ранней диагностики поражения коронарного микрососудистого русла у пациентов с необструктивным атеросклерозом коронарных артерий
Heleniak et al. Heart failure biomarkers in hemodialysis patients
RU2642600C1 (ru) Способ оценки течения раннего послеоперационного периода у пациентов, оперированных по поводу хронической ревматической болезни сердца
JP6198047B2 (ja) 冠動脈疾患の検査キット
Tanrıverdi et al. The association between C-reactive protein to albumin ratio and infarct location in patients with ST-segment elevation myocardial infarction
RU2638808C1 (ru) Способ лабораторной оценки эффективности экстракорпоральной мембранной оксигенации у взрослых пациентов с острой сердечной недостаточностью после операций на открытом сердце
Spada et al. Evaluation of feline packed red blood cell units obtained by blood sedimentation and stored for 42 days for transfusion purposes
JPWO2014088118A1 (ja) 心病変マーカー及びその利用
Satilmisoglu et al. Assessment of long term prognostic value of admission vitamin D level in patients with acute STEMI undergoing primary percutaneous coronary intervention
RU2648529C1 (ru) Способ оценки эффективности лекарственной терапии у взрослых пациентов с острой сердечной недостаточностью после операций на открытом сердце, получающих лечение методом экстракорпоральной мембранной оксигенации
JP2002131313A (ja) 血管内皮障害の診断マーカー
Lobetti The pathophysiology of renal and cardiac changes in canine babesiosis

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080630

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100427

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101102

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110125

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110222

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140304

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees